JP6799999B2 - 椅子用荷重支持部材、椅子 - Google Patents
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Description
このような椅子の背凭れにおいては、ネット状の張材の表面形状、すなわち背凭れの荷重支持面の形状は、張材の外周部を保持する背枠の形状によって決まる。このため、ネット状の張材を用いた背凭れにおいては、例えば荷重支持面の一部を後方に窪ませる等が困難であり、荷重支持面の形状の自由度が低い。
また、特許文献2に開示された構成においては、背凭れの組立時に、背枠に設けた形状保持部材に張材の一部を固定しなければならず、手間が掛かる。
そこでなされた本発明の目的は、背凭れ等の椅子用荷重支持部材の荷重支持面の形状の自由度を高め、立体的な形状の荷重支持面を容易に形成することのできる椅子用荷重支持部材、椅子を提供することである。
この発明に係る椅子用荷重支持部材は、着座者の荷重を受ける荷重支持面を形成する張材と、前記張材の外周端部を支持する枠材と、を備える。前記枠材は、前記張材の荷重支持面に沿った第一の方向に延び、前記第一の方向に交差する第二の方向に離間して設けられた一対の第一の枠杆と、一対の前記第一の枠杆の一端部同士を連結する第二の枠杆と、を備える。前記第一の枠杆は、前記第一の枠杆の前記一端部と他端部との間の中間部に、前記荷重支持面に直交する第三の方向で着座者側に突出する突出部を有している。前記第二の枠杆は、前記第二の方向の両端部に対し、前記第二の方向の中央部が、前記第三の方向で着座者と反対側に突出するように形成される。前記第二の枠杆は、前記第二の枠杆の前記中央部と前記両端部との間に、それぞれ前記第三の方向で着座者と反対側に凸となる角部が形成されている。前記張材は、前記第二の枠杆において前記中央部、前記両端部、および前記角部に沿うよう支持されている。
なお、以下の説明においては、椅子の背凭れ部に背中を向けて正規姿勢で着座した人の正面を向く向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、椅子に正規姿勢で着座した人の上方を向く向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子1に正規姿勢で着座した人の左方を「左」、右方を「右」と呼ぶものとする。
このような下杆64は、両端部64a,64aに対し、中央部64bの直線状部64pにおける後方への突出寸法S1が、上杆63の両端部63a,63aに対する中央部63bの後方への突出寸法S2(図3参照)よりも大きくなるよう形成されている。
張材65の第一の部位A1は、一対の縦杆62、62の間において、左右方向に沿った張力T1が付与された状態で固定されている。
図1、図8に示すように、張材65の上杆固定部A2は、第一の部位A1の上方において、上杆63に固定されている。
張材65の第二の部位A3は、下杆64の左右方向の中央部64bに形成された直線状部64pに向かって引っ張る張力T2が付与された状態で固定されている。ここで、第二の部位A3は、第一の部位A1、及び第三の部位A4よりも高い張力が付与されているのが好ましい。
張材65の第三の部位A4,A4は、第二の部位A3の左右方向両側に形成され、下杆64の左右方向の両端部64a,64aに形成された斜行部64s,64sに、特に張力を付与することなく固定されている。
また、張材65は、下杆64においては、直線状部64pと、斜行部64s,64sと、直線状部64pの左右方向両側の角部64t,64tと、に沿って固定されている。詳しくは、図8に示すように、下杆64には、その前面に沿って固定部材69が設けられている。この固定部材69は、下杆64の前面に形成された凹部64uに固定される基部69aと、下杆64の前面との間に前後方向に間隔をあけて下方に延びる延出部69bと、を備えている。張材65は、下杆64の前面と、固定部材69の延出部69bとの間に形成される下向きの溝66mに間に巻き込んで縁材68(図4参照)によって固定されている。
さらに、張材65を下杆64の直線状部64pの両端部の少なくとも二点の角部64t,64tで固定することで、張材65には、直線状部64pの左右方向両端部から、上方の縦杆62の突出部67,67に向かって漸次広がるように延びる稜線Lが形成される。ここで、張材65は、第三の部位A4に張力が付与されておらず、また、張材65の下部には、左右方向の張力T1が作用していない。これによって張材65の下部は、第二の部位A3および第三の部位A4が、下杆64から浮き上がりにくくなる。したがって、第二の部位A3における窪みが、視覚的により顕著となる。
次いで、張材65の左右方向の中央部に、下杆64側に引っ張る張力T2を付与した状態で第二の部位A3を下杆64の直線状部64pに固定する。
しかる後、張材65を、下杆64の左右方向の両側の斜行部64s,64sに、一対の第三の部位A4をそれぞれ固定する。
このように構成することで、上記したような背凭れ部6を組み立てることができる。
また、この帯状部65xの左右方向両側の根元部分65n,65nは、上方に向かって凹状とされている。これにより、帯状部65xに張力T2を付与したときに、その左右方向両側の第三の周縁部65d,65d(第三の部位A4,A4)に、張力T2が及びにくくなっている。
さらに、第三の周縁部65d,65dは、下方に向けて凸をなす曲線形状に形成されている。第二の周縁部65cを下方に向けて強く引っ張って下杆64に固定する一方で、第三の周縁部65d,65dは、強く引っ張らずに下杆64の斜行部64s,64sの溝66に巻き込むことで、第三の部位A4が張力を発生しないようにしている。
