以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る表示システムの実施形態を詳細に説明する。以下では、本発明が適用される表示装置として、画像投射装置の一例であるプロジェクタを例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
図1は、本実施形態の表示システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、表示システム1は、表示制御装置10と、複数(図1の例では4つであるが、これに限られない)の端末(情報処理装置の一例)20A〜20Dと、表示装置30とを備え、これらは例えばインターネットなどのネットワーク40を介して相互に接続されている。以下の説明では、端末20A〜端末20Dを互いに区別しない場合は単に「端末20」と称する場合がある。
図2は、本実施形態の表示システム1の利用形態を表すイメージ図である。デフォルトの状態(初期状態)において、表示装置30には、全画面を4つに分割して得られるとともに4つの端末20と1対1に対応する4つの分割画面が表示される。図2の例では、左上の分割画面には端末20Aに表示された映像(画像だけでなく音声を含んでもよい)が割り当てられ、右上の分割画面には端末20Bに表示された映像が割り当てられ、左下の分割画面には端末20Cに表示された映像が割り当てられ、右下の分割画面には端末20Dに表示された映像が割り当てられているが、これに限られるものではない。例えば端末20Cを操作して後述の特定の条件を満たすと、表示制御装置10は、端末20Cに対して、全画面に対応するサイズの映像を表示装置30へ転送するよう後述の制御信号を送信し、この制御信号を受信した端末20Cは、全画面に対応するサイズの表示映像を生成して表示装置30へ送信する。そして、表示装置30は、端末20Cから受信した表示映像を表示する。この例では、表示装置30はプロジェクタであるので、端末20Cから受信した表示映像をスクリーンなどの投影面に投影(ここでは「表示」に含まれる概念)する。つまり、端末20Cから受信した全画面に対応するサイズの表示映像を表示する。
本実施形態では、表示制御装置10は、例えばPC(Personal Computer)で構成される。端末20は、例えばPC、スマートフォン、タブレット端末などで構成される。図3は、表示制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは、端末20のハードウェア構成も表示制御装置10のハードウェア構成と同様に考えることができる。
図3に示すように、表示制御装置10(端末20)は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、通信I/F104と、入力部105と、表示部106とを備え、これらはバスを介して接続される。CPU101は、表示制御装置10の動作を統括的に制御する。ROM102は、プログラム等の各種のデータを記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、CPU101が実行する各種の処理の作業領域(ワークエリア)として機能する揮発性のメモリである。通信I/F104は、ネットワーク40と接続するためのインタフェースである。入力部105は、ユーザによる操作の入力に用いられるデバイスであり、例えばマウスやキーボードなどで構成される。表示部106は各種の情報を表示するデバイスであり、例えば液晶型ディスプレイ装置などで構成される。
図4は、表示装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。前述したように、本実施形態では、表示装置30はプロジェクタで構成される。図4に示すように、表示装置30は、CPU301と、記憶部302と、入力部303と、通信I/F304と、投影部305とを備え、これらはバスを介して接続される。
CPU301は、記憶部302に記憶されているプログラムを実行し、表示装置30の動作を統括的に制御する。記憶部302は、CPU301が実行するプログラムやプログラムの実行に必要なデータを記憶するROMやHDD、及びCPU301のワークエリアなどとして機能するRAMなどにより構成される。入力部303は、表示装置30に対する各種入力を行うものであり、タッチパネル、及びキースイッチなどが挙げられる。通信I/F304は、表示装置30をネットワーク40に接続するためのインタフェースである。投影部305は、投影対象の映像をスクリーンなどの投影面に投影する。投影部305は、例えば投影レンズ等の投影用の光学系を含む。
図5は、表示システム1に含まれる各装置(表示制御装置10、端末20、表示装置30)が有する機能の一例を示す図である。なお、図5の例では、本実施形態に関する主な機能のみを例示しているが、各装置が有する機能は、これらに限られるものではない。
まず、表示制御装置10が有する機能を説明する。図5に示すように、表示制御装置10は、端末情報受信手段111と、決定手段112と、制御信号送信手段113とを有する。端末情報受信手段111は、複数の端末20の各々から、該端末20の状態に応じて変化する端末情報を受信する。端末情報は、端末20の活発度合いに応じた値を示す情報である。例えば端末情報は、端末20に表示された映像の画像変化量、端末20が出力する音量(例えば映像の音量)、および、端末20の操作量(マウスカーソル等の入力部105による操作量)のうちの何れかである。ここでは、端末20に表示された映像の変化量(画像変化量)を端末情報とする場合を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。後述するように、各端末20は、定期的に端末情報を生成して表示制御装置10へ送信する。
決定手段112は、端末情報受信手段111により受信された端末情報に基づいて、表示対象となる1以上の端末20を決定する。本実施形態では、決定手段112は、表示システム1に含まれる複数の端末20のうち端末情報が閾値以上の端末20を、表示対象の端末20として決定する。また、この例では、決定手段112は、表示対象として決定した端末20の数に応じて、その決定した各端末20の表示映像(表示装置30に表示する映像)のサイズを決定する。例えば決定手段112は、表示対象として決定した端末20の数が1つの場合は、表示対象として決定した端末20の表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定し、表示対象として決定した端末20の数が2以上の場合は、表示対象として決定した2以上の端末20の各々の表示映像のサイズを、表示システム1に含まれる端末20の数(この例では4つ)で全画面サイズを分割して得られる分割画面の1つに対応するサイズに決定する。この例では、全画面を4分割して得られる4つの分割画面の1つの分割画面のサイズに決定されるという具合である。
