JP6802099B2 - 汚泥濾過装置 - Google Patents

汚泥濾過装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6802099B2
JP6802099B2 JP2017058220A JP2017058220A JP6802099B2 JP 6802099 B2 JP6802099 B2 JP 6802099B2 JP 2017058220 A JP2017058220 A JP 2017058220A JP 2017058220 A JP2017058220 A JP 2017058220A JP 6802099 B2 JP6802099 B2 JP 6802099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
plate
drug
chemical
vandalism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017058220A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018158322A (ja
Inventor
恒 細川
恒 細川
碓井 次郎
次郎 碓井
純太郎 金澤
純太郎 金澤
俊康 柄澤
俊康 柄澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Sewage Works Agency
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Original Assignee
Japan Sewage Works Agency
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Sewage Works Agency, Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd filed Critical Japan Sewage Works Agency
Priority to JP2017058220A priority Critical patent/JP6802099B2/ja
Publication of JP2018158322A publication Critical patent/JP2018158322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6802099B2 publication Critical patent/JP6802099B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

本発明は、汚泥の脱水を行う汚泥濾過装置に関するものである。更に詳しくは、重力濾過により汚泥の脱水を行う重力濾過部を備えた汚泥濾過装置に関するものである。
下水処理場等で発生した汚泥を脱水するための装置として、無端軌道で走行する濾材ベルトの上面で汚泥を重力濾過する濾過部を備えた汚泥濾過装置が知られている。また、濾材ベルト上に投入された汚泥に対して薬剤を添加する構成も知られている。
例えば、特許文献1には、無端軌道で走行する濾過体を備えた汚泥濃縮・脱水装置において、上記濾過体の上面に汚泥の水切りを促進するための複数の棒体を立設し、その下流側に薬剤を添加するための薬品添加設備を設けた構成が記載されている。
特開2013−180262号公報
特許文献1に記載された装置では、棒体の下流側において汚泥が畝を形成しており、畝と畝の間に濾材が露出する。そのため、棒体の下流側で薬剤を添加すると、濾材面に薬剤が垂れ落ちることがあり、薬剤のロスが生じる。また、畝の高さは、棒体を通過する前の汚泥の高さより高くなるため、畝に添加された薬剤は、汚泥の深部まで浸透し難いという問題がある。
そこで、本発明では、重力濾過部に投入された汚泥に対して効果的に薬剤を浸透させることを目的とする。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、重力濾過部において、汚泥の表面に凹凸を形成する荒らし板と、当該荒らし板の後段で薬剤を添加する薬剤添加部を設けることにより、汚泥に対して効果的に薬剤を浸透させることができることを見出して本発明を完成した。
