JP6805777B2 - データ処理方法、タイヤの評価方法、車両の振動乗り心地性能の評価方法、及びデータ処理装置 - Google Patents
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具体的には、タイヤの評価方法は、転動中のタイヤに入力を与えた後にタイヤを自由減衰振動させ、入力を与えた後におけるタイヤの振動に関する情報を取得し、この振動に関する情報から得られた時刻歴の振動の波形に合うように、2自由度以上の自由減衰振動の式を定め、得られた自由減衰振動の式を用いて、転動中における前記タイヤを評価するための情報を求める。これにより、転動中におけるタイヤの固有振動数及び減衰比(減衰係数)等をタイヤ評価情報として取得する。
当該データ処理方法は、
前記コンピュータが、前記タイヤ軸力Oの計測データから、設定された前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、前記タイヤ入力Iの仮入力データを算出する入力データ算出ステップと、
前記コンピュータが、前記入力データ算出ステップで算出した前記仮入力データのうち、前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値を0にした修正仮入力データと前記タイヤ軸力Oの計測データから、前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出するパラメータ値算出ステップと、を備え、
前記仮入力データのうち前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値が0に収束する条件を少なくとも含む収束条件を満足するまで、前記コンピュータは、前記修正仮値を、前記特性パラメータの前記仮値として設定して前記入力データ算出ステップ及び前記パラメータ値算出ステップを繰り返し行うことにより、前記収束条件を満足するときの前記タイヤ入力Iの仮入力データと前記特性パラメータの仮値のそれぞれを前記タイヤ入力Iの収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値として算出する。
前記データ処理方法において前記収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値を算出するステップと、
前記収束入力データ及び前記特性パラメータの前記収束値の少なくとも一方を用いて、前記コンピュータが前記タイヤの振動乗り心地性能を評価するステップと、を備える。
前記特性パラメータの前記収束値のうち、前記非減衰固有角振動数及び前記減衰係数の収束値からタイヤのサイド・ビード部の振動の吸収の程度を表すダンパ要素を前記コンピュータが評価するステップと、を備えることが好ましい。
前記収束入力データの値の絶対値の積分値、あるいは、前記タイヤが前記段差を通過する期間における前記収束入力データの時間微分の絶対値の平均値を用いて、前記タイヤの振動乗り心地性能のうちの性能1の評価を行う、ことが好ましい。
前記タイヤの転動する計測用転動速度と異なる評価用転動速度における前記タイヤの振動乗り心地性能のうちの性能2の評価を行うために、前記計測用転動速度における前記収束入力データの時間軸上の波形を前記評価用転動速度に応じて伸縮することで得られる伸縮波形を表した伸縮収束入力データと、前記特性パラメータの前記収束値を有する振動伝達特性を用いてコンボリューション処理を行い、該コンボリューション処理を行うことで算出された前記評価用転動速度に対応した前記タイヤ軸力Oの予測データの絶対値の積分値と前記伸縮収束入力データの絶対値の積分値との差分により、前記性能2の評価を行う、ことが好ましい。
前記データ処理方法において前記収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値を算出するステップと、
前記特性パラメータで表した前記タイヤの振動伝達特性を、車両のサスペンションをモデル化したサスペンションモデルに組み合わせた統合モデルに、前記収束入力データを入力することにより、車両の振動乗り心地性能の評価を行うステップと、を備える、ことが好ましい。
前記タイヤ軸力Oの計測データを取得するデータ取得部と、
前記計測データから、設定された前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、前記タイヤ入力Iの仮入力データを算出する入力データ算出部と、
前記入力データ算出部で算出した前記仮入力データのうち、前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値を0にした修正仮入力データと前記タイヤ軸力Oの計測データから、前記振動伝達特性の特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出するパラメータ値算出部と、
