JP6801364B2 - 懸垂式スタッカクレーン - Google Patents

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Description

本発明は、懸垂式スタッカクレーンに関し、特に、周回ルートを有し上方に配置された軌道に沿って移動する懸垂式スタッカクレーンに関する。
従来の自動倉庫は、複数のラックを有している。各ラックは、並列に並んで配置されており、延伸方向及び上下方向に並んだ複数の棚を有している。
また、自動倉庫は、ラックの棚に荷物を下ろす又はラックの棚から荷物を積み込むための搬送装置として、スタッカクレーンを有している。スタッカクレーンは、レールに沿って走行する走行装置と、移載装置と、移載装置を上下方向に移動させる昇降装置とを有している。レールの一部はラックの側方に並んで配置されており、スタッカクレーンは、ラックの側方において目的の棚の近傍に移載装置を配置して、その状態で荷物を移載する(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−104614号公報
特許文献1に記載のスタッカクレーン2のマスト10は、下部台車4に対してピン22によって走行方向に揺動自在に取り付けられている。これにより、上下の台車4、5の走行方向位置がずれた場合に、台車4、5とマスト10の接続部に大きな力が作用しない。
しかし、特許文献1には、懸垂式スタッカクレーンにおいて各接続部に作用する力の問題を解消する提案はされていない。
本発明の目的は、懸垂式スタッカクレーンにおいて、荷重による接続部の損傷を生じにくくすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る懸垂式スタッカクレーンは、周回ルートを有し上方に配置された軌道に沿って移動する。懸垂式スタッカクレーンは、上部走行台車と、マストと、昇降台と、移載装置と、第1ピン支持部とを備えている。
上部走行台車は、走行方向に並んで配置された複数の駆動台車と、複数の駆動台車をボギー連結するボギー連結部とを有する。
マストは、ボギー連結部から吊り下げられている。
昇降台は、マストに沿って昇降する。
移載装置は、昇降台に設けられ、走行方向に直交する水平方向に移載動作を行う。
第1ピン支持部は、上部走行台車に対して、走行方向と平行な水平軸回りに回動自在になるようにマストをピン支持する。
このスタッカクレーンでは、移載装置が移載動作を行うと、昇降台に対して走行方向に直交する水平方向に荷重が作用する。すると、マストは第1ピン支持部によって上部走行台車に対して走行方向と平行な水平軸回りに回動し、つまりマストは移載装置の進出方向に揺動する。この結果、マストと上部走行台車との接続部に対して過大な荷重が作用しない。また、左右の走行車輪にバランスよく荷重が作用する。
ボギー連結部は、走行方向前後2台の駆動台車をボギー連結する一対の第1のボギーと、一対の第1のボギー同士をボギー連結する第2のボギーとを有していてもよい。
第1ピン支持部は、駆動台車の下部と第1のボギーの上部を連結する第1ピン支持構造を有していてもよい。
このスタッカクレーンでは、第1ピン支持構造によって、移載動作による荷重が第1ボギーから駆動台車に伝達されにくい。
第2のボギーは、走行に延びるボギー部材と、ボギー部材から下方に延びる上側連結部材と、上側連結部材の下方に配置された下側連結部材とを有していてもよい。
第1ピン支持部は、上側連結部材と下側連結部材を連結する第2ピン支持構造を有していてもよい。
このスタッカクレーンでは、第2ピン支持構造によって、移載動作による荷重が下側連結部材から上側連結部材に伝達されにくい。
懸垂式スタッカクレーンは、第2ピン支持部をさらに備えていてもよい。第2ピン支持部は、マストを上部走行台車に対して走行方向と直交する水平軸回りに回動自在にピン支持する。
このスタッカクレーンでは、第2ピン支持部によって、マストは上部走行台車に対して走行方向にも揺動自在となり、それによりボギー連結を含めて3軸で揺動自在となる。この結果、各接続部に対して過大な荷重が作用しない。
第2ピン支持部は、第1のボギーの中央でかつ第2のボギーよりも上部に設けられる第3ピン支持構造を有していてもよい。
このスタッカクレーンでは、第3ピン支持構造によって第1のボギーと第2のボギーが走行方向に揺動自在となることで、走行方向に並んだ走行車輪に荷重をバランスよく作用させることができる。
第2ピン支持部は、第2のボギーの中央でかつマストよりも上部に設けられる第4ピン支持構造を有していてもよい。