具体的には、以下の汚泥濾過装置である。
上記課題を解決するための本発明の汚泥濾過装置は、重力濾過により汚泥の脱水を行う重力濾過部を備えた汚泥濾過装置において、前記重力濾過部は、汚泥の表面に凹凸を形成する荒らし板と、当該荒らし板の後段で薬剤を添加する薬剤添加部と、を備えたことを特徴とする。
この汚泥濾過装置によれば、汚泥の表面に凹凸を形成することで汚泥の表面積を大きくし、そこに薬剤を添加することにより、汚泥に対して薬剤を効果的に浸透させることができる。
また、本発明の汚泥濾過装置は、露出した状態の濾材面に対して薬剤を添加しないため、薬剤のロスを防ぐことができるという効果がある。
更に本発明の一実施態様においては、薬剤は、凝集剤であるという特徴を有する。
この特徴によれば、薬剤として凝集剤が汚泥に効果的に浸透するため、汚泥の脱水効率を高めることが可能となる。
更に本発明の一実施態様においては、荒らし板の前段または薬剤添加部の後段に、鋤を備えているという特徴を有する。
荒らし板の前段に鋤を備えた場合には、鋤により汚泥が濃縮されるため、荒らし板により形成された汚泥表面の凹凸形状が保持されるという効果を奏する。
また、薬剤添加部の後段に鋤を備えた場合には、鋤により薬剤の添加された汚泥が混練されるため、薬剤の浸透を促進するという効果を奏する。
本発明によると、重力濾過により汚泥の脱水を行う重力濾過部を備えた汚泥濾過装置において、前記重力濾過部に、汚泥の表面に凹凸を形成する荒らし板と、当該荒らし板の後段で薬剤を添加する薬剤添加部を設けることにより、汚泥に対して効果的に薬剤を浸透させることができる。
本発明の第1の実施態様の汚泥濾過装置の構造を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の第1の実施態様の汚泥濾過装置の重力濾過部の構造を示す概略説明図である(側面図及び平面図)。 本発明の荒らし板の種々の実施態様の構造を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の荒らし板の他の実施態様の構造を示す概略説明図である。[図4A]本発明の荒らし板の他の実施態様の構造を示す側面図である。[図4B]本発明の荒らし板の他の実施態様の当接面の突起部の形状を示す概略説明図である(底面図)。[図4C]本発明の荒らし板の他の実施態様の当接面の突起部の形状を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の荒らし板の他の実施態様の構造を示す概略説明図である。[図5A]本発明の荒らし板の他の実施態様の構造を示す概略説明図である(側面図)。[図5B]本発明の荒らし板の他の実施態様の当接部の構造を示す概略説明図である(正面図)。 本発明の荒らし板の他の実施態様の構造を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の第1の実施態様の汚泥濾過装置の薬剤添加部を構成する各部品の構造を示す概略説明図である。[図7A]薬剤添加部の越流堰の構造を示す概略説明図である(正面図)。[図7B]薬剤添加部の薬剤受槽と薬剤供給管の構造を示す概略説明図である(正面図)。[図7C]薬剤添加部の越流堰、薬剤受槽、薬剤供給管を組み立てた際の構造を示す概略説明図である(側面図)。 本発明の第2の実施態様の汚泥濾過装置の重力濾過部の構造を示す概略説明図である(側面図及び平面図)。 本発明の汚泥濾過装置による汚泥脱水の実施例1〜5の結果である。 本発明の汚泥濾過装置の荒らし板を通過後の汚泥の状態を示す写真である。 荒らし板を通過していない汚泥の状態を示す写真である。
本発明の汚泥濾過装置は、重力濾過により汚泥の脱水を行う重力濾過部を備え、前記重力濾過部は、汚泥の表面に凹凸を形成する荒らし板と、当該荒らし板の後段で薬剤を添加する薬剤添加部と、を備える。
本発明の汚泥は、液体中に粒子状の固体が分散した分散液又は泥状物であればどのようなものでもよい。例えば、下水処理場や排水処理場等で発生する汚泥、製紙工場の製紙スラッジ、食品工場やメッキ工場等の工場廃水、顔料廃水等が挙げられる。また、薬剤を用いる濃縮処理であれば、食品や医薬品の精製等に利用してもよい。
