JP6799448B2 - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪の内空領域に配置されて当該車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置に関し、特にインホイールモータ駆動装置の内圧を調整するブリーザに関する。
特開2005−324722号公報(特許文献1)には、車輪の内空領域に配置されて当該車輪を駆動するインホイールモータにブリーザを設ける技術が記載されている。特許文献1のブリーザは、インホイールモータのケース内の圧力を抜いて圧力が一定になるように維持する。
特開2005−324722号公報
しかし、上記従来のようなインホイールモータにあっては、さらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。つまりインホイールモータは、ケース内に高回転の歯車を収納することから、歯車がケース内の潤滑油を掻き揚げる。また傾斜路を走行中にケース内の油面が傾いてブリーザに接近する。また旋回走行中には遠心力がケース内の潤滑油に作用して、潤滑油がブリーザに接近する。そうすると、潤滑油がブリーザから噴きこぼれる虞があった。
本発明は、上述の実情に鑑み、インホイールモータ内部の潤滑油がブリーザから噴き出すことを防止するための技術を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置は、回転輪を回転自在に支持する車輪ハブ軸受部と、回転輪を駆動するモータ部と、平行軸歯車減速機を含みモータ部の回転を減速して回転輪に伝達する減速部とを備え、減速部は、回転軸と、回転軸の端部を回転自在に支持する転がり軸受と、回転軸および転がり軸受を収容するケーシングと、転がり軸受に隣り合って設けられるブリーザ室と、外側端がケーシング外部と接続し内側端がブリーザ室と接続するブリーザ孔と、上端がブリーザ室と接続し下端が内部空間と接続し前記ブリーザ室内の油を前記内部空間に戻す戻り流路を有し、ブリーザ室と転がり軸受の間を仕切る壁部分が隙間を介して回転軸の端面と対面し、壁部分には一端が隙間と接続し他端がブリーザ室と接続する連通孔が形成され、隙間は転がり軸受の環状空間を介してケーシングの内部空間と接続する。ブリーザ室の内部には、連通孔の他端とブリーザ孔の内側端を結ぶ直線と交差する障壁、および/またはブリーザ孔の内側端と戻り流路の上端を結ぶ直線と交差する障壁が立設される。回転軸は、平行軸歯車減速機の内部で、モータ部のモータ回転軸および/または回転輪と平行に延び、モータ部の回転を減速して回転輪に伝達する平行軸歯車減速機の回転軸である。ケーシングの内部空間は、モータ部の内部空間および平行軸歯車減速機の内部空間を含み、戻り流路の下端はモータ部の内部空間と接続し、モータ部の内部空間および平行軸歯車減速機の内部空間は隔壁で仕切られ、隔壁の下部には、モータ部の内部空間および平行軸歯車減速機の内部空間を連通する貫通孔が設けられる
かかる本発明によれば、連通孔がケーシングの内部空間とブリーザ室を直接連通するのではなく、回転軸端部の隙間とブリーザ室を直接連通する。また回転軸端部の隙間は、転がり軸受の環状空間を介してケーシングの内部空間と接続する。これによりケーシング内部の潤滑油が、歯車によって掻き揚げられる等して転がり軸受に達しても、遠心力の作用により転がり軸受を超えて隙間に流入する量は少なく、大量の潤滑油が連通孔に達することがない。したがって潤滑油が、ケーシング内部空間からブリーザ室へ逆流することを防止することができる。なお転がり軸受は特に限定されない。例えば転がり軸受は、内輪と、外輪と、内外輪の間に径方向に開いた環状空間を有するラジアル軸受である。転がり軸受の内輪は中実あるいは中空の軸であってもよい。連通孔はインホイールモータ駆動装置の上部に配置されることが好ましい。
また本発明によれば、仮にケーシング内部空間から連通孔をへてブリーザ室に潤滑油が逆流しても、ケーシング内部空間へ還流させることができる。
また本発明によれば、仮にケーシング内部空間から連通孔をへてブリーザ室に潤滑油が逆流しても、および/またはケーシング内部空間から戻り流路をへてブリーザ室に潤滑油が逆流しても、ブリーザ孔に達し難くすることができる。
また本発明によれば、平行軸歯車減速機でモータ部の回転を減速することができる。本発明の減速部の機構は特に限定されず、例えば遊星歯車組を含んでいてもよい。
