JP6802353B2 - メタンの二酸化炭素改質用触媒及びその製造方法、並びに合成ガスの製造方法 - Google Patents

メタンの二酸化炭素改質用触媒及びその製造方法、並びに合成ガスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、メタンの二酸化炭素改質用触媒及びその製造方法に関する。二酸化炭素改質用触媒は、二酸化炭素を用いてメタンを改質する際に用いられる触媒である。本発明の実施形態は、また、二酸化炭素改質用触媒を用いて、メタンから水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する方法に関する。
メタンを主成分とする天然ガスの二酸化炭素改質反応は、メタンと二酸化炭素を触媒の存在下に反応させて一酸化炭素と水素に変換する反応である。この反応は、例えば、FT(Fischer-Tropsch)反応やメタノール合成において原料となる、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造するために利用されている。また、二酸化炭素改質反応は、温室効果ガスとされる二酸化炭素を消費・変換する環境負荷低減技術として注目されている。原料となる天然ガス(例えば、シェールガス)は価格が安く、低コストで二酸化炭素を転換することができる。
この反応の触媒として、白金(Pt),ロジウム(Rh),ルテニウム(Ru)などの貴金属がよく用いられる。これらの貴金属は、触媒活性が高く、炭素析出が起きにくいため安定しているが、価格が非常に高い。
一方、ニッケル(Ni)系の触媒も二酸化炭素改質反応に使用することができる(非特許文献1参照)。ニッケル触媒は安価であるものの、シンタリング(金属凝集)や炭素析出が起きるため、触媒活性が不安定である。
ところで、特許文献1には、遷移金属を含むキレート錯体を含有する溶液を、シリカに含浸させ、乾燥後に焼成することで遷移金属の酸化物を担持させた触媒を調製する方法が開示されている。しかしながら、この文献はFT反応に使用される触媒の調製法に関するものであり、メタンの二酸化炭素改質用触媒については開示されていない。
特開2005−46742号公報
Applied Catalysis A: General 385 (2010) 92-100
本発明の実施形態は、メタンの二酸化炭素改質用触媒の製造方法として、安価でありながら安定性の良い触媒を調製することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態によれば、ニッケルを含むキレート錯体を含有する溶液をシリカ担体に含浸させ、含浸させたシリカ担体を乾燥し焼成してシリカ担体にニッケルを担持させる、メタンの二酸化炭素改質用触媒の製造方法が提供される。前記キレート錯体は、エチレンジアミン四酢酸を配位子としてニッケルが配位してなるものでもよい。前記シリカ担体に担持された前記ニッケルの、X線回折法によるシェラー式により求めた粒子サイズは8nm以下でもよい。
本発明の実施形態によれば、また、上記製造方法により得られた二酸化炭素改質用触媒を用いて、当該二酸化炭素改質用触媒の存在下、メタンと二酸化炭素を反応させて水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する、合成ガスの製造方法が提供される。
本発明の実施形態によれば、また、二酸化炭素を用いてメタンを改質するために用いられる触媒であって、シリカ担体にニッケルを担持してなり、X線回折法によるシェラー式により求めた前記ニッケルの粒子サイズが8nm以下である、メタンの二酸化炭素改質用触媒が提供される。また、この二酸化炭素改質用触媒の存在下、メタンと二酸化炭素を反応させて水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する、合成ガスの製造方法が提供される。
これらの合成ガスの製造方法においては、前記二酸化炭素改質用触媒に、メタン及び二酸化炭素とともに酸素を供給してもよい。
本実施形態に係るメタンの二酸化炭素改質用触媒の製造方法であると、安価でありながら安定性の良い二酸化炭素改質用触媒を調製することができる。
実施形態に係る二酸化炭素改質用触媒の製造工程を示す概念図 触媒試験1の結果を示すグラフ 触媒試験2の結果を示すグラフ