本発明の汚泥濾過装置には、重力濾過部の後段に、汚泥中に含まれる粒子状の固体と液体を分離して、固体をさらに濃縮する各種加圧脱水部を設けてもよい。例えば、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心分離等が挙げられる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る汚泥濾過装置の実施態様を詳細に説明する。なお、以下の実施態様では、加圧脱水部としてベルトプレス装置の例を示すが、これに限定されるものではない。
[第1の実施態様]
〔汚泥濾過装置〕
図1は、本発明の第1の実施態様の汚泥濾過装置1の構造を示す概略説明図である。図2は、本発明の第1の実施態様の重力濾過部2の構造を示す側面図及び平面図である。
第1の実施態様の汚泥濾過装置1は、重力濾過部2を備え、重力濾過部2は、複数の支持ローラ4に支持されたベルト状の濾材5、濾材5の上面に汚泥Sを投入する投入部6、投入部6の後段に設置され、汚泥Sの表面に凹凸を形成する荒らし板7、荒らし板7の後段に設置され、薬剤Gを添加する薬剤添加部8、薬剤添加部8の後段に設置され、汚泥Sと薬剤Gを混練する鋤9を備えている。
なお、本発明の第1の実施態様の汚泥濾過装置1では、図1に示すように、重力濾過部2の後段に、加圧脱水部3を備えている。
以下に各構成について詳細に説明する。
〔ベルト状の濾材〕
ベルト状の濾材5は、汚泥Sを搬送かつ濾過するための構成である。
図1に示すように、ベルト状の濾材5が複数の支持ローラ4に支持されている。支持ローラ4は回転可能であり、濾材5が走行するように構成されている。汚泥Sは、濾材5の上に供給されると、濾材5が走行している間に濾液が落下して濃縮される。
ベルト状の濾材5は、略水平方向に走行するベルト状の濾過装置であればよく、例えば、ベルト状の濾布等が挙げられる。ベルト状の濾布は、軽量で取り扱いやすく、また、もう一つの無端ベルトと協働して加圧脱水部3の一つであるベルトプレス脱水機等にも利用できる。
また、濾布の材質は、特に限定されないが、例えば、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、綿、ステンレス等の金属メッシュが挙げられる。
〔投入部〕
投入部6は、濾材5の上に汚泥Sを投入するための構成である。
図2に示すように、濾材5の搬送方向前方に向けて開口するコ字状の汚泥受槽6bと、汚泥受槽6b内に汚泥Sを供給する汚泥供給管6aにより構成される。更に、汚泥受槽6bの開口部側には堰6cを設け、汚泥Sが溜まるプール部を形成する。第1の実施態様の汚泥濾過装置1における堰6cは、濾材5の搬送方向に対して上流側の端部を支点として回動可能に設置された板材によって構成され、堰6cの下端が回動することにより、プール部から汚泥Sが流出する。プール部を設けることにより、汚泥Sを濾材5の幅方向に均等に広げることができる。
プール部の構成は、汚泥供給管6aから供給された汚泥Sを濾材5上に溜める構成であればよい。例えば、濾材5上に立設した堰を備え、汚泥Sが堰を越流する構成や、傾斜した濾材5の傾斜面に汚泥受槽6bを設置し、傾斜面と汚泥受槽6bに囲まれた領域に汚泥Sを溜める構成等が挙げられる。
なお、投入部6は、濾材5の上に汚泥Sが供給されれば、どのような構成でもよく、汚泥供給管6aのみからなりプール部を有しない構成でもよい。濾材5の幅方向に均等に投入するという観点から、プール部を備えた投入部が好ましい。
〔荒らし板〕
荒らし板7は、投入部6から濾材5に投入された汚泥Sと当接する当接部を有し、汚泥Sの表面を凹凸にするための構成である。
図1、2に示すように、荒らし板7は、濾材5の搬送方向に対して上流側の端部を支点として回動可能に設置された板材であり、該板材の下流側の端部は、濾材5の搬送方向に屈折している。
荒らし板7を回動可能な構成とすることにより、汚泥Sが荒らし板7に堰き止められて詰まるという恐れがない。また、当接部の高さを汚泥Sの高さに合わせて変更することができるという効果もある。
なお、荒らし板7は、回動せずに固定した構成としてもよい。
次に、荒らし板7の作用について詳述する。
投入部6に投入された汚泥Sは、ベルト状の濾材5により搬送される間に、重力濾過により濃度が上昇する。そして、所定の濃度に上昇した汚泥Sが荒らし板7に当接すると、当接部によって汚泥Sの表面の移動が制限されて汚泥Sの表面に凸部が形成される。この凸部が所定の大きさになると、荒らし板7にかかる負荷が高まり、荒らし板7が回動して凸部が通過する。この作動を繰り返すことにより、汚泥Sの表面に凹凸が形成される。
