JP6804282B2 - 振動子駆動装置及び振動発生装置 - Google Patents

振動子駆動装置及び振動発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、振動子に電気エネルギーを供給して振動を生じさせる振動子駆動装置とこれを用いた振動発生装置に関するものである。
圧電効果により電気エネルギーを機械的な振動へ変換する振動子には、一般に共振周波数と反共振周波数が存在する。振動子のインピーダンスは、共振周波数で極小値となり、反共振周波数で極大値となる。
クロック等の発振器に用いられる水晶振動子や圧電振動子は、通常、共振周波数において駆動される。また、超音波加工機やボンディングマシン、ハンドピースなどの比較的大きなエネルギーを扱う装置においても、振動子の駆動は共振周波数で行われることが多い。
発振器に用いられる振動子の場合、機械的な負荷は略一定であるが、超音波加工機などにおいて対象物を振動させる振動子の場合は、使用状態に応じて機械的な負荷が大きく変動する。振動子の共振周波数は、機械的な負荷に応じて変化することから、振動子の駆動周波数が一定の場合、駆動周波数が共振周波数からずれてしまい、振動子のインピーダンスが増大する。振動子のインピーダンスが大きくなる一方で、振動子に供給される電圧が一定になっていると、振動子に供給される電力が減少し、振動の振幅が小さくなる。
このような問題を回避するため、下記の特許文献1に記載される装置では、振動子の駆動周波数を共振周波数に追従させるとともに、振動子の駆動電流を一定に保つ制御が行われる。
特開2003−70798号公報
しかしながら、振動子の駆動電流を一定に保つ制御を行うためには、振動子の電流を検出する回路や、電流の検出結果と目標値との差に応じて振動子の駆動電流を可変する回路、異常動作時の過電圧に対する保護回路などが必要になる。振動子に供給する電力を一定に保つ場合には、更に複雑な回路が必要となる。
また、上記特許文献1に記載される装置では、振動子の駆動周波数を共振周波数に追従させるため、振動子の電圧と電流の位相が一致するように駆動周波数を制御するPLLが構成される。しかしながら、振動子の機械的な負荷が大きくなると位相の変化が小さくなるため、PLLの制御において位相のロックが外れ易くなる。そのため、負荷が大きくなると共振点に追従するPLLの制御が働かなくなる場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動子の機械的負荷の変化に伴う振動の振幅の変化を簡易な構成で効果的に抑制できる振動子駆動装置と、これを用いた振動発生装置を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る振動子駆動装置は、電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子を駆動する振動子駆動装置であって、前記振動子に供給される交流の駆動電圧を発生する駆動電圧発生部と、前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力を検出する検出部と、前記駆動電圧の周波数が変化するように前記駆動電圧発生部を制御する制御部と、前記駆動電圧発生部が発生した前記駆動電圧を昇圧して前記振動子に印加するトランスと、前記駆動電圧発生部から前記トランスの一次コイルへ電流が流れる経路に設けられ、前記反共振周波数より高い周波数において前記振動子の静電容量成分との共振を生じ、当該共振により、前記駆動電圧の周波数の変化に応じた前記振動子の電流の変化を強調するインダクタとを有する。前記制御部は、第1動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を変化させながら前記検出部の検出結果を取得し、当該取得した検出結果に基づいて、前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力が極小値となる反共振周波数を探索し、第2動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を前記第1動作モードで探索した反共振周波数に保持する。前記駆動電圧発生部は、スイッチングアンプと、前記スイッチングアンプの出力電圧に含まれるスイッチング成分を除去するフィルタとを含む。前記トランスは、前記フィルタにおいて前記スイッチング成分が除去された前記スイッチングアンプの出力電圧を前記駆動電圧として昇圧する。前記フィルタは、前記スイッチングアンプから前記一次コイルへ電流が流れる経路に設けられた少なくとも1つのチョークを含み、前記チョークが前記インダクタとして働く。
本発明の第2の観点に係る振動発生装置は、電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子と、前記振動子を駆動する上記第1の観点に係る振動子駆動装置とを有する。
本発明によればフィードバック制御を用いない簡易な構成でありながら、振動子の機械的負荷の変動に伴う振動子の振幅の変動を抑制できる。
本発明の実施形態に係る振動発生装置の構成の一例を示す図である。 矩形波発生回路及び波形変換回路の構成の一例を示す図である。 スイッチングアンプ及びフィルタの構成の一例を示す図である。 振動子と直列に設けたインダクタの影響を説明するための図であり、回路の周波数特性のミュレーション結果を示す。 振動子と直列に設けたインダクタの影響を説明するための図であり、異なるインダクタンス値で得られた複数の周波数特性のシミュレーション結果を示す。 振動子の機械的な負荷の影響を説明するための図であり、無負荷時と有負荷時における周波数特性のシミュレーション結果を示す。 振動子の機械的な負荷の影響を説明するための図であり、無負荷時と有負荷時における他の周波数特性のシミュレーション結果を示す。 フィルタのキャパシタの影響を説明するための図であり、回路の周波数特性のシミュレーション結果を示す。 動作時における回路の各部の信号波形を示す図であり、無負荷時と有負荷時における過渡解析のシミュレーション結果を示す。 