JP6799227B2 - 回収可能なカッター駆動ユニットを有するシールド掘進機 - Google Patents
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Description
図10(A)に示すように、このシールド掘進機200は、スキンプレート201、シールドジャッキ202、回転カッター203、センターシャフト204を備えている。隔壁は、開口部を有する外周隔壁205と、当該開口部を塞ぐ内周隔壁206とで構成され、外周隔壁205の後面に内周隔壁206をボルト207で固定するように構成されている。内周隔壁206には土水圧が作用するため、ボルト207は外周隔壁205の切羽側から固定されている。
図11(A)に示すように、このシールド掘進機300は、スキンプレート301、推進ジャッキ302、カッタ板303、回転支持部材304、隔壁305を備えている。回転支持部材304は、カッタ板303の背面中央部に前端が固着されるとともにシールド軸方向後方に向って開口している中空の形状であって、その後端部は、出力回転部材310の前面側に、ボルト307aで前方から止められている。隔壁305は、その中心円形孔に軸受部312を有し、回転支持部材304を回転可能に支持する。
本願請求項8に係る発明は、前記隔壁は、前方に突出した隔壁筒部を有し、前記駆動ユニットは、前方に突出した部分を有し、前記隔壁筒部の内周に、前記前方に突出した部分が入ることが可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のシールド掘進機である。
以下、本発明の第1の実施形態について図面の図1乃至図5と共に説明する。なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
シールド掘進機Aは、密閉型の泥土圧式シールド掘進機であり、隔壁5の下部の開口部にスクリューコンベア7を備えている。
シールド掘進機Aは、回転カッター3を回転させ地山を掘削し、チャンバ20に掘削した土砂を貯留してスクリューコンベア7によって排出する。
センターシャフトは、回転カッター3を備えるカッター側センターシャフト31と、駆動ユニット10に備えられる駆動側センターシャフト13とを備える。
駆動側センターシャフト13は、隔壁5の後面に着脱自在に取り付けられた駆動ユニット10に回転可能に支持されている。
駆動ユニット10は、ユニットフレーム11、駆動モータ12、ユニットフレーム固定部材14、駆動ギヤ15、伝達ギヤ16、駆動側センターシャフト軸受17、駆動側センターシャフト軸受シール18とを備える。
伝達ギヤ16は、駆動側センターシャフト13に取り付けられて駆動側センターシャフト13と一体に回転するもので、駆動ギヤ15と噛合っている。駆動側センターシャフト軸受17は、ユニットフレーム11に設けられ、駆動側センターシャフト13を回転可能に支持するものである。駆動側センターシャフト軸受17には、ベアリング等が内蔵されている。駆動側センターシャフト軸受シール18は、駆動側センターシャフト13の外周面に接しており、前方から駆動側センターシャフト軸受17側に土水が浸入するのを防止する。
駆動側センターシャフト13の駆動側センターシャフト軸受シール18と接している部分より前部は、シールド軸方向前方側に凸形状に突出した駆動側センターシャフト凸部13aとなっている。駆動側センターシャフト凸部13aは、カッター側センターシャフト31のシールド軸方向後方側に開口したカッター側センターシャフト凹部31aに嵌合する。駆動側センターシャフト凸部13aの外周面には、シールド軸方向に突条13a1が設けられている。
具体的なカッター側センターシャフト凹部31aとの嵌合構造の詳細は、後述する。
ボルト孔5aは、図2および図3(B)に示すように、有底形状となっている。これは、ユニットフレーム固定部材14が取り外された際に、隔壁5の開口となってしまうと、チャンバ20の土砂水がシールド掘進機内に浸入するからである。この場合、ボルト孔5aの底部から隔壁5のチャンバ20側面までの距離が、土水圧に対して十分に対向できるような隔壁5の板厚としている。
駆動ユニット10の最外周を構成するユニットフレーム11は、シールドジャッキ2や中折ジャッキ4、スクリューコンベア7の開口部より内側に設けられている。このため、駆動ユニット10を隔壁5から取り外し後方に移動させる際に、シールドジャッキ2や中折ジャッキ4を取り外さずに作業を行うことも可能となっている。
隔壁5の中心部には、前方に突出した隔壁筒部5bが設けられている。隔壁筒部5bの内周には、ユニットフレーム11の前方に突出した部分が接する。このようにすることで、隔壁5に駆動ユニット10を取り付ける際の位置決めとしても機能する。この接する部分をテーパー形状とするとさらに位置決め機能は向上する。
