JP6801248B2 - インクジェット記録装置用洗浄液及びセット - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置用洗浄液に関する。
色材として顔料を使用したインクジェット記録用水性インク(以下水性顔料インクと称する場合がある)は、オンデマンド印刷が可能であり、且つ顔料が有する優れた耐光性と、有機溶剤インクのような火災や変異原性などの危険性を低減できる等の複数の利点を有していることから、普通紙用途のみならず、コート紙やアート紙、塩化ビニルやポリエステル等のプラスチックフィルム、金属、あるいは布帛用途へと、その応用幅が広がっている。特に近年はプリントオンデマンド市場の成長に伴い、普通紙や、コート紙やアート紙、プラスチックフィルム等に対しての、平版印刷並みの印刷特性を要求されている。
印刷特性のうち耐水性や耐擦過性を向上させるために、水性顔料インク中にバインダー樹脂を添加する方法が行われている。しかしバインダー樹脂は、インクジェットヘッドの吐出口でインクが乾燥固化して樹脂皮膜を形成したり、あるいは著しく増粘したりして、不吐出や吐出曲がりの原因となる場合があった。
これら問題の防止策として、通常、インク洗浄液をインク流路内に供給し、排出する工程を繰り返すことでヘッドを洗浄する方法が行われる。また長期間の装置休止が想定される場合には予めインク流路内を洗浄液で置換する方法等も行われる。しかしながらその洗浄効果は使用する洗浄液に依存する。特に前述のバインダー樹脂を含む水性顔料インクは、従来ある洗浄液による洗浄では、固化や増粘した樹脂を十分溶解させることができず、通常の洗浄方法ではノズルを充分に洗浄することができない場合があった。
バインダー樹脂の溶解度を高める目的で、洗浄液に溶解力の高い有機溶剤を使用することも考えられるが、その場合、インク流路やヘッド内の部材を傷める恐れがあり、インクと接触した時にインク中の顔料を凝集させる恐れもある。
これに対し、特定量のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有するインクジェット記録用メンテナンス液や(例えば特許文献1参照)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを主成分とするインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液が知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながらアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有した洗浄液も比較的溶解力が高いため、時として、水性顔料インクと接触した際に顔料分散を破壊する恐れがあった。また3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含有した洗浄液は、逆に比較的溶解力が低いため、造膜性能の高いバインダー樹脂を使用した水性顔料インクの場合、一定時間内で完全にバインダー樹脂を溶解させることができない恐れがあった。
特開2005−7703号公報 特開2014−177589号公報
本発明の課題は、バインダー樹脂を含むインクジェット記録用水性インクであっても、通常の洗浄方法で良好に洗浄可能な洗浄液を提供する。
本発明者らは、洗浄液の主成分として1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテル(3メトキシ−1−ブタノールと称する場合もある)を使用することで、前記課題を解決した。
洗浄液に必要な特性は、固化あるいは増粘したバインダー樹脂を溶解させ除去できること、ならびにインクと接触した際に、インクの顔料分散安定性を破壊しないことである。インクの顔料分散安定性が破壊されると、顔料同士が凝集し粗大粒子が析出し吐出不良を起こす場合がある。
本発明者らはこれらの点に関して検討を行い、1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテル(3−メトキシ−1−ブタノール)によってこれらの特性を両立できることを見出し、本発明に至った。
具体的には、1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテルが、インクジェット記録用水性顔料インクのバインダー樹脂として汎用されるアクリル系樹脂やウレタン系樹脂を良く溶解する一方、インク流路やヘッド内の部材を痛める恐れが少ないことを見いだし、1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテルを、インクと接触した時にインク中の顔料を凝集させないための添加量を見いだした。
即ち本発明は、1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテルを5〜30質量%、保湿剤、及び水を含有するインクジェット記録装置用洗浄液を提供する。
本発明の洗浄液は、バインダー樹脂を含むインクジェット記録用水性顔料インクであっても、通常の洗浄方法で良好にヘッドを洗浄することができる。また水性顔料インクと接触した時にインクの分散安定性を破壊しないので、洗浄後にインクを再充填した場合でも吐出不良を起こすことがない。
(1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテル)