また、下杆64は、両端部64a,64aに対して中央部64bが後方に突出するよう形成されている。さらに、下杆64は、直線状部64pと、斜行部64sとの間に、それぞれ、後方(第三の方向で着座者と反対側)に凸となる角部64tが形成されている。張材65は、下杆64において、直線状部64pと、斜行部64s,64sと、直線状部64pの左右方向両側の角部64t,64tとに沿って固定されている。これにより、第二の部位A3に張力T2が付与され、張材65の第二の部位A3が、後方に窪んだ形状となる。
また、第二の部位A3に下杆64側に引っ張る張力T2を付与することで、荷重支持面65fは、左右方向の中央部が後方に窪んだ形状となるので、荷重支持面65fが使用者の背中のホールド性に優れた形状となる。
これにより、背凭れ部6の荷重支持面65fの形状の自由度を高め、立体的な形状の荷重支持面を、容易に形成することが可能となる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態は、荷重支持体が背凭れ部である実施形態であるが、同様の構造を座体に採用することも可能である。
例えば、下杆64は、直線状部64pと、直線状部64pに対して左右方向の両側に連続して形成された斜行部64s,64sと、を一体に備えるようにしたが、これに限らない。例えば、下杆64の、直線状部64pと、斜行部64sのいずれか一方を、第三の方向において着座者と反対側に向かって凸となる曲線状としてもよい。また、下杆64を、第三の方向において着座者と反対側に向かって凸となる湾曲形状とし、第二の方向の中央部と、中央部に対して第二の方向の両端部とで、湾曲形状の曲率を異ならせるようにしても良い。
また、張材65を下杆64の直線状部64pと、斜行部64s,64sと、直線状部64pの左右方向両側の角部64t,64tと、に沿って固定するには、張材65を溝66に巻き込んで縁材68で固定する他、前方から押し付ける保持部材で固定してもよいし、タッカー等によって固定してもよい。
また、例えば、張材65は、第二の周縁部65cと第三の周縁部65d,65dとで上下方向(第一の方向)の位置に差があることで、第二の部位A3に作用した張力T2が第三の部位A4,A4に及ばないようになっていれば、どのような形状としてもよい。例えば、第三の周縁部65d,65dが第二の周縁部65cよりも下方に大きく突出していても良いし、第二の周縁部65cが第三の周縁部65d,65dよりも下方に突出するようにしてもよい。
また、下杆64の直線状部64pの両端部間の全長にわたって、張材65の第二の周縁部65cを固定することで第二の部位A3を形成するようにしたが、稜線Lを形成することができるのであれば、第二の部位A3は、下杆64に対し、左右方向に間隔を空けた二点以上で固定されていればよい。
また、上記実施形態では、張材65を上杆63に固定するようにしたが、張材65を上杆63には固定しない構成とすることもできる。
また、背枠60は、上杆63を備えず、一対の縦杆62,62、および下杆64のみを備える構成とすることもできる。
2 脚部
4 座体
6 背凭れ部
60 背枠(枠材)
62 縦杆(第一の枠杆)
62a 上端部(他端部)
62b 下端部(一端部)
63 上杆
63a 端部
63b 中央部
64 下杆(第二の枠杆)
64a 端部
64b 中央部
64p 直線状部
64s 斜行部
64t 角部
65 張材
65e 外周端部
65f 荷重支持面
67 突出部
A1 第一の部位
A2 上杆固定部
A3 第二の部位
A4 第三の部位
D 領域
F 床面
L 稜線
P 荷重入力方向
S1、S2 突出寸法
T1 左右方向の張力
T2 下杆側に引っ張る張力
Claims (5)
- 着座者の荷重を受ける荷重支持面を形成する張材と、
前記張材の外周端部を支持する枠材と、
を備え、
前記枠材は、
前記張材の荷重支持面に沿った第一の方向に延び、前記第一の方向に交差する第二の方向に離間して設けられた一対の第一の枠杆と、
一対の前記第一の枠杆の一端部同士を連結する第二の枠杆と、
を備え、
前記第一の枠杆は、前記第一の枠杆の前記一端部と他端部との間の中間部に、前記荷重支持面に直交する第三の方向で着座者側に突出する突出部を有し、
前記第二の枠杆は、前記第二の方向の両端部に対し、前記第二の方向の中央部が、前記第三の方向で着座者と反対側に突出するように形成されるとともに、
前記第二の枠杆の前記中央部と前記両端部との間に、それぞれ前記第三の方向で着座者と反対側に凸となる角部が形成され、前記張材は、前記第二の枠杆において前記中央部、前記両端部、および前記角部に沿うよう支持されている、椅子用荷重支持部材。 - 前記第二の枠杆は、
前記第二の方向の中央部に形成され、前記第二の方向に沿って延びる直線状部と、
前記直線状部に対して前記第二の方向の両側に連続して形成され、前記両端部に向かって前記第三の方向で着座者側に傾斜して直線状に延びる斜行部と、を一体に備える、請求項1に記載の椅子用荷重支持部材。 - 前記張材は、
一対の前記第一の枠杆の間で前記突出部よりも前記他端部側の領域であり、前記第二の方向に沿った張力が付与された状態で固定された第一の部位と、
前記第二の枠杆側に引っ張る張力が付与された状態で、前記第二の枠杆の前記第二の方向の中央部に固定された第二の部位と、
前記第二の枠杆において、前記第二の方向の両端部に固定された一対の第三の部位と、を備える請求項1または2に記載の椅子用荷重支持部材。 - 前記第二の部位は、前記第一の部位、及び前記第三の部位よりも高い張力が付与されている、請求項3に記載の椅子用荷重支持部材。
- 床面に設置される脚部と、
前記脚部に支持された座体と、
前記脚部に支持された、請求項1から4のいずれか一項に記載の椅子用荷重支持部材からなる背凭れと、
を備える椅子。
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2016
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