JP6798870B2 - 高圧ガス容器の管理システム - Google Patents
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Description
このため、先行技術文献1では、RFタグを高圧ガス容器につけて、高圧ガスの容器への充填、出荷、納入、消費、回収、検査、廃棄の流通段階で、充填・移動情報をRFタグに書き込むと共に、そのデータをサーバーで一元管理することを提案している。
なお、特許文献1では、各種のデータをサーバーで一元管理しているが、これを授受簿にするという考えはないし、また、授受簿を作成できたとしても、使用者用の授受簿を作成するのは使用者であって、容器毎にデータ入力をする手間は避けられない。
更に、もし、特許文献1のサーバーの情報をベースにして授受簿を作成すると仮定したとても、流通段階のデータだけでは適正な授受簿を作成することはできず、このため高圧ガス容器を適切に管理するのも困難である。例えば高圧ガス保安法に基づきガス貯蔵量の基準が設けられており、その基準を超えている場合は届け出る、或いは許可を取得する必要がある。ところが、ガス消費量が多く事業所内に複数の容器置場を有する大規模事業者等では、容器は頻繁に容器置場を移動するため、現実のガス貯蔵量も変動することになり、このような貯蔵量超過を使用者が管理することは難しい。
そして、情報処理装置には、少なくとも複数の高圧ガス容器の夫々を特定するための識別子と、被使用者から使用者に対して高圧ガス容器を出荷した出荷日と、高圧ガス容器の充填量とが関連づけて出荷時情報として格納されている。ここで、この出荷時情報における出荷日は使用者の入荷日に他ならない。そこで、情報処理装置は、出荷時情報の出荷日を使用者が高圧ガス容器を受け入れた入荷日と擬制し、該入荷日、識別子、及び充填量を関連づけて入荷時の情報としてデータベースに保存するための入荷時情報生成手段を有するようにした。このため、ガス販売者等の被使用者が出荷時情報を入力すれば、授受簿に必要な入荷時の項目の内、少なくとも高圧ガス容器の識別子(現在の規則では容器の記号および番号)、入荷日(即ち、授受年月日)、及び充填量のデータを管理できる。従って、この被使用者側で入力したデータを利用すれば、使用者は自ら入力することなく授受簿を作成できる。或いは、使用者が自ら授受簿にデータを入力する場合であっても、その入力の正誤を確認するためのデータとして利用することもできる。
さらに、現地端末は、敷地内の高圧ガス容器の複数の置場の内、いずれの置場に高圧ガス容器を配置したかの情報である容器置場情報が入力可能であり、また、情報処理装置では、この容器置場情報を現地端末から受信して、置場と高圧ガス容器の識別子とを関連づけてデータベースに格納する置場履歴生成手段を有する。従って、現地端末に各高圧ガス容器の置場のデータを入力すれば、情報処理装置は、高圧ガス容器の識別子に紐づけて、その置場データ(即ち、入荷時では容器の授受先、入荷後は容器の敷地内の移動先)、入荷日、充填量をデータベースに保存できる。従って、この保存したデータを利用して、より完全な授受簿を作成することができる。また、該データの各項目を切り口にした情報を出力することもでき、その切り口とする項目が例えば置場であれば、置場毎に配置された高圧ガス容器を特定できる。
そして、情報処理装置は、置場履歴生成手段により把握される置場毎に配置された高圧ガス容器の本数をカウントすると共に、このカウントした高圧ガス容器の識別子に関連付けられた充填量に基づいて、置場毎の予め定められた貯蔵量に関する基準値を超えているか否かを判定する貯蔵量判定手段を有している。従って、高圧ガス容器が敷地内を移動して、置場毎のガス貯蔵量が変動しても、貯蔵量判定手段が高圧ガス保安法に基づき定められているガス貯蔵量の基準を超えたか否かを判断することができ、もって、使用者は届出・許可取得の有無を容易に把握できる。
そうすると、情報処理装置は、返却判定手段の「入荷日から予め定められた返却期間」を、各地方自治体の指導による高圧ガス容器の販売者側への返却期間に対応させることで、各地方自治体が定める返却期限が途過したことを判断することができる。
そして、現地端末側では、返却期間が経過しているのに未返却である高圧ガス容器の存在を知らせるので、使用者は返却期限を超えた高圧ガス容器を特定することができる。しかも、情報処理装置では、上述の置場履歴生成手段により、置場と高圧ガス容器の識別子とを関連づけてデータベース化しているので、返却期限が経過した高圧ガス容器の置場も判断することが可能である。従って、使用者は、敷地内に複数の置場が存在しても、返却期限を超えた高圧ガス容器を容易に探知できる。
そうすると、高圧ガス容器には、各容器を区別するための区別情報が入力され、近距離無線によりデータの送受信が可能な近距離無線通信体(例えばRFタグ)が装着されているため、被使用者側が高圧ガス容器を出荷する前に、近距離無線通信体に区別情報を入力することができる。
そして、この近距離無線通信体との間で少なくとも区別情報の受信が可能な移動体端末装置(例えばハンディターミナル)を有しているため、移動体端末装置を近距離無線通信体に近づければ、移動体端末装置で近づけた高圧ガス容器を特定できる。例えば、区別情報が上述した高圧ガス容器の識別子であれば、移動体端末装置で高圧ガス容器の識別子を把握できる。或いは、区別情報が近距離無線通信体に独自に付けられたコードであって、移動体端末装置で該コードに紐づけられた高圧ガス容器の識別子を予め設定しておけば、移動体端末装置では高圧ガス容器の識別子を把握できる。
このようにして移動体端末装置では高圧ガス容器の識別子を把握でき、そして、移動体端末装置は、識別子に関連付けた入荷日が格納されているので、近づけた容器を特定すると共に、その特定した容器の入荷日を判断できる。そして、移動体端末装置は、入荷日以降に近距離無線通信体から区別情報を受信した際、入荷日からの保管期間を計算し、この保管期間が販売者側に返却すべき返却期間を経過している場合、使用者に返却すべきことを報知する報知手段を有しているので、移動体端末装置を近距離無線通信体に近づければ、その場で返却すべき容器か否かを把握でき、その後の処理を円滑・迅速に行うことができる。
