JP6799747B2 - 加熱撹拌調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱される容器内に収容された被調理物を撹拌するための撹拌体を備えた加熱撹拌調理器に関する。具体的には、容器内に配置され容器の外部からの回転磁界をうけて回転する撹拌体を備えた加熱撹拌調理器に関するものである。
従来から、誘導加熱調理器に備えたコイルから発生する磁界によって上部に載置した鍋を加熱するとともに、永久磁石または着磁体を有した回転翼の回転をおこなう回転加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、定期的にしゃもじ等でかき混ぜなくとも被調理物が焦げ付かず、かつ他の回転調理器にも併せて使用可能として、機器の保管場所が少なくて済む回転加熱調理器を提供することを目的としたものである。図12は特許文献1に記載された従来の回転加熱調理器を示すもので、本体101に収納されたインバータ103に接続した複数部に分割したコイル104がインバータ103の出力に応じて、高周波磁界または低周波磁界あるいはこの混合磁界を発生し、内部に磁石106を備えた回転翼107を有した非磁性金属で形成された鍋105をコイル104の上部に載置して鍋105の加熱と回転翼107の回転の両方を行うようになっている。
特開平8−35664号公報
しかしながら、このような回転磁界により動力を伝達する構成において、一般に磁気ギャップ(空隙長)が広くなるにつれて磁気結合度が低下する。一方、誘導加熱調理器に備えたコイルと回転翼に備えた永久磁石との間には鍋を載置する載置板の厚みや鍋の厚みが存在するために広い磁気ギャップが存在する。実際にはこの磁気ギャップは5mmから15mm程度となり、鍋内の被調理物(例えば数皿分のカレーの煮込み)を撹拌するための大きな回転トルクを確保するためには誘導加熱機器のコイルから発生される磁束と永久磁石で形成する磁束が十分に鎖交する構成が必要となる。また回転翼は本来の被調理物を撹拌するための羽根を形成するために、回転翼に磁性体を備える場合にはスペース的な制約があり、限られたスペースで磁束密度を高くする必要性から回転翼には、ネオジウム焼結磁石など強力な永久磁石が用いられる。
一方、実際の加熱調理において、特に固形物を主とする被調理物の撹拌では、被調理物のサイズや大きさ硬さなどは一様ではなく、撹拌を行うための撹拌体にかかる負荷は被調理物相互の重なり方や容器との接触のしかたなどの変化にともない撹拌中に刻々変動する。さらに、加熱にともなう被調理物の硬さの変化や水分の移動、蒸発などによっても撹拌体にかかる負荷が変化する。
たとえば、容器の内底部の中心を軸に回転する撹拌体を備えた構成の加熱撹拌調理器では、撹拌体の羽根部の回転動作によって被調理物の一部が羽根部と容器の内周部との間に挟まるように介在して抵抗となることで回転負荷が撹拌体の駆動トルクを上回って増大することにより回転不能(ロック状態)になる場合があり、この状態で加熱が継続すると被調理物の加熱むらや焦げ付きが発生して調理の失敗につながってしまうことになる。この
ため撹拌機能付きの加熱調理器を使用する場合であっても、使用者は撹拌体が停止していないかを調理中に時々監視する必要性や負荷の増大要因を取り除く手間が生じてしまうことになる。
また、この負荷変動に対応して余力をもって(十分大きなトルクで)撹拌しようとすると機器は大型のものになり使用性の良い加熱撹拌調理器の実現は困難である。つまり撹拌のための駆動力を発生させるモーターやその駆動力を撹拌体に伝達させるカップリング(動力伝達手段)、さらにモーターに電力を供給する電源の大型化や重量増加などをともなってしまい使用性に優れた加熱撹拌調理器の実現は困難である。また、加熱中の被調理物を大きなトルクで撹拌することは煮崩れの要因となり調理の出来栄えを損ねることにもつながる。
逆に、羽根部にかかる被調理物の抵抗を低減しようとすると被調理物への作用が限定されて、期待する撹拌効果を発揮することが難しい。つまり、一般的に加熱調理における加熱ムラの要因としては、容器を加熱するヒーターなどの加熱手段の配置や熱伝導の差、容器内の被調理物の位置や対流の有無、さらには被調理物の疎密などによる熱容量の大小など、複雑に関係している。そのために形や大きさが一定でない不揃いにカットされた複数の被調理物の相互の入れ替わりや、被調理物の容器との接触面の入れ替わりを促進して被調理物が一定箇所に留まり偏って加熱されないようにすることが重要である。
ここで期待する撹拌効果とは、調理工程における撹拌を自動で行うことにより、たとえば水分が少なく対流を期待できないような固形物中心の被調理物の加熱調理、あるいは水分の蒸発で焦げ付きなどの心配のある加熱調理においても撹拌体の羽根部を被調理物に物理的に作用させることにより、調理者が箸やヘラなどの調理具を用いて、均一に加熱されるように被調理物を裏返したり上下入れ替えたり集めたり散らばせたりする断続的あるいは連続的な操作(撹拌の手間)を省くことである。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、低い撹拌トルクで被調理物を効果的に撹拌でき、加熱撹拌調理器の大型化や重量増加に伴う取扱い性の悪化を抑えて使用性に優れ、さらに撹拌体への負荷増大に起因する過負荷停止状態に対応して撹拌動作の停止を防止して使用者は調理中に注意をはらうことがなくても失敗なく均一に加熱調理を完了することができる加熱撹拌調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱撹拌調理器は、