制御信号送信手段113は、決定手段112により決定された1以上の端末20に対して、該端末20が生成すべき表示映像のサイズを特定可能な制御信号を送信する。例えば決定手段112により決定された端末20の数が1つの場合、制御信号送信手段113は、生成すべき表示映像のサイズは全画面に対応するサイズであることを特定可能な制御信号(例えば全画面に対応する解像度を指定する信号などでもよい)を、該1つの端末20へ送信する。また、例えば決定手段112により決定された端末20の数が複数(この例では2以上かつ4以下)の場合、制御信号送信手段113は、生成すべき表示映像のサイズは全画面に対応するサイズの1/4であることを特定可能な制御信号(例えば全画面の1/4に対応する解像度を指定する信号などでもよい)を、各端末20へ送信する。
以上の表示制御装置10が有する機能(端末情報受信手段111、決定手段112、制御信号送信手段113)は、CPU101がROM102等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば表示制御装置10が有する機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
次に、端末20が有する機能を説明する。図5に示すように、端末20は、端末映像生成手段211と、操作受付手段212と、端末情報生成手段213と、端末情報送信手段214と、制御信号受信手段215と、表示映像生成手段216と、表示映像送信手段217とを有する。説明の便宜上、図5では、1つの端末20のみが例示されているが、他の端末20が有する機能についても同様である。
端末映像生成手段211は、端末20に表示(表示部106に表示)され、かつ、端末20のユーザが視聴する端末映像を生成する。操作受付手段212は、端末20のユーザによる各種の操作(マウス等の入力部105を用いた操作)を受け付ける。
端末情報生成手段213は、上述の端末情報を生成する。この例では、端末情報生成手段213は、定期的に(所定の周期で)上述の端末情報を生成する。なお、これに限らず、例えば端末映像に変化(画像変化)が生じるたびに、端末映像の画像変化量を示す端末情報を生成することもできる。
端末情報送信手段214は、端末情報生成手段213により生成された端末情報を表示制御装置10へ送信する。この例では、端末情報送信手段214は、端末情報生成手段213により端末情報が生成されるたびに、その生成された端末情報を表示制御装置10へ送信する。
制御信号受信手段215は、表示制御装置10から上述の制御信号を受信する。表示映像生成手段216は、制御信号受信手段215により受信された制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像を生成する。この例では、表示映像生成手段216は、受信した制御信号に従って、生成すべき表示映像のサイズ(解像度であると考えてもよい)と音量を決定する。例えば受信した制御信号が、全画面に対応する解像度を指定する信号である場合、表示映像のサイズおよび音量は端末映像と同じサイズおよび音量に決定することができる。また、例えば受信した制御信号が、全画面の1/4に対応する解像度を指定する信号である場合、表示映像のサイズは端末映像の1/4、音量は「0」に決定することができる。
表示映像送信手段217は、表示映像生成手段216により生成された表示映像を表示装置30に送信する。以上の端末20が有する機能(端末映像生成手段211、操作受付手段212、端末情報生成手段213、端末情報送信手段214、制御信号受信手段215、表示映像生成手段216、表示映像送信手段217)は、CPU101がROM102等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば表示制御装置10が有する機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
次に、表示装置30が有する機能を説明する。図5に示すように、表示装置30は、表示映像受信手段311と、映像合成手段312と、表示手段313とを有する。表示映像受信手段311は、複数の端末20の各々から表示映像を受信する。映像合成手段312は、表示映像受信手段311により受信された1以上の表示映像を合成した合成映像を生成する。表示映像受信手段311により、全画面の1/4に対応するサイズの表示映像が複数(この例では2以上かつ4以下)受信された場合、その受信された複数の表示映像を、4つの分割画面のうちの何れに割り当てるかは、映像合成手段312が所定のアルゴリズムに従って決定することもできる。表示手段313は、映像合成手段312により生成された合成映像を表示する。この例では、表示手段313は、映像合成手段312により生成された合成映像をスクリーンなどの投影面に投影する。以上の表示装置30が有する機能(表示映像受信手段311、映像合成手段312、表示手段313)は、CPU301が記憶部302等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば表示装置30が有する機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
例えば図6に示すように、端末20A、20Bおよび20Cの3つの端末の端末情報が閾値以上の場合、合成映像は図7のような態様になる。図7の例では、端末20A、10Bおよび10Cの各々の画面(表示映像)が割り当てられる分割画面のサイズは、全画面の1/4のサイズとなり、4つの分割画面のうちの1つの分割画面は表示映像が割り当てられない状態(未割り当て)となる。また、例えば図8に示すように、1つの端末20(図8の例では端末20C)の端末情報が閾値以上の場合、合成映像は図9のような態様になるという具合である。図9の例では、端末20Cの画面(表示映像)が割り当てられる分割画面のサイズは、全画面に対応するサイズとなる。