前記仮入力データのうち前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値が0に収束する条件を少なくとも含む収束条件を満足するまで、前記修正仮値を、前記特性パラメータの前記仮値として設定して前記仮入力データの算出及び前記修正仮値の算出を繰り返し行うよう前記入力データ算出部及び前記パラメータ値算出部を制御する制御部と、
前記収束条件を満足するときの前記タイヤ入力Iの仮入力データと前記特性パラメータの仮値のそれぞれを前記タイヤ入力Iの収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値として算出する出力部と、を備える。
さらに、前記特性パラメータの前記収束値のうち、前記減衰係数の収束値からタイヤのサイド・ビード部の振動の吸収の程度を表すダンパ要素を前記コンピュータが評価する評価部を備える、ことが好ましい。
入力データ算出部32は、タイヤ軸力Oの計測データから、設定された振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、タイヤ入力Iの仮入力データを算出する。ここで、振動伝達特性Hは、例えば1自由度の振動伝達特性の場合、すなわち、2次伝達特性の場合、特性パラメータは非減衰固有角振動数と減衰係数を含む。タイヤTでは、特性パラメータの値は凡そ一定の範囲内にあるので、入力データ算出部32は、この一定の範囲内のある値を仮値として予め設定しておく。この特性パラメータの仮値は、後述するように繰り返し計算により修正され、最終的に収束した値になる。設定された振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、タイヤ入力Iの仮入力データを算出する方法については後述する。
すなわち、タイヤTが突起22aを通過するときは、突起22aからタイヤ入力Iを受けるが、突起22a以外の部分をタイヤTが通過するとき、試験ドラム22のドラム面から受ける入力データIは0になるので(振動を生じさせるタイヤ入力Iはないので)、仮入力データは、本来、タイヤTが突起22aを通過する前後において0にならなければならない。このため、本実施形態のパラメータ値算出部34は、入力データ算出部32で算出した仮入力データのうち、タイヤTが突起22aを通過する前後のデータの値を0にした修正仮入力データを生成する。この修正仮入力データとタイヤ軸力Oの計測データとから、振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出する。修正仮入力データとタイヤ軸力Oの計測データが既知であるので、特性パラメータの修正仮値を算出することができる。振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出する方法については後述する。
図2は、本実施形態のデータ処理方法の一例を説明する図である。図3は、本実施形態のデータ処理方法及びタイヤの評価方法の処理の流れを示す図である。図2に示す例では、振動伝達特性Hが、1自由度の振動伝達特性、すなわち、2次伝達特性である場合を示している。データ取得部30は、タイヤ軸力Oの計測データを取得する(ステップS10)。例えば、図2に示すような波形を取得する。この後、2次伝達特性のインパルス応答は、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζ(ζ<1)の設定した値を用いて図2中に示す式で表されるので、この式を利用して、タイヤ入力Iの仮入力データを算出する(ステップS20)。このとき、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの値は、凡そ一定の範囲内にあるので、入力データ算出部32は、この一定の範囲内のある値を初期の仮値として予め設定しておく。初期の仮値として、例えば、ωn=2π・70(rad/秒)、ζ=0.05と定める。このとき、タイヤ軸力Oと、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの値を含む図2中の式を用いて、タイヤ軸力Oからタイヤ入力Iを算出する処理方法は、デコンボリューション処理であり、公知の方法でタイヤ入力Iを算出することができる。具体的には、タイヤ軸力Oの計測データの時系列波形の離散値と、図2中の式を具体的に離散化して表現した行列(具体的には、タイヤ入力Iからタイヤ軸力Oを求めるための、H(t;ωn,ζ)を用いた行列の逆行列)を用いて行列演算を行って、タイヤ入力Iの仮入力データを算出することができる。
なお、タイヤ入力Iからタイヤ軸力Oを算出する処理方法は、コンボリューション処理であり、公知の方法でタイヤ軸力Oを算出することができる。具体的には、タイヤ入力Iの時系列波形の離散値と、図2中の式を具体的に離散化して表現した行列を用いて行列演算を行って、タイヤ軸力Oを算出することができる。
