JP6848726B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。
震災等の災害時や停電時などの特別時(使用可能な電力や用水が限られた状況)には、生物処理用の空気供給に必要な電力確保が困難となる。そして、下水処理場における生物処理が実施不可能となる。そのため、災害発生直後には緊急措置として生物処理を省略し、未処理下水を緊急放流する場合があり、感染症の発生や近隣水系への悪影響が懸念される。
生物処理を省略する場合、既設沈殿池あるいは素堀りなどの仮設沈殿池に殺菌装置などから塩素剤を投入し、除菌したうえで緊急放流することが行われている。
また、生物処理を省略する場合、安価な手段により予め汚水を処理し、その後により精密な処理を行うことも知られている。例えば、特許文献1には、汚染性有機物を含む排水を不織布担体を用いた生物処理装置で処理し、その処理水を内圧型の中空糸膜モジュールを用いた膜分離装置に通す排水処理方法が開示されている。
一方、生物処理と膜処理を組み合わせた汚水の水処理方法が知られている。特許文献2には、生物処理をした汚水に対して、平均孔径0.5μm以上の膜による第一段の処理をしたのち、平均孔径0.5μm未満の膜による第2段の処理をする汚水の処理方法が開示されている。
特開平05−169097号公報 特開2000−005566号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水処理方法は、平常時に活用できない点で、不満が残るものであった。特許文献2に記載の水処理方法は、特別時に生物処理を省略しようとする場合に生物処理を省略することを想定せずに設計されている点で、不満が残るものであった。
本発明が解決しようとする課題は、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去することができ、電力や用水が限られる特別時のフローと平常時のフローとを切り替えられる水処理装置を提供することである。
生物処理と比較し低電力で、且つ原理的に菌の完全除去が可能な処理方法として膜ろ過が考えられるが、未処理下水を処理対象水とした場合には膜が直ちに閉塞し、安定運転が困難となる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、水処理装置が生物処理槽に接続する第1配管と、分離シートを備えるろ過装置に接続する第2配管と、第1配管および第2配管に切換可能な切換部材とを有する構成により、上記課題を解決できることを見出し、以下の発明を成すに至ったものである。
本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
[1] 原水を前工程用装置および後工程用装置を通過させる水処理装置であって、
前工程用装置として生物処理槽および分離シートを備えるろ過装置を有し、
水処理装置が生物処理槽に接続する第1配管と、分離シートを備えるろ過装置に接続する第2配管と、第1配管および第2配管に切換可能な切換部材とを有し、
後工程用装置として限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置のうち少なくとも一方を有する、水処理装置。
[2] 後工程用装置として限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置を有し、
水処理装置が限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続する第3配管と、殺菌装置に接続する第4配管と、第3配管および第4配管に切換可能な切換部材とを有する[1]に記載の水処理装置。
[3] 分離シートの上流に位置して原水に凝集剤を添加する第1の凝集剤添加装置、および、
分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加する第2の凝集剤添加装置のうち少なくとも一方を有する[1]または[2]に記載の水処理装置。
[4] 分離シートの上流に位置して原水に凝集剤を添加する第1の凝集剤添加装置、
分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加する第2の凝集剤添加装置、および
限外ろ過膜を備えるろ過装置を有する[1]〜[3]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[5] 第1の凝集剤添加装置で添加する凝集剤が高分子凝集剤である[4]に記載の水処理装置。
[6] 高分子凝集剤の添加率が4g/m以下である[5]に記載の水処理装置。
[7] 第2の凝集剤添加装置で添加する無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムである[3]〜[6]のいずれか一つのいずれか一項に記載の水処理装置。
[8] 分離シートを備えるろ過装置が、分離シートを巻回してなる原反ロールと、原反ロールから分離シートを巻取ることができるように構成された巻取ロールとを有し、
分離シートを備えるろ過装置が、原反ロールから巻取ロールへ分離シートを巻取りながら、原反ロールと巻取ロールとの間に存在する分離シートのいずれかの領域に原水を滴下する[1]〜[7]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[9] 分離シートの巻取り速度が60m/分以下である[8]に記載の水処理装置。
[10] 分離シートを備えるろ過装置が分離シートの流れ方向に沿って位置する横壁を有し、
横壁が分離シートの面よりも高い[1]〜[9]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[11] 処理流量が200m/日以下である[1]〜[10]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[12] 分離シートが不織布である[1]〜[11]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[13] [1]〜[12]のいずれか一つに記載の水処理装置を用いて原水を連続的に処理する水処理方法であって、
平常時に原水が第1配管を通過するように切換部材を切換え、
特別時に原水が第2配管を通過するように切換部材を切換える、水処理方法。
[14] 後工程用装置として、限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置を有し、
水処理装置が限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続する第3配管と、殺菌装置に接続する第4配管と、第3配管および第4配管に切換可能な切換部材とを有し、
平常時に前工程用装置を通過した一次処理水の少なくとも一部が第3配管を通過するように切換部材を切換える[13]に記載の水処理方法。
[15] 後工程用装置として、限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置を有し、
水処理装置が限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続する第3配管と、殺菌装置に接続する第4配管と、第3配管および第4配管に切換可能な切換部材とを有し、
特別時に前工程用装置を通過した一次処理水が第3配管を通過するように切換部材を切換える[13]に記載の水処理方法。
