JP6798673B2 - 保護膜前駆体液、保護膜形成方法、および複合体 - Google Patents

保護膜前駆体液、保護膜形成方法、および複合体 Download PDF

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Description

本発明は、液晶基板等の基材上に透明な保護膜を形成するための保護膜前駆体液および保護膜形成方法と、この基材とこの保護膜を備える複合体に関するものである。
液晶基板の透明な保護膜として、トリアセチルセルロースを原料とするキャストフィルムが知られている(特許文献1)。このトリアセチルセルロースフィルムでは、フィルムに線状の模様が生じるスジ故障や、フィルムに小さな樹脂粒が析出するブツ故障などの表面欠陥が現れることがある。分子量分布が広い、すなわち分子量が多分散のセルロースを原料とするトリアセチルセルロース分子の固化速度のバラつきが、これらの欠陥の原因の一つとして考えられる。
特開2013−67680号公報
Shibakami, M., Sohma, M., Hayashi, M. (2012) Fabrication of doughnut-shaped particles from spheroidal paramylon granules of Euglena gracilis using acetylation reaction., Carbohydrate Polymers, 87(1), p.452-456
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、欠陥が少なく平滑性が高い保護膜を提供することを目的とする。
本発明の保護膜前駆体液は、基材上に塗布した後に乾燥させて、基材上に保護膜を形成するための保護膜前駆体液であって、アセチルパラミロンと、有機溶剤とを含有する。本発明の保護膜前駆体液において、アセチルパラミロンが、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したものであることが好ましい。
本発明の保護膜形成方法は、基材上に保護膜を形成する保護膜形成方法であって、アセチルパラミロンと、有機溶剤とを含有する保護膜前駆体液を、基材上に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、塗布層から有機溶剤を除去する乾燥工程とを有する。本発明の保護膜形成方法において、アセチルパラミロンが、ミドリムシ(例えばEuglena gracilis等)由来のパラミロンをアセチル化したものであることが好ましい。
本発明の複合体は、基材と、基材上に形成された保護膜とを有する複合体であって、保護膜の主成分がアセチルパラミロンである。本発明の複合体において、アセチルパラミロンが、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したものであることが好ましい。本発明の複合体において、アセチルパラミロンのグルコース1分子当たりのアセチル基置換度が2.0以上であることが好ましい。本発明の複合体において、基材が液晶基板であってもよい。
本発明によれば、欠陥が少なく平滑性が高い保護膜が得られる。
パラミロンからアセチルパラミロンを合成する化学反応スキーム。 アセチルパラミロンの粉末X線回折図。 セルロースからアセチルセルロースを合成する化学反応スキーム。 アセチルパラミロンを含む保護膜を備える複合体およびアセチルセルロースを含む保護膜を備える複合体の表面画像(上段)および偏光顕微鏡写真画像(下段)。 アセチルパラミロンから構成される保護膜を備える複合体の保護膜およびアセチルセルロースから構成される保護膜を備える複合体の保護膜の原子間力顕微鏡画像。 アセチルパラミロンから構成される保護膜およびアセチルセルロースから構成される保護膜をそれぞれ備える複合体の保護膜のX線回折図。 アセチルパラミロンおよびアセチルセルロースのDSCサーモグラム。 アセチルパラミロンおよびアセチルセルロースのTGサーモグラム。 アセチルパラミロンから構成される保護膜およびアセチルセルロースから構成される保護膜をそれぞれ備える複合体の保護膜の透過率スペクトル。
以下、本発明の保護膜前駆体液、保護膜形成方法、および複合体について、実施形態と実施例に基づいて説明する。重複説明は適宜省略する。本発明の実施形態に係る複合体は、基材と、基材上に形成された保護膜とを備えている。保護膜は透明であることが好ましい。透明とは400nm〜800nmの全領域の波長の光の透過率が80%以上である状態をいう。基材としては、液晶基板、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板、セラミックス基板、および金属基板などが挙げられる。本実施形態の保護膜の主成分は、アセチルパラミロンである。すなわち、保護膜を構成する成分のほとんどがアセチルパラミロンであり、残部には不可避的不純物等が含まれている。
保護膜の透明性や、保護膜前駆体液に含まれるアセチルパラミロンの平均分子量分布などに影響を与えなければ、粘度調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離促進剤、またはマット剤などの機能性添加物が保護膜に含まれていてもよい。アセチルパラミロンは、パラミロンを構成するグルコースの一部以上のヒドロキシル基OHのHをアセチル基CHCOで置換したものである。パラミロンは、ミドリムシがその細胞内で産生するβ−1,3−グルカンであり、直径が数μmの扁平粒子状物質の集合体である。
