JP6805812B2 - マニプレータの動作判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マニプレータの動作可否を判定する動作判定装置に関する。
従来、ロボットのアーム(マニプレータ)の先端を移動させる位置である動作点を教示(設定)して、教示した動作点をアームの先端が通るように、アームを動作させるものがある(特許文献1参照)。
特開2016−144861号公報
ところで、動作点の教示を行った時のアームの温度と、ロボットにより作業を行う時のアームの温度とが異なることがある。その場合、教示した通りにアームを動作させることができない場合があることに、本願発明者は着目した。
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、所定温度において、設定した通りにマニプレータを動作させることが可能か否か判定することのできるマニプレータの動作判定装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
第1リンクと、第2リンクと、前記第1リンク及び前記第2リンクを相対回転可能に接続する関節と、を備えるマニプレータの動作可否を判定する動作判定装置であって、
所定温度における前記第1リンク及び前記第2リンクの長さ、前記第1リンク及び前記第2リンクの熱膨張による長さ変化を補正する補正係数、及び前記関節の角度を設定する時の設定温度と前記所定温度との温度差に基づいて、前記所定温度において前記関節を完全に伸ばした状態の前記マニプレータの所定点の位置である第1位置に、前記設定温度において前記所定点を移動させる時の前記関節の角度である限界角度を算出する限界角度算出部と、
前記設定された前記関節の角度である設定角度を検出する設定角度検出部と、
前記限界角度算出部により算出された前記限界角度と、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度とに基づいて、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが可能であるか否か判定する判定部と、
を備える。
上記構成によれば、マニプレータにおいて、第1リンク及び第2リンクが関節により相対回転可能に接続されている。ここで、第1リンクと第2リンクとが相対回転することにより、リンクの温度が上昇する。リンクは温度の上昇に伴って熱膨張するため、リンクの長さは温度に応じて変化する。このため、例えば高温時に関節を完全に伸ばした状態でマニプレータの所定点の位置(動作点)を設定(教示)すると、低温時にリンクの長さが足りず、設定した位置に所定点を移動させることができない。
この点、限界角度算出部により、所定温度における第1リンク及び第2リンクの長さ、第1リンク及び第2リンクの熱膨張による長さ変化を補正する補正係数、及び関節の角度を設定する時の設定温度と所定温度との温度差に基づいて、所定温度において関節を完全に伸ばした状態のマニプレータの所定点の位置である第1位置に、設定温度において所定点を移動させる時の関節の角度である限界角度が算出される。この限界角度は、設定温度において関節を完全に伸ばした状態に近い状態で関節の角度を設定する場合に、これ以上関節の角度を小さく設定すると、所定温度(<設定温度)において関節を完全に伸ばしても設定温度での所定点の位置まで所定点を移動させることができなくなる角度である。
そこで、設定角度検出部により、設定された関節の角度である設定角度が検出される。したがって、限界角度算出部により算出された限界角度と、設定角度検出部により検出された設定角度とに基づいて、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが可能であるか否か判定することができる。その結果、所定温度において、設定した通りにマニプレータを動作させることが可能か否か判定することができる。なお、所定温度(作業時の温度)が設定温度(教示時の温度)よりも高い場合は、設定温度において関節を完全に伸ばした状態のマニプレータの所定点の位置に、所定温度において所定点を問題なく移動させることができる。
ここで、第1位置が関節を完全に伸ばした状態のマニプレータの所定点の位置でない場合、マニプレータの姿勢を含めた演算が必要となり、その結果動作不可能と判定されると、改めて動作点を設定し直して同様の演算を繰り返し行うことになる。第1位置によっては、上記のような演算を極めて多くこなすことになる場合があり、その場合最終的には動作可能という回答が得られるにしても、それを得るためにかなりの演算時間を必要として非効率である。それに対して、上記構成のように関節を完全に伸ばした状態を対象にして動作可否の判定を行えば、1回の演算により最終的な回答に到達できるので、極めて演算時間を短縮できる。例えばロボット(マニプレータ)において、一番手間が掛かる(時間や費用の効率が悪い)のは、導入初期の教示やキャリブレーションといった必ず人手を介さないとできない段階である。本願は元々、そのタイミングで行われるものであるので、上記構成により演算時間を短縮できれば、手間の改善につながり効率的なロボット導入も可能になることから、ロボットにとっては極めて意味のあるものである。
