JP6802841B2 - ローダミン色素の合成方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2015年10月2日に提出された米国特許仮出願第62/236,488号に基づく優先権を主張するものであり、この仮出願の内容全体は、参照により、本明細書に援用される。
本開示は広くは、ローダミン色素の位置選択的合成方法に関するものである。
ローダミン色素は、蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー及び酵素結合免疫吸着法(ELISA)を含むバイオテクノロジー用途で広く用いられている。しかしながら、特定のローダミン色素(6−カルボキシローダミンなど)を合成するための現在の方法には、過酷な反応条件を要すること、複数の異性体が生成されること、高度な精製手順が必要であること、低い収率などの短所がある。
一態様では、
下記の式(I)の化合物であって、
(I)
式中、R1とR2がそれぞれ独立して、水素、アルキルもしくはR1a−CO−であり、R1aが、水素、C1−C4アルキル(例えばtBu)、C1−C4ハロアルキル(例えばCF3、CHF2)もしくはC1−C4アルコキシであるか、又はR1とR2が、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、Rcが、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されており、RaとRbがそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、あるいはR1とRaが、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、R2とRbが、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している化合物と、
下記の式(II)の化合物であって、
(II)
式中、Rが、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(カルボキシ)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択されており、nが、0、1、2、3又は4であり、Xが、ハロゲン又はOR3であり、R3が、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びハロアルキルスルホニルからなる群から選択されている化合物
を反応させて、ローダミン色素を形成することを含む、ローダミン色素の合成方法を開示する。
本発明で開示するのは、ローダミン色素の位置選択的合成方法である。古典的な合成では、出発物質として環状無水物(例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物としても知られている)を使用するが、これらの反応では、異性体の混合物が生成される。本発明で開示する合成には、任意に応じて置換されているフタルアルデヒド酸又はフタルアルデヒド酸誘導体の使用を伴う。このアプローチは、ローダミンを緩和な条件において高い収率で、異性体的に純粋な形態でもたらすことができる。したがって、本発明で開示する方法により、より速く、より安価に、特定の置換ローダミン色素を生成可能にできる。
1.用語の定義
別段の定めのない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。矛盾が生じた場合には、定義を含め、本明細書が優先される。好ましい方法と材料が後述されているが、本明細書に記載されているものと類似又は等価の方法と材料を本発明の実施又は試験において使用することができる。本明細書で言及されているすべての文献、特許出願、特許及びその他の参照文献は、参照により、その全体が援用される。本明細書に開示されている材料、方法及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定するようには意図されていない。
本明細書で用いられている用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定するようには意図されていない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されている場合、文脈上明らかに別に解すべき場合を除き、「a」、「and」及び「the」という単数形には、複数の言及物が含まれる。
本明細書中の数値範囲の説明に関しては、同じ精度を有するその間の各数字が、明示的に想定されている。例えば、6〜9の範囲では、6と9に加えて、7と8という数字が想定されており、6.0〜7.0の範囲では、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0という数字が明示的に想定されている。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、「およそ」という用語と同義的に用いられている。例示的には、「約」という用語は、特定の値に関して使用する場合、その値が、特定の値から若干外れていてもよいことを示す。変動は、実験誤差、製造公差、平衡状態のばらつきなどの条件によってよい。いくつかの実施形態では、「約」という用語には、示されている値±10%が含まれる。したがって、このような値は、「約」及び「およそ」という用語が使われている特許請求の範囲に含まれる。
具体的な官能基と化学元素の定義は、下に更に詳細に説明されている。本開示の目的においては、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内カバーのCAS式元素周期表に従って特定されており、具体的な官能基は概ね、そこに記載されているように定義する。加えて、有機化学の一般的原理と、具体的な官能部分と反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に説明されており、各文献の内容全体は、参照により、本明細書に援用される。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、1〜10個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」又は「C1-6−アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。「C3-7分岐鎖アルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含む分岐鎖炭化水素を意味する。「C1−C4−アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル及びn−デシルが挙げられるが、これらに限らない。
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルキル基が、酸素原子を介して親分子部分に結合しているものを指す。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ及びtert−ブトキシが挙げられるが、これらに限らない。
「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルコキシ基が、ここで定義されているようなアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルコキシ基が、カルボニルを介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルキル基が、カルボニルを介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルキル基が、スルホニルを介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アルコキシフルオロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルコキシ基が、ここで定義されているようなフルオロアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アリール」という用語は、本明細書で使用する場合、フェニル基又は二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、フェニル基が、親分子部分に結合しているとともに、ここで定義されているようなシクロアルキル基、フェニル基、ここで定義されているようなヘテロアリール基、又はここで定義されているような複素環に縮合しているものによって例示される。アリールの代表的な例としては、インドリル、ナフチル、フェニル、キノリニル及びテトラヒドロキノリニルが挙げられるが、これらに限らない。
「アリールアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアリール基が、ここで定義されているようなアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「アリールスルホニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアリール基が、スルホニルを介して親分子部分に結合しているものを指す。
「カルボキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、カルボン酸基、すなわちCOOHであって、そのカルボン酸の炭素を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、3〜10個の炭素原子と、0個のヘテロ原子と、0個の二重結合を含む炭素環系を指す。シクロアルキルの代表的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシルが挙げられるが、これらに限らない。
「シクロアルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、3〜10個の炭素原子と、0個のヘテロ原子と、少なくとも1つの二重結合を含む炭素環系を指す。
「フルオロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのフッ素原子が、ここで定義されているようなアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「フルオロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのフッ素原子が、ここで定義されているようなアルコキシ基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、本明細書で使用する場合、Cl、Br、I又はFを意味する。
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのハロゲン原子が、ここで定義されているようなアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのハロゲン原子が、ここで定義されているようなアルコキシ基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ハロアルキルカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているような少なくとも1つのハロアルキルが、カルボニル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ハロアルコキシカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているような少なくとも1つのハロアルコキシ基が、カルボニル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ハロアルキルスルホニル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなハロアルキル基が、スルホニルを介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなアルキル基において、炭素原子の1つ以上が、S、O、P及びNから選択したヘテロ原子によって置換されているものを意味する。ヘテロアルキルの代表的な例としては、アルキルエーテル、2級アルキルアミン、3級アルキルアミン、アミド及びアルキルスルフィドが挙げられるが、これらに限らない。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用する場合、芳香族単環式環又は芳香族二環式環系を指す。芳香族単環式環は、N、O及びSからなる群から独立して選択した少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、S及びNから独立して選択した1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子)を含む5又は6員環である。5員の芳香族単環式環は、2つの二重結合を有し、6員の芳香族単環式環は、3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、単環式ヘテロアリール環が、親分子部分に結合しているとともに、ここで定義されているような単環式シクロアルキル基、ここで定義されているような単環式アリール基、ここで定義されているような単環式ヘテロアリール基又はここで定義されているような単環式複素環に縮合しているものによって例示される。ヘテロアリールの代表的な例としては、インドリル、ピリジニル(ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イルを含む)、ピリミジニル、チアゾリル及びキノリニルが挙げられるが、これらに限らない。
「複素環」又は「複素環式」という用語は、本明細書で使用する場合、単環式複素環、二環式複素環又は三環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択した少なくとも1つのヘテロ原子を含む3員、4員、5員、6員、7員又は8員環である。この3員又は4員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択した1個のヘテロ原子を含む。5員環は、0個又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択した1個、2個又は3個のヘテロ原子を含む。6員環は、0個、1個又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択した1個、2個又は3個のヘテロ原子を含む。7員及び8員環は、0個、1個、2個又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択した1個、2個又は3個のヘテロ原子を含む。
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ここで定義されているようなヘテロアリール基が、ここで定義されているようなアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。
「ヒドロキシカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、−C(O)−OHという置換基を指す。
「(ヒドロキシカルボニル)ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、ヒドロキシカルボニル基が、ここで定義されているようなヘテロアルキル基を介して親分子部分に結合しているものを指す。例示的な(ヒドロキシカルボニル)ヘテロアルキル基は、−SCH2CO2Hである。
「置換されている」という用語は、水素以外の1つ以上の置換基で更に置換されていてよい基を指す。置換基としては、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート及びアシルが挙げられるが、これらに限らない。
いくつかのケースでは、ヒドロカルビル置換基(例えばアルキル又はシクロアルキル)における炭素原子の数が、接頭辞「Cx−Cy−」によって示されており、このxは、置換基における炭素原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「C1−C3−アルキル」とは、1〜3個の炭素原子を含むアルキル置換基を指す。
特定の置換基は、本明細書では、略称されていることがある。例えば、Meという略称はメチルを表し、Etという略称はエチルを表す。有機化学者が使用している標準的な略称の更に包括的なリストは、Standard List of Abbreviations of the Journal of Organic Chemistryという表に示されている。前記リストに含まれている略称は、参照により、本明細書に援用される。
「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる」、「含む(contain(s))」という用語と、これらの変形表現は、本明細書で使用する場合、追加の作用又は構造の可能性を排除しないオープンエンドの移行句、用語又は単語であるように意図されている。本開示では、明示的に示されているか否かを問わず、本明細書に記載されている実施形態又は要素を「含み」、この実施形態又は要素「からなり」、この実施形態又は要素「から本質的になる」他の実施形態も想定されている。
2.合成方法
