JP4105492B2 - 負荷試験システムおよび負荷試験方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両やその部品などの試験において、リアルの供試体および仮想モデルの両者を用いて、供試体に負荷を加える負荷試験システムおよび負荷試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、新型車両の開発などの際に行われる車両やその部品などの試験では、実機すなわちリアルなものを用いて行われていた。しかしながら、実機の製造コストや製造時間などがかかるため、近年は、仮想モデルを用いて試験が行われるようになってきている。そして、仮想モデルを用いると、新型車の開発期間を短くすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、仮想モデルでは、必ずしも、実機の挙動を正確には再現できないので、試験対象物を1部はリアルの供試体にし、他の部分は仮想モデルにして試験を行うことが検討されている。この供試体は、仮想モデルとインタラクティブすなわち相互に作用し合っている。そして、供試体には、ダイナモや油圧装置などのアクチュエータにより負荷が加えられる。この負荷は時々刻々変化していくため、リアルタイム処理が要求される。しかしながら、アクチュエータなどには応答遅れがあるため、供試体と仮想モデルとの両者を同時に、リアルタイム処理することは困難である。
【0004】
また、応答遅れを少なくするために、アクチュエータの容量などを大きくして、アクチュエータの応答性を向上することが図られている。しかしながら、試験設備のコストが上昇するとともに、応答遅れは小さくすることはできるが、無くすことは不可能である。
【0005】
さらに、仮想モデルのみで試験を行い、ついで、その試験データをもとにして、供試体で試験を行うことも考えられる。しかしながら、供試体と仮想モデルとはインタラクティブであるので、正確なデータを得ることが困難である。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、リアルの供試体と仮想モデルとを用いた試験の際にアクチュエータなどの応答遅れの影響を極力除去することができる負荷試験システムおよび負荷試験方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の負荷試験システムは、試験対象物は、その一部がリアルの供試体(6)で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、この試験対象物の供試体に負荷試験機(61)の負荷装置(62,63)で負荷を加えて試験を実行する負荷試験システムであって、
前記負荷装置に入力する制御波形を生成する制御波形生成部(81)と、
負荷装置により供試体に入力された入力負荷波形を検出する入力負荷波形検出手段(64,66)と、
この入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形とを比較する評価部(82)とを備え、
前記制御波形生成部から第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力ステップと、
この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを評価部で比較して、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、第1次制御波形を更新して、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新ステップと、
更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力ステップと、
更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを評価部で比較して、参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新ステップと、
参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力ステップと制御波形更新ステップとを繰り返す繰返ステップと、
を実行する。
【0008】
請求項2記載の負荷試験システムは、試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で変位負荷を加えて試験を実行する負荷試験システムであって、
前記負荷装置に入力する制御波形を生成する制御波形生成部と、
負荷装置により供試体に入力された入力負荷波形を検出する入力負荷波形検出手段と、
この入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形とを比較する評価部とを備え、
前記制御波形生成部からランダム波を負荷装置に出力して伝達関数を求め、この伝達関数から逆伝達関数を取得する逆伝達関数取得ステップと、
前記制御波形生成部から第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力ステップと、
この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを評価部で比較し、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新ステップと、
更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力ステップと、
更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを評価部で比較して、参照波形と入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新ステップと、
参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力ステップと制御波形更新ステップとを繰り返す繰返ステップと、
を実行する。
【0009】