具体的には、第2の手段のように、前記判定部は、前記限界角度算出部により算出された前記限界角度よりも、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度が小さい場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定するといった構成を採用することができる。
第3の手段では、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であることを通知する不可通知部を備える。
上記構成によれば、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能であることが通知される。このため、ユーザは、現在の動作点(すなわち関節の角度)の設定では、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能となることを知ることができる。その結果、関節の角度の設定終了後に動作点の設定をやり直す必要が生じることや、マニプレータの納入後に動作不能になることを抑制することができる。
第4の手段では、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能となる温度を通知する温度通知部を備える。
上記構成によれば、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、第1位置に所定点を移動させることが不可能となる温度が通知される。このため、ユーザは、マニプレータを使用する環境の温度やマニプレータの使用状態を考慮して、第1位置に所定点を移動させることが可能であるか否か判断することができる。
第5の手段では、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記関節の角度の設定時に前記関節の角度を修正すべき量を通知する角度通知部を備える。
上記構成によれば、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、関節の角度の設定時に関節の角度を修正すべき量が通知される。このため、ユーザは、所定温度において第1位置に所定点を移動させることを可能とするために、関節の角度の設定時に関節の角度を修正する量を容易に知ることができる。
第6の手段では、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記関節の角度の設定時に前記所定点の位置を修正すべき量を通知する位置通知部を備える。
上記構成によれば、所定温度において第1位置に所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、関節の角度の設定時に所定点の位置を修正すべき量が通知される。このため、ユーザは、所定温度において第1位置に所定点を移動させることを可能とするために、関節の角度の設定時に所定点の位置を修正する量を容易に知ることができる。
また、具体的には第7の手段のように、前記判定部は、前記限界角度算出部により算出された前記限界角度よりも、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度が大きい場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが可能であると判定するといった構成を採用することができる。
余弦定理、cos関数のテイラー展開を用い、所定温度において関節を完全に伸ばした状態を考慮すると、限界角度θ1を以下の式で近似することができる。すなわち、第8の手段のように、前記限界角度算出部は、所定温度における前記第1リンク及び前記第2リンクの長さをそれぞれa0,b0とし、前記第1リンク及び前記第2リンクの熱膨張による長さ変化を補正する補正係数をそれぞれM1,M2とし、前記温度差をΔとし、前記限界角度をθ1とすると、θ1=√{2(a0+b0)×(M1+M2)×Δ/(a0×b0)}により、前記限界角度θ1を算出するといった構成を採用することができる。こうした構成によれば、簡易な式により限界角度θ1を算出することができ、演算負荷を軽減することができる。
アーム及びコントローラを示す模式図。 電源ON直後の伸び状態のアームを示す模式図。 暖機動作後の伸び状態のアームを示す模式図。 設定温度における限界角度と所定温度での動作可否を示す模式図。