6−カルボキシテトラメチルローダミン(TMR)のような置換ローダミン色素の古典的な合成には、多くの短所がある。例えば、このような合成には、過酷な反応条件が必要となることがあり、その結果、所望の生成物の収率が低くなり得る。この合成では、異性体の混合物も生成され、その生成物を分離して、純粋な異性体をもたらすためには、高度な精製プロトコールが必要となる。高度に置換された特定のローダミン色素のケースでは、アニリンが、購入するには高価であったり、又は複雑な多段階合成を必要としたりすることがあり、所望されない異性体の生成に、アニリンの半分が消費されて、特に無駄となり得る。
スキーム1は、6−カルボキシテトラメチルローダミン(6−カルボキシ−TMR)の古典的な合成を示しており、この合成では、副生成物として、5−カルボキシテトラメチルローダミン(5−カルボキシ−TMR)も生成される。この変換においては、カルボキシル置換フタル酸無水物(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸)をアミノフェノール(3−(ジメチルアミノ)フェノール)と反応させて、6−カルボキシ−TMRと5−カルボキシ−TMRの混合物を形成させる。
スキーム1.5(6)−カルボキシ−TMRの古典的な合成
置換フタル酸無水物を出発物質として用いる、他の置換ローダミン色素の合成にも、同様に、位置選択性の欠如という難点がある。
本発明では、置換フタル酸無水物の代わりに、置換フタルアルデヒド酸又はフタルアルデヒド酸誘導体を出発物質として用いて、ローダミン色素(例えば5位及び6位置換ローダミン色素)を容易に、位置選択的に合成することを開示することによって、これらの問題に対処する。式(I)の化合物と式(II)の化合物を反応させて、ローダミン色素[式(III)の化合物]を緩和な条件において高い収率で、異性体的に純粋な形態でもたらす。このプロセスの略図をスキーム2に示す。
スキーム2.ローダミン色素の新規合成法
A.式(I)の化合物
本開示のローダミンの合成方法は、下記の式(I)の化合物を含んでよく、
(I)
この式中、
1とR2はそれぞれ独立して、水素、アルキルもしくはR1a−CO−であり、R1aは、水素、C1−C4アルキル(例えばtBu)、C1−C4ハロアルキル(例えばCF3、CHF2)もしくはC1−C4アルコキシであるか、又はR1とR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、
cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されており、
aとRbはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、あるいは
1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。
いくつかの実施形態では、本開示のローダミンの合成方法は、下記の式(I)の化合物を含んでよく、
(I)
この式中、
1とR2はそれぞれ独立して、水素及びアルキルであるか、もしくはR1とR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、
cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されており、
aとRbはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、又は
1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。
いくつかの実施形態では、R1とR2はそれぞれ独立して、アルキルである。いくつかの実施形態では、R1とR2はそれぞれ独立して、C1−C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R1とR2はそれぞれ独立して、水素である。いくつかの実施形態では、R1又はR2の一方は、C1−C4アルキルであり、もう一方は、水素である。
いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成している。例えば、いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成しており、R2とRbも、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成している。いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、7員環を形成している。
いくつかの実施形態では、RaとRbは、水素である。いくつかの実施形態では、Rcは、水素である。いくつかの実施形態では、Raと、Rbと、Rcはそれぞれ、水素である。
式(I)の例示的な化合物としては、

が挙げられ、この式中、R1aは、水素、C1−C4アルキル(例えばtBu)、C1−C4ハロアルキル(例えばCF3、CHF2)又はC1−C4アルコキシである。
B.式(II)の化合物
本開示のローダミンの合成方法は、下記の式(II)の化合物を含んでよく、
この式中、
Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシカルボニル)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択されており、
nは、0、1、2、3又は4であり、
Xは、ハロゲン又はOR3であり、R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びハロアルキルスルホニルからなる群から選択されている。
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン又はOR3であり、R3は、水素、アルキル、アリール及びアルキルカルボニルからなる群から選択されている。
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン又はOR3であり、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、臭素又はOR3であり、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、OR3であり、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルからなる群から選択されている。
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン又はカルボキシである。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、

式(II)の化合物は、XがOR3であり、R3がHであるときには、「フタルアルデヒド酸」と称する場合もある。式(II)の化合物又は「フタルアルデヒド酸」は、下記のように、閉環体と開環体とが平衡した状態で存在する。
式(II)の化合物は、特定の実施形態では、4位又は5位が置換されていてよい。例えば、「4−カルボキシフタルアルデヒド酸」と「5−カルボキシフタルアルデヒド酸」は、下記の構造式を有する化合物を指し、これらの化合物は、3−ヒドロキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸及び1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸としても知られている。
式(II)の化合物の合成は、様々な方法によって達成されてよい。例えば、特定の例示的な合成で用いる4−カルボキシフタルアルデヒド酸と5−カルボキシフタルアルデヒド酸は、安価な出発物質から、いくつかのプロトコールによって調製できる。これらの化合物は、パラジウムを触媒として、適切に置換したハロ−ベンズアルデヒドを一段階でヒドロキシカルボニル化することによって合成してよい(下記のスキーム3a及び3b)。
スキーム3.カルボキシフタルアルデヒド酸の合成
(a)Pdを触媒とするヒドロキシカルボニル化によって、フタルアルデヒド酸を合成するための大まかなスキーム
(b)2,5−ジブロモベンズアルデヒドからの4−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成
別の実施形態では、特定の例示的な合成で用いる4−ハロゲン置換フタルアルデヒド酸と5−ハロゲン置換フタルアルデヒド酸を同様の方式で調製できる。これらの化合物は、以下のスキーム4に示されているように、パラジウムを触媒として、適切に置換したハロ−ベンズアルデヒドを選択的に一段階でヒドロキシカルボニル化することによって合成してよい。
スキーム4.ハロゲン置換フタルアルデヒド酸の合成
あるいは、カルボキシフタルアルデヒド酸は、対応するベンゾラクトンから、ブロモフタリド中間体の加水分解を経由して進行する二段階のシーケンスで合成してよい(スキーム5)。
