JP6093947B2 - β−1,3−グルカンナノファイバー及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、β-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造を有するβ-1,3-グルカンナノファイバー及びその製造方法に関する。
近年、ナノからマイクロメートルスケールの材料開発が精力的に行われている。単繊維の平均直径がナノメートルスケールであるナノファイバーもその一つである。ナノファイバーを構成する原料物質として、炭素、熱可塑性ポリマー及び多糖が知られている。このうち、多糖系ナノファイバーは、天然に存在する多糖系繊維を利用して得られることから、バイオマスの有効利用及び安全性の点で有利である。
多糖系ナノファイバーとして、β-1,4-グルカンによって構成されるセルロースを原料物質として用いるセルロースナノファイバーが開発されている。例えば非特許文献1は、束状のセルロースを化学反応(TEMPO酸化)してセルロースの束の表面にカルボン酸基を導入した、多糖系ナノファイバーを記載する。特許文献1は、平均重合度が600以上30000以下であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800 nmであり、X線回折パターンにおいて、1β型の結晶ピークを有することを特徴とするセルロースナノファイバーを記載する。
別の多糖系ナノファイバーとして、β-1,3-グルカンを原料物質として用いるナノファイバーも知られている。特許文献2は、導電性ポリマーとβ-1,3-グルカンとから成ることを特徴とするファイバー状複合体を記載する。特許文献3は、三重らせん構造が解離して生成したβ-1,3-グルカン鎖を含む溶液と、前記溶液とは別途に用意した液相とを流通下で接触させることにより、少なくともβ-1,3-グルカンの分子が結合してなる繊維状構造体を製造する方法を記載する。
特開2011-184816号公報 特開2006-160770号公報 特開2012-127024号公報
Biomacromolecules, 8, 3276-3278 (2007)
前記のように、多糖系ナノファイバーの原料物質としては、セルロース及びβ-1,3-グルカンが広く用いられている。両多糖はいずれもグルコースが重合した多糖(グルカン)であるが、セルロースは、β-1,4-グルコシド結合によってグルコースが重合した糖鎖を基本骨格とするのに対し、β-1,3-グルカンは、β-1,3-グルコシド結合によってグルコースが重合した糖鎖を基本骨格とする点が相違する。この結合様式の違いにより、両多糖の水中での立体構造は明確に相違する。すなわち、セルロースはシート構造を、β-1,3-グルカンは三重らせん構造を取り得る。
β-1,3-グルカンは三重らせん構造を有するため、β-1,3-グルカンを原料物質として用いるナノファイバーは、セルロースナノファイバーと比較して、繊維直径、引張強度及び持続長のような繊維特性に優れることが期待される。しかしながら、従来のβ-1,3-グルカンナノファイバーの原料物質として用いられているのは、β-1,6-グルコシド結合による分岐構造を有するシゾフィラン又はレンチナンのような天然由来のβ-1,3-グルカンである。このような天然由来のβ-1,3-グルカンは、分岐構造を有するため、完全な三重らせん構造ではない。このため、β-1,3-グルカンの三重らせん構造を活用して、β-1,3-グルカンナノファイバーの繊維特性を向上させるさらなる技術開発が求められていた。
それ故、本発明は、β-1,3-グルカンを原料物質として、繊維特性の高いナノファイバー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基を化学修飾することにより、単繊維の直径が細く、且つ持続長の長いナノファイバーが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) β-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造を有し、該β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基が-CO-R(式中、Rは、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、置換若しくは非置換のアミノ基、及びチオール基からなる群より選択される1個以上の解離性基によって置換されている炭化水素基である)で表されるアシル基で置換されており、該β-1,3-グルカンの重量平均分子量が1×104〜2×107の範囲であるナノファイバー。
(2) 前記β-1,3-グルカンが、β-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンである、前記(1)に記載のナノファイバー。
(3) 前記(1)又は(2)に記載のナノファイバーからなるナノファイバー集合体。
(4) 前記(1)又は(2)に記載のナノファイバーを製造する方法であって、
β-1,3-グルカンを有機溶媒に溶解させて、一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンを得る、溶解工程;