次に、制御部36は、ステップS20で算出される仮入力データのうちタイヤTが突起22aを通過する前後のデータの値が0に収束する条件を少なくとも含む収束条件を満足するか否かを判定する(ステップS40)。判定の結果、収束条件を満足する場合、制御部36は、ステップS20で算出した仮入力データを収束入力データとし、ステップS30で算出した修正仮値を特性パラメータの収束値とする。この後、タイヤ評価に移行する(ステップS60)。
一方、判定の結果、収束条件を満足しない場合、ステップS30で算出した修正仮値を、特性パラメータの仮値として設定して(ステップS50)、ステップS20に戻る。こうして、ステップS20及びステップS30を繰り返し行う。すなわち、ステップS40において収束条件を満足するまで、ステップS20及びステップS30を繰り返し行う。
なお、タイヤの評価については、後述する。
図4(a)は、入力データ算出部32が、タイヤ軸力Oから、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの初期の値を仮値として用いて仮入力データを算出した結果の一例を示す。この場合、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの初期値は、実際の非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの値とずれているので、タイヤTが突起22aを通過した後において、仮入力データは0になっていない。このため、パラメータ算出部34は、図4(b)に示すように、タイヤTが突起22aを通過した前後において、仮入力データの値を0にした修正仮入力データをつくる。パラメータ算出部34は、次に、図4(b)に示す修正仮入力データと、タイヤ軸力Oの計測データとを用いて、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの値を初期の仮値から修正した修正仮値を算出する。この場合の修正仮値の算出では、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの仮値を種々変更しながら、変更の度に、タイヤ軸Oの時系列波形を算出する。算出したタイヤ軸Oの時系列波形が、タイヤ軸力Oの計測データに最もよく近似するまで仮値を探索する。算出するタイヤ軸Oの時系列波形をタイヤ軸力Oの計測データに最もよく近似させる非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの仮値を、修正仮値とする。図4(c)は、算出するタイヤ軸Oの時系列波形がタイヤ軸力Oの計測データに最もよく近似する状態の一例を示している。
さらに、パラメータ算出部34は、図4(e)に示すように、タイヤTが突起22aを通過した前後において、仮入力データの値を0にする。パラメータ算出部34は、次に、図4(e)に示す仮入力データと、タイヤ軸力Oの計測データとを用いて、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζの修正仮値をさらに修正した修正仮値を、上述した方法と同じ方法で算出する。図4(f)は、算出するタイヤ軸Oの時系列波形がタイヤ軸力Oの計測データに最もよく近似する状態の一例を示している。
このようにして、図4(d)に示す仮入力データにおけるタイヤTの突起22aの通過前後の値が許容範囲になるまで、理想的には0になるまで、繰り返し、修正仮入力データと修正仮値を求める。
図5に示すように、タイヤ入力Iの仮入力データが0(N)の横軸とタイヤ入力Iの波形で囲まれた部分の面積を順番にS1,S2,S3,・・・・として求め、この面積の合計の5%〜10%の面積を有する部分であって、多くても最大面積と2番目に大きな面積の部分を取り出し、この最大面積の部分と2番目の面積の部分のうち、最も早い時間から最も遅い時間の間をタイヤTが突起22aを通過する期間として定める。したがって、この通過期間の前後の期間が、タイヤTが突起22aを通過する前後の期間となる。図5に示す例では、最大面積S1の部分の期間はt1〜t2であり、2番目の大きさの面積S2の部分が占める期間はt3〜t4である。したがって、この場合のタイヤTが突起22aを通過する期間は、t1〜t4となり、タイヤTが突起22aを通過する前後の期間は、t1以前、及びt4以降である。なお、面積S1,S2,S3,・・・・の合計の5%〜10%の面積を有する部分が1つしかない場合、その部分の最初の時間と最後の時間の間を、タイヤTが突起22aを通過するとする。
このように、本実施形態のタイヤ軸力Oは、タイヤ上下軸力及びタイヤ前後軸力のいずれか一方を少なくとも含む、データ処理方法であることが好ましい。
例えば、1自由度振動伝達特性の場合、特性パラメータは、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζを含むので、評価部40は、減衰係数ζの値からタイヤのサイド・ビード部の振動の吸収の程度を表すダンパ要素C(N・秒/mm)を評価することができる。