回転軸は1本でもよいが、好ましくは複数設けられる。複数の回転軸に歯車を結合し、複数の歯車同士を噛合させて、モータ部の回転を減速して伝達することができる。本発明の一実施形態として回転軸には、転がり軸受と隣り合う位置で、外歯歯車が同軸に設けられる。かかる実施形態によれば外歯歯車が転がり軸受を覆うことから、ケーシング内部の潤滑油が激しく攪拌されても、転がり軸受に達する潤滑油を少なくすることができる。他の実施形態として、転がり軸受の側部は何ら覆われることがない場合、潤滑油は何ら阻害されることなく転がり軸受に達する。
本発明の好ましい実施形態として、連通孔はブリーザ室の一端部に設けられ、ブリーザ孔はブリーザ室の他端部に設けられる。かかる実施形態によれば、連通孔とブリーザ孔が遠くなるように離隔されることから、仮にケーシング内部空間から連通孔をへてブリーザ室に潤滑油が逆流しても、ブリーザ孔に達し難くすることができる。好ましい実施形態として連通孔は、ブリーザ孔とは異なる箇所に指向するとよい。他の実施形態として、連通孔はブリーザ孔の近傍に設けられる。
本発明の好ましい実施形態として、複数の障壁が立設されてラビリンス通路を構成するとよい。これによりブリーザ室内の潤滑油がブリーザ孔へ達し難くすることができる。複数の障壁あるいは障害物は、ブリーザ室の内壁面と一体形成されていてもよいし、ブリーザ室の内壁面に取り付けられる別部材であってもよい。
このように本発明によれば、インホイールモータ駆動装置内部の潤滑油が逆流してブリーザ孔から噴き出すことを防止することができる。したがって車輪のタイヤが潤滑油で汚染されることがなく、インホイールモータ駆動装置が油量不足になることがない。
本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。 同実施形態を模式的に示す横断面図である。 同実施形態を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態を模式的に示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。図2は、同実施形態を模式的に示す横断面図であり、図1中、II―IIで示す平坦面でインホイールモータ駆動装置を切断し、矢の方向にみた状態を表す。なお図1は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面でインホイールモータ駆動装置を切断し、軸線Mおよび軸線Oを含む平面でインホイールモータ駆動装置を切断し、これらの切断面を接続して示す。図1では、紙面左側を車幅方向外側(アウトボード側)とし、紙面右側を車幅方向内側(インボード側)とする。以下の説明では、車幅方向外側を軸線方向一方ともいい、車幅方向内側を軸線方向他方ともいう。図2では、紙面上側を車両上方とし、紙面下側を車両下方とし、紙面左側を車両前方とし、紙面右側を車両後方とする。車両前方とは車両の前進方向である。車両後方とは車両の後退方向である。
インホイールモータ駆動装置10は、図示しない車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備える。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向一方(アウトボード側)に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向他方(インボード側)に配置され、減速部31はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向中央部に配置される。
図1に示すように車輪ハブ軸受部11は、回転内輪・固定外輪とされ、図示しない車輪ホイールと結合する回転輪としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。車輪ハブ軸受部11は、ハブベアリングともいい、車輪輪荷重を支持する。
外輪13の外周面にはフランジが立設される。外輪フランジには周方向に間隔を空けて貫通孔が穿設される。各貫通孔は軸線Oと平行に延び、軸線O方向一方側からボルト15が通される。各ボルト15の軸部は、本体ケーシング38の正面部分38fに穿設される雌ねじ孔と螺合する。これにより外輪13は正面部分38fに連結固定される。なお正面部分38fは減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。