スキーム5.メチル1−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレートからの4−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成
同様の方式で、フタルアルデヒド酸の等価物として機能する他の部分を加水分解して、所望の置換フタルアルデヒド酸を形成させてもよい。スキーム6に示されているように、置換フタリド(XはBr、OR3であり、R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はハロアルキルスルホニルである)を加水分解して、置換フタルアルデヒド酸を形成させてよい。
スキーム6.置換フタルアルデヒド酸を形成させるための加水分解
式(II)の化合物(置換フタルアルデヒド酸など)の他の合成方法は、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書に記載されている特定の合成工程を代替的なシーケンス又は順番で行って、所望の化合物を得てもよい。合成方法において有用である合成化学変換と保護基の手法、すなわち、保護と脱保護は、当該技術分野において知られており、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John Wiley and Sons(1991)、L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994)及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、ならびにこれらの文献のその後の版に記載されているようなものが挙げられる。
C.式(III)の化合物
ローダミン色素は、下記の式(III)の化合物であってよく、
(III)
この式中、
Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシカルボニル)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択されており、
nは、0、1、2、3又は4であり、
1とR2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、もしくはR1a−CO−であり、R1aは、水素、C1−C4アルキル(例えばtBu)、C1−C4ハロアルキル(例えばCF3、CHF2)もしくはC1−C4アルコキシであるか、又はR1とR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、
cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されており、
aとRbはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、あるいは
1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。
いくつかの実施形態では、ローダミン色素は、下記の式(III)の化合物であってよく、
(III)
この式中、
Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシカルボニル)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択されており、
nは、0、1、2、3又は4であり、
1とR2は、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、又はR1とR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、
cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されており、
aとRbは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンから選択されているか、あるいは
1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルからなる群から選択されている。
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン又はカルボキシである。
いくつかの実施形態では、nは、1である。いくつかの実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、nは、4である。
いくつかの実施形態では、Rは、ローダミンの5位に結合している。
いくつかの実施形態では、Rは、ローダミンの6位に結合している。
いくつかの実施形態では、R1とR2は、それぞれ独立して、C1−C4アルキルである。
いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成している。例えば、いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成しており、R2とRbも、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成している。いくつかの実施形態では、R1とRaは、それらと結合している原子と一体となって、6員環を形成しており、R2とRbは、それらと結合している原子と一体となって、7員環を形成している。
式(III)の例示的な化合物としては、

概して、式(I)の化合物を二重に付加して、上記のような対称ローダミン色素[式(III)の化合物]を形成するには、式(I)の化合物を2当量必要とする。別の実施形態では、しかしながら、ローダミン色素は非対称であってもよい。非対称にするためには、式(II)の化合物との反応の際に、2つの異なる式(I)の化合物を用いることによって、ローダミン色素を合成する。
D.反応条件
本開示のローダミン色素を合成しようと試みた際には、ローザミンの合成で典型的に用いる反応条件を用いた(スキーム7)。具体的には、カンファースルホン酸とプロピオン酸(溶媒)の存在下、40℃で、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールを4−カルボキシフタルアルデヒド酸と反応させて、単独付加生成物A及びBを生成した。得られた所望のローダミン色素は、微量に過ぎなかった。過酷な反応条件(例えば80℃)で、このラクトン生成物を第2の当量の2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールと反応させて、ほんの数パーセントのローダミン色素を得た。酸の非存在下で変換を試みるとともに、溶媒としてプロピオン酸をアセトニトリルに置き換えても、同様の結果が得られた。
スキーム7.ローダミン色素の合成を試みる際の、酸性条件の使用
特定の含フッ素アルコール溶媒が、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールの置換フタルアルデヒド酸への二重付加を促すことが分かった。スキーム8は、不活性雰囲気下において、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)中で、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールを4−クロロフタルアルデヒド酸に二重付加して、化合物Cをもたらし、続いて、酸素ガスへの暴露と加熱後、化合物Cをローダミン色素(6−Cl−NCT)に変換したことを示している。
スキーム8.二重付加生成と、ローダミン色素への環化
しかしながら、酸素雰囲気下(O2風船)、75℃で、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールを4−クロロフタルアルデヒド酸と反応させたところ、同じ変換が一段階で行われた(スキーム9)。
スキーム9.置換ローダミン色素を得るための一段階変換
同じ反応条件に置いたところ、化合物Aを2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールとカップリングして、ローダミン色素の6−Cl−NCTをもたらすことに成功した(スキーム10)。
スキーム10.化合物Aからのローダミン色素の形成