また、このような移動体端末装置は、現地端末との間でデータの送受信が可能なため、現地端末を介して情報処理装置と同期するなどして、常に新しい情報を格納することができるし、また、反対に新しい情報を現地端末を介して情報処理装置に送信し、情報処理装置に情報集中させて、情報を一元管理することもできる。
従って、使用者が新たにガスを充填した高圧ガス容器の発注を忘れた場合であっても、発注報知手段により該発注を促して、ガス切れを防止することができる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図において付した同じ符号は同様の構成を有している。
図1に示すように、高圧ガス容器の管理システム(以下、「本システム」という)10は、高圧ガス容器BMにタンク3からガスを充填して出荷する場所であるガスセンター12に配置された「ガスセンター端末14」と、高圧ガス容器BMの使用者の敷地15内に配置された「現地端末20」と、ガスセンター12及び使用者の敷地15の外のデータセンター17に配置され、ガスセンター端末14及び現地端末20との間で電話回線やインターネット回線等の通信回線16を介してデータの送受信が可能な「情報処理装置30」とを有している。
なお、上記「使用者の敷地」とは、使用者の所有地だけではなく借地であっても構わず、使用者の事業所・作業所・活動地とも言い換えられる。
また、本発明は現地端末20と情報処理装置30があれば、図1の実施形態に限られるものではなく、例えば、ガスセンター端末14がなくても構わないし、或いは、例えば情報処理装置30がガスセンター12に配置されていても構わない。
先ず、ガスセンター12内のシステムの概略構成について説明する。
図1のガスセンター12内のガスセンター端末14は、キーボード等の入力インターフェースを有し、高圧ガス容器(以下、「容器」という)BMにガスを充填・出荷する際、ガス販売者等の被使用者(以下、「ガス販売者」という)により出荷するガスや容器に関する情報(出荷時情報)SDの入力が可能とされている。ガスセンター端末14に入力された出荷時情報SDは、データセンター17内に設置されたガス販売者の情報処理装置である販売者サーバー32に送信され、販売者サーバー32には出荷時情報SDが記憶される。
図2はこの出荷時情報SDのデータ内容を表した一例であり、図2に示すように、出荷時情報SDには、容器BMの識別子41、近距離無線通信体18の区別情報42、ガス種43、出荷日44、取引先企業コード45、所有者コード46、容器BMの製造年月日47、容器BMの検査期限48が格納され、それ以外にも容器メーカーコード、事故容器フラッグ、等の情報も格納されている。
容器BMの識別子41は、アルファベットからなる容器記号と数字からなる容器番号との組み合せからなる。この容器記号と容器番号は、5年などの一定期間毎に耐圧試験等の検査を受けた際に付与されるもので、容器BMを特定するための固有の識別子になる。
近距離無線通信体18の区別情報42は、複数の容器BMの夫々に装着された近距離無線通信体18を区別するための固有の識別コードである。そして、この近距離無線通信体18の識別コードを介して容器BMを区別している。本実施形態の近距離無線通信体18はRFID(Radio Frequency Identification)技術を利用したデータの書き換えが可能なRFタグであり、上記区別情報42が書き込まれたICチップ56(図3参照)と無線通信用のアンテナ57(図3参照)を有している(従って、区別情報42はICチップのシリアルナンバーと言うこともできる)。区別情報42が書き込まれた近距離無線通信体18は容器BMに装着された状態で出荷される(以下、近距離無線通信体を「RFタグ」と呼ぶ)。なお、本実施形態では、識別子41と区別情報42とを別々のコードにし、関連づけて移動体端末装置23や情報処理装置30(図1参照)等で記憶可能とされているが、区別情報42を識別子41と同じ容器記号及び容器番号にしてもよい。
出荷日44は、ガスを充填した各容器BMのガスセンター12の出荷日(移動日)である。国内のガスセンター12は、数時間内に容器BMを配送できるように各地に点在するため、事故等の特段の事情がない限り、容器BMは出荷日44に使用者の敷地内に納入される。従って、この出荷日44は、使用者側からすれば入荷日となる。
所有者コード46は、各容器BMの所有者のコードである。容器BMの所有者は、ガス販売者等の被使用者の場合と使用者の場合とがある。被使用者が容器BMの所有者の場合、使用者はその容器BMをレンタルで借りることになり、被使用者側に容器使用料を支払うことになる。容器使用料は契約によるが、例えば3ヶ月を経過すると一日20円といった具合である。
容器BMの検査期限48は、各容器BMの耐圧検査等を受ける期限日であり、容器BMの製造年月日・種類、及びガスの種類により異なって定められており、例えば、製造から20年未満の極低温容器に液化窒素ガスを充填する場合、5年毎に耐圧検査を受ける必要がある。
次に、使用者の敷地15内のシステムの概略構成について説明する。
図1の使用者の敷地15内は容器BMの複数の置場を有している。図1の例では、容器BMの納入場所であり、使用するまでガス充填済みの容器BMを保管しておく充瓶置場PL1、ガスを使用し終えた空の容器BMを保管しておく空瓶置場PL2、ガスを使用する際に使用者が容器BMを設置する複数の倉庫A〜Cが置場となる。