内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。外輪13からインホイールモータ駆動装置10の外部へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、結合部12fが形成される。結合部12fはフランジであり、図示しないブレーキロータおよび車輪と同軸に結合するための結合部を構成する。内輪12は結合部12fで車輪と結合して、車輪と一体回転する。
内輪12および外輪13間の環状空間には、複数列の転動体14が配置される。内輪12の軸線O方向中央部の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部外周には内側軌道輪12rが嵌合する。内側軌道輪12rの外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12および外輪13間の環状空間には、シール材16がさらに介在する。シール材16は環状空間の両端を封止して、塵埃および異物の侵入を阻止する。内輪12の軸線O方向他方端の中心孔には減速部31の出力軸37が差し込まれてスプライン嵌合する。
モータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、およびモータケーシング25を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップであってもよい。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。具体的には図2に示すようにモータ部の軸線Mは、軸線Oよりも車両前方に配置される。
説明を図1に戻すと、モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25に回転自在に支持される。モータケーシング25は略円筒形状であり、軸線M方向一方端で本体ケーシング38と一体に結合し、軸線M方向他方端を板状のモータケーシングカバー25vで封止される。モータ部21は内輪12を駆動する。
減速部31は、3軸の平行軸歯車減速機であって、モータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32sと、入力軸32sの外周面に同軸に設けられる入力歯車32と、複数の中間歯車33,35と、これら中間歯車33,35の中心と結合する中間軸34と、車輪ハブ軸受部11の内輪12と同軸に結合する出力軸37と、出力軸37の外周面に同軸に設けられる出力歯車36と、これら複数の歯車および回転軸を収容する本体ケーシング38を有する。
入力歯車32は小径の外歯歯車であり、軸線Mに沿って配置される入力軸32sの軸線M方向他方端部外周に形成される多数の歯である。入力軸32sの軸線方向他方端部には軸線Mに沿って延びる中心穴が形成され、モータ回転軸22の軸線方向一方端部を差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。入力軸32sは入力歯車32の両端側で、転がり軸受32m,32nを介して、本体ケーシング38の正面部分38fおよび背面部分38bに回転自在に支持される。
減速部31の中間軸34は軸線Oと平行に延び、中間軸34の両端は、軸受34m,34nを介して、本体ケーシング38の正面部分38fおよび背面部分38bに回転自在に支持される。中間軸34の中央部には第1中間歯車33および第2中間歯車35が同軸に設けられる。第1中間歯車33および第2中間歯車35は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車33の径が第2中間歯車35の径よりも大きい。第1中間歯車33は、第2中間歯車35よりも軸線N方向他方側に配置されて、入力歯車32と噛合する。第2中間歯車35は、第1中間歯車33よりも軸線N方向一方側に配置されて、出力歯車36と噛合する。
中間軸34の軸線Nは、図2に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸34の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機である。