前記工程で得られた一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンをアシル化して、該β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基を、-CO-R(式中、Rは前記請求項で定義された通りである)で表されるアシル基で置換する、アシル化工程;
前記工程で得られた一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルカンを水中で会合させて、該β-1,3-グルカンの三重らせん構造を形成させる会合工程;
を含む、前記方法。
本発明により、β-1,3-グルカンを原料物質として、繊維特性の高いナノファイバー及びその製造方法を提供することが可能となる。
図1は、パラミロン粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。スケール:5μm。 図2は、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを製造する方法の一実施形態を示す工程図である。 図3は、パラミロン(1)及び生成物のアシル化パラミロン(3)の13C-NMRスペクトルを示す図である。A:パラミロン(1);B:アシル化パラミロン(3)。 図4は、実施例1-2で得られたアシル化パラミロンナノファイバーのクライオゲルの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。スケール:5μm。 図5は、実施例1-4で得られたアシル化パラミロンナノファイバーの透明フィルムのFT-IRスペクトルを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<1. β-1,3-グルカンナノファイバー>
本発明は、グルコース残基の6-位ヒドロキシル基がアシル基で置換されているβ-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造を有するナノファイバーに関する。
[1-1. β-1,3-グルカン]
本明細書において、「β-1,3-グルカン」は、β-グルコースの1-位と別のβ-グルコースの3-位とがβ-1,3-グルコシド結合を形成している主鎖を基本骨格とする多糖を意味する。前記β-1,3-グルカンは、β-1,3-グルコシド結合によって連結された主鎖に、β-1,6-グルコシド結合によって形成される分岐鎖が結合していてもよい。この場合、β-1,3-グルカンを構成する3個のグルコース残基当たり、1個未満の分岐鎖が結合していることが好ましく、分岐鎖が結合していない、すなわちβ-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンであることがより好ましい。分岐鎖が3個のグルコース残基当たり1個未満であることにより、β-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造の直径が細くなる。それ故、結果として得られるナノファイバーの単繊維の直径を細くすることができる。
なお、β-1,3-グルカン分子中に存在する分岐鎖の数は、限定するものではないが、例えば、β-1,3-グルカンを酵素分解後、得られた分解物の吸収スペクトルを測定する(大阪大学大学院 技術部報告書、第16巻, p. 99 (2008))ことによって決定することができる。
前記β-1,3-グルカンは、限定するものではないが、例えば、微細藻が生産する多糖から調製されるグルカンが好ましい。ユーグレナ(Euglena gracilis)が生産するパラミロン粒子から調製されるβ-1,3-グルカンが特に好ましい。
本明細書において、「ユーグレナ」は、ユーグレナ植物門に属する微細藻(Euglena gracilis)を意味する。ユーグレナは、光合成による独立栄養培養に加え、暗黒下ではグルコースや廃糖蜜などを炭素源とする従属栄養培養、さらに有機炭素源を利用しつつ光合成も行う光従属栄養培養も可能な微細藻である。ユーグレナは、光合成産物としてパラミロン粒子を細胞内に蓄積する。その生産量は、培養条件を調整することにより、乾燥細胞重量の60%以上、数10 g/Lオーダーに到達することが知られている。
本明細書において、「パラミロン粒子」は、光合成産物としてユーグレナが生産するβ-1,3-グルカンを含有する粒子を意味する。パラミロン粒子は、通常、球状、扁平球状又は円盤状の形状を有する粒子として生産される(Miyatake, K., Kitaoka, S., Bull. Univ. Osaka Pref., Ser. B, 第35巻, p. 55-58 (1983); 宮武和孝, 炭水化物の代謝, ユーグレナ−生理と生化学−, 北岡正三郎編, 学会出版センター(1989); Miyatake, K., Takenaka, S., Yamaji, R., Nakano, Y., J. Soc., Powder Technol., Japan, 第32巻, p. 566-572 (1995))。パラミロン粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。パラミロン粒子は、水には不溶であるが、アルカリ水溶液、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)又はギ酸に可溶である。パラミロン粒子を構成する多糖は、通常、重合度700〜800のβ-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンである。それ故、パラミロン粒子から調製されるβ-1,3-グルカンを本発明のナノファイバーの原料物質として用いることにより、β-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンナノファイバーを得ることが可能となる。