これら各置場に配置された容器BMの夫々には、入荷前に区別情報42が格納されたRFタグ18が装着されており、使用者は、このRFタグ18との間でデータの送受信が可能なハンディターミナル23を有している。即ち、ハンディターミナル23は、各RFタグ18に近接させると、少なくとも区別情報(RFタグ18の識別コード)42を受信するようになっている。一方、ハンディターミナル23には、上述したように、関連づけられたRFタグ18の区別情報42と容器BMの識別子41がデータとして既に格納されているので、受信した区別情報42により容器BMの識別子41が把握可能となる。
また、ハンディターミナル23には、各容器BMの複数の置場(図の場合は充瓶置場PL1、空瓶置場PL2、倉庫A〜C)の内、いずれの置場に容器BMを配置したかの情報である容器置場情報49が入力可能とされている。これにより、ハンディターミナル23には、容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、出荷日(使用者側からすると入荷日)44、容器置場情報49が関連づけて記憶可能となる。
現地端末20は、回線16を通じて情報処理装置30に接続して、情報処理装置30と恊働して授受簿を作成及び視認するためのコンピュータであり、CPU(処理装置)、ROM(読み出し専用メモリ),RAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる制御部25を有し、この制御部25には表示部28、クレードル27、及び通信部26が接続されている。
表示部28は、例えば授受簿を作成したり、作成した授受簿を視認したり、或いは所定の警告を受けたりする際に用いられるディスプレイである。
クレードル27は、公知の充電機能付き通信ユニットであり、ハンディターミナル23の端子を差し込むことで、ハンディターミナル23を充電すると共に、各種情報41,42,44,49を吸い上げて現地端末20に自動入力するようになっている。なお、本実施形態の場合、ハンディターミナル23の各種情報41,42,44,49はブルートゥース(登録商標)を利用して現地端末20に入力することもできる。
通信部26は、回線16を介して、データセンター17内の情報処理装置30との間でデータの送受信をするためのモデム等で、これにより、現地端末20は、データセンター17内の情報処理装置30に対して、入荷後の情報である入荷後情報ADを送信可能となる。本実施形態の入荷後情報ADは、ハンディターミナル23から吸い上げた容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、容器置場情報49である。
次に、データセンター17内のシステムの概略構成について説明する。
上述のように、データセンター17内の情報処理装置30は、ガスセンター端末14から出荷時情報SD(容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、ガス種43、出荷日44、取引先企業コード45、所有者コード46、容器BMの製造年月日47、容器BMの検査期限48、等)を、更に、現地端末20から入荷後情報AD(容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、容器置場情報49)を、夫々受信する。
このようにして、情報処理装置30には、ガスセンター12の出荷の際の情報、及び使用者の入荷後の情報が集中して記憶され、情報の一元管理が可能となる。また、データセンター17は使用者の敷地15外にあるため、使用者に対してクラウドコンピューティングサービスを提供することができる。更に、情報処理装置30により、ガスセンター端末14から受信した出荷時情報SD(容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、等)と現地端末20から受信した入荷後情報AD34(容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、等)が突合される。これにより、両者の情報が不一致の場合、その旨を現地端末20、及び/又はガスセンター端末14に送信して報知可能とし、従って、使用者は入力ミスであることを把握でき、また、ガス販売者は容器が間違った取引先企業に納品されてしまった事などを知ることができる。
販売者サーバー32は、上述したガスセンター端末14からの出荷時情報SDを記憶し、所定のプログラムに従って出荷時情報SDを処理している。本実施形態の販売者サーバー32は、出荷時情報SDを記憶すると直ぐに、プログラムに従って出荷時情報SDの一部の情報(本実施形態の場合は少なくとも容器BMの識別子41、RFタグ18の区別情報42、ガス種43、出荷日44)SDaを抽出し、これをクラウドサーバー34に送信するようになっている。なお、本発明はこれに限らず、出荷時情報SDの全てをクラウドサーバー34に送信し、クラウドサーバー34側で出荷時情報SDの一部SDaを抽出するようにしてもよい。
図3は、ハンディターミナル(移動体端末装置)23の概略ブロック図である。
図3のハンディターミナル23は制御部40を有している。制御部40はCPU(処理装置)からなる制御本体58を有し、この制御本体58は電源部(不図示)から電力を受けて動作し、予め決められた動作手順を決めるROM(読み出し専用メモリ)内のプログラム35に応じてハンディターミナル23の全体的な制御及び処理を行う。また、制御部40は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される容器関連記憶部36とバーコード記憶部37を有している。なお、制御部40はクロックも有し、クロックは日時の取得等に用いられる。
スキャナー39は、バーコードを読み取るイメージセンサを備え、このイメージセンサで読み取られた画像は、バーコード読取信号として制御部40に送られて所定の処理がなされる。