パラミロンを構成するグルコースをアセチル化することにより、保護膜の耐水性の向上や保護膜への溶媒可溶性の付与が期待できる。アセチルパラミロンのグルコース1分子当たりのアセチル基置換度(以下、高分子を構成する単量体1分子当たりのアセチル基置換度を「DSace」と記載することがある)は、2.0以上であることが好ましい。DSaceが2.0以上2.3未満であれば、保護膜の非晶性と、複合体の保護膜表面のナノメーターレベルでの平滑性が現れる。DSaceが2.3以上であれば、保護膜の高結晶性と、複合体の保護膜表面のマイクロメーターレベルでの平滑性が現れる。このように、DSaceを調整することにより、保護膜の諸物性、すなわち保護膜の結晶性、熱的物性、機械的物性、および光学的物性、ならびに複合体の保護膜表面の形状がコントロールできる。また、アセチルパラミロンの質量平均分子量は10万以上であることが好ましい。保護膜への高い機械的強度の付与が期待できるからである。
本発明の実施形態に係る保護膜形成方法では、基材上に保護膜を形成する。本実施形態の保護膜形成方法は、塗布工程と、乾燥工程とを備えている。塗布工程では、基材上に保護膜前駆体液を塗布して塗布層を形成する。乾燥工程では、塗布層から有機溶剤を除去する。本発明の実施形態に係る保護膜前駆体液は、アセチルパラミロンと、有機溶剤とを含有する。
アセチルパラミロンは、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したものが好ましい。ミドリムシ由来のパラミロンは、分子量分布が狭い、すなわち分子量の分散度が低いからである。また、パラミロンは温和な条件下でミドリムシから抽出・精製できるため、ミドリムシ由来のパラミロンは脱重合を生じることがない。このため、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したアセチルパラミロンも分子量の分散度が低く、保護膜形成の乾燥工程で、それぞれのアセチルパラミロン分子の固化速度が狭い範囲に収まる。その結果、スジ故障やブツ故障などの表面欠陥が発生しにくくなる。
ミドリムシ由来のパラミロンは、例えば非特許文献1に記載された方法で、ミドリムシから得られる。すなわち、まず、培養したミドリムシ細胞を遠心分離で集めて、これを水に分散する。超音波でこれらの細胞を破砕し、再び遠心分離を施しペレットを得る。つぎに、界面活性剤を含む水にこのペレットを分散して加熱することでタンパク質を除去して固体を得る。そして、得られた固体をイオン交換水で洗浄し、続いて加熱乾燥することで粉末状のパラミロンを得ることができる。なお、土壌細菌Alcaligenes Faecalis var. myxogenesによって産生されるカードランもβ−1,3−グルカンであるが、カードランは数百個に1個の割合でβ−1,3−結合以外の結合を含んでいるといわれており、アセチル化後の分子間で固化速度に違いが生じる。このため、保護膜の透明化にはカードランよりパラミロンの方が適している。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明の内容はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例:アセチルパラミロン(試料Aと試料B)の合成)
図1は、パラミロンからアセチルパラミロンへの合成スキームである。以下の手順で、パラミロンからアセチルパラミロンを合成した。まず、非特許文献1に記載された方法で、ミドリムシからパラミロンを抽出した。つぎに、このパラミロン10.00g(グルコース部が61.70mmol)と、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)500mLと、塩化リチウム(LiCl)7.85g(185.19mmol)を、温度120℃の窒素雰囲気下で0.5時間撹拌し、均一な溶液を得た。そして、この溶液の温度を70℃に下げた後、DMAc1000mLと、ピリジン168mL(2.09mol)と、無水酢酸240mL(2.54mol)をこの溶液に加えて撹拌し、反応混合液を得た。
その後、以下のようにしてこの反応混合液から固形物の中間体を得た。まず、反応開始から1.5時間後、3時間後、および4時間後に、反応混合液から反応液を30mLずつ採取した。つぎに、これら3つの反応液にそれぞれ水30mLを加えて、白い固形物を沈殿させた。沈殿したそれぞれの固形物を遠心分離した後、メタノール60mLで15分撹拌する洗浄工程を3回行った。そして、洗浄した各固形物を室温で21時間空気乾燥し、さらに90℃で4時間真空乾燥して、精製固形物中間体を得た。
また、反応開始から5時間後に反応混合液300mLを採取し、水300mLを加えて白色沈殿を得た。遠心分離でこの沈殿を分離したのち、メタノール600mLを加えて15分間撹拌する洗浄工程を3回行った。得られた固体2.27gをクロロホルム125mLに溶かした溶液に、メタノール450mLを加えて固形物を沈殿させた後、この沈殿固形物を遠心分離した。この沈殿工程と分離工程を3回ずつ行った。そして、この固形物を室温で21時間空気乾燥し、さらに90℃で4時間真空乾燥して、薄黄色の不透明な固形物であるアセチルパラミロン1.44gを試料Aとして得た(収率55.3%)。得られた物質がアセチルパラミロンであることを1H NMRおよびFT−IR測定によって確認した。
1H NMR(CD2Cl2):δ=5.03-4.48 (m), 4.51-4.12 (m), 4.11-3.91 (m), 3.88-3.36 (m), 2.12 (s), 2.06 (s), 2.00 (s). DSace 2.01.