本発明によれば、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去することができ、電力や用水が限られる特別時のフローと平常時のフローとを切り替えられる水処理装置を提供できる。
本発明の水処理装置の一例を示す概略図である。 分離シートを備えるろ過装置の一例を示す概略図である。 分離シートを備えるろ過装置の他の一例を示す概略図である。 分離シートを備えるろ過装置の他の一例を示す概略図である。 実施例1〜4における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真である。 実施例21〜24における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真である。 実施例31〜39における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真である。
以下、本発明について説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、原水を前工程用装置および後工程用装置を通過させる水処理装置であって、
前工程用装置として生物処理槽および分離シートを備えるろ過装置を有し、
水処理装置が生物処理槽に接続する第1配管と、分離シートを備えるろ過装置に接続する第2配管と、第1配管および第2配管に切換可能な切換部材とを有し、
後工程用装置として限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置のうち少なくとも一方を有する。
この構成により、本発明の水処理装置は、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去することができ、電力や用水が限られる特別時のフローと平常時のフローとを切り替えられる。
本発明の水処理装置を用いることにより、特別時に処理水質の安定的な確保が可能となる。
特別時の状況に応じて、後工程用装置として殺菌装置を用いてもよい。特別時は、現行では塩素による消毒処理が最も一般的であるが、現場における塩素剤の適正な使用量の見極めは困難であり安定した消毒効果の確保はできていない。
特別時の状況に応じて、後工程で限外ろ過膜を用いれば、耐塩素性病原微生物を含めた菌を分離除去することが可能であるため、感染症のリスクが極めて少なくなり、処理水質の安定的な確保が可能となる。しかしながら、懸濁物質を多く含む未処理の原水をそのまま膜ろ過で処理しようとすると膜が直ちに閉塞してしまうため、原水に適切な前処理を施した後に膜ろ過をすることが必要である。本発明の水処理装置によれば、特別時に生物処理を省略する場合、前処理を分離シートで行うように切換えることができる。分離シートによる前処理(前工程)を実施することで、限外ろ過膜を備えるろ過装置を用いて後工程をしやすくなる。
特別時に生物処理を省略するように切換部材を切換えることにより、従来課題を抱えていた災害時の生物処理に起因する汚泥処理の必要がなくなることが好ましい。また、低コスト化および災害時の省電力化の観点からも好ましい。
一方、平常時は生物処理槽に切換えることにより、処理流量の高い水処理をできる。平常時において、限外ろ過膜を備えるろ過装置を後工程用装置として用いることにより、処理水を再利用水として活用できる。なお、平常時には後工程用装置を駆動せず、生物処理槽として用いてもよい。
<水処理装置の構成>
本発明の水処理装置の構成の好ましい態様を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の水処理装置の一例を示す概略図である。
図1の水処理装置では、原水2を前工程用装置102および後工程用装置103を通過させる。
図1の水処理装置は、前工程用装置102として生物処理槽201および分離シートを備えるろ過装置202を有する。
図1の水処理装置は、生物処理槽201に接続する第1配管51と、分離シートを備えるろ過装置202に接続する第2配管52と、第1配管51および第2配管52に切換可能な切換部材41とを有する。切換部材41は、流路切換部として働く。第1配管51および第2配管52に切換可能な切換部材41は、生物処理槽201および分離シートを備えるろ過装置202の上流に位置していればよく、前工程用装置102の内部に位置していても外部に位置してもよい。
第1配管51および第2配管52は、便宜的に配管と記載したが、流路を形成できれば特に形状は限定されない。第1配管51および第2配管52は、開放系となっていてもよく、閉鎖系となっていてもよい。
図1の水処理装置は、後工程用装置103として限外ろ過膜を備えるろ過装置301および殺菌装置302を有する。
本発明では、後工程用装置103として限外ろ過膜を備えるろ過装置301および殺菌装置302を有し、水処理装置が限外ろ過膜を備えるろ過装置301に接続する第3配管53と、殺菌装置302に接続する第4配管54と、第3配管53および第4配管54に切換可能な切換部材41とを有することが好ましい。第3配管53および第4配管54に切換可能な切換部材41は、限外ろ過膜を備えるろ過装置301および殺菌装置302の上流に位置していればよく、後工程用装置103の内部に位置していても外部に位置してもよい。
第3配管53および第4配管54は、便宜的に配管と記載したが、流路を形成できれば特に形状は限定されない。第3配管53および第4配管54は、開放系となっていてもよく、閉鎖系となっていてもよい。
<原水>
原水としては、特に制限はない。
本発明では限外ろ過膜を通過した処理水が得られるため、屎尿処理場や下水処理場のような生物処理法を利用する場合に適した汚水などを原水として用いることができる。その他、原水としては、有機物、無機物、重金属類を含む各種類の産業排水などを用いることができる。
なお、原水は、被処理水と同義である。
原水のSS(suspended solids)の下限値は、特に限定されず低いほど条件としては好ましい。ただし、本発明の水処理装置は原水のSSが50mg/L以上であっても水処理でき、100mg/L以上であっても水処理でき、120mg/L以上であっても水処理できる。原水のSSの上限値は、500mg/L以下であることが好ましく、300mg/L以下であることがより好ましく、150mg/L以下であることが特に好ましい。
原水のpHの下限値は、5以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、7以上であることが特に好ましい。原水のpHの上限値は、10であることが好ましく、9以下であることがより好ましく、8以下であることが特に好ましい。
原水のBOD(Biochemical Oxygen Demand)の下限値は、特に限定されず低いほど条件としては好ましい。ただし、本発明の水処理装置は原水のBODが50mg/L以上であっても水処理でき、100mg/L以上であっても水処理でき、200mg/L以上であっても水処理できる。原水のBODの上限値は、500mg/L以下であることが好ましく、400mg/L以下であることがより好ましく、300mg/L以下であることが特に好ましい。
原水の濁度の下限値は、特に限定されず低いほど条件としては好ましい。ただし、本発明の水処理装置は原水の濁度が50度以上であっても水処理でき、100度以上であっても水処理でき、110度以上であっても水処理できる。原水の濁度の上限値は、200度であることが好ましく、150度以下であることがより好ましく、120度以下であることが特に好ましい。
<生物処理槽>