説明を図1に戻すと出力歯車36は外歯歯車であり、出力軸37の中央部に同軸に設けられる。出力軸37は軸線Oに沿って延びる。出力軸37の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。かかる嵌合は、スプライン嵌合あるいはセレーション嵌合である。出力歯車36の歯先および歯底は、外輪13のフランジ部よりも大径である。出力軸37の軸線O方向他方端部は、転がり軸受36nを介して、本体ケーシング38の背面部分38bに回転自在に支持される。
出力歯車36の軸線O方向一方端面には、円筒部37cが形成される。円筒部37cは軸線Oを中心とする。本体ケーシング38の正面部分38fには、円筒部37cを受け入れる円形凹部が形成される。これら円形凹部と円筒部37cの間には転がり軸受36mが設けられる。これにより出力軸37の軸線O方向一方端部は、転がり軸受36mを介して、本体ケーシング38の正面部分38fに回転自在に支持される。
減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車32と第1中間歯車33の噛合、また第2中間歯車35と出力歯車36の噛合、によりモータ回転軸22の回転を減速して出力軸37に伝達する。
本体ケーシング38は、筒状部分と、当該筒状部分の両端を覆う正面部分38fおよび背面部分38bを含む。筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31を覆う。正面部分38fは、減速部31の軸線方向一方側を覆う。背面部分38bは、減速部31の軸線方向他方側を覆う。本体ケーシング38の背面部分38bは、モータケーシング25と結合し、減速部31の内部空間31sおよびモータ部21の内部空間21sを仕切る隔壁でもある。モータケーシング25は本体ケーシング38に支持されて、本体ケーシング38から軸線方向他方側へ突出する。
本体ケーシング38は、内部空間31sを区画し、減速部31の全ての回転要素(回転軸および歯車)を収容する。図2に示すように本体ケーシング38の下部は、オイル貯留部51とされる。内部空間31sの下部を占めるオイル貯留部51には、モータ部21および減速部31を潤滑する潤滑油が貯留する。オイル貯留部51の上側には、背面部分38bを貫通する開口54が形成される。開口54は減速部31の内部空間31sおよびモータ部21の内部空間21sを連通する。
入力軸32sと、中間軸34と、出力軸37は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。互いに平行な軸線M,N,Oの軸線方向位置に関し、軸線方向一方側の転がり軸受32m,34m,36mの軸線方向位置は、互いに重なる。より好ましくは図1に示すように、これら転がり軸受32m,34m,36mの軸線方向位置はすべて一致する。軸線方向他方側の転がり軸受32n,34n,36nの軸線方向位置は、互いに重なる。より好ましくは、これら転がり軸受32n,34n,36nの軸線方向位置はすべて一致する。第2中間歯車35および出力歯車36は、軸線方向一方側に配置され、これら歯車の軸線方向位置は、互いに重なる。より好ましくは、これら歯車の軸線方向位置は一致する。入力歯車32および第1中間歯車33は、軸線方向他方側に配置され、これら歯車の軸線方向位置は、互いに重なる。より好ましくは、これら歯車の軸線方向位置は一致する。これにより減速部31の軸線方向寸法を小さくすることができる。
円筒部37cの内周面は環状凹部37dを区画する。環状凹部37dの軸線O方向位置は出力歯車36の一部と重なる。これにより、出力歯車36の歯と出力軸37との間の軸線O方向厚みは、出力歯車36の歯幅よりも小さくされる。環状凹部37dは、内輪12と、内側軌道輪12rと、外輪13を受け入れる。このように軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11と減速部31とを重ねるように配置して、インホイールモータ駆動装置10の軸線方向寸法を小さくすることができる。