本実施形態に係るメタンの二酸化炭素改質用触媒の製造方法では、ニッケルを含むキレート錯体を含有する溶液をシリカ担体に含浸させ、次いで、含浸させたシリカ担体を乾燥し、焼成してシリカ担体にニッケルを担持させる。従来の二酸化炭素改質用のニッケル触媒は、炭素析出やシンタリングが生じやすく、触媒活性が不安定である。かかる炭素析出の重要な要素として、担体に分散するニッケル粒子の大きさが考えられる。すなわち、ニッケル粒子が大きいと、炭素がニッケル粒子上に成長しやすい。そこで、キレート剤(即ち、配位子)を用いて、キレート剤にニッケルを捕捉させたキレート錯体を形成し、これをシリカ担体に含浸し焼成することにより、この問題を解決した。
図1に示されるように、キレート剤の中にはNiが1つずつしか入らないため、Ni粒子サイズは小さくなる。また、Niは複数の配位座によりキレート剤に結合しており、Ni同士は凝集しない。図1では、キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いた例を示しており、キレート錯体であるNi(EDTA)2-は2個のOH2 +を介してシリカ表面に固定される。そのため、炭素析出とシンタリングを抑制して安定性の良い二酸化炭素改質用触媒を得ることができると考えられる。
本実施形態では、まず、ニッケルを含むキレート錯体を含有する溶液を調製する。上記のように、ニッケルは、二酸化炭素によりメタンを改質する触媒活性を持つ金属であり、貴金属に比べて安価である。
キレート錯体を含有する溶液を調製するに際して、ニッケルとしては、種々のニッケル化合物を用いることができ、特に限定されない。ニッケル化合物としては、例えば、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられ、硝酸塩と酢酸塩を併用してもよい。
キレート錯体は、ニッケル化合物とキレート剤を溶媒に溶解し、得られた溶液中でニッケルイオンにキレート剤を作用させることにより形成することができる。ニッケル化合物は溶液中でニッケルイオンとなり、ニッケルイオンにキレート剤が配位してキレート錯体が形成される(図1(a)及び(b)参照)。該キレート錯体では、2個以上の配位座を有する配位子が環を形成してニッケルイオンに結合している。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、及びトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。溶媒としては水を用いることが好ましい。ニッケル化合物とキレート剤との比率は、限定するものではないが、ニッケル原子1モル当たりキレート剤が0.5〜2モルであることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2モルであり、さらに好ましくは1モル(即ち、ニッケルとキレート剤を同じモル数)とすることである。
本実施形態では、次いで、キレート錯体を含有する溶液をシリカ担体に含浸させる。
シリカ担体としては、種々の多孔質シリカを用いることができる。シリカ担体の平均細孔径は、特に限定されず、例えば5〜100nmでもよい。また、シリカ担体の細孔容積は、特に限定されず、例えば0.5mL/g以上でもよく、0.5〜2mL/gでもよい。
ここで、平均細孔径及び細孔容積は、窒素吸着法(定容量法ガス吸着法)により測定することができ、例えばユアサアイオニクス株式会社「定容法化学吸着測定装置AUTOSORB−1−C」を用い、前処理条件:200℃真空排気処理、サンプル量:50mg、測定プログラム:吸脱着等温線測定、比表面積の算出法:BET法、細孔径分布の算出法:BJH法、測定相対圧範囲:10-7〜1.0にて測定することができる。平均細孔径は、比表面積(A)と全細孔容積(V)を用いて、4V/Aで算出される値である。
キレート錯体を含有する溶液をシリカ担体に含浸させる方法としては、例えば、湿式含浸法、乾式含浸法、減圧含浸法等が挙げられる。このとき、溶液の使用量は、シリカ担体の細孔容積量に相当する体積量以下であることが好ましい。
キレート錯体を含有する溶液をシリカ担体に含浸された後、含浸させたシリカ担体を乾燥し、次いで焼成することにより、シリカ担体にニッケルを担持させた二酸化炭素改質用触媒が得られる。