図10は、本実施形態の表示システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図10に示すように、端末20の操作受付手段212は、ユーザの操作を受け付ける(ステップS1)。操作受付手段212は、受け付けた操作に応じた情報(操作情報)を端末映像生成手段211へ渡す(ステップS2)。端末映像生成手段211は、操作受付手段212から受け取った操作情報(例えばページを切り替える操作等を示す情報など)を元に、端末映像を生成し(ステップS3)、生成した端末映像を端末情報生成手段213へ渡す(ステップS4)。端末情報生成手段213は、端末映像生成手段211から端末映像を受け取るたびに、前回の端末映像からの画像変化量を示す端末情報を生成し(ステップS5)、生成した端末情報を端末情報送信手段214へ渡す(ステップS6)。なお、ここでは、端末情報の一例として画像変化量を例に挙げて説明するが、端末情報の態様はこれに限られるものではなく、上述したように、例えば端末20が出力する音量や端末20の操作量を端末情報として採用することもできる。端末情報送信手段214は、表示制御装置10に対して、定期的に端末情報を送信する(ステップS7)。例えば端末情報送信手段214は、一定期間が経過するたびに、最新の端末情報を表示制御装置10へ送信することもできるし、端末情報生成手段213から端末情報を受け取るたびに、その受け取った端末情報を表示制御装置10へ送信することもできる。この例では、各端末20は、一定期間が経過するたびに、最新の端末情報を表示制御装置10へ送信する場合を例に挙げて説明する。
表示制御装置10の端末情報受信手段111は、各端末20から受信した端末情報を決定手段112へ渡す(ステップS8)。決定手段112は、各端末20の端末情報に基づいて、表示対象となる1以上の端末20を決定し、表示対象となる1以上の端末20が生成すべき表示映像のサイズを決定する(ステップS9)。この決定方法は上述したとおりである。決定手段112は、ステップS9の結果を制御信号送信手段113へ通知する(ステップS10)。この通知を受けた制御信号送信手段113は、表示対象として決定した1以上の端末20に対して、上述の制御信号を送信する(ステップS11)。
表示制御装置10からの制御信号を受信した端末20の制御信号受信手段215は、その受信した制御信号を表示映像生成手段216へ渡す(ステップS12)。表示映像生成手段216は、制御信号受信手段215から渡された制御信号に従って、端末映像を変換して得られる表示映像を生成する(ステップS13)。具体的な内容は上述したとおりである。表示映像生成手段216は、ステップS13で生成した表示映像を、表示映像送信手段217へ渡す(ステップS14)。表示映像送信手段217は、表示映像生成手段216から渡された表示映像を、表示装置30へ送信する(ステップS15)。
表示対象として決定された各端末20から表示映像を受信した表示装置30の表示映像受信手段311は、その受信した各端末20の表示映像を映像合成手段312へ渡す(ステップS16)。映像合成手段312は、各端末20の表示映像を合成した合成映像を生成し(ステップS17)、生成した合成映像を表示手段313へ渡す(ステップS18)。表示手段313は、映像合成手段312から受け取った合成映像を投影面に投影する(ステップS19)。
ここで、利用シーンの一例として、ある会議において複数人が関連のない報告を順次行う場面を想定する。例えば端末20AのユーザA、端末20BのユーザB、端末20CのユーザCが関連のない報告を順次行う場合を想定する。
まず、表示装置30(プロジェクタ)が起動すると、表示装置30は、予め定められた待機画面をスクリーンに投影する。その後、ユーザAの端末20Aは、表示装置30を利用した投影を開始するための操作(投影開始操作)を受け付けると、投影開始操作を受け付けたことを示す情報を表示制御装置10へ送信する。この段階では、表示制御装置10は、端末20A以外の端末20から、投影開始操作を受け付けたことを示す情報を受信していないので、端末20Aを表示対象として決定するとともに、端末20Aの表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定する。そして、端末20Aに対して、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Aは、制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Aから受信した表示映像(全画面に対応するサイズ)をスクリーンに投影する。
その後、ユーザBの端末20Bは、表示装置30を利用した投影を開始する操作を受け付けると、投影開始操作を受け付けたことを示す情報を表示制御装置10へ送信する。この情報を受信した表示制御装置10は、表示対象として端末20Bを追加決定する。この段階で、表示対象として決定した端末20の数が2以上になるので、表示対象として決定した端末20Aおよび端末20Bの各々の表示映像のサイズを、全画面の1/4に対応するサイズに決定する。そして、端末20Aおよび端末20Bの各々に対して、その決定したサイズ(全画面の1/4サイズ)を特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Aおよび端末20Bは、制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像(全画面の1/4サイズ)を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Aおよび端末20Bの各々から受信した表示映像(全画面の1/4サイズ)を、4つの分割画面の何れかにそれぞれ割り当てて得られる合成映像をスクリーンに投影する。
