JP6797389B1 - 細胞外マトリックス含有組成物及びその製造方法、並びに三次元組織体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、断片化された細胞外マトリックス成分と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、を含む、細胞外マトリックス含有組成物に関する。

Description

本発明は、細胞外マトリックス含有組成物及びその製造方法、並びに三次元組織体及びその製造方法に関する。
人工的に生体組織を模した構造体を作製する手法として、例えば、培養細胞の表面全体が接着膜で被覆された被覆細胞を培養することによって、三次元組織体を製造する方法(特許文献1)、コラーゲンを含む被膜でコートされた細胞を三次元に配置して、三次元組織体を形成することを含む、三次元組織体を製造する方法(特許文献2)、細胞の表面に被膜が形成された被覆細胞を形成すること、及び被覆細胞を三次元に配置することを含む三次元組織体の製造方法であって、被覆細胞の形成は、被膜成分を含有する液に細胞を浸漬させること、及び浸漬させた細胞と被膜成分を含有する液とを液透過性膜によって分離することを含む、三次元組織体の製造方法(特許文献3)、細胞をカチオン性物質および細胞外マトリックス成分と混合して混合物を得て、得られた混合物から細胞を集めて、基材上に細胞集合体を形成することを含む、立体的細胞組織の製造方法(特許文献4)等が知られている。
また、本発明者らは、細胞と内因性コラーゲンを接触させ、好ましくはさらに繊維性の外因性コラーゲンを接触させて、コラーゲン濃度が高い三次元組織体を製造する方法(特許文献5)を提案している。これらのような三次元組織体は、実験動物の代替品、移植材料等としての利用が期待されている。
ところで、生体内においては、コラーゲンのような細胞外マトリックスが相互に作用し合って組織を形成している。また、細胞外マトリックスが相互に作用するために、細胞外マトリックスがより低分子の化合物と結合及び/又は吸着し、結合及び/又は吸着した化合物が、細胞外マトリックスの相互作用において重要な役割を果たしていることが示唆されている(例えば、非特許文献1−3)。
特開2012−115254号公報 国際公開第2015/072164号 国際公開第2016/027853号 国際公開第2017/146124号 国際公開第2018/143286号
M. C. Erat et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2009, 106, 4195. Y. Tatara et al., Glycobiology 2015, 25, 557. M. Shawn et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1998, 95, 7275.
上述の三次元組織体の製造方法によれば、人工的に、手法によっては簡便に、三次元組織体を作製することができるものの、実際の生体内における様々な化合物の相互作用までもより忠実に模倣できる三次元組織体を作製することが求められていた。
本発明の一側面は、より生体内での状態に近い三次元組織体を形成可能な細胞外マトリックス含有組成物を提供することを目的とする。本発明の他の側面は、より生体内での状態に近い三次元組織体及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、例えば以下の各発明に関する。
[1]断片化された細胞外マトリックス成分と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、を含む、細胞外マトリックス含有組成物。
[2]断片化された細胞外マトリックス成分が断片化されたコラーゲン成分を含む、[1]に記載の細胞外マトリックス含有組成物。
[3]断片化された細胞外マトリックス成分の平均長が100nm以上200μm以下である、[1]又は[2]に記載の細胞外マトリックス含有組成物。
[4]前記化合物が、へパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、及びフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の細胞外マトリックス含有組成物。
[5]断片化された細胞外マトリックス成分と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着可能な化合物と、を接触させる工程を備える、細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
[6]断片化された細胞外マトリックス成分が、細胞外マトリックス成分を水性媒体中で断片化することにより得られるものである、[5]に記載の細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
[7]断片化された細胞外マトリックス成分が断片化されたコラーゲン成分を含む、[5]又は[6]に記載の細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
[8]水性媒体中において、[1]〜[4]のいずれかに記載の細胞外マトリックス含有組成物と、細胞とを、接触させる第1の工程、及び細胞外マトリックス含有組成物が接触した細胞を培養する第2の工程を備える、三次元組織体の製造方法。
[9]第1の工程後、かつ、第2の工程前に、水性媒体中における、断片化された細胞外マトリックス成分と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、細胞と、を沈降させる工程を備える、[8]に記載の三次元組織体の製造方法。
[10]第1の工程が、水性媒体中で細胞の層を形成した後に行われる、[8]又は[9]に記載の三次元組織体の製造方法。
[11]細胞が細胞外マトリックス産生細胞を含む、[8]〜[10]のいずれかに記載の三次元組織体の製造方法。
[12]細胞が、血管内皮細胞、がん細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、および、上皮細胞からなる群より選ばれる一種又は複数種の細胞を含む、[8]〜[11]のいずれかに記載の三次元組織体の製造方法。
[13]前記断片化された細胞外マトリックス成分と前記化合物との合計含有量が、断片化された細胞外マトリックス成分、上記化合物及び細胞の合計質量を基準として、10質量%以上90質量%以下である、[8]〜[12]のいずれかに記載の三次元組織体の製造方法。
[14]細胞と、[1]〜[4]のいずれかに記載の細胞外マトリックス含有組成物を含み、前記細胞の少なくとも一部が前記断片化された細胞外マトリックス成分と接触している、三次元組織体。