このスタッカクレーンでは、第4ピン支持構造によって第2のボギーとマストが走行方向に揺動自在となることで、走行方向に並んだ走行車輪に荷重をバランスよく作用させることができる。
本発明に係る懸垂式スタッカクレーンでは、荷重による接続部の損傷を生じにくくなる。
本発明の一実施形態が採用された自動倉庫の概略平面図。 自動倉庫の概略正面図。 スタッカクレーンの概略平面図。 スタッカクレーンの斜視図。 スタッカクレーンの上部の斜視図。 駆動台車の斜視図。 ボギー構造の概略構成を示す概略側面図。 スタッカクレーンの上部の接続構造を示す側面図。 自動倉庫の制御構成を示すブロック図。
1.第1実施形態
(1)自動倉庫
図1及び図2を用いて、自動倉庫1を説明する。図1は、本発明の一実施形態が採用された自動倉庫の概略平面図である。図2は、自動倉庫の概略正面図である。
自動倉庫1は、複数のラック5を有している。ラック5は、複数段の棚5aを有している。複数のラック5は、図1において、左右方向に延びて並列的に配置されている。棚5aは、図2に示すように、集品棚部材25又はパレットP(以下、「荷物」ということもある)を収納可能である。パレットPには、容器23又は段ボール箱28が載置される。
集品棚部材25は、複数段の支持部を有する棚構造を有しており、複数の容器23及び段ボール箱28を収納可能である。容器23は、商品を収納可能な部材である。なお、集品棚部材25の底面はパレットPの底面と同様の構造を有しており、それによりスタッカクレーン11によって支持及び搬送される。また、図1においてはアルファベットが付されているのは、ラック5に収納されたパレットPである。また、図示しない別のラック5には容器23や段ボール箱28が収納されている。
自動倉庫1は、ラック5に沿って設けられた天井レール7(軌道の一例)を有している。具体的には、天井レール7は、ラック5の間の通路5bの上方に配置されている。天井レール7は、ラック5より高い位置、すなわち、複数段の棚5aより高い位置に設けられている。また、天井レール7は、平面レイアウトにおいて、曲線部を有する複数の周回ルートを有しており、さらに分岐部、合流部を有している。
自動倉庫1は、ラック5に沿って設けられた下部ガイドレール9を有している。具体的には、下部ガイドレール9は、ラック5の間の通路5bの床面に配置されている。
自動倉庫1は、懸垂式スタッカクレーン11(以下、「スタッカクレーン11」という)を有している。「懸垂式」とは、上部構造が、走行及び分岐を行い、さらには下部構造を懸垂していることをいう。スタッカクレーン11は、図2に示すように、天井レール7から懸垂した状態で走行する。
なお、スタッカクレーン11の走行方向を「走行方向」として、図では矢印Xで表す。さらに、走行方向に直交する水平方向を「左右方向」として、図では矢印Yで表す。
図1及び図3に示すように、スタッカクレーン11は、上部走行台車12を有している。上部走行台車12は、駆動力を発生することで天井レール7に沿って走行する装置である。上部走行台車12は、走行方向に並んで配置された複数の駆動台車13を有している。この実施形態では、駆動台車13は8台設けられている。図3は、スタッカクレーンの概略平面図である。
スタッカクレーン11は、複数の駆動台車13に対して昇降可能に吊り下げられた移載装置15を有している。移載装置15は、集品棚部材25又はパレットPを移載可能である。移載装置15は、例えば、スライドフォーク式の装置である。
なお、図2に示すように、スタッカクレーン11は、下部走行台車17を有している。下部走行台車17は、下部ガイドレール9に沿って案内される。
(2)スタッカクレーン
図4及び図5を用いて、スタッカクレーン11を詳細に説明する。図4は、スタッカクレーンの斜視図である。図5は、スタッカクレーンの上部の斜視図である。
図4及び図5に示すように、8台の駆動台車13は、走行方向に並んで配置されている。さらに、駆動台車13は、図3及び図7に示すように、ボギー構造29(ボギー連結部の一例)を有している。
ボギー構造29によって、スタッカクレーン11は、周回軌道のカーブを安定して走行できる。ボギー構造29の詳細は後述する。
スタッカクレーン11は、走行方向すなわち前後方向に並んだ一対のマスト31を有している。一対のマスト31は、上下方向に長く延びている。
スタッカクレーン11は、走行方向に延びて一対のマスト31の上端同士を連結する上側ベース部材33を有している。具体的には、一対のマスト31の上端には昇降フレーム45(後述)が固定されており、上側ベース部材33は昇降フレーム45同士を連結している。