さらにその後、ユーザCの端末20Cは、表示装置30を利用した投影を開始する操作を受け付けると、投影開始操作を受け付けたことを示す情報を表示制御装置10へ送信する。この情報を受信した表示制御装置10は、表示対象として端末20Cを追加決定する。表示制御装置10は、表示対象として決定した端末20A、端末20Bおよび端末20Cの各々の表示映像のサイズを、全画面の1/4に対応するサイズに決定する。そして、端末20Cに対して、その決定したサイズ(全画面の1/4サイズ)を特定可能な制御信号を送信する。なお端末20Aおよび端末20Bに対しては、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信済みであるが、再度送信してもよい。この制御信号を受信した端末20Cは、制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像(全画面の1/4サイズ)を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Cから受信した表示映像(全画面の1/4サイズ)を、4つの分割画面のうち、端末20Aの表示映像および端末20Bの表示映像が割り当てられていない何れかの分割画面に割り当ててスクリーンに投影する。
次に、ユーザAが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、報告を開始する。端末20Aは、ユーザAの操作に応じて、単位時間(例えば1秒)あたりにページを切り替える操作が行われた回数を示す情報を端末情報として生成し、その生成した端末情報を表示制御装置10へ送信する。ここでは、端末20Aは一定の周期ごとに上記端末情報を算出し、上記端末情報を算出するたびに、その算出した端末情報を表示制御装置10へ送信する。操作に即座に反応するよう、上記端末情報の算出期間を短くすることが好ましい。
この例では、ユーザAによる報告が行われている間、表示制御装置10は、ユーザAの端末20Aのみから上記端末情報を受信することになるので、端末20Aを表示対象として決定するとともに、端末20Aの表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定する。そして、端末20Aに対して、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Aは、制御信号に従って、自装置の端末映像(スライド形式の映像)を変換して得られる表示映像を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Aから受信した表示映像(全画面に対応するサイズ)をスクリーンに投影する。したがって、ユーザAによる報告が行われている間は、端末20Aの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。また、この例では、端末20Aの映像の投影が全て終了すると、表示装置30は、スクリーンに投影する画像を4つの分割画面に戻し、4つの分割画面のうち2つの分割画面の各々には端末20Bの表示映像または端末20Cの表示映像が割り当てられ、残りの2つの分割画面は未割り当ての状態となる。
次に、ユーザBが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、報告を開始する。上記と同様に、ユーザBによる報告が行われている間は、端末20Bの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。また、この例では、端末20Bの映像の投影が全て終了すると、表示装置30は、スクリーンに投影する画像を、まだ投影が終了していない端末20Cの映像(全画面に対応するサイズ)に切り替える。
次に、ユーザCが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、報告を開始する。上記と同様に、ユーザCによる報告が行われている間は、端末20Cの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。また、この例では、全ての端末20の映像の投影が終了すると、表示装置30は、スクリーンに投影する画像を、上述の待機画面に切り替える。
次に、利用シーンの別の例として、ある会議において複数人が一つの議題に関連する報告を入れ替わり行う場面を想定する。この例では、会議開始時に会議の報告者が投影を開始することで議題が明らかになり、報告順序を決めることを前提とする。表示装置30の起動から、各端末20が投影開始操作を受け付けるまでの流れは前述の利用シーンの場合と同様である。以下では、報告順序は、ユーザA→ユーザB→ユーザCとする。
まず、ユーザAが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、全体報告の一部の報告を開始する。端末20Aは、ユーザAの操作に応じて、単位時間(例えば1秒)あたりにページを切り替える操作が行われた回数を示す情報を端末情報として生成し、その生成した端末情報を表示制御装置10へ送信する。この例では、ユーザAによる報告が行われている間、表示制御装置10は、ユーザAの端末20Aのみから上記端末情報を受信することになるので、端末20Aを表示対象として決定するとともに、端末20Aの表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定する。そして、端末20Aに対して、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Aは、制御信号に従って、自装置の端末映像(スライド形式の映像)を変換して得られる表示映像を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Aから受信した表示映像(全画面に対応するサイズ)をスクリーンに投影する。したがって、ユーザAによる報告が行われている間は、端末20Aの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。
次に、ユーザBが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、報告(全体報告の一部の詳細報告1)を開始する。上記と同様に、ユーザBによる報告が行われている間は、端末20Bの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。次に、ユーザCが、スライド形式の端末映像のページを切り替える操作を行いながら(ページめくりを行いながら)、報告(全体報告の一部の詳細報告2)を開始する。上記と同様に、ユーザCによる報告が行われている間は、端末20Cの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影され続ける。