請求項3記載の負荷試験方法は、試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で負荷を加えて試験を実行する負荷試験方法であって、
第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力工程と、
この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを比較して、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、第1次制御波形を更新して、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新工程と、
更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力工程と、
更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを比較して、参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新工程と、
参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力工程と制御波形更新工程とを繰り返す繰返工程と、
を備える。
【0010】
請求項4記載の負荷試験方法は、試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で変位負荷を加えて試験を実行する負荷試験方法であって、
ランダム波を負荷装置に出力して試験対象物および負荷装置の伝達関数を求め、この伝達関数から逆伝達関数を取得する逆伝達関数取得工程と、
第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力工程と、
この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを比較し、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新工程と、
更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力工程と、
更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを比較して、参照波形と入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新工程と、
参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力工程と制御波形更新工程とを繰り返す繰返工程と、
を備える。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明における負荷試験システムおよび負荷試験方法の実施の一形態を説明する。図1は本発明の試験対象の車両のサスペンション系のモデルの概略図である。図2は図1のサスペンション系の一輪のモデルの概略図である。図3は車両のサスペンション系の一輪の仮想モデルの概略図である。図4は本発明の負荷試験システムの説明図である。図5は本発明の負荷試験システムの伝達関数補正制御部の概略の説明図である。
【0012】
本発明の負荷試験システムおよび負荷試験方法は、種々の試験対象物に採用可能であるが、車両のサスペンション系の試験に採用した場合を想定する。そして、ショックアブソーバーをリアルの供試体にし、他の車両の部分を仮想モデルにする。なお、仮想モデルはコンピュータ上に構築される。
説明を簡単にするために、車両のモデルは、図1に示すように、ダンパーC、バネkおよび質量Mで構成されているものとする。このモデルの車両は、前側のタイヤ1がバネktf とダンパーCtf とで構成され、前側の車軸などが質量M1f で構成され、また、前側のサスペンション2がバネksf とダンパーCsf とで構成されている。前側と同様に、後側のタイヤ1がバネktr とダンパーCtr とで構成され、後側の車軸などが質量M1r で構成され、また、後側のサスペンション2がバネksr とダンパーCsr とで構成されている。タイヤ1の下面が地面Zに接地している。そして、車体の質量M2及び車体重心G回りの慣性モーメントIが、前後のサスペンションで支持されている。ショックアブソーバーは、ダンパーCsf,Ctr に対応しているが、ショックアブソーバーと車両全体は相互に作用しており、話が複雑である。
【0013】
そこで、話を簡単にするためには、図2に図示するように、1輪だけのモデルを考える。図1と略同様に、タイヤ1がバネktとダンパーCtとで表され、車軸などが下部質量M1で表され、サスペンション2がバネksとダンパーCsとで表され、サスペンション2に加わる車体3重量が上部質量M2で表される。そして、ダンパーCsがショックアブソーバー6となる。また、タイヤ1の下面が地面Zに接地している。そして、タイヤ1の下端の位置をy0で、下部質量M1の位置をy1で、上部質量M2の位置をy2で示す。なお、各位置y0,y1,y2の初期値は0とする。
【0014】
この1輪のモデルの仮想モデルを図3に示す。
仮想モデルは下記式1)および式2)を満たしている。
M2*y2 ″+Cs(y1′-y2 ′)+ks(y1-y2)=0 式1)
M1*y1 ″+Ct(y0′-y1 ′)+kt(y0-y1)- Cs(y1′-y2 ′)-ks(y1-y2)=0 式2)
なお、 Cs(y1′-y2 ′)+ks(y1-y2)=F2
Ct(y0′-y1 ′)+kt(y0-y1)=F1
yは位置、y′は速度、y″は加速度を表している。
乗算部11でks(y1-y2) を演算し、極性変更部12で極性を調整して、加算部13に入力する。また、乗算部16で Cs(y1′-y2 ′) を演算し、極性変更部17で極性を調整して、加算部13に入力する。そして、加算部13からサスペンション2による力F2が出力され、この力F2が除算部21で上部質量M2で除算され、積分部22で積分されて速度y2′となる。ついで、この速度y2′が積分部23で積分されて位置y2となる。
【0015】