以下、垂直多関節ロボットの第2軸及び第3軸を構成する複数のリンク及び関節に具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、アーム10(マニプレータに相当)は、リンクL1,L2、及び関節J1,J2を備えている。リンクL1(第1リンクに相当)は、関節J1により回転可能に支持されている。関節J2は、リンクL1とリンクL2(第2リンクに相当)とを相対回転可能に接続している。関節J1,J2は、前段のリンクに固定された軸受けと、この軸受けを介して回転可能に支持された回転軸とを備えている。この回転軸は、次段のリンクに接続されており、モータ及び減速機等を備える駆動装置により回転させられる。リンクL1において、関節J2と反対側の端部の中心(1点)は、リンクL1,L2の動作の基点Bに設定されている。リンクL2において、関節J2と反対側の端部の中心は、アーム10の位置を表す所定点Cに設定されている。
関節J1,J2には、それぞれエンコーダ11,12が設けられている。エンコーダ11,12は、それぞれの関節において回転軸の回転角度を検出する。また、エンコーダ11,12は、それぞれ温度センサを備えている。温度センサは、エンコーダの温度、ひいてはモータの温度を検出する。エンコーダ11,12により検出された各回転軸の回転角度、及び温度センサにより検出された各エンコーダの温度は、コントローラ20へ出力される。なお、エンコーダ12は設定角度検出部を構成している。
アーム10の動作状態は、コントローラ20により制御される。コントローラ20(動作判定装置に相当)は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータである。コントローラ20は、エンコーダ11,12及び温度センサによる検出値に基づいて、所定点Cを目標位置に移動させる。
詳しくは、コントローラ20は、各温度センサにより検出される温度に基づいて、リンクL1,L2の温度を算出する。コントローラ20は、基準温度(例えば20℃)におけるリンクL1,L2の長さ、基準温度とリンクL1,L2の温度との差、及びリンクL1,L2の熱膨張係数に基づいて、リンクL1,L2の長さを算出する。コントローラ20は、所定点Cの目標位置及びリンクL1,L2の長さに基づいて、関節J1,J2の目標回転角度を算出する(目標位置から目標回転角度への逆変換)。そして、コントローラ20は、エンコーダ11,12によりそれぞれ検出される回転角度が、関節J1,J2のそれぞれの目標回転角度になるように、関節J1,J2のモータをそれぞれフィードバック制御する。なお、コントローラ20は、関節J1,J2の回転角度及びリンクL1,L2の長さに基づいて、所定点Cの位置を算出する(回転角度から位置への変換)。
ここで、図2に示すように、コントローラ20の電源ON直後(アーム10の暖機動作前)は、アーム10の温度が低く、リンクL1,L2の長さが短くなっている。標準温度(例えば40℃)においてリンクL1,L2の長さが500.0mmであるのに対して、電源ON直後(例えば20℃)においてリンクL1,L2の長さが499.8mmになっている。
一方、図3に示すように、アーム10暖機動作後は、アーム10の温度が高く、リンクL1,L2の長さが長くなっている。標準温度(例えば40℃)においてリンクL1,L2の長さが500.0mmであるのに対して、暖機動作後(例えば60℃)においてリンクL1,L2の長さが500.2mmになっている。すなわち、リンクL1とリンクL2とが相対回転することにより、リンクL1,L2の温度が上昇する。リンクL1,L2は温度の上昇に伴って熱膨張するため、リンクL1,L2の長さは温度に応じて変化する。
このため、図3に示す暖機動作後にアーム10の関節J2を完全に伸ばした状態で、所定点Cを移動させる位置である動作点を教示(設定)すると、図2に示す電源ON直後にアーム10の関節J2を完全に伸ばしたとしても、教示した動作点(以下、「教示点」という)に所定点Cを移動させることができない。この場合、コントローラ20は、所定点Cの目標位置としての教示点及びリンクL1,L2の長さに基づいて、関節J1,J2の目標回転角度を算出しようとしても、目標回転角度を算出することができない(目標回転角度の解なし)。
なお、暖機動作の前後でアーム10の温度が異なる場合だけでなく、ロボットの動作環境の温度が場所や季節により変化した場合や、アーム10の動作状態(発熱状態)が変化した場合も、同様の問題が生じ得る。
そこで、本実施形態では、コントローラ20(限界角度算出部に相当)は、図4(b)に示すように、所定温度(例えば20℃)におけるリンクL1,L2の長さa0,b0、リンクL1,L2の熱膨張による長さ変化をそれぞれ補正する補正係数M1,M2、及び関節J2の角度を設定(教示)する時の設定温度(例えば60℃)と所定温度との温度差Δに基づいて、図4(b)に示すように所定温度において関節J2を完全に伸ばした状態のアーム10の所定点Cの位置である第1位置に、図4(a)に示すように設定温度において所定点Cを移動させる時の関節J2の角度である限界角度θ1を算出する。