反共振周波数の探索処理の一例を示すフローチャートである。 反共振周波数の探索処理を実行した場合における回路の各部の信号波形を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る振動発生装置について説明する。図1は、本実施形態に係る振動発生装置1の一例を示す図である。図1に示す振動発生装置1は、電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子VTと、振動子VTに駆動用の電力を供給する振動子駆動装置2を有する。振動発生装置1は、例えば歯科用のハンドツールや電気メス、電動歯ブラシなど、振動子VTの振動を対象物に伝える装置である。そのため、使用状態(対象物の有無、対象物の材質、振動の伝え方など)に応じて振動子VTの機械的負荷が変化する。振動子VTは、例えばランジュバン型振動子であり、後述するように共振周波数と反共振周波数が存在する。
図1の例において、振動子駆動装置2は、駆動電圧発生部10と、検出部20と、制御部30と、トランスTRを含む。
[駆動電圧発生部10]
駆動電圧発生部10は、トランスTRを介して振動子VTに供給される交流の駆動電圧Vo1を発生する。駆動電圧発生部10は、制御部30の制御に従って、駆動電圧Vo1の周波数と振幅を調節する。
駆動電圧発生部10は、例えば図1に示すように、矩形波発生回路11と、波形変換回路12と、バンドパスフィルタ13と、レンジ切替回路14と、スイッチングアンプ15と、フィルタ16を含む。
矩形波発生回路11は、制御部30の制御に従って振幅と周波数が設定された矩形波S11を発生する。波形変換回路12は、矩形波発生回路11から出力される矩形波S11を三角波S12に変換する。
図2は、矩形波発生回路11及び波形変換回路12の構成の一例を示す図である。
図2の例において、矩形波発生回路11は、制御部30から出力されるPWM信号S30Aを平均化して直流電圧を生成するローパスフィルタ111と、ローパスフィルタ111において生成された直流電圧をスイッチングして矩形波S11を生成するスイッチ回路112を含む。
ローパスフィルタ111は、直列に接続された抵抗R1とキャパシタCを含む。抵抗R1の一端にPWM信号S30Aが入力され、抵抗R1の他端がキャパシタC1の一端に接続され、キャパシタC1の他端がグランドに接続される。PWM信号S30Aの1周期中におけるハイレベルの期間の割合(デューティ比)が大きくなるほど、キャパシタC1に生じる直流電圧のレベルが高くなる。
スイッチ回路112は、制御部30から出力される制御信号S30Bに応じて相補的にオンオフする2つのスイッチSW1及びSW2を含む。スイッチSW1及びSW2は、キャパシタC1の一端と他端との間において直列に接続されており、その接続中点から矩形波S11を出力する。スイッチSW1がオンし、スイッチSW2がオフすると、矩形波S11がハイレベルとなり、スイッチSW1がオフし、スイッチSW2がオンすると、矩形波S11がローレベルとなる。
図2の例において、波形変換回路12は、キャパシタC2及びC3と、抵抗R2〜R6と、オペアンプOP1を含む。オペアンプOP1の反転入力端子には、直列接続された抵抗R2及びR3を介して基準電圧Vrが入力される。オペアンプOP1の非反転入力端子には、直列接続された抵抗R4及びR5を介して基準電圧Vrが入力される。キャパシタC2の一端には、矩形波S11が入力され、キャパシタC2の他端は、抵抗R2及びR3の接続中点N1に接続される。抵抗R6及びキャパシタC3は、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間に並列接続される。
オペアンプOP1の非反転入力端子に基準電圧Vrが入力されるため、オペアンプOP1の反転入力端子の電圧は概ね基準電圧Vrと等しくなる。キャパシタC2がキャパシタC3に比べて十分大きな静電容量を有しているものとすると、キャパシタC2からキャパシタC3への電荷の移動に伴うキャパシタC2の電圧変化は微小である。この場合、矩形波S11がハイレベルの期間における接続中点N1の電圧は概ね一定となり、矩形波S11がローレベルの期間における接続中点N1の電圧も概ね一定となる。すなわち、接続中点N1の電圧は矩形波となり、その振幅は矩形波S11の振幅と概ね等しくなる。これにより、矩形波S11がハイレベルの期間とローレベルの期間のそれぞれにおいて、キャパシタC3には抵抗R3を介して概ね一定の電流が流れる。また、キャパシタC3の電流の方向は、矩形波S11のレベルの変化に応じて反転する。従って、オペアンプOP1の出力電圧は、時間の経過とともに一定の傾きで上昇と低下を繰り返す三角波S12となる。
図1に戻る。
バンドパスフィルタ13は、波形変換回路12において発生した三角波S12から高調波成分を除去した正弦波S13を出力する。矩形波S11(三角波S12)の周波数の変化範囲が高調波に比べて十分に小さい場合、バンドパスフィルタ13の通過帯域は一定でよい。バンドパスフィルタ13は、例えば、縦続接続された複数段のバンドパスフィルタによって構成される。
レンジ切替回路14は、スイッチングアンプ15に出力する正弦波S14の振幅の範囲を制御部30の制御信号に応じて切り替える。例えばレンジ切替回路14は、制御部30の制御信号に応じて減衰比を切り替える減衰回路を含んでおり、正弦波S13の振幅を減衰させた正弦波S14を出力する。
スイッチングアンプ15は、正弦波S14に応じてパルス幅やパルス密度などが変調されたパルス波形の駆動電圧VDを出力する。スイッチングアンプ15は、例えば直流電源から供給される直流電圧Vpsをスイッチ素子(FETなど)でスイッチングすることにより、パルス波形の駆動電圧VDを生成する。フィルタ16は、スイッチングアンプ15から出力される駆動電圧VDに含まれたスイッチング成分を除去し、正弦波S14に対応する正弦波状の駆動電圧Vo1を出力する。
図3は、スイッチングアンプ15及びフィルタ16の構成の一例を示す図である。