シリカ担体に上記溶液を含浸させるに際し、担体であるシリカは、硝酸などの酸を事前加えて表面処理することにより、表面のシラノール基がOH2 +となる(図1(a)及び(b)参照)。そのため、キレート錯体であるNi(EDTA)2-は、2個のOH2 +を介してシリカ表面に固定される(図1(c)参照)。この状態で、含浸後のシリカ担体を乾燥し、焼成することにより、粒径の小さなニッケル粒子がシリカ表面に分散した状態に担持される。焼成後のニッケルの状態は正確には明らかではないが、無機キレート錯体としてシリカ上に担持されていると考えられる。
なお、含浸させたシリカ担体の乾燥方法は、特に限定されず、常圧乾燥法や減圧乾燥法等を用いることができる。乾燥後に行う焼成方法についても特に限定されず、例えば、空気中300〜500℃で2〜5時間程度の条件で焼成することができる。
得られた触媒において、シリカ担体に担持させるニッケル量は特に限定されず、触媒に対する金属Ni当たりの担持量(ニッケル担持量)で1〜50質量%でもよく、3〜30質量%でもよく、5〜15質量%でもよい。
得られた触媒において、シリカ担体に担持されたニッケルの粒子サイズは特に限定されないが、8nm以下であることが好ましく、例えば1〜8nmでもよい。このようにニッケルの粒子サイズが小さいことにより、炭素析出とシンタリングを抑制して、二酸化炭素改質用触媒の安定性を向上することができる。ここで、ニッケルの粒子サイズは、X線回折法によるシェラー(Scherrer)式により求められる結晶子の平均サイズであり、2θ=44.5°を用いて計算された値である。
得られた触媒は、二酸化炭素を用いてメタンを改質する際に用いられ、常法により活性化処理を施した後、メタンから水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する方法に用いることができる。
活性化処理としては、水素還元処理が挙げられ、例えば触媒反応器に活性化処理前の触媒を充填し、水素を流通させながら500〜800℃で1〜5時間程度保持する方法が挙げられる。
本実施形態に係る合成ガスの製造方法は、上記二酸化炭素改質用触媒の存在下、メタン(CH4ガス)と二酸化炭素(CO2ガス)を反応させて水素(H2ガス)と一酸化炭素(COガス)を含む合成ガスを製造する方法である。
メタンと二酸化炭素から一酸化炭素と水素を合成する反応は、下記反応式(1)で示される。
CO2+CH4→2CO+2H2 ΔH298K=247kJmol-1 (1)
より好ましくは、上記二酸化炭素改質用触媒に、メタン及び二酸化炭素とともに酸素(O2ガス)を供給することである。酸素を加えることにより、メタンと酸素が反応して下記反応式(2)及び(3)の2種類の酸化反応が起きる。また、式(3)の反応により生成したスチームが下記反応式(4)で示すようにメタンと反応する。
CH4+1/2O2→CO+2H2 ΔH298K=-36kJmol-1 (2)
CH4+2O2→CO2+2H2O ΔH298K=-213kJmol-1 (3)
CH4+H2O→CO+3H2 ΔH298K=206kJmol-1 (4)
式(1)と式(4)の反応は吸熱反応であり外部から大きなエネルギーが必要になる。一方、式(2)と式(3)の反応はどちらも発熱反応であり、式(1)と式(4)の反応に熱を利用することができる。このように酸素を追加供給することにより、酸化反応による発熱によって必要な外部エネルギーが低くなる。また、触媒表面に析出する炭素が酸素と燃焼することで少なくなり、そのため、触媒の高寿命化を図ることができる。
合成ガスを製造する際に用いる原料ガスにおいて、メタンと二酸化炭素と酸素の供給比率は特に限定されない。例えば、メタン/二酸化炭素のモル比は、0.5〜10でもよく、1〜5でもよい。また、メタン/酸素のモル比は、1〜20でもよく、2〜10でもよい。反応温度(触媒床の温度)は特に限定されず、例えば200〜900℃でもよく、300〜800℃でもよい。反応圧力は特に限定されず、例えば0.1〜5MPaでもよく、0.1〜3MPaでもよい。なお、原料ガスに用いるメタンとしては、天然ガスを用いることが好ましい。原料ガスには、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素や、その他のガスが含まれてもよい。