FT-IR(cm-1):1737, 1631, 1434, 1367, 1213, 1077, 1038, 1026, 892.
残りの反応混合液1500mLをさらに16時間(合計で21時間)撹拌した後、この反応混合液にジクロロメタン800mL、メタノール1600mL、および水1600mLを順次加えて白い固形物を沈殿させた。そして、遠心分離で上澄液を除去し、得られた固形物をメタノール500mLで1時間撹拌洗浄した。この沈殿工程と分離工程を3回ずつ行った。そして、得られた固形物を室温で16時間空気乾燥し、90℃で6時間真空乾燥した後、この固形分をジクロロメタン900mLに溶解し、つづいてメタノール1800mLを加える沈殿法によって固形分を精製した。そして、遠心分離により沈殿固形物を得た。この沈殿法による精製を3回行った。
この精製固形物を室温で16時間空気乾燥し、さらに90℃で3時間真空乾燥して、薄黄色の不透明な固形物であるアセチルパラミロン7.78gを試料Bとして得た(収率60.2%)。得られた物質がアセチルパラミロンであることを1H NMRおよびFT−IR測定によって確認した。
1H NMR(CD2Cl2):δ=4.97-4.70 (m), 4.41-4.21 (m), 4.05-3.91 (m), 3.74-3.47 (m), 2.11 (s), 2.06 (s), 2.00 (s). DSace 2.37.
FT-IR(cm-1):1736, 1629, 1434, 1368, 1211, 1029, 891, 834, 669.
(アセチルパラミロンのX線回折)
複合体の原料となるアセチルパラミロンの合成に適した反応時間を決定するために、各反応時間にサンプリングした反応中間体の粉末X線回折を測定した。その結果を図2に示す。反応時間1.5時間の試料は6.8°と19.6°にブロードピークが見られた。出発原料であるパラミロン粒子では6.8°、19.3°、20.5°、24.0°に鋭いピークが見られることから、反応時間1.5時間のサンプルにはパラミロン粒子の結晶性がある程度残っていると考えられる。反応時間3時間および4時間のサンプルについては、ピークのブロード化が見られた。反応時間5時間のサンプル(試料A)については9.8°にピークが見られ、さらに反応時間21時間のサンプル(試料B)では9.8°、11.8°、14.8°、18.2°、19.9°、21.3°、21.8°、25.1°、27.3°、および31.7°に新たなピークが出現した。
この結果は、反応開始から4時間経過するとパラミロン粒子本来の結晶性がほぼ失われ、5時間を超えると新たな結晶構造が出現し、21時間後では結晶性がさらに高まることを示している。一方、各反応時間でサンプリングした反応中間体のハロゲン系溶媒への溶解性を検証したところ、反応時間5時間のサンプル(試料A)はクロロホルムに溶解し、反応時間21時間のサンプル(試料B)はジクロロメタンに溶解したが、反応時間1.5時間、3時間、4時間の各サンプルは、いずれのハロゲン系溶媒にも完全には溶解しなかった。ハロゲン系溶媒に難溶な試料は、溶媒キャスト法での製膜に不向きであるので、試料Aをアモルファスフィルムの原料、試料Bを結晶性フィルムの原料として選択した。1H NMR測定によれば、試料AのDSaceが2.01と、試料BのDSaceが2.37とそれぞれ計算された。このことは、試料Aではパラミロンのヒドロキシル基の2/3がアセチル基に置換され、試料Bではパラミロンのヒドロキシル基の80%がアセチル基に置換されたことを示している。
(比較例1:溶解パルプからアセチルセルロース(試料C)の合成)