被調理物を収納可能に内底部と内周部を有し、外部からの加熱を受けて発熱する容器と、前記容器を収納する収納容器部と、
前記容器に対して着脱自在に配されると共に、前記容器内の被調理物を撹拌する撹拌体とを備え、
前記撹拌体は、
前記撹拌体が回転することにより被調理物を撹拌する羽根部と、
前記撹拌体が前記容器に収納されたとき前記容器の内底部に対向して配されると共に、外部からの回転磁界を受けることが可能な磁石と、
を備え、
前記収納容器部において、
前記磁石に対して回転磁界を発生させる回転磁界発生部と、
前記回転磁界発生部を制御する回転磁界制御部と、を備え、
前記撹拌体の前記羽根部は、正回転方向の下流側に向けて凸状に湾曲して、
正回転方向の回転により被調理物を前記容器の内周部に向かって寄せ集めるように作用し、逆回転方向の回転により正回転方向の回転により寄せ集められた被調理物を前記容器の中心に向かって崩すように作用するように構成され、
前記回転磁界制御手段は、前記回転磁界発生部によって、前記磁石に対して回転磁界を正回転方向に回転させ、設定回転数により、前記磁石を逆回転方向へ回転磁界を切り替えて、逆回転方向の回転数を1回転から2回転の範囲で実行するように制御する構成としたものである。
これにより、撹拌体を正回転方向と逆回転方向とを異なる割合で組み合わせて回転させて被調理物を撹拌することで、被調理物に対し正回転方向の回転とは反対の向きから撹拌体の回転力を作用させることができ被調理物の偏り過ぎによる撹拌体にかかる負荷の増大要因を解除しつつ撹拌することができる。さらに撹拌体に過負荷がかかって撹拌体が停止する場合でも撹拌体の逆回転方向の回転を組み合わせているので、人手を介さずにこの状態から脱出することができ被調理物の撹拌を継続することができる。
本発明の加熱撹拌調理器は、容器に入れた被調理物を撹拌しながら加熱することができ、数皿分のカレーなどの煮込み調理においても人が定期的にしゃもじ等でかき混ぜなくとも焦げ付きや加熱ムラを防止することができるものである。さらに、容器内の被調理物に対し撹拌する作用を保ちつつ、撹拌のための必要な回転トルクを低くおさえることにより撹拌体および加熱調理器の小型化、軽量化が実現できるので、取り扱い性に優れ、またさらに、撹拌による被調理物へのダメージ(例えば過撹拌による被調理物の煮崩れ)の発生も抑えた加熱撹拌調理器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における加熱撹拌調理器を示す斜視図 本発明の実施の形態1における加熱撹拌調理器の蓋体を外した状態を示す上面図 本発明の実施の形態1における加熱撹拌調理器を示す図2のA−A断面図 本発明の実施の形態1における加熱撹拌調理器を示す図3の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における加熱撹拌調理器の動作を説明するための要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における撹拌体の要部を示す上面図と側面図と背面図 本発明の実施の形態1における撹拌体の下面側から見た分解斜視図と上面側から見た分解斜視図 本発明の実施の形態1における撹拌体の動作を説明するための断面図 本発明の実施の形態1における撹拌体の動作を説明するための断面図 本発明の実施の形態1における撹拌体の動作を説明するための断面図 本発明の実施の形態1における撹拌体の動作を説明するための断面図 従来の回転加熱調理器を示す要部断面模式図
第1の発明は、
被調理物を収納可能に内底部と内周部を有し、外部からの加熱を受けて発熱する容器と、前記容器を収納する収納容器部と、
前記容器に対して着脱自在に配されると共に、前記容器内の被調理物を撹拌する撹拌体とを備え、
前記撹拌体は、
前記撹拌体が回転することにより被調理物を撹拌する羽根部と、
前記撹拌体が前記容器に収納されたとき前記容器の内底部に対向して配されると共に、外部からの回転磁界を受けることが可能な磁石と、
を備え、
前記収納容器部において、
前記磁石に対して回転磁界を発生させる回転磁界発生部と、
前記回転磁界発生部を制御する回転磁界制御部と、を備え、
前記撹拌体の前記羽根部は、正回転方向の下流側に向けて凸状に湾曲して、
正回転方向の回転により被調理物を前記容器の内周部に向かって寄せ集めるように作用し、逆回転方向の回転により正回転方向の回転により寄せ集められた被調理物を前記容器の中心に向かって崩すように作用するように構成され、
前記回転磁界制御手段は、前記回転磁界発生部によって、前記磁石に対して回転磁界を正回転方向に回転させ、設定回転数により、前記磁石を逆回転方向へ回転磁界を切り替えて、逆回転方向の回転数を1回転から2回転の範囲で実行するように制御する構成としたものである。