本発明で使用する1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテル(3−メトキシ−1−ブタノールともいう)は、本発明のインクジェット記録装置用洗浄液全量(以下、「インクジェット記録装置用洗浄液」を「洗浄液」と略記する場合がある)に対し5〜30質量%含有することを特徴とする。3−メトキシ−1−ブタノールが5質量%よりも少ない場合は、バインダー樹脂を溶解させるのに不十分であり、また30質量%よりも多い場合は、インク中の顔料分散安定性が低下する恐れがある。
また、3−メトキシ−1−ブタノール以外の有機溶剤、例えばアルキレングリコールモノアルキルエーテルや3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールは、バインダー樹脂を溶解させるのに十分な量を配合すると、インクの分散安定性を破壊してしまう恐れがある。
3−メトキシ−1−ブタノールの前記洗浄液中の含有量は、中でも10〜30質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが最も好ましく、バインダー樹脂の再溶解性とインクの分散安定性を高いレベルで両立することができる。
(保湿剤)
本発明で使用する保湿剤は、前記洗浄液の乾燥防止を目的として添加する。保湿剤は、前記洗浄液全量に対し5〜50質量%含有することが好ましく、7〜40質量%含有することがなお好ましく、10〜30質量%含有することが最も好ましい。保湿剤が5質量%よりも少ない場合は、洗浄工程により洗浄液中に分散した顔料やバインダー樹脂が、洗浄液の乾燥により固化してしまい、ノズルを再度詰まらせてしまう恐れがある。一方保湿剤が50質量%よりも多い場合は、水の配合量が少なくなるために洗浄液の粘度が高くなりすぎてしまい、洗浄効率が低下する恐れがある。
本発明で使用する保湿剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの乾燥防止効果が得られるものが好ましく、多価アルコールが好ましい。多価アルコールとしては例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレンポリグリセリルエーテルやポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等のポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。特に、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレンポリグリセリルエーテルやポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等のポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルが好ましい。
(水)
本発明で使用する水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。水は、前記洗浄液全量に対し40〜70質量%含有することが好ましい。水が40質量%よりも少ない場合は、洗浄液の粘度が高くなるために、洗浄効率が低下する場合がある。また水が70質量%よりも多い場合は、起泡しやすくなる場合がある。
洗浄液が起泡してしまう場合、後述の消泡剤を使用することもできるが、消泡剤は一般に水に溶解しにくい傾向にあるため、消泡剤の過剰な添加は逆に消泡剤が析出するおそれがある。従って最小限の量を使用することが好ましい。
(pH)
本発明の洗浄液のpHは、あまり高いpHやあまり低いpHでは、ヘッド部材を劣化させる恐れや、インクと洗浄液が接触したときの顔料分散を破壊する恐れがある。従ってpHは7−10程度であることが好ましい。より好ましくはpH8−9である。pH調整剤としては特に限定されないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、4級アンモニウムの水酸化物、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、水酸化アンモニウム、4級ホスホニウムが挙げられる。特に、弱アルカリ性を保つため、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミンなどの弱塩基が好ましい。これらのpH調整剤は単独で使用してもよいし、複数を組み合わせてもよい。
(その他の添加剤)
本発明の洗浄液には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに消泡剤や防腐剤などの添加剤を加えてもよい。
(消泡剤)
前記消泡剤は、洗浄液の泡立ちを抑えるために添加される。添加する消泡剤に特に制限はなく、一般的に利用されている消泡剤が使用可能であり、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤等が挙げられる。消泡剤は単独で含んでもよく、複数種を混合して含んでもよい。中でも、消泡効果に優れる点でシリコーン系消泡剤が好ましい。
消泡剤は一般に水に溶解しにくい傾向にあるため、消泡剤の過剰な添加は逆に消泡剤が析出するおそれがある。しかしながら充填時に起泡していると充填不良の原因となるため、所望に応じ最小量を使用しても構わない。添加量としては使用する消泡剤の最小適用量から試みることが好ましい。
(防腐剤)
前記防腐剤としては、一般的に利用されている防腐剤が使用可能である。
(洗浄方法)