即ち、制御部40はバーコードに対応づけられたコードが記憶されているバーコード記憶部37を有し、スキャナー39がバーコードを読み取ると、バーコード記憶部37内の複数のコードの中から、読み取ったバーコードに一致するコードを制御本体58が検索をする。そして、該一致したコードは、例えばRAMに一旦記憶させ、RFタグ18から受信したRFタグ18の区別情報42に紐づける処理を行った後、容器関連記憶部36に記憶させる。このようにして、バーコードが例えば容器の置場に関する情報であれば、スキャナー39でこのバーコードを読み取って、RFタグ18の区別情報42に紐付けて容器の置場を特定し、これを容器関連記憶部36に記憶することができる。このRFタグ18の区別情報42に紐付けて記憶された容器の置場は容器置場情報49となる。
そして、図3のバーコード記憶部37には、これら図4の複数のバーコードの夫々に個々に対応して、置場・ガス種・仕入先に関するコードが格納されている。
従って、複数の容器の夫々の置場(倉庫)・ガス種(充填量を含む)・仕入先に関する情報を、バーコードを使って、ハンディターミナル23に容易に記憶させることができる。なお、各容器の置場・ガス種・仕入先のコードはバーコードではなく、入力キーを使って直接入力しても構わない。
操作部38は、電源キー、カーソルキー、各種のファンクションキー等を備え、このキー入力による入力操作信号に応じて制御部40は処理を行う。
即ち、制御部40は、上述のようにバーコードで特定した容器の置場・ガス種・仕入先のコードと、RFID54で読み取ったRFタグ18の区別情報42とを紐づける。そして、容器関連記憶部36内に既に記憶されている複数のRFタグ18の区別情報42の中から、RFID54で読み取った区別情報42と一致する情報を検索する。そして、一致した区別情報42に紐づけて、容器の置場(容器置場情報49)・ガス種43・仕入先のコードを容器関連記憶部36に格納する。
以上のようにして、使用者は、例えば、容器を置いた置場に対応したバーコードをスキャナー39で読み取ると共に、その置いた容器に装着されたRFタグ18にハンディターミナル23を近づければ、容器置場情報49を容器関連記憶部36に記憶させることができる。
即ち、上述のように容器関連記憶部36には容器の識別子41と区別情報42と入荷日44が関連づけて記憶されており、この入荷日以降にRFタグ18から区別情報42を受信した際、その区別情報42に対応した容器の入荷日44を特定し、そして該受信日から入荷日44を引いて該容器の保管期間を計算し、この保管期間が返却期間を経過している場合、ブザー51が鳴るようになっている。
具体的には、ハンディターミナル23は、記憶部に格納されたデータである基準値61と、プログラムである判定部60とを有している。基準値61は、地方自治体の指導により定められた容器のガス販売者側への返却期間についてのデータであり、入荷日を基準にして所定の期間(通常は1年)が定められている。判定部60は、RFタグ18から区別情報42を受信した際に稼働するプログラムであり、該受信した日(ハンディターミナル23をRFタグ18に近づけた日)から入荷日を引いて、容器の敷地内の保管期間を演算し、そして、この演算した日数が所定期間を超えている場合、ブザー51が鳴るようになっている。
表示部50は、ハンディターミナル23を操作する際の操作画面や、操作した結果の画面を表示する部分である。
ガス充填済みの容器がガスセンターから入荷された際、ハンディターミナル23の表示部50の画面を見ながら、敷地内で例えば図5に示す入力操作が行われる。入力操作は使用者であってもガス販売者であっても構わない。
入荷をした際、先ず、図5(a)に示すように、メニュー画面の複数の項目の内、入荷の項目を選択する。そうすると、図5(b)に示す仕入先の入力画面が表示される。ここでは、複数の仕入先(ガス販売者)を有する場合を想定しているが、複数の仕入先がない場合、この操作画面は不要である。本実施形態の場合、仕入先は、図4(c)の仕入先バーコードブックから選択したバーコードにハンディターミナルのスキャナーをあてて、仕入先をハンディターミナルに入力する。そうすると、バーコードに対応した仕入先が表示され、この表示が正しい場合は入力を確定させ、これにより、仕入先コードが図3の制御部40に一時的に保存される。
入荷後、使用者の敷地内において容器を別の置場に移動する際、ハンディターミナル23の表示部50の画面を見ながら、例えば図6に示す入力操作が行われる。
先ず、図6(a)に示すように、メニュー画面の複数の項目の内、移動の項目を選択する。そうすると、図6(b)に示す移動先の置場(入庫先)の入力画面が表示される。この移動先の置場については、図4(a)の置場バーコードブックから選択したバーコードにハンディターミナルのスキャナーをあててハンディターミナルに入力する。そうすると、バーコードに対応した置場が表示され、この表示が正しい場合は入力を確定させ、これにより、移動先の置場コードが図3の制御部40に一時的に保存される。
このように、敷地内の移動の場合も、使用者はバーコードのスキャナー入力、入力キーの押下操作、RFタグとハンディターミナルとの近接操作のみで行うことができ、容易な入力が可能である。
図7(a)に示すように、容器が空になった場合、使用者はメニュー画面の複数の項目の内、空瓶の項目を選択する。そうすると、単に容器が空瓶であることを入力する空瓶入力か、或いは、空瓶の容器を移動する空瓶移動かの、いずれかを選択する画面に変わり、空瓶移動の場合は図7(b−1)に示すように空瓶移動を選択する。これに対して、空瓶を移動しない空瓶入力の場合は図7(b−2)に示すように空瓶入力を選択する。
そして、図7(d−1)の表示が正しい場合は、登録操作をするための所定のファンクションキーを押すことで図7(e−1)の最終確認用画面に移り、入力を確定させることで、図3の容器関連記憶部36に、いずれの置場に容器を配置したかの情報である容器置場情報49が、その他の情報(RFタグの区別情報、容器の識別子・ガス種・仕入先)に関連づけられて登録される。
注意喚起により、移動を行うようになった場合は、移動必要の欄を選択し、これにより、図7(a)のメニュー画面に戻る。