ユーザCの報告の後に、ユーザBが詳細報告1を振り替えるために、マウスカーソルを移動する操作を行った場合を想定する。この場合、端末20Bは、ユーザBの操作に応じて、単位時間(例えば1秒)あたりのマウスカーソルの移動回数を示す情報を端末情報として生成し、その生成した端末情報を表示制御装置10へ送信する。つまり、端末情報は、単位時間(例えば1秒)あたりにページを切り替える操作が行われた回数を示す情報であってもよいし、単位時間(例えば1秒)あたりのマウスカーソルの移動回数を示す情報であってもよいし、これらの組み合わせでもよい。この場合、表示制御装置10は、ユーザBの端末20Bのみから上記端末情報を受信することになるので、端末20Bを表示対象として決定するとともに、端末20Bの表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定する。そして、端末20Bに対して、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Bは、制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Bから受信した表示映像(全画面に対応するサイズ)をスクリーンに投影する。したがって、ユーザBによる詳細報告1の振り返りが行われている間は、端末20Bの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影される。
その後、再びユーザAが全体報告の残りの報告を行うために、ページめくりを行った場合を想定する。この場合、端末20Aは、ユーザAの操作に応じて、単位時間(例えば1秒)あたりにページを切り替える操作が行われた回数を示す情報を端末情報として生成し、その生成した端末情報を表示制御装置10へ送信する。この場合、表示制御装置10は、ユーザAの端末20Aのみから上記端末情報を受信することになるので、端末20Aを表示対象として決定するとともに、端末20Aの表示映像のサイズを全画面に対応するサイズに決定する。そして、端末20Aに対して、その決定したサイズを特定可能な制御信号を送信する。この制御信号を受信した端末20Aは、制御信号に従って、自装置の端末映像を変換して得られる表示映像を生成し、その生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、端末20Aから受信した表示映像(全画面に対応するサイズ)をスクリーンに投影する。したがって、ユーザAによる報告が行われている間は、端末20Aの映像が、全画面に対応するサイズでスクリーンに投影される。
さらに、利用シーンの別の例として、学校の教室で教師が与えた問題に対して生徒が回答している際に、進捗がおもわしくない生徒を指導する場面を想定する。授業開始時に全ての生徒の端末20は表示制御装置10に接続され、表示装置30は、全画面を端末20の台数で分割して得られるとともに複数の端末20と1対1に対応する複数の分割画面をスクリーンに投影する。
次に、教師が生徒に対して問題を与える。例えば算数の2つの問題(例えば1つは基本問題、1つは標準問題)を与えてもよい。解答時間序盤(第1の期間)においては、大部分の生徒は基本問題の解答を始める。つまり、大部分の生徒の端末20の活発度は高くなる(操作量等が増大するため)が、一部の生徒は未解答の状態であるために該生徒の端末20の活発度は低い状態となる。そこで、この例では、第1の期間においては、表示制御装置10は、活発度が低い端末20を表示対象として決定する。したがって、未解答の生徒の端末20の映像がスクリーンに投影され、教師はその生徒をフォローする(例えば何が分からないのかを聞いた上で説明する)。すなわち、表示制御装置10の決定手段112は、表示システム1に含まれる複数の端末20のうち端末情報が閾値未満の端末20を、表示対象の端末20として決定することもできる。この例では、端末情報として、タブレットなどで構成される端末20の単位時間(例えば1分)あたりのストローク数(タッチペンなどの入力デバイスの移動量)を採用することもできる。
続いて、解答時間中盤(第1の期間の後の第2の期間)においては、大部分の生徒は基本問題の解答を終え、標準問題を考え始める。そして、第1の期間において基本問題を未解答だった一部の生徒は、基本問題の解答を始める。つまり、該一部の生徒の端末20の活発度は高くなるので、この例では、第2の期間においては、表示制御装置10は、活発度が高い端末20を表示対象として決定する。したがって、該一部の生徒の端末20の映像がスクリーンに投影され、教師はその生徒の回答に注目する(例えば正しく理解できているかを確認する)。
続いて、解答時間中盤(第1の期間の後の第2の期間)においては、大部分の生徒は基本問題の解答を終え、標準問題を考え始める。そして、第1の期間において基本問題を未解答だった一部の生徒は、基本問題の解答を始める。つまり、該一部の生徒の端末20の活発度は高くなるので、この例では、第2の期間においては、表示制御装置10は、活発度が高い端末20を表示対象として決定する。したがって、該一部の生徒の端末20の映像がスクリーンに投影され、教師はその生徒の回答に注目する(例えば正しく理解できているかを確認する)。
続いて、解答時間終盤(第2の期間の後の第3の期間)においては、大部分の生徒は標準問題を解答し、一部の生徒は基本問題を解答するが、ごく一部の生徒は、基本問題を未回答の状態である。つまり、ごく一部の生徒は未解答の状態であるために該生徒の端末20の活発度は低い状態となる。そこで、この例では、第3の期間においては、表示制御装置10は、活発度が低い端末20を表示対象として決定する。したがって、未解答の生徒の端末20の映像がスクリーンに投影され、教師はその生徒をフォローする。
以上に説明したように、本実施形態では、表示制御装置10は、各端末20から受信した端末情報に基づいて、表示対象となる1以上の端末20を決定し、その決定した1以上の端末20に対して、端末20が生成すべき表示映像のサイズを特定可能な制御信号を送信する。表示対象として決定された各端末20は、表示制御装置10から受信した制御信号に従って表示映像を生成し、生成した表示映像を表示装置30へ送信する。表示装置30は、各端末20から受信した表示映像を合成した合成映像を表示する。これにより、表示対象を明示的に選択するための操作やユーザーインターフェースを必要とせずに、表示対象となる端末20を自動的に決定するとともに、その決定した端末20の表示映像を表示する仕組みを実現できる。