本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを構成するβ-1,3-グルカンは、グルコース残基の6-位ヒドロキシル基、より具体的には6-位ヒドロキシル基の水素原子が-CO-Rで表されるアシル基で置換されていることが必要である。前記式中、Rは、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、置換若しくは非置換のアミノ基、及びチオール基からなる群より選択される1個以上の解離性基によって置換されている炭化水素基である。前記解離性基は、カルボン酸基、スルホン酸基又はリン酸基であることが好ましい。前記解離性基は、遊離酸又は遊離塩基の形態であってもよく、適切な対イオンとの塩の形態であってもよい。前記対イオンとしては、例えば、ナトリウム若しくはカリウムのようなアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウム若しくはトリエチルアミンのような有機塩基のカチオン、又は塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン若しくは酢酸イオンのような酸の共役塩基のアニオンが好ましい。また、前記炭化水素基は、直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C5アルキル又はC2〜C5アルケニルであることが好ましく、メチル、エチル、エテニル、プロピル若しくはブチルであることがより好ましい。前記Rがこのような解離性基によって置換されていることにより、結果として得られるナノファイバーの表面に電荷が存在し、水中での分散性を向上させることが可能となる。また、前記解離性基の相互作用により、ナノファイバー間の結合を向上させて、該ナノファイバーの強度を向上させることが可能となる。
本明細書において、「グルコース残基の6-位ヒドロキシル基がアシル基で置換されている」とは、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを構成するβ-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基の総モル数に対し、50〜100%がアシル基で置換されている(以下「アシル化率」とも記載する)ことを意味する。前記アシル化率は、例えば、アシル化されたβ-1,3-グルカンを加水分解した後、中和滴定によってアシル基由来のカルボン酸を定量することにより、決定することができる。
[1-2. ナノファイバーの高次構造]
通常、β-1,3-グルカンは、水中では3分子が会合して三重らせん構造を形成する。また、非プロトン性極性有機溶媒中では、三重らせん構造を形成している会合分子が解離して、それぞれが1本鎖(以下「ランダムコイル構造」とも記載する)を形成する。ランダムコイル構造を有するβ-1,3-グルカンを水に溶解させると、再び三重らせん構造を形成する。このように、溶解される溶媒条件によって会合及び解離を繰り返す能力を、「自己組織化能」と称する。
本発明者は、パラミロン粒子から調製されるβ-1,3-グルカンを有機溶媒に溶解させて、一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンを得た後、グルコース残基の6-位ヒドロキシル基をアシル化した。そして、前記反応で得られたアシル化されたβ-1,3-グルカンの13C-NMRスペクトルを重水中で測定したところ、三重らせん構造に特徴的なスペクトルパターンが観測された。このように、化学修飾されたβ-1,3-グルカンが天然のβ-1,3-グルカンと同様の自己組織化能を有していることは従来知られておらず、本発明者が見出した新規な知見である。
それ故、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーは、β-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造を有する。β-1,3-グルカンが三重らせん構造を形成していることにより、結果として得られるナノファイバーの単繊維の直径を細くすることが可能となる。
本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを構成するβ-1,3-グルカンは、重量平均分子量が1×104〜2×107の範囲であることが必要である。前記重量平均分子量は、1×105〜2×107の範囲であることが好ましく、6×105〜7×105の範囲であることがより好ましい。前記重量平均分子量は、三重らせん構造を形成している三量体のβ-1,3-グルカン全体の値である。β-1,3-グルカンの重量平均分子量を前記範囲とすることにより、結果として得られるナノファイバーの持続長を長くすることが可能となる。
なお、前記重量平均分子量は、限定するものではないが、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー分析によって決定することができる。