これに対して、移動が不要である場合は、移動不要の欄を選択する。そうすると、図7(d−2)の空瓶の容器を入力する画面に変わる。ここでは、空瓶に装着されたRFタグにハンディターミナルを近づけることで、図3のICチップ56内に記憶されているRFタグ18の区別情報42を読み取る。そうすると、この読み取った区別情報42に対応した容器関連記憶部36内の容器の識別子41が、図7(d−2)に示すように表示される。これにより、使用者は、表示された識別子(容器記号と容器番号)41と、容器に刻印された容器記号及び容器番号と、を照合することができる。
そして、図7(d−2)の表示が正しい場合は、登録操作をするための所定のファンクションキーを押して図7(e−2)の最終確認用画面に移り、入力を確定させると、図3の容器関連記憶部36に、容器が空瓶であるという情報が、その他の情報(RFタグの区別情報、容器の識別子・置場・ガス種・仕入先)に関連づけられて登録される。
次に、図1のデータセンター17内の情報処理装置30について、図8を中心に、適宜図9〜図16を参照しながら詳細に説明する。
図8はデータセンター17内の情報処理装置30の概略ブロック図である。図9は図8のデータベースの出荷対応情報部66のデータ項目に関する一例図、図10は図8のデータベースの移動履歴情報部67のデータ項目に関する一例図である。また、図11〜図16は現地端末の表示部に表れる画面例であり、図11は授受簿に関するメニューの画面例、図12は図11の入荷を選択した場合に表れる入荷リスト(授受簿の一例)の画面例、図13はハンディターミナルの情報を登録した後に表れる警告の画面例、図14は授受簿に用いるデータをガス種毎に経過日数順に並び替えて表示した経過日数リストの画面例、図15は授受簿に用いるデータを利用して、置場毎の使用率を表示した画面例、図16は新たな容器の発注の要否を問う画面例である。
なお、図11〜図16は現地端末の表示部28に表れる画面例であるが、本実施形態の現地端末は図8のクラウドサーバー34のデータ及びプログラムを利用して稼動しているため、現地端末の表示部に表れる画面は図8のクラウドサーバー34の機能に基づく表示画面に他ならない。
販売者サーバー32は、ガスセンター端末14から受信した出荷時情報SD(図2参照)を記憶するメモリからなる出荷時情報格納部62と、この出荷時情報格納部62を所定のプログラムに従って処理をするCPU(処理装置)やROM等からなるデータ処理部63とを有している。
データ処理部63は、出荷時情報SDの一部SDaを抽出する情報抽出手段により、少なくとも、図2に示す容器の識別子41、RFタグの区別情報42、ガス種43、出荷日44、本実施形態の場合は図2に示す情報全てを抽出して、これをクラウドサーバー34に送信するようにしている。
データベース部99に記憶されるデータは、取引先情報部65、出荷対応情報部66、移動履歴情報部67、及びフォーマット情報部70である。
出荷対応情報部66は、主に、販売者サーバー32から受信した出荷時情報の一部SDaの全て又は一部の情報を格納する記憶部であり、具体的には図9に示す種々のデータが記憶されている。即ち、取引先情報部65にも記憶されている取引先企業コード45、容器の識別子41(容器記号41aと容器番号41b)、RFタグの区別情報42、ガス種43,所有者46、容器の検査期限48がコード化されて記憶されている。
図8の移動履歴情報部67は、主に、使用者の敷地への容器の入荷日、及びその後の容器の履歴に関する情報を格納する記憶部であり、具体的には図10に示す種々のデータが記憶されている。即ち、既に説明した取引先企業コード45と容器の識別子41(容器記号41aと容器番号41b)と容器置場情報49、さらに、入荷日72、容器移動区分73、移動日74、空瓶/充瓶75、返却日76がコード化されて記憶されている。なお、容器移動区分73は、使用者の敷地内の置場移動であるか否かに関する情報であり、移動日74は置場移動した日である。空瓶/充瓶75は、容器内のガスの使用有無に関する情報である。返却日76は、容器がガス販売者側に返却された日である。
図8のフォーマット情報部70は、出荷対応情報部66及び移動履歴情報部67内の任意の項目を、現地端末20の表示部に表示する位置・領域を決める複数の表示用のフォーマット情報を有する。
本実施形態の場合、クラウドサーバー34は回線16を通じて現地端末20の容器毎に関連づけられた「容器の識別子41」「RFタグの区別情報42」「容器置場情報49」を受信し、該受信をすると、置場履歴生成手段81は、該受信した情報41,42,49を移動履歴情報部67に既に格納されている各種情報41(41a,41b),49,72〜76(図10参照)に紐づけて記録し、移動履歴情報部67に記憶させる。これにより、移動履歴情報部67には入荷時の容器の置場、及び入荷後に移動した容器の置場に関するデータを記録させ、このデータを利用して、使用者は容器の現状を把握することができる。
例えば、使用者が現地端末20の表示部の初期画面(不図示)で倉庫A(図1参照)を指定した上で、授受簿に関するメニュー画面例である図11で入荷を選択した場合、図8の授受簿生成手段82は、置場毎の入荷容器の授受簿に関するフォーマットを、フォーマット情報部70から抽出し、このフォーマットに対応する項目を出荷対応情報部66及び移動履歴情報部67から読み出して割り当て、例えば図12に示す入荷リスト(授受簿の一例)を作成することができる。図12の入荷リストに示すように、本実施形態では、置場別に入荷情報を出力することができ、倉庫A(置場)には、岩谷産業から2016年9月7日に入荷された「酸素ガス7m3が充填された容器2本」及び「窒素ガス7m3が充填された容器2本」が存在することが分かる。また、この容器の所有者も把握できるようになっており、これにより容器のレンタル先も把握できる。
なお、同様にして、図11で返却を選択すれば、置場毎の返却情報も出力することができる。