本発明によれば、より生体内での状態に近い三次元組織体を形成可能な細胞外マトリックス含有組成物を提供することができる。本発明によれば、生体内での状態に近い三次元組織体及びその製造方法を提供することができる。本発明の細胞外マトリックス含有組成物を用いることにより、例えば、血管および血管周囲の細胞の存在状態を模した三次元組織体を得ることができる。また、本発明の細胞外マトリックス含有組成物を用いることにより、従来よりも血管密度が粗い三次元組織体を得ることができる。
各種化合物を結合又は吸着させた解繊されたコラーゲン成分の顕微鏡写真である。 フルオレセイン標識コンドロイチン硫酸を結合又は吸着させた解繊されたコラーゲン成分の顕微鏡写真である。 CD31染色による三次元組織体からなる毛細血管の観察結果を示す写真である。 毛細血管の直径の測定結果を示すグラフである。 ビメンチン(Vimentin)染色及びCD31染色による三次元組織体からなる毛細血管の観察結果を示す写真である。 トルイジンブルー(TB)染色による三次元組織体の観察結果を示す写真である。 三次元組織体中の細胞の核の長さの測定結果を示すグラフである。 CD31染色による三次元組織体の観察結果を示す写真である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<細胞外マトリックス含有組成物>
本実施形態に係る細胞外マトリックス含有組成物は、断片化された細胞外マトリックス成分(断片化細胞外マトリックス成分)と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、を含む。
本実施形態に係る細胞外マトリックス含有組成物は、三次元組織体を形成するための足場材等として好適に利用することができる。
細胞外マトリックス成分は、三次元組織体において少なくとも一部の細胞間の隙間を埋める材料である。細胞外マトリックス成分は、複数の細胞外マトリックス分子によって形成されている、細胞外マトリックス分子の集合体である。細胞外マトリックス分子とは、生物において細胞の外に存在する物質であってよい。細胞外マトリックス分子としては、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、任意の物質を用いることができる。細胞外マトリックス分子として、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、テネイシン、エンタクチン、フィブリリン、及びプロテオグリカン等が挙げられるが、これらに限定されない。細胞外マトリックス成分は、これらを1種単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。細胞外マトリックス成分は、例えば、コラーゲンを含んでいてよく、コラーゲンからなっていてもよい。細胞外マトリックス成分がコラーゲンを含む場合、コラーゲンが細胞接着の足場として機能し、三次元的な細胞構造体の形成がより一層促進される。なお、細胞外マトリックス分子は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、上述の細胞外マトリックス分子の改変体及びバリアントであってもよく、化学合成ペプチド等のポリペプチドであってもよい。細胞外マトリックス分子は、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで表される配列の繰り返しを有するものであってよい。ここで、Glyはグリシン残基を表し、X及びYはそれぞれ独立に任意のアミノ酸残基を表す。複数のGly−X−Yは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Gly−X−Yで示される配列の繰り返しを有することによって、分子鎖の配置への束縛が少なく、足場材としての機能がより一層優れたものとなる。Gly−X−Yで示される配列の繰り返しを有する細胞外マトリックス分子において、Gly−X−Yで示される配列の割合は、全アミノ酸配列のうち、80%以上であってよく、好ましくは95%以上である。また、細胞外マトリックス分子は、RGD配列を有するポリペプチドであってもよい。RGD配列とは、Arg−Gly−Asp(アルギニン残基−グリシン残基−アスパラギン酸残基)で表される配列をいう。RGD配列を有することによって、細胞接着がより一層促進され、足場材としてより一層好適なものとなる。Gly−X−Yで表される配列と、RGD配列とを含む細胞外マトリックス分子としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン等が挙げられる。
コラーゲンとしては、例えば、線維性コラーゲン及び非線維性コラーゲンが挙げられる。線維性コラーゲンとは、コラーゲン線維の主成分となるコラーゲンを意味し、具体的には、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン等が挙げられる。非線維性コラーゲンとしては、例えば、IV型コラーゲンが挙げられる。
プロテオグリカンとして、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、ケラタン硫酸プロテオグリカン、デルマタン硫酸プロテオグリカンが挙げられるが、これらに限定されない。
細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、ラミニン及びフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてよく、コラーゲンを含むことが好ましい。コラーゲンは好ましくは繊維性コラーゲンであり、より好ましくはI型コラーゲンである。線維性コラーゲンは、市販されているコラーゲンを用いてもよく、その具体例としては、日本ハム株式会社製のブタ皮膚由来I型コラーゲンが挙げられる。
細胞外マトリックス成分は、動物由来の細胞外マトリックス成分であってよい。細胞外マトリックス成分の由来となる動物種として、例えば、ヒト、ブタ、ウシ等が挙げられるが、これらに限定されない。細胞外マトリックス成分は、一種類の動物に由来する成分を用いてもよいし、複数種の動物に由来する成分を併用して用いてもよい。細胞外マトリックス成分の由来となる動物種は、三次元組織化する細胞の由来と同じであっても異なっていてもよい。
断片化細胞外マトリックス成分は、上述の細胞外マトリックス成分を断片化して得ることができる。「断片化」とは、細胞外マトリックス分子の集合体をより小さなサイズにすることを意味する。断片化は、細胞外マトリックス分子内の結合を切断する条件で行われてもよいし、細胞外マトリックス分子内の結合を切断しない条件で行われてもよい。断片化された細胞外マトリックス成分は、上述の細胞外マトリックス成分を物理的な力の印加により解繊した成分である、解繊された細胞外マトリックス成分を含んでいてよい。解繊は、断片化の一態様であり、例えば、細胞外マトリックス分子内の結合を切断しない条件で行われるものである。