図3は、同実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す縦断面図であり、減速部31を軸線Nおよび軸線Oを含む平面で切断し、その切断面を表すとともに、モータ部21を別な平面で切断してその内部空間21sを表す。図4は、同実施形態のインホイールモータ駆動装置を模式的に示す断面図であり、軸線方向他方からインホイールモータ駆動装置の内部をみた状態を表す。
本実施形態のインホイールモータ駆動装置10は、ブリーザ構造として、ブリーザキャップ42、ブリーザ孔43、ブリーザ室44、および連通孔45を有する。
ブリーザ室44は、上下方向に互いに対面する上壁46および底壁47と、軸線方向に互いに対面する背面部分38bおよびモータケーシングカバー25vと、車両前後方向に互いに対面する後壁48およびモータケーシング25とによって区画される箱状の空間である。ブリーザ室44には、3本の貫通孔であるブリーザ孔43、連通孔45、および戻り流路49が形成されて、外部と接続する。
図4に示すようにブリーザ室44は、モータ部21よりも車両後方に配置される。より具体的には、ステータ24の上部と同じ上下方向位置に配置される。モータケーシング25の上部には端子箱26が形成される。端子箱26はステータ24から上方へ突出する。
ブリーザ孔43は上壁46を上下方向に貫通する孔である。ブリーザ孔43の上端は、上壁46の外壁面に設けられたブリーザキャップ42と接続する。ブリーザキャップ42は、上方に向かって先細に形成されるパイプであり、インホイールモータ駆動装置10の外部から飛来する異物を遮断して、ブリーザ孔43に異物が進入することを防止する。図4に示すようにブリーザキャップ42は、モータ部21の端子箱26よりも車両後方に配置される。
連通孔45は背面部分38bをインホイールモータ駆動装置の軸線方向に貫通する孔である。図2に示すように減速部31は、3本の軸線O,N,Mに沿って延びる回転軸を備え、連通孔45は3本のうち最も上方の軸線Nを包囲する転がり軸受34nの内径側に配置される。また連通孔45は、転がり軸受34nの複数の転動体が収容される環状空間よりも内径側に配置される。
図3に示すように車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向一方端部に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向他方端部に配置され、減速部31はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向中央部に配置される。連通孔45は軸線方向に延びる。ブリーザ室44の軸線方向位置は、モータ部21と重なる。ブリーザ室44は、図4に示すようにステータ24よりも外径側に設けられる。図3に示すように連通孔45が設けられる壁部分38bpは、ブリーザ室44と転がり軸受34nの間を仕切る。
ここで転がり軸受34nにつき補足説明する。転がり軸受34nはラジアル軸受であって、外輪34nb、内輪34nd、および複数の転動体34ncを有する。内輪34ndは外輪34nbの内側に同軸に配置され、これらの間に径方向に開いた環状空間34nfを区画する。環状空間34nfに配置される転動体34ncは例えば玉である。
ブリーザ室44と転がり軸受34nの間を仕切る壁部分38bpの一方壁面には、環状壁38bnが立設される。環状壁38bnの内側には、中間軸34の軸線N方向他方端部が配置される。そして環状壁38bnの内側壁面と、中間軸34の端部外周面には転がり軸受34nが設置される。環状壁38bnの内側壁面には転がり軸受34nの外輪34nbが嵌合される。環状壁38bnと第1中間歯車33の他方端面との間には、軸線N方向に開いた隙間33sが確保される。減速部31の歯車が大量の潤滑油を掻き揚げても、隙間33sは僅かな潤滑油の通過しか許容しない。
中間軸34の他方端面は壁部分38bpの一方壁面と隙間34sを介して対面する。隙間34sの外縁は環状壁38bnに区画される。隙間34sは、外輪34nbおよび内輪34ndの環状空間を介して、減速部31の内部空間31sと接続する。連通孔45はインホイールモータ駆動装置10の軸線方向に延び、連通孔45の一端は隙間34sと接続する。連通孔45の他端はブリーザ室44と接続する。つまり連通孔45は隙間34sとブリーザ室44を連通する。