いま、図11のようなリモコンによる操作で、表示映像を選択する従来手法の例(対比例)を想定する。図12(A)のように、表示装置30が4つの分割画面を表示している場合において、ユーザはリモコンのボタン50を押下して、選択カーソルを端末20Aの画面(分割画面)に移動させる(図12(B))。そして、ユーザはリモコンの選択ボタン51を押下して、端末20Aの画面を選択する(図12(C))。次に、ユーザはリモコンのボタン50を押下して、選択カーソルを端末20Cの画面(分割画面)に移動させる(図12(D))。そして、ユーザはリモコンの選択ボタン51を押下して、端末20Cの画面を選択する(図12(E))。ユーザがリモコンの表示ボタン52を押下すると、表示装置30は、端末20Aの画面と端末20Bの画面とを合成した合成映像を表示する(図12(F))。この従来手法では、選択ボタン51と表示ボタン52を使って、画面の選択と表示切替を行う必要があるので、ボタン操作の学習が必要となる。これに対して、以上に説明した本実施形態では、端末20の活発度に応じて、表示対象の端末20を自動的に決定するので、ボタン操作の学習等が不要になる。
また、上述の従来手法において、図13(A)のように、表示装置30が、縦方向と横方向とが直交しないレイアウト(非直交レイアウト)で3つの分割画面を表示している場合を想定する。図13(B)のように、選択カーソルが端末20Aの画面に位置している状態でユーザが下方向のボタン50を押下すると、選択カーソルは端末20Cの画面に移動する(図13(C))。この状態から、選択カーソルを端末20Bの画面に移動させるためには、ユーザは上方向のボタン50を押下して選択カーソルを端末20Aの画面に移動させた後(図13(D)、右方向のボタン50を押下して選択カーソルを端末20Bの画面に移動させる(図13(E))。この従来手法では操作が直感的ではないという問題があるが、以上に説明した本実施形態では、端末20の活発度に応じて、表示対象の端末20を自動的に決定するので、上記問題は発生しない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
また、上述した実施形態の表示システム1(表示制御装置10、複数の端末20、表示装置30等)で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
以下、変形例を記載する。各変形例は、上述の実施形態と任意に組み合わせることもできるし、変形例同士を任意に組み合わせることもできる。
(1)変形例1
例えば表示制御装置10の決定手段112は、端末情報が大きい端末20ほど表示映像のサイズが大きくなるよう、表示対象の端末20の表示映像のサイズを決定する形態であってもよい。例えば、任意の時点t1において、図14に示すように、端末20A、端末20Bおよび端末20Cの3つの端末20の端末情報が閾値以上であり、端末20Aおよび端末20Bの端末情報が端末20Cの端末情報よりも大きい値を示す場合を想定する。この場合、図15に示すように、端末20Aおよび端末20Bの画面(表示映像)が割り当てられる分割画面のサイズは全画面の1/4となる一方、端末20Cの画面が割り当てられる分割画面(図15の例では左下の分割画面)のサイズは、全画面の1/4よりも小さいサイズとなる。
その後、時間の経過とともに、端末20Aおよび端末20Bの端末情報が小さくなり、端末20Cの端末情報が大きくなり、時点t1よりも後の時点t2において、図16に示すように、端末20Cの1つのみの端末情報が閾値以上である場合を想定する。この場合、図17に示すように、端末20Cの画面(表示映像)が割り当てられる分割画面のサイズは全画面に対応するサイズとなる。時点t2に至るまでに、図18に示すように、端末20Cの画面は図15に比べて徐々に大きくなり、端末20Aおよび20Bの各々の画面は図15に比べて徐々に小さくなっていく。
(2)変形例2
例えば図19に示すように、端末20は、除外信号送信手段218をさらに有し、表示制御装置10は、除外信号受信手段114をさらに有する形態であってもよい。除外信号送信手段218は、端末20のユーザの操作に応じて、端末20に表示された端末映像を表示対象から除外することを指示する除外信号を表示制御装置10へ送信する。除外信号受信手段114は、各端末20から除外信号を受信する。この例では、表示制御装置10の決定手段112は、除外信号受信手段114により受信された除外信号の送信元の端末20を表示対象から除外する。
(3)変形例3
例えば上述の表示制御装置10が設けられずに、表示装置30が、上述の表示制御装置10が有する機能(端末情報受信手段111、決定手段112、制御信号送信手段113等)を有する形態であってもよい。
(4)変形例4
例えば表示システム1は、図20に示す形態であってもよい。図20の例では、端末20は、端末映像生成手段211と、操作受付手段212と、端末映像送信手段221とを備える。
端末映像送信手段221は、端末20に表示された端末映像(端末映像生成手段211により生成された端末映像)を、表示制御装置10および表示装置30の各々に送信する。この例では、端末映像送信手段221は、一定期間が経過するたびに、最新の端末映像を、表示制御装置10および表示装置30の各々に送信する。
図20の例では、表示制御装置10は、端末映像受信手段121と、端末情報生成手段122と、決定手段112と、制御信号送信手段123とを有する。端末映像受信手段121は、第1の端末映像受信手段の一例であり、複数の端末20の各々から端末映像を受信する。
端末情報生成手段122は、端末映像受信手段121により受信された複数の端末20の各々の端末映像に基づいて、複数の端末20ごとに、端末映像の画像変化量を示す端末情報を生成する。つまり、この例では、表示制御装置10が各端末20の端末情報を生成する機能を有している。
決定手段112は、端末情報生成手段122により生成された端末情報に基づいて、表示対象となる1以上の端末20を決定する。この決定方法は上述した実施形態で説明した内容と同様である。制御信号送信手段123は、決定手段112により決定された1以上の端末20の各々の表示映像(表示装置30に表示する映像)のサイズを特定可能な制御信号を表示装置30へ送信する。この例では、制御信号は、決定手段112により決定された1以上の端末20ごとに、該端末20の表示映像のサイズを特定可能な情報(例えば解像度を指定する情報など)を対応付けた情報を含む信号であるが、これに限られるものではない。