これにより、撹拌体を正回転方向と逆回転方向とを異なる割合で組み合わせて回転させて被調理物を撹拌することで、被調理物に対し正回転方向の回転とは反対の向きから撹拌体の回転力を作用させることができ被調理物の偏り過ぎによる撹拌体にかかる負荷の増大要因を解除しつつ撹拌することができる。さらに撹拌体に過負荷がかかって撹拌体が停止する場合でも撹拌体の逆回転方向の回転を組み合わせているので、人手を介さずにこの状態から脱出することができ被調理物の撹拌を継続することができる。たとえば、被調理物が羽根部と容器の内周部との間に挟まって抵抗となり回転負荷が増大してしまい回転不能(ロック状態)になる場合にも、撹拌体の回転の向きを逆にする逆回転方向の回転を組み合わせることで負荷の増大要因を取り除いて撹拌を継続することができ被調理物が容器内の特定の箇所に留ることが原因で起きる焦げや加熱ムラを防止することができる。つまり撹拌トルクを低く設定できて被調理物を効果的に撹拌することができるものである。使用者は失敗を恐れて撹拌が適正に動作していることに注意をはらうこともないので、加熱調理完了まで蓋を開けて調理工程を確認する手間もなく、蓋を開けることによる熱の損失を抑制する効果が期待できる。特に、電気圧力鍋や電気炊飯器のような蓋に閉止機構を備えた形態の調理器であっても撹拌機能を備えた加熱調理器として提供することで、調理開始時に予め被調理物を投入するだけで調理が完成するまで手間をかける必要性がなく極めて有用となる。
さらに、逆回転方向の1回転により被調理物に対し正回転方向の回転とは反対の向きから撹拌体の回転を作用させることができるので十分に負荷の増大要因を取り除いて撹拌を継続することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における加熱撹拌調理器を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における加熱撹拌調理器の蓋体を外した状態を示す上面図、図3は本発明の第1の実施の形態における加熱撹拌調理器を示す図2のA−A断面図である。図4は本発明の第1の実施の形態における加熱撹拌調理器を示す図3の要部拡大断面図、図5は本発明の第1の実施の形態における加熱撹拌調理器の動作を説明するための要部拡大断面図である。図6は本発明の第1の実施の形態における撹拌体の要部を示す上面図、側面図、背面図である。図7は本発明の第1の実施の形態における撹拌体の下面側から見た分解斜視図と上面側から見た分解斜視図である。図8から図11は本発明の第1の実施の形態における撹拌体の動作を説明するための断面図である。
図中、1は加熱撹拌調理器の本体であり、本体1の内部には被調理物(図示せず)を調理するための容器2を収納する収納容器部3を設けている。収納容器部3の底には容器2の底面と接して熱を伝達するヒーター部4を配置しており、本体1上方には、容器2の開口部を覆う蓋体5を本体1に回動自在に軸支している。容器2は内底部と内周部を有して被調理物を収納可能とし、ヒーター部4は容器2の底に沿ってリング状の形状を有し、ヒーター部4からの加熱を受けて容器2が発熱するようになっている。
図3に示すように、6は永久磁石7とクラッチ部8を収納する収納部9と収納部9の周囲に羽根部10を形成した撹拌体である。撹拌体6は、被調理物を収納する容器2の内底部に対して着脱自在に配置され、撹拌体6が回転することにより容器2内の被調理物を羽根部10により撹拌する構成となっている。永久磁石7は、撹拌体6が容器2に収納されたとき、容器2の内底部に対向して配されると共に、外部からの回転磁界を受けることが可能なものである。この外部からの回転磁界は、収納容器部3内に収納され、容器2底面の外側に位置し撹拌体6の永久磁石7と対向するように配置された回転磁界発生部である回転磁界発生装置11によって発生させている。回転磁界発生装置11は、装置側永久磁石12を収納したカップリング部13とそれと連結する駆動モーター14により構成するものである。装置側永久磁石12とカップリング部13とは嵌め合い部で嵌合する状態とした構成としているため、駆動モーター14の駆動力をカップルリング部13に伝達させるとカップリング部13と一緒に装置側永久磁石12が回転することで、回転磁界を形成するものである。
回転磁界制御手段である制御部50は本体1内に配されており、制御部50は回転磁界発生装置11を構成する駆動モーター14の回転を制御して装置側永久磁石12の磁界の回転を変化させることで回転磁界を制御することができる。カップリング部13はヒーター部4の中央開口部を通して容器2の外底面とは約1mmのクリアランスを設けており、カップリング部13と容器2の外底面との間で挟まれるスペーサー部材15をカップリング部13の上部に組み付けている。容器2の内周部の一部に、被調理物を撹拌する際に、撹拌特性を有利に作用させる目的で、容器2の中心方向に向かって、約6mm突出させ断面を湾曲状にした邪魔部16(図2参照)を設けている。
図4と図5において、7は永久磁石であり、8はクラッチ部である。その双方は収納部9に収納されている。図6において、永久磁石7は、リング状に4極の磁極をN/S/N/Sの順に配置し、収納部9への収納状態において上方となる側に磁束漏えいを抑制する磁性金属板17を接着している。ここで、上方とは、収納部9内で永久磁石7を外部からの回転磁界が付与される側と反対側を意味するものである。磁性金属板17の回転軸中心に位置する部分に少なくとも1辺の直線部を持つ開口部18を形成している。