図3の例において、スイッチングアンプ15は、それぞれハイレベルとローレベルの電圧を切り替えて出力する第1アンプ部A1及び第2アンプ部A2と、三角波発生器153とを有する。
第1アンプ部A1は、正弦波S14に応じてパルス幅変調された第1駆動電圧VD1を出力する。第2アンプ部A2は、正弦波S14の位相を反転させた反転正弦波S14に応じてパルス幅変調された第2駆動電圧VD2を出力する。第1駆動電圧VD1と第2駆動電圧VD2との差が駆動電圧VDに相当する。
第1アンプ部A1は、図3の例において、スイッチ素子M11及びM12と、スイッチ駆動回路151と、コンパレータCP1とを含む。コンパレータCP1は、三角波発生器153において生成された一定の周波数の三角波Strと正弦波S14とを比較し、その比較結果としてパルス幅変調信号を出力する。スイッチ駆動回路151は、コンパレータCP1から出力されるパルス幅変調信号に応じて、スイッチ素子M11及びM12を相補的に駆動する。スイッチ素子M11及びM12は、例えばFETなどのトランジスタであり、直流電圧Vpsが供給される電源ラインとグランドとの間に直列接続される。スイッチ素子M11及びM12が相補的にオンオフすることにより、駆動電圧VD1は、直流電圧Vpsとゼロ電圧(グランドレベル)との間で交互に切り替わるパルス波となる。
第2アンプ部A2は、図3の例において、スイッチ素子M21及びM22と、スイッチ駆動回路152と、コンパレータCP2と、反転アンプ154とを含む。反転アンプ154は、正弦波S14の位相を反転させた反転正弦波S14Aを出力する。コンパレータCP2は、三角波Strと反転正弦波S14Aとを比較し、その比較結果としてパルス幅変調信号を出力する。スイッチ駆動回路152は、コンパレータCP2から出力されるパルス幅変調信号に応じて、スイッチ素子M21及びM22を相補的に駆動する。スイッチ素子M21及びM22は、例えばFETなどのトランジスタであり、直流電圧Vpsが供給される電源ラインとグランドとの間に直列接続される。スイッチ素子M21及びM22が相補的にオンオフすることにより、駆動電圧VD2は、直流電圧Vpsとゼロ電圧(グランドレベル)との間で交互に切り替わるパルス波となる。
図3の例において、フィルタ16は、第1チョークLc1及び第2チョークLc2と、第1キャパシタCf11及び第2キャパシタCf21を有する。第1チョークLc1及び第2チョークLc2は、スイッチングアンプ15からトランスTRの一次コイルL1へ電流が流れる経路に設けられている。すなわち、第1チョークLc1は、第1アンプ部A1の出力から一次コイルL1の一方の端子へ電流が流れる経路に設けられ、第2チョークLc2は、第2アンプ部A2の出力から一次コイルL1の他方の端子へ電流が流れる経路に設けられている。
第1キャパシタCf11は、第1チョークLc1から一次コイルL1へ電流が流れる経路とグラントとの間に接続される。第2キャパシタCf21は、第2チョークLc2から一次コイルL1へ電流が流れる経路とグランドとの間に接続される。
また図3の例において、フィルタ16は、第1キャパシタCf11に並列接続された抵抗Rf11及びキャパシタCf12の直列回路と、第2キャパシタCf21に並列接続された抵抗Rf21及びキャパシタCf22の直列回路とを有する。
[トランスTR]
トランスTRの一次コイルL1は、フィルタ16から出力される正弦波状の駆動電圧Vo1を入力する。トランスTRの二次コイルL2は、駆動電圧Vo1に対して昇圧された駆動電圧Vo2を発生する。この駆動電圧Vo2が、振動子VTに供給される。
[検出部20]
検出部20は、振動子VTに流れる電流を検出する。図1の例において、検出部20は、カレントトランスCTと、シャント抵抗Rsと、電流検出アンプ21と、全波整流回路22と、ローパスフィルタ23を有する。
カレントトランスCTの一次コイルLt1は、振動子VTに流れる電流Ioの経路に設けられる。カレントトランスCTの二次コイルLt2には、電流Ioに比例した電流Isが流れる。シャント抵抗Rsは、二次コイルLc2に流れる電流Isに応じた電圧を発生する。
電流検出アンプ21は、シャント抵抗Rsに発生する電圧を、制御部30の制御信号に応じたゲインで増幅する。全波整流回路22は、電流検出アンプ21の正弦波状の出力信号S21を全波整流する。ローパスフィルタ23は、全波整流回路22から出力される全波整流信号S22を平滑化し、電流Ioの振幅に概ね比例した信号S23を出力する。
[制御部30]
制御部30は、振動発生装置1の全体的な動作を制御する回路であり、例えばコンピュータを含んで構成される。制御部30は、駆動電圧Vo1の周波数や振幅が変化するように、駆動電圧発生部10を制御する。具体的には、制御部30は、矩形波発生回路11のスイッチ回路112に入力する制御信号S30Aによって、矩形波S11の周波数(周期)を制御し、矩形波発生回路11のローパスフィルタ111に入力するPWM信号S30Aによって、矩形波S11の振幅を制御する。また、制御部30は、レンジ切替回路14の減衰比を切り替えることによって、スイッチングアンプ15に入力する正弦波S14の振幅の範囲を制御する。
更に、制御部30は、電流検出アンプ21のゲインを制御することにより、検出部20において検出される電流Ioの振幅の範囲を制御する。
本実施形態の振動発生装置1は、動作状態に関するモードとして、駆動電圧発生部10における駆動電圧Vo1の発生を停止する動作停止モードと、振動子VTの反共振周波数の探索を行う第1動作モードと、振動子VTを駆動する第2動作モードとを有する。制御部30は、動作停止モードにおいて駆動電圧Vo1を発生するように指示する制御信号Scを外部の制御機器などから入力した場合、動作停止モードから第1動作モードに移行する。
制御部30は、第1動作モードにおいて、駆動電圧Vo1の周波数を変化させながら検出部20の検出結果(ローパスフィルタ23の出力信号S23)を取得し、当該取得した検出結果に基づいて、振動子VTに流れる電流Ioが極小値となる反共振周波数を探索する。例えば制御部30は、反共振周波数が含まれ得る所定の周波数範囲の高周波側から低周波側に向かって駆動電圧Vo1の周波数を変化させながら、検出部20において検出される電流Ioが低下から上昇へ転じる周波数を探索する。制御部30は、第1動作モードにおいて反共振周波数を探索した後、第2動作モードに移行する。