本発明の洗浄液は、インクジェット記録装置の洗浄液として使用する。具体的な洗浄方法としては、本発明の洗浄液を用いる以外は特に限定されるものではない。例えば、洗浄液をインク流路内に供給し排出する工程を繰り返す方法等が挙げられる。具体的には、インクジェットヘッドに洗浄液を加圧して供給、排出を繰り返す方法、ヘッド側から洗浄液を吸引する方法等が挙げられる。これらの方法により、洗浄液をヘッド流路内に供給して排出する工程を、排出液中の顔料濃度が5質量%以下になるまで繰り返すことが好ましい。これによりインクジェット記録装置、特にインクジェットヘッドのインク流路の洗浄を充分に行うことができる。
(インクジェット記録用水性インク バインダー樹脂)
本発明の洗浄液は、汎用のインクジェット記録用水性インクの洗浄に適用することができるが、特にバインダー樹脂を含むインクジェット記録用水性インクの洗浄に好適に用いられる。インクジェット記録用水性インクに使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシエステル系樹脂、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を1種または複数以上組み合わせて使用することが知られており、本発明の洗浄液は特にバインダー樹脂として汎用されるアクリル系樹脂やウレタン系樹脂やエポキシエステル系樹脂を含有する水性インクの洗浄に効果を発揮する。
インクジェット記録用インクに含まれるバインダー樹脂の量は特に限定されていないが、バインダー樹脂が寄与する光沢や樹脂皮膜特性を十分に発揮させるために、一般的に、樹脂固形分として3〜15質量%含有されていることが多い。バインダー樹脂の含有量が3質量%よりも少ない場合は、十分な光沢や樹脂皮膜特性を得られない恐れがあり、一方15質量%よりも多い場合は、インク粘度が高くなりすぎて吐出不良となるおそれがある。
本発明の洗浄液は、インクに含まれるバインダー量が樹脂固形分として3〜15質量%含有されているインクは、特に問題なく洗浄することができる。
インクジェット記録用インクに含まれるバインダー樹脂の数平均分子量及び質量平均分子量は、一般に高いほど造膜性が高い。例えばバインダーに汎用されるアクリル系樹脂の場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定時の展開溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)に不溶で分子量の測定が困難な成分を含有するものも存在する。これら数平均分子量や質量平均分子量の高いバインダー樹脂は、一般に有機溶剤に溶解しにくいが、本発明の洗浄液は1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテルを含むため比較的溶解性が高いので洗浄が可能である。なお、アクリル系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定時の展開溶媒であるTHFに不溶の成分は、数平均分子量が少なくとも100,000、質量平均分子量が少なくとも500,000とみなすことができる。
(インクジェット記録用水性インク 顔料)
本発明の洗浄液は、水性インクと接触した場合でも、インクの顔料分散安定性を破壊することが少ないことから、顔料インクに好適に使用される。
顔料は、水性インク中に安定に存在させるために、通常、媒体である水溶性溶媒や水に良好に分散させる手段を講じてある。例えば、顔料を、高分子分散剤や、界面活性剤、顔料誘導体などの汎用の顔料分散剤と共に水中に分散させる方法や、顔料表面に分散性付与基(親水性官能基および/またはその塩)を直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させ、汎用の顔料分散剤なしで水溶性溶媒及び/または水中に分散及び/または溶解する自己分散型顔料として加工され、水溶性溶媒及び/または水中に分散させる方法により、分散安定性を保っている。しかしながらなんらかの刺激でこのようなインクの顔料分散安定性が破壊されると、顔料同士が凝集し粗大粒子が析出し吐出不良を起こす場合がある。
本発明の洗浄液は、1,3−ブチレングリコールモノメチルエーテルを5〜30質量%の範囲で使用するので、インクの顔料分散安定性を破壊することが少ない。
顔料は、特に限定されずインクジェット記録用水性インクで通常使用される有機顔料あるいは無機顔料を使用することができる。また未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えば、ブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180等が挙げられる。
また、イエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、269、282等、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また、白インクに使用される顔料の具体例としては、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
(顔料分散剤)
また、前記顔料を分散させるために使用する顔料分散剤は、特に限定はなく公知の高分子分散剤や界面活性剤、顔料誘導体を使用することができる。
前記顔料分散剤としては中でもポリマー型の顔料分散剤がよく、好ましい例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及び該水性樹脂の塩が挙げられる。また市販品を使用することも勿論可能である。市販品としては、味の素ファインテクノ(株)製品のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BASF社製のEFKAシリーズ、日本ルーブリゾール株式会社製のSOLSPERSEシリーズ、エボニック社製のTEGOシリーズ等が挙げられる。