カウント部83aは、置場履歴生成手段81により把握可能な置場毎の容器を特定し、この特定した容器の本数をカウントするプログラムである。即ち、本実施形態の場合、置場履歴生成手段81により、図10に示すように、容器の識別子41とこの識別子41に関連づけた容器置場情報49が移動履歴情報部67内に記憶されている。従って、置場毎に容器の本数をカウントすることができる。
さらに、図8のカウント部83aでは、このカウントした容器の識別子に関連付けられている出荷時情報の充填量に基づいて、置場毎のガスの総貯蔵量を演算している。即ち、図10の移動履歴情報部67内の容器の識別子41は、図9の出荷対応情報部66にも紐づけ可能にして記憶されており、そして、この出荷対応情報部66にはガス種(充填量も含む)43の情報も記憶されている。従って、図8の移動履歴情報部67内の置場毎の容器の情報と、出荷対応情報部66内の該容器に対応する充填量の情報により、カウント部83aは、各置場に設置された複数の容器の充填量を加算して、総充填量を演算することができる。
そして、貯蔵量判定手段83の判定部83bでは、この置場毎のガスの総貯蔵量が、高圧ガス保安法に基づき定められているガス貯蔵量の上限値である規制値を超えたか否かを判断している。更に、本実施形態の場合、該規制値を第1の基準とし、この第1の基準に安全率を掛けた第2の基準を設け、これら第1及び第2の基準をデータベース99に記憶させている。なお、安全率は使用者が任意に定めることができる割合であり、本実施形態の第2の基準は、法に基づく規制値(第1の基準)300m3に80%をかけて240m3とされている。そして、カウント部83aで演算した置場毎の総充填量が第1の基準を超えている場合は規制値を超えていると判断して、現地端末20の表示部にそのことを報知し、また、第2の基準を超えている場合は警告値を超えていると判断して、現地端末20の表示部にそのことを報知するようにしている。
このように、高圧ガス保安法に基づく規制値を超えた場合だけでなく、規制値を超える一歩手前の段階で警告を出し、これにより、規制値を超える恐れを防止することができる。また、具体的に規制値や警告値を超えた分の充填量を表示することで、使用者はどの程度の本数の容器を他の置場に回せばよいのかを判断することができる。なお、図13の倉庫Bである置場は30,000m3の充填量を第1の基準にしているが、これは監督行政に届出ないし許可を得た数値であり、これも規制値となる。
このように、使用率USを把握できるのは、上述のように、図8のデータベース99の中に上限値(規制値)が格納され、そして、図9及び図10に示すように、容器の識別子41、容器置場情報49、ガス種(充填量を含む)43、及び空瓶/充瓶75が関連づけて記憶されているからであり、これらのデータを利用して演算すれば使用率USを算出できる。
返却判定手段84は、入荷日から予め定められた返却期間を経過した容器がある場合、ガス販売者側に経過した容器の返却を要すると判断するプログラムである。
本実施形態の場合、移動履歴情報部67には、図10に示すように容器の識別子41に関連付けて入荷日72が記憶されているので、図8の返却判定手段84は、現地端末20がクラウドサーバー34にアクセスした日(返却期限を経過したか否かを確認した日)から入荷日72を引くことで、敷地内に容器が保管されている日数を演算している。そして、返却判定手段84は、この日数が所定の返却期間を経過している場合、その期間が経過した容器は返却を要すると判断し、該判断に基づいて、返却期間を経過しているのに未返却である容器があることを、アクセスした現地端末20の表示部で知らせるようにしている。
具体的には、図7で説明したように、空瓶を空瓶置場に移動した場合、ハンディターミナル23で、空瓶置場に移動した容器の識別子41を入力することができ、この空瓶置場に移動した容器の情報は、現地端末を介して図8のクラウドサーバー34に送信され、この空瓶置場に移動した情報は、図10の移動履歴情報部67内に容器置場情報49として記憶される。そして、この空瓶置場に移動した情報が移動履歴情報部67に記憶されると、図8の発注報知手段85は、移動履歴情報部67内の空瓶置場に移動した容器の本数をカウントし、これが所定数を上回った場合に、新たにガスが充填された容器の発注の要否を問うようにしている。
そして、使用者は、図16の発注の要否を問う現地端末の表示部28の画面例に示すように、マウスのポインター90を発注肯定欄(YES欄)に合わせてクリックすれば、容器の発注が指示され、図8のクラウドサーバー34に送信される。なお、発注の要否を問う画面は、図16に示すようにガス種毎に行われる。その後、図8のクラウドサーバー34はこの発注の指示をガス販売者が管理する販売者サーバー32に送信し、これによりガス販売者は発注を受けることができる。
ところで、本実施形態の発注報知手段85は、クラウドサーバー34に格納されているが、現地端末20はクラウドサーバー34のデータ及び発注報知手段85を含むプログラムを利用するものであるから、現地端末20が発注報知手段85を有すると同視でき、また、現地端末20は発注報知手段85をクラウドサーバー34からダウンロードして使用しても構わない。
次に、本システムを利用した容器の管理方法について、図17のガスを充填した容器の出荷・入荷時における作業手順を用いて説明する。図17は出荷・入荷時の手順を示すフロー図である(以下の説明で図17に記載していない符号については、適宜、図1及び図8を参照)。
先ず、ガスを充填して出荷するガスセンターでは、出荷の際、ガスセンター端末14に出荷時情報SDを入力し、ハンディターミナル23に容器の識別子41とRFタグ18の区別情報42と出荷日(入荷日となる)44を入力する(図17のステップ1)。なお、RFタグ18には区別情報が既に入力してある。