図20の例では、表示装置30は、端末映像受信手段321と、制御信号受信手段322と、表示映像生成手段323と、映像合成手段312と、表示手段313とを有する。端末映像受信手段321は、第2の端末映像受信手段の一例であり、複数の端末20の各々から端末映像を受信する。制御信号受信手段322は、表示制御装置10から制御信号を受信する。
表示映像生成手段323は、制御信号受信手段322により受信された制御信号に従って、端末映像受信手段321により受信された端末映像のうち、表示制御装置10の決定手段112により決定された1以上の端末20が送信してきた端末映像ごとに(この例では制御信号受信手段322により受信された制御信号に含まれる1以上の端末映像ごとに)、該端末映像を変換して表示映像を生成する。つまり、この例では、表示装置30が表示対象の端末20の表示映像を生成する機能を有している。
映像合成手段312は、表示映像生成手段323により生成された表示映像を合成した合成映像を生成する。表示手段313は、映像合成手段312により生成された合成映像を表示する。
(5)変形例5
図21は、本変形例の表示システム1が有する機能の一例を示す図である。図21に示すように、表示制御装置10は、レイアウト決定手段115をさらに有する。レイアウト決定手段115は、決定手段112により決定された端末20(表示対象として決定された端末20)の数に応じて、合成映像のレイアウトを決定する。より具体的には、レイアウト決定手段115は、決定手段112により決定された端末20の数と、端末映像の映像特性とに応じて、合成映像のレイアウトを決定する。
制御信号送信手段113は、決定手段112により決定された1以上の端末20に対して、レイアウト決定手段115により決定されたレイアウトに応じた制御信号を送信する。つまり、制御信号送信手段113は、決定手段112により決定された1以上の端末20に対して、該端末20が生成すべき表示映像のサイズを特定可能な制御信号を送信する。各端末20が生成すべき表示映像のサイズは、レイアウト決定手段115により決定されたレイアウトに基づいて決定することができる。この制御信号を受信した端末20の表示映像生成手段216は、その受信した制御信号に基づいて、表示映像の解像度を決定することができる。つまり、表示映像の解像度はレイアウトに合わせて決定されるので、合成映像の画質を維持しつつデータ通信量(画像の転送等で発生するデータ通信量)を抑えることができる。
また、制御信号送信手段113は、レイアウト決定手段115により決定されたレイアウトを示すレイアウト信号を表示装置30へ送信し、表示装置30の映像合成手段312は、表示制御装置10から受信したレイアウト信号と、表示映像受信手段311で受信した表示映像と、に基づいて、合成映像を生成する。
ここで、分割画面の数が1(全画面)、4(=2×2)、9(=3×3)の3つのパターンのレイアウトに制限すると、例えば表示対象の端末20の数が2つの場合、合成映像は図22(A)のようになり、バランスが悪い上に余白が多くなってしまう。また、例えば図22(B)のように、単純に分割画面を並べただけのレイアウトでは余白が多くなり、例えば図22(C)のように、余白を埋めるために分割画面を引き延ばすレイアウトでは、違和感(この例では、縦方向に不自然に伸びている)を感じさせてしまう。
そこで、レイアウト決定手段115は、決定手段112により決定された端末20(表示対象として決定された端末20)の数に応じた最適なレイアウト(余白を基準範囲内に抑え、バランスや見え方を含めて違和感を与えないレイアウト)を決定する。この例では、表示対象の端末20の数と、最適なレイアウトとの対応関係を示すレイアウト情報が予め規定されており(記憶部302等の記憶装置に保存)、レイアウト決定手段115は、このレイアウト情報を参照して、決定手段112により決定された端末20の数に対応付けられたレイアウトを決定することができる。さらに言えば、ここでの上記レイアウト情報は、表示対象の端末20の数と、映像特性と、最適なレイアウトとの対応関係を示す情報である。映像特性の例としては、例えば映像の奥行きの有無、映像の並び(縦並びまたは横並び)、重なりの有無などが考えられる。レイアウト決定手段115は、レイアウト情報を参照して、決定手段112により決定された端末20の数と映像特性との組み合わせに対応付けられたレイアウトを決定することができる。なお、映像特性(奥行きの有無等)は、映像に含まれる資料の特性(例えば図形問題の解答、作文の作成情報)から決定してもよいし、ユーザの指定に応じて決定してもよい。
以下、レイアウトのバリエーションの例を挙げて説明する。図23(A)は、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは横並び(縦長映像向け)である場合のレイアウトの一例を示す図である。図23(B)は、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは有で映像の並びは横並び(縦長映像向け)である場合のレイアウトの一例を示す図である。なお、ここでは、奥行き有の場合は、現実世界でディスプレイ等の表示部を斜めから見た際の見え方に合わせることで、違和感を与えないことを狙っている(他の例についても同様)。図23(C)は、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは縦並び(横長映像向け)である場合のレイアウトの一例を示す図である。図23(D)は、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは有で映像の並びは縦並び(横長映像向け)である場合のレイアウトの一例を示す図である。
なお、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは有で映像の並びは横並び(縦長映像向け)である場合のレイアウトの別の例として、図24(A)のように2つの分割画面が平行に配置(図23(B)では向かい合うように配置)される形態であってもよい。また、表示対象の端末20の数が「2」、映像特性として、奥行きは有で映像の並びは縦並び(横長映像向け)である場合のレイアウトの別の例として、図24(B)のように2つの分割画面が平行に配置(図23(D)では向かい合うように配置)される形態であってもよい。