式(I)の化合物と式(II)の化合物を含む反応混合物は、溶媒又は溶媒の混合物を更に含んでよい。この反応混合物の成分と適合するいずれかの好適な溶媒を用いてよい。好適には、出発物質が、少なくとも部分的に溶解可能(又は完全に溶解可能)となり、必要に応じて、反応によって所望のローダミン色素を生成させるのに十分な温度まで、反応混合物を加熱可能になるように、溶媒を選択することになる。溶媒としては、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ハロゲン化溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリフルオロトルエン、クロロベンゼン、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールなど)、脂肪族もしくは芳香族炭化水素溶媒(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ペンタンなど)、エステル及びケトン(エチルアセテート、アセトン、2−ブタノンなど)、極性非プロトン性溶媒(アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど)、極性プロトン性溶媒(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸、水など)又は2つ以上の溶媒をいずれかに組み合わせたものを挙げてよいが、これらに限らない。
特定の実施形態では、溶媒は、ハロゲン化溶媒である。より具体的には、溶媒は、フッ素化溶媒(2,2,2−トリフルオロエタノール又はヘキサフルオロイソプロパノールなど)である。別の実施形態では、溶媒は、2,2,2−トリフルオロエタノールと水の混合物であってよい。例えば、溶媒は、2,2,2−トリフルオロエタノールと水の混合物であって、水が、最大で溶媒混合物の約20%を占める混合物であってよい。含フッ素アルコール溶媒(2,2,2−トリフルオロエタノールなど)を用いることによって、反応は、更に効率的に、より高い収率で進行し得る。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、式(I)の化合物と式(II)の化合物を含む反応混合物を加熱することを更に含んでよい。例えば、反応混合物は、周囲温度又は室温を上回る温度まで加熱してよく、この場合、周囲温度又は室温は、約18℃〜約25℃である。反応混合物は、約25℃〜約100℃又は約30℃〜約80℃、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃又は約100℃の温度まで加熱してよい。
反応混合物には、酸、塩基又は塩などの他の成分も加えてよい。
本発明のローダミンの合成方法は、式(I)の化合物と式(II)の化合物を含む反応混合物を攪拌することを更に含んでよい。例えば、反応混合物は、マグネチックスターラーバー又はオーバーヘッドミキサーを用いて撹拌してよい。
式(I)の化合物と式(II)の化合物を含む反応混合物は、いずれかの好適な反応容器(バイアル、フラスコ、ビーカー、チューブ(例えば密閉チューブ)など)に入れてよい。いくつかの実施形態では、反応容器は好適に乾燥していてよく、例えば、反応容器は、オーブン及び/又は真空下で乾燥してよい。
特定の実施形態では、ローダミン色素は、周囲条件下、すなわち、標準的な温度と圧力、かつ非不活性雰囲気下で合成できる。別の実施形態では、反応は、酸化剤の存在下で行ってよい。酸化剤は、酸素ガス(O2)、オゾン(O3)、過酸化水素及びその他の無機過酸化物、フッ素、塩素及びその他のハロゲン、硝酸、カリウムニトレート及びその他のニトレート化合物、硫酸、ペルオキソ二硫酸、ペルオキシ一硫酸、クロライト、クロレート及びペルクロレート化合物、ヒポクロライト化合物(漂白剤を含む)、六価クロム化合物(クロム酸、二クロム酸、三酸化クロム及びピリジニウムクロロクロメートなど)、ペルマンガネート化合物(カリウムペルマンガネートなど)、過ホウ酸ナトリウム、ならびに亜酸化窒素、又はこれらを組み合わせたものであってよい。特定の実施形態では、ローダミン色素は、酸素ガス雰囲気下で合成できる。別の実施形態では、酸素ガスを反応混合物に通じてよい。酸素ガスを酸化剤として用いることによって、反応が、より効率的に、より高い収率で進行し得る。
本発明の方法は、ローダミン色素を形成させるのに十分な期間にわたって、反応混合物をインキュベート、攪拌及び/又は加熱することを含んでよい。例えば、反応混合物は、約30分〜約24時間又は約1時間〜約12時間、インキュベート、攪拌及び/又は加熱してよい。例えば、反応混合物は、約30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3.0時間、3.5時間、4.0時間、4.5時間、5.0時間、5.5時間、6.0時間、6.5時間、7.0時間、7.5時間、8.0時間、8.5時間、9.0時間、9.5時間、10時間、10.5時間、11時間、11.5時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間又は24時間、インキュベート、攪拌及び/又は加熱してよい。
本発明の方法は、ローダミン色素を約50%〜約100%、例えば約60%〜約99%の収率でもたらすことができる。例えば、本発明の方法は、ローダミン色素を約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の収率でもたらすことができる。
特定の実施形態では、式(III)の化合物は、位置選択的な方式で形成させてよい。この反応は、式(III)の化合物が位置異性体混合物(モル比又は重量比として測定できる)となるような形で進行できる。式(III)の化合物は、位置異性体比2:1超、3:1超、4:1超、5:1超、6:1超、7:1超、8:1超、9:1超、10:1超、11:1超、12:1超、13:1超、14:1超、15:1超、16:1超、17:1超、18:1超、19:1超、20:1超、25:1超、30:1超、40:1超、50:1超、60:1超、70:1超、80:1超、90:1超又は99:1超で形成してよい。
式(III)の化合物は、1つの位置異性体のみが観察されるように、位置選択的な方式で形成させてよい。式(III)の化合物は、反応生成物を単離したときに、1つの位置異性体のみが得られるように、位置選択的な方式で形成させてよい。例えば、対応する5−置換ローダミン色素が実質的に形成されない状態で、6−置換ローダミン色素を形成させてよい。同様に、対応する6−置換ローダミン色素が実質的に形成されない状態で、5−置換ローダミン色素を形成させてよい。
E.方法における任意の追加工程
本発明のローダミン色素の合成方法は任意に応じて、追加のプロセス工程を更に含んでよい。例えば、本発明の方法は、ローダミン色素を反応混合物から精製する工程を更に含んでよい。例えば、反応混合物を固相(シリカゲルなど)カラムクロマトグラフィー(例えばフラッシュカラムクロマトグラフィー)に直接かけてよい。あるいは、反応混合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような他の形態のクロマトグラフィーを用いて精製してもよい。反応混合物を濃縮してもよく、又は精製前に、溶媒を除去してもよい。
上記の内容は、下記の実施例を参照することにより、更に理解を深めることができ、下記の実施例は、例示目的で示されており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。別段の定めのない限り、すべての試薬及び出発物質は、供給業者から購入して、入手した状態のままで使用したものであるか、又は市販の出発物質から、既知の方法に従って合成したものである。
フタルアルデヒド酸の合成
4−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成
スターラーバーと隔壁を備えた500mL丸底フラスコに、2,5−ジブロモベンズアルデヒド(3.10g、11.8ミリモル)と、Pd(OAc)2(132mg、587マイクロモル)と、キサントホス(680mg、1.17ミリモル)を入れた。このフラスコを排気し、アルゴンを充填した(これを3回繰り返した)。脱気THF(100mL)を加え、フラスコを排気し、一酸化炭素を充填した(これを3回繰り返した)。この溶液にCOを5分通じながら、H2O(7.5mL)とEt3N(6mL)を加えた。得られた濃褐色溶液(時間の経過に伴い淡黄色になった)をCO風船下で20時間、65℃まで加熱し、20時間経った時点でHPLC解析を行ったところ、出発物質が完全に消費されたことが示された。溶媒を真空下で除去し、残渣をDCM(150mL)と水(150mL)に分液した。水層のpHを2MのNaOH水溶液で10〜11に調整した。層を分離し、水層を2×150mLのDCMで洗浄した。水層を6MのHCl水溶液(6M)でpH2まで酸性化し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、4−カルボキシフタルアルデヒド酸を2.03g(収率89%)、白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 13.61 (s, 1H), 8.47 − 8.22 (m, 1H), 8.18 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.94 (d, J = 7.9 Hz, 1H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 167.7, 166.2, 147.7, 136.3, 131.5, 130.1, 124.9, 124.4, 98.4;HRMS (ESI+) C975 + [M+H]+に対する計算値 195.0293 実測値 195.0285