図3は、セルロースからアセチルセルロースへの合成スキームである。以下の手順で、主成分がセルロースである溶解パルプからアセチルセルロースを合成した。まず、溶解パルプ2.00g(グルコース部が12.33mmol)とDMAc75mLを、温度150℃の窒素雰囲気下で1時間撹拌し、不均一な混合物を得た。つぎに、LiCl3.50g(82.6mmol)をこの混合物に加え、さらに1時間撹拌した。そして、この混合物を室温で22時間放置して溶液を得た。つぎに、DMAc75mLと、ピリジン34mL(422mmol)と、無水酢酸48mL(508mmol)をこの溶液に加え、70℃で6時間撹拌した後、室温で15時間撹拌した。そして、この溶液にメタノール300mLを加えて白色固形分を沈殿させた。つぎに、遠心分離で上澄液を除去し、残った固形物をメタノール100mLで15分間撹拌洗浄した。
そして、得られた固形物を室温で16時間空気乾燥して黄色固形物を得た。この黄色固形物をジクロロメタン200mLに溶かし、メタノール600mLを加える沈殿法によって精製した。つぎに、遠心分離により沈殿固形物を得た。この沈殿法による精製を3回行った。この精製固形物を室温で16時間空気乾燥し、さらに90℃で3時間真空乾燥して、白色の固形物のアセチルセルロースである試料Cを2.53g得た(収率73.9%)。得られた物質がアセチルセルロースであることを1H NMRおよびFT−IR測定によって確認した。
1H NMR(CD2Cl2):δ=5.12-4.97 (m), 4.79-4.68 (m), 4.47-4.26 (m), 4.13-3.93 (m), 3.78-3.65 (m), 3.57-3.46 (m), 2.07 (s), 1.98 (s), 1.92 (s). DSace 2.75.
FT-IR(cm-1):1733, 1362, 1208, 1030, 895.
(比較例2:微結晶性セルロースからアセチルセルロース(試料D)の合成)
図3に示す反応スキームに従って、微結晶性セルロースからアセチルセルロースを合成した。まず、微結晶性セルロース2.00g(グルコース部が12.33mmol)とDMAc75mLを、温度150℃の窒素雰囲気下で2時間撹拌して混合物を得た。つぎに、LiCl3.51g(82.8mmol)をこの混合物に加え、さらに1時間撹拌した。そして、この混合物を室温で22時間放置して溶液を得た。つぎに、DMAc75mLと、ピリジン34mL(422mmol)と、無水酢酸48mL(508mmol)をこの溶液に加え、70℃で6時間撹拌した後、室温で15時間撹拌した。そして、この溶液にメタノール300mLを加えて白色固形分を沈殿させた。つぎに、遠心分離で上澄液を除去し、残った固形物をメタノール100mLで15分間撹拌洗浄した。
そして、得られた固形物を室温で16時間空気乾燥して褐色固形物を得た。この固形物をジクロロメタン100mLに溶かし、メタノール600mLを加える沈殿法によって精製した。つぎに、遠心分離により沈殿固形物を得た。この沈殿法による精製を3回行った。この精製固形物を室温で16時間空気乾燥し、さらに90℃で3時間真空乾燥して、白色の固形物であるアセチルセルロースの試料Dを2.33g得た(収率65.6%)。得られた物質がアセチルセルロースであることを1H NMRおよびFT−IR測定によって確認した。
1H NMR(CD2Cl2):δ=5.06-4.97 (m), 4.76-4.70 (m), 4.44-4.26 (m), 4.12-4.00 (m), 3.77-3.67 (m), 3.57-3.47 (m), 2.07 (s), 1.98 (s), 1.92 (s). DSace 2.82.
FT-IR(cm-1):1733, 1623, 1420, 1363, 1209, 1076, 1038, 1024, 967, 894.