本発明の水処理装置に用いられる生物処理槽としては特に制限はなく、公知の生物処理槽を用いることができる。生物処理槽としては活性汚泥を用いるものが好ましい。また、生物処理槽としては、曝気装置を有するものが好ましい。
生物処理槽の構成の一例として、反応タンクと沈殿池を有する構成を挙げることができる。
平常時に原水を生物処理槽に通過させる場合、処理流量は特に制限は無く、例えば30〜200m/日とすることができ、50〜150m/日であることが好ましい。
生物処理槽を通過した一次処理水を、限外ろ過膜を備えるろ過装置301に供給する場合、生物処理槽を通過した一次処理水に凝集剤を添加することが好ましい。この場合の凝集剤としては、無機凝集剤が好ましい。
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。これらの中でも、硫酸バンドおよびPACが好ましく、pH調整せずに用いられる観点からPACがより好ましい。
<分離シートを備えるろ過装置>
特別時に原水を、分離シートを備えるろ過装置に通過させる。特別時に原水を、分離シートを備えるろ過装置に通過させる場合、分離シートの使用領域から汚泥が溢れないようにすることが好ましい。
本発明では、分離シートを備えるろ過装置が、分離シートを巻回してなる原反ロールと、原反ロールから分離シートを巻取ることができるように構成された巻取ロールとを有し、分離シートを備えるろ過装置が、原反ロールから巻取ロールへ分離シートを巻取りながら、原反ロールと巻取ロールとの間に存在する分離シートのいずれかの領域に原水を滴下することが好ましい。
(原水供給口)
前工程用装置は、原水供給口を有することが好ましい。
滴下する原水供給口は、分離シート(例えば分離シートを巻取る態様では原反ロール)に対して平行な向きに横長であることが好ましい。また、滴下する原水供給口の幅は、できるだけ分離シートの幅と同等であることが望ましい。できるだけ分離シート全体に原水を滴下したいためである。
原水供給口の幅は、分離シート(例えば分離シートを巻取る態様では原反ロール)の幅を100%としたとき、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。
(処理流量)
本発明では、特別時に原水を分離シートを備えるろ過装置に通過させる場合、処理流量が200m/日以下であることが好ましく、100m/日以下であることがより好ましく、45m/日以下であることが更に好ましい。
特別時に原水を分離シートを備えるろ過装置に通過させる場合、処理流量が30m/日以上であることが好ましく、45m/日以上であることがより好ましい。
(第1の凝集剤添加装置および第2の凝集剤添加装置)
本発明では、水処理装置(好ましくはその中でも分離シートを備えるろ過装置)が、分離シートの上流に位置して原水に凝集剤を添加する第1の凝集剤添加装置、および、分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加する第2の凝集剤添加装置のうち少なくとも一方を有することが好ましい。
本発明では、水処理装置(好ましくはその中でも分離シートを備えるろ過装置)が、第1の凝集剤添加装置および第2の凝集剤添加装置を備えるろ過装置を有することがより好ましい。
本発明の水処理装置では、第1の凝集剤添加装置、第2の凝集剤添加装置および限外ろ過膜を備えるろ過装置を有することが好ましい。
−第1の凝集剤添加装置−
第1の凝集剤添加装置は、凝集剤添加部の他に、撹拌部を有することが好ましい。撹拌部は、スターラーまたはインラインミキサを備えることが好ましい。
第1の凝集剤添加装置で添加する凝集剤としては、特に制限は無い。公知の高分子凝集剤、無機凝集剤を用いることができる。本発明では、第1の凝集剤添加装置で添加する凝集剤が、高分子凝集剤であることが好ましい。
高分子凝集剤としては、特に制限はない。
高分子凝集剤としては、両性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤などを挙げることができる。これらの中でも、両性高分子凝集剤またはアニオン性高分子凝集剤が好ましい。高分子凝集剤が、両性高分子凝集剤であることが、透水性を高める観点から、より好ましい。
両性高分子凝集剤としては、アニオン性基を有する構造単位と、カチオン性基を有する構造単位を含む、高分子凝集剤を挙げることができる。
両性高分子凝集剤の第1の例としては、一端にラジカル重合性基を有し他端にアニオン性基を有する分子量が90〜10000の反応性単量体と、カチオン性単量体とを必須単量体として共重合させることにより得られる共重合体を挙げることができる。
両性高分子凝集剤の第2の例としては、分子内にアニオン性基としてカルボキシル基、スルホン酸基を有し、カチオン性基として第三級アミン、その中和塩、四級塩等を有する高分子凝集剤を挙げることができ、これらのイオン成分の他にノニオン性の構造単位が含まれていてもよい。両性高分子凝集剤に用いられるカチオン性基を有する構造単位を形成するためのカチオン性モノマー単位としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルジメチルアミンもしくはこれらの中和塩、四級塩等が挙げられる。ノニオン性の構造単位を形成するためのノニオン性のモノマー単位としては(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
両性高分子凝集剤の第3の例としては、重量平均分子量Mwが1000〜100万のポリ(メタ)アクリル酸及び/又はその塩のみから成る高分子化合物Aと、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル第4級塩及びジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル第4級塩から選択されるカチオン性単量体単位と、5〜95モル%のアクリルアミド単量体単位とを有する、粉末状高分子化合物又はエマルション型高分子化合物である高分子化合物Bと、
を含んでなり、高分子化合物Aが高分子化合物B100質量部に対して、0.5〜8質量部含んでなるとともに高分子化合物Aと高分子化合物Bとの一部が化学的に結合していることを特徴とする両性高分子凝集剤を挙げることができる。
これらの両性高分子凝集剤としては、特許第4156441号の[0010]〜[0016]、特許第4178687号の[0014]〜[0058]および[0065]〜[0079]、ならびに、特許第5940881号の[0025]〜[0085]および[0097]〜[0125]の内容を本発明の趣旨に反しない範囲で用いることができる。これらの公報の内容は参照して本明細書に組み入れられる。
本発明ではこれらの両性高分子凝集剤の中でも、ポリアクリル酸エステル系を用いることが好ましい。
ノニオン性高分子凝集剤またはアニオン性高分子凝集剤としては、アクリルアミド系組成物を用いられる。アクリルアミド系組成物は、アクリルアミドモノマーあるいはアクリルアミドの同時加水分解物と、アクリルアミドモノマーと共重合し得る重合性モノマーとの混合物を重合させて重合体を得ることにより製造できる。
ノニオン性高分子凝集剤とはアニオン構成単位が2モル%以下のもののことを言う。
アニオン性高分子凝集剤としては、特許第4156441号の[0009]、[0015]および[0016]の内容を本発明の趣旨に反しない範囲で用いることができる。この公報の内容は参照して本明細書に組み入れられる。
これらのアニオン性高分子凝集剤の中でも、ポリアクリルアミド系を用いることが好ましい。