5−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成

上記の4−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成で用いたのと同じ手順を用いて、5−カルボキシフタルアルデヒド酸を収率99%で白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 13.61 (s, 1H), 8.47 − 8.22 (m, 1H), 8.18 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.94 (d, J = 7.9 Hz, 1H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 167.7, 166.2, 147.7, 136.3, 131. 5, 130.1, 124.9, 124.4, 98.4;HRMS (ESI+) C975 + [M+H]+に対する計算値 195.0293 実測値 195.0285
4−クロロフタルアルデヒド酸の合成
上記の4−カルボキシフタルアルデヒド酸の合成で用いたのと同じ手順を用いて、4−クロロフタルアルデヒド酸を収率95%で白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.28 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 167.5, 149.4, 139.5, 131.0, 126.4, 125.5, 124.1, 97.7;HRMS (ESI+) C86ClO3 + [M+H]+に対する計算値 185.0005 実測値 184.9994
実施例1.5−カルボキシ−NCTの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、5−カルボキシフタルアルデヒド酸(116mg、0.60ミリモル)と、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オール(255mg、1.25ミリモル)と、トリフルオロエタノール(25mL)を入れた。2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オールの調製は、米国特許第9,056,885号に記載されており、この特許は、参照により、その全体が本明細書に援用される。酸素をこの溶液に5分通じた(bubble)。得られた黄色溶液を酸素雰囲気下で75℃まで緩やかに加温し、20時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で濃縮し、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60%MeOH/DCM)によって精製して、5−NCTを236mg(収率70%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 13.48 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.27 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.26 (s, 2H), 3.19 − 3.12 (m, 4H), 3.05 − 3.00 (m, 4H), 2.93 − 2.87 (m, 4H), 2.52 (m, 4H, DMSO−d5とオーバーラップ), 1.86 − 1.80 (m, 4H), 1.71 − 1.65 (m, 4H), 1.49 − 1.41 (m, 4H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 167.9, 166.1, 155.6, 150.2, 147.3, 135.8, 133.1, 129.9, 127.0, 125.4, 125.0, 124.6, 114.2, 108.5, 56.0, 53.1, 33.5, 29.1, 25.2, 21.7, 18.2;HRMS (ESI+) C353525 + [M+H]+に対する計算値 563.2540 実測値 563.2541
実施例2.6−カルボキシ−NCTの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、4−カルボキシフタルアルデヒド酸(102mg、0.53ミリモル)と、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オール(320mg、1.57ミリモル)と、トリフルオロエタノール(25mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた黄色溶液を酸素雰囲気下で80℃まで緩やかに加温し、18時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で濃縮し、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→50%MeOH/DCM)によって精製して、6−NCTを206mg(収率70%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.21 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 8.09 (dd, J = 8.0, 0.6 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 1.2, 0.7 Hz, 1H), 6.27 (s, 2H), 3.20 − 3.13 (s, 4H), 3.07 − 3.01 (m, 4H), 2.89 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.52 (m, 4H, DMSO−d5とオーバーラップ), 1.87 − 1.77 (m, 4H), 1.71 − 1.62 (m, 4H), 1.49 − 1.40 (m, 4H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 166.0, 165.7, 155.62, 154.3, 151.1, 134.7, 134.1, 133.7, 131.4, 131.0, 130.8, 129.9, 128.3, 113.3, 108.6, 52.9, 52.4, 31.8, 25.2, 23.5, 20.2, 20.0;HRMS (ESI+) C353525 + [M+H]+に対する計算値 563.2540 実測値 563.2540
実施例3.5−カルボキシ−ROXの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、5−カルボキシフタルアルデヒド酸(116mg、0.60ミリモル)と、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−8−オール(238mg、1.25ミリモル)と、トリフルオロエタノール(25mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた濃褐色溶液を酸素雰囲気下で75℃まで緩やかに加温し、21時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で濃縮し、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60%MeOH/DCM)によって精製して、5−ROXを279mg(収率87%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2−TFIP−d2) δ 8.77 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.28 (dd, J = 7.9, 1.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.66 (s, 2H), 3.55 − 3.42 (m, 8H), 3.11 (t, J = 6.3 Hz, 4H), 2.70 (t, J = 6.0 Hz, 4H), 2.19 − 2.09 (m, 4H), 2.03 − 1.94 (m, 4H);13C NMR (75 MHz, CD2Cl2−TFIP−d2) δ 174.0, 171.2, 155.9, 153.4, 152.6, 139.4, 135.90, 134.1, 133.4, 132.9, 132.1, 126.8, 125.5, 113.7, 106.6, 51.9, 51.4, 28.2, 21.4, 20.8, 20.5;HRMS (ESI+) C333125 + [M+H]+に対する計算値 535.2227 実測値 535.2228