制御部30は、第2動作モードにおいて、駆動電圧発生部10により駆動電圧Vo1を発生するとともに、駆動電圧Vo1の周波数を第1動作モードの探索結果の反共振周波数に保持する。
また制御部30は、第2動作モードにおいて、駆動電圧発生部10に対する駆動電圧Vo1の振幅の設定値を、制御信号Scに応じた一定の値に保つ。具体的には、制御部30は、矩形波発生回路11のローパスフィルタ111に入力するPWM信号S30Aのデューティ比と、レンジ切替回路14における減衰比を、制御信号Scに応じた一定の値に保つ。すなわち、制御部30は、振動子VTに流れる電流Ioを一定に保つフィードバック制御を行わない。
ここで、上述した構成を有する振動発生装置1におけるインダクタ(第1チョークLc1,第2チョークLc2)の機能について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、振動子VTと直列に設けたインダクタの影響を説明するための図であり、回路の周波数特性のシミュレーション結果を示す。図4Aは、シミュレーションを行った回路を示す。振動子VTの電気的な等価回路は、図4Aに示すように、インダクタLt、キャパシタCt1及び抵抗Rtの直列回路と、この直列回路に並列接続されたキャパシタCt2とからなる。図4Aに示す回路では、振動子VTとインダクタLmと抵抗Rsとが直列に接続され、この直列回路に信号源から電圧Viが供給される。
図4B〜図4DはインダクタLmの値がゼロの場合のシミュレーション結果を示し、図4E〜図4GはインダクタLmの値が20[mH]の場合のシミュレーション結果を示す。また、図4B及び図4Eは、電圧Viの信号源からみたインピーダンスZの周波数特性を示し、図4C及び図4Fは、当該信号源から供給される電流Iの周波数特性を示し、図4D及び図4Gは、当該信号源から出力される電力Wの周波数特性を示す。なお、このシミュレーションにおいて、インダクタLtの値は0.92[H]、キャパシタCt1の値は24.3[pF]、抵抗Rtの値は332[Ω]、キャパシタCt2の値は1.02[nF]、抵抗Rsの値は50[Ω]である。
インダクタンスLmの値がゼロの場合(図4B〜図4D)、インピーダンスZが極小値になる(電流I,電力Wが極大値になる)共振周波数frと、インピーダンスZが極大値になる(電流I,電力Wが極小値になる)反共振周波数faとが生じる。共振周波数frは主としてインダクタLtとキャパシタCt1との直列共振に起因し、反共振周波数faは主としてインダクタLtとキャパシタCt2との並列共振に起因する。他方、インダクタLmの値が20[mH]の場合は(図4E〜図4G)、共振周波数fr及び反共振周波数faに加えて、共振周波数fxが生じる。共振周波数fxは、主としてインダクタLmとキャパシタCt2との直列共振に起因する。
図4Cと図4Fを比較して分るように、この共振周波数fxが反共振周波数faより高い周波数に生じることで、反共振周波数fa付近における電流I、電力Wの変化が強調される。すなわち、電圧Viの周波数の変化に応じた電流I、電力Wの変化が強調される。従って、インダクタLmを振動子VTと直列に設けることにより、周波数の変化に対する電流Iの変化を検出し易くなるため、電流Iが極小値になることを利用した反共振周波数faの探索が容易になる。
図5は、インダクタの値に応じた周波数特性の違いを示す図である。図5Aはシミュレーションを行った回路を示し、図5B〜図5Gは周波数特性のシミュレーション結果を示す。図5Aに示す回路は、図4Aに示す回路と異なり、インダクタLcと振動子VTとがトランスTRの一次側と二次側とに分離されている。図5Aに示す回路において、振動子VTの等価回路は図4Aと同じである。
トランスTRは、一次側の電圧Vo1に対して二次側の電圧Vo2を昇圧するトランスであり、一次コイルL1の値は0.4[mH]、二次コイルL2の値は250[mH]、結合係数は0.9993である。トランスTRの一次側のインピーダンスは、トランスTRの二次側からみて概ね625倍(250mH/0.4mH)になる。そのため、図4Aに示す回路における20[mH]のインダクタLmは、図5Aに示す回路における32[μH]のインダクタLcに相当する。トランスTRを設けることにより、反共振周波数faにおける大きなインピーダンスの振動子VTを高電圧で駆動し易くなるとともに、共振周波数fxを生じさせるためのインダクタLcの値を低減し易くなる。
図5B及び図5CはインダクタLcの値が10[μH]の場合のシミュレーション結果を示し、図5D及び図5EはインダクタLcの値が20[μH]の場合のシミュレーション結果を示し、図5F及び図5EはインダクタLcの値が33[μH]の場合のシミュレーション結果を示す。また、図5B、図5D及び図5Fは振動子VTのインピーダンスZoを示し、図5C、図5E及び図5Gは振動子VTに流れる電流Ioを示す。図5のシミュレーション結果から分かるように、共振周波数fr及びfxはインダクタLcの値が大きくなるほど低下する一方、反共振周波数faはインダクタLcの値に応じて殆ど変化しない。従って、インダクタLcの値を適切に設定することにより、反共振周波数fa付近での周波数変化に対する電流Ioの変化を増大させるように共振周波数fxを設定することが可能である。
次に、振動子VTの機械的負荷が周波数特性に与える影響について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、振動子VTの機械的な負荷の影響を説明するための図であり、無負荷時と有負荷時における周波数特性のシミュレーション結果を示す。図6のシミュレーションを行った回路は、図5Aと同じである。図6A〜図6Cは、無負荷時におけるインピーダンスZo及び電流Ioのシミュレーション結果を示す。図6D〜図6Fは、有負荷時におけるインピーダンスZo及び電流Ioのシミュレーション結果を示す。このシミュレーションにおいて、振動子VTの抵抗Rtの値は、無負荷時に332[Ω]であり、有負荷時に6.3[kΩ]である。