細胞外マトリックス成分を断片化する方法としては、特に制限されない。細胞外マトリックス成分を解繊する方法としては、例えば、超音波式ホモジナイザー、撹拌式ホモジナイザー、及び高圧式ホモジナイザー等の物理的な力の印加によって細胞外マトリックス成分を解繊してもよい。撹拌式ホモジナイザーを用いる場合、細胞外マトリックス成分をそのままホモジナイズしてもよいし、生理食塩水等の水性媒体中でホモジナイズしてもよい。また、ホモジナイズする時間、回数等を調整することでミリメートルサイズ、ナノメートルサイズの解繊細胞外マトリックス成分を得ることも可能である。解繊細胞外マトリックス成分は、凍結融解を繰り返すことで解繊することにより得ることもできる。
断片化細胞外マトリックス成分は、解繊された細胞外マトリックス成分を少なくとも一部に含んでいてよい。また、断片化細胞外マトリックス成分は、解繊された細胞外マトリックス成分のみからなっていてもよい。すなわち、断片化細胞外マトリックス成分は、解繊された細胞外マトリックス成分であってよい。解繊された細胞外マトリックス成分は、解繊されたコラーゲン成分(解繊コラーゲン成分)を含むことが好ましい。解繊コラーゲン成分は、コラーゲンに由来する三重らせん構造を維持していることが好ましい。断片化コラーゲン成分は、水性媒体に分散させることにより、水性媒体中で細胞と接触しやすくなり、三次元組織体の形成を促進し得る。
断片化細胞外マトリックス成分の形状としては、例えば、繊維状が挙げられる。繊維状とは、糸状の細胞外マトリックス成分で構成される形状、又は糸状の細胞外マトリックス成分が分子間で架橋して構成される形状を意味する。断片化細胞外マトリックス成分の少なくとも一部は、繊維状であってよい。線維状の細胞外マトリックス成分には、複数の糸状細胞外マトリックス分子が集合して形成された細い糸状物(細線維)、細線維が更に集合して形成される糸状物、これらの糸状物を解繊したもの等が含まれる。線維状の細胞外マトリックス成分ではRGD配列が破壊されることなく保存されており、細胞接着のための足場材としてより一層効果的に機能することができる。
断片化細胞外マトリックス成分の平均長は、100nm以上400μm以下であってよく、100nm以上200μm以下であってよい。一実施形態において、断片化細胞外マトリックス成分の平均長は、厚い組織が形成しやすくなる観点から、5μm以上400μm以下であってよく、10μm以上400μm以下であってよく、22μm以上400μm以下であってよく、100μm以上400μm以下であってよい。他の実施形態において、断片化細胞外マトリックス成分の平均長は、組織形成が安定しやすくなる観点及び再分散性がより一層優れたものとなる観点から、100μm以下であってよく、50μm以下であってよく、30μm以下であってよく、15μm以下であってよく、10μm以下であってよく、1μm以下であってよく、100nm以上であってよい。断片化細胞外マトリックス成分全体のうち、大部分の断片化細胞外マトリックス成分の平均長が上記数値範囲内であることが好ましい。具体的には、断片化細胞外マトリックス成分全体のうち95%の断片化細胞外マトリックス成分の平均長が上記数値範囲内であることが好ましい。断片化細胞外マトリックス成分は、平均長が上記範囲内である断片化コラーゲン成分であることが好ましく、平均長が上記範囲内である解繊コラーゲン成分であることがより好ましい。
断片化細胞外マトリックス成分の平均径は、50nm〜30μmであってよく、4μm〜30μmであってよく、5μm〜30μmであってよい。断片化細胞外マトリックス成分は、平均径が上記範囲内である断片化コラーゲン成分であることが好ましく、平均径が上記範囲内である解繊コラーゲン成分であることがより好ましい。
上述の平均長及び平均径の範囲は、組織形成の観点から至適化されたものであるため、後述する乾燥工程後、断片化細胞外マトリックス成分を再度水性媒体に懸濁し組織形成する段階で上記の平均長又は平均径の範囲内に収まっていることが望ましい。
断片化細胞外マトリックス成分の平均長及び平均径は、光学顕微鏡によって個々の断片化細胞外マトリックス成分を測定し、画像解析することによって求めることが可能である。本明細書において、「平均長」は、測定した試料の長手方向の長さの平均値を意味し、「平均径」は、測定した試料の長手方向に直交する方向の長さの平均値を意味する。
断片化された細胞外マトリックス成分の少なくとも一部は分子間又は分子内で架橋されていてよい。断片化された細胞外マトリックス成分は、断片化された細胞外マトリックス成分を構成する分子内で架橋されていてもよく、断片化された細胞外マトリックス成分を構成する分子間で架橋されていてよい。
架橋する方法としては、例えば、熱、紫外線、放射線等の印加による物理架橋、架橋剤、酵素反応等による化学架橋等による方法が挙げられるが、その方法は特に限定されない。架橋(物理架橋及び化学架橋)は、共有結合を介した架橋であってよい。
細胞外マトリックス成分がコラーゲン成分を含む場合、架橋は、コラーゲン分子(三重らせん構造)の間で形成されていてもよく、コラーゲン分子によって形成されたコラーゲン細繊維の間で形成されていてもよい。架橋は、熱による架橋(熱架橋)であってよい。熱架橋は、例えば、真空ポンプを使って減圧下で、加熱処理を行うことにより実施することができる。コラーゲン成分の熱架橋を行う場合、細胞外マトリックス成分は、コラーゲン分子のアミノ基が、同一又は他のコラーゲン分子のカルボキシ基とペプチド結合(−NH−CO−)を形成することにより、架橋されていてよい。
細胞外マトリックス成分は架橋剤を使用することによっても、架橋させることができる。架橋剤は、例えば、カルボキシル基とアミノ基を架橋可能なもの、又はアミノ基同士を架橋可能なものであってよい。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系、カルボジイミド系、エポキシド系及びイミダゾール系架橋剤が経済性、安全性及び操作性の観点から好ましく、具体的には、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド・スルホン酸塩等の水溶性カルボジイミドを挙げることができる。
架橋度の定量は、細胞外マトリックス成分の種類、架橋する手段等に応じて、適宜選択することができる。架橋度は、1%以上、2%以上、4%以上、8%以上、又は12%以上であってよく、30%以下、20%以下、又は15%以下であってもよい。架橋度が上記範囲にあることにより、細胞外マトリックス分子が適度に分散することができ、また、乾燥保存後の再分散性が良好である。
細胞外マトリックス成分中のアミノ基が架橋に使用される場合、架橋度は、非特許文献2等に記載されているTNBS法に基づき定量することが可能である。TNBS法による架橋度が上記範囲内であることが好ましい。TNBS法による架橋度は、細胞外マトリックスが有するアミノ基のうち架橋に使われているアミノ基の割合である。
架橋度は、カルボキシル基を定量することにより、算出してもよい。例えば、水に不溶性の細胞外マトリックス成分の場合、TBO(トルイジンブルーO)法により定量してもよい。TBO法による架橋度が、上述した範囲内であってもよい。