1自由度振動伝達特性の場合、非減衰固有角振動数ωnと減衰係数ζは、1つの質量m(kg)と1つのばね要素K(N/mm)と、1つのダンパ要素(N・秒/mm)とを用いて、以下のように表すことできる。
ωn = (K/m)(1/2)
ζ = C/(2・(m・K)(1/2))
したがって、m=K/ωn 2 、C=2Kζ/ωn と表される。
ここで、Kは、予めサイド・ビード部のばね要素Kであり、実験により算出される公知のばね定数に対応するので、実験から既知の値として求めておくことができる。したがって、C=2Kζ/ωn を用いてダンパ要素Cを算出することができる。
なお、ばね要素Kの算出方法は、特開平01−156634号公報あるいは特開平01−156635号公報に開示されている。
また、タイヤTが突起22aを通過するとき、タイヤ入力Iによってコツゴツとした振動を受けるので、この振動の評価のためには、タイヤ入力Iの入力データを用いることが好ましい。図7(b)は、タイヤTA〜TDのタイヤ入力Iの入力波形の一例を示す図である。図7(b)によると、タイヤ構造が異なることにより、タイヤ入力Iの入力波形も変化することがわかる。したがって、この入力波形の大きさや時間変化の大きさによって、コツゴツとした振動の大小を評価することができる。
すなわち、評価部40は、積分1によって性能1を評価し、積分2−積分1によって性能2を評価する。
したがって、評価部40は、積分1の値が小さいものほど、性能1が優れているタイヤであると評価する。
したがって、評価部40は、タイヤTが突起22を通過する期間におけるタイヤ入力Iの収束入力データの時間微分の絶対値の平均値が小さいものほど、性能1が優れているタイヤであると評価することも好ましい。
タイヤTのタイヤ軸力Oの計測データの取得に用いた計測転動速度の条件と異なる評価用転動速度の条件で性能2の評価を行うために、まず、評価部40は、計測に用いた計測転動速度におけるタイヤ入力Iの収束入力データの時間軸上の波形を、図11に示すように、評価用転動速度に応じて伸縮することで得られる伸縮波形を表した伸縮収束入力データを作成する。図11は、性能2の評価を行うために行う処理の一例を説明する図である。
図12は、評価用転動速度を種々変化したときの積分値(積分2−積分1)の変化の一例を示す図である。評価用転動速度が約60km/時において、積分値(積分2−積分1)は低下し、評価用転動速度が約60kmより高くなると、積分値(積分2−積分1)は上昇する挙動を示す。
したがって、評価部40は、上記積分値(積分2−積分1)が小さいものほど、性能2が優れているタイヤであると評価することが好ましい。
12 CPU
14 メモリ
16 ディスプレイ
18 入力操作系
20 タイヤドラム試験機
22 試験ドラム
22a 突起
24 タイヤ回転軸
30 データ取得部
32 入力データ算出部
34 パラメータ算出部
36 制御部
38 出力部
40 評価部
Claims (11)
- 路面を転動するタイヤが前記路面上の段差を通過するときにタイヤ回転軸に生じるタイヤ軸力Oの振動から、前記タイヤが前記段差から受けるタイヤ入力Iと、前記タイヤの軸力Oと前記タイヤ入力との間の振動伝達特性Hを、コンピュータが算出するデータ処理方法であって、
前記コンピュータが、前記タイヤ軸力Oの計測データから、設定された前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、前記タイヤ入力Iの仮入力データを算出する入力データ算出ステップと、
前記コンピュータが、前記入力データ算出ステップで算出した前記仮入力データのうち、前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値を0にした修正仮入力データと前記タイヤ軸力Oの計測データから、前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出するパラメータ値算出ステップと、を備え、
前記仮入力データのうち前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値が0に収束する条件を少なくとも含む収束条件を満足するまで、前記コンピュータは、前記修正仮値を、前記特性パラメータの前記仮値として設定して前記入力データ算出ステップ及び前記パラメータ値算出ステップを繰り返し行うことにより、前記収束条件を満足するときの前記タイヤ入力Iの仮入力データと前記特性パラメータの仮値のそれぞれを前記タイヤ入力Iの収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値として算出する、ことを特徴とするデータ処理方法。 - 前記収束条件は、さらに、前記修正仮入力データと前記振動伝達特性の特性パラメータの修正仮値から算出した前記タイヤ軸力Oの予測データが前記計測データに収束する条件を含む、請求項1に記載のデータ処理方法。