(自己分散型顔料)
また自己分散型顔料としては、顔料に物理的処理または化学的処理を施し、分散性付与基または分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造されたものが挙げられる。例えば、真空プラズマ処理、次亜ハロゲン酸および/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、またはオゾンによる酸化処理等や、水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法が挙げられる。
自己分散型顔料として市販品を利用することも可能であり、そのような市販品として、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(以上商品名;キヤボット社製)が挙げられる。
(インクジェット記録用水性インク その他の成分)
インクジェット記録用水性インクは、水媒体中に、バインダー樹脂及び分散させる手段を講じられた顔料が分散しているが、所望の物性に必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、界面活性剤あるいはその他の添加剤を含んでいてもよい。
(水媒体)
本発明が適用されるインクに使用する水は、顔料の分散媒である。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水は単独で使用してもよいし、水と水溶性溶剤からなる混合溶媒でもよい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
(湿潤剤)
前記湿潤剤は、インキの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインキ中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールを含むことが安全性を有し、かつインキ乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インキ中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインキ特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインキの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
(その他の添加剤)
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例において「g」及び「%」は特に断りがない限り質量基準である。
(インクジェット記録水性インクの調製方法)
(製造例1 ポリマー型顔料分散剤Aの合成方法)
3つのT字型マイクロミキサーM1、M2、M3を有するマイクロリアクターを使用し、リビングアニオン重合型のブロック共重合体を合成した。
第一のT字型マイクロミキサーM1に、重合開始剤としてブチルリチウム(BuLi)と第一のモノマーとしてスチレン(St)とを、それぞれT字型マイクロミキサーM1に繋がるチューブリアクターP1及びP2から導入し、リビングアニオン重合させ重合体を形成させた。
次に、得られた重合体を、T字型マイクロミキサーM1とT字型マイクロミキサーM2とを繋ぐチューブリアクターR1を通じてT字型マイクロミキサーM2に移動させ、該重合体の成長末端を、T字型マイクロミキサーM2につながるチューブリアクターP3から導入した反応調整剤(α−メチルスチレン(α−MeSt))によりトラップした。
次いで、第二のモノマーとしてメタクリル酸tert−ブチルエステル(t−BMA)をT字型マイクロミキサーM3に繋がるチューブリアクターP4からT字型マイクロミキサーM3に導入し、T字型マイクロミキサーM2とT字型マイクロミキサーM3とを繋ぐチューブリアクターR2を通じて移動させた前記重合体と、連続的なリビングアニオン重合反応を行った。その後メタノールで反応をクエンチしてブロック共重合体(PA−1)を製造した。
この際、マイクロリアクター全体を恒温槽に埋没させることで、反応温度を24℃に設定した。また、マイクロリアクターに導入するモノマーおよび反応調整剤はテトラヒドロフラン(THF)で溶解し、またBuLiは市販の2.6Mヘキサン溶液をヘキサンで希釈し、その希釈濃度及び導入速度により、ブロック共重合体(PA−1)のmol比を調整した。モル比は表1に示した。
得られたブロック共重合体(PA−1)は、陽イオン交換樹脂で処理することで加水分解させ、反応溶液を減圧下で留去し、得られた固体を粉砕して、スチレン−メタクリル酸系ブロック共重合体であるポリマー型顔料分散剤Aを得た。
(製造例2 ポリマー型顔料分散剤Bの合成方法)
攪拌装置、滴下装置、温度センサー、および上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟産業(株)製)の反応容器にイソプロピルアルコール(IPA)1,200gを仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置よりメタクリル酸2-ヒドロキシエチル75.0g、メタクリル酸260.8g、スチレン400.0g、メタクリル酸ベンジル234.2g、メタクリル酸グリシジル30.0g、および「パーブチル(登録商標)O」(有効成分ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂(株)製)80.0gの混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに同温度で15時間反応を継続させた後、IPAの一部を減圧留去し、固形分含有比率を42.5%に調整し、酸価170のスチレン−(メタ)アクリル酸系ランダム共重合体であるポリマー型顔料分散剤Bを得た。