前記の特徴を備えることにより、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーは、単繊維の直径が細く、且つ持続長の長い繊維となる。本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーの持続長は、通常、単繊維当たり0.5〜10μmの範囲である。前記β-1,3-グルカンナノファイバーの直径は、通常、単繊維当たり0.5〜1000 nmの範囲であり、典型的には0.5〜500 nmの範囲である。また、前記β-1,3-グルカンナノファイバーのアスペクト比は、通常、単繊維当たり500〜10000の範囲である。
なお、前記単繊維当たりの持続長及び直径は、限定するものではないが、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを観察し、任意の数の単繊維の持続長及び直径を測定して、その平均値を計算することにより、決定することができる。
<2. β-1,3-グルカンナノファイバー集合体>
本発明はまた、β-1,3-グルカンナノファイバーからなるナノファイバー集合体に関する。
本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーは、解離性基によって置換されているアシル基により、β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基が置換されている。この解離性基が他のβ-1,3-グルカン分子のアシル基と相互作用することにより、分子間の凝集力が向上する。それ故、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーからなるナノファイバー集合体は、追加の接着成分を含有することなく、分子間相互作用に基づく凝集力によって所望の形状を形成させることができる。
本発明のナノファイバー集合体の形状は、特に限定されない。例えば、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを各種溶媒に浸漬することにより、膨潤ゲル形状とすることができる。また、前記膨潤ゲル(例えば水中で膨潤させたゲル)を凍結乾燥することにより、乾燥ゲル形状とすることができる。さらに、前記膨潤ゲル(例えば水中で膨潤させたゲル)を基板上にキャストし乾燥させることにより、フィルム形状とすることができる。
<3. β-1,3-グルカンナノファイバーの製造方法>
図2は、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーを製造する方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図2に基づき、本発明の方法の好ましい実施形態について詳細に説明する。
[3-1. 溶解工程]
本発明の方法は、β-1,3-グルカンを有機溶媒に溶解させる溶解工程(S1)を含む。本工程は、β-1,3-グルカンを含有する原料から一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンを得ることを目的とする。
本工程において、β-1,3-グルカンを含有する原料として、前記で説明したパラミロン粒子を用いることが好ましい。β-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンを主成分として含有するパラミロン粒子を用いることにより、複雑な精製操作を行うことなく、一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンの純度を向上させることが可能となる。
前記で説明したように、通常、β-1,3-グルカンは、水中では3分子が会合して三重らせん構造を、非プロトン性極性有機溶媒中では、三重らせん構造を形成している会合分子が解離して、それぞれが1本鎖を形成する。それ故、本工程において使用される有機溶媒は、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)若しくはN,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)のような非プロトン性極性有機溶媒、又は1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドのようなイオン性流体が好ましい。前記有機溶媒は、一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンを安定化させるために、所望により、塩化リチウム又はTBAF(フッ化テトラブチルアンモニウムのような塩を含有していてもよい。前記の有機溶媒を用いることにより、三重らせん構造を形成しているβ-1,3-グルカンを解離させて、一本鎖の形態とすることが可能となる。
[3-2. アシル化工程]
本発明の方法は、前記工程で得られた一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンをアシル化するアシル化工程(S2)を含む。本工程は、前記β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基、より具体的には6-位ヒドロキシル基の水素原子を、-CO-Rで表されるアシル基で置換することを目的とする。
本工程において、Rは前記で定義された通りである。