図7において、磁性金属板17の開口部18にクラッチ部8を構成するクラッチ爪部19を嵌合して、クラッチ爪部19と永久磁石7とが一体となるように組み立てている。このクラッチ爪部19は、略円筒状の形状で内周部側に略台形状の爪部20を設けており、爪部20は、永久磁石7が外部磁界を受ける側を下底としたとき上底よりも幅を小さくしている。つまり、下底から上底の方向に向かって周方向の幅が拡がる傾斜面を形成している。さらに、爪部20は、内周部側から突出する凸形状となっている。永久磁石7とクラッチ爪部19は、収納部9内の回転軸中心に設けた柱状部21を貫通して組み付けており、柱状部21を摺接して上下の昇降、および回転方向に保持されるように構成している。換言すれば、永久磁石7は収納部9内で柱状部21の高さ方向に移動可能に収納されている。クラッチ部8を構成するクラッチ爪部19が相対するクラッチ係合部22は略円筒状に形成したもので、柱状部21を貫通して収納部9の底位置付近に配しており、クラッチ係合部22と柱状部21とは軸回転方向にズレが生じないように係合させている。クラッチ係合部22は、収納部9内でクラッチ爪部19の爪部20と嵌り合う係合部23を略円筒の外周面に設けており、クラッチ爪部19の爪部20の傾斜面に一致する傾斜面を形成している。したがって、係合部23は凹形状で形成されており、爪部20の大きさより若干小さく形成されている。なお、図4に示すように、柱状部21の先端は、収納部9内に永久磁石7等を収納した状態で締結手段によって上方固定位置部32と固定されている。
収納部9の底面回転軸中心部には、柱状部21の内側に相当する部分に凹部を設け、軸受用のブッシュ24、および、略円板状の受け部25を備えたシャフト部26を組み付けている(図4参照)。撹拌体6を容器2にセットする際は、このシャフト部26の受け部25が容器2の内底部に乗る状態となり、このシャフト部26を中心に撹拌体6の羽根部10、および収納部9が回転することになる。つまり、シャフト部26は容器2の内底部に接地した状態となって固定された状態となり、ほぼ回転動作は発生しないものである。
図7〜図11に示すように、クラッチ爪部19には、収納部9の底面との間でクラッチ爪部19に対して上方向に押し圧が掛かるように圧縮コイルバネ27を配している。換言すると、圧縮コイルバネ27は、収納部9内で永久磁石7を回転磁界発生装置11からの回転磁界が付与される側と反対側に付勢している。圧縮コイルバネ27の荷重設定は、クラッチ爪部19を、つまりは、永久磁石7と磁性金属板17を、収納部9の上方固定位置部32の方向に押し上げて上方固定位置部32の直下に位置する状態(図5および図10参照)の時に、収納部9底面が磁性体の金属板上(例えば、鉄板上)に置かれた際に永久磁石7の磁力によって金属板側に引き付けられる吸着力に対して、1.2〜1.5倍の押圧を永久磁石7に対して与えるだけの荷重となるように設定している。略円筒状に形成したクラッチ係合部22は、クラッチ爪部19の爪部20が係合する係合部23以外の外周を、永久磁石7と磁性金属板17が上方固定位置部32の直下の位置で回転保持するようにスライド部28を設けており、図10に示すように、永久磁石7と磁性金属板17が収納部9の上方固定位置部32の直下に位置した際、クラッチ爪部19の爪部20がそのスライド部28の面上を滑りながら摺動回転するものである。なお、スライド部28は、係合部23と連続して形成されている。
図5に示すように、収納部9内の側壁内面において、永久磁石7が上方固定位置部32の直下の位置まで移動した際の永久磁石7の周囲側面に対向する高さ位置に、厚み1〜3mmのリング状の磁性金属体29を収納部9内に固定して取り付けている。このリング状の磁性金属体29と永久磁石7の間には、永久磁石7が収納部9内で昇降、および、回転する際に接することがないように0.5〜3mmのクリアランスを設けている。図4に示すように、永久磁石7が収納部9の下端に位置する際には永久磁石7の外周に対向する位置の収納部9内面にはリング状の磁性金属体29はなく、図5に示すように、永久磁石7が収納部9内の上端に位置した時に永久磁石7の外周位置にリング状の磁性金属体29が相対するように構成している。
図9に示すように、クラッチ係合部22の係合部23におけるクラッチ爪部19の爪部20と接する傾斜面は、主に回転する方向(右(正)回転方向)で係合する傾斜面(A)30においては、その傾斜角度Θ1を回転平面に対して65°〜85°に設定しており、その対称側(左(逆)回転方向)の傾斜面(B)31においては、図11に示すように、その傾斜角度Θ2を回転平面に対して45°〜75°に設定している。
撹拌体6に用いている永久磁石7と回転磁界発生装置11に用いている装置側永久磁石12の磁石の材質として、装置側永久磁石12にはネオジウム焼結磁石を選択しており、一方の永久磁石7には、ネオジウム焼結磁石、サマリウムコバルト磁石かFe−Cr−Co系磁石、もしくは、Fe−Nd−B系のボンド磁石の中から選択している。この時、永久磁石7は、撹拌体6を容器2から取り外した際の取り扱い性を考え、装置側永久磁石12よりも吸着力等の磁気特性が低くなるように、磁石の材質と磁石サイズを設定している。
次に、撹拌体6の機能について説明する。