カチオン性高分子凝集剤としては、ジアルキルアミン類とエピハロヒドリン重縮合物、アルキレンジアミン類とジアルキルアミン及びエピハロヒドリン重縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩化物塩、ジシアンジアミドとホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミドとホルムアルデヒドと塩化アンモニウム重縮合物、ポリアルキレンイミン、(メタ)アクリレート系カチオン性基を含む水溶性高分子、及びカチオン性界面活性剤が例示される。
本発明では、高分子凝集剤の添加率(固形分)が、原水に対して0.5g/m(ppmとほぼ同程度)以上であることが好ましく、1g/m以上であることがより好ましく、3g/m以上であることが特に好ましい。
高分子凝集剤の添加率の上限値は特に制限はなく、原水に対して30g/m以下であることが好ましく、5g/m以下であることがより好ましく、4g/m以下であることが特に好ましい。
−第2の凝集剤添加装置−
第2の凝集剤添加装置で添加する凝集剤としては特に制限は無い。本発明では、第2の凝集剤添加装置で添加する無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムであることが好ましい。すなわち、第2の凝集剤添加装置により、分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加することが好ましい。
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。これらの中でも、硫酸バンドおよびPACが好ましく、pH調整せずに用いられる観点からPACがより好ましい。すなわち、本発明では、第2の凝集剤添加装置で添加する無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムであることが好ましい。
(分離シート)
分離シートは、特に制限は無い。
分離シートの孔径は、特に制限はなく、限外ろ過膜の孔径よりも大きいことが好ましい。
分離シートの形状は特に制限は無く、精密ろ過膜、不織布などを用いることができる。本発明では、分離シートが不織布であることが特に好ましい。不織布が、乾式法、湿式法、又は、スパンボンド法のいずれかの方法で製造されたことが好ましく、乾式法で製造されたことがより好ましい。乾式法の中でも、エアレイド方法(支持体にエアーで吹き付ける方法。例えば、おしぼりを製造する方法)で製造されたことが好ましい。
分離シートは、坪量が10〜300g/mであることが好ましい。分離シートの坪量の下限値は15g/m以上であることがより好ましく、20g/m以上であることが特に好ましい。分離シートの坪量の上限値は100g/m以下であることがより好ましく、50g/m以下であることが特に好ましい。
分離シートの材料は、特に制限はない。分離シートの繊維材料が、セルロース系繊維、化学修飾セルロース系繊維、熱可塑性繊維、強化繊維からなる群より選択される1種類以上であることが好ましく、セルロース系繊維、化学修飾セルロース系繊維、強化繊維からなる群より選択される1種類以上であることがより好ましく、セルロース系繊維であることが特に好ましい。
セルロース系繊維としては、植物由来のパルプであることが好ましい。植物由来のパルプとしては、クラフトパルプ、溶解パルプ、メカニカルパルプなどを挙げることができ、クラフトパルプが好ましい。本発明では、分離シートが、植物由来のパルプを50質量%以上含むことが好ましく、60質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むこと(分離シートのパルプ含有率が90質量%以上であること)が特に好ましい。分離シート中の植物由来のパルプの上限値は特に制限はなく、99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましく、97質量%以下であることが特に好ましい。
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、アルミナ繊維、又は、チラノ繊維であることが好ましい。
分離シートのかさ密度(見かけ比重とほぼ同義)は0.05〜0.30g/mであることが好ましく、0.08〜0.20g/mであることがより好ましく、0.11〜0.16g/mであることが特に好ましく、0.13〜0.16g/mであることがより特に好ましい。かさ密度がこの範囲内であると、分離シートが目詰まりしにくい。
分離シートの表面がカチオン性に帯電されていることが好ましい。懸濁物質(suspended solids;SS)は通常アニオンである。分離シートも通常アニオン性に帯電されている。表面処理により、分離シートの表面をカチオン性に帯電することで、SSを吸着しやすくなる。分離シートの表面をカチオン性に帯電する方法としては、凝集剤をあらかじめ分離シートに含浸させる方法を挙げることができる。含浸させる凝集剤としてはカチオン性の凝集剤が好ましい。カチオン性高分子凝集剤としては、ジアルキルアミン類とエピハロヒドリン重縮合物、アルキレンジアミン類とジアルキルアミン及びエピハロヒドリン重縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩化物塩、ジシアンジアミドとホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミドとホルムアルデヒドと塩化アンモニウム重縮合物、ポリアルキレンイミン、(メタ)アクリレート系カチオン性基を含む水溶性高分子、及びカチオン性界面活性剤が例示される。カチオン性無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄を挙げることができる。
図1にフローチャートとして示したとおり、原水2に凝集剤105を添加しておき、まず原水中のSSを粗大化してもよい。表面がカチオン性に帯電された分離シートは、任意に設定される保管期限内に使用することが好ましい。
分離シートは、その他に、親水化剤を含むことが好ましい。
分離シートとしては市販のものを用いてもよい。例えば、王子キノクロス株式会社製、商品名キノクロスなどの不織布を好ましく用いることができる。
分離シートは、平膜であっても、ロール状の膜であってもよい。ロール状の膜は、原反ロールから巻きだして平膜の分離シートとして用いてもよい。
分離シートは、固定されていても、移動可能であってもよい。
(使用済分離シート)
除去対象物を捕捉した分離シート(使用済分離シート)は、焼却処理することが可能である。
(分離シートを巻取る態様)
分離シートを巻取る態様では、前工程用装置が、分離シートを巻回してなる原反ロールと、原反ロールから分離シートを巻取ることができるように構成された巻取ロールとを有し、
前工程用装置が、原反ロールから巻取ロールへ分離シートを巻取りながら、原反ロールと巻取ロールとの間に存在する分離シートのいずれかの領域に原水を滴下する。
図2および図4は本発明の水処理装置に用いられる前工程用装置の一例を示す概略図であり、分離シートを巻取る態様に用いられる前工程用装置の一例に関する。
なお、分離シートを巻取る態様では、巻取ロールを用いる態様を示したが、使用済分離シートは必ずしも巻取ロールで巻き取る必要はない。すなわち、本発明の水処理装置には、巻取ロールを有さない態様も含まれる。使用済分離シートを巻き取らず、分離シートを自重で脱水させることができる。この場合、原反ロール(分離シート)を動かす動力は、ベルトコンベアなどでよい。