ここで、図4(a)に示すように、設定温度においてリンクL1の長さをa1、リンクL2の長さをb1、基点Bから所定点Cまでの長さをc1とする。余弦定理により、以下の(1)式が成立する。なお、c1^2は、c1の二乗を表す。
c1^2=a1^2+b1^2−2×a1×b1×cos(π−θ1) ・・・(1)
cosθ1をテイラー展開して、θ1を0に近い微小角度として第3項以降を省略すると、(1)式を以下の(2)式のように変形することができる。
c1^2=a1^2+b1^2+2×a1×b1×(1−θ1^2/2)・・・(2)
(2)式をθ1^2について解くと、以下の(3)式で表すことができる。
θ1^2={(a1+b1)^2−c1^2}/(a1×b1) ・・・(3)
また、設定温度におけるリンクL1の長さa1は、所定温度におけるリンクL1の長さa0、上記補正係数M1、及び設定温度と所定温度との温度差Δを用いて、a1=a0+M1×Δで表すことができる。同様に、設定温度におけるリンクL2の長さb1は、b1=b0+M2×Δで表すことができる。そして、図4(b)に示すように、所定温度において関節J2を完全に伸ばした状態での基点Bから所定点Cまでの長さc0=a0+b0と、図4(a)に示すように、設定温度における基点Bから所定点Cまでの長さc1とが等しいとする(c1=c0)。すなわち、図4(a)の所定点Cの位置と、図4(b)の所定点Cの位置とが等しいとする。これらの式を上記(3)式に代入すると、以下の(4)式のように表すことができる。
θ1^2={(a0+M1×Δ+b0+M2×Δ)^2−(a0+b0)^2}/{(a0+M1×Δ)×(b0+M2×Δ)} ・・・(4)
(4)式を展開して微小値となる項を省略すると、以下の(5)式のように表すことができる。
θ1^2=2×(a0+b0)×(M1+M2)×Δ/(a0×b0) ・・・(5)
したがって、限界角度θ1は、以下の(6)式で表すことができる。
θ1=√{2×(a0+b0)×(M1+M2)×Δ/(a0×b0)}・・・(6)
この限界角度θ1は、図4(a)に示すように設定温度において関節J2を完全に伸ばした状態に近い状態で関節J2の角度θを設定する場合に、これ以上関節J2の設定角度θを小さく設定すると、図4(b)に示すように所定温度(<設定温度)において関節J2を完全に伸ばしても設定温度での所定点Cの位置まで所定点Cを移動させることができなくなる角度である。なお、所定温度(作業時の温度)が設定温度(教示時の温度)よりも高い場合は、設定温度において関節J2を完全に伸ばした状態のアーム10の所定点Cの位置に、所定温度において所定点Cを問題なく移動させることができる。
このため、コントローラ20(判定部に相当)は、算出した限界角度θ1よりも、エンコーダ12により検出された設定角度θが小さい場合に、図4(b)に示すように所定温度において上記第1位置(図4(a)の所定点Cの位置)に所定点Cを移動させることが不可能であると判定する。また、コントローラ20は、算出した限界角度θ1よりも、エンコーダ12により検出された設定角度θが大きい場合に、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが可能であると判定する。すなわち、コントローラ20は、算出した限界角度θ1と、エンコーダ12により検出された設定角度θとに基づいて、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが可能であるか否か判定する。
さらに、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、コントローラ20(不可通知部に相当)は、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であることをユーザに通知する。具体的には、コントローラ20に接続されたモニタやティーチングペンダントにより、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であることを表示させたり、音声で通知させたりする。
加えて、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、コントローラ20(温度通知部に相当)は、第1位置に所定点Cを移動させることが不可能となる温度をユーザに通知する。具体的には、コントローラ20は、設定角度θ=限界角度θ1となる温度差Δを算出する。そして、コントローラ20は、所定温度に温度差Δを足した温度を、第1位置に所定点Cを移動させることが不可能となる温度として算出する。そして、コントローラ20は、算出した温度をユーザに通知する。
また、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、コントローラ20(角度通知部に相当)は、動作点の教示時に関節J2の角度を修正すべき量をユーザに通知する。具体的には、コントローラ20は、設定角度θと限界角度θ1との差(θ−θ1)を、関節J2の角度を修正すべき量としてユーザに通知する。