撹拌体6は、本体1内の容器2底の外側に配した回転磁界発生装置11によって、容器2の底の厚みを介して回転動作を回転磁界発生装置11に対して非接触で伝達するものである。この回転動作は、図6に示すように、撹拌体6の内部に収納した永久磁石7のN極とS極とを周方向に交互に配してリング状とし、それと相対するように回転磁界を発生させるカップリング内部13に構成した装置側永久磁石12にもN極とS極とを周方向に交互に配置させている。この構成により、相対する異極による吸引力と、その隣接の磁極との間に発生する反発力とによって、撹拌体6の永久磁石7と回転磁界発生装置11の装置側永久磁石12とが同期して回転するものである。
図2において撹拌体6は実線矢印に示す時計方向の回転が正回転方向であり、破線矢印に示す反時計方向の回転が逆回転方向である。そして、制御部50は、回転磁界発生部である回転磁界発生装置11を制御して永久磁石7に対して回転磁界を正回転方向にN回転させ、設定回転数、もしくは、回転負荷検知のいずれかにより、N回転後に永久磁石7に対して逆回転方向へ回転磁界を切り替えて、正回転方向の回転数であるN回転よりも少ない回転数だけM回転させるように制御している。この構成により、永久磁石7が正回転方向にN回転することになり、撹拌体6の羽根部10が正回転方向にN回転する。設定回転数、もしくは、回転負荷検知のいずれかにより、永久磁石7が逆回転方向にM回転することになり、撹拌体6の羽根部10が逆回転方向にM回転する。
図2に示すように撹拌体6の羽根部10の形状は、正回転方向の回転により被調理物を容器2の中心側から外側の内周部に向かって寄せ集めるように正回転方向の下流側に向けて凸状に湾曲している。これにより羽根部10は逆回転方向の回転により正回転方向の回転により寄せ集められた被調理物を容器2の中心に向かって崩すように作用するように構成されている。
また、制御部50は、制御部50が設定回転数で回転方向を切り替える構成において、正回転方向の回転数N回転に対する逆回転方向の回転数M回転の比率が0.9から0.1の範囲で実行されて正回転の割合が多くなるように回転磁界発生装置11を制御している。
さらに、制御部50は、制御部50が設定回転数で回転方向を切り替える構成において、逆回転方向の回転数M回転が1回転から2回転の範囲で実行されるように回転磁界発生装置11を制御している。
本実施の形態において、制御部50による設定回転数を2.5回転に設定し、制御部50によって撹拌体6は正回転方向に2.5回転し、その後逆回転方向に1.25回転し、正回転方向の回転数N回転に対する逆回転方向の回転数M回転の比率が0.5の比率で回転を制御している。これにより正回転方向の回転により寄せ集められた被調理物を容器2の中心に向かって崩すように作用することで負荷の増大を抑制しつつ、正回転方向に回転する割合が多くなるように制御されていて容器2内における被調理物を効率的に撹拌することができるようになっている。また撹拌体6の回転方向が変更されるときの羽根部10の位置が一定の角度にならないように設定されている。
つまり撹拌体6の正回転方向の回転により羽根部10は被調理物を容器2の内周部に向けて押し出すとともに、被調理物が容器2内周部から受ける抵抗、もしくは、被調理物が容器2の内周部に設けた邪魔部16から受ける抵抗によって、被調理物が羽根部10を乗越え、それにより被調理物を返す作用が起こっている。このようにして、撹拌体6を正回転と逆回転を交互に組み合わせて回転させることで、被調理物を容器2内で散らしたり寄せ集めたりしつつ、被調理物の裏表を返して容器2底面からヒーター部4の熱が被調理物全体に伝わるように加熱撹拌調理を行うことができる。
また羽根部10に正回転方向の回転が停止するように被調理物の大きな負荷がかかる場合にも逆回転方向に回転して負荷の増大要因を解除して撹拌を継続して加熱ムラや焦げ付きを防ぐことができる。ここで逆回転方向の回転する比率は0.1を下回って設定したのでは負荷の増大を抑制する効果がさがり、さらに正回転方向の回転が停止した場合には負荷の増大要因を解除するまでに部分的に強く加熱されて焦げ付きが発生しやすくなることになることから逆回転方向の回転する比率を0.5に設定したものである。なお、本実施の形態としては固形物を主とした被調理物を前提として撹拌体6の回転速度は毎分2〜20回転の低速回転に設定されている。
この撹拌調理を行うときは、クラッチ部は、回転磁界発生装置11からの回転磁界による回転力を永久磁石7を介して収納部9に伝達させる状態となっている。詳細には、図4および図8に示すように、撹拌体6の収納部9内ではクラッチ爪部19の爪部20とクラッチ係合部22の係合部23とが係合し、永久磁石7が収納部9の底面位置まで下りた状態となっている。永久磁石7が収納部9底面まで下りた状態にあるということは、図4に示すように、永久磁石7と回転磁界発生装置11の装置側永久磁石12との磁石間の磁気ギャップAは構成上で最も短い距離となり、この磁石間で発生可能な最大の磁気動作を発生させることができる。この時、圧縮コイルバネ27も縮められた状態となり、永久磁石7を押し上げようとする荷重は増加するが、永久磁石7と装置側永久磁石12との磁石同士の磁気吸引力の方がはるかに強いため、本来の磁石のみで発生し得る回転トルクからの減少は少ない状態である。本実施の形態における磁石間で発生する吸着力は約4.0Kgfの力が発生している。