- 前記タイヤ軸力Oは、タイヤ上下軸力及びタイヤ前後軸力のいずれか一方を少なくとも含む、請求項1または2に記載のデータ処理方法。
- 前記振動伝達特性は、1自由度振動伝達特性であり、前記特性パラメータは、非減衰固有角振動数と減衰係数を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ処理方法において前記収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値を算出するステップと、
前記収束入力データ及び前記特性パラメータの前記収束値の少なくとも一方を用いて、前記コンピュータが前記タイヤの振動乗り心地性能を評価するステップと、を備えることを特徴とするタイヤの評価方法。 - 請求項4に記載のデータ処理方法において前記収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値を算出するステップと、
前記特性パラメータの前記収束値のうち、前記非減衰固有角振動数及び前記減衰係数の収束値からタイヤのサイド・ビード部の振動の吸収の程度を表すダンパ要素を前記コンピュータが評価するステップと、を備えることを特徴とするタイヤの評価方法。 - 前記タイヤの振動乗り心地性能を評価するステップでは、
前記収束入力データの値の絶対値の積分値、あるいは、前記タイヤが前記段差を通過する期間における前記収束入力データの時間微分の絶対値の平均値を用いて、前記タイヤの振動乗り心地性能のうちの性能1の評価を行う、請求項5に記載のタイヤの評価方法。 - 前記タイヤの振動乗り心地性能を評価するステップでは、
前記タイヤの転動する計測用転動速度と異なる評価用転動速度における前記タイヤの振動乗り心地性能のうちの性能2の評価を行うために、前記計測用転動速度における前記収束入力データの時間軸上の波形を前記評価用転動速度に応じて伸縮することで得られる伸縮波形を表した伸縮収束入力データと、前記特性パラメータの前記収束値を有する振動伝達特性を用いてコンボリューション処理を行い、該コンボリューション処理を行うことで算出された前記評価用転動速度に対応した前記タイヤ軸力Oの予測データの絶対値の積分値と前記伸縮収束入力データの絶対値の積分値との差分により、前記性能2の評価を行う、請求項5に記載のタイヤの評価方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ処理方法において前記収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値を算出するステップと、
前記特性パラメータで表した前記タイヤの振動伝達特性を、車両のサスペンションをモデル化したサスペンションモデルに組み合わせた統合モデルに、前記収束入力データを入力することにより、車両の振動乗り心地性能の評価を行うステップと、を備えることを特徴とする車両の振動乗り心地性能の評価方法。 - 路面を転動するタイヤが前記路面上の段差を通過するときにタイヤ回転軸に生じるタイヤ軸力Oの振動から、前記タイヤが前記段差から受けるタイヤ入力Iと、前記タイヤの軸力Oと前記タイヤ入力との間の振動伝達特性Hを算出するデータ処理装置であって、
前記タイヤ軸力Oの計測データを取得するデータ取得部と、
前記計測データから、設定された前記振動伝達特性Hの特性パラメータの仮値を用いて、前記タイヤ入力Iの仮入力データを算出する入力データ算出部と、
前記入力データ算出部で算出した前記仮入力データのうち、前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値を0にした修正仮入力データと前記タイヤ軸力Oの計測データから、前記振動伝達特性の特性パラメータの仮値を修正した修正仮値を算出するパラメータ値算出部と、
前記仮入力データのうち前記タイヤが前記段差を通過する前後のデータの値が0に収束する条件を少なくとも含む収束条件を満足するまで、前記修正仮値を、前記特性パラメータの前記仮値として設定して前記仮入力データの算出及び前記修正仮値の算出を繰り返し行うよう前記入力データ算出部及び前記パラメータ値算出部を制御する制御部と、
前記収束条件を満足するときの前記タイヤ入力Iの仮入力データと前記特性パラメータの仮値のそれぞれを前記タイヤ入力Iの収束入力データ及び前記特性パラメータの収束値として算出する出力部と、を備えることを特徴とするデータ処理装置。 - 前記振動伝達特性は、1自由度振動伝達特性であり、前記特性パラメータは、非減衰固有角振動数と減衰係数を含み、
さらに、前記特性パラメータの前記収束値のうち、前記減衰係数の収束値からタイヤのサイド・ビード部の振動の吸収の程度を表すダンパ要素を前記コンピュータが評価する評価部を備える、請求項10に記載のデータ処理装置。
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