細胞外マトリックス含有組成物中の断片化された細胞外マトリックス成分(断片化細胞外マトリックス成分)の含有量は、細胞外マトリックス含有組成物全量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は98質量%以上であってよく、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
本実施形態に係る細胞外マトリックス含有組成物は、断片化細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物を含む。化合物は、細胞外マトリックス含有組成物に含まれる断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着可能なものであればよく、生体分子であってよい。本明細書において、結合又は吸着可能であるとは、化合物によって解繊細胞外マトリックス成分をコーティングできることと同義である。また、解繊細胞外マトリックス成分がコーティングされる場合には、全面がコーティングされてもよいし、一部がコーティングされてもよい。化合物は、断片化された細胞外マトリックス成分の種類に応じて、適宜選択することができる。化合物は、例えば、断片化された細胞外マトリックス成分と同種又は異種の細胞外マトリックス分子を含む細胞外マトリックス成分であってもよい。化合物の具体例としては、例えば、コンドロイチン硫酸、へパラン硫酸、フィブロネクチン、ヘパリン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸プロテオグリガン、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ラミニン、エンタクチン、テネイシン、エラスチン、フィブリリンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、化合物は、へパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、及びフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1種であってよい。断片化細胞外マトリックス成分が断片化コラーゲン成分である場合、化合物は、コンドロイチン硫酸、へパラン硫酸、ヘパリン、又はフィブロネクチンであってよい。化合物が結合又は吸着した断片化細胞外マトリックス成分は、断片化細胞外マトリックス成分単独では有しない機能を有するか、もしくは断片化細胞外マトリックス成分単独の機能が増強される。例えば、コンドロイチン硫酸であれば、細胞同士の接着力が向上する。ヘパリンであれば、細胞の生育がしやすくなる。フィブロネクチンであれば、断片化細胞外マトリックス成分と細胞の接着性が向上する。
化合物の含有量は、断片化細胞外マトリックス成分100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であってよく、1.0質量部以上8.0質量部以下であってよく、1.5質量部以上4.0質量部以下であってよい。化合物の含有量は、例えば、後述する実施例に記載の吸着率等に基づいて算出することができる。
細胞外マトリックス含有組成物は、断片化細胞外マトリックス成分及び上記化合物のみからなるものであってもよく、断片化細胞外マトリックス成分及び上記化合物以外の成分(他の成分)を含むものであってもよい。
細胞外マトリックス含有組成物の形態は、秤量が容易になりやすい観点から、固形状又は粉末状であってよい。細胞外マトリックス含有組成物は、水分を含んでいなくてよい。細胞外マトリックス含有組成物中の水分は、例えば、凍結乾燥法により除去することができる。水分を含んでいないとは、一切の水分子を含んでいないことを意味するものではなく、凍結乾燥法等の乾燥手法により常識的に達することができる程度に水分を含んでいないことを意味する。
一実施形態に係る細胞外マトリックス含有組成物は、水性媒体中において分散可能である。「水性媒体」とは、水を必須構成成分とする液体を意味する。水性媒体としては、細胞外マトリックス成分が安定に存在できるものであれば、特に制限はない。例えば、水性媒体として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の生理食塩水、Dulbecco’s Modified Eagle培地(DMEM)、血管内皮細胞専用培地(EGM2)等の液体培地が挙げられるがこれに制限されない。
水性媒体中において分散可能であることは、例えば、以下の方法により判定される。すなわち、細胞外マトリックス含有組成物50mgを超純水5mL中に添加して懸濁したときに超純水中で細胞外マトリックス含有組成物が分散した場合(凝集等が生じない場合)、水性媒体中において分散可能であると判定できる。超純水中で細胞外マトリックス含有組成物を分散させる際の温度は、培養温度(例えば、37℃)以下の温度であってよく、室温であってもよい。分散している状態とは、目視にて凝集、沈降等が生じていない状態を意味する。なお、分散可能であることは、例えば、吸光度測定によっても判別することができる。
水性媒体のpHは細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない範囲が好ましい。水性媒体のpHは、細胞に投入した際の細胞への負荷を軽減する観点から、例えば、7.0以上であってよく、8.0以下であってよい。具体的には、水性媒体のpHは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、又は8.0であってよい。水性媒体は、上記pHの範囲において緩衝能を有することが好ましく、より好ましくは液体培地である。液体培地は特に制限はなく、培養する細胞の種類に応じて好適な培地を選択できる。当該培地としては、例えば、Eagle’s MEM培地、DMEM、Modified Eagle培地(MEM)、Minimum Essential培地、RPMI、及びGlutaMax培地等が挙げられる。培地は、血清を添加した培地であってもよいし、無血清培地であってもよい。更に、液体培地は二種類以上の培地を混合した混合培地であってもよい。
<細胞外マトリックス含有組成物の製造方法>
本実施形態に係る細胞外マトリックス含有組成物の製造方法は、断片化された細胞外マトリックス成分と、断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着可能な化合物と、を接触させる工程(接触工程)を備える。接触工程としては、断片化された細胞外マトリックス成分を含有する水性媒体と化合物を含有する水性媒体とを混合する、断片化された細胞外マトリックス成分を含有する水性媒体に化合物を添加する、等の方法が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、接触工程には、断片化された細胞外マトリックス成分と化合物とを接触させた後で、一定時間インキュベートする工程が含まれてもよい。