荒らし板7に供する汚泥Sの濃度は、特に制限されないが、好ましくは1.5質量%以上であり、より好ましくは2質量%であり、更に好ましくは3質量%であり、特に好ましくは4質量%である。また、上限としては、好ましくは10質量%であり、より好ましくは7質量%であり、特に好ましくは6質量%である。汚泥Sの濃度が小さい場合には荒らし板7により形成された凹凸が消失しやすく、一方、汚泥Sの濃度が高い場合には、汚泥Sが固くなり、荒らし板7により凹凸が形成しにくい傾向となる。
荒らし板7を設置する位置は、上記の汚泥Sの表面に凹凸が形成される作用機構を鑑みて、汚泥Sの濃度等に応じて適宜設定すればよい。
なお、荒らし板7の構造は、汚泥Sの表面を凹凸にすることができれば、どのような形状でもよい。例えば、第1の実施態様の汚泥濾過装置1のように、屈折した板材の他、湾曲した板材や、平板でもよい。また、荒らし板と汚泥Sの表面と当接する構成としては、第1の実施態様の汚泥濾過装置1のように、屈折した板材の屈折部で汚泥Sと当接する構成の他、板材の面と汚泥Sの表面が当接する構成や、平板の端部で汚泥Sと当接する構成等が挙げられる。更に、汚泥Sの表面と当接する当接部又は当接面に、凹凸の形成を促進する突起部を設けてもよい。
以下に、荒らし板の種々の構造について、図3〜図6に具体例を挙げる。なお、具体例に挙げた荒らし板は、いずれも回動可能な構成であるが、回動せずに固定してもよい。
図3Aは、第1の実施態様の汚泥濾過装置1の荒らし板7を拡大した図である。荒らし板7は、搬送方向に屈折した板材からなり、屈折部において汚泥Sと当接する。さらに図3Aに示すように、荒らし板7と汚泥Sが当接した際に、荒らし板7の端部が斜め上方向に向かって傾斜した構成となっている。この構成によれば、汚泥Sが搬送方向斜め上方向に巻き上げられるため、凹凸の形成を促進することができる。
また、図3A中の点線で示すように、この荒らし板7は、汚泥Sの処理をしていないとき、あるいは汚泥Sの処理量が極めて少ないときに、屈折部より先端の板面が濾材5と略平行となるように構成されている。この構成によれば、荒らし板7の端部が濾材5に接触しないため、濾材5を傷つけないという効果を奏する。
図3Bは、汚泥Sの搬送方向に湾曲した板材からなる荒らし板71を示す概略説明図である。この荒らし板71も、図3Aに図示した荒らし板7と同様に、汚泥Sを搬送方向斜め上方向に巻き上げ、凹凸の形成を促進する作用を有する。また、荒らし板71の端部が濾材5に接触しないため、濾材5を傷つけないという効果を奏する。
図4は、汚泥Sの表面に対して当接する当接面7aを有する荒らし板72の構造を示す概略説明図である。この荒らし板72によれば、当接面7aと汚泥Sの表面との間に摩擦が生じるため、汚泥Sの表面の移動が一時的に制限され、凹凸を形成する。
また、当該当接面7aには、図4Bに示すように、汚泥Sの表面に凹凸をより形成させやすくするための突起部を設けてもよい。当該突起部の具体例としては、汚泥Sの搬送方向に平行あるいは垂直な複数の板状の突起部(図4Bの左上図あるいは右上図)、またはおろし金のように複数の三角錐状の突起部(図4B左下図)であってもよい。
更に、突起部の高さは一定とは限らず、規則的ないしは不規則に構成してもよい。例えば、図4C左図のように、一定の高さの突起部を備えた構成や、図4C中央図のように、汚泥Sの搬送方向に向かって突起部が高くなる構成や、図4C右図のように、高さの異なる突起部が交互に配置された構成等が挙げられる。
図5は、1枚の平板からなる荒らし板73の構造を示す概略説明図である。この荒らし板73では、図5Aに示すように、当該平板の端部が汚泥Sの表面に当接する当接部7bを構成する。
この構成によれば、単純な形状の荒らし板であるため、加工等の手間が少ないという利点がある。
荒らし板73は、鉛直下方向から汚泥Sの搬送方向に向かって略50°の角度で傾斜している。傾斜することにより、汚泥Sの表面と当接する領域が大きくなるため、摩擦が生じやすく、凹凸を形成しやすいという効果を奏する。凹凸を形成に優れるという観点から、垂直方向となす角(図5Aの「θ」)は、30〜60°であることが好ましい。