スタッカクレーン11は、走行方向に延びて一対のマスト31の下端同士を連結する下側ベース部材34を有している。
一対のマスト31の上下両端は、図7に示すように、ピン47、49によって他の部材に支持されている。具体的には、一対のマスト31の上端は、昇降フレーム45(後述)に対して、ピン47によって支持されている。また、一対のマスト31の下端は、下側ベース部材34に対して、ピン49によって支持されている。ピン47、49は左右方向に延びており、そのため一対のマスト31は走行方向に揺動可能になっている。以上に述べた構造によって、制振制御と機体重量低減が実現される。
スタッカクレーン11は、移載装置15を昇降させるための昇降装置35を有している。昇降装置35は、マスト31に支持された昇降台37と、昇降台37を昇降させるための昇降部39とを有している。昇降部39は、一対のマスト31それぞれに設けられている。昇降部39は、昇降駆動モータ40、チェーン41、スプロケット46などからなる公知の装置である。
昇降部39は、昇降フレーム45を有している。昇降駆動モータ40及びスプロケット46は、昇降フレーム45に固定されている。昇降フレーム45は、マスト31の上端に連結されており、マスト31の一部となっている。さらに、前述のように、昇降フレーム45には上側ベース部材33が固定されている。
移載装置15は、昇降台37に設けられている。移載装置15は、左右方向に荷物を移動させて荷物を棚との間で移載する。
一対のマスト31の一方の下部には、制御盤43が設けられている。
なお、この実施形態では、4台の駆動台車13が走行方向前側のマスト31に対応して配置されており、4台の駆動台車13が走行方向後側のマスト31に対応して配置されている。特に、4台の駆動台車13の走行方向中心がスプロケット46の中心に対応するように、4台の駆動台車13が配置されている。以上の構成により、昇降台37及びマスト31から作用する荷重を駆動台車13が均等に支持できる。
(3)駆動台車
図6を用いて、駆動台車13を説明する。図6は、駆動台車の斜視図である。
駆動台車13は、車軸シャフト51を有している。車軸シャフト51は、左右方向に延びている。
駆動台車13は、走行車輪53を有している。走行車輪53は、車軸シャフト51の両端に回転自在に装着されている。走行車輪53は、天井レール7の走行壁の上に置かれている。
駆動台車13は、ブラケット(図示せず)を有している。ブラケットは、車軸シャフト51の中央部つまり一対の走行車輪53の間に配置されて、固定されている。これにより車軸シャフト51はブラケットに対して回転不能に支持される。
駆動台車13は、リニアモータ69を有している。リニアモータ69は、天井側に設けられたマグネットレールの永久磁石(図示せず)に対向するコイルからなる。リニアモータ69はブラケット55に装着されている。
駆動台車13は、磁極センサ101を有している。磁極センサ101は駆動台車13の走行位置を検出するためのセンサである。
駆動台車13は、サイドガイドローラ59を有している。サイドガイドローラ59は、天井レール7の側壁の内側面によってガイドされる。サイドガイドローラ59は、ブラケットに装着されている。この実施形態ではサイドガイドローラ59は、走行方向に並んで一対ずつ設けられ、合計4個である。
駆動台車13は、分岐合流切替装置61を有している。分岐合流切替装置61は、周回軌道において分岐・合流地点において走行経路を選択するための装置である。分岐合流切替装置61は、分岐切替ローラ63を有している。この実施形態では分岐切替ローラ63は、走行方向に並んで一対ずつ設けられ、合計4個である。分岐切替ローラ63は、サイドガイドローラ59の上方に配置されている。分岐切替ローラ63同士の左右方向の距離は、サイドガイドローラ59同士の左右方向の距離より短い。分岐切替ローラ63同士は、プレート65によって連結されており、プレート65は、左右方向にスライド可能である。分岐合流切替装置61は、プレート65をスライド駆動するための動力を発生するモータ68を有している。
上述したように駆動台車13及び駆動台車13の各々に分岐切替ローラ63及びリニアモータ69が設けられているので、駆動台車13の数の増減への対応が容易になる。また、駆動台車13ごとを制御できるので、制御が容易かつ正確になる。
(4)ボギー構造
図7を用いて、ボギー構造29を詳細に説明する。図7は、ボギー構造の概略構成を示す概略側面図である。