また、乗算部31でkt(y0-y1) を演算し、極性変更部32で極性を調整して、加算部33に入力する。また、乗算部36で Ct(y0′-y1 ′) を演算し、極性変更部37で極性を調整して、加算部33に入力する。加算部33にはさらに、力F2が入力される。そして、加算部33からタイヤ1による力F1が出力され、この力F1が除算部41で下部質量M1で除算され、積分部42で積分されて速度y1′となる。ついで、この速度y1′が積分部43で積分されて位置y1となる。
また、タイヤ1は凸凹の地面Zにより上下動しており、この信号として仮想モデルには地面Zから地面の位置すなわちタイヤ1下端の位置y0が実走行波形により外乱として入力されている。この外乱は、コンピュータのハードディスクなどの記憶部に予め記憶されており、必要に応じて読みだされる。そして、この位置y0は、微分部44で微分され、速度y0′が生成されている。
減算部51には、速度y1′および速度y2′が入力され、y1′-y2 ′を出力する。減算部52には、位置y1および位置y2が入力され、y1-y2 を出力する。減算部53には、速度y0′および速度y1′が入力され、y0′-y1 ′を出力する。減算部54には、位置y0および位置y1が入力され、y0-y1 を出力する。
【0016】
この図3の仮想モデルでは、1輪全体が仮想モデルで構築されている。そして、本発明の実施の形態では、ショックアブソーバー6をリアルすなわち供試体とする。そのため、図3の乗算部16の部分や乗算部11への入力信号(y1-y2)が、図4に図示するように変更される。
【0017】
図4において、ショックアブソーバー6に変位負荷を加える負荷試験機61は、ショックアブソーバー6に負荷を加える油圧アクチュエータ62、この油圧アクチュエータ62をフィードバック制御するコントローラ63、ショックアブソーバー6の変位(y1-y2)を計測する変位センサ64、ショックアブソーバー6の速度 (y1′-y2 ′) を計測する速度センサ66、および、ショックアブソーバー6に加わる加重を計測する荷重センサ67を具備している。各センサはショックアブソーバー6の状態(位置、速度や荷重など)を検知して、その状態データを出力する。油圧アクチュエータ62およびコントローラ63で変位負荷装置が構成されており、コントローラ63には制御波形が入力される。コントローラ63は、ショックアブソーバー6の変位が、制御波形となるように油圧アクチュエータ62を制御する。また、荷重センサ67の検出データF2c は、仮想モデルの極性変更部17に入力され、変位センサ64の検出データは、仮想モデルの乗算部11に入力される。さらに、仮想モデルからショックアブソーバー6に加えるべき変位(y1-y2)および速度 (y1′-y2 ′) が、仮想モデルから参照波形として出力される。そして、変位センサ64の検出した変位(y1-y2)および速度センサ66の検出した速度 (y1′-y2 ′) は、仮想モデルからの参照波形に一致する必要がある。そこで、伝達関数補正制御部71は、センサ64,66からの検出波形(すなわち供試体への入力負荷波形)と参照波形とを比較し、その差が0となるように、制御波形をコントローラ63に出力する。この伝達関数補正制御部71の機能もコンピュータ内に形成される。
【0018】
ところで、伝達関数補正制御部71は、説明のために、図3ではオンラインの状態で記載されている。変位センサ64の変位(y1-y2)信号が、伝達関数補正制御部71の制御波形と一致している場合には、伝達関数補正制御部71の部分がオンラインで問題ないが、現実には、負荷装置である油圧アクチュエータ62およびコントローラ63には、応答遅れが生じている。たとえば、この応答遅れが約3秒だとすると、3秒前の制御波形による変位センサ64の変位(y1-y2)信号が、現時点の参照波形と一致するように制御されることになり、誤差が発生する。そして、供試体であるショックアブソーバー6と仮想モデルとはインタラクティブであるので、その誤差は累積され、長い期間後には大きくなる。
【0019】
そこで、実際の実施の形態では、図5に図示するように、伝達関数補正制御部71は、制御波形生成部81と評価部82とを具備しており、負荷試験機61でショックアブソーバー6を試験している際には、制御波形生成部81と評価部82とは切断されてオフラインとなっている。そして、第aステップ〔第1次制御波形出力ステップ〕として、制御波形生成部81から予め決定された制御波形を所定時間(たとえば、数10秒〜数10分)出力し、負荷試験機61で試験を行う。また、この試験の最中には、評価部82に、ショックアブソーバー6への入力負荷波形〔すなわち、センサ64,66からの検出データ(検出波形)〕および仮想モデルの参照波形が入力される。
【0020】
そして、第bステップ〔制御波形更新ステップ〕として、評価部82は入力負荷波形と参照波形とを比較して評価し、入力負荷波形と参照波形との差がなくなるように、前回制御波形生成部81から出力した制御波形を補正し、更新された制御波形を生成する。負荷試験機61でのショックアブソーバー6の試験の終了後、この制御波形のデータは評価部82から制御波形生成部81へ入力される。
【0021】
ついで、第cステップ〔更新制御波形出力ステップ〕として、制御波形生成部81から更新された制御波形を出力し、負荷試験機61で試験を行う。この試験の最中にも、評価部82に、ショックアブソーバー6への入力負荷波形および仮想モデルの参照波形が入力される。
この第cステップ後、入力負荷波形と参照波形との差が略なくなるまで、第bステップと第cステップとを繰り返す〔繰返ステップ〕。
この様にして、入力負荷波形と参照波形との差が略なくなると、油圧アクチュエータ62およびコントローラ63での応答遅れが無い状態で、伝達関数補正制御部71によりオンライン制御した場合と、略同じ結果が得られることになる。
【0022】
ついで、伝達関数補正制御部71のより具体的な作動を説明する。
(1)伝達関数補正制御部71からの制御波形として、ランダム波を出力して、図4に図示する供試体および仮想モデルの系全体の伝達関数を求める。
Y(f)=H(f)×X(f)
なお、X(f):入力(すなわち、伝達関数補正制御部71からの出力)
Y(f):出力(すなわち、伝達関数補正制御部71への入力で、供試体への入力負荷波形−参照波形)
H(f):伝達関数
【0023】