実施例4.6−カルボキシ−ROXの合成
スターラーバーを備えた500mL丸底フラスコに、4−カルボキシフタルアルデヒド酸(1.0g、5.15ミリモル)と、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−8−オール(2.24g、11.9ミリモル)と、トリフルオロエタノール(6mL)を入れた。隔壁を通して、2つの大きい酸素風船(約8LのO2)を取り付けた。反応物を80℃まで20時間加熱し、20時間経った時点でHPLC解析を行ったところ、出発物質が完全に消費されたことが示された。溶媒を真空下で除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(0→50%MeOH/DCM)によって精製して、6−ROXを2.27g(82%)、濃青紫色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2−TFIP−d2) δ 8.26 (s, 2H), 7.83 (s, 1H), 6.68 (s, 2H), 3.54 − 3.43 (m, 8H), 3.11 (t, J = 6.4 Hz, 4H), 2.71 (t, J = 6.1 Hz, 4H), 2.15 (p, J = 6.3 Hz, 4H);13C NMR (75 MHz, CD2Cl2−TFIP−d2) δ 173.8, 171.9, 155.9, 153.5, 152.6, 137.4, 137.0, 135.6, 132.5, 132.2, 131.8, 126.9, 125.6, 114.0, 106.7, 51.9, 51.4, 28.3, 21.4, 20.8, 20.56;HRMS (ESI+) C333125 + [M+H]+に対する計算値 535.2227 実測値 535.2228
実施例5.5−カルボキシ−TMRの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、5−カルボキシフタルアルデヒド酸(84.0mg、0.43ミリモル)と、3−(ジメチルアミノ)フェノール(237mg、1.73ミリモル)と、トリフルオロエタノール(20mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた濃褐色溶液を酸素雰囲気下で75℃まで緩やかに加温し、22時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で濃縮し、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60%MeOH/DCM)によって精製して、5−TMRを146mg(収率78%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) 8.38 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.53 − 6.45 (m, 6H), 2.93 (s, 12H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 169.0, 167.6, 153.6, 152.1, 151.9, 140.5, 136.0, 128.4, 126.3, 124.6, 123.1, 108.9, 106.1, 98.0, 84.3, 39.8 (DMSO−d6とのオーバーラップ);HRMS (ESI+) C252325 + [M+H]+に対する計算値 431.1601 実測値 431.1601
実施例6.6−カルボキシ−TMRの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、4−カルボキシフタルアルデヒド酸(89.0mg、0.46ミリモル)と、3−(ジメチルアミノ)フェノール(252mg、1.83ミリモル)と、トリフルオロエタノール(20mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた濃褐色溶液を酸素雰囲気下で、75℃まで緩やかに加温し、22時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で濃縮し、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60%MeOH/DCM)によって精製して、6−TMRを145mg(収率73%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, メタノール−d4) δ 8.40 (dd, J = 8.2, 0.7 Hz, 1H), 8.36 (dd, J = 8.2, 1.5 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 1.6, 0.7 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 7.03 (dd, J = 9.5, 2.4 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.28 (s, 12H, CD2HODとのオーバーラップ);13C NMR (75 MHz, メタノール−d4) δ 166.3, 165.9, 159.0, 157.7, 157.5, 134.6, 134.5, 134.0, 131.4, 130.9, 130.9, 130.5, 114.2, 113.5, 96.1, 39.5;C252325 + [M+H]+に対する計算値 431.1601 実測値 431.1607
実施例7.6−クロロ−NCTの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、4−クロロフタルアルデヒド酸(85.0mg、0.46ミリモル)と、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オール(197mg、0.97ミリモル)と、トリフルオロエタノール(20mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた透明な黄色溶液を酸素雰囲気下で75℃まで緩やかに加温した。10分後に深赤色になり、得られた有色溶液を18時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60%MeOH/DCM)によって精製して、6−Cl−NCTを200mg(収率78%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.99 (dd, J = 8.2, 0.6 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 1.8, 0.6 Hz, 1H), 6.26 (s, 2H), 3.15 (m, 4H), 2.88 (m, 4H), 2.54 (m, 4H), 1.83 (m, 4H), 1.46 (m, 4H);13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 167.8, 154.2, 150.3, 147.3, 140.4, 130.6, 130.2, 126.5, 125.4, 125.0, 124.2, 114.4, 108.4, 84.3, 56.2, 53.2, 33.7, 29.3, 25.3, 21.8, 18.2;HRMS (ESI+) C3434ClN23 + [M+H]+に対する計算値 553.2252 実測値 553.2251
実施例8.6−ブロモ−NCTの合成