(膜の調製)
溶媒キャスト法により自立透明薄膜を調製した。すなわち、75mm×100mmのフッ素樹脂皿に、試料A250mgを30mLのクロロホルムに溶かした溶液を注ぎ、この皿をアルミ箔で覆い、アルミ箔に直径約1mmの穴を5箇所設けた。試料B、試料C、および試料D250mgをそれぞれ30mLのジクロロメタンに溶かした溶液も同様に調製した。室温で8時間以上かけて溶媒を徐々に蒸発させて、試料A、試料B、試料C、および試料Dの透明薄膜を得た。
(複合体の作製)
上記膜の調製方法と同様の方法で、試料A、試料B、試料C、および試料Dからそれぞれ構成される保護膜(以下、試料Aから構成される保護膜を「保護膜A」と、試料Bから構成される保護膜を「保護膜B」と、試料Cから構成される保護膜を「保護膜C」と、試料Dから構成される保護膜を「保護膜D」とそれぞれいうことがある)を基材上に形成して、複合体(以下、保護膜Aを備える複合体を「複合体A」と、保護膜Bを備える複合体を「複合体B」と、保護膜Cを備える複合体を「複合体C」と、保護膜Dを備える複合体を「複合体D」とそれぞれいうことがある)を得た。
図4は、複合体A、複合体B、複合体C、および複合体Dの表面画像であり、上段の複合体の一部分の偏光顕微鏡写真画像を下段に示している。図4の下段に示すように、保護膜Cおよび保護膜Dには多数のマイクロメーターレベルの欠陥が観察された。一方、保護膜Aと保護膜Bは、保護膜Cおよび保護膜Dと比べて欠陥が少なかった。複合体表面のマイクロメーターレベルの平滑性の評価を目的として、欠陥の総面積の計算を行った。すなわち、偏光顕微鏡下で各複合体表面(総面積70000μm2)に見られる欠陥を円で囲み、その円の総面積を計算したところ、保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dでの値は、それぞれ606、350、14137、および8077μm2であった。この結果は、保護膜Aと保護膜Bは、保護膜Cと保護膜Dと比べて、マイクロメーターレベルで平滑であることを示唆している。
これは、後述するように試料Aと試料Bがほぼ単分散の高分子であることに加えて、これらの原料であるパラミロンの純度が100%であるためだと考えられる。保護膜Cと保護膜Dの低平滑性は、保護膜の原料であるセルロースに含まれる不純物の存在が原因だと考えられる。それに加えて、後述する試料Cと試料Dの高分散性(高分子鎖長の不均一性)、溶媒溶解性の低い低アセチル化セルロースがセルロースに混在すること、および保護膜の薄膜化工程での溶媒蒸発過程における各高分子鎖の固化速度の大きな違いが原因であると考えられる。なお、保護膜Aの欠陥面積が、保護膜Bの欠陥面積と比べてやや大きいのは、溶媒溶解性の低い低アセチル化パラミロンが試料Aに混在するためだと考えられる。
つぎに、複合体表面のナノメーターレベルの平滑性の評価を目的として、原子間力顕微鏡(セイコーインスツル社製、SPI4000+SPA-400(20μmスキャナー、カンチレバー:SN-AF01))を用いて原子間力顕微鏡観察を行った。図5は、保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dの5μm四方の正方形部分の平面図(上段)と断面図(下段)である。保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dの数平均粗さ(Ra)は、それぞれ0.95nm、3.64nm、1.80nm、および4.70nmであった。
なお、Raは表面の平滑性を示すパラメーターである。ナノメーターレベルでは保護膜Aが最も平滑であった。この結果は、試料Aに含まれる低アセチル化パラミロンを除くことにより、ナノメーターレベルでもマイクロメーターレベルでも平滑な複合体が調製できることを示唆している。保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dの厚さは、それぞれ39.3±2.3μm、22.4±3.8μm、81.7±14.2μm、41.3±2.6μmであった。
(複合体のX線回折)
図6は、保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜DのX線回折の分析結果を示している。なお、回折チャートの明確化のため、保護膜CのX線回折強度を1/10にした。保護膜Aでは、9.5°付近に幅広い散乱が観察された。ブランク測定では、この角度付近に散乱と回折が見られないことから、この散乱は低結晶領域に由来するアモルファスのハローパターンと推測される。また、弱いハローパターンが16°〜18°付近に見られたが、これもアモルファス領域に由来するものと考えられる。これに対して保護膜Bでは、ハローパターンに加えて、鋭いピークが9.3°、16.2°、16.5°、18.7°、および25.2°に見られた。以上の結果は、保護膜Aと保護膜Bが結晶領域とアモルファス領域から構成されていること、保護膜Bは保護膜Aより結晶化度が高いことを示している。
