JP3194941U - 濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトでありながら濾過効率が高く、維持管理も容易な濾過装置を提供する。【解決手段】水源から取水された原水を濾過する濾過装置10であって、濾過槽本体12内が垂直方向に配設された隔壁14によって第1濾過槽16と第2濾過槽18とに二分され、第1濾過槽16は、原水を一次濾過する上向流式濾過槽であり、第2濾過槽18は、一次濾過された一次処理水を二次濾過する緩速濾過槽であることを特徴とする。濾過槽本体12を第1濾過槽16と第2濾過槽18とに二分する隔壁14の上端縁の形状は特に限定されないが、Vノッチが形成されていることが好ましい。隔壁14の上端縁にVノッチを形成することによって、濾過速度の調整を容易に行うことが可能となる。【選択図】図1
Description
本考案は水源から取水された原水を濾過する濾過装置に関する。
従来の濾過装置として、緩速濾過装置や上向流式濾過装置が一般的である。緩速濾過装置は、上層に濾過砂層を設け、その下層に濾過砂利層を設けて、ゆっくりとした濾過速度で通水することによって濾過砂層に微生物を繁殖させて原水の濾過を行う濾過装置であり、比較的濁度の低い原水に適用される。
また、上向流式濾過装置は、粒度の粗い下層から粒度の細かい上層へ向けて通水することによって、濁度の大きなものは粒度の粗い濾過砂利層で捕捉し、濁度の小さなものは粒度の細かい濾過砂利層で捕捉する濾過装置である。濾過効率が高く、維持管理も容易である。
更に、これらの濾過方式を組み合わせた濾過装置も種々開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。特許文献1に開示された濾過装置は、U字型の槽体内に粒状濾材を充填して該濾材層内を原水が順次下向流、水平流、上向流で通水されるごとく構成し、濾材の洗浄機構として下向流部、上向流部を上向流で洗浄するための洗浄用ノズルをそれぞれ別個に水平流部内に配備したことを特徴とする。そして、当該濾過装置によると、濾過効率の向上が図られると共に、濾過装置の維持管理も容易である旨が記載されている。
また、特許文献2に開示された廃水浄化槽は、廃水供給用ポンプを介して上面側から一次処理水が供給されるように成した砂による濾過槽と、これと連なる所用段数の活性炭による濾過槽とを、浄化槽本体の内部に画設し、上記砂による濾過槽とこれに隣接する活性炭による濾過槽とは、互いに底部において連通するように構成すると共に、当該活性炭による濾過槽と他の活性炭による濾過槽とは、各々の上面又は底面において連通させることにより、連続且つ一路状の濾過路を形成するように構成して成ることを特徴とする。そして、当該廃水浄化槽によると、濾過能力の高い濾過装置を低コストで提供することができる旨が記載されている。
しかしながら、従来の緩速濾過装置では、濾過水量が低下してくると上層の濾過砂層の掻き取り作業を行う必要があるため、維持管理が煩雑である。また、原水の濁度が高い場合には適用できず、濾過速度が低いため処理能力を向上するためには広い面積と濾過砂の入れ替えが常に必要となる。
また、上向流式濾過装置は、濾過効率が高い反面、装置本体が大型化する傾向にあり、既製品での最小対応人数が25〜30人程度であるため、小規模集落(5〜15人程度)においては設置コストがかかる。従って、装置本体の高さを極力抑えたコンパクトで安価な濾過装置が求められている。
更に、特許文献1や特許文献2に開示された濾過装置等によると、濾過能力の向上は図られるものと思料する。しかしながら、特許文献1に開示された濾過装置では、原水をまず下向流で濾材層に通水するため、上記の緩速濾過装置と同様、濁度が高い原水の場合には適用が困難となる虞があり、濁度が高い原水を濾過した場合、頻繁な洗浄作業が必要となり、維持管理が煩雑になる虞もある。
また、特許文献2に開示された廃水浄化槽も、廃水供給用ポンプを介して砂による濾過槽の上面側から一次処理水が供給されるように構成されているため、特許文献1に開示された濾過装置と同様、濁度が高い原水への適用問題や維持管理の問題があると共に、装置自体も非常に大きい。
そこで本願考案者は、上記の問題点に鑑み、コンパクトでありながら濾過効率が高く、維持管理も容易な濾過装置を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本考案に至ったのである。
即ち、本考案は、水源から取水された原水を濾過する濾過装置であって、濾過槽本体内が垂直方向に配設された隔壁によって第1濾過槽と第2濾過槽とに二分され、第1濾過槽は、原水を一次濾過する上向流式濾過槽であり、第2濾過槽は、一次濾過された一次処理水を二次濾過する緩速濾過槽であることを特徴とする。
また、本考案の濾過装置において、前記隔壁の上端縁にVノッチが形成されていることを特徴とする。
更に、本考案の濾過装置において、前記第1濾過槽及び前記第2濾過槽に敷設された濾材層内にそれぞれ逆洗管が配設されていることを特徴とする。
本考案によると、コンパクトでありながら濾過効率が高く、維持管理も容易な濾過装置を提供することができる。
また、本考案の濾過装置において、前記隔壁の上端縁にVノッチが形成されていることによって、濾過速度の調整を容易に行うことが可能である。
更に、本考案の濾過装置において、前記第1濾過槽及び前記第2濾過槽に敷設された濾材層内にそれぞれ逆洗管が配設されることによって、濾材層の定期的な洗浄を容易に行うことができ、維持管理が容易であると共に、維持管理コストの低減を図ることができる。