断片化された細胞外マトリックス成分は上述した方法により得ることができる。断片化された細胞外マトリックス成分は、細胞外マトリックス成分を水性媒体中で断片化することにより得られるものであってよい。すなわち、本実施形態に係る製造方法は、接触工程の前に、細胞外マトリックス成分を水性媒体中で断片化する工程(断片化工程)を備えていてよい。水性媒体は、上述の水性媒体と同様であってよい。断片化工程は、接触工程の前に、細胞外マトリックス成分を水性媒体中で解繊する工程であってよい。
断片化された細胞外マトリックス成分は、上記例示したものであってよく、断片化されたコラーゲン成分を含んでいてよく、解繊されたコラーゲン成分を含んでいてよい。断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着可能な化合物は、上述した化合物を用いることができる。
本実施形態に係る製造方法は、断片化工程前に細胞外マトリックス成分を加熱して、細胞外マトリックス成分の少なくとも一部を架橋する工程を備えていてもよいし、断片化工程後かつ接触工程前に、細胞外マトリックス成分を加熱して、細胞外マトリックス成分の少なくとも一部を架橋する工程を備えていてよい。
架橋する工程において、細胞外マトリックス成分を加熱する際の温度(加熱温度)及び時間(加熱時間)は適宜定めることができる。加熱温度は、例えば100℃以上であってよく、200℃以下であってよい。加熱温度は、具体的には、例えば、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃等であってよい。加熱時間(上記加熱温度で保持する時間)は、加熱温度により適宜設定することができる。加熱時間は、例えば、100℃〜200℃で加熱する場合、6時間以上72時間以下であってよく、より好ましくは24時間以上48時間以下である。架橋する工程では、溶媒非存在下で加熱してよく、また、減圧条件下で加熱してもよい。
本実施形態に係る製造方法は、断片化工程後に、断片化された細胞外マトリックス成分を乾燥する乾燥工程を備えていてよい。
乾燥工程では、断片化された細胞外マトリックス成分を乾燥する。乾燥は、例えば、凍結乾燥法により実施してよい。断片化工程後に、乾燥工程を行うことで、断片化細胞外マトリックス成分及び水性媒体を含む液から、水性媒体が除去される。水性媒体が除去されるとは、断片化された細胞外マトリックス成分中に一切の水分が付着していないことを意味するものではなく、上述の一般的な乾燥手法により、常識的に達することができる程度に水分が付着していないことを意味する。
細胞外マトリックス含有組成物は、三次元組織体を形成するための足場材として好適に用いることができる。したがって、細胞外マトリックス含有組成物は、三次元組織体形成用途に好適に用いられる。
<三次元組織体形成剤>
細胞外マトリックス含有組成物は、三次元組織体を形成するための足場材等として好適であるため、本発明の一実施形態において、上述の細胞外マトリックス含有組成物を含む、三次元組織体形成剤が提供される。
本実施形態に係る三次元組織体形成剤は、上述の解繊細胞外マトリックス成分を含んでいるため、より厚い三次元組織体を形成することができる。
三次元組織形成剤は、保存する際には粉末の状態であってよく、また、三次元組織体の形成段階においては、水性媒体に分散させた分散液の状態であることが好ましい。
<三次元組織体>
本実施形態に係る三次元組織体は、上述の細胞外マトリックス含有組成物と、細胞と、を含む。細胞の少なくとも一部が細胞外マトリックス含有組成物中の解繊細胞外マトリックス成分に接触していてよい。接触の一態様として、接着していてもよい。「三次元組織体」とは、細胞外マトリックス成分を介して細胞が三次元的に配置されている細胞の集合体であって、細胞培養によって人工的に作られる集合体を意味する。三次元組織体の形状には特に制限はなく、例えば、シート状、球体状、楕円体状、直方体状等が挙げられる。ここで、生体組織は、血管、汗腺、リンパ管、脂腺等を含み、構成が三次元組織体より複雑である。そのため、三次元組織体と生体組織とは容易に区別可能である。
細胞は、特に限定されないが、例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ、マウス、ラット等の動物に由来する細胞であってよい。細胞の由来部位も特に限定されず、骨、筋肉、内臓、神経、脳、骨、皮膚、血液等に由来する体細胞であってもよく、生殖細胞であってもよい。さらに、細胞は、誘導多能性幹細胞細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)であってもよく、また、初代培養細胞、継代培養細胞及び細胞株細胞等の培養細胞であってもよい。具体的には、細胞として、例えば、神経細胞、樹状細胞、免疫細胞、血管内皮細胞(例えば、ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC))、血管周皮細胞、リンパ管内皮細胞、線維芽細胞、大腸がん細胞(例えば、ヒト大腸がん細胞(HT29))、肝癌細胞等の癌細胞、上皮細胞(例えば、ヒト歯肉上皮細胞)、角化細胞、心筋細胞(例えば、ヒトiPS細胞由来心筋細胞(iPS−CM))、肝細胞、膵島細胞、組織幹細胞、平滑筋細胞(例えば、大動脈平滑筋細胞(Aorta−SMC)等が挙げられるが、これらに限定されない。細胞は、血管内皮細胞、がん細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、および、上皮細胞からなる群より選ばれる一種又は複数種の細胞を含んでいてよい。また、細胞は、血管内皮細胞、血管周皮細胞およびアストロサイトを含んでいてよい。細胞は、一種単独で用いてもよいし、複数種類の細胞を組み合わせて用いてもよい。
細胞として、細胞外マトリックス分子を分泌する細胞外マトリックス分泌細胞を含むことが好ましい。細胞外マトリックス分泌細胞としては、例えば、線維性コラーゲン等のコラーゲンを分泌するコラーゲン分泌細胞が挙げられる。コラーゲン分泌細胞としては、例えば、線維芽細胞、軟骨細胞、骨芽細胞等の間葉系細胞が挙げられ、好ましくは、線維芽細胞である。好ましい線維芽細胞としては、例えば、ヒト皮膚由来線維芽細胞(NHDF)、ヒト心臓線維芽細胞(NHCF)及びヒト歯肉線維芽細胞(HGF)が挙げられる。
三次元組織体が細胞として細胞外マトリックス分泌細胞を含む場合、三次元組織体は内因性細胞外マトリックスを含んでいてよい。「内因性細胞外マトリックス」とは、三次元組織体を構成する細胞外マトリックス産生細胞が産生する細胞外マトリックスを意味する。
三次元組織体が細胞としてコラーゲン分泌細胞を含む場合、三次元組織体は内因性コラーゲンを含んでいてよい。「内因性コラーゲン」とは、三次元組織体を構成するコラーゲン産生細胞が産生するコラーゲンを意味する。内因性コラーゲンは、線維性コラーゲンであってもよいし、非線維性コラーゲンであってもよい。