図6のシミュレーション結果から分かるように、振動子VTの機械的負荷が変化しても、反共振周波数faはあまり変化しない。従って、振動子VTの駆動周波数を無負荷時に探索された反共振周波数faに保持することで、反共振周波数faに追従する制御(PLLなど)を行わなくても、有負荷時において概ね反共振周波数faに近い周波数で振動子VTを駆動することが可能である。
また、図6Aと図6Dを比較して分るように、有負荷時には無負荷時に比べて反共振周波数faでのインピーダンスZoが小さくなる。そのため、有負荷時の反共振周波数faにおける電流Io(6.76mA:図6C)は、無負荷時の反共振周波数faにおける電流Io(0.36mA:図6F)に比べて大きくなる。このように、機械的負荷の増大に伴って電流Ioが増大するため、振動子VTに供給する電流や電力を一定に保つようなフィードバック制御を行わなくても、機械的負荷に応じた駆動電力を振動子VTに供給することが可能である。
図7は、振動子VTの機械的な負荷の影響に関する他のシミュレーション結果を示す図である。図7Aはシミュレーションを行った回路を示す。図7B及び図7Cは無負荷時のシミュレーション結果を示し、図7D及び図7Eは有負荷時のシミュレーション結果を示す。図7Aに示す回路は、インダクタLcの等価回路として、インダクタLsと抵抗Rs1とキャパシタCsとの並列回路を含むとともに、当該並列回路と直列に接続された抵抗Rs2を含む。また、図7Aに示す回路は、インダクタLcからトランスTRの一次コイルL1へ流れる電流の経路とグランドとの間に接続されたキャパシタCf1及びCf2を含む。キャパシタCf2には抵抗Rf1が直列に接続されており、この直列回路とキャパシタCf1とが並列に接続される。キャパシタCf1及びCf2は、図3におけるフィルタ16のキャパシタCf11,Cf12,Cf21,Cf22に対応するものであり、インダクタLcとともにローパスフィルタを構成する。
図7のシミュレーションにおいて、インダクタLsの値は33[μH]、抵抗Rs1の値は56.3[kΩ]、キャパシタCsの値は10.1[pF]、抵抗Rs2の値は67[mΩ]、キャパシタCf1及びCf2の値は0.1[μF]、抵抗Rf1の値は10[Ω]である。また、このシミュレーションにおいて、振動子VTを構成するインダクタLtの値は1.58[H]、キャパシタCt1の値は15.7[pF]、キャパシタCt2の値は823[pF]である。振動子VTの抵抗Rtの値は、無負荷時に1.1[kΩ]であり、有負荷時に6.0[kΩ]である。なお、トランスTRのパラメータは、図5Aと同じである。
図7B及び図7Dは、信号源の電圧Viに対する電圧Vo1のゲインの周波数特性(Vo1/Vi)と、信号源の電圧Viに対する電圧Vo2のゲインの周波数特性(Vo2/Vi)をそれぞれ示す。図7C及び図7Eは、振動子VTに流れる電流Ioの周波数特性を示す。これらの周波数特性からも分かるように、振動子VTの機械的負荷の変化に伴う反共振周波数faの変化は微小である。また、図7Cと図7Eを比較して分かるように、反共振周波数faにおける電流Ioは、無負荷の場合に微小であり、機械的負荷が大きくなるほど増大する。
次に、フィルタ16のキャパシタ(Cf11,Cf12,Cf21,Cf22)が周波数特性に与える影響について、図8を参照してを説明する。図8A及び図8Bは、図7Aに示す回路からキャパシタCf1,Cf2及び抵抗Rf1を削除した回路で周波数特性のシミュレーションを行った結果を示す。図8C及び図8Dは、図7Aに示す回路で周波数特性のシミュレーションを行った結果を示す。
図8A及び図8Cは、信号源の電圧Viに対する電圧Vo1のゲインの周波数特性(Vo1/Vi)と、信号源の電圧Viに対する電圧Vo2のゲインの周波数特性(Vo2/Vi)をそれぞれ示す。図8B及び図8Dは、振動子VTに流れる電流Ioの周波数特性を示す。これらのシミュレーション結果から分かるように、インダクタLcとともにローパスフィルタを構成するキャパシタCf1,Cf2は、共振周波数fxを低い周波数へシフトさせる。これは、キャパシタCf1,Cf2がトランスTRを介して振動子VTのキャパシタCt2と並列に接続されることにより、見かけ上、キャパシタCt2のキャパシタンスが大きくなった状態と等価になり、インダクタLcとキャパシタCt2との直列共振周波数が低下するためである。キャパシタCf1,Cf2の有無にかかわらず、反共振周波数faはほぼ一定となっている。そのため、キャパシタCf1,Cf2の値をインダクタLcの値と共に適切に設定することにより、反共振周波数fa付近での周波数変化に対する電流Ioの変化を増大させるように共振周波数fxを設定することが可能である。
次に、動作時における回路の各部の信号波形について、図9を参照して説明する。図9は、無負荷時と有負荷時における過渡解析のシミュレーション結果を示す。
図9Aは、過渡解析のシミュレーションを行った回路を示しており、図9Aと図3の同一符号は同一の構成要素を示す。第1チョークLc1及び第2チョークLc2の等価回路は、図7AにおけるインダクタLcと同じである。キャパシタCf11及びCf21の値は0.1[μF]、キャパシタCf12及びCf22の値は0.01[μF]、抵抗Rf11及びRf21の値は10[Ω]である。図9Aに示す回路における他の構成は、図7Aに示す回路と同じである。
図9B〜図9Gは無負荷の場合(Rt=1.1[kΩ])における各部の波形を示し、図9H〜図9Mは有負荷の場合(Rt=6.0[kΩ])における各部の波形を示す。これらの波形から分かるように、スイッチングアンプ15から出力される矩形波状の第1駆動電圧VD1及び第2駆動電圧VD2は、フィルタ16によって高周波成分が除去される。そのため、トランスTRには正弦波状の電圧Vo1(Vo1+とVo1−との差)が入力される。
次に、反共振周波数faの探索処理について説明する。図10は、制御部30による反共振周波数faの探索処理の一例を示すフローチャートである。