あるいは、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、コントローラ20(位置通知部に相当)は、動作点の教示時に教示点(動作点)の位置を修正すべき量をユーザに通知してもよい。具体的には、コントローラ20は、設定角度θにおける基点Bと所定点Cとの距離と、限界角度θ1における基点Bと所定点Cとの距離との差を、教示点の位置を修正すべき量としてユーザに通知する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・エンコーダ12により、動作点の教示時に設定された関節J2の角度である設定角度θが検出される。そして、算出された限界角度θ1と、エンコーダ12により検出された設定角度θとに基づいて、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが可能であるか否か判定される。その結果、所定温度において、設定した通りにアーム10を動作させることが可能か否か判定することができる。
・コントローラ20は、算出した限界角度θ1よりも、エンコーダ12により検出された設定角度θが小さい場合に、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定することができる。
・所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であることが通知される。このため、ユーザは、現在の動作点の設定(関節J2の角度の設定)では、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能となることを知ることができる。その結果、動作点の教示終了後に動作点の教示をやり直す必要が生じることや、ロボットの納入後に動作不能になることを抑制することができる。
・所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、第1位置に所定点Cを移動させることが不可能となる温度が通知される。このため、ユーザは、アーム10を使用する環境の温度やアーム10の使用状態を考慮して、第1位置に所定点Cを移動させることが可能であるか否か判断することができる。
・所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、関節J2の角度の設定時に関節J2の角度を修正すべき量が通知される。このため、ユーザは、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることを可能とするために、関節J2の角度の設定時に関節J2の角度を修正する量を容易に知ることができる。
・所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが不可能であると判定された場合に、関節J2の角度の設定時に所定点Cの位置を修正すべき量が通知される。このため、ユーザは、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることを可能とするために、関節J2の角度の設定時に所定点Cの位置を修正する量を容易に知ることができる。
・コントローラ20は、算出した限界角度θ1よりも、エンコーダ12により検出された設定角度θが大きい場合に、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが可能であると判定することができる。
・余弦定理、cos関数のテイラー展開を用い、所定温度において関節J2を完全に伸ばした状態を考慮すると、限界角度θ1を(6)式で表すことができる。したがって、簡易な式により限界角度θ1を算出することができ、コントローラ20の演算負荷を軽減することができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・cosθ1をテイラー展開して、θ1を0に近い微小角度として微小値となる項を省略する際に、第3項を省略せず、第4項以降又は第5項以降を省略してもよい。また、(4)式を展開して微小値となる項を省略する際に、分母においてはΔ^2の項のみを省略してもよい。
・設定温度におけるリンクL1の長さa1を、所定温度におけるリンクL1の長さa0、補正係数M3、及び設定温度と所定温度との温度差Δを用いて、a1=a0×(1+M3×Δ)で表すように、補正係数M3を定義することもできる。同様に、b1=b0×(1+M4×Δ)で表すように、補正係数M4を定義することもできる。その場合、リンクL1,L2の長さa1,b1を上記式に変更した上で、(4)式以降の式を導出すればよい。
・上記の各通知のうち少なくとも一部を省略してもよい。