また、隔壁筒部5bおよび止水リング押さえ部材5cの内周面周方向には、シール溝5eがそれぞれ2条ずつ設けられており、シール8がカッター側センターシャフト31の外周面に接している。シール8は、全部で4条設けられている。
このような構造により、カッター側センターシャフト31は、隔壁5に回転可能に支持されることとなり、チャンバ20内からシールド掘進機A内に土水が浸入しない。
なお、本実施の形態では、二つのキー接合で構成されているが、これに限らない。また、キー接合に限られず、回転力を伝達するものであれば良い。例えば、カッター側センターシャフト凹部31aと駆動側センターシャフト凸部13aとの断面形状を円形ではなく、三角形、矩形または多角形として嵌合させて係合して接続するものでも良い。
シールド掘進機Aが目的の地点に到達すると、駆動ユニット10の回収作業を開始する。
スクリューコンベア7が取り付けられる隔壁5の開口部を図示されないシャッタで閉じる。その後にスクリューコンベア7を取り外す。
そして、ユニットフレーム固定部材14をボルト孔5aから取り外して、隔壁5から駆動ユニット10を後方に移動させて分離させる。この移動と同時にカッター側センターシャフト31と駆動側センターシャフト13との嵌合接続が解除される。
また、カッター側センターシャフト31と駆動側センターシャフト13との嵌合接続が解除されても、カッター側センターシャフト31は隔壁5側に残り、両者の間は止水されているので、チャンバ20内の土水がシールド掘進機内に浸入することがない。
よって、地盤改良や到達立坑を必要とすることなく、シールド掘進機の駆動ユニット10を回収することが可能となる。
そして、駆動ユニット10とともにセンターシャフトの一部である駆動側センターシャフト13までも回収して、再利用することができる。
回収した部品を再利用して、再利用可能な部品を除いたシールド掘進機を新たに製作することで、新たに製作するシールド掘進機のコストを抑制することができる。
本発明の第2の実施形態を図6及び図7と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の事項については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第2の実施形態のシールド掘進機Bは、図6(A)に示すように、隔壁5と、駆動ユニット10のユニットフレーム11とが空間Sを一部に介在するようにして設けられている。空間Sを介在させることで、隔壁5から駆動ユニット10を取り外す際に、隔壁5にユニットフレーム11が貼り付いてしまい取り外すことが困難とすることを防止することができる。
図6、図7(A)に示すように、隔壁5の後面にはボルト孔51aを有するスペーサ51が設けられている。スペーサ51のボルト孔51aに、ユニットフレーム固定部材14が螺合され、駆動ユニット10のユニットフレーム11が取り付けられる。よって、スペーサ51が隔壁5と駆動ユニット10のユニットフレーム11との間に介在し、空間Sが形成される。
このように構成すると、隔壁5とカッター側センターシャフト31との取り付けの際の施工性が向上する。例えば、止水リング9、止水リング押さえ部材5cおよび第2隔壁筒部5b2を止水リング固定部材5dで一体として、カッター側センターシャフト31に取り付けておき、その後に隔壁5の第1隔壁筒部5b1に、カッター側センターシャフト31に取り付けられた第2隔壁筒部5b2を隔壁筒部固定部材5b3によって取り付ける方法である。
本発明の第3の実施形態を図8と共に説明する。なお、第1乃至第2の実施形態と同様の事項については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第3の実施形態のシールド掘進機Cは、カッター側センターシャフト31と駆動側センターシャフト13との嵌合接続をより簡単に解除するため、カッター側センターシャフト凹部31aの底部と、駆動側センターシャフト凸部13aの先端部とを油圧により離間させるものである。
カッター側センターシャフト凹部31aの内周面31a2の周方向には、油圧用シール溝31cが形成されており、油圧用シール61が駆動側センターシャフト凸部13aの外周面13a2の周方向に接して設けられている。
これは、カッター側センターシャフト31と駆動側センターシャフト13との嵌合接続の解除における初期の段階で非常に有効であるが、それだけでなく、油圧用シール61を設置する位置をさらに後方に配置するなどして、さらに後の駆動側センターシャフト13の移動工程に利用しても良い。
このテーパー形状の構成によって、カッター側センターシャフト31が設けられた隔壁5に、駆動側センターシャフト13が設けられた駆動ユニット10を取り付ける際の作業も、効率的に行うことができる。この作業の際のカッター側センターシャフト凹部31aと駆動側センターシャフト凸部13aとの嵌合作業が、隔壁5と駆動ユニット10のユニットフレーム11との位置決めになるからである。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