(製造例 水性顔料分散体の製造方法)
以下の製造例の方法で、水性顔料分散体を得た。
(製造例1 水性顔料分散体(MD−1)の製造方法)
顔料としてピグメントレッド122を150部、ポリマー型顔料分散剤Aを30部、水溶性溶剤としてトリエチレングリコールを150部、34%水酸化カリウム水溶液20部を、1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行う工程1を行った。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、イオン交換水185部を加え混合する工程2を行い、顔料濃度は15.0%の水性顔料分散体(MD−1)を得た。
(製造例2 水性顔料分散体(BKD−2)の製造方法)
顔料分散液の市販品であるキャボットジャパン社製「CAB−O−JET300」を使用した。水性顔料分散体(BKD−2)とする。
(製造例3 水性顔料分散体(CD−3)の製造方法)
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、ファーストゲン ブルー TGR〔DIC(株)製β型銅フタロシアニン顔料。C.I.ピグメント ブルー15:3〕360gと、ポリマー型顔料分散剤B170g、25%水酸化ナトリウム水溶液61g、イソプロピルアルコール83g、イオン交換水1000gを仕込み、スリーワンモーターで1時間攪拌し混合した。得られた混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミルSC100/32型、三井鉱山(株)製)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により分散した。分散工程中は、冷却用ジャケットに冷水を通して分散液温度を30℃以下に保つよう制御し、分散装置のローター周速を11.25m/秒に固定して4時間分散した。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水1500gで混合槽および分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせてミル分散液を得た。
ガラス製蒸留装置にミル分散液を入れ、イソプロピルアルコールの全量と水の一部を留去した。室温まで放冷後、攪拌しながら2%塩酸を滴下してpH3.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。
ウエットケーキを容器に採り、25%水酸化ナトリウム水溶液部を加えてpH9.0に調整し、ディスパー(TKホモディスパー20型、特殊機化工業(株)製)にて再分散した。その後、遠心分離工程(6000G、30分間)を経て、更にイオン交換水を加えて固形分含有比率15%の水性顔料分散体(CD−3)を得た。
(インクジェット記録用水性インクの調製)
洗浄液の評価のために、製造例1〜3の水性顔料分散体を用いて、インクジェット記録用水性インクを作製した。
(調製例1)
水性顔料分散体として水性顔料分散体(MD−1)を33.33gに、ボンコートCM-8430(DIC(株)製、アクリル系樹脂)20.51g、蒸留水15.86g、3−メトキシ−1−ブタノール6.00g、プロピレングリコール13.00g、グリセリン10.00g、ACTICIDE B−20(ソー・ジャパン(株)社製防腐剤)0.10g、トリエタノールアミン0.20g、及びSURFYNOL440(エアープロダクツ社製界面活性剤)1.0gを加えて攪拌し、マゼンタ水性インク(M1)を調製した。
(調製例2〜5)
組成を表1の通りとした以外は調製例1と同様にして、水性インク(M2)〜(C5)を得た。
Figure 0006801248
表1中、略語は以下の通りである。
PG:プロピレングリコール
3MB:3−メトキシ−1−ブタノール
GLY:グリセリン
TEG:トリエチレングリコール
TEA:トリエタノールアミン
ACTICIDE B−20:ソー・ジャパン(株)製防腐剤
SF440:サーフィノール440(エアープロダクツジャパン(株)製界面活性剤)
TEGO−WET KL245:エボニック(株)製界面活性剤
CM−8430:ボンコート CM−8430(DIC(株)製アクリル樹脂)
WLS−213:ハイドラン WLS−213(DIC(株)製ウレタン樹脂)
EFD−5530:ウォーターゾール EFD−5530(DIC(株)製エポキシエステル樹脂)
(実施例 洗浄液の調製方法)
(実施例1)
蒸留水72.88g、3−メトキシ−1−ブタノール5.00g、グリセリン22.00g、ACTICIDE B−20(ソー・ジャパン(株)製防腐剤)0.10g、及びトリエタノールアミン0.02gを加えて攪拌し、洗浄液(F01)を調製した。
(実施例2〜9)
組成を表2の通りとした以外は調製例1と同様にして、洗浄液(F02)〜(F09)を得た。
(比較例1〜9)
組成を表3の通りとした以外は調製例1と同様にして、洗浄液(H01)〜(H09)を得た。
Figure 0006801248



Figure 0006801248
表2及び表3中、略語は以下の通りである。
GLY:グリセリン
DGLY:ジグリセリン
PG:プロピレングリコール
PEG400:ポリエチレングリコール(400)
TEGMBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