分離シートを巻取る態様の前工程用装置において、原水2は分離シート1を通過して一次処理水3となる。一次処理水3は任意の方法で限外ろ過膜を備える後工程用装置に送ることができる。
(原水供給口)
分離シートを巻取る態様では、分離シート1が平膜となっている部分の分離シート1の鉛直上方向に、原水供給口13を有することが好ましい。
(原反ロール)
図2および図4では、前工程用装置が、分離シートを巻回してなる原反ロール11と、原反ロール11から分離シート1を巻取ることができるように構成された巻取ロール12とを有する。
分離シートを巻取る態様では、原反ロールから巻き出された分離シートを巻き取っていくことで常に新鮮な分離シートで前処理が可能である。
分離シートを巻き取ることで脱水を兼ねることができる。図4では、巻取ロール12に吸水材32を接触させた態様を示した。吸水材32としては、任意の大きさにカットした分離シートが好ましく、カットした分離シートを巻取ロール12の下に敷くことが好ましい。脱水のしぼり水中の汚泥を吸着できる。
(巻取ロール)
巻取ロールは、原反ロールよりも上方に位置していてもよいし、同じ高さに位置していてもよい。
原水が透過する分離シートの面と水平面とがなす角度(水平からの傾斜角度)が0〜75度(°)であることが好ましく、0〜20度であることがより好ましい。一方、水平からの傾斜角度を15〜75度としてもよい。図2には、水平からの傾斜角度が15度の例が示されている。図4には、水平からの傾斜角度が0度の例が示されている。
原反ロールの幅(従って、分離シートの幅)は100mm〜2000mmであることが好ましい。同様に、巻取ロールの幅は100mm〜2000mmであることが好ましい。
巻取ロールにおける分離シートの巻取り速度は1m/分〜60m/分の範囲とすることができる。
本発明では、分離シートの巻取り速度が15m/分以下であることが好ましく、4.0m/分以下であることがより好ましく、3.0m/分以下であることが更に好ましく、2.0m/分以下であることが特に好ましく、1.5m/分以下であることがより特に好ましい。
(支えとなる構造物)
原反ロールと巻取ロールとの間に位置する分離シートの下方に、強度保持用の金網などの支えとなる構造物を設けることが好ましい。この構造物は、使用する分離シートより透水性が良いものであることが好ましい。図2および図4には、支えとなる構造物14として、金網を用いた例を示した。図2には、支えとなる構造物14として、金網を用いた例を示した。
(横壁)
本発明では、分離シートを備えるろ過装置が分離シートの流れ方向に沿って位置する横壁を有し、横壁が分離シートの面よりも高いことが好ましい。横壁が分離シートの面よりも1cm以上高いことが好ましく、上限値としては100cm以下の高さであることが好ましい。
分離シートが平膜となっている部分の両側に、横壁を設けて、原水が横方向に流れない(原水2が分離シート1を通過して鉛直下方向に滴下する)ようにすることが好ましい。分離シートの面よりも高い横壁が、分離シートの流れ方向に沿って設けられることが好ましい。図2には、分離シート1が平膜となっている部分の両側に、横壁15を設けた例を示した。
分離シート1の横壁15の間の使用領域を、ろ過幅として用いることができる。ろ過幅は3cm以上であることが好ましく、上限値としては200cm以下であることが好ましい。
(スプレー)
原反ロールから巻き出された分離シート1に対し、スプレー31を用いて分離シート1の表面電荷のコントロールが可能な材料(凝集剤など)を添加してもよい。
(滑落防止用バー)
本発明の水処理装置の分離シートを巻取る態様において、原反ロールと巻取ロールとの間に、分離シート上の除去対象物(例えば汚泥)が下方へ滑落するのを防ぐための構造物(例えば、棒状の構造物)を設けることが好ましい。棒状の構造物(滑落防止用バー)は、巻取ロールと原水滴下位置の間で、かつ、巻取ロールで分離シートが巻き取られる位置と同じ高さあるいはそれよりも高い位置に、ロールに平行に設けることが好ましい。これにより、バーの上を分離シートが通過することで、巻取直前の除去対象物(使用済分離シート)が下方へ滑落するのを防ぐことができる。この形態を図3に示す。図3には、棒状の構造物22として、滑落防止用バーを用いた例を示した。図3(B)は、図3(A)を水平方向から見た場合を示す。
分離シート上の除去対象物(不図示)は、棒状の構造物22さえ越えれば、原反ロール11側に逆流しないで、巻取ロール12側に回収できる。そのため、原水滴下位置21は、棒状の構造物22および原反ロール11側の間であり、かつ、棒状の構造物22の近傍であることが好ましい。原水滴下位置21と棒状の構造物22との距離を短くすることで、分離シート上の除去対象物(不図示)は棒状の構造物22を超えやすくなる。
なお、水処理装置が棒状の構造物を有さない場合、原水滴下位置は、巻取ロールの近傍であることが好ましい。
<後工程用装置>
本発明の水処理装置は、後工程用装置として限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置のうち少なくとも一方を有する。
<限外ろ過膜を備えるろ過装置>
一般に、懸濁物質を多く含む未処理の原水をそのまま限外ろ過膜処理しようとすると膜が直ちに閉塞してしまう。これに対し、本発明では、原水に適切な前処理を施した後に、限外ろ過膜を通過させることにより限外ろ過膜処理ができる。
(限外ろ過膜)
限外ろ過膜としては特に制限は無く、公知の限外ろ過膜を用いることができる。限外ろ過膜としては市販のものを用いてもよい。例えば、王子エンジニアリング株式会社製、OJI−CLEAR(登録商標)などを好ましく用いることができる。
限外ろ過膜は、孔径の下限値が0.001μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.01μm以上であることが特に好ましい。孔径の上限値が0.05μm以下であることが好ましく、0.04μm以下であることがより好ましく、0.03μm以下であることが特に好ましい。
水処理装置は、限外ろ過膜を逆洗浄できる逆洗浄装置を備えることが好ましい。
逆洗浄装置としては特に制限は無く、公知の逆洗浄装置を用いることができる。
逆洗浄を実施するタイミングは特に制限は無く、限外ろ過膜が閉塞しないで長期間の安定運転ができるように定めることができる。
<殺菌装置>
水処理装置は、限外ろ過膜を備えるろ過装置以外の殺菌装置を有していてもよい。
本発明の水処理装置に用いられる殺菌装置としては特に制限はなく、公知の殺菌装置を用いることができる。殺菌装置としては塩素剤などを投入できるものが好ましい。
<その他の装置>
水処理装置は、その他の装置を有していてもよい。
例えば、後工程用装置の後段階(下流)として、逆浸透膜を備えるろ過装置を有していてもよい。なお、後工程用装置の後段階(下流)として、そのまま放流(例えば、災害時の緊急放流など)してもよい。
また、水を各装置間で移動させる方法としては特に制限は無く、公知のポンプなどを用いてもよく、重力による移動を用いてもよい。災害時の利用の観点から、水を各装置間で移動させる方法は、重力による移動であることが好ましい。すなわち、上流側から順に上から下に水が移動するように各装置を配置することが好ましい。
水処理装置は、後工程用装置の下流に、実質的に沈殿槽を有さないことが、低コスト化の観点から好ましい。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、本発明の水処理装置を用いて原水を連続的に処理する水処理方法であって、
平常時に原水が第1配管を通過するように切換部材を切換え、
特別時に原水が第2配管を通過するように切換部材を切換える。