制御部30は、反共振周波数faの探索処理を行う第1動作モードに移行すると、反共振周波数faの探索処理に用いる各変数(Sa,Sb,Fg,T,Tx)を初期化する(ST100)。また、制御部30は、駆動電圧発生部10に設定する駆動電圧Vo1の振幅を最小値にする(ST105)。
まず、制御部30は、周期Tのパルス列を矩形波発生回路11から出力する(ST110)。初期状態において、周期Tは最小値に設定される。例えば制御部30は、周期Tの矩形波S11を16周期分だけ矩形波発生回路11から出力する。これにより、振動子VTには、周期Tの駆動電圧Vo2が16周期にわたって供給される。
制御部30は、ステップST110において発生したパルス列の後半において、検出部20による振動子VTの電流Ioの検出値を積算し、その電流積算値を「Sa」として記憶する(ST115)。例えば、制御部30は、16周期における最後の4周期に対応する電流Ioの検出値を積算する。
制御部30は、電流積算値Saをしきい値THと比較する(ST120)。電流積算値Saがしきい値TH以上の場合、制御部30はステップST150に移行する。ステップST150において、制御部30は、周期Tに増分値ΔTを加算した結果を、新たな周期Tとして記憶する。これにより、周期Tが大きくなるため、周波数は低下する。
周期Tが最大値Tmaxに達している場合、制御部30は反共振周波数faの探索処理を終了する(ST155)。周期Tが最大値Tmaxより小さい場合、制御部30は最新の電流積算値Saを「Sb」に保存し(ST160)、ステップST110に戻る。制御部30は、上述したステップST110以降の処理を繰り返す。
ステップST120において積算値Saがしきい値より小さいと判定した場合、制御部30は、ステップST115で算出した今回の電流積算値Saと、ステップST160で保存した前回の電流積算値Sbとを比較する(ST125)。今回の電流積算値Saが前回の電流積算値Sbを超える場合、制御部30は、フラグデータFgの値がゼロか否かを判定する(ST130)。初期状態において、フラグデータFgの値はゼロに設定される。ステップST130においてフラグデータFgの値がゼロである場合、制御部30は、現在の周期Tから増分値ΔTだけ減算した値を(すなわち前回の電流積算値Sbの算出に使用された周期Tを)確定値の候補として「TX」に保存する(ST135)。また、この場合、制御部30は、フラグデータFgの値を「1」に設定する(ST140)。制御部30は、ステップST135及びST140の後、ステップST150に移行し、上述と同様の処理を繰り返す。
ステップST130においてフラグデータFgの値が「1」の場合、制御部30は、ステップST135において保存された周期Txを探索結果の確定値として取得する(ST170)。制御部30は、第2動作モードにおいて矩形波発生回路11から出力する矩形波S11の周期を、ステップST170において確定値として取得した周期Txに保持する。
なお、ステップST125において今回の電流積算値Saが前回の電流積算値Sb以下であった場合、制御部30は、フラグデータFgの値をゼロにリセットし(ステップST145)、ステップST150に移行する。そのため、今回の電流積算値Saが前回の電流積算値Sbを単発的に超える場合は、ステップST135で保存された周期Txが破棄され、確定値として取得されない。
図11は、反共振周波数faの探索処理を実行した場合における回路の各部の信号波形(S14,S23,S22)を示す図であり、反共振周波数faより高い周波数から低い周波数へ駆動周波数を走査した場合の信号波形の例を示す。
図11Aの例では、時刻t1において駆動周波数の走査が開始され、反共振周波数faに到達した後も続けて駆動周波数が走査され、2つ目の極小値を超えた時刻t2において駆動周波数の走査が停止される。この例では、電流Ioが極小値となる周波数が2つ存在するが、探索すべき反共振周波数faは最初に極小値となる周波数である。そこで、図11Bの例では、時刻t3において駆動周波数の走査が開始された後、反共振周波数fa(電流Ioの最初の極小値)が探索された時刻t4において駆動周波数の操作が停止される。このように、探索対象となる反共振周波数faよりも高い周波数から低い周波数に向かって駆動周波数を走査することにより、反共振周波数faに比べて低い周波数に存在する別の反共振周波数が誤って探索されることがない。
(まとめ)
本実施形態によれば、第1動作モードにおいて、駆動電圧Vo1の周波数を変化させながら取得した検出部20の検出結果に基づいて、振動子VTに流れる電流Ioが極小値となる反共振周波数faが探索される。第2動作モードでは、駆動電圧Vo1の周波数が、第1動作モードで探索された反共振周波数faに保持される。振動子VTが反共振周波数faで駆動される場合、振動子VTのインピーダンスは、振動子VTの機械的負荷が増大するほど小さくなる。振動子VTのインピーダンスが小さくなると、振動子VTの電圧が一定のままでも、振動子VTに供給される電力が大きくなる。すなわち、定電流制御などを行わなくても、振動子VTの機械的負荷の増大に伴って振動子VTに供給される電力が大きくなる。従って、定電流制御などのフィードバック制御を行わない簡易な構成でありながら、振動子VTの機械的負荷の変化に伴う振幅の変化を効果的に抑制できる。また、反共振周波数faでは、振動子VTの機械的負荷が小さいほど振動子VTのインピーダンスが大きくなるため、機械的負荷が小さい状態における消費電力を低減できる。
本実施形態によれば、トランスTRによって駆動電圧Vo1が昇圧されて振動子VTに印加されるため、反共振周波数faにおいて高インピーダンス状態となっている振動子VTに対して十分な電力を供給できる。
本実施形態によれば、トランスTRの二次側(振動子VT側)からみた駆動電圧発生部10の出力インピーダンスが、トランスTRを設けない場合に比べて大きくなる。これにより、振動子VTの駆動周波数が反共振周波数faからずれて振動子VTのインピーダンスが減少しても、振動子VTに印加される電圧が小さくなるため、振動子VTに過剰な電流が流れることを効果的に防止できる。
