JP6805673B2 - 耐火物の溶射補修方法 - Google Patents
耐火物の溶射補修方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6805673B2 JP6805673B2 JP2016184042A JP2016184042A JP6805673B2 JP 6805673 B2 JP6805673 B2 JP 6805673B2 JP 2016184042 A JP2016184042 A JP 2016184042A JP 2016184042 A JP2016184042 A JP 2016184042A JP 6805673 B2 JP6805673 B2 JP 6805673B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractory
- repair
- spraying
- sio
- repair refractory
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Description
また、特許文献2には、溶射補修材中の易被酸化性金属粒子の配合率の増加、溶融補修直前の基体炉壁温度を溶射補修材中に配合する易被酸化性金属の融点より高くすること、炉壁側近傍の溶射補修層形成時の火炎温度を高めることなどにより、炉壁面と溶射補修層の間に溶融固化層を存在させ、炉壁への溶射補修層の接着性を向上させる技術が開示されている。
前記第1の補修耐火物を溶射する前に、溶射前組成としてSiO2を50質量%以上含有し(金属Siを含む場合はSiO2に換算する)、前記第1の補修耐火物に対する、下記(1)〜(5)の手順で測定される溶融点の降下代が10℃〜100℃である第2の補修耐火物を溶射施工することを特徴としている。
(1)補修耐火物を500g取り出し、大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、1200℃を4時間維持する。
(2)炉冷して外気温度まで補修耐火物を低下させた後、補修耐火物の粒径が1mm以下となるまで粉砕する。
(3)上記(1)、(2)の工程を3回繰り返す。
(4)粉砕した補修耐火物を直径10mm×高さ10mmの円筒容器に投入した後、当該円筒容器を反転し、直径10mm×高さ10mmの補修材成形物を作製する。
(5)大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、補修材成形物の状態を目視観察し、補修材成形物の角が溶け始めた温度をその補修耐火物の溶融点とする。
前記第2の補修耐火物の溶射に酸素ガス又は酸素含有ガスを使用し、前記金属Siを酸化発熱させて前記第2の補修耐火物を溶融させるようにしてもよい。
図1を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る耐火物の溶射補修方法の手順について説明する。
本実施の形態が対象とする耐火物は、熱風炉やコークス炉の炉壁などに使用される珪石レンガ耐火物10である。珪石レンガ耐火物10の組成はSiO2が85質量%以上であり、SiO2が93質量%以上のものが一般に使用されている。熱風炉やコークス炉の炉壁などを構成する珪石レンガ耐火物10は長年の使用によって、図1(A)に示すように、凹凸状の損傷部11が発生する。
なお、溶射方法は、燃焼熱による火炎溶射法、金属酸化熱によるテルミット溶射法のいずれでもよい。
第2の補修耐火物12の溶射前組成としてSiO2を50質量%以上含有していると、SiO2組成の多い珪石レンガ耐火物10との接着性が良い。また、第1の補修耐火物13の溶射前組成としてSiO2を50質量%以上含有していると、SiO2組成の多い第2の補修耐火物12との接着性が良い。
また、第2の補修耐火物12に融点調整用酸化物を添加することにより、第1の補修耐火物13に対する第2の補修耐火物12の溶融点降下代を10℃〜100℃に調整する。融点調整用酸化物には、MgO、Na2O、K2O、Fe2O3、Al2O3などが用いられる。
第2の補修耐火物12の溶融点降下代が10℃未満である場合、第1の補修耐火物13とほぼ同じ溶融点を第2の補修耐火物12が有するため、損傷部11の凹凸や亀裂への第2の補修耐火物12の浸透効果に関して、第1の補修耐火物13よりも高い効果を得ることができない。また、第1の補修耐火物13の溶射施工時に、十分に溶融した第2の補修耐火物12の表面12aを形成することができず、第1の補修耐火物13と第2の補修耐火物13の接着性が低下する。
(1)補修耐火物を500g取り出し、大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、1200℃を4時間維持する。