切換部材を切換える方法としては特に制限は無く、手動または電動で、切換えることができる。切換部材が受信機を備え、遠隔操作によって切換えしてもよい。
<平常時>
平常時の水処理方法の好ましい態様について、図面を参照して説明する。
図1の水処理装置では、任意に備えられていてもよい原水槽101から、第1配管51を介して、生物処理槽201に原水2が供給される。
分離シートを備えるろ過装置202では、分離シート1によって原水2が前処理され、一次処理水3を得る。
凝集剤を添加する装置(不図示)により、生物処理槽201からの一次処理水3に凝集剤105を添加してもよい。
一次処理水3は、任意に備えられていてもよい後工程用集水槽104に一時的に集水されてもよい。
後工程用集水槽104から、後工程用装置103に一次処理水3が供給される。
本発明では、平常時に前工程用装置を通過した一次処理水の少なくとも一部が第3配管を通過するように切換部材を切換えることが好ましい。この切換えにより、平常時に前工程用装置を通過した一次処理水が限外ろ過膜を備えるろ過装置301に供給される。
限外ろ過膜を備えるろ過装置301では、限外ろ過膜4によって一次処理水3が後処理され、濃縮水および処理水6を得る。濃縮水は、原水槽101に返送されてもよい。
殺菌装置302では、一次処理水3が後処理(殺菌)され、処理水6を得る。
<特別時>
特別時の水処理方法の好ましい態様について、図面を参照して説明する。
図1の水処理装置では、任意に備えられていてもよい原水槽101から、第2配管52を介して、分離シートを備えるろ過装置202に原水2が供給される。
凝集剤を添加する装置(不図示)により、原水2に凝集剤105を添加してもよい。
分離シートを備えるろ過装置202では、分離シート1によって原水2が前処理され、一次処理水3を得る。
凝集剤を添加する装置(不図示)により、一次処理水3に凝集剤105を添加してもよい。特別時の水処理方法では、後工程用装置103として限外ろ過膜を備えるろ過装置を用いる場合、一次処理水3に凝集剤105を添加することが好ましい。
一次処理水3は、任意に備えられていてもよい後工程用集水槽104に一時的に集水されてもよい。後工程用集水槽104から、後工程用装置103に一次処理水3が供給される。特別時の水処理方法では、平常時の後工程用集水槽104とは別の後工程用集水槽104Aに一時的に集水され、別の後工程用集水槽104Aから、後工程用装置103に一次処理水3が供給されてもよい。この場合の一次処理水3の流れを図1の点線の矢印で示した。
本発明では、特別時に前工程用装置を通過した一次処理水が第3配管を通過するように切換部材を切換えることが好ましい。この切換えにより、特別時に前工程用装置を通過した一次処理水が限外ろ過膜を備えるろ過装置301に供給される。
限外ろ過膜を備えるろ過装置301では、限外ろ過膜4によって一次処理水3が後処理され、濃縮水および処理水6を得る。濃縮水は、原水槽101に返送されてもよい。
殺菌装置302では、一次処理水3が後処理(殺菌)され、処理水6を得る。
<洗浄>
限外ろ過膜を備えるろ過装置を洗浄する場合、逆洗などの物理洗浄に加えて、限外ろ過膜を薬品洗浄してもよい。薬品洗浄する場合、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いて洗浄することができる。
<処理水>
本発明の水処理装置を稼働させることにより、処理水を製造することが好ましい。処理水は、再利用水として用いてもよく、殺菌水、滅菌水または無菌水として用いてもよい。必要に応じて、処理水を緊急放流することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
[実施例1〜4]
<水処理装置>
実施例1〜4の水処理装置では、図1に記載の水処理装置を用い、特別時に原水が第2配管を通過して分離シートを備えるろ過装置に導入されるように、前工程用装置の切換部材を切換えた。分離シートを備えるろ過装置として、図2〜4に記載の分離シートを巻取る態様の水処理装置を用いた。分離シートを備えるろ過装置では、坪量40g/m、かさ密度0.15g/cm、パルプ含有率90%、幅25cmの不織布を使用した。各実施例で用いた不織布はエアレイド方法で製造されたものである。分離シートを備えるろ過装置は、分離シートの流れ方向に沿って位置する横壁を2列有する。分離シートを巻取る態様の水処理装置において、水平からの傾斜角度を0°にした。ろ過と同時に、使用後の分離シートは巻き取って回収し、廃棄する。
また、前工程用装置を通過した一次処理水が第3配管を通過して限外ろ過膜を備えるろ過装置に導入されるように、後工程用装置の切換部材を切換えた。限外ろ過膜(UF膜)として、孔径0.02μm、有効長100cmのポリフッ化ビニリデン製の中空子膜を用いた。
<処理流量の評価>
原水として、SSが128mg/L、pH7.2、BOD240mg/L、濁度112度、大腸菌群数1.2×10個/cm(n=21)の下水原水を用いた。
原水に対し、3g/mの添加率で、両性高分子凝集剤であるハイモ株式会社製、商品名ハイモロックMS−884(ポリアクリル酸エステル系)を添加した。原反ロールから巻取ロールへ巻取り速度1.5m/分で送り出した分離シート上に、高分子凝集剤を添加した原水を以下の処理流量で流し、分離シートを通過させることにより連続的にろ過した。分離シートの横壁の間の使用領域であるろ過幅は5cmとした。
処理流量は、実施例1では30m/日、実施例2では45m/日、実施例3では47.5m/日、実施例4では50m/日とした。
処理流量が多いほど、分離シートを通過した水(分離シートろ過水)の濁度が低くなることを、あわせて確認した。これはろ過により分離シート上に堆積した汚泥自体がフィルターの役割を果たし、より細かいSS分を捕捉したためと考えられる。さらに実施例1〜4において分離シートを通過した水に対してポリ塩化アルミニウム(PAC)を適量添加して一次処理水を得たところ、いずれも上澄み濁度が15度以下となり、一次処理水を限外ろ過膜に導入して安定的に限外ろ過を行えた。
実施例1〜4における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真を、図5に示した。図5(A)(処理流量30m/日の実施例1)および図5(B)(処理流量45m/日の実施例2)では、汚泥が分離シートの使用領域から溢れないことがわかった。図5(C)(処理流量47.5m/日の実施例3)および図5(D)(処理流量50m/日の実施例4)では、汚泥が分離シートの使用領域から溢れていることがわかった(点線で囲った部分)。そのため、処理流量は45m/日以下であることが好ましいことがわかった。
以上より、汚泥が分離シートの使用領域から溢れず、かつ、最大処理流量であった45m/日を最適な処理流量と評価した。
[実施例11〜14]
<巻取り速度の評価>
実施例1と同じ水処理装置および原水(濁度112度)を用いた。
原水に対し、3g/mの添加率で、実施例1と同じ両性高分子凝集剤を添加した。原反ロールから巻取ロールへ以下の巻取り速度で送り出した分離シート上に、高分子凝集剤を添加した原水を45m/日の処理流量で流し、分離シートを通過させることにより連続的にろ過した。分離シートの横壁の間の使用領域であるろ過幅は5cmとした。
分離シートの巻取り速度は、実施例11では1.5m/分、実施例12では2.0m/分、実施例13では3.0m/分、実施例14では4.0m/分とした。
実施例11〜14において分離シートを通過した水(分離シートろ過水)に対してポリ塩化アルミニウム(PAC)を適量添加して一次処理水を得たところ、いずれも上澄み濁度が15度以下となり、一次処理水を限外ろ過膜に導入して安定的に限外ろ過を行えた。
実施例11〜14における分離シートを備えるろ過装置を通過してから、PACを添加する前の水(分離シートろ過水)の濁度を、下記表1にまとめた。
Figure 0006848726
上記表1より、不織布の巻取り速度が遅くなるほど不織布ろ過水の濁度が減少することがわかった。これはろ過により分離シート上に堆積した汚泥自体がフィルターの役割を果たし、より細かいSS分を捕捉したためと考えられる。なお、分離シートの巻取り速度が遅くなるほど分離シートの必要面積も少なくなり、好ましい。以上より、最も分離シートろ過水の濁度が低く、分離シートの必要面積が少なくなる1.5m/分(2,160m/日)を最適な巻取り速度と評価した。
実施例11における分離シートろ過水は、pH7.2、BOD135mg/L、濁度66度、大腸菌群数9.5×10個/cm(n=15)であった。実施例11における一次処理水は、SSが210mg/L、pH7.2、濁度15度(上澄み)、大腸菌群数9.6×10個/cm(上澄み)(n=5)であった。実施例11で限外ろ過装置を通過して得られた処理水は、SSが0mg/L、pH7.2、BOD27mg/L、濁度0度、大腸菌群数0個/cm(n=8)、大腸菌は不検出(n=6)であった。なお、採水後3日以内に分析機関にて大腸菌群数を測定した。
[実施例21〜24]
<原水への高分子凝集剤の添加率の評価>
実施例1と同じ水処理装置および原水(濁度112度)を用いた。
原水に対し、以下の添加率で、実施例1と同じ両性高分子凝集剤を添加した。原反ロールから巻取ロールへ1.5m/分の巻取り速度で送り出した分離シート上に、高分子凝集剤を添加した原水を45m/日の処理流量で流し、分離シートを通過させることにより連続的にろ過した。分離シートの横壁の間の使用領域であるろ過幅は5cmとした。
高分子凝集剤の添加率は、実施例21では0g/m(添加せず)、実施例22では1g/m、実施例23では3g/m、実施例24では5g/mとした。
実施例22〜24において分離シートを通過した水(分離シートろ過水)に対してポリ塩化アルミニウム(PAC)を適量添加して一次処理水を得たところ、いずれも上澄み濁度が15度以下となり、一次処理水を限外ろ過膜に導入して安定的に限外ろ過を行えた。実施例21では、後工程装置の切換部材を操作して一次処理水を殺菌装置への第4配管に切換え、一次処理水を殺菌装置に導入して塩素剤を用いて殺菌を行う。
実施例21〜24における分離シートを備えるろ過装置を通過してから、PACを添加する前の水(分離シートろ過水)の濁度を、下記表2にまとめた。
Figure 0006848726
上記表2より、原水への高分子凝集剤の添加率が高くなるほど分離シートろ過水の濁度が減少することがわかった。
一方、実施例21〜24における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真を、図6に示した。図6(A)(高分子凝集剤の添加率0g/mの実施例21)、図6(B)(高分子凝集剤の添加率1g/mの実施例22)および図6(C)(高分子凝集剤の添加率3g/mの実施例23)では、汚泥が分離シートの使用領域から溢れないことがわかった。図6(D)(高分子凝集剤の添加率5g/mの実施例24)では、汚泥が分離シートの使用領域から溢れていることがわかった(点線で囲った部分)。
以上より、汚泥が分離シートの使用領域から溢れず、かつ、その中で最も分離シートろ過水の濁度が低くなる観点からは、高分子凝集剤の添加率が4g/m以下であることが好ましい。汚泥が分離シートの使用領域から溢れず、かつ、その中で最も分離シートろ過水の濁度が低くなる3g/mを最適な高分子凝集剤の添加率と評価した。
[実施例31〜41]
<原水への無機凝集剤の添加率の評価>
実施例1と同じ水処理装置および原水(濁度112度)を用いた。
原水に対し、以下の添加率で、無機凝集剤(PAC)および実施例1と同じ両性高分子凝集剤を添加した。原反ロールから巻取ロールへ1.5m/分の巻取り速度で送り出した分離シート上に、高分子凝集剤を添加した原水を45m/日の処理流量で流し、分離シートを通過させることにより連続的にろ過した。分離シートの横壁の間の使用領域であるろ過幅は5cmとした。
実施例32、33、35、36、38、39、41において分離シートを通過した水(分離シートろ過水)に対してポリ塩化アルミニウム(PAC)を適量添加して一次処理水を得たところ、いずれも上澄み濁度が15度以下となり、一次処理水を限外ろ過膜に導入して安定的に限外ろ過を行えた。実施例31、34、37および40では、後工程装置の切換部材を操作して一次処理水を殺菌装置への第4配管に切換え、一次処理水を殺菌装置に導入して塩素剤を用いて殺菌を行う。
実施例31〜41における、原水への無機凝集剤および/または高分子凝集剤の添加率と、分離シートを備えるろ過装置を通過してからPACを添加する前の水(分離シートろ過水)の濁度を、下記表3にまとめた。
Figure 0006848726
上記表3より、原水への無機凝集剤および高分子凝集剤の添加率が高くなるほど分離シートろ過水の濁度が減少する傾向があることがわかった。
一方、実施例31〜41における分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真を、図7に示した。図7(A)の実施例31、図7(B)の実施例32、図7(C)の実施例33、図7(D)の実施例34、図7(E)の実施例35、図7(F)の実施例36、図7(G)の実施例37、図7(H)の実施例38、図7(I)の実施例39では、いずれも汚泥が分離シートの使用領域から溢れていることがわかった。
また、実施例40および41でも同様に分離シートを備えるろ過装置でのろ過状況を撮影した写真に基づき、汚泥が分離シートの使用領域から溢れていたことを確認した(不図示)。
以上より、汚泥が分離シートの使用領域から溢れず、かつ、その中で最も分離シートろ過水の濁度が低くなる観点からは、原水には無機凝集剤を添加せず、実施例23で示した範囲で高分子凝集剤を添加することが好ましいことがわかった。すなわち、第1の凝集剤添加装置で添加する凝集剤が高分子凝集剤であることが好ましいことがわかった。
以上の各実施例より、分離シートを備えるろ過装置と、前工程で処理された原水(一次処理水)を限外ろ過膜を備えるろ過装置または殺菌装置で処理する後工程用装置との組合せに切換えた場合であっても、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去できることがわかった。
以上より、本発明の水処理装置によれば、電力や用水が限られる特別時に分離シートを備えるろ過装置に切り替えて、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去できることがわかった。
1 分離シート
2 原水
3 一次処理水
4 限外ろ過膜
6 処理水
11 原反ロール
12 巻取ロール
13 原水供給口
14 支えとなる構造物
15 横壁
21 原水滴下位置
22 棒状の構造物
31 スプレー
32 吸水材
41 切換部材
51 第1配管
52 第2配管
53 第3配管
54 第4配管
101 原水槽
102 前工程用装置
103 後工程用装置
104 後工程用集水槽
104A 別の後工程用集水槽
105 凝集剤
202 分離シートを備えるろ過装置
201 生物処理槽
301 限外ろ過膜を備えるろ過装置
302 殺菌装置