ボギー構造29は、スタッカクレーン11の荷重支持部分を構成しており、複数段階のボギーを有している。この実施形態では、ボギー構造29は、3段ボギーである。つまり、2台の駆動台車13をボギー構造とし、さらにボギー構造とすることで4台の駆動台車13のボギー構造とし、さらにボギー構造とすることで8台の駆動台車のボギー構造としている。以下、ボギー構造29を詳細に説明する。
ボギー構造29は、駆動台車13から下方に延びる駆動台車シャフト13aが回動自在に支持される第1ボギー部材201を有している。駆動台車シャフト13aの下端は、第1ボギー部材201に回動自在に支持されており、第1ボギー部材201の荷重を支持するようになっている。第1ボギー部材201は、走行方向に延びており、走行方向両端に駆動台車シャフト13aが回動自在に支持されている。つまり、第1ボギー部材201は、一対の駆動台車13をそれぞれ回動自在に支持している。このようにして、スタッカクレーン11では、一対の駆動台車13ごとに1段目ボギー構造205が実現されており、その数は合計4個である。
さらに、ボギー構造29は、第1ボギー部材201から下方に延びる第1シャフト201aが回動自在に支持される第2ボギー部材203を有している。第1シャフト201aの下端は、第2ボギー部材203に回動自在に支持されており、第2ボギー部材203の荷重を支持するようになっている。第2ボギー部材203は、走行方向に延びており、走行方向両端に第1シャフト201aが回動自在に支持されている。つまり、第2ボギー部材203は、一対の第1ボギー部材201を回動自在に支持している。
このようにして、スタッカクレーン11では、一対の第1ボギー部材201ごとに2段目ボギー構造207が実現されており、その数は合計2個である。
さらに、ボギー構造29は、一対のマスト31の上端において、第2ボギー部材203から下方に延びる第2シャフト203aが回動自在に支持される支持部45aを有している。第2シャフト203aの下端は、支持部45aに回動自在に支持されており、支持部45aの荷重を支持するようになっている。つまり、支持部45aは、一対の第2ボギー部材203を回動自在に支持している。このようにして、スタッカクレーン11では、第2ボギー部材203ごとに3段目ボギー構造209が実現されている。なお、支持部45aと上側ベース部材33とで、3段目ボギー構造209が構成されている。
上記のボギー構造29によって、複数の駆動台車13が天井レール7の曲線部を走行するときに、各駆動台車13が適切な方向を向くことができ、そのためスムーズに走行できる。
(5)スタッカクレーンの上部の接続構造
図8を用いて、スタッカクレーン11の上部の接続構造を説明する。図8は、スタッカクレーンの上部の接続構造を示す側面図である。
最初に、第1ピン支持部70を説明する。第1ピン支持部70は、上部走行台車12に対して、走行方向と平行な水平軸回りに回動自在になるようにマスト31をピン支持する。移載装置15が移載動作を行うと、昇降台37に対して左右方向に荷重が作用する。すると、マスト31は第1ピン支持部70によって上部走行台車12に対して走行方向と平行な水平軸回りに回動し、その結果マスト31は移載装置15の進出方向に揺動する。この結果、マスト31と上部走行台車12との接続部に対して過大な荷重が作用しない。また、左右の走行車輪53にバランスよく荷重が作用する。
具体的には、第1ピン支持部70は、第1ピン支持構造71と第2ピン支持構造73とを有している。
第1ピン支持構造71は、駆動台車シャフト13aに設けられ、駆動台車13の下部と第1ボギー部材201の上部を連結している。そのため、移載装置15が移載動作を行うと、昇降台19に対して左右方向に荷重が作用する。すると、マスト31は第1ピン支持構造71によって上部走行台車12に対して走行方向と平行な水平軸回りに回動し、つまりマスト31は移載装置15の進出方向に揺動する。この結果、移載動作による荷重が第1ボギー部材201から駆動台車13に伝達されにくく、つまりマスト31と上部走行台車12との接続部に対して過大な荷重が作用しない。また、左右の走行車輪53にバランスよく荷重が作用する。
第2ボギー部材203の第2シャフト203aは、本体から下方に延びる上側連結部材87と、上側連結部材87の下方に配置された下側連結部材89とを有している。 第2ピン支持構造73は、上側連結部材87と下側連結部材89との間に設けられている。この場合、移載動作による荷重が下側連結部材89から上側連結部材87に伝達されにくい。
次に、第2ピン支持部75を説明する。第2ピン支持部75は、上部走行台車12に対して、走行方向と直交する水平軸回りに回動自在になるようにマスト31をピン支持する。第2ピン支持部75によって、マスト31は、上部走行台車12に対して走行方向にも揺動自在となり、それによりボギー連結を含めて3軸で揺動自在となる。この結果、スタッカクレーン11の上側接続部に対して過大な荷重が作用しない。