また、保護膜CのX線回折パターンでは、8.0°、16.5°、および21.3°に幅広いピークが観察された。保護膜Dもほぼ同様の回折パターンであった。この結果は、保護膜Cと保護膜Dが、結晶領域とアモルファス領域を含んでいることを示している。なお、保護膜Cの結晶領域がトリアセチルセルロースII型であることが定量分析により示唆された。さらに、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dの回折パターンを比較すると、アセチル化が進行したパラミロンの方が、アセチル化が同等以上に進行したセルロースと比べて、保護膜中でより整然とした状態で分子が配列していることが明らかとなった。
(サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定)
各試料の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)は、Wyatt Technology社製の多角度光散乱検出器miminiDAWN、動的光散乱モジュールQELS、および高性能示差屈折率検出器Optilab rEX一式に、昭和電工社製カラムKD-805を接続したSEC-MALLSシステム(移動相:クロロホルム、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/min)により決定した。
試料Aと試料Bを溶媒に溶かしてSEC-MALLSシステムに注入するとカラムが詰まり、試料Aと試料BのMwが測定できなかった。しかし、DMAcとLiClからなる溶媒系では脱重合しにくい性質があるので、これらのMwは既に決定された原料のパラミロンのMw2.959×105(重合度1827)と同等であると考えられる。試料Cを溶解した溶液をSEC-MALLSシステムに注入すると、同様にカラムが詰まり、試料CのMwが測定できなかった。
そこで、溶解パルプからセルロースアセテートミリステート(試料E)を合成し、SEC-MALLSによって測定した試料EのMw7.240×105と、1H NMRによって測定した試料EのDSaceとDSlac(グルコース1分子当たりの長鎖アルキル基置換度)の値から、セルロースのMwは3.285×105(重合度2026)と試算した。この数値はパラミロンのMw2.959×105(重合度1827)と同レベルであることから、試料Cは試料Aおよび試料Bの対照試料として使用できると判断した。
試料Eは以下の手順で合成した。まず、温度50℃の窒素雰囲気下で、無水トリフルオロ酢酸(TFAA)4.0mLに、酢酸420μL(7.34mmol)とミリスチン酸567mg(2.48mmol)を加えて5分間撹拌して溶液を得た。つぎに、溶解パルプ100mg(グルコース部が0.62mmol)をこの溶液に加え、さらに1時間撹拌して均一溶液を得た。そして、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mL中にこの均一溶液を注ぐことで生じた白色固形物をろ過により分離した。つぎに、この白色固形物を、水90mLおよびメタノール90mLでそれぞれ15分間撹拌洗浄する工程を3回繰り返した。
そして、洗浄した白色固形物を90℃で2時間真空乾燥して、白色の固形物のセルロースアセテートミリステートである試料Eを207mg得た(収率93.4%)。得られた物質がセルロースアセテートミリステートであることを1H NMR及びFT-IR測定によって確認した。
1H NMR(CDCl3):δ=5.23-4.97 (m), 4.83-4.21 (m), 4.13-3.92 (m), 3.89-3.23 (m), 2.41-2.21 (m), 2.12 (s), 2.00 (s), 1.93 (s), 1.61 (m), 1.25 (s), 0.88 (t, J = 6.0). DSace 2.15, DSlac 0.50.
FT-IR(cm-1):2923, 2851, 1748, 1467, 1427, 1365, 1231, 1156, 1082, 1038, 900, 627, 602.