三次元組織体が細胞として細胞外マトリックス分泌細胞を含む場合、三次元組織体は、細胞外マトリックス分泌細胞を含む細胞と、細胞外マトリックス含有組成物と、内因性細胞外マトリックス成分とを含んでいてよい。この場合、細胞外マトリックス分泌細胞を含む細胞の少なくとも一部は断片化細胞外マトリックス成分及び/又は内因性細胞外マトリックス成分に接触していてよい。従来の三次元組織体は、細胞外マトリックス(コラーゲン等)の濃度が低く、且つ細胞密度が高いものであった。そのため、培養中又は培養後に細胞のけん引力によって三次元組織体が収縮したり、培養中又は培養後に細胞が産生する酵素によって三次元組織体が容易に分解される等の問題があった。一実施形態に係る三次元組織体は、細胞外マトリックス(コラーゲン等)の濃度が従来のものより高く、収縮が起きにくく安定である。
三次元組織体は、細胞として、細胞外マトリックス分泌細胞と、細胞外マトリックス分泌細胞以外の細胞と、を含んでいてよい。細胞外マトリックス産生細胞以外の細胞としては、血管内皮細胞(例えば、ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC))、大腸がん細胞(例えば、ヒト大腸がん細胞(HT29))、肝がん細胞等のがん細胞、心筋細胞(例えば、ヒトiPS細胞由来心筋細胞(iPS−CM))、上皮細胞(例えば、ヒト歯肉上皮細胞)、角化細胞、リンパ管内皮細胞、神経細胞、肝細胞、組織幹細胞、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、接着性細胞(例えば、免疫細胞)、平滑筋細胞(例えば、大動脈平滑筋細胞(Aorta−SMC))等が挙げられる。上記三次元組織体を構成する細胞が、血管内皮細胞、がん細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、および、上皮細胞からなる群より選ばれる一種又は複数種の細胞を更に含むことが好ましい。
三次元組織体中の断片化された細胞外マトリックス成分と上記化合物との合計含有量は、断片化された細胞外マトリックス成分、上記化合物及び細胞の合計質量を基準として、0.01質量%以上90質量%以下であってよく、10質量%以上90質量%以下であってよく、10質量%以上80質量%以下であってよく、10質量%以上70質量%以下であってよく、10質量%以上60質量%以下であってよく、1質量%以上50質量%以下であってよく、10質量%以上50質量%以下であってよく、10質量%以上30質量%以下であってよく、20〜30質量%であってよい。断片化された細胞外マトリックス成分と上記化合物との合計含有量は、例えば、一般的なMSイメージングにより測定することができる。
三次元組織体が、コラーゲンを含有する場合、三次元組織体におけるコラーゲン含有率は、断片化された細胞外マトリックス成分、上記化合物及び細胞の合計質量を基準として0.01〜90質量%であってよく、0.33〜90質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。
ここで、「三次元組織体におけるコラーゲン」とは、三次元組織体を構成するコラーゲンを意味し、内因性コラーゲンであってもよいし、断片化コラーゲン成分に由来するコラーゲン(外因性コラーゲン)であってもよい。すなわち、三次元組織体が内因性コラーゲン成分及び断片化コラーゲン成分を含む場合、上記三次元組織体を構成するコラーゲン含有率は、内因性コラーゲン成分及び上記断片化コラーゲン成分の合計濃度を意味する。上記コラーゲン含有率は、得られた三次元組織体の体積、及び脱細胞化した三次元組織体の質量から算出することが可能である。
また、三次元組織体におけるコラーゲン量を定量する方法としては、例えば、以下のようなヒドロキシプロリンを定量する方法が挙げられる。三次元組織体を溶解した溶解液に、塩酸(HCl)を混合し、高温で所定の時間インキュベートした後に室温に戻し、遠心分離した上澄みを所定の濃度に希釈することでサンプルを調製する。ヒドロキシプロリンスタンダード溶液をサンプルと同様に処理した後、段階的に希釈してスタンダードを調製する。サンプル及びスタンダードのそれぞれに対してヒドロキシプロリンアッセイバッファ及び検出試薬で所定の処理をし、570nmの吸光度を測定する。サンプルの吸光度をスタンダードと比較することでコラーゲン量を算出する。なお、三次元組織体を、高濃度の塩酸に直接懸濁して溶解した溶解液を遠心分離して上澄みを回収し、コラーゲン定量に用いてもよい。また、溶解させる三次元組織体は、培養液から回収したままの状態であってもよいし、回収後に乾燥処理を行い、液体成分を除去した状態で溶解させてもよい。但し、培養液から回収したままの状態の三次元組織体を溶解してコラーゲン定量を行う場合、三次元組織体が吸収している培地成分、及び実験手技の問題による培地の残りの影響で、三次元組織体重量の計測値がばらつくことが予想されるため、組織体の重量及び単位重量あたりに占めるコラーゲン量を安定して計測する観点からは、乾燥後の重量を基準とすることが好ましい。
コラーゲン量を定量する方法として、より具体的には、例えば、以下のような方法が挙げられる。
(サンプルの調製)
凍結乾燥処理を行った三次元組織体の全量を6mol/l HClと混合し、ヒートブロックで95℃、20時間以上インキュベートした後、室温に戻す。13000gで10分遠心分離した後、サンプル溶液の上澄みを回収する。後述する測定において結果が検量線の範囲内に収まるように6mol/l HClで適宜希釈した後、200μLを100μLの超純水で希釈することでサンプルを調製する。サンプルは35μL用いる。
(スタンダードの調製)
スクリューキャップチューブに125μLのスタンダード溶液(1200μg/mL in acetic acid)と、125μLの12mol/l HClを加え混合し、ヒートブロックで95℃、20時間インキュベートした後、室温に戻す。13000gで10分遠心分離した後、上澄みを超純水で希釈して300μg/mLのS1を作製し、S1を段階的に希釈してS2(200μg/mL)、S3(100μg/mL)、S4(50μg/mL)、S5(25μg/mL)、S6(12.5μg/mL)、S7(6.25μg/mL)を作製する。4mol/l HCl90μLのみのS8(0μg/mL)も準備する。
(アッセイ)
35μLのスタンダード及びサンプルをそれぞれプレート(QuickZyme Total Collagen Assayキット付属、QuickZyme Biosciences社)に加える。75μLのアッセイバッファ(上記キット付属)をそれぞれのウェルに加える。シールでプレートを閉じ、20分シェイキングしながら室温でインキュベートする。シールをはがし、75μLのdetection reagent (reagent A:B=30μL:45μL、上記キット付属)をそれぞれのウェルに加える。シールでプレートを閉じ、シェイキングで溶液を混合し、60℃で60分インキュベートする。氷上で十分に冷まし、シールをはがして570nmの吸光度を測定する。サンプルの吸光度をスタンダードと比較することでコラーゲン量を算出する。