インホイールモータ駆動装置10の内圧が上昇すると、内部空間31sの空気は、転がり軸受34nの環状空間34nfと、隙間34sと、連通孔45と、ブリーザ室44と、ブリーザ孔43と、ブリーザキャップ42を順次通過して、インホイールモータ駆動装置10の外部へ移動する。インホイールモータ駆動装置10の内圧が下降すると、空気がインホイールモータ駆動装置10の外部から内部空間31sまで反対方向に移動する。
本実施形態によれば、ブリーザ室44と転がり軸受34nの間を仕切る壁部分38bpが隙間34sを介して中間軸34の端面と対面し、壁部分38bpには一端が隙間34sと接続し他端がブリーザ室44と接続する連通孔45が形成され、隙間34sは転がり軸受34nの環状空間34nfを介して本体ケーシング38の内部空間31sと接続する。このようにブリーザ構造の連通孔45は、内部空間31sとブリーザ室44を連通するのではなく、隙間34sとブリーザ室44を連通することから、内部空間31sに配置される各歯車が高速で回転して、減速部31に封入される潤滑油が各歯車によって掻き揚げられても、潤滑油は連通孔45へ直接飛来しない。したがって潤滑油がブリーザ孔43からインホイールモータ駆動装置10の外部へ噴出することを防止することができる。
また本実施形態によれば、回転軸である中間軸34には、隙間33sを介して転がり軸受34nと軸線N方向に隣り合う位置で、外歯歯車である中間歯車33が同軸に設けられることから、転がり軸受34nの環状空間34nfは中間歯車33の端面に覆われる。これにより内部空間31sに配置される各歯車が高速で回転して、減速部31に封入される潤滑油が各歯車によって掻き揚げられても、潤滑油は環状空間34nfへ直接飛来しない。したがって潤滑油がブリーザ孔43からインホイールモータ駆動装置10の外部へ噴出することを防止することができる。
説明を図3および図4に戻すと、戻り流路49はブリーザ室44の底壁47に形成されて上下方向に延び、上端でブリーザ室44と接続し、下端でモータ部21の内部空間21sと接続する。内部空間21sには、ステータ24と、ロータ23(図1)と、モータ回転軸22(図1)が配置される。
図3に示すように戻り流路49は、モータケーシングカバー25vに隣接して配置される。これにより戻り流路49は、背面部分38bを貫通する連通孔45から最も遠い位置に配置される。図4に示すように、モータケーシング25の下部には、周方向に延びる長孔25hが形成される。長孔25hは、円筒形状のモータケーシング25のうちモータ内部空間21sの底壁に設けられ、長孔25hは上側の内部空間21sと下側の開口54を連通する。上方になるモータ内部空間21s内の潤滑油は、長孔25hと、開口54とを順次経て、下方になるオイル貯留部51に還流する。
本実施形態によれば、仮に潤滑油が内部空間31sから連通孔45を経てブリーザ室44に流入しても、戻り流路49から、内部空間21sと、長孔25hと、開口54とを経て、内部空間31sに還流させることができる。
また本実施形態によれば、連通孔45はブリーザ室44の一端に設けられ、ブリーザ孔43はブリーザ室44の他端に設けられることから、仮に潤滑油が内部空間31sから連通孔45を経てブリーザ室44に流入しても、ブリーザ孔43からインホイールモータ駆動装置10の外部へ噴出することを防止することができる。
説明を図4に戻すと、ブリーザ室44の内部には、第1障壁52および第2障壁53が設けられる。第1障壁52は、上壁46の内壁面から垂下し、連通孔45の他端とブリーザ孔43の内側端を結ぶ直線と交差する。第2障壁53は、第1障壁52の下縁から車両後方へ広がり、ブリーザ孔43の内側端と戻り流路49の上端を結ぶ直線と交差する。
本実施形態によれば、第1障壁52および第2障壁53を有することから、仮に潤滑油が内部空間31sから連通孔45を経てブリーザ室44に流入しても、ブリーザ孔43へ達することを防止できる。また仮に潤滑油が内部空間21sから戻り流路49を経てブリーザ室44に流入しても、ブリーザ孔43へ達することを防止できる。
また本実施形態によれば、図2に示すように連通孔45が軸線Oや軸線Mよりも上方に配置されることから、内部空間31sの下部に潤滑油が貯留しても、連通孔45は油面より上にされる。
また本実施形態によれば、連通孔45は転がり軸受34nの内径側に配置されるところ、具体的には軸線Nの真上でも真下でもなく、軸線Nから車両前後方向に離れて配置される。これにより、仮に潤滑油が転がり軸受34nの内径側に通油されても、潤滑油は転がり軸受34nの下部へ流れていくので、潤滑油が連通孔45に達し難くすることができる。