前記アシル化は、当該技術分野において、グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基のアシル化に通常使用される反応条件を適宜適用すればよい。例えば、Rが1個のカルボン酸基で置換されている炭化水素基の場合、対応する環状ジカルボン酸無水物をアシル化剤として用い、該アシル化剤と一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンとを塩基存在下で反応させればよい。この場合、アシル化剤の量をβ-1,3-グルカンに基づき0.5〜2当量に制限することが好ましく、1.0〜1.2当量に制限することがより好ましい。使用されるアシル化剤の量を前記範囲に制限することにより、β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基を選択的にアシル化することができる。
[3-3. 会合工程]
本発明の方法は、前記工程で得られた一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルカンを水中で会合させる会合工程(S3)を含む。本工程は、アシル化されたβ-1,3-グルカンの三重らせん構造を形成させて、ナノファイバーを得ることを目的とする。
本工程において、前記アシル化工程によって導入されたアシル基に含まれる解離性基を酸若しくは塩基で中和することにより、該解離性基を遊離酸又は遊離塩基の形態に変換するか、又は前記で説明した適切な対イオンとの塩の形態に変換することが好ましい。前記酸としては、塩酸、硝酸、硫酸又は酢酸が好ましい。前記塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、リン酸水素二ナトリウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液が好ましい。前記で説明したように、本発明の方法で得られるアシル化されたβ-1,3-グルカンは、水中において自己組織化能を発現し、アシル化されていない天然のβ-1,3-グルカンと同様に三重らせん構造を形成する。それ故、本工程において、一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルカンを水中で会合させるために、追加の反応剤は必要ない。一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルカンを水に溶解又は分散させることにより、自己組織化能を発現させることが可能となる。
本工程において、一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルカンを水中で会合させる条件は特に限定されない。会合温度は、5〜80℃の範囲であればよい。また、会合時間は、0.1〜48時間の範囲であればよい。
前記条件でβ-1,3-グルカンを会合させた後、透析又は限外濾過等の精製手段によって低分子成分を除去することにより、三重らせん構造を形成したアシル化されたβ-1,3-グルカンのナノファイバーを得ることができる。
前記で説明したように、本発明のβ-1,3-グルカンナノファイバーは、アシル基の解離性基による分子間相互作用に基づく凝集力によって集合体を形成する。このため、本工程において得られるβ-1,3-グルカンのナノファイバーは、通常(例えば、pH 4〜5)の条件において、膨潤ゲル形状の集合体である。それ故、前記膨潤ゲル形状のナノファイバー集合体を適宜処理することにより、様々な形状のナノファイバー集合体を得ることが可能となる。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。本発明の範囲は以下に示す方法により制限されるものではない。
<実施例1:アシル化パラミロンの合成>
[1-1:アシル化パラミロンの合成]
Figure 0006093947
500 mgのパラミロン(1)を、加熱下(約120℃)で30 mLの無水N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中に溶解させた。前記パラミロン溶液を90℃まで冷却した後、392 mgの塩化リチウムを加えて、均一で且つ透明な溶液を得た。得られた透明な溶液に、305 mgのコハク酸無水物及び650μLのトリエチルアミンを加えて、室温にて2時間攪拌した。得られた反応溶液に、50 mLのアセトンを添加することでゲル状の白色沈殿を形成させた。前記白色沈殿を濾取し、アセトンで洗浄した。
前記の反応で得られた湿重量3.652 gのアシル化パラミロン(2)を、50 mLの0.067 mMリン酸二水素ナトリウム水溶液に溶解した。得られた水溶液を、透析膜のチューブ(UC36/32、分画分子量14,000 Da、Viskase Companies, Inc.)に入れて、水に対して25℃で49時間透析した。前記透析中、透析外液の水は適宜交換した。得られた透明な透析内液を凍結乾燥することにより、白色固体のナトリウム塩の形態のアシル化パラミロン(3)を得た(364 mg)。
[1-2:アシル化パラミロンの分光学的解析]
アシル化パラミロン(ナトリウム塩)(3);13C NMR (D2O): δ 30.2 (O(C=O)CH2CH2COOH), 31.5 (O(C=O)CH2 CH2COOH), 60.7 (C6), 68.1 (C4), 73.1 (C2), 75.6 (C5), 83.9 (C3), 102.6 (C1), 175.1 (O(C=O)CH2CH2COOH), 180.5 (O(C=O)CH2CH2 COOH).