本実施形態によれば、インダクタ(第1チョークLc1,第2チョークLc2)と振動子VTの静電容量成分(キャパシタCt2)との共振によって、駆動電圧Vo1の周波数の変化に応じた振動子VTの電流の変化が強調されるため、第1動作モードにおける反共振周波数の探索の精度を高めることができる。
本実施形態によれば、駆動電圧発生部10からトランスTRの一次コイルL1へ電流が流れる経路にインダクタ(第1チョークLc1,第2チョークLc2)が設けられている。これにより、トランスTRの二次側(振動子VT側)からみたインダクタ(第1チョークLc1,第2チョークLc2)のインダクタンスが見かけ上大きくなるため、インダクタ(第1チョークLc1,第2チョークLc2)のサイズを小型化できる。
本実施形態によれば、フィルタ16に含まれるチョーク(第1チョークLc1及び第2チョークLc2)が、振動子VTの静電容量成分(キャパシタCt2)との共振を生じるインダクタを兼ねており、共振用のインダクタをフィルタ16と別に設ける必要がないため、部品点数の増大を抑制できる。
本実施形態によれば、矩形波発生回路11において発生した矩形波S11が、波形変換回路12において三角波S12に変換され、その三角波S12からバンドパスフィルタ13によって正弦波S14が抽出される。そのため、バンドパスフィルタ13において矩形波S11から正弦波S14を直接抽出する場合に比べて、抽出後の正弦波S14に含まれる高調波成分を低減できる。
本実施形態によれば、駆動電圧Vo1の発生を指示する制御信号Scが動作停止モードにおいて入力されると、第1動作モードにおいて反共振周波数faが探索された後、駆動電圧発生部10において駆動電圧Vo1が発生し、駆動電圧Vo1の周波数が探索結果の反共振周波数faに保持される。すなわち、第2動作モードにおいて駆動電圧Vo1の出力が開始される度に、反共振周波数faの探索が行われる。そのため、動作停止モードと第2動作モードとが頻繁に繰り返される場合(例えば歯科用ハンドツールや、電気メス、電動歯ブラシなどにおいて駆動状態と停止状態とが繰り返される場合)、駆動電圧Vo1の周波数と振動子VTの反共振周波数faとの誤差を小さくすることができる。
本実施形態によれば、反共振周波数faを探索する第1動作モードにおいて、所定の周波数範囲の高周波側から低周波側に向かって反共振周波数faが探索される。これにより、目標の反共振周波数faに比べて低い周波数に存在する副次的な振動モードの反共振周波数(例えば図11Aにおける2つ目の電流極小値の周波数)が誤って探索されることを効果的に防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述した実施形態では、検出部20において振動子VTの電流Ioを検出しているが、本発明の他の実施形態では、振動子VTに供給される電力を検出部20において検出してもよい。この場合、制御部30は、反共振周波数faの探索処理において、電力の極小値を検出すればよい。
上述した実施形態に基づいて把握される本発明の技術思想に関して、以下の付記を開示する。
[付記1」
電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子を駆動する振動子駆動装置であって、前記振動子に供給される交流の駆動電圧を発生する駆動電圧発生部と、前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力を検出する検出部と、前記駆動電圧の周波数が変化するように前記駆動電圧発生部を制御する制御部とを有し、前記制御部は、第1動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を変化させながら前記検出部の検出結果を取得し、当該取得した検出結果に基づいて、前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力が極小値となる反共振周波数を探索し、第2動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を前記第1動作モードで探索した前記反共振周波数に保持する、振動子駆動装置。
[付記2]
前記駆動電圧発生部が発生した前記駆動電圧を昇圧して前記振動子に印加するトランスを有する、付記1に記載の振動子駆動装置。
[付記3]
前記駆動電圧発生部から前記トランスの一次コイルへ電流が流れる経路に設けられ、前記反共振周波数より高い周波数において前記振動子の静電容量成分との共振を生じ、当該共振により、前記駆動電圧の周波数の変化に応じた前記振動子の電流の変化を強調するインダクタを有する、付記2に記載の振動子駆動装置。
[付記4]
前記駆動電圧発生部は、スイッチングアンプと、前記スイッチングアンプの出力電圧に含まれるスイッチング成分を除去するフィルタとを含み、前記トランスは、前記フィルタにおいて前記スイッチング成分が除去された前記スイッチングアンプの出力電圧を前記駆動電圧として昇圧し、前記フィルタは、前記スイッチングアンプから前記一次コイルへ電流が流れる経路に設けられた少なくとも1つのチョークを含み、前記チョークが前記インダクタとして働く、付記3に記載の振動子駆動装置。
[付記5]
前記スイッチングアンプは、それぞれハイレベルとローレベルの電圧を切り替えて出力する第1アンプ部及び第2アンプ部を含み、前記フィルタは、前記第1アンプ部の出力から前記一次コイルの一方の端子へ電流が流れる経路に設けられた第1チョークと、前記第2アンプ部の出力から前記一次コイルの他方の端子へ電流が流れる経路に設けられた第2チョークとを含み、前記第1チョーク及び前記第2チョークが前記インダクタとして働く、付記4に記載の振動子駆動装置。
[付記6]
前記駆動電圧発生部は、矩形波を発生する矩形波発生回路と、前記矩形波を三角波に変換する波形変換回路と、前記三角波から正弦波を抽出し、前記スイッチングアンプに入力するバンドパスフィルタとを含み、前記制御部は、前記矩形波発生回路において発生する前記矩形波の周波数を制御する、付記5に記載の振動子駆動装置。