合成ガスの製造方法における反応方式としては、連続流通式、回分式のいずれの方式でもよいが、連続流通式が好ましい。連続流通式を採用する場合、ガス空間速度(GHSV)は特に限定されず、例えば、触媒1g当たり、1,000〜100,000mLgcat -1-1でもよく、10,000〜50,000mLgcat -1-1でもよい。また、反応形式としては、特に制限はなく、固定床式,移動床式,流動床式いずれも採用でき、固定床式が好ましい。反応器の形式としても特に制限はなく、例えば管型反応器等を用いることができる。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[Ni/E/SiO2触媒の調製(実施例)]
シリカ担体としては、シリカペレット(富士シリシア化学(株)製「CARiACT Q−10」、平均細孔径:10nm、細孔容積:1.18mL/g)を用いた。硝酸ニッケル六水和物を触媒でのニッケル担持量で9質量%となるように測りとるとともに、4HEDTAを硝酸ニッケル六水和物と同じモル数となるように測りとり、これらを、シリカペレットの細孔容積の6割程度の体積のイオン交換水に溶解させた。続いてアンモニア水を加えて4HEDTAの溶解を促した。4HEDTAが完全に溶解した後、溶液の色は濃青色となり、pHは12〜13程度であった。これにより、ニッケルイオンにキレート剤が配位したキレート錯体が形成され、当該キレート錯体を含む溶液が得られた。この溶液を高いpHのまますぐに超音波のもとIW(Incipient Wetness)法でシリカペレットに含浸した。なお、シリカペレットは、事前に硝酸を用いて粒子表面を洗っておき、これを含浸に用いた。含浸後、続けて30分超音波を当て続けた。さらに1時間減圧処理を行い、120℃で一晩乾燥した後、350℃で焼成した。焼成の際は、2℃/分で昇温し、空気中2時間350℃を保持した。これにより、シリカ担体にニッケルを担持させた二酸化炭素改質用触媒(Ni/E/SiO2触媒)が得られた。
[Ni/SiO2触媒の調製(比較例)]
上記実施例と同じシリカ担体を用いた。硝酸ニッケル六水和物を触媒でのニッケル担持量で9質量%となるように測りとり、シリカペレットの細孔容積に対して同じ体積のイオン交換水に溶解させた。得られたニッケル水溶液を、超音波のもとIW法で、シリカペレットに含浸した。この時の溶液のpHはおよそ5であった。その後さらに30分超音波を当て続け、1時間の減圧処理を行い、120℃で一晩乾燥した後、350℃での焼成を行った。焼成の際は、2℃/分で昇温し、空気中で2時間350℃を保持した。これにより、シリカ担体にニッケルを担持させた触媒(Ni/SiO2触媒)を得た。
[触媒試験1:転化率の測定]
上記で得られた実施例の触媒(Ni/E/SiO2)と比較例の触媒(Ni/SiO2)を用いて、メタンの二酸化炭素改質を行って合成ガスを生成した。
メタンの二酸化炭素改質反応は、次のように実施した。
内径4mmの反応管に触媒を詰めて触媒床を形成した。用いた触媒の量は0.1〜0.5gとし、触媒床に含まれるNi量が実施例と比較例とで同じ値(0.03g)になるように調整した。触媒床の形成に際しては、希釈材である無機粒子(ここでは、石英砂)を用いて触媒を希釈して充填した。反応管を750℃に加熱した状態で水素還元処理(水素流速:30〜150mL/分)を2時間行った後、メタンの二酸化炭素改質反応へ移った。
原料ガスを所定の流速で反応管に導入、昇温し、所定反応温度に到達したら、反応開始とした。オンライン・ガスクロマトグラフ((株)島津制作所製「GC−2014」)で出口ガスを随時追跡分析した。
反応条件は、設定温度750℃、圧力0.1MPa、GHSV=50,000mLgcat -1-1とした。原料ガスについては、メタン:二酸化炭素:酸素の混合比(モル比)を8:6:1とした。設定温度は、反応管の外壁に付着した熱電対により温度を測定しながら、反応管を加熱するヒータへの供給電力を調節することにより制御した。なお、酸素を供給したことによりメタンの酸化反応による発熱があるため、反応開始後のヒータへの電力供給は不要であった。
図2(a)はメタンの転化率の経時変化を示すグラフであり、図2(b)は二酸化炭素の転化率の経時変化を示すグラフであり、図2(c)は得られた合成ガス中の水素と一酸化炭素のモル比の経時変化を示すグラフである。