(2)炉冷して外気温度まで補修耐火物を低下させた後、補修耐火物の粒径が1mm以下となるまで粉砕する。
(3)上記(1)、(2)の工程を3回繰り返す。これにより、補修耐火物中の金属Siは酸化して全てSiO2となる。
(4)粉砕した補修耐火物を直径10mm×高さ10mmの円筒容器に投入した後、当該円筒容器を反転し、直径10mm×高さ10mmの補修材成形物を作製する。
(5)大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、補修材成形物の状態を目視観察し、補修材成形物の角が溶け始めた温度をその補修耐火物の溶融点とする。
本実施の形態は、基本的な補修手順は第1の実施の形態と同様であるが、溶射方法をテルミット溶射法に特定している。
第2の補修耐火物12の溶射時に、第2の補修耐火物12に含まれる金属Siの酸化発熱を用いて第2の補修耐火物12の温度を上昇させ、第2の補修耐火物12を溶融する。本実施の形態では、損傷部11に第2の補修耐火物12が付着した後も金属Siの酸化発熱が続くため、損傷部11の凹凸や亀裂への第2の補修耐火物12の浸透効果がより得やすくなる。
また、テルミット溶射では金属Siが酸化発熱反応を起こすため、キャリアガスには酸素ガス又は酸素含有ガスを使用する。
金属Siの含有量が10質量%未満である場合、溶射後の酸化発熱量が少ないため、溶射後において第2の補修耐火物12の温度低下が起こる。その結果、第2の補修耐火物12の亀裂への侵入が十分ではなく、補修部位の寿命向上効果は得られるものの十分とはいえない。
検証試験では、第2の補修耐火物の溶射前SiO2の含有量(金属Siを含む場合はSiO2に換算する。)、溶射前SiO2中の金属Siの含有量(ただし、金属SiをSiO2に換算したうえで第2の補修耐火物の溶射前組成全体を100質量%とする。)、及び第1の補修耐火物に対する第2の補修耐火物の溶融点降下代、並びに、キャリアガスの種類、第1の補修耐火物の溶射前SiO2の含有量(金属Siを含む場合はSiO2に換算する。)をパラメータとして本発明の効果について検証した。補修対象は熱風炉の炉壁とした。試験結果の一覧を表1に示す。
なお、比較例5は、第2の補修耐火物がなく第1の補修耐火物のみとした。
第1の補修耐火物の溶融点は1675℃である。また、第2の補修耐火物の溶融点は補修材中にMgOを添加して調整した。
・全ての実施例は、補修耐火物が剥離するまでの期間が1.0年以上であった。特に、溶射前SiO2中の金属Siの含有量が10質量%〜40質量%であると、補修耐火物が剥離するまでの期間は1.5年超であった。
・全ての比較例は、補修耐火物が剥離するまでの期間が1.0年未満であった。
・従来例1及び2では、第2の補修耐火物の溶融性は上がるが、第1の補修耐火物と第2の補修耐火物の溶融点が同じであるため、第2の補修耐火物の溶融点を低下させることによる亀裂浸透効果が発揮できず耐用性が悪くなると共に、第1の補修耐火物溶射時に第2の補修耐火物の表面を十分に溶融させることができず、第1の補修耐火物と第2の補修耐火物との間で剥離が生じ耐用性が悪くなる。
Claims (2)
- 珪石レンガ耐火物の損傷部に、溶射前組成としてSiO2を50質量%以上含有する(金属Siを含む場合はSiO2に換算する)第1の補修耐火物を溶射施工する耐火物の溶射補修方法であって、
前記第1の補修耐火物を溶射する前に、溶射前組成としてSiO2を50質量%以上含有し(金属Siを含む場合はSiO2に換算する)、前記第1の補修耐火物に対する、下記(1)〜(5)の手順で測定される溶融点の降下代が10℃〜100℃である第2の補修耐火物を溶射施工することを特徴とする耐火物の溶射補修方法。
(1)補修耐火物を500g取り出し、大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、1200℃を4時間維持する。
(2)炉冷して外気温度まで補修耐火物を低下させた後、補修耐火物の粒径が1mm以下となるまで粉砕する。
(3)上記(1)、(2)の工程を3回繰り返す。
(4)粉砕した補修耐火物を直径10mm×高さ10mmの円筒容器に投入した後、当該円筒容器を反転し、直径10mm×高さ10mmの補修材成形物を作製する。
(5)大気雰囲気の電気炉内で、炉温1000℃未満は6℃/min、1000℃以上は4℃/minで昇温し、補修材成形物の状態を目視観察し、補修材成形物の角が溶け始めた温度をその補修耐火物の溶融点とする。 - 請求項1記載の耐火物の溶射補修方法において、前記第2の補修耐火物の溶射前組成におけるSiO2含有量には、SiO2換算した金属Siを10質量%〜40質量%(金属SiをSiO2に換算したうえで前記第2の補修耐火物の溶射前組成全体を100質量%とする)含み、