以下、本考案の濾過装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本考案の一実施形態に係る濾過装置10の横方向断面図(図4中、X−X断面図)、図2は図1に示した濾過装置10に係るA−A断面図、図3は図1に示した濾過装置10に係るB−B断面図である。これらの図に示した本実施形態に係る濾過装置10は、山間部の谷川等の水源から取水された表流水を濾過する濾過装置であって、濾過槽本体12内が垂直方向に配設された隔壁14によって第1濾過槽16と第2濾過槽18とに二分され、第1濾過槽16は、原水を一次濾過する上向流式濾過槽であり、第2濾過槽18は、一次濾過された一次処理水を二次濾過する緩速濾過槽であることを特徴とする。
本考案の濾過装置10に係る濾過槽本体12は、図1及び図4から図6の平面図に示すように、直方体形状をなすステンレス鋼製の箱体である。そして、濾過槽本体12内は、垂直方向に配設された隔壁14によって第1濾過槽16と第2濾過槽18とに二分されている。
第1濾過槽16は原水を一次濾過する上向流式濾過槽であって、この第1濾過槽16には、図1及び図2に示すように、底板20上に角鋼22、22が配設され、この角鋼22、22間に連子状の濾材受台24(図6参照)が架け渡されている。従って、濾材受台24の下方に所望の空間が形成されることとなる。なお、濾材受台24の下方に所望の空間を確保できる構成であれば、本実施形態のような角鋼22、22の配設に限定されるものではない。
また、第1濾過槽16の下方には、濾材受台24の下方に形成された空間に原水を導水するための流入管30と、第1濾過槽16の下方に堆積した汚泥を排出するための排泥管32が配設されている。
そして、濾材受台24の上方には、濾材層40が設けられている。具体的には、濾材層40は粒径の異なる濾材を積層した3層構造をなしており、本実施形態では、最下層が粒径20〜25mmの濾過砂利層40a、その上層が粒径10〜15mmの濾過砂利層40b、更にその上層が粒径3〜5mmの濾過砂利層40cの3層で濾材層40が構成されている。流入管30から第1濾過槽16内へ流入した原水は、この濾材層40を下方から上方へ通水されることによって一次濾過される。
更に、本実施形態では、第1濾過槽16に設けられた濾材層40を構成する濾過砂利層40b内に逆洗管26が配設されている。逆洗管26を予め濾材層40内に配設しておくことによって、濾材層40の定期的な洗浄を容易に行うことができ、維持管理の容易化が図られると共に、維持管理を容易とすることによって維持管理コストの低減を図ることができる。
一方、本実施形態の濾過装置10に係る第2濾過槽18は、一次濾過された一次処理水を二次濾過する緩速濾過槽であって、この第2濾過槽18には、図1及び図3に示すように、底板20上に角鋼23、23が配設され、この角鋼23、23間に連子状の濾材受台25(図6参照)が架け渡されている。従って、濾材受台25の下方に所望の空間が形成されることとなる。なお、濾材受台25の下方に所望の空間を確保できる構成であれば、本実施形態のような角鋼23、23の配設に限定されるものではない。
濾材受台25の上方には、濾材層50が設けられている。具体的には、濾材層50は粒径の異なる濾材を積層した4層構造をなしており、本実施形態では、最下層が粒径20〜25mmの濾過砂利層50a、その上層が粒径10〜15mmの濾過砂利層50b、更にその上層が粒径3〜5mmの濾過砂利層50c、そして最上層が濾過砂層50dの4層で濾材層50が構成されている。第1濾過槽16によって一次濾過された一次処理水は隔壁14を越流して第2濾過槽18へ流入し、この一次処理水が濾材層50を上方から下方へ通水されることによって二次濾過される。
また、第2濾過槽18の下方には、濾材受台25の下方に形成された空間から二次濾過された二次処理水を濾過槽本体12外へ流出させるための流出管31と、第2濾過槽18の下方に堆積した汚泥を排出するための排泥管33が配設されている。
更に、本実施形態では、第1濾過槽16に係る逆洗管22と同様、第2濾過槽18に設けられた濾材層50を構成する濾過砂利層50b内に逆洗管27が配設されている。逆洗管27を予め濾材層50内に配設しておくことによって、濾材層50の定期的な洗浄、特に濾材層50を構成する濾過砂層50dの洗浄を容易に行うことができ、維持管理の容易化及び維持管理コストの低減を図ることができる。
また、第2濾過槽18の上方の側壁には、溢流孔34が設けられている。この溢流孔34は、第2濾過槽18への一次処理水の流入量が増加した場合に一次処理水を第2濾過槽18外へ排出する機能と、第1濾過槽16及び第2濾過槽18に配設された逆洗管22、23から噴出される洗浄水によって濾材層40、50を洗浄した際に巻き上げられた汚泥を濾過槽本体12外へ排出する機能を備える。
以上の構成を備える本実施形態の濾過装置10によると、山間部の谷川等の水源から取水された表流水(原水)を容易且つ低コストで濾過することが可能である。具体的には、原水を流入管30から濾過槽本体12に係る第1濾過槽16内へ導水する。第1濾過槽16は上向流式濾過槽であり、第1濾過槽16内へ導水された原水は、第1濾過槽16に係る濾材層40を下方から上方へ通水されることによって一次濾過される。
原水を濾材層40で一次濾過することによって得られた一次処理水は隔壁14を越流し、濾過槽本体12に係る第2濾過槽18へ流入する。第2濾過槽18は緩速濾過槽であり、隔壁14を越流した一次処理水は、第2濾過槽18に係る濾材層50を上方から下方へ通水されることによって二次濾過される。そして、二次濾過された二次処理水は、流出管31から第2濾過槽18外(濾過槽本体12外)へ流出することとなる。