図25は、表示対象の端末20の数が「4」、映像特性として奥行きは無である場合のレイアウトの一例を示す図である。図26(A)は、表示対象の端末20の数が「3」、映像特性として奥行きは無で、図25に示す4つの分割画面のうち下の2つの分割画面のうちの何れか(この例では端末20Dの画面)を非表示とする場合のレイアウトの一例を示す図である。図26(B)は、表示対象の端末20の数が「3」、映像特性として奥行きは無で、図25に示す4つの分割画面のうち上の2つの分割画面のうちの何れか(この例では端末20Bの画面)を非表示とする場合のレイアウトの一例を示す図である。
図27(A)は、表示対象の端末20の数が「5」、映像特性として、奥行きは無で重なりは無である場合のレイアウトの一例を示す図である。図27(B)は、表示対象の端末20の数が「5」、映像特性として、奥行きは有、重なりは無、映像の並びは横並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。図27(C)は、表示対象の端末20の数が「5」、映像特性として、奥行きは無で重なりは有である場合のレイアウトの一例を示す図である。図27(D)は、表示対象の端末20の数が「5」、映像特性として、奥行きは有、重なりは無、映像の並びは横並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。
図28(A)は、表示対象の端末20の数が「6」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは横並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。図28(B)は、表示対象の端末20の数が「6」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは縦並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。
図29(A)は、図28(A)のレイアウトに、端末20Gの画面(分割画面)が追加された場合のレイアウトの一例を示す図である。つまり、表示対象の端末20の数が「7」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは横並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。図29(B)は、図28(B)のレイアウトに、端末20Gの画面(分割画面)が追加された場合のレイアウトの一例を示す図である。つまり、表示対象の端末20の数が「7」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは縦並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。
図30(A)は、図29(A)のレイアウトに、端末20Hの画面(分割画面)が追加された場合のレイアウトの一例を示す図である。つまり、表示対象の端末20の数が「8」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは横並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。図30(B)は、図29(B)のレイアウトに、端末20Hの画面(分割画面)が追加された場合のレイアウトの一例を示す図である。つまり、表示対象の端末20の数が「8」、映像特性として、奥行きは無で映像の並びは縦並びである場合のレイアウトの一例を示す図である。図31は、表示対象の端末20の数が「9」、映像特性として奥行きは無である場合のレイアウトの一例を示す図である。表示対象の端末20の数が10以上である場合も同様にして最適なレイアウトを決めることができる。
また、本実施形態のレイアウト決定手段115は、決定手段112により決定された端末20の数が変化した場合は、合成映像のレイアウトが段階的に切り替わるよう、合成映像のレイアウトを決定する。
例えば図32に示すように、端末20A、端末20B、端末20C、および、端末20Dの4つの端末20の端末情報が閾値以上である状態から、図33に示すように、端末20A、端末20B、および、端末20Cの3つの端末20の端末情報が閾値以上である状態に変化した場合を想定する。この場合、レイアウト決定手段115は、図34に示すように、端末20Dの画面が徐々に画面外へ移動して消える(フェードアウトでもよい)一方、端末20Cの画面(端末20Bの画面でもよい)が徐々に中央へ移動するよう(つまり、4つの分割画面のレイアウトから3つの分割画面のレイアウトへ段階的に切り替わるよう)、レイアウトを決定する。
また、例えば図35に示すように、端末20A、端末20B、端末20C、および、端末20Dの4つの端末20の端末情報が閾値以上である状態から、図36に示すように、端末20A、端末20B、端末20C、端末20D、および、端末20Eの5つの端末20の端末情報が閾値以上である状態に変化した場合を想定する。この場合、レイアウト決定手段115は、図37に示すように、端末20A、20B、20C、20Dの各々の画面が徐々に小さくなる一方、端末20Eの画面が徐々に画面外から中央へ移動(フェードインでもよい)するよう(つまり、4つの分割画面のレイアウトから5つの分割画面のレイアウトへ段階的に切り替わるよう)、レイアウトを決定する。
表示対象の端末20の数が変わる際には、レイアウトを瞬時に切り替えてしまうと、画面の対応関係がわからなくなるため望ましくない。そのため、本実施形態では、レイアウトを徐々に切り替える。また、図32〜図34の例では、表示対象の端末20の数が4から3に切り替わる例を示しているが、3から4に切り替わる場合は、上記とは逆の動きで実現できる。また、図32〜図34の例では、端末20Dの画面が消える例を示しているが、例えば端末20Bの画面が消える場合は、端末20Aの画面が右に移動する。このように、直前のレイアウトや非表示となる画面の位置に応じて、切り替え後のレイアウトを決める。こうすることで、滑らかな切り替えが実現できる。また、図35〜図37の例では、表示対象の端末20の数が4から5に切り替わる例を示しているが、図32〜図34の例と同様に、追加される端末20Eの画面の表示位置などに基づく一定のルールに従うことで、滑らかな切り替えを実現できる。