具体的には、第2ピン支持部75は、第3ピン支持構造77と第4ピン支持構造79とを有している。
第3ピン支持構造77は、第1ボギー部材201の中央でかつ第2ボギー部材203よりも上部に設けられている。これにより、第1ボギー部材201と第2ボギー部材203が走行方向に揺動自在となる。したがって、走行方向に並んだ走行車輪53に荷重をバランスよく作用させることができる。
第4ピン支持構造79は、第2ボギー部材203の中央でかつマスト31よりも上部に設けられている。これにより、第2ボギー部材203とマスト31が走行方向に揺動自在となる。したがって、走行方向に並んだ走行車輪53に荷重をバランスよく作用させることができる。
(6)自動倉庫の制御構成
図9を用いて、自動倉庫1の制御構成を説明する。図9は、自動倉庫の制御構成を示すブロック図である。
スタッカクレーン11は、コントローラ81を有している。コントローラ81は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ81は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ81は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ81の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ81を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、コントローラ81の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
コントローラ81には、図示しないが、荷物の大きさ、形状及び位置検出するセンサ、スタッカクレーン11の各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
コントローラ81は、スタッカクレーン11の各駆動台車13の動作を制御する。コントローラ81には、各駆動台車13のリニアモータ69及び分岐合流切替装置61が接続されている。さらに、コントローラ81には、移載装置15及び昇降装置35が接続されており、コントローラ81は、それらに駆動信号を送信可能である。
なお、走行状態に関する情報を検出するためのセンサは、各駆動台車13に設けられている。以上より、コントローラ81は、走行駆動、分岐切替などについて、各駆動台車13の個々の位置に基づいて適したタイミング・能力を制御できる。
コントローラ81は、上位コントローラ83と交信可能である。上位コントローラ83は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。上位コントローラ83は、自動倉庫1全体を制御し、特に、スタッカクレーン11による容器23及び集品棚部材25の移載と搬送、及びこれらによる出庫物品の荷揃えを制御する。上位コントローラ83は、スタッカクレーン11を管理し、これらに走行指令又は搬送指令を割り付ける割り付け機能を有している。なお、「搬送指令」は、走行指令、及び荷つかみ位置と荷おろし位置を含む移載指令を含んでいる。
(7)マストユニット
以上に述べたように、各マスト31には、昇降駆動モータ40及びスプロケット46が装着されており、全体でマストユニット42を構成している。そして、一対のマストユニット42は、上側ベース部材33及び下側ベース部材34によって互い連結されていることになる。
したがって、上側ベース部材33及び下側ベース部材34を交換するだけで、一対のマストユニット42の走行方向間隔変更でき、つまりスタッカクレーン11のサイズを変更できる。このように一対のマストユニット42を共通部分とすることで、荷物に応じてスタッカクレーンの構成を変化させてもコストを抑えることができる。
2.実施形態の特徴
懸垂式スタッカクレーン11(懸垂式スタッカクレーンの一例)は、周回ルートを有し上方に配置された天井レール7(軌道の一例)に沿って移動する。スタッカクレーン11は、上部走行台車12(上部走行台車の一例)と、マスト31(マストの一例)と、昇降台37(昇降台の一例)と、移載装置15(移載装置の一例)と、第1ピン支持部70(第1ピン支持部の一例)とを備えている。
上部走行台車12は、走行方向に並んで配置された複数の駆動台車13(駆動台車の一例)と、複数の駆動台車13をボギー連結するボギー構造29(ボギー連結部の一例)とを有する。