また、当該当接部7bには、図5Bに示すように、汚泥Sの表面に凹凸をより形成させやすくするための複数の突起部を設けてもよい。
図6は、汚泥Sとの当接面7a、及び、端部が斜め上方向に向かって傾斜した構成を備えた荒らし板74の構造を示す概略説明図である。図6に示すように、荒らし板74は、上記図3及び図4に示した構造を組み合わせたものであり、各構造の作用は、上述したとおりである。
〔薬剤添加部〕
薬剤添加部は、汚泥Sに薬剤Gを滴下するための構成であれば、どのような構成でもよく、例えば、第1の実施態様の薬剤添加部8のように、越流堰を有する薬剤受槽を備え、当該越流堰から薬剤Gを滴下する構成の他、複数の孔を有する供給管からなり、当該孔から薬剤Gを滴下する構成でもよい。越流堰を有する薬剤受槽を備えた構成では、越流堰の幅方向において均等に薬剤Gを滴下することができるという効果を奏する。
図2に示すように、薬剤添加部8は、荒らし板7の後段に設置されている。これにより、荒らし板7により凹凸が形成された汚泥Sの表面に薬剤Gが滴下されるため、汚泥Sに薬剤Gが浸透しやすい。
薬剤添加部8の幅長は、特に限定されないが、汚泥S全体に薬剤Gの薬液を滴下するために、汚泥Sの全幅にわたって設置することが好ましい。
また、薬剤添加部8は、濾材5の搬送方向と垂直方向に設置することが好ましい。これにより、薬剤Gを滴下後の汚泥Sへの浸透時間が汚泥Sの幅方向において一定となるため、汚泥Sの幅方向における薬剤Gの浸透状態が均等となる。
なお、薬剤添加部は、汚泥Sの搬送方向に対して複数設置してもよい。薬剤添加部を複数設置する場合には、荒らし板の後段に複数設置してもよいし、荒らし板の前段と後段に設置してもよい。また、荒らし板を複数設けて、各薬剤添加部の前段にそれぞれ荒らし板を設けてもよい。薬剤添加部を複数設置することにより、より効率的に薬剤Gを汚泥Sに浸透させることができる。
図7は、第1の実施態様の薬剤添加部8の構造を示す概略説明図である。図7cに示すように、薬剤添加部8は、前面が開口した矩形容器からなる薬剤受槽10、当該開口に取り付けられた板状の越流堰11、薬剤受槽10内に薬剤Gを供給する薬剤供給管12により構成されている。
薬剤供給管12より供給された薬剤Gは、薬剤受槽10の内部に溜められ、薬剤Gの水位が越流堰11の高さを超えると、越流堰11を越流して薬剤添加部8から垂れ落ちる。このように、薬剤Gは、越流堰11の幅方向に広く分配されるため、汚泥Sの広範囲にわたって薬剤Gを添加することができる。また、この薬剤添加部8は、薬剤受槽10の内部に一定量の薬剤Gが溜められるため、薬液の添加量が少量であっても内部で乾燥するということもない。
図7Aは、越流堰11の構造を示す正面図である。図7Aに示すように、越流堰11には、越流堰11の上端に形成された三角形状の切り欠き部からなる越流部11a、越流部11aから垂下するように形成された溝からなる水路11b、水路11bの位置において底部から突設された三角形状の突設部11cが形成されている。
越流部11aは、越流堰11において薬剤Gが越流する部分であり、越流堰11の上端に形成された複数の切り欠き部からなる。複数の越流部11aを設けることにより、薬剤Gの添加量が少ない場合でも越流堰の幅方向において均等に分配することができる。
水路11bは、越流した薬剤Gが越流堰11の表面を垂直に流下するための構成である。薬剤Gの添加量が少ない場合、薬剤Gが越流堰11の表面を流下する際に拡散し、乾燥してしまうことがある。水路11bを設けることにより、越流堰11の表面上における薬剤Gの乾燥を抑制し、滴下量を一定にすることができる。
突設部11cは、越流堰11の底部から突設した構成である。薬剤Gは、越流堰11の底部に達すると越流堰11の幅方向へ拡散するため、底部で乾燥する恐れがある。突設部11cを設けることにより、底部での薬剤Gの拡散を抑制することができる。
〔薬剤〕
本発明の薬剤Gは、汚泥を処理するために一般的に用いられるものであれば、どのような物質でもよい。例えば、酸、アルカリ、凝集剤などが挙げられる。薬剤は、単独で使用しても、二種以上を併用して使用してもよい。二種以上用いる場合には、混合して使用しても、複数の薬剤添加部8を併設して、異なる薬剤を順に作用させて使用してもよい。
薬剤Gが固体の場合には、溶媒に溶解又は分散させて液体として使用される。溶媒としては、水やエタノール等の親水性溶媒を使用することができる。
酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、ギ酸、リン酸などが挙げられる。
また、アルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、セメントペーストや石灰ペースト等の水と混合することによってアルカリ性を呈する無機物の混合物などが挙げられる。
更に、本発明の薬剤Gは、凝集剤であることが望ましい。凝集剤は凝集する作用を有するものであれば、どのような物質でもよい。例えば、カチオン系、ノニオン系、アニオン系、両性系の凝集剤が挙げられ、処理条件に応じて適宜選択される。本発明では、薬剤Gとして特に無機凝集剤を使用することが好ましい。無機凝集剤は、汚泥と完全に混合しなくても一定の凝集効果を示すことから、本発明の効果がより発揮される。
カチオン系凝集剤としては、例えば、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリシリカ鉄、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素−ホルマリン樹脂等の高分子凝集剤が挙げられる。
ノニオン系凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
アニオン系凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミド)−2−メチルプロパン硫酸塩等が挙げられる。
両性系凝集剤としては、例えば、アクリルアミドとアミノアルキルメタクリレートとアクリル酸ナトリウムの共重合体等が挙げられる。
〔鋤〕
鋤9は、荒らし板7の前段または薬剤添加部8の後段に設けられる。鋤9は、濾材5の上部に設置された棒体からなり、汚泥Sの進路を狭める作用を有する。
鋤9を荒らし板7の前段に立設した場合には、汚泥Sの進路が狭まることにより汚泥Sが圧縮されるため、汚泥Sを濃縮する効果を奏する。汚泥Sの水分量が多いと、荒らし板7の効果が減少し、また薬剤Gを添加しても汚泥Sの表面に薬剤Gが留まり、汚泥内部に浸透していかないことから、荒らし板7の前段に鋤9を設けることにより、本発明の効果をより一層高めることが可能となる。
また、鋤9を薬剤添加部8の後段に立設した場合には、汚泥Sの進路が狭まることにより汚泥Sが幅方向において複数に分割されるため、薬剤Gが添加された汚泥Sを混練するという効果を奏する。これにより、汚泥Sと薬剤Gがより均等に混合される。
鋤9の本数は、特に限定されないが、濃縮性または混練性を勘案すると、汚泥Sの幅方向及び/又は搬送方向に複数設置することが好ましい。
鋤9の形状は、汚泥Sが濃縮、混練されればどのような形状でもよい。例えば、円柱状、角柱状、平板状等が挙げられる。汚泥Sの進路を狭める作用を勘案すると、汚泥Sの搬送方向に向かって幅が拡大する形状であることが好ましい。
[第2の実施態様]
図8は、本発明の第2の実施態様の汚泥濾過装置1として、重力濾過部2に、荒らし板7と薬剤添加部8を二つ設けた構造を示す側面図及び平面図である。
さらに第2の実施態様の汚泥濾過装置1では、1段目の薬剤添加部8の後段に鋤9を備えており、汚泥Sを薬剤Gがより一層混錬される。
実施例1、2として、それぞれ図2、図8に示した第1及び第2の実施態様の重力濾過部2を有する汚泥濾過装置1を用いて汚泥Sの脱水を行った。
また、実施例3として、荒らし板7の上流及び下流側に薬剤添加部8を設けたものを用い、実施例4として、荒らし板7の上流側及び下流側に薬剤添加部8を設け、上流側の薬剤添加部8と荒らし板7の間に鋤9を設けたものを用いた。
更に、実施例5として、実施例2の構成に加えて更に薬剤添加部8を最上流に設け、薬剤添加部8を3カ所としたものを用いた。
運転条件は次のとおりである。濾過速度、60kgDS/m/hまたは90kgDS/m/h(図9表の上段/下段)。薬注率2.3%。ポリ鉄注入率20%。なお、複数の薬剤添加部8を設けた汚泥濾過装置1においては、薬剤を均等に分割して添加した。
図9に、上記実施例1〜5の結果を示す。いずれの実施例においても含水率は80質量%を下回り、また、汚泥の濃縮濃度は6質量%以上となり、優れた脱水効果が認められた。
更に、実施例1と実施例2を対比すると、荒らし板7と薬剤添加部8を複数設置することにより特に優れた脱水効果が認められた。