例えば、第3の実施形態におけるカッター側センターシャフト凹部31aの底部と、駆動側センターシャフト凸部13aの先端部とを油圧により離間させる構成やカッター側センターシャフト凹部31aの内周面31a2と駆動側センターシャフト凸部13aの外周面13a2との嵌合接続に係るテーパー形状の構成のそれぞれを、単独あるいは併用して、第1の実施形態や第2の実施形態に適用する実施例である。
都市部の高速道路のランプ部を構築するような工事では、大規模な地下空間を構成するために、開削工事は採用され難く、地下空間の外殻の構築にシールドトンネルを複数並列して施工する方法が採用される。これらの複数並列したシールドトンネルは、その規模によって数十台の複数の同径のシールド掘進機が採用される。これらのシールドトンネルの本数分だけ、シールド掘進機を製作すれば、大きなコストを要することになる。よって、シールド掘進機をできるだけ再利用して、コストを抑制することが要求される。
2 シールドジャッキ
3 回転カッター
4 中折ジャッキ
5 隔壁
6 セグメント
7 スクリューコンベア
8 シール
9 止水リング
10 駆動ユニット
11 ユニットフレーム
12 駆動モータ
13 駆動側センターシャフト
13a 駆動側センターシャフト凸部
13a1 突条
13b 流体通路
13c 流体供給口
14 ユニットフレーム固定部材
15 駆動ギヤ
16 伝達ギヤ
17 駆動側センターシャフト軸受
18 駆動側センターシャフト軸受シール
19a 前方回収台車
19b 後方回収台車
20 チャンバ
31 カッター側センターシャフト
31a カッター側センターシャフト凹部
31a1 キー溝
31b 止水リング溝
51 スペーサ
60 油圧オイル
61 油圧用シール
A、B、C シールド掘進機
S 空間
Claims (8)
- 回転カッターと、センターシャフトと、隔壁と、駆動源からの駆動力を前記センターシャフトに伝達する駆動ユニットと、を備えたシールド掘進機であって、
前記センターシャフトは、前記回転カッターを備えるとともに前記隔壁に回転可能に止水され支持されるカッター側センターシャフトと、前記駆動ユニットに回転可能に軸受けされる駆動側センターシャフトと、を備えており、
前記駆動ユニットが前記駆動側センターシャフトを軸受けしたまま前記隔壁の後側に着脱可能に設けられており、
前記カッター側センターシャフトと前記駆動側センターシャフトとは着脱自在に嵌合接続されている
ことを特徴とするシールド掘進機。 - 前記カッター側センターシャフトまたは前記駆動側センターシャフトは、接続される他方のシャフト側に開口した有底筒形状の凹部を備えており、
前記カッター側センターシャフトまたは前記駆動側センターシャフトは、接続される他方のシャフト側に突出した形状の凸部を備えており、
前記凹部と前記凸部とが着脱自在に嵌合接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。 - 前記凹部の内周面と前記凸部の外周面とは、キー接合されていることを特徴とするに請求項2に記載のシールド掘進機。
- 前記凹部の内周面と前記凸部の外周面とは、前記凹部の開口方向に向って開いたテーパー形状となっていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシールド掘進機。
- 前記駆動側センターシャフトは、流体通路を備え、
前記流体通路の一端は、前記カッター側センターシャフトとの嵌合接続された部分に開口していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のシールド掘進機。 - 前記駆動ユニットは、固定部材によって前記隔壁のシールド軸方向後方側に着脱自在に取り付けられており、
前記隔壁には、シールド軸方向前方側には開口せずシールド軸方向後方側に開口した前記固定部材が固定される孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のシールド掘進機。 - 前記隔壁のシールド軸方向後方側にスペーサが設けられ前記隔壁と前記駆動ユニットとの間に空間を有しており、
前記スペーサに前記孔が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のシールド掘進機。 - 前記隔壁は、前方に突出した隔壁筒部を有し、
前記駆動ユニットは、前方に突出した部分を有し、
前記隔壁筒部の内周に、前記前方に突出した部分が入ることが可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のシールド掘進機。
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