前記第2の補修耐火物の溶射に酸素ガス又は酸素含有ガスを使用し、前記金属Siを酸化発熱させて前記第2の補修耐火物を溶融させることを特徴とする耐火物の溶射補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016184042A JP6805673B2 (ja) | 2016-09-21 | 2016-09-21 | 耐火物の溶射補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016184042A JP6805673B2 (ja) | 2016-09-21 | 2016-09-21 | 耐火物の溶射補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018048767A JP2018048767A (ja) | 2018-03-29 |
JP6805673B2 true JP6805673B2 (ja) | 2020-12-23 |
Family
ID=61766207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016184042A Active JP6805673B2 (ja) | 2016-09-21 | 2016-09-21 | 耐火物の溶射補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6805673B2 (ja) |
-
2016
- 2016-09-21 JP JP2016184042A patent/JP6805673B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018048767A (ja) | 2018-03-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008151425A (ja) | マグネシアカーボンれんがの補修方法 | |
JP5671648B1 (ja) | 溶射材 | |
JP5456965B2 (ja) | 溶射材料 | |
CN103687828B (zh) | 不定形耐火物 | |
WO2009125484A1 (ja) | 熱間吹付け補修材 | |
JPWO2007011038A1 (ja) | カーボン含有耐火物及びその製造方法並びにピッチ含有耐火原料 | |
JP6805673B2 (ja) | 耐火物の溶射補修方法 | |
JP4476268B2 (ja) | 熱間吹付け補修材 | |
JP6372533B2 (ja) | コークス炉炉底補修材 | |
JPH05271900A (ja) | 溶射皮膜の加熱加圧方法 | |
KR101633472B1 (ko) | 노체 보수재 | |
JP2006056993A (ja) | 溶射補修材の平滑化 | |
CN105000897B (zh) | 一种钢包镁碳砖用保护材料及其应用方法 | |
CN100441540C (zh) | 一种用于保护耐火材料的产品 | |
JPS6156192B2 (ja) | ||
JP5195312B2 (ja) | 溶射材料とその製造方法、及び溶射施工体 | |
JP2009107865A (ja) | 溶射材料 | |
JP4144638B2 (ja) | 炉壁の補修方法 | |
JP3128213B2 (ja) | 炉内耐火物表面にガラス状釉層を形成する釉薬およびガラス状釉層形成方法 | |
JP3911716B2 (ja) | 炉壁の溶射補修層及び補修方法 | |
JPH0240024B2 (ja) | ||
JP3825312B2 (ja) | スラグコーティング方法 | |
JP2000247754A (ja) | 溶射補修材料 | |
JP5276620B2 (ja) | 焼付け補修材 | |
JPH0575953B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190415 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200310 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200330 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200526 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201117 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6805673 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |