JP2016131958A - ベルト濾過装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、ベルト濾過装置に被処理水を供給する際に、被処理水とプール水面との衝突を防止することにより、フロック等の脆い固体の崩壊を抑制することである。
【解決手段】
上記課題を解決するために、固体を含有する被処理水を供給する供給管と、前記被処理水を溜めるプール部と、を備えたベルト濾過装置において、前記供給管の出口はプール部の水面よりも低いことを特徴とするベルト濾過装置を提供する。これにより、供給管の出口がプール部に水封されるため、被処理水とプール水面との衝突を防止することができる。
【選択図】図3
Description
本発明の課題は、ベルト濾過装置に被処理水を供給する際に、被処理水とプール水面との衝突を防止することにより、フロック等の脆い固体の崩壊を抑制することができるベルト濾過装置、及び、ベルト濾過装置の運転方法を提供することにある。
具体的には、以下のベルト濾過装置及びベルト濾過装置の運転方法である。
上記受槽により、ベルト状の濾材の幅方向に被処理水を分配することができる。更には、供給管の出口が堰の上端より低い位置に設置されているため、分配するために溜められた被処理水をプール部として利用して供給管の出口を水封することができる。
被処理水の水量が少ない場合には、大きなプール部を形成することができない。その場合、供給管から流れ落ちた被処理水は、濾材表面に直接供給されて濾材表面と衝突する。濾材表面との衝突では、プール水面との衝突より強い衝撃を受けるため、フロック等の崩壊が顕著である。供給管の出口の周囲に水封枠を配置することにより、供給管の出口に小さいプール部が形成されるため、被処理水の水量が少ない場合でも供給管の出口が水封される。これにより、被処理水と濾材表面との衝突を防止し、フロック等の崩壊を抑制することができる。
また、被処理水の水量が多い場合でも、大きなプール部に被処理水が溜まる前には、濾材表面やプール水面との衝突が生じている。水封枠を設けることにより、大きなプール部に被処理水が溜まる前に生じるフロック等の崩壊を抑制することができる。
これにより、供給管から流れ落ちた被処理水と、プール部の水面との衝突が防止され、フロック等の崩壊を抑制することができる。そのため、濾過処理において、優れた脱水効果を発揮することができる。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1の実施例のベルト濾過装置1aを示す概略説明図である。
例えば、ベルト濾過装置1aは、汚泥貯留槽、凝集剤溶解槽及び混和槽を備えた汚泥処理システム等に利用される。第1の実施例のベルト濾過装置1aは、汚泥フロックを重力濾過により濃縮する濾過部10、及び、濃縮汚泥を二枚の濾布に挟持して加圧脱水する加圧脱水部20を備えたベルトプレス脱水機である。
図2、3は、本発明の第1の実施例のベルト濾過装置1aに被処理水Wを供給する供給部の構造を示す概略説明図である。
第1の実施例のベルト濾過装置1aの濾過部10には、複数の支持ローラ3に支持されたベルト状の濾材2、濾材2の上部に設置された供給管4、濾材2の走行方向前方に向けて開口部6aを有するコ字状の受槽6、受槽6を濾材の下部から支持するための支持板7を備えている。さらに、受槽6は、開口部6aに堰6bを備え、濾材2と共に被処理水Wを溜めるためのプール部5aを形成している。
〔ベルト状の濾材〕
ベルト状の濾材2は、ベルト状の濾材が複数の支持ローラ3に支持されている。支持ローラは回転可能であり、濾材2が走行するように構成されている。被処理水Wは、濾材2に供給されると、濾材2が走行している間に濾液が落下し、濃縮された汚泥フロックが残渣として濾材2上に残り移送される。
ここで、本発明のベルト状の濾材は、略水平方向に走行するベルト状の濾過装置であればよく、例えば、ベルト状の濾布のほか、複数のパンチングプレートの無端コンベアや、複数のワイヤ又は金属プレートが隙間を空けて形成された無端コンベア等としてもよい。ベルト状の濾布は、柔らかいため被処理水Wが衝突した際に、衝突の衝撃を抑えることができる。これにより、運転開始時に生じる被処理水Wと濾材2との衝突によるフロックの崩壊を抑制することができる。更に、濾布は、軽量で取り扱いやすく、また、もう一つの無端ベルトと協働してベルトプレス脱水機等にも利用できる。
濾布の材質は、特に限定されないが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、綿、ステンレス等の金属メッシュが挙げられる。
供給管4は、ベルト状濾材2の上部に被処理水Wを供給するための管状部材である。第1の実施例では、供給管4の方向は垂直方向に設置されているが、どのような方向に設置してもよい。
供給管4の設置方向は、出口4aにおいて略水平とならないように設置することが好ましい。なお、略水平とならないとは、プール部の水面に対して5°以上の角度で設置することをいう。略水平に設置すると、プール部内への被処理水Wの流入方向に偏りが生じるため、プール部内にフロックの偏在が生じるからである。プール部へフロックを均等に流入させるという観点から、出口4aにおいて略垂直となるように設置することが特に好ましい。
水封しやすいという観点から、本発明の供給管4の出口4aの開口面は、水平方向に対して30°以下であることが好ましい。更に好ましくは、20°以下であり、特に好ましくは、10°以下である。
プール部は、被処理水を一時的に溜めて供給管4の出口4aを水封するための構成である。ここで、水封とは、出口4aを構成する供給管4の端部がすべてプール部の水面下にある状態をいう。
また、プール部の底面は、一時的に被処理水を溜めることができればよく、被処理水の通過を制限する板部材である。板部材は、孔を有していてもよいが、被処理水を溜めるという観点から無孔であることが好ましい。なお、枠体と底面は、一体となった容器でも、分離していてもよい。
なお、「出口4aが堰6bの上端よりも低く」とは、本発明の作用を鑑みれば、水封されるための構成である。そのため、「出口4aが堰6bの上端よりも低く」とは、出口4aの高さ位置が、堰6bの上端を超える被処理水Wの溢流の高さ以下であることを実質的に含むものである。
図4、5は、本発明の第2の実施例のベルト濾過装置1bの構造を示す概略説明図である。
第2の実施例のベルト濾過装置1bは、第1の実施例のベルト濾過装置1aのプール部5aに代えて、供給管4の出口4aの周囲に設けられた水封枠9によりプール部5bを形成した例である。水封枠9を設けることにより、供給管4の出口4aを水封するまでの時間を短くすることができる。
なお、「出口4aが水封枠9の円筒枠体の上端よりも低く」とは、第1の実施例のプール部5aと同様、出口4aの高さ位置が、水封枠9の円筒枠体の上端を超える被処理水Wの溢流の高さ以下であることを実質的に含むものである。
図6、7は、本発明の第3の実施例のベルト濾過装置1cの構造を示す概略説明図である。
第3の実施例のベルト濾過装置1cは、第1の実施例のベルト濾過装置1aのプール部5a、及び、第2の実施例のベルト濾過装置1bのプール部5bの両方を備えた例である。水封枠9により形成されたプール部5bにより、被処理水Wの供給開始時からプール部5aに被処理水が溜まるまでの間に、被処理水Wが濾材2と衝突することを防止し、さらに、プール部5aを設けることにより、被処理水Wを濾材2の幅方向に均等に分配することができる。なお、装置の各構成については、第1実施例及び第2実施例と同様である。
図8、9は、本発明の第4の実施例のベルト濾過装置1dの構造を示す概略説明図である。
第3の実施例のベルト濾過装置1dは、走行方向に向かって上昇するように傾斜した濾材2と、走行方向前方に開口部8aを有し、ベルト状の濾材2の幅と同等の幅を有するコ字状の受槽8により形成されたプール部5cを備えた装置である。
この実施例では、部品点数が少なく、簡素な構造により供給管4の出口4aを水封することができる。
Claims (4)
- 固体を含有する被処理水を供給する供給管と、
前記被処理水を溜めるプール部と、を備えたベルト濾過装置において、
前記供給管の出口はプール部の水面よりも低いことを特徴とするベルト濾過装置。 - 固体を含有する被処理水を供給する供給管と、
前記被処理水を溜めるプール部と、を備えたベルト濾過装置において、
前記プール部は、ベルト状の濾材の走行方向前方に堰を備えた受槽により形成され、
前記供給管の出口は前記堰の上端よりも低いことを特徴とするベルト濾過装置。 - 固体を含有する被処理水を供給する供給管と、
前記被処理水を溜めるプール部と、を備えたベルト濾過装置において、
前記プール部は、前記供給管の出口の周囲に配置した水封枠により形成されていることを特徴とするベルト濾過装置。 - 固体を含有する被処理水を供給する供給管と、
前記被処理水を溜めるプール部と、を備えたベルト濾過装置の運転方法において、
プール部の水面を前記供給管の出口よりも高く維持するよう運転するベルト濾過装置の運転方法。
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2015
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