なお、実施例2の2段目の荒らし板7を通過後の汚泥の状態を図10に示す。図10を見ると、荒らし板7を通過後、汚泥表面に凹凸が形成されていることがわかる。
また、実施例1と、実施例3及び実施例4とを対比すると、実施例1の方が優れた脱水効果が認められた。実施例3及び実施例4では、薬剤を2つに分割して添加し、一方を荒らし板7の前段で添加した。荒らし板7の前段の汚泥の状態は、濃縮濃度が3質量%未満であり、荒らし板7による凹凸の形成がされていない。
なお、実施例4の1段目の薬剤添加部8及び鋤9を通過後の汚泥の状態を図11に示す。図11を見ると、薬剤の浸透効果が小さく、汚泥表面に薬剤Gが帯状に残っていることがわかる。
実施例2と実施例5を対比すると、濾過速度が60kgDS/m/hの場合には、同等の含水率となったが、濾過速度が90kgDS/m/hの場合には、実施例2の方が優れた脱水効果が認められた。実施例5では、薬剤を3つに分割して添加し、1段目の添加を荒らし板7の前段で添加した。荒らし板7の前段の汚泥の状態は、濾過速度が60kgDS/m/hの場合には、濃縮濃度が3質量%以上であり、濾過速度が90kgDS/m/hの場合には、濃縮濃度が2質量%未満であり、いずれも荒らし板7による凹凸の形成がされていない。
本発明の汚泥濾過装置は、汚泥の脱水処理に好適に利用することができる。例えば、下水処理場や排水処理場等の水処理場、食品工場、メッキ工場、製紙工場、浚渫作業現場、建設作業現場等で発生する種々の汚泥の脱水処理に利用することができる。
また、薬剤を利用して固体と液体を分離する脱水処理であれば、どのような処理に利用してもよく、例えば、食品や医薬品の精製等に利用することもできる。
1 汚泥濾過装置、2 重力濾過部、3 加圧脱水部、4 支持ローラ、5 濾材、6 投入部、6a 汚泥供給管、6b 汚泥受槽、6c 堰、7,71,72,73,74 荒らし板、7a 当接面、7b 当接部、8 薬剤添加部、9 鋤、10 薬剤受槽、11 越流堰、11a 越流部、11b 水路、11c 突設部、12 薬剤供給管、S 汚泥、G 薬剤

Claims (3)

  1. 重力濾過により汚泥の脱水を行う重力濾過部を備えた汚泥濾過装置において、
    前記重力濾過部は、汚泥の表面に凹凸を形成する荒らし板と、当該荒らし板の後段で薬剤を添加する薬剤添加部と、を備えたことを特徴とする汚泥濾過装置。
  2. 前記薬剤は、凝集剤であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥濾過装置。
  3. 前記荒らし板の前段または前記薬剤添加部の後段に鋤が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚泥濾過装置。



JP2017058220A 2017-03-23 2017-03-23 汚泥濾過装置 Active JP6802099B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058220A JP6802099B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 汚泥濾過装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058220A JP6802099B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 汚泥濾過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018158322A JP2018158322A (ja) 2018-10-11
JP6802099B2 true JP6802099B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=63795213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017058220A Active JP6802099B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 汚泥濾過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6802099B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006346620A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Justec Co Ltd 固液分離装置および固液分離システム