次いで、図1に示すガスセンター端末14は入力された出荷時情報SDを販売者サーバー32に送信し、販売者サーバー32は出荷時情報SDを受けると、直ぐにクラウドサーバー34にその一部を抽出して伝送し、その後、クラウドサーバー34は図8の入荷時情報生成手段80により出荷日を入荷日と擬制して、データベース99に入荷時の各種情報を記憶させる(図17のステップ2)。なお、ガスセンター端末14が出荷時情報SDを販売者サーバー32に送信しないと出荷伝票を印刷できないようにしたり、或いは、出荷伝票を印刷するのと同時に自動で該出荷時情報SDを販売者サーバー32に送信したりするのが好ましく、これにより該送信漏れを防止できる。
次いで、図8のクラウドサーバー34は授受簿生成手段82により授受簿(但し、置場情報は除く)を作成する(図17のステップ3)。この授受簿作成までの流れは、容器が使用者の敷地内に入荷される前に行われる。
次いで、現地端末20は、関連づけられた容器の識別子41とRFタグ18の区別情報42と容器置場情報49をクラウドサーバー34に送信し、クラウドサーバー34は、ステップ3で作成した授受簿の情報とステップ4で入力した情報とが合致しているか否かを判断する。例えば、ステップ3で作成した授受簿の入荷した容器の識別子とステップ4で入力した容器の識別子が不一致の場合や、容器の本数が不一致の場合等に、その旨を現地端末20に送信し、現地端末20では表示部でその旨を報知する(図17のステップ5−1)。これにより、使用者は、ステップ4で入力した容器が新たに入荷した容器でないことを知ったり、或いは、容器が間違った取引先企業に納品されてしまった事などを知ったりすることができる。
これに対して、図17のステップ3で作成した授受簿の情報とステップ4で入力した情報とが合致している場合は、図17のステップ6に進む。
これに対して、図8の貯蔵量判定手段83が置場毎の総貯蔵量が所定の基準を超えていると判断した場合、現地端末20にその旨を送信し、現地端末20の表示部に図13に示すような警告画面を表示させる(図7のステップ7)。なお、図17のステップ4の現地端末への入力から図17の作業終了までは、使用者は現地端末での作業を終えていない状態である。
次いで、図17のステップ7の警告に対して、貯蔵量のオーバーを承認するか否かを判断する(図17のステップ8)。そして、警告にも拘らず、現地端末側が貯蔵量のオーバーを承認した場合は、規制値を超える旨の届出ないし承認を得るものと判断し、クラウドサーバー34は受信した各種のデータを保存して終了する。
これに対して、使用者が貯蔵量のオーバーを承認しない場合、現地端末20から送信されてきたデータを保存せずに終了する。
図18は入荷後の容器管理に関する手順を示すフロー図、図19は返却期限に関する手順を示すフロー図、図20は空瓶置場を基準にした発注に関する手順を示すフロー図である。
入荷後、図1の容器のRFタグ18にハンディターミナル23を近接させると、ハンディターミネル23では、RFタグ18の区別情報42を読み込む。そして、ハンディターミナル23では単に情報を読み込んだのか(例えば日常的に行う定期的なチェックなのか)、或いは、図6に示す敷地内移動の作業を行うか否かの判断をする(図18のステップ10)。この判断はハンディターミナルの制御部の判断である。
これに対して、返却期間を経過している場合は、図19のステップ102に進み、さらに所定の期間が経過して、長期停滞容器となっているか否かを判断する。なお、この所定の期間はガス種・設置場所(例えば海の近くか等)を考慮した上で使用者の判断によって任意に決めればよい。
これに対して、図19のステップ102で長期停滞容器であると判断した場合、表示部50の表示画面で、取り扱いを注意する旨の表示を、返却すべき報知の表示と共に行う(図19のステップ103)。
そして、空瓶置場への移動でない場合は、ステップ12に進み、容器が返却期間を経過しているか否かを判断する。このステップについては、図19のステップ101と同様である。そして、図18のステップ12で返却期間を経過していると判断した場合は、図19のステップ102に進み、既に説明したステップ103及び104の作業手順を行う。
即ち、図18のステップ14に進み、置場毎の総貯蔵量が所定の基準を超えているか否かを判断する。この判断は図8の貯蔵量判定手段83のプログラムを利用して行われ、そして、所定の基準を超えていない場合は問題なく容器の置場が変わったと判断して、現地端末20からの送信されてきた容器置場変更のデータ(容器置場情報)を移動履歴情報部67に保存して終了する。
これに対して、図8の貯蔵量判定手段83が置場毎の総貯蔵量が所定の基準を超えていると判断した場合、現地端末20にその旨を送信し、現地端末20の表示部に図13に示すような警告画面を表示させる(図18のステップ15)。なお、図18のステップ13の現地端末への入力から図18の作業終了までは、使用者は現地端末での作業を終えていない状態である。
次いで、図18のステップ15の警告に対して、貯蔵量オーバーを承認するか否かを判断する(図18のステップ16)。そして、現地端末側で貯蔵量のオーバーを承認した場合は、規制値を超える承認を得る届出をするものと判断し、現地端末から送信されてきたデータを保存して終了する。
これに対して、使用者が貯蔵量オーバーを承認しない場合は、現地端末20から送信されてきたデータは保存せずに終了する。
即ち、図20のステップ202に進む。このステップ202では、空瓶を空瓶置場へ移動したことで、空瓶置場内の空瓶の本数が所定本数以上になったか否かを判断する。該所定本数は、新たにガス充填済みの容器を自動発注することを判断するための基準であり、使用者のガスの使用頻度により異なるため、使用者とガス販売者との契約により取り決められる。
そして、空瓶置場が所定本数を下回る場合は終了するのに対して、所定本数以上である場合は、図20のステップ203に進む。
これに対して、超えている場合は、図16に示すような発注を確認する画面が現地端末の画面28に表示され、そして、図20のステップ204で発注の指示を行えば、現地端末から発注の信号をクラウドサーバーを介して販売者サーバー32に送信し(図20のステップ205)、これによりガス販売者は発注を受けて終了する。