・ユーザによる動作点の教示時に限らず、シミュレーションによるアーム10の動作確認時に、第1位置に所定点Cを移動させることが可能であるか否か判定してもよい。その場合、コントローラ20(限界角度算出部、設定角度検出部、及び判定部に相当)はシミュレーションにおいて、シミュレーション時の設定に基づいて限界角度θ1を算出し、設定された関節J2の角度を設定角度θとして検出し、限界角度θ1と設定角度θとに基づいて、所定温度において第1位置に所定点Cを移動させることが可能であるか否か判定すればよい。
・アーム10の動作可否を判定する温度である所定温度は、アーム10を動作させる環境の温度やアーム10の動作状態(発熱状態)に応じて、任意に設定することができる。
・各温度におけるリンクL1,L2の長さを予め算出して記憶しておき、コントローラ20は、設定温度や所定温度に応じて、記憶されたリンクL1,L2の長さを読み込んで用いてもよい。
・垂直多関節ロボットの第2軸及び第3軸を構成するリンクL1,L2及び関節J1,J2に限らず、水平多関節ロボットの第1軸及び第2軸を構成する複数のリンク及び関節に具現化することもできる。さらに、ロボットのアーム10に限らず、第1リンクと、第2リンクと、第1リンク及び第2リンクを相対回転可能に接続する関節と、を備えるマニプレータに具現化することもできる。
10…アーム(マニプレータ)、11…エンコーダ、12…エンコーダ(設定角度検出部)、20…コントローラ(動作判定装置)、J1…関節、J2…関節、L1…リンク、L2…リンク。

Claims (8)

  1. 第1リンクと、第2リンクと、前記第1リンク及び前記第2リンクを相対回転可能に接続する関節と、を備えるマニプレータの動作可否を判定する動作判定装置であって、
    所定温度における前記第1リンク及び前記第2リンクの長さ、前記第1リンク及び前記第2リンクの熱膨張による長さ変化を補正する補正係数、及び前記関節の角度を設定する時の設定温度と前記所定温度との温度差に基づいて、前記所定温度において前記関節を完全に伸ばした状態の前記マニプレータの所定点の位置である第1位置に、前記設定温度において前記所定点を移動させる時の前記関節の角度である限界角度を算出する限界角度算出部と、
    前記設定された前記関節の角度である設定角度を検出する設定角度検出部と、
    前記限界角度算出部により算出された前記限界角度と、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度とに基づいて、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが可能であるか否か判定する判定部と、
    を備えるマニプレータの動作判定装置。
  2. 前記判定部は、前記限界角度算出部により算出された前記限界角度よりも、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度が小さい場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定する請求項1に記載のマニプレータの動作判定装置。
  3. 前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であることを通知する不可通知部を備える請求項2に記載のマニプレータの動作判定装置。
  4. 前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能となる温度を通知する温度通知部を備える請求項2又は3に記載のマニプレータの動作判定装置。
  5. 前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記関節の角度の設定時に前記関節の角度を修正すべき量を通知する角度通知部を備える請求項2〜4のいずれか1項に記載のマニプレータの動作判定装置。
  6. 前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが不可能であると判定された場合に、前記関節の角度の設定時に前記所定点の位置を修正すべき量を通知する位置通知部を備える請求項2〜5のいずれか1項に記載のマニプレータの動作判定装置。
  7. 前記判定部は、前記限界角度算出部により算出された前記限界角度よりも、前記設定角度検出部により検出された前記設定角度が大きい場合に、前記所定温度において前記第1位置に前記所定点を移動させることが可能であると判定する請求項1〜6のいずれか1項に記載のマニプレータの動作判定装置。
  8. 前記限界角度算出部は、所定温度における前記第1リンク及び前記第2リンクの長さをそれぞれa0,b0とし、前記第1リンク及び前記第2リンクの熱膨張による長さ変化を補正する補正係数をそれぞれM1,M2とし、前記温度差をΔとし、前記限界角度をθ1とすると、
    θ1=√{2(a0+b0)×(M1+M2)×Δ/(a0×b0)}により、限界角度θ1を算出する請求項1〜7のいずれか1項に記載のマニプレータの動作判定装置。
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