撹拌体6の羽根部10が回転する動作は、装置側永久磁石12からの回転磁界による回転力を永久磁石7が同期して伝達され、永久磁石7は回転する。撹拌体6の収納部9内では図8に示すように、クラッチ爪部19の爪部20とクラッチ係合部22の係合部23とが係合しているため、永久磁石7の回転力がクラッチ爪部19の爪部20を介してクラッチ係合部22の係合部23に伝達される。係合部23に回転力が付与されることにより、係合部23と一体となった収納部9がシャフト部26を中心に回転し、収納部9の外側側面に形成された羽根部10が回転し、撹拌体6が回転することとなる。
調理終了後、容器2内から撹拌体6を取り外す際に撹拌体6を図2に示すように、使用者が羽根部10を右回転させると、回転磁界発生装置11のカップリング部13はその場に留まっており、カップリング部13内の装置側永久磁石12からの回転磁界による吸引
力により撹拌体6内の永久磁石7もその位置に留まろうとする。このため、クラッチ爪部19の爪部20が図8に示す状態から図9に示すように、クラッチ係合部22の係合部23を回転方向に押す力が作用し、爪部20が係合部23の傾斜面30に沿って上昇し、そのまま、図10に示すように、爪部20の下底がスライド部28に乗った状態となる。また、この際には、クラッチ爪部19からの回転方向への押力で永久磁石7は幾分だけ回転方向に回転するため、装置側永久磁石12との間で、同極となる範囲が生じることとなり、そこで発生する反発力も作用して、永久磁石7は上昇することになる。
図10に示す状態に永久磁石7が移動すると、クラッチ部は、回転磁界発生装置11からの回転磁界による回転力を永久磁石7を介して収納部9に伝達させない状態となっている。これは、クラッチ爪部19の爪部20とクラッチ係合部22の係合部23とが係合していないため、永久磁石7が回転したとしても永久磁石7の回転力がクラッチ爪部19の爪部20を介してクラッチ係合部22の係合部23に伝達されないためである。
図10に示す状態に永久磁石7が移動すると、図5に示すように、永久磁石7と回転磁界発生装置11の装置側永久磁石12との磁石間の磁気ギャップBは、撹拌時の図4に示す磁石間の磁気ギャップAからクラッチ係合部22の係合部23の高さ分だけ増加することになる。本実施の形態では係合高さを約10mmに設定しており、永久磁石7と装置側永久磁石12との磁石間の吸引力は約1.0Kgf程度にまで落ちることになり、撹拌状態の磁石間吸引力を約75%減少させることができ、撹拌体6を取り外す際の負荷も大幅に軽減する。したがって、容器2内から撹拌体6を容易に取り外すことができる。
取り外した撹拌体6は、図10に示すように、永久磁石7と磁性金属板17が収納部9内の上方固定位置部32の直下に保持された状態となっているため、撹拌体6を磁性体金属製でできたキッチンのシンク台等に置かれても、置かれた金属面から永久磁石7の吸引面との間には、撹拌体6の底の肉厚分とクラッチ部8の係合高さを合わせた空間距離L1が形成されることとなる。この空間距離L1により撹拌体6の底面に至る磁力の強さはほとんど無くなる状態にすることができるため、ほとんど吸着していない状態と言えるほどまでの吸着となっている。また、フォークやナイフといった磁性体金属でできた金属食器やキッチン用品においても同様、撹拌体6の磁気力によってほぼ吸着するということはない状態となっているため、磁力によってフォークやナイフが不意に吸着しているといった心配も起こらない。また、この時点では、クラッチ爪部19の爪部20が、クラッチ係合部22のスライド部28上に乗った状態であるため、強い衝撃が加わっても下方に落ちることはなく、収納部9底面における永久磁石7からの吸着力が、強い状態に戻ってしまうといったことは起こらない。
本実施の形態の撹拌体6において、収納部9に収めている永久磁石7の磁気特性では、仮に、永久磁石7を収納部9の底に位置させた状態に固定したとすると、磁性体の金属板等に着けた場合、その吸着力は約3.5Kgf前後となるが、このクラッチ部8の作用により、その吸着力は約100〜300gfにまで下がる。
本実施の形態の撹拌体6においては、永久磁石7が回転磁界発生装置11との吸引する面との反対面、つまり撹拌体6の上方側に相当する面、換言すれば、上方固定位置部32と対向する面には、図6に示すように、永久磁石7に磁性金属板17を張り付けている。この構成のため、撹拌体6の上面には、永久磁石7が上方に位置した場合でも、この磁性金属板17内で磁束が集中して撹拌体6の外界には磁界の透過がほとんどないため、撹拌体6の上面に金属物が吸着することはない。
また、本実施の形態の撹拌体6においては、図10に示すように、永久磁石7が上方固定位置部32の直下に位置したところで相対するように、収納部9内の外周にリング状の
磁性金属体29を配している。換言すれば、クラッチ部は、回転磁界発生装置11からの回転磁界による回転力を永久磁石7を介して収納部9に伝達させない状態のとき、永久磁石7の周囲側面に対向する収納部9にリング状の磁性金属体29を配している。この構成によって、撹拌体6の周囲側面においても、このリング状の磁性金属体29の厚み内に永久磁石7からの磁束が集中するため、撹拌体6の側面外界に磁界の透過がほとんどないため、撹拌体6の側面に金属物が吸着することはない。
ここで、本実施の形態では、リング状の磁性金属体29を永久磁石7が上昇した際の相対する位置にしか設けてはいないが、設定する撹拌トルクとの兼ね合いの中で、収納部9の側面高さ方向全体にリング状の磁性金属体29を設けても良く、また、永久磁石7の側面外周にリング状の磁性金属体29を組み付けても良い。さらには、異種材料の接合手段によって撹拌体6の収納部9自体、底面部分を非金属もくしは非磁性体金属とし、側面部分および上方固定位置部32を磁性体の金属で形成しても良い。
