JP6798828B2 - フォーム状毛髪化粧料原液およびフォーム状毛髪化粧料 - Google Patents
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[1]炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)と、炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)とからなる高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A)を含むフォーム状毛髪化粧料原液であり、前記原液100質量%中における、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%および高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%の合計が、1〜10質量%であり、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量と、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量との比が、5:1〜1:2であるフォーム状毛髪化粧料原液。
〔フォーム状毛髪化粧料原液〕
本発明の原液は、後述するように、噴射剤とともに用いることで、フォーム状毛髪化粧料として使用することができる。
本発明の原液は、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A)を含む。高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A)は、炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)と、炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)とからなる。前記(A‐1)は、フォーム状毛髪化粧料を噴射した際に泡を形成し易くする起泡効果を有し、弾力のある泡を形成する効果を有する。前記(A‐2)は、起泡効果を有し、さらにフォーム状毛髪化粧料の泡により弾力を与え、髪を濡れ難くする効果を有する。
炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸(a‐2)としては、例えば、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ヒドロキシペンタデカン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。
前記(a‐1)としては、ミリスチン酸が好ましく、前記(a‐2)としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
また、前記(a‐1)および(a‐2)は、置換基を有しない直鎖状飽和脂肪酸であることが好ましい。
塩基は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
式(1)中、Rは、(A‐1)においては、置換基を有していてもよい炭素数13の直鎖状アルキル基であり、(A‐2)においては、置換基を有していてもよい炭素数14〜17の直鎖状アルキル基である。
式(2)中、Rは式(1)と同じである。
つまり、原液を調製する途中で前記(a‐1)および(a‐2)と、塩基とを配合し、前記(a‐1)および(a‐2)が充分に塩基と反応した場合は、「高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%および高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%の合計」とは、配合した(a‐1)および(a‐2)の質量%の合計を表す。
本発明の原液は、ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ、HLB値が12以上である非イオン性界面活性剤(B)を含むことが好ましい。原液に非イオン性界面活性剤(B)を配合することにより、原液からフォーム状毛髪化粧料を製造し、噴射した際に、泡密度が高くきめ細かな泡を形成し易くなる。これにより、髪が濡れ難くなり、さらに、ヘアスタイルを保持し易くなる。
非イオン性界面活性剤(B)としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン水添ヒマシ油)、ポリオキシエチレンが付加している高級脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーンが挙げられる。
非イオン性界面活性剤(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
原液100質量%中の非イオン性界面活性剤(B)の配合量は、好ましくは0.1〜6質量%、より好ましくは0.5〜4質量である。
本発明の原液は、さらに成分(C)を含むことが好ましい。成分(C)とは、20℃において固体または半固体のワックス(C‐1)、1〜4価のアルコールアルキレンオキシド付加重合体(C‐2)および分子量500以上のポリエチレングリコール(C‐3)から選ばれる少なくとも1種である。なお、成分(C)からは、非イオン性界面活性剤(B)に該当する成分は除かれる。
20℃において固体または半固体のワックス(C‐1)としては、例えば、20℃において固体または半固体の、ロウ類、炭化水素類、油脂類が挙げられる。
1〜4価のアルコールアルキレンオキシド付加重合体(C‐2)は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン誘導体であることが好ましく、ポリオキシエチレン単位数が1〜300かつポリオキシプロピレン単位数が1〜75であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン誘導体がより好ましく、下記式(3)で表わされる化合物が特に好ましい。