MMB:3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール
TEA:トリエタノールアミン
ACTICIDE B−20:ソー・ジャパン(株)製防腐剤
SF104PG50:サーフィノール104PG50(エアープロダクツジャパン(株)製界面活性剤)
(洗浄液の評価方法)
洗浄液(F01)〜(F09)及び(H01)〜(H09)の特性の評価は以下のように行った。結果は表4及び表5に記載した。
[インク塗膜再溶解性]
水性インク(M1)を膜厚4ミクロンとなるようスライドガラス上にバーコーターで塗付し、90℃のホットプレート上で2時間放置して完全乾燥させた。その後、洗浄液(F01)〜(F09)及び(H01)〜(H09)をそれぞれ30gずつ取ったディスポカップにスライドガラスを浸漬し、超音波洗浄機Vs−F100(アズワン(株)製)にて洗浄した。10分後のスライドガラスの様子を観察し、下記評価基準に従い評価した。
3:10分でガラスから取れ、インク塗膜を溶解させる能力が高い。
2:10分である程度ガラスから取れ、インク塗膜を溶解させる能力がある。
1:10分経っても塗膜が残っており、インク塗膜を溶解させる能力がない。
[インク接触安定性]
バイアルビンに取った水性インク(M1)0.1gに1.9gの洗浄液(F01)〜(F09)及び(H01)〜(H09)をそれぞれ加えた。そのバイアルビンを60℃のオーブンで1週間保管した。洗浄液と接していない水性インク(M1)の粒径と、各サンプルの粒径を、日機装株式会社製動的光散乱式粒子径測定装置「マイクロトラック粒度分布計UPA−ST150」にて測定した。粒径を比較し、粒径増大している洗浄液をNG、粒径変化が誤差の範囲で収まった洗浄液をOKとした。
[消泡性]
バイアルビンに洗浄液(F01)〜(F09)及び(H01)〜(H09)を5gずつ取り、10秒間強く振り混ぜた。振るのをやめてから1分半後の液面に浮いた泡の高さを、下記評価基準に従い評価した。
3:泡なし
2:泡少しあり
1:泡多い
[乾燥性]
洗浄液(F01)〜(F09)及び(H01)〜(H09)をそれぞれ2gアルミ皿に取り、重量を記録し、32℃のオーブンに入れて3時間放置した。乾燥後の洗浄液の重量を記録し、重量残存率により評価した。
3:重量残存率:30%以上
2:重量残存率:20〜30%
1:重量残存率:20%未満
結果を以下の表4及び表5に示す。
Figure 0006801248
Figure 0006801248
この結果、実施例の洗浄液では、インクジェット記録用水性インクが固化しても十分に溶解させて取り除く再溶解性と、インクと接触してもインクの分散安定性を維持するインク接触安定性を両立できることを確認した。
また、保湿剤を充分含む洗浄液は、ノズルにおける乾燥リスクを抑えられることがわかった。
さらに、水量を好ましい範囲に設定することで、消泡剤を加えなくても泡立ちにくい洗浄液を調製することができた。
一方、3−メトキシ−1−ブタノールの代わりにトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む洗浄液では、溶解性は高いものの、インクに接触した場合、インクの分散安定性を損なうことが分かった。また、3−メトキシ−1−ブタノールの代わりに3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液についても、溶解性とインクの分散安定性を両立することはできなかった。
(他種バインダー・他種顔料分散体への適用性)
3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液(F04)と3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液(H09)について、バインダー樹脂種の異なる水性インク(M2)〜(M3)、及び顔料分散体種の異なるインク(BK4)〜(C5)を用い、インク塗膜再溶解性及びインク接触安定性の評価を行った。結果を表6及び表7に示す。
Figure 0006801248
Figure 0006801248
3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液(F04)はいずれのバインダー種においても溶解性とインク接触安定性を両立できた。一方、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液(H09)はバインダー種によっては溶解性が不足したり、インク接触安定性不良となったりすることがわかった。
また、3−メトキシ−1−ブタノールを含む洗浄液(F04)は、いずれの顔料分散体種においても溶解性とインク接触安定性を両立できた。

Claims (4)

  1. 3−メトキシ−1−ブタノールを5〜30質量%、保湿剤、及び水を40質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録装置用洗浄液。
  2. 前記保湿剤が多価アルコールである請求項1に記載のインクジェット記録装置用洗浄液。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置用洗浄液を、バインダー樹脂を含むインクジェット記録用水性インクの流路内に供給し排出する工程を繰り返すことを特徴とするインクジェット記録装置の洗浄方法。
  4. 請求項1または2に記載のインクジェット記録装置用洗浄液、及びバインダー樹脂を含むインクジェット記録用水性インクとのセット。
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