[付記7]
前記制御部は、前記駆動電圧発生部による前記駆動電圧の発生を停止する動作停止モードにおいて前記駆動電圧を発生するように指示する制御信号を入力した場合に前記第1動作モードへ移行し、前記第1動作モードにおいて前記反共振周波数を探索した後で前記第2動作モードに移行し、前記第2動作モードにおいて前記駆動電圧発生部により前記駆動電圧を発生する、付記1乃至付記6の何れか1つに記載の振動子駆動装置。
[付記8]
前記制御部は、前記第1動作モードにおいて、前記反共振周波数が含まれ得る所定の周波数範囲の高周波側から低周波側に向かって前記駆動電圧の周波数を変化させながら、前記検出部において検出される前記電流又は前記電力が低下から上昇へ転じる周波数を探索する、付記1乃至付記7の何れか1つに記載の振動子駆動装置。
[付記9]
電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子と、前記振動子を駆動する付記1乃至付記8の何れか1つに記載の振動子駆動装置と、を有する振動発生装置。
1…振動発生装置、2…振動子駆動装置、10…駆動電圧発生部、11…矩形波発生回路、111…ローパスフィルタ、112…スイッチ回路、12…波形変換回路、13…バンドパスフィルタ、14…レンジ切替回路、15…スイッチングアンプ、A1…第1アンプ部、A2…第2アンプ部、151…スイッチ駆動回路、152…スイッチ駆動回路、153…三角波発生器、154…反転アンプ、16…フィルタ、Lc1…第1チョーク、Lc2…第2チョーク、20…検出部、CT…カレントトランス、21…電流検出アンプ、22…全波整流回路、23…ローパスフィルタ、30…制御部、TR…トランス、L1…一次コイル、L2…二次コイル、VT…振動子、CP1,CP2…コンパレータ、OP1…オペアンプ、fr,fx…共振周波数、fa…反共振周波数

Claims (6)

  1. 電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子を駆動する振動子駆動装置であって、
    前記振動子に供給される交流の駆動電圧を発生する駆動電圧発生部と、
    前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力を検出する検出部と、
    前記駆動電圧の周波数が変化するように前記駆動電圧発生部を制御する制御部と
    前記駆動電圧発生部が発生した前記駆動電圧を昇圧して前記振動子に印加するトランスと、
    前記駆動電圧発生部から前記トランスの一次コイルへ電流が流れる経路に設けられ、前記反共振周波数より高い周波数において前記振動子の静電容量成分との共振を生じ、当該共振により、前記駆動電圧の周波数の変化に応じた前記振動子の電流の変化を強調するインダクタとを有し、
    前記制御部は、
    第1動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を変化させながら前記検出部の検出結果を取得し、当該取得した検出結果に基づいて、前記振動子に流れる電流又は前記振動子に供給される電力が極小値となる反共振周波数を探索し、
    第2動作モードにおいて、前記駆動電圧の周波数を前記第1動作モードで探索した前記反共振周波数に保持し、
    前記駆動電圧発生部は、
    スイッチングアンプと、
    前記スイッチングアンプの出力電圧に含まれるスイッチング成分を除去するフィルタとを含み、
    前記トランスは、前記フィルタにおいて前記スイッチング成分が除去された前記スイッチングアンプの出力電圧を前記駆動電圧として昇圧し、
    前記フィルタは、前記スイッチングアンプから前記一次コイルへ電流が流れる経路に設けられた少なくとも1つのチョークを含み、
    前記チョークが前記インダクタとして働く、
    振動子駆動装置。
  2. 前記スイッチングアンプは、それぞれハイレベルとローレベルの電圧を切り替えて出力する第1アンプ部及び第2アンプ部を含み、
    前記フィルタは、
    前記第1アンプ部の出力から前記一次コイルの一方の端子へ電流が流れる経路に設けられた第1チョークと、
    前記第2アンプ部の出力から前記一次コイルの他方の端子へ電流が流れる経路に設けられた第2チョークとを含み、
    前記第1チョーク及び前記第2チョークが前記インダクタとして働く、
    請求項に記載の振動子駆動装置。
  3. 前記駆動電圧発生部は、
    矩形波を発生する矩形波発生回路と、
    前記矩形波を三角波に変換する波形変換回路と、
    前記三角波から正弦波を抽出し、前記スイッチングアンプに入力するバンドパスフィルタとを含み、
    前記制御部は、前記矩形波発生回路において発生する前記矩形波の周波数を制御する、
    請求項に記載の振動子駆動装置。
  4. 前記制御部は、前記駆動電圧発生部による前記駆動電圧の発生を停止する動作停止モードにおいて前記駆動電圧を発生するように指示する制御信号を入力した場合に前記第1動作モードへ移行し、前記第1動作モードにおいて前記反共振周波数を探索した後で前記第2動作モードに移行し、前記第2動作モードにおいて前記駆動電圧発生部により前記駆動電圧を発生する、
    請求項1乃至の何れか一項に記載の振動子駆動装置。
  5. 前記制御部は、前記第1動作モードにおいて、前記反共振周波数が含まれ得る所定の周波数範囲の高周波側から低周波側に向かって前記駆動電圧の周波数を変化させながら、前記検出部において検出される前記電流又は前記電力が低下から上昇へ転じる周波数を探索する、
    請求項1乃至の何れか一項に記載の振動子駆動装置。
  6. 電気エネルギーを機械的な振動エネルギーに変換する振動子と、
    前記振動子を駆動する請求項1乃至の何れか一項に記載の振動子駆動装置と
    を有する振動発生装置。
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