本発明の水処理方法および水処理装置は、分離シートを備えるろ過装置と、前工程で処理された原水(一次処理水)を限外ろ過膜を備えるろ過装置または殺菌装置で処理する後工程用装置との組合せに切換えた場合であっても、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去することができる。更に処理水を水洗用水や消火用水として利用可能である。
そのため、汚泥処理や曝気に多量の電力が必要な生物処理槽および凝集沈殿槽を組み合わせる通常の水処理を行うことができない災害時などにおいて、特別時のフローと、平常時のフローを切り替えて、下水などの原水を低コストで除菌して緊急放流することができる。すなわち、電力や用水が限られる中であっても、有機汚濁を含む排水を膜分離処理し、菌を除去することができる水処理装置および水処理方法を提供できる。更に処理水を水洗用水や消火用水として利用可能である。よって本発明の水処理装置および水処理方法は、産業上の利用可能性がある。

Claims (15)

  1. 原水を前工程用装置および後工程用装置を通過させる水処理装置であって、
    前記前工程用装置として生物処理槽および分離シートを備えるろ過装置を有し、
    前記水処理装置が前記生物処理槽に接続されて前記原水を前記生物処理槽に供給するための第1配管と前記分離シートを備えるろ過装置に接続されて前記原水を前記分離シートを備えるろ過装置に供給するための第2配管と;前記原水が前記第1配管および前記第2配管のいずれか一方を通過するように切換えるための切換部材とを有し、
    前記後工程用装置として限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置のうち少なくとも一方を有し、
    平常時には、前記原水を前記生物処理槽で生物処理した後に、前記後工程用装置で処理を行い;電力または用水が限られる特別時には、前記原水を前記分離シートでろ過処理した後に、前記後工程用装置で処理を行うように、前記特別時のフローと前記平常時のフローとを切り替える、水処理装置。
  2. 前記後工程用装置として前記限外ろ過膜を備えるろ過装置および前記殺菌装置を有し、
    前記水処理装置が前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続されて前記前工程用装置を通過した一次処理水を前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に供給するための第3配管と前記殺菌装置に接続されて前記一次処理水を前記殺菌装置に供給するための第4配管と;前記一次処理水が前記第3配管および前記第4配管のいずれか一方を通過するように切換えるための切換部材とを有する、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記分離シートの上流に位置して前記原水に凝集剤を添加する第1の凝集剤添加装置、および、
    前記分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加する第2の凝集剤添加装置のうち少なくとも一方を有する、請求項1または2に記載の水処理装置。
  4. 前記分離シートの上流に位置して前記原水に凝集剤を添加する第1の凝集剤添加装置、
    前記分離シートを通過した水に無機凝集剤を添加する第2の凝集剤添加装置、および
    前記限外ろ過膜を備えるろ過装置を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 前記第1の凝集剤添加装置で添加する前記凝集剤が高分子凝集剤である、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 前記高分子凝集剤の添加率が4g/m以下である、請求項5に記載の水処理装置。
  7. 前記第2の凝集剤添加装置で添加する前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムである、請求項3〜6のいずれか一項に記載の水処理装置。
  8. 前記分離シートを備えるろ過装置が、前記分離シートを巻回してなる原反ロールと、前記原反ロールから前記分離シートを巻取ることができるように構成された巻取ロールとを有し、
    前記分離シートを備えるろ過装置が、前記原反ロールから前記巻取ロールへ前記分離シートを巻取りながら、前記原反ロールと前記巻取ロールとの間に存在する分離シートのいずれかの領域に前記原水を滴下する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水処理装置。
  9. 前記分離シートの巻取り速度が60m/分以下である、請求項8に記載の水処理装置。
  10. 前記分離シートを備えるろ過装置が前記分離シートの流れ方向に沿って位置する横壁を有し、
    前記横壁が前記分離シートの面よりも高い、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水処理装置。
  11. 処理流量が200m/日以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水処理装置。
  12. 前記分離シートが不織布である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水処理装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の水処理装置を用いて原水を連続的に処理する水処理方法であって、
    平常時に前記原水が前記第1配管を通過するように前記切換部材を切換え、
    電力または用水が限られる特別時に前記原水が前記第2配管を通過するように前記切換部材を切換える、水処理方法。
  14. 前記後工程用装置として、限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置を有し、
    前記水処理装置が前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続されて前記前工程用装置を通過した一次処理水を前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に供給するための第3配管と前記殺菌装置に接続されて前記一次処理水を前記殺菌装置に供給するための第4配管と;前記一次処理水が前記第3配管および前記第4配管のいずれか一方を通過するように切換えるための切換部材とを有し、
    前記平常時に前記前工程用装置を通過した一次処理水の少なくとも一部が前記第3配管を通過するように前記切換部材を切換える、請求項13に記載の水処理方法。
  15. 前記後工程用装置として、限外ろ過膜を備えるろ過装置および殺菌装置を有し、
    前記水処理装置が前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に接続されて前記前工程用装置を通過した一次処理水を前記限外ろ過膜を備えるろ過装置に供給するための第3配管と前記殺菌装置に接続されて前記一次処理水を前記殺菌装置に供給するための第4配管と;前記一次処理水が前記第3配管および前記第4配管のいずれか一方を通過するように切換えるための切換部材とを有し、
    前記特別時に前記前工程用装置を通過した一次処理水が前記第3配管を通過するように前記切換部材を切換える、請求項13に記載の水処理方法。
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