また本実施形態によれば、図4に示すように第1障壁52および第2障壁53が、断面L字状に屈曲して接続することから、ブリーザ室44にラビリンス構造を設けることができる。したがって連通孔45からブリーザ孔43までの経路を十分に長く得て、潤滑油の逆流を防止することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
21 モータ部、 21s モータ部の内部空間、
22 モータ回転軸、 23 ロータ、
24 ステータ、 25 モータケーシング、 25h 長孔、
25v モータケーシングカバー、 26 端子箱、
31 減速部、 31s減速部の内部空間、 32 入力歯車、
32s 入力軸、 33 第1中間歯車、 33s 隙間、
34 中間軸、 34n 転がり軸受、
34nb 転がり軸受の外輪、 34nc 転がり軸受の転動体、
34nd 転がり軸受の内輪、 34nf 転がり軸受の環状空間、
34s 隙間、 35 第2中間歯車、 36 出力歯車、
37 出力軸、 38 本体ケーシング、 38b 背面部分、
38bn 背面部分の環状壁、 38bp 背面部分の壁部分、
38f 正面部分、 42 ブリーザキャップ、
43 ブリーザ孔、 44 ブリーザ室、 45 連通孔、
46 ブリーザ室の上壁、 47 ブリーザ室の底壁、
48 ブリーザ室の後壁、 49 戻り流路、
51 オイル貯留部、 52 ブリーザ室の第1障壁、
53 ブリーザ室の第2障壁、 54 開口。

Claims (4)

  1. 回転輪を回転自在に支持する車輪ハブ軸受部と、
    前記回転輪を駆動するモータ部と、
    平行軸歯車減速機を含み、前記モータ部の回転を減速して前記回転輪に伝達する減速部とを備え、
    前記減速部は、回転軸と、前記回転軸の端部を回転自在に支持する転がり軸受と、前記回転軸および前記転がり軸受を収容するケーシングと、前記転がり軸受に隣り合って設けられるブリーザ室と、外側端がケーシング外部と接続し内側端が前記ブリーザ室と接続するブリーザ孔と、上端が前記ブリーザ室と接続し下端が前記ケーシングの内部空間と接続し前記ブリーザ室内の油を前記内部空間に戻す戻り流路を有し、
    前記ブリーザ室と前記転がり軸受の間を仕切る壁部分が、隙間を介して前記回転軸の端部の端面と対面し、
    前記壁部分には、一端が前記隙間と接続し、他端が前記ブリーザ室と接続する連通孔が形成され、
    前記隙間は、前記転がり軸受の転動体が配置される環状空間を介して前記内部空間と接続し、
    前記ブリーザ室の内部には、前記連通孔の前記他端と前記ブリーザ孔の前記内側端を結ぶ直線と交差する障壁、および/または前記ブリーザ孔の前記内側端と前記戻り流路の前記上端を結ぶ直線と交差する障壁が立設され、
    前記回転軸は、前記平行軸歯車減速機の内部で前記モータ部のモータ回転軸および/または前記回転輪と平行に延び、前記モータ部の回転を減速して前記回転輪に伝達し、
    前記内部空間は、前記モータ部の内部空間および前記平行軸歯車減速機の内部空間を含み、
    前記戻り流路の下端は前記モータ部の内部空間と接続し、
    前記モータ部の内部空間および前記平行軸歯車減速機の内部空間は隔壁で仕切られ、
    前記隔壁の下部には、前記モータ部の内部空間および前記平行軸歯車減速機の内部空間を連通する貫通孔が設けられる、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記回転軸には、前記転がり軸受と隣り合う位置で、外歯歯車が同軸に設けられる、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記連通孔は前記ブリーザ室の一端部に設けられ、前記ブリーザ孔は前記ブリーザ室の他端部に設けられる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記障壁は、前記ブリーザ室の内部に複数立設けられ、ラビリンス通路を構成する、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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