マスト31は、ボギー構造29から吊り下げられている。
昇降台37は、マスト31に沿って昇降する。
移載装置15は、昇降台37に設けられ、走行方向に直交する水平方向に移載動作を行う。
第1ピン支持部70は、上部走行台車12に対して、走行方向と平行な水平軸回りに回動自在になるようにマスト31をピン支持する。
このスタッカクレーン11では、移載装置15が移載動作を行うと、昇降台に対して走行方向に直交する水平方向に荷重が作用する。すると、マスト31は第1ピン支持部70によって上部走行台車12に対して走行方向と平行な水平軸回りに回動し、つまりマスト31は移載装置15の進出方向に揺動する。この結果、マスト31と上部走行台車12との接続部に過大な荷重が作用しない。また、左右の走行車輪53にバランスよく荷重が作用する。
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態では4種類のピン支持構造が適用されていたが、ピン支持構造の種類は1〜3又は4以上でもよい。
ボギー構造とピン支持構造との関係は前記実施形態に限定されない。
本発明は、周回ルートを有し上方に配置された軌道に沿って移動する懸垂式スタッカクレーンに広く適用される。
1 :自動倉庫
5 :ラック
5a :棚
5b :通路
7 :天井レール
9 :下部ガイドレール
11 :懸垂式スタッカクレーン
12 :上部走行台車
13 :駆動台車
13a :駆動台車シャフト
15 :移載装置
17 :下部走行台車
19 :昇降台
22 :ピン
23 :容器
25 :集品棚部材
28 :段ボール箱
29 :ボギー構造
31 :マスト
33 :上側ベース部材
34 :下側ベース部材
35 :昇降装置
37 :昇降台
39 :昇降部
40 :昇降駆動モータ
41 :チェーン
42 :マストユニット
43 :制御盤
45 :昇降フレーム
45a :支持部
46 :スプロケット
51 :車軸シャフト
53 :走行車輪
59 :サイドガイドローラ
61 :分岐合流切替装置
63 :分岐切替ローラ
65 :プレート
68 :モータ
69 :リニアモータ
70 :第1ピン支持部
71 :第1ピン支持構造
73 :第2ピン支持構造
75 :第2ピン支持部
77 :第3ピン支持構造
79 :第4ピン支持構造
81 :コントローラ
83 :上位コントローラ
201 :第1ボギー部材
201a :第1シャフト
203 :第2ボギー部材
203a :第2シャフト
205 :1段目ボギー構造
207 :2段目ボギー構造
209 :3段目ボギー構造

Claims (4)

  1. 周回ルートを有し上方に配置された軌道に沿って移動する懸垂式スタッカクレーンであって、
    走行方向に並んで配置された複数の駆動台車と、前記複数の駆動台車をボギー連結するボギー連結部とを有する上部走行台車と、
    前記ボギー連結部から吊り下げられたマストと、
    前記マストに沿って昇降する昇降台と、
    前記昇降台に設けられ、走行方向に直交する水平方向に移載動作を行う移載装置と、
    前記上部走行台車に対して、走行方向と平行な水平軸回りに回動自在になるように前記マストをピン支持する第1ピン支持部と、
    を備え、
    前記ボギー連結部は、走行方向前後2台の駆動台車をボギー連結する一対の第1のボギーと、前記一対の第1のボギー同士をボギー連結する第2のボギーとを有し、
    前記第1ピン支持部は、前記駆動台車の下部と前記第1のボギーの上部を連結する第1ピン支持構造を有しており、
    前記第2のボギーは、走行方向に延びるボギー部材と、前記ボギー部材から下方に延びる上側連結部材と、前記上側連結部材の下方に配置された下側連結部材とを有しており、
    前記第1ピン支持部は、前記上側連結部材と前記下側連結部材を連結する第2ピン支持構造を有している、懸垂式スタッカクレーン。
  2. 前記上部走行台車に対して、走行方向と直交する水平軸回りに回動自在に前記マストをピン支持する第2ピン支持部をさらに備えている、請求項に記載の懸垂式スタッカクレーン。
  3. 前記第2ピン支持部は、前記第1のボギーの中央でかつ前記第2のボギーよりも上部に設けられる第3ピン支持構造を有している、請求項に記載の懸垂式スタッカクレーン。
  4. 前記第2ピン支持部は、前記第2のボギーの中央でかつ前記マストよりも上部に設けられる第4ピン支持部を有している、請求項又はに記載の懸垂式スタッカクレーン。
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