WO2008041181A2 (en) * 2006-10-02 2008-04-10 The Warb Trust (No. 1 Trust 13337/99) Belt for drying sludge
JP5116327B2 (ja) * 2007-03-20 2013-01-09 太平洋セメント株式会社 建設汚泥減容化装置及び建設汚泥減容化方法
JP5864306B2 (ja) * 2012-03-02 2016-02-17 メタウォーター株式会社 汚泥濃縮機
JP6004382B2 (ja) * 2012-11-29 2016-10-05 メタウォーター株式会社 汚泥脱水システム
JP6013205B2 (ja) * 2013-01-18 2016-10-25 メタウォーター株式会社 濃縮装置
JP6109587B2 (ja) * 2013-01-29 2017-04-05 メタウォーター株式会社 汚泥脱水システム
JP2018008183A (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 株式会社エイブル 電気浸透脱水装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018158322A (ja) 2018-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4358381A (en) Sludge condensation and dewatering system
JP6271348B2 (ja) 汚泥脱水システム及び汚泥脱水システムの制御方法
JP2014136201A (ja) 濃縮装置
JP4499955B2 (ja) 被脱水物脱水システム
JP6802099B2 (ja) 汚泥濾過装置
US4595499A (en) Gravity belt thickener and belt press combination
JP6362305B2 (ja) 汚泥処理方法及び装置
JP6017286B2 (ja) 固液分離装置及び加圧ローラ
JP2016195973A (ja) ベルト式濃縮機
JPS625834Y2 (ja)
JP7161843B2 (ja) 濾布ベルト式脱水装置の濾布ベルト洗浄方法
JP2013180262A (ja) 汚泥濃縮機
JP5481654B2 (ja) 汚泥の処理方法及びその処理システム
CN208104890U (zh) 纸材料输送装置及造纸机
KR200429913Y1 (ko) 폐수농축장치
JP2009090240A (ja) 汚泥の処理方法及びその処理システム
JP7079559B2 (ja) 脱水機
JP7239358B2 (ja) ベルト濾過装置及びベルト濾過装置の制御方法
JP6848726B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP6243742B2 (ja) ベルト脱水機
JP2016131958A (ja) ベルト濾過装置
JP2008272630A (ja) ベルト式濃縮機及びその運転方法
JP2019010621A (ja) 水処理方法および水処理装置の管理方法
JP6220289B2 (ja) ベルトプレス脱水機及びその運転方法
CN208362058U (zh) 一种单级反渗透设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190718

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190926

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6802099

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250