また、本実施の形態では、クラッチ爪部19と収納部9の底面との間に圧縮コイルバネ27を設けていることで、調理終了後、クラッチ部8を作用させずに無理やり取り外した場合でも、圧縮コイルバネ27により永久磁石7と磁性金属板17は上方固定位置部32の直下の位置まで押し上げられた状態となる。圧縮コイルバネ27は、永久磁石7と磁性金属板17が上方固定位置部32の直下に位置した状態で、収納部9底面に磁性体金属板を接地させたときに生じる吸着力よりも少し大きい押圧が永久磁石7に掛かるように設定しているため、撹拌体6を落すなど、少しの衝撃が加わったぐらいでは、永久磁石7が下方に落ちることはない。
再び、撹拌体6を容器2内の内底部にセットする際、図2に示すように、容器2の内底部に撹拌体6の収納部9の底面を接地させた状態で羽根部10を右方向に回転させると、永久磁石7は、スライド部28上に乗った爪部20と共に回転方向に滑りながら、爪部20がクラッチ係合部22の傾斜面31に掛かると図11に示すように傾斜面31に沿って下方に滑り落ち、図8に示すように永久磁石7は収納部9の底位置に位置するようになる。撹拌体6を容器2にセットした直後である図5に示す磁気ギャップBの状態では、回転磁界発生装置11との磁界による吸引力が圧縮コイルバネ27の押圧よりも大きく、また、永久磁石7が収納部9の底位置に向かって下降するにつれて生じる圧縮コイルバネ27の押圧の増加に対しても、磁石間の吸引力の方が磁気ギャップが縮まることでさらに増加する。この構成のため、永久磁石7は、確実に、収納部9の底面位置まで下降し、所望の撹拌トルクを発生させることができる。
一方、この撹拌体6のクラッチ部8は、調理中の撹拌時においても作用する。
調理中の撹拌において、被調理物の種類(例えば、肉、ジャガイモ、玉ねぎ、豆など)、被調理物の大きさ、被調理物のカットした状態(例えば、みじん切り、乱切りなど)、また、被調理物の量など、撹拌によって被調理物が混ざり合っていく上で、条件が重なると撹拌体6の羽根部10と容器2の内周部との間に被調理物が挟まり撹拌体6に回転負荷が掛かってしまうことがある。特に、この実施の形態においては、撹拌特性を有利に作用させるために設けた容器2の内周部の邪魔部16と撹拌体6の羽根部10先端との間で被調理物が挟まり易い状態にある。この状態になってしまうと、今回の実施の形態にあるクラッチ部8を構成しない、たとえば羽根部10と永久磁石7とが一体となって固定された一般的な構成の場合においては、撹拌体6と回転磁界発生装置11との間で発生する回転トルク、言い換えると、吸着が外れる脱調トルク以上の負荷になると、撹拌体6の回転は止まった状態になるのに対して、回転磁界発生装置11は回転し続けている。このため、相対するお互いの磁石間が異極であるが故に吸引関係にあった状態から、同極に切り替わって反発力が作用してしまうため、撹拌体6は、その反発力によって、上方へ押し上げられて撹拌体6が回転中心から外れた状態となってしまう。この状態になってしまうと、撹拌
作用は復帰しなくなり、本来の撹拌機能が無くなった状態となってしまう。つまり、このような構成では撹拌動作が停止した状態で放置して加熱が継続されると、被調理物は偏って加熱されてしまうので加熱ムラや部分的に焦げ付きが発生するなどの不具合が生じてしまうことになる。
これに対し、本実施の形態のクラッチ部8により、上述の負荷が掛かった状態になると、撹拌体6の羽根部10および収納部9は、負荷によってその場に留まった状態(停止状態)になるが、永久磁石7は回転磁界発生装置11の磁界との吸引状態のまま回転し、図9に示すように、クラッチ爪部19の爪部20が係合部23の傾斜面30を滑り上がって、図10に示すように、爪部20の下底がクラッチ係合部22のスライド部28に乗る。そして、磁界の吸引状態のまま、クラッチ爪部19の爪部20がスライド部28上を摺動しながら回転し、再び、係合部23の位置にさし掛かると図11に示すように、爪部20がクラッチ係合部22の係合部23に係合するように傾斜面31に沿いながら下降するといった動作を行う。つまり、上述の負荷が掛かった状態では、撹拌体6の羽根部10と収納部9が留まった状態で永久磁石7のみが空回りする状態となるため、磁石間の反発力によって撹拌体6自体が上方に押し上げられて回転中心から外れることなく定位置に留まるので、本来の撹拌機能を損なうことなく撹拌体6の逆回転方向の回転を組み合わせて撹拌動作が確実に継続できる構成となっている。つまり、本発明において撹拌体6は正回転方向と逆回転方向とを組み合わせて回転させているので被調理物が挟まって回転負荷が増大することを抑制することができる。さらに仮に回転負荷が増大して撹拌体が停止してしまう場合にも逆回転方向の回転によりその(たとえば調理物が挟まった)状態を解除して撹拌動作を継続することができる。
ここで、図10に示すように、クラッチ爪部19における爪部20の下底がクラッチ係合部22のスライド部28に乗るように移動し、爪部20がスライド部28上を摺動しながら回転する時、クラッチ部は、回転磁界発生装置11からの回転磁界による回転力を永久磁石7を介して収納部9に伝達させない状態となっており、撹拌体6の羽根部10および収納部9は、負荷によってその場に留まった状態(停止状態)になるものである。これは、クラッチ爪部19の爪部20とクラッチ係合部22の係合部23とが係合していないため、永久磁石7が回転したとしても永久磁石7の回転力がクラッチ爪部19の爪部20を介してクラッチ係合部22の係合部23に伝達されないためである。