(2)次に、得られた線形の伝達関数の逆伝達関数を求める。(逆伝達関数取得ステップ)
-1(f):逆伝達関数
【0024】
(3)次に、伝達関数補正制御部71の制御波形生成部81から第1次制御波形X0(f)を出力する。(第1次制御波形出力ステップ)
この第1次制御波形は適宜決定される。たとえば、供試体としてのショックアブソーバー6の特性は略判明しているので、ショックアブソーバー6も含めた仮想モデルにより決定することも可能である。
そして、第1次制御波形X0(f)を出力すると、第1次出力Y0(f)が伝達関数補正制御部71の評価部82に入力される。
【0025】
(4)この第1次出力Y0(f)が0となるように、更新制御波形である第2次制御波形X1(f)を決定する。(第1次制御波形更新ステップ)
1(f)=X0(f)+α×H-1(f)×〔0−Y0(f)〕
α:比例定数
(5)次に、伝達関数補正制御部71の制御波形生成部81から更新制御波形X1(f)を出力する。(更新制御波形出力ステップ)
そして、更新制御波形X1(f)を出力すると、出力Y1(f)が伝達関数補正制御部71の評価部82に入力される。
【0026】
(6)前回の出力Yn-1 (f)が0となるように、更新制御波形Xn (f)を決定する。(制御波形更新ステップ)
n (f)=Xn-1 (f)+α×H-1(f)×〔0−Yn-1 (f)〕
(7)以後、出力Yn (f)が略0となるまで、更新制御波形出力ステップと制御波形更新ステップとを繰り返す。(繰り返しステップ)
【0027】
前述のように、この実施の形態では、制御波形生成部81から制御波形を出力し、供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形を比較評価して、入力負荷波形と参照波形との誤差が小さくなるように、制御波形を補正して更新する。そして、入力負荷波形と参照波形との誤差が略なくなるまで、制御波形の更新、および、更新された更新制御波形の出力を繰り返す。したがって、油圧アクチュエータ62などの負荷装置に応答遅れが存在しても、その影響を極力除去することができる。しかも、供試体の挙動は、仮想モデルに反映されるので、より正確な供試体および仮想モデルの挙動を得ることができる。
【0028】
また、車両の開発の初期段階では、全ての構成部品が揃っていることは稀であるが、仮想モデルで不足部分を補うことで、評価したい部分が全体に及ぼす影響を予測することができる。その結果、車両開発の期間を短縮することができる。さらに、仮想モデルのパラメータは簡単に変更できるので、リアルのショックアブソーバー6を種々の車種に取り付けた状態で評価することができる。
【0029】
なお、供試体に負荷を加える駆動装置は、油圧アクチュエータで構成されているが、他の駆動装置たとえば、モータなどで駆動される電動駆動装置でも可能である。
負荷試験システムおよび負荷試験方法は、サスペンションの試験に用いられているが、他の試験に用いることも可能である。
仮想モデルは線型モデルだけでなく、ニュートラルネットワークなどで固定した非線形モデルでも可能である。また、マップモデルなど他のモデルでも可能である。
【0030】
リアルの試験装置は1軸に限らず、多入力多出力を扱う多軸(たとえば、1輪6軸)試験装置でも可能である。
制御波形を更新する際の補正は、伝達関数を使用した方法だけでなく、ニュートラルネットワークや状態変数などを使用したパラメトリックな波形再現の制御方法でも可能である。
供試体はショックアブソーバー6に限らず、各種の部品や部材を選択可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、制御波形生成部から制御波形を出力し、供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形を比較して、入力負荷波形と参照波形との誤差が小さくなるように、制御波形を補正して更新する。そして、入力負荷波形と参照波形との誤差が略なくなるまで、制御波形の更新、および、更新された更新制御波形の出力を繰り返す。したがって、油圧アクチュエータなどの負荷装置に応答遅れが存在しても、その影響を極力除去することができる。しかも、供試体と仮想モデルとは相互作用を有し、供試体の状態データが仮想モデルに入力されており、供試体の挙動は仮想モデルに反映される。その結果、供試体および仮想モデルのより正確な挙動を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の試験対象の車両のサスペンション系のモデルの概略図である。
【図2】図2は図1のサスペンション系の一輪のモデルの概略図である。
【図3】図3は車両のサスペンション系の一輪の仮想モデルの概略図である。
【図4】図4は本発明の負荷試験システムの説明図である。
【図5】図5は本発明の負荷試験システムの伝達関数補正制御部の概略の説明図である。
【符号の説明】
6 ショックアブソーバー(供試体)
61 負荷試験機
62 油圧アクチュエータ(負荷装置)
63 コントローラ(負荷装置)
64 変位センサ(入力負荷波形検出手段)
66 速度センサ(入力負荷波形検出手段)
81 制御波形生成部
82 評価部

Claims (4)

  1. 試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
    この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で負荷を加えて試験を実行する負荷試験システムであって、
    前記負荷装置に入力する制御波形を生成する制御波形生成部と、
    負荷装置により供試体に入力された入力負荷波形を検出する入力負荷波形検出手段と、
    この入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形とを比較する評価部とを備え、前記制御波形生成部から第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力ステップと、