式(3)中、xおよびyは、x=4〜25かつy=4〜20を満たす整数、Rは、炭素数3〜6、好ましくは4であるアルキル基である。
分子量500以上のポリエチレングリコール(C‐3)としては、数平均分子量が500以上のポリエチレングリコールが好ましく、分子量が600〜20000であるポリエチレングリコールがより好ましく、数平均分子量が800〜5000であるポリエチレングリコールが特に好ましい。
原液100質量%中の成分(C)の含有量は、前記(C‐1)〜(C‐3)を合計で、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量である。
本発明の原液は、さらに分岐脂肪酸と、直鎖アルコールとの液状エステル油(D)を含むことが好ましい。原液中にエステル油(D)を含むことにより、毛髪化粧料は、ヘアスタイルを維持したまま、髪につやとうるおいとを与えることができる。
原液100質量%中のエステル油(D)の配合量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
本発明の原液は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に、前記(C)および(D)以外の油剤、増粘剤、生薬類、前記(A)および(B)以外の乳化剤、pH調整剤、前記(C)以外の保湿剤、キレート剤、防腐剤、清涼剤、ビタミン類、蛋白質、香料、抗菌剤、酸化防止剤、抗炎症剤、および色素等の添加剤を含有することができる。
保湿剤としては、例えば、アミノ酸類が挙げられる。保湿剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の原液は、上述した各成分を、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって調製することができ、調製方法は特に限定されない。
フォーム状毛髪化粧料は、前記原液と、噴射剤とを含む。噴射剤とは、前記原液と共に用いることにより、ヘアスプレーとして使用できる成分であれば特に限定されず、状態は、気体でもよく、液体であってもよい。
噴射剤としては、噴射の際の勢いをより使用に適した勢いとする観点から、LPGを単独で使用するか、LPGとその他の噴射剤とを混合して使用することが好ましい。
フォーム状毛髪化粧料中の原液と噴射剤との割合(質量比)は、特に制限されないが、好ましくは95:5〜70:30、より好ましくは93:7〜80:20である。
フォーム状毛髪化粧料の製造方法は特に制限されないが、例えば、上述した原液と噴射剤とを特定の割合で、容器に充填することによって製造することができる。
[実施例1〜33および比較例1〜12]
表1〜3に示す処方で各成分を混合することにより、毛髪化粧料原液を調製した。前記毛髪化粧料原液と、噴射剤としてLPG(大洋液化ガス社製)とを、それぞれ質量比10:1でエアゾール缶(缶(径φ50mm×高さ100mm、アルミ製)、バルブ(孔径φ0.41mm)、スパウト(噴口径φ4.4mm))に充填し、得られた毛髪化粧料等を以下の方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
ミリスチン酸(C14):ルナックMY‐98(花王社製)
<炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸(a‐2)>
パルミチン酸(C16):ルナックP‐95(花王社製)
ステアリン酸(C18):ルナックS‐98(花王社製)
ヒドロキシステアリン酸(C18):ヒドロキシステアリン(川研ファインケミカル社製)
<非イオン性界面活性剤(B)>
セテス−40:ブラウノンCH−340F(青木油脂工業社製)
PEG−60水添ヒマシ油:エマレックスHC‐60(日本エマルジョン社製)
<(C‐1)20℃において固体または半固体のワックス>
ミツロウ:蜜蝋(小城製薬社製)
<(C‐2)1〜4価のアルコールアルキレンオキシド付加重合体>
PPG−33 ブテス−45:ニューポール50HB−5100(三洋化成社製)
<(C‐3)分子量500以上のポリエチレングリコール>
PEG−20:PEG‐1000(三洋化成社製)
<液状エステル油(D)>
エチルヘキサン酸アルキル(C14−C18):SR クロダモルMIO(クローダジャパン社製)
<その他の成分>
TEA:トリエタノールアミン(三井化学社製)
ラウリン酸(C12):ルナックL‐98(花王社製)
ベヘニン酸(C22):ルナックBA(花王社製)
オレイン酸(C18不飽和脂肪酸):ルナックO‐V(花王社製)
イソステアリン酸(C18分岐鎖状脂肪酸):イソステアリン酸EX(高級アルコール工業社製)
エタノール:特定アルコール トレーサブル99(日本アルコール販売社製)
ゼラチン:AP‐100(新田ゼラチン社製)
表1〜3における脂肪酸換算の質量とは、原液100質量%中の前記炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸(a‐1)と、炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸(a‐2)との合計の質量であり、原液100質量%中における、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%および高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%の合計に相当する。
毛髪化粧料について、以下の(1)〜(13)の評価項目について、評価を行った。
(1)〜(4)の各項目に記載した評価基準に従って、各実施例および比較例で製造した毛髪化粧料の泡の物性の評価を行った。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
以下の(5)〜(13)の毛髪化粧料の評価は、パーマ処理を行った毛束およびカールアイロンで処理した毛束の両方について行ったが、その評価結果は完全に一致していた。
(1)泡の形成
毛髪化粧料を噴射した際に泡が形成されるかを評価した。なお、泡が形成された毛髪化粧料をフォーム状毛髪化粧料とも記す。比較例8および11は、泡が形成されなかったため(2)〜(13)の評価項目については、評価を行わなかった。