スターラーバーを備えた50mL丸底フラスコに、4−ブロモフタルアルデヒド酸(75.0mg、328マイクロモル)と、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−アゼピノ[3,2,1−ij]キノリン−11−オール(140mg、688マイクロモル)と、水(4mL)と、トリフルオロエタノール(16mL)を入れた。酸素をこの溶液に5分通じた。得られた透明な黄色溶液を酸素雰囲気下で、80℃まで緩やかに加温した。得られた溶液を20時間、激しく攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、濃青色の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→50%MeOH/DCMによって精製して、6−Br−NCTを147mg(収率75%)、濃青色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2) δ 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 6.31 (s, 2H), 3.28 − 3.13 (m, 4H), 3.12 − 3.02 (m, 4H), 3.01 − 3.84 (m, 4H), 2.66 − 2.52 (m, 4H), 1.99 − 1.81 (m, 4H), 1.80 − 1.69 (m, 4H), 1.62 − 1.43 (m, 4H);13C NMR (75 MHz, CD2Cl2) δ 168.9, 154.9, 151.1, 148.5, 133.2, 130.9, 129.9, 127.9, 126.8, 126.6, 125.8, 115.1, 109.1, 57.2, 54.4 (CD2Cl2とのオーバーラップ), 34.7, 30.0, 26.0, 22.6, 19.2;HRMS (ESI+) C3434BrN23 + [M+H]+に対する計算値 597.1747 実測値 597.1735
上記の詳細な説明と、付随の実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲とそれらの均等物によってのみ定められることが分かる。
開示されている実施形態に対する様々な変更と修正は、当業者には明らかであろう。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、調合物又は使用方法に関するもの(これらに限らない)を含め、このような変更と修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しなければ、行ってよい。

Claims (21)

  1. ローダミン色素の合成方法であって、
    下記の式(I)、
    (I)

    (式中、
    1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はR1a−CO−であり、R1aは、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、又はC1−C4アルコキシであるか、又はR1及びR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成し、
    cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され、
    a及びRbは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、あるいは
    1及びRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、
    2及びRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。)
    の化合物を、
    下記の式(II)、
    (II)

    (式中、
    Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(カルボキシル)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択され、
    nは、0、1、2、3又は4であり、
    Xは、OR3であり、R3は、水素である。)
    の化合物と反応させて、前記ローダミン色素を形成させることを含み、前記式(I)の化合物と、前記式(II)の化合物とを酸化剤の存在下で反応させ、
    前記ローダミン色素が、下記の式(III)、
    (式中、
    Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、(カルボキシ)ヘテロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、スルホネート、スルホンアミド及びアミドからなる群から選択されており、
    nは、0、1、2、3又は4であり、
    1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ルキル、又は1a−CO−であり、R1aは、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、又は1−C4アルコキシであるか、又はR1とR2は、それらと結合している原子と一体となって、3〜8員環を形成しており、
    cは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択され、
    a及びRbは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロゲンからなる群から選択されているか、あるいは
    1及びRaは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成しており、
    2及びRbは、それらと結合している原子と一体となって、5〜8員環を形成している。)
    の化合物であることを特徴とする方法。
  2. Rが、ロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルからなる群から選択され、請求項1に記載の方法。
  3. Rが、ハロゲン又はカルボキシである、請求項2に記載の方法。
  4. Rが、前記式(II)の化合物の4又は5位に結合している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記式(II)の化合物が、
    からなる群から選択されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 1及びR2が、それぞれ独立して、C1−C4アルキルである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. c が、水素である、請求項6に記載の方法。
  8. 1及びRaが、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成しており、R2及びRbが、それらと結合している原子と一体となって、6又は7員環を形成している、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記式(I)の化合物が、

    いるとおりである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの溶媒中で、前記式(I)の化合物及び前記式(II)の化合物を反応させ、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記溶媒が、ハロゲン化溶媒、水又はこれらを組み合わせある、請求項10に記載の方法。
  12. 前記溶媒が、フッ素化溶媒であ、請求項10に記載の方法。
  13. 前記フッ素化溶媒が、ヘキサフルオロイソプロパノール又は2,2,2−トリフルオロエタノールである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記酸化剤が、酸素ガスであ、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記酸素ガスが、前記式(I)の化合物と、前記式(II)の化合物との反応を通して、通じられる、請求項14に記載の方法。
  16. 周囲温度を上回る温度で、前記式(I)の化合物と、前記式(II)の化合物とを反応させる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記式(I)の化合物及び前記式(II)の化合物を約30℃〜約100℃の温度に加熱る、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記式(I)の化合物及び前記式(II)の化合物を約70℃〜約80℃の温度加熱する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ローダミン色素を精製することを更に含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. −置換ローダミン副生成物のない6−置換ローダミン色素を生成させるか、又は、−置換ローダミン副生成物のない、5−置換ローダミン色素を生成させる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記ローダミン色素が、
    からなる群から選択されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
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