パラミロン(1);13C NMR (DMSO-d6): δ 60.9 (C6), 68.4 (C4), 72.8 (C2), 76.3 (C5), 86.2 (C3), 103 (C1).
原料のパラミロン(1)及び生成物のアシル化パラミロン(3)の13C-NMRスペクトルを図3に示す。なお、パラミロン(1)はDMSO-d6に、アシル化パラミロン(3)はD2Oに、それぞれ溶解してNMR測定に用いた。
図3Aに示すように、パラミロン(1)の13C-NMRスペクトルでは、グルコース残基の1-位〜6-位の炭素原子に帰属されるピークが略同程度のピーク強度及びピーク半値幅で観測された。これに対し、図3Bに示すように、アシル化パラミロン(3)の13C-NMRスペクトルでは、グルコース残基の1-位及び3-位の炭素原子に帰属されるピークは、他の炭素原子に帰属されるピークと比較してピーク強度が低く、ブロードなピーク形状で観測された。
前記の結果は、パラミロン及びアシル化パラミロンの高次構造の違いに起因すると考えられる。β-1,3-グルカンは、水中では3分子が会合して三重らせん構造を形成するのに対し、DMSOのような極性有機溶媒中では会合分子が解離してランダムコイル構造を形成することが知られている。また、パラミロンの13C-NMRスペクトルを重水(D2O)中で観測すると、β-1,3-グルコシド結合を形成するグルコース残基の1-位及び3-位の炭素原子に帰属されるピークが、他の炭素原子に帰属されるピークと比較してピーク強度が低くなり、且つブロードなピーク形状となることが知られている(Biochemistry, 16(5), 908 (1977)及びCarbohydrate Research, 74, 227 (1979))。それ故、前記反応で得られたアシル化パラミロンは、3分子が会合して三重らせん構造を形成していると考えられる。
[1-3:アシル化パラミロンの分子量測定]
マルチチャネルレーザー光散乱/サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALLS)を用いて、前記で得られたアシル化パラミロン及び原料であるランダムコイル構造を有するパラミロン(1)の重量平均分子量及び慣性半径を測定した。アシル化パラミロンの測定は、前記で得られたトリエチルアミン塩の形態のアシル化パラミロン(2)を水に溶解した2.20 mg/mLの濃度の水溶液を用いた。SEC-MALLS測定は、パラミロン(1)又はアシル化パラミロン(2)に対し、それぞれShodex KF-807L(溶出液:10 mM LiBrを含有するDMSO/DMF 75/25 (v/v)溶液;流速:1.0 mL/min;カラム温度:50℃)又はShodex SB-804HQ(溶出液:50 mM NaCl水溶液;流速:0.5 mL/min;カラム温度:40℃)の2本のカラムを装着したDAWN HELEOS II多角度レーザー光検出器(Wyatt Technology)及びOptilab T-rEX示差屈折率検出器(Wyatt Technology)を用いて実施した。パラミロン(1)の測定試料は1.06 mg/mLの濃度に、アシル化パラミロン(2)の測定試料は2.20 mg/mLの濃度に、それぞれ調製した。前記測定試料を、分析前に予め孔径1.0μmのフィルターで濾過し、それぞれ100μLを前記装置に注入した。その結果、パラミロン(1)及びアシル化パラミロン(2)の重量平均分子量(Mw)は、それぞれ295,900及び664,400と決定された。
[1-4:アシル化率の測定]
50 mgの実施例1のアシル化パラミロン(2)を、0.25 N NaOH水溶液に溶解した。0.25 N HCl水溶液及びフェノールフタレインを用いてアシル化パラミロン(2)の水溶液の中和滴定を行うことにより、アシル化パラミロン(2)のカルボン酸基のモル数を定量した。その結果、1 molのグルコース残基当たり約0.75〜0.9 molのカルボン酸基が存在することが明らかとなった。
<実施例2:アシル化パラミロンナノファイバーの調製>
10 mgの実施例1のナトリウム塩の形態のアシル化パラミロン(3)を、1 mLの水に溶解した。得られた均一且つ透明な水溶液を、透析膜のチューブ(UC36/32、分画分子量14,000 Da、Viskase Companies, Inc.)に入れて、2 Lの水に対して25℃で22時間透析した。前記透析により、アシル化パラミロンのナノファイバーの半透明ゲルを得た。なお、1 mg/mLの条件で前記実験を行ったところ、透明且つ粘度の低い均一溶液を得た。