また、三次元組織体中に占めるコラーゲンを、その面積比又は体積比によって規定してもよい。「面積比又は体積比によって規定する」とは、例えば三次元組織体中のコラーゲンを既知の染色手法(例えば、抗コラーゲン抗体を用いた免疫染色、又はマッソントリクローム染色)等で他の組織構成物と区別可能な状態にした上で、肉眼観察、各種顕微鏡及び画像解析ソフト等を用いて、三次元組織体全体に占めるコラーゲンの存在領域の比率を算出することを意味する。面積比で規定する場合、三次元組織体中の如何なる断面もしくは表面によって面積比を規定するかは限定されないが、例えば三次元組織体が球状体等である場合には、その略中心部を通る断面図によって規定してもよい。
例えば、三次元組織体中のコラーゲンを面積比によって規定する場合、その面積の割合は、上記三次元組織体の全体の面積を基準として0.01〜99%であり、1〜99%であることが好ましく、5〜90%であることが好ましく、7〜90%であることが好ましく、20〜90%であることが好ましく、50〜90%であることがより好ましい。「三次元組織体におけるコラーゲン」については、上述したとおりである。三次元組織体が外因性コラーゲンを含む場合、上記三次元組織体を構成するコラーゲンの面積の割合は、内因性コラーゲン及び外因性コラーゲンを合わせた面積の割合を意味する。上記コラーゲンの面積の割合は、例えば、得られた三次元組織体をマッソントリクロームで染色し、三次元組織体の略中心部を通る断面の全体の面積に対する、青く染色したコラーゲンの面積の割合として算出することが可能である。
上記三次元組織体は、トリプシンの濃度0.25%、温度37℃、pH7.4、反応時間15分でトリプシン処理を行った後の残存率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更により好ましい。このような三次元組織体は、培養中又は培養後において酵素による分解が起きにくく、安定である。上記残存率は、例えば、トリプシン処理の前後における三次元組織体の質量から算出できる。
上記三次元組織体は、コラゲナーゼの濃度0.25%、温度37℃、pH7.4、反応時間15分でコラゲナーゼ処理を行った後の残存率が70%以上であってもよく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更により好ましい。このような三次元組織体は、培養中又は培養後における酵素による分解が起きにくく、安定である。
上記三次元組織体の厚さは10μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、1000μm以上であることが更により好ましい。このような三次元組織体は、生体組織により近い構造であり、実験動物の代替品、及び移植材料として好適なものとなる。三次元組織体の厚さの上限は、特に制限されないが、例えば、10mm以下であってもよいし、3mm以下であってもよいし、2mm以下であってもよいし、1.5mm以下であってもよいし、1mm以下であってもよい。
ここで、「三次元組織体の厚さ」とは、三次元組織体がシート状、又は直方体状である場合、主面に垂直な方向における両端の距離を意味する。上記主面に凹凸がある場合、厚さは上記主面の最も薄い部分における距離を意味する。
また、三次元組織体が球体状である場合、その直径を意味する。さらにまた、三次元組織体が楕円体状である場合、その短径を意味する。三次元組織体が略球体状又は略楕円体状であって表面に凹凸がある場合、厚さは、三次元組織体の重心を通る直線と上記表面とが交差する2点間の距離であって最短の距離を意味する。
<三次元組織体の製造方法>
本実施形態に係る三次元組織体の製造方法は、水性媒体中において、上述の細胞外マトリックス含有組成物と細胞とを接触させる第1の工程、及び上述の細胞外マトリックス含有組成物が接触した細胞を培養する第2の工程を備えている。本実施形態に係る三次元組織体の製造方法において重要な点は、断片化細胞外マトリックス成分と細胞とが接触する(すなわち第1の工程)前に、断片化細胞外マトリックス成分と化合物とが接触し、化合物が断片化細胞外マトリックス成分に結合又は吸着する点である。これにより、単に細胞培養液に化合物を添加して細胞を培養する場合と比べて、断片化細胞外マトリックス成分に有用な機能を付与又は増強することが可能になる。また、断片化細胞外マトリックス成分に化合物が結合又は吸着しているので、用いる化合物の量を抑制することができるという効果もある。
三次元組織体の製造方法において、細胞は、コラーゲン産生細胞を含む細胞であることが好ましい。コラーゲン分泌細胞を含む細胞を用いることで、より安定で、細胞が均一に分布している三次元組織体が得られる。このような三次元組織体が得られるメカニズムの詳細は不明であるが、以下のように推測される。
従来の足場を利用した三次元組織体の製造方法では、予め用意された足場に目的の細胞を注入するため、足場の内部にまで均一に細胞を分布させることが困難であった。細胞が細胞外マトリックス産生細胞(コラーゲン産生細胞等)を含む細胞である場合、まず、細胞が細胞外マトリックス含有組成物上に接着する。その後、細胞は自分自身で細胞外マトリックス成分を構成するタンパク質(例えば、線維性コラーゲン等のコラーゲン)を産生する。産生されたタンパク質は細胞外マトリックス含有組成物上に接着することで、細胞外マトリックス含有組成物間の架橋剤として働き、細胞が均一に存在する環境下で細胞外マトリックス成分を構成するタンパク質等の構造化が進む。その結果、より安定で、細胞が均一に分布している三次元組織体が得られる。ただし、上記推測は本発明を限定するものではない。
また、特許文献1〜3に記載の製造方法では、三次元組織体を製造するための工程数が多く、1時間程度の作業時間が必要であった。本実施形態に係る製造方法によれば、短い作業時間で三次元組織体を製造できる。さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、簡便に三次元組織体を製造できる。特許文献2に記載の製造方法では、厚さが1mm程度の三次元組織体を製造するために、細胞が少なくとも10cells必要であった。本実施形態に係る製造方法によれば、比較的少ない細胞数で、厚さが1mm以上である、サイズが大きい三次元組織体を製造できる。
第1の工程では、水性媒体中において、細胞外マトリックス含有組成物と細胞とを接触させる。水性媒体中において、細胞外マトリックス含有組成物と細胞とを接触させる方法は特に制限されない。例えば、細胞を含む培養液に、細胞外マトリックス含有組成物を加える方法、細胞外マトリックス含有組成物に水性媒体と細胞を加える方法、又は予め用意した水性媒体に、細胞外マトリックス含有組成物及び細胞をそれぞれ加える方法が挙げられる。