    この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを評価部で比較して、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、第1次制御波形を更新して、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新ステップと、
    更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力ステップと、
    更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを評価部で比較して、参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新ステップと、
    参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力ステップと制御波形更新ステップとを繰り返す繰返ステップと、
    を実行する負荷試験システム。
  2. 試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
    この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で変位負荷を加えて試験を実行する負荷試験システムであって、
    前記負荷装置に入力する制御波形を生成する制御波形生成部と、
    負荷装置により供試体に入力された入力負荷波形を検出する入力負荷波形検出手段と、
    この入力負荷波形と仮想モデルからの参照波形とを比較する評価部とを備え、
    前記制御波形生成部からランダム波を負荷装置に出力して伝達関数を求め、この伝達関数から逆伝達関数を取得する逆伝達関数取得ステップと、
    前記制御波形生成部から第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力ステップと、
    この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを評価部で比較し、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新ステップと、
    更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力ステップと、
    更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを評価部で比較して、参照波形と入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新ステップと、
    参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力ステップと制御波形更新ステップとを繰り返す繰返ステップと、
    を実行する負荷試験システム。
  3. 試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
    この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で負荷を加えて試験を実行する負荷試験方法であって、
    第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力工程と、
    この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを比較して、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、第1次制御波形を更新して、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新工程と、
    更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力工程と、
    更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを比較して、参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなる様に、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新工程と、
    参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力工程と制御波形更新工程とを繰り返す繰返工程と、
    を備える負荷試験方法。
  4. 試験対象物は、その一部がリアルの供試体で、他の部分がコンピュータ上の仮想モデルで構築されるとともに、供試体と仮想モデルとは相互作用を有しており、供試体の状態データが仮想モデルに入力され、この状態データに基づいて仮想モデルから供試体に加えるべき負荷の参照波形が出力され、
    この試験対象物の供試体に負荷試験機の負荷装置で変位負荷を加えて試験を実行する負荷試験方法であって、
    ランダム波を負荷装置に出力して試験対象物および負荷装置の伝達関数を求め、この伝達関数から逆伝達関数を取得する逆伝達関数取得工程と、
    第1次制御波形を負荷装置に出力する第1次制御波形出力工程と、
    この第1次制御波形により負荷装置から供試体に入力された第1次入力負荷波形と仮想モデルから出力される第1次参照波形とを比較し、第1次参照波形と第1次入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形を生成する第1次制御波形更新工程と、
    更新制御波形を負荷装置に出力する更新制御波形出力工程と、
    更新制御波形により負荷装置から供試体に入力された入力負荷波形と仮想モデルから出力される参照波形とを比較して、参照波形と入力負荷波形との差に基づいて逆伝達関数で補正量を求めて、更新制御波形をさらに更新し、新しい更新制御波形を生成する制御波形更新工程と、
    参照波形と入力負荷波形との誤差が小さくなるまで、前記更新制御波形出力工程と制御波形更新工程とを繰り返す繰返工程と、
    を備える負荷試験方法。
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