○:形成可
×:形成不可
100ml容器にフォーム状毛髪化粧料を噴射し、噴射された泡の重量を測定し、泡密度g/mlを算出した。
◎:0.025g/ml以上
○:0.02g/ml以上0.025g/ml未満
△:0.015g/ml以上0.02g/ml未満
×:0.015g/ml未満
フォーム状毛髪化粧料を1g噴射し、噴射された泡の上に10円玉を載せ、完全に沈むまでの時間を測定して泡の弾力を評価した。
◎:25秒以上
○:15秒以上25秒未満
△:5秒以上15秒未満
×:5秒未満
高さ10cm容量100mlの容器に、フォーム状毛髪化粧料の泡を容器がいっぱいになるまで噴射した。10分後の泡の高さを測定し、泡の持ちを評価した。
◎:7.5cm以上
○:5cm以上7.5cm未満
△:2.5cm以上5cm未満
×:2.5cm未満
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を施した毛束に万遍なく塗布して、よくなじませた。塗布直後の毛束の長さを測定し、塗布前の毛束の長さに対する伸長率を評価した。
◎:5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上15%未満
×:15%以上
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を施した毛束に万遍なく塗布した後、室温20℃、湿度60%の室内で、毛束の一端を固定してつるした状態で12時間放置した。放置後の毛束の長さを測定し、放置前の(塗布直後の)毛束の長さに対する伸長率を評価した。
◎:5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上15%未満
×:15%以上
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を施した毛束に万遍なく塗布し、泡の髪へのなじみを評価した。
4点:非常に髪になじみ易い。
3点:なじみ易い。
2点:ややなじみ難い。
1点:非常になじみ難い。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を施した毛束に万遍なく塗布し、髪の濡れ性を評価した。
4点:全く濡れていない。
3点:ほとんど濡れていない。
2点:濡れている。
1点:とても濡れている。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を行った毛束に万遍なく塗布した後の毛髪の弾力を触感で評価した。
4点:非常に弾力がある。
3点:弾力がある。
2点:やや弾力が無い。
1点:非常に弾力が無い。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を行った毛束に万遍なく塗布した後の毛髪のつやを視感で評価した。
4点:非常につやがある。
3点:つやがある。
2点:ややつやが無い。
1点:非常につやが無い。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を行った毛束に万遍なく塗布した後の毛髪の潤いを触感で評価した。
4点:非常に潤いがある。
3点:潤いがある。
2点:やや潤いが無い。
1点:非常に潤いが無い。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を行った毛束に万遍なく塗布した後の毛髪のベタつきの無さを評価した。
4点:全くベタつきが無い。
3点:ほとんどベタつきが無い。
2点:べタつく。
1点:とてもベタつく。
フォーム状毛髪化粧料を前述のカール形成処理を行った毛束に万遍なく塗布した後に手ぐしを通し、ひっかかりの少なさを評価した。
4点:非常にくし通りが良い。
3点:くし通りが良い。
2点:ややくし通りが悪い。
1点:非常にくし通りが悪い。
Claims (3)
- 炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)と、炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸の高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)とからなる高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A)と、
ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ、HLB値が12以上である非イオン性界面活性剤(B)と、
分岐脂肪酸と、直鎖アルコールとの液状エステル油(D)とを含むフォーム状毛髪化粧料原液であり、
前記原液100質量%中における、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%および高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量%の合計が、1〜10質量%であり、
高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐1)の炭素数14の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量と、高級脂肪酸アニオン界面活性剤(A‐2)の炭素数15〜18の直鎖状飽和脂肪酸換算の質量との比が、5:1〜1:2であるフォーム状毛髪化粧料原液。 - さらに、(C‐1)20℃において固体または半固体のワックス、(C‐2)1〜4価のアルコールアルキレンオキシド付加重合体、および(C‐3)分子量500以上のポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種の成分(C)を含む、請求項1に記載のフォーム状毛髪化粧料原液。
- 請求項1または2に記載のフォーム状毛髪化粧料原液と、噴射剤とを含むフォーム状毛髪化粧料。
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