0.1 mLの前記半透明ゲルを、0.9 mLの水に希釈した。得られた希釈液を凍結乾燥することにより、アシル化パラミロンナノファイバーのクライオゲルを得た。得られたアシル化パラミロンナノファイバーのクライオゲルの走査型電子顕微鏡(SEM)画像(倍率:5000倍)を図4に示す。
図4に示すように、実施例2のアシル化パラミロンナノファイバーは、単繊維の直径が約100 nmであった。
<実施例3:アシル化パラミロンナノファイバーの膨潤ゲルの調製>
約10 mgの実施例1のアシル化パラミロン(2)を水に溶解後、1 N HCl水溶液で白色沈殿を生じさせ、続いて真空乾燥して白色固体を得た。得られた白色固体を1.0 mLの各種溶媒に25℃で24時間浸漬して膨潤させた。その後、膨潤したゲルを濾取することにより、アシル化パラミロンの膨潤ゲルを得た。前記アシル化パラミロンの膨潤ゲルの膨潤率を表1に示す。なお、表中、膨潤率は、溶媒に浸漬する前のアシル化パラミロン(2)の体積に対する濾取後の膨潤ゲルの体積の百分率(%)を意味する。
Figure 0006093947
<実施例4:アシル化パラミロンナノファイバーのフィルムの調製>
7.0 mLの実施例2のアシル化パラミロンのナノファイバーの半透明ゲルをポリスチレン皿(10×5.5 cm)にキャストして、80℃のオーブンで加熱することにより、アシル化パラミロンナノファイバーからなる透明フィルムを得た。得られた透明フィルムのFT-IRスペクトルを図5に示す。
図5に示すように、アシル化パラミロンナノファイバーからなる透明フィルムのFT-IRスペクトルにおいて、1708 cm-1の波数にカルボニルC=O伸縮振動に由来する強い吸収ピークが観測された。前記の結果から、β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基が-CO-(CH2)2-COOHで置換されたアシル化パラミロン(2)の生成が確認された。

Claims (5)

  1. β-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンによって構成される三重らせん構造を有し、該β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基が-CO-R(式中、Rは、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、置換若しくは非置換のアミノ基、及びチオール基からなる群より選択される1個以上の解離性基によって置換されている炭化水素基である)で表されるアシル基で置換されており、該β-1,3-グルカンの重量平均分子量が1×104〜2×107の範囲であるナノファイバー。
  2. Rが、カルボン酸基、スルホン酸基又はリン酸基によって置換されている、直鎖若しくは分岐鎖のC 1 〜C 5 アルキル又はC 2 〜C 5 アルケニルである、請求項1に記載のナノファイバー。
  3. 単繊維当たり0.5〜1000 nmの範囲の直径を有する、請求項1又は2に記載のナノファイバー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノファイバーからなるナノファイバー集合体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノファイバーを製造する方法であって、
    β-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンを有機溶媒に溶解させて、一本鎖の形態のβ-1,3-グルカンを得る、溶解工程;
    前記工程で得られた一本鎖の形態のβ-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンをアシル化して、該β-1,3-グルカンのグルコース残基の6-位ヒドロキシル基を、-CO-R(式中、Rは請求項1で定義された通りである)で表されるアシル基で置換する、アシル化工程;
    前記工程で得られた一本鎖の形態のアシル化されたβ-1,3-グルコシド結合のみからなるβ-1,3-グルカンを水中で会合させて、該β-1,3-グルカンの三重らせん構造を形成させる会合工程;
    を含む、前記方法。
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