また、本実施の形態では、クラッチ部8において、主に回転する方向の正回転方向に位置する係合部23の傾斜面30を65°〜85°に設定していることで、クラッチ部8を構成しない場合に発生し得る回転トルクからの減少を10%以内に抑えることができる。また、その対称側となる逆回転方向に位置する係合部23の傾斜面31を45°〜75°に設定したことにより、撹拌体6に負荷が掛かってクラッチ部8が作用し永久磁石7が上昇して空回り状態になった後、再び、係合部23に係合する際、永久磁石7は傾斜面31を緩やかに下降することとなる。この構成により、回転磁界発生装置11からの強力な吸引力による急激な下降での衝撃音や、衝撃による永久磁石7への損傷に対しても抑えることができるようになる。
なお、本実施の形態では撹拌体6にクラッチ部8を備えた構成に基づき説明しているが、撹拌体6の羽根部10の回転動作によって被調理物の一部が羽根部10と容器2の内周部との間に挟まるように介在して抵抗となることで回転負荷が撹拌体6の駆動トルクを上回って増大することにより回転不能(ロック状態)になることを抑制するロック抑制に対しては、撹拌体6にクラッチ部8を備えない構成であっても良いものである。例えば、被調理物の量や種類に対応した設定回転数の設定、もしくは、回転磁界発生装置11の負荷変動である回転負荷検知により撹拌体6の正回転方向と逆回転方向の切り替え制御を行えば、同等の効果を得ることは可能である。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。たとえば加熱手段としてもヒーターに限らず誘導加熱やスチームや温風や輻射加熱などの加熱手段を用いたものでもあっても良い。
以上のように、本実施の形態においては、加熱容器に入れた被調理物の加熱とともに撹拌体による撹拌ができるので、たとえば数皿分のカレーなどの負荷の大きな煮込み調理においても定期的にしゃもじ等でかき混ぜなくとも焦げ付きや加熱ムラを防止することができるものである。撹拌体を正回転方向と逆回転方向とを異なる割合で組み合わせて回転させて被調理物を撹拌することで、被調理物に対し正回転方向の回転とは反対の向きから撹拌体の回転力を作用させることができ被調理物の偏り過ぎによる撹拌体にかかる負荷の増大要因を解除しつつ撹拌することができる。さらに撹拌体に過負荷がかかって撹拌体が停止する場合でも撹拌体の逆回転方向の回転を組み合わせているので、人手を介さずにこの状態から脱出することができ被調理物の撹拌を継続することができる。撹拌トルクを低く設定することができるものであり過撹拌による被調理物の煮崩れを抑制することができ使用性に優れた加熱撹拌調理器を提供することができる。加熱調理完了まで蓋を開けて調理工程を監視する必要もなく、蓋を開けることによる熱の損失も抑制する効果が期待できる。
以上のように、本発明の加熱撹拌調理器は、調理開始時に予め被調理物を投入するだけで調理が完成するまで手間をかける必要性がなく極めて有用となる。特に、電気圧力鍋やマルチクッカーのような蓋に操作部や表示部を設けて閉止機構を備えた形態、あるいはタイマー予約付きなどの調理器に有効に適用することができる。
2 容器
3 収納容器部
4 ヒーター部
6 撹拌体
7 永久磁石
8 クラッチ部
9 収納部
10 羽根部
11 回転磁界発生装置
12 装置側永久磁石
17 磁性金属板
19 クラッチ爪部
20 爪部
22 クラッチ係合部
23 係合部
27 圧縮コイルバネ
28 スライド部
29 磁性金属体
30、31 傾斜面
50 制御部

Claims (1)

  1. 被調理物を収納可能に内底部と内周部を有し、外部からの加熱を受けて発熱する容器と、前記容器を収納する収納容器部と、
    前記容器に対して着脱自在に配されると共に、前記容器内の被調理物を撹拌する撹拌体とを備え、
    前記撹拌体は、
    前記撹拌体が回転することにより被調理物を撹拌する羽根部と、
    前記撹拌体が前記容器に収納されたとき前記容器の内底部に対向して配されると共に、外部からの回転磁界を受けることが可能な磁石と、
    を備え、
    前記収納容器部において、
    前記磁石に対して回転磁界を発生させる回転磁界発生部と、
    前記回転磁界発生部を制御する回転磁界制御部と、を備え、
    前記撹拌体の前記羽根部は、正回転方向の下流側に向けて凸状に湾曲して、
    正回転方向の回転により被調理物を前記容器の内周部に向かって寄せ集めるように作用し、逆回転方向の回転により正回転方向の回転により寄せ集められた被調理物を前記容器の中心に向かって崩すように作用するように構成され、
    前記回転磁界制御手段は、前記回転磁界発生部によって、前記磁石に対して回転磁界を正回転方向に回転させ、設定回転数により、前記磁石を逆回転方向へ回転磁界を切り替えて、逆回転方向の回転数を1回転から2回転の範囲で実行されるように制御する加熱撹拌調理器。
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