即ち、図21では、先ず、充瓶置場の容器の本数が所定の閾値以下か否かを判断する(ステップ301)。そして、閾値以下である場合は、充瓶置場の容器の本数が不足していると判断して、他の置場の中に総貯蔵量を超えている置場があるか否かを判断する(ステップ302)。そして、オーバーしている置場があれば、その置場の容器を充瓶置場に移動させることを推奨する画面を現地端末の表示部に表示させ(ステップ302−1)、その上で発注の要否を問う(ステップ303)。なお、ステップ302で、他の置場の中に総貯蔵量を超えている置場がない場合は、直ぐにステップ303に進んで発注の要否を問う。
次いで、発注を選択しなかった場合はそのまま終了する。これに対して、発注を選択した場合、現地端末から発注の信号をクラウドサーバーを介して販売者サーバーに送信し(ステップ304)、これによりガス販売者は発注を受け、終了する。
例えば、図1では、データセンター17内の情報処理装置30は、販売者サーバー32とクラウドサーバー34から構成されているが、本発明はこれに限られず、情報処理装置30は一つのコンピュータ、或いは3つ以上のコンピュータが接続された構成であっても構わない。
また、情報処理装置30のクラウドサーバー34はレンタルサーバーであっても構わない。
また、上記実施形態では販売者サーバー32内に情報抽出手段を格納しているが、販売者サーバー32は出荷時情報SDをそのままクラウドサーバー34に送信し、クラウドサーバー34が出荷時情報SDの中から一部の情報(少なくとも識別子、出荷日、及び充填量)を抽出する情報抽出手段を有していても構わない。
また、図20のステップ203では、空瓶置場の充填量が充填置場の充填量を超えているか否かを判断しているが、これに代わり、或いはこれに加えて、図21のステップ302のように、空瓶置場以外の置場の中に、基準値を超える貯蔵量を有する置場があるか否かを判断するようにしてもよい。これにより、オーバーしている置場があれば、その置場の容器を使用することができるため、余計な発注を防止することができる。
Claims (5)
- 使用者の敷地内で使用する高圧ガスを充填した複数の高圧ガス容器の管理システムであって、
前記敷地の外に設置され、少なくとも前記複数の高圧ガス容器の夫々を特定するための識別子と、被使用者から前記使用者に対して前記高圧ガス容器を出荷した出荷日と、前記高圧ガス容器の充填量とが関連づけて出荷時情報として格納されている情報処理装置と、
前記敷地内に設置され、前記情報処理装置との間でデータの送受信が可能な現地端末と、
を有し、
前記現地端末には、前記敷地内における前記高圧ガス容器の複数の置場の内、いずれの置場に前記高圧ガス容器を配置したかの情報である容器置場情報が入力可能であり、
前記情報処理装置は、
前記出荷時情報から、少なくとも前記識別子、前記出荷日、及び前記充填量を抽出する情報抽出手段と、
前記出荷日を前記使用者が前記高圧ガス容器を受け入れた入荷日と擬制して、この入荷日、前記識別子、及び前記充填量を関連づけてデータベースに保存するための入荷時情報生成手段と、
前記容器置場情報を前記現地端末から受信して、前記置場と前記識別子とを関連づけて前記データベースに格納する置場履歴生成手段と、
前記置場履歴生成手段により把握される前記置場毎に配置された前記高圧ガス容器の本数をカウントして、このカウントした高圧ガス容器の前記識別子に関連付けられた前記充填量に基づいて、前記置場毎の貯蔵量に関する基準値を超えているか否かを判定する貯蔵量判定手段と
を有することを特徴とする高圧ガス容器の管理システム。 - 前記情報処理装置は、前記入荷日から予め定められた返却期間が経過した高圧ガス容器がある場合、前記被使用者側に前記経過した高圧ガス容器の返却を要すると判断する返却判定手段を有し、
前記現地端末は、前記返却判定手段の判断に基づいて、前記返却期間が経過しているのに未返却である高圧ガス容器の存在を知らせる
ことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス容器の管理システム。 - 各前記高圧ガス容器を区別するための区別情報が入力され、近距離無線によりデータの送受信が可能な近距離無線通信体が前記高圧ガス容器に装着され、
前記近距離無線通信体との間で少なくとも前記区別情報の受信が可能であり、かつ、前記現地端末との間でデータ通信が可能な移動体端末装置を有し、
前記移動体端末装置は、前記識別子に関連づけた前記入荷日が格納されており、前記入荷日以降に前記近距離無線通信体から前記区別情報を受信した際、前記入荷日からの保管期間を計算し、この保管期間が前記返却期間を経過している場合、前記使用者に前記返却すべきことを報知する報知手段を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の高圧ガス容器の管理システム。 - 前記現地端末は、複数の置場毎に前記貯蔵量が表示される表示部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高圧ガス容器の管理システム。
- 前記現地端末は、
前記置場の内、使用済み高圧ガス容器を置く場所である空瓶置場の高圧ガス容器の本数が所定数を上回った場合、及び/又は、新たに充填済み高圧ガス容器を納入する場所である充瓶置場の高圧ガス容器の本数が所定数を下回った場合に、新たにガスが充填された高圧ガス容器の発注の要否を問う発注報知手段を有し、
前記高圧ガス容器の発注が指示された場合、ガス販売者が管理する前記情報処理装置に対して発注の指示を送信するようにしている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高圧ガス容器の管理システム。
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