以上のように、本実施形態の濾過装置10によると、上向流式濾過方式と緩速濾過方式とを併用することによって、濾過槽本体12をコンパクトにしつつ、高効率な濾過処理を実現することができる。特に、原水の一次濾過を上向流式濾過槽である第1濾過槽16で行うことによって、濁度が高い原水にも適用することが可能である。
また、一次濾過された一次処理水の濾過を緩速濾過槽である第2濾過槽18で行うことによって、第1濾過槽16のみでは濾過できなかった一次処理水を更に濾過することができ、濾過能力の向上を図ることができる。
更に、濁度が高い原水に適用した場合であっても、原水は第1濾過槽16で一次濾過されているため、第2濾過槽18に係る濾材層50の負担を軽減することができ、濾材層50に係る濾過砂層50dの目詰まり軽減や洗浄作業の負担軽減が図られ、維持管理の容易化が実現できる。
また、濾過装置10の濾過能力が低下した場合には、濾材層40、50に配設されている逆洗管22、23を使用して濾材層40、50の洗浄を簡便に行うことができる。そして、第1濾過槽16及び第2濾過槽18の下方に沈殿した汚泥は排泥管32、33から容易に排出でき、逆洗管22、23による洗浄によって濾材層40、50の上方へ巻き上げられた汚泥は溢流孔34から濾過槽本体12外へ排出することができ、維持管理が非常に容易である。
以上に例示した本考案の一実施形態に係る濾過装置10は、本考案の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、本実施形態の濾過装置10に係る濾過槽本体12を第1濾過槽16と第2濾過槽18とに二分する隔壁14の上端縁の形状は特に限定されないが、図2に示すようにVノッチ36が形成されていることが好ましい。隔壁14の上端縁にVノッチ36を形成することによって、濾過速度の調整を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態の濾過装置10に係る濾過槽本体12の上面には、図1や図4等に示すように、金網蓋38を設置することが好ましい。金網蓋38を設置することによって、濾過装置10に係る濾過槽本体12内へ枯れ葉等のゴミが入るのを防止できると共に、第1濾過槽16及び第2濾過槽18の状況を目視にて確認することができる。本考案は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
10:濾過装置
12:濾過槽本体
14:隔壁
16:第1濾過槽
18:第2濾過槽
20:底板
22,23:角鋼
24,25:濾材受台
26,27:逆洗管
30,31:流入管
32,33:排泥管
34:溢流孔
36:Vノッチ
38:金網蓋
12:濾過槽本体
14:隔壁
16:第1濾過槽
18:第2濾過槽
20:底板
22,23:角鋼
24,25:濾材受台
26,27:逆洗管
30,31:流入管
32,33:排泥管
34:溢流孔
36:Vノッチ
38:金網蓋
Claims (3)
- 水源から取水された原水を濾過する濾過装置であって、
濾過槽本体内が垂直方向に配設された隔壁によって第1濾過槽と第2濾過槽とに二分され、
第1濾過槽は、原水を一次濾過する上向流式濾過槽であり、
第2濾過槽は、一次濾過された一次処理水を二次濾過する緩速濾過槽であることを特徴とする濾過装置。 - 前記隔壁の上端縁にVノッチが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
- 前記第1濾過槽及び前記第2濾過槽に敷設された濾材層内にそれぞれ逆洗管が配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の濾過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005335U JP3194941U (ja) | 2014-10-07 | 2014-10-07 | 濾過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005335U JP3194941U (ja) | 2014-10-07 | 2014-10-07 | 濾過装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3194941U true JP3194941U (ja) | 2014-12-18 |
Family
ID=52145928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014005335U Active JP3194941U (ja) | 2014-10-07 | 2014-10-07 | 濾過装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3194941U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108543338A (zh) * | 2018-04-03 | 2018-09-18 | 安徽睿知信信息科技有限公司 | 一种生活污水处理装置 |
-
2014
- 2014-10-07 JP JP2014005335U patent/JP3194941U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108543338A (zh) * | 2018-04-03 | 2018-09-18 | 安徽睿知信信息科技有限公司 | 一种生活污水处理装置 |
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