(示差走査熱量測定と熱重量分析)
示差走査熱量測定(DSC)は、理学電機社製Thermo PlusEVO II DSC8230(昇温速度:10.0℃/min、25℃〜230℃)を用いて行い、ガラス転移温度(Tg)は2回目のスキャンで得られたサーモグラムから決定した。熱重量分析(TG)は、理学電機社製Thermo plus EVO II TG8120(昇温速度:10.0℃/min、25℃〜500℃、窒素気流:100mL/min)を用いて行い、5%重量減少温度(Td5)を決定した。
試料A、試料B、および試料CのDSCおよびTGの測定結果を図7と図8に示す。これらのサーモグラムより決定されたTgとTd5の値を表1に示す。試料BのTg値は、試料AのTg値より高いが、これは試料Bの高い分子配列オーダーによるものと考えられる。また、試料BのTg値は、試料CのTg値よりも8.1℃低かった。これに対して、試料BのTd5は、試料CのTd5よりも6.1℃高かった。この結果は、アセチルパラミロンがアセチルセルロースよりも高い熱的安定性を有していることを示している。
Figure 0006798673
(粘度)
溶媒キャスト法による膜の調製工程は、ハロゲン系溶媒に溶けているアセチルパラミロンやアセチルセルロースが固化する過程を含んでいる。膜の調製工程でのアセチルパラミロンの分子配列能の効果について知見を得ることを目的として、試料Bと試料Cのジクロロメタン溶液の粘度を測定した。その結果を表1に示す。試料Bの溶液の粘度は、試料Cの溶液の粘度より大きいことが明らかとなった。この結果は、試料Bの溶液は試料Cの溶液よりも規則性の高い高分子、すなわち、らせんを基本構造とする分子集合体を含んでいることを示している。この結果より、試料Bから構成される膜の高結晶性は、粘度測定から示唆される溶液中での試料Bの分子が本来持っている分子配列能の高さに起因するものと考えられた。
(機械的強度)
テンシロン万能材料試験機(RTG-1225、エー・アンド・デイ社)を用いて、試料A、試料B、および試料Cからそれぞれ構成される膜の引張試験を室温で行った。縦50mm×横10mm×厚さ約0.05mmの試験片で30mmの間隔を設け、引張速度3mm/分で引っ張った。表1にこの結果を示している。試料Bの最大応力は、試料Cの最大応力と同等であった。破断伸びは試料Aが最大であった。これは、試料Aが非晶質であることに起因すると考えられる。ヤング率は試料Cが最大、試料Aが最小で、試料Bのヤング率は試料Cのヤング率の約85%であった。この結果から、アセチルパラミロンはアセチルセルロースより変形しやすい、すなわち柔軟性が高いことがわかった。
(光透過率の測定)
分光光度計(UV-2500、島津製作所)を用いて、保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dのそれぞれの薄膜(約10mm×10mmの大きさ)の光透過率を測定した。測定に用いた膜の厚さは、保護膜Aが21.8±2.1μm、保護膜Bが42.3±11.6μm、保護膜Cが25.3±5.3μm、保護膜Dが8.6±1.1μmであった。保護膜A、保護膜B、保護膜C、および保護膜Dの透過率スペクトルを図9に示す。図9に示すように、保護膜Aまたは保護膜Bでは、可視光域での光透過率が約90%であった。
また、保護膜Cでは、保護膜Aまたは保護膜Bより光透過率が低かった。これは、試料Cの原料である溶解パルプセルロースに含まれる不純物の存在に加えて、溶解パルプセルロースの多分散度Mw/Mnが高い(推定値3.21)ために試料Cの多分散度も高くなり、溶媒揮発による試料Cを構成する各分子の固化速度にバラつきが生じたことが原因だと考えられる。一方、低い多分散度(推定値1.89)の微結晶性セルロースを原料とした試料Dから構成される膜では、試料Aまたは試料Bから構成される膜と同様に光透過率が高かった。なお、微結晶性セルロースの多分散度は、試料Eと同様の方法で微結晶性セルロースからセルロースアセテートミリステートを合成し、このセルロースアセテートミリステートのSEC-MALLS測定結果に基づいて推定した。
(屈折率の測定)
波長632nmの光を用いて、保護膜A、保護膜B、および保護膜Dの屈折率をプリズムカプラー(2010/M、Metricon社)で測定した。なお、保護膜Cはその透明性の低さのため測定対象から除外した。測定に用いた膜の大きさは全て40mm×40mmで、膜の厚さは、保護膜Aが21.8±2.1μm、保護膜Bが42.3±11.6μm、保護膜Dが8.6±1.1μmであった。表2に屈折率(nx/ny)と複屈折(Δn = |nx-ny|)を示す。
Figure 0006798673