転化率の算出方法は以下の通りである。原料ガス中、約3体積%前後のアルゴンガス(反応に参加しない内部標準物)を同伴して、触媒ないときの出口メタン/アルゴン面積比(オンライン・ガスクロマトグラフのチャートピーク面積積分値)を測り、触媒を搭載した反応中の出口メタン/アルゴン面積比も測り、この比の減少の割合をメタン転化率(%)とした。二酸化炭素についても同様であり、ガスクロマトグラフの二酸化炭素/アルゴンの面積比の減少割合を二酸化炭素転化率(%)とした。
図2(a)及び図2(b)に示すように、EDTAの錯体を用いて合成した実施例の触媒は、メタン転化率も二酸化炭素転化率も、比較例の触媒よりも高かった。また、比較例の触媒では、時間の経過とともに転化率が低下したのに対し、実施例の触媒では高い転化率を維持しており、触媒活性が安定しており、失活はみられなかった。
[触媒試験2:安定性試験]
実施例の触媒(Ni/E/SiO2)を用いて、触媒試験1と同様にメタンの二酸化炭素改質を行った。触媒試験2では、反応開始から100時間まではGHSV=50,000mLgcat -1-1とし、100時間以降はGHSV=100,000mLgcat -1-1として、200時間までのメタン及び二酸化炭素の転化率と、生成ガス中の水素と一酸化炭素のモル比を測定した。その他は触媒試験1と同様に行った。
図3(a)はメタンの転化率の経時変化、図3(b)は二酸化炭素の転化率の経時変化、図3(c)は水素と一酸化炭素のモル比の経時変化をそれぞれ示すグラフである。図3(a)及び図3(b)に示すように、実施例の触媒の触媒活性は安定しており、100時間経過後に原料ガスの流速を倍増したにもかかわらず、触媒活性の失活は見られなかった。
[ニッケル粒子サイズの測定]
実施例の触媒(Ni/E/SiO2)と比較例の触媒(Ni/SiO2)について、シリカ表面に担持されたニッケルの粒子サイズを測定した。
結果は、下記表1に示すとおりであり、比較例の触媒では、水素還元処理後及び触媒試験1のメタンの改質反応に利用した後も、ニッケル粒子サイズが約30nmであった。これに対し、実施例の触媒では水素還元後に2.2nmであり、その後のメタンの改質反応に利用した後においても7.5nmであり、比較例の触媒に比べてニッケル粒子サイズは小さいものであった。
Figure 0006802353
以上のように、本実施形態であると、ニッケルをキレート錯体化してメタンの二酸化炭素改質用触媒を調製することにより、シリカ表面に形成されるニッケルの粒子サイズを小さくすることができるので、炭素の析出やシンタリングを抑制することができる。そのため、メタン及び二酸化炭素の転化率が高く、安定性の良い二酸化炭素改質用触媒を得ることができる。また、ニッケルは白金などの貴金属に比べて安価であることから、安価でありながら安定性の良い二酸化炭素改質用触媒を得ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. シリカ担体を酸で表面処理し、
    エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、及びトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸からなる群から選択される少なくとも1種を配位子としてニッケルに配位してなるキレート錯体を含有する溶液を前記シリカ担体に含浸させ、
    含浸させたシリカ担体を乾燥し焼成してシリカ担体にニッケルを担持させる、
    メタンの二酸化炭素改質用触媒の製造方法。
  2. 前記シリカ担体に担持された前記ニッケルの、X線回折法によるシェラー式により求めた粒子サイズが8nm以下である、請求項に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により二酸化炭素改質用触媒を製造し、得られた二酸化炭素改質用触媒を用いて、当該二酸化炭素改質用触媒の存在下、メタンと二酸化炭素を反応させて水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する、合成ガスの製造方法。
  4. 前記二酸化炭素改質用触媒に、メタン及び二酸化炭素とともに酸素を供給する、請求項に記載の合成ガスの製造方法。
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