複屈折の数値から、保護膜Aおよび保護膜Bは、保護膜Cと同様に光学的等方性(xy面内方向)を有することがわかった。したがって、アセチルパラミロンは、低複屈折性が求められる光学フィルムの材料として有用であることがわかった。結晶性や表1に示す機械的特性が大きく異なるにも関わらず、保護膜Aおよび保護膜Bの屈折率が低いことは、複合体に求められる様々な機械的特性(硬さや柔軟性など)に応じて、アセチルパラミロンが保護膜として幅広く対応しうることを意味している。
アセチルパラミロンを複合体の主要構成成分として用いる利点のひとつとして、原料であるパラミロンの精製の容易さが挙げられる。すなわち、過酷な反応条件を要する脱リグニンや脱ヘミセルロース等のプロセスを必要とするセルロースと比べて、非常に温和な条件でパラミロンを得ることができる。また、このプロセスで得られるパラミロンの純度がほぼ100%であることは、これを原料とする複合体の高純度につながるものである。アセチルパラミロンを複合体の主要構成成分として用いる他の利点として、保護膜内の欠陥の少なさ、保護膜の高い平滑性、および原料のアセチル化度(DSace)によって保護膜の結晶化度をコントロールできることが挙げられる。具体的には以下の通りである。
すなわち、高DSaceのアセチルパラミロンは高結晶性の膜を形成することができる。この膜の熱的安定性、機械的強度、および光学的性質は、アセチルセルロースから構成される膜のそれらと同レベルにあることが分かった。また、アセチルパラミロンから構成される膜は、アセチルセルロースから構成される膜と比較して、マイクロメーターレベルでの膜表面欠陥が少ない。これは、アセチルパラミロンの原料であるパラミロンの純度の高さに加えて、保護膜の原料であるアセチルパラミロンの低分散度に起因する固化速度の均一性に由来するものである。
一方、低DSaceのアセチルパラミロンから構成される膜は、高DSaceのアセチルパラミロンから構成される膜と異なり、アモルファス状態である。低DSaceのアセチルパラミロンから構成される膜は、アセチルセルロースから構成される膜と比べて、熱的および光学的性質が同レベルにあることがわかった。低DSaceのアセチルパラミロンから構成される膜について特筆すべきこととして、その表面がナノメーターレベルで平滑であることが挙げられる。アセチルパラミロン調製時に混在してくる低溶解性アセチルパラミロンを、ろ過法などで膜調製前に取り除くことにより、アセチルパラミロンから構成される膜の表面をナノメーターレベルで平滑にできるとともに、膜内のマイクロメーターレベルの欠陥をゼロにすることが可能である。
以上より、本発明のアセチルパラミロン膜を含む複合体は、熱的、機械的、および光学的な特性がアセチルセルロース膜を含む複合体と同等であるだけではなく、原料のアセチルパラミロンのDSaceを調整することにより、アセチルパラミロンから構成される膜の結晶性、表面平滑性、膜内欠陥数をコントロールできることが明らかとなった。このため、複合体の用途に応じて保護膜の物性をコントロールでき、アセチルパラミロン複合体の用途が拡大する。

Claims (7)

  1. 基材上に塗布した後に乾燥させて、前記基材上に保護膜を形成するための保護膜前駆体液であって、
    パラミロンを構成するグルコースの一部のヒドロキシル基のHがアセチル基のみで置換されているとともに、前記グルコース1分子当たりのアセチル基置換度が2.01以上2.37以下であるアセチルパラミロンと、
    有機溶剤と
    を含有する保護膜前駆体液。
  2. 請求項1において、
    前記アセチルパラミロンが、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したものである保護膜前駆体液。
  3. 請求項1または2において、
    前記有機溶剤が、クロロホルムおよびジクロロメタンの少なくとも一方である保護膜前駆体液。
  4. 基材上に保護膜を形成する保護膜形成方法であって、
    請求項1から3のいずれかの保護膜前駆体液を、前記基材上に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、
    前記塗布層から前記有機溶剤を除去する乾燥工程と、
    を有する保護膜形成方法。
  5. 基材と、前記基材上に形成された保護膜とを有する複合体であって、
    前記保護膜の主成分がアセチルパラミロンであり、
    前記アセチルパラミロンは、パラミロンを構成するグルコースの一部のヒドロキシル基のHがアセチル基のみで置換されており、
    前記アセチルパラミロンのグルコース1分子当たりのアセチル基置換度が2.0以上2.37以下である複合体。
  6. 請求項5において、
    前記アセチルパラミロンが、ミドリムシ由来のパラミロンをアセチル化したものである複合体。
  7. 請求項5または6において、
    前記基材が液晶基板である複合体。
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