第1の工程においては、コラーゲン産生細胞及びコラーゲン産生細胞以外の他の細胞を含む細胞を用いてよい。コラーゲン産生細胞、及びコラーゲン産生細胞以外の他の細胞としては、上述した細胞をそれぞれ用いることができる。コラーゲン産生細胞及びコラーゲン産生細胞以外の他の細胞を共に用いて三次元組織体を製造することで、種々のモデル組織を製造することが可能になる。例えば、NHCF及びHUVECを用いた場合、内部に毛細血管を有する三次元組織体を得ることが可能になる。NHCF及び大腸がん細胞を用いた場合、大腸がんのモデル組織を得ることが可能になる。また、NHCF及びiPS−CMを用いた場合、同期拍動を示す心筋のモデル組織を得ることが可能になる。
第1の工程における細胞外マトリックス含有組成物の濃度は、目的とする三次元組織体の形状、厚さ、培養器のサイズ等に応じて適宜決定できる。例えば、第1の工程における水性媒体中の細胞外マトリックス含有組成物の濃度は、0.1〜90質量%であってもよいし、1〜30質量%であってもよい。
第1の工程における細胞外マトリックス含有組成物の量は、1×10cellsの細胞に対して、0.1〜100mgであってもよいし、1〜50mgであってもよい。
第1の工程において、細胞外マトリックス含有組成物と細胞との質量比(細胞外マトリックス含有組成物/細胞)は、1/1〜1000/1であることが好ましく、9/1〜900/1であることがより好ましく、10/1〜500/1であることがさらに好ましい。
コラーゲン産生細胞とその他の細胞とを共に用いる場合、その他の細胞の比率に対する第1の工程におけるコラーゲン産生細胞の細胞数の比(第1の工程におけるコラーゲン産生細胞/その他の細胞の比)は、9/1〜99/1であってもよく、50/50〜80/20であってもよく、20/80〜50/50であってもよく、10/90〜50/50であってもよい。
第1の工程後かつ第2の工程前に、水性媒体中における細胞外マトリックス含有組成物と細胞とを共に沈降させる工程を更に含んでもよい。このような工程を行うことで、三次元組織体における細胞外マトリックス含有組成物及び細胞の分布が、より均一になる。具体的な方法としては、特に制限はないが、例えば細胞外マトリックス含有組成物と細胞とを含む培養液を遠心操作する方法が挙げられる。
第1の工程は、水性媒体中で細胞の層を形成させた後に行われるものであってよい。つまり、第1の工程は、水性媒体中で細胞の層を形成させた後、細胞外マトリックス含有組成物を接触させることにより行われてもよい。細胞の層を細胞外マトリックス含有組成物と接触させる前に形成することで、下層部の細胞密度が高い三次元組織体を作製することができる。また、コラーゲン産生細胞を含む細胞の層を細胞外マトリックス含有組成物と接触させる前に形成することで、コラーゲン産生細胞を含む細胞の下層部の細胞密度が高い三次元組織体を作製することができる。用いる細胞の種類(例えば、大動脈平滑筋細胞)によっては、この方法により、より生体に近い組織を作製することができる。
第2の工程の後、第3の工程として、さらに細胞を接触させ、細胞を培養する工程を含んでもよい。上記細胞は、第1の工程で用いた細胞と同種であってよく、異種であってもよい。例えば、第1の工程で用いる細胞がコラーゲン産生細胞以外の細胞を含む場合に、第3の工程で用いる細胞はコラーゲン産生細胞を含んでもよい。また例えば、第1の工程で用いる細胞がコラーゲン産生細胞を含む場合に、第3の工程で用いる細胞はコラーゲン産生細胞以外の細胞を含んでもよい。第1の工程で用いる細胞及び第3の工程で用いる細胞の両方がコラーゲン産生細胞を含んでもよく、第1の工程で用いる細胞及び第3の工程で用いる細胞の両方がコラーゲン産生細胞以外の細胞を含んでもよい。第3の工程により、二層構造の三次元組織体を作製することができる。例えば、大動脈平滑筋細胞及び血管内皮細胞を用いた場合、並びにヒト皮膚由来線維芽細胞及びヒト表皮角化細胞を用いた場合には、この方法により、より生体に近い組織を作製することができる。また、例えば、ヒト歯肉線維芽細胞と歯肉上皮細胞を用いた場合には、この方法により、組織収縮及び組織割れのない二層構造の三次元組織体を作製することができる。
細胞外マトリックス含有組成物が接触した細胞を培養する方法は、特に制限はなく、培養する細胞の種類に応じて好適な培養方法で行うことができる。例えば、培養温度は20℃〜40℃であってもよく、30℃〜37℃であってもよい。培地のpHは、6〜8であってもよく、7.2〜7.4であってもよい。培養時間は、1日〜2週間であってもよく、1週間〜2週間であってもよい。
培地は特に制限はなく、培養する細胞の種類に応じて好適な培地を選択できる。培地としては、例えば、Eagle’s MEM培地、DMEM、Modified Eagle培地(MEM)、Minimum Essential培地、RPMI、及びGlutaMax培地等が挙げられる。培地は、血清を添加した培地であってもよいし、無血清培地であってもよい。更に、液体培地は二種類以上の培地を混合した混合培地であってもよい。
第2の工程における培地中の細胞密度は、目的とする三次元組織体の形状、厚さ、培養器のサイズ等に応じて適宜決定できる。例えば、第2の工程における培地中の細胞密度は、1〜10cells/mlであってもよいし、10〜10cells/mlであってもよい。また、第2の工程における培地中の細胞密度は、第1の工程における水性媒体中の細胞密度と同じであってもよい。
上記三次元組織体は、培養中の収縮率が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。上記収縮率は、例えば、以下の式で算出できる。式中L1は、培養後1日目の三次元組織体のもっとも長い部分の長さを示し、L3は、培養後3日目の三次元組織体における対応する部分の長さを示す。
収縮率(%)={(L1―L3)/L1}×100
上述の製造方法により例えば、細胞と、細胞外マトリックス成分とを含む三次元組織体であって、コラーゲンの含有率が、上記三次元組織体を基準として10質量%〜90質量%である、三次元組織体を製造することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:解繊されたコラーゲン成分の作製>
日本ハム株式会社製のブタ皮膚由来I型コラーゲン凍結乾燥体を、コラーゲン含有量が1質量%となるように超純水に懸濁した。超音波式ホモジナイザーを用いて、4℃の条件下、20秒間のサイクルを10回繰り返して、懸濁液をホモジナイズした。得られた液を孔径35μmのフィルターでろ過して、解繊されたコラーゲン成分(sCMF)を得た。
sCMFの平均長(長さ)は、14.8±8.2μm(N=20)であった。
<試験例2:解繊されたコラーゲン成分(sCMF)と生体分子との吸着>
以下の化合物1〜4を準備した。
化合物1:フルオレセインアミン標識ヒアルロン酸ナトリウム(PGリサーチ,FAHA−H1)
化合物2:フルオレセインアミン標識へパラン硫酸ナトリウム(PGリサーチ,FAHS−P1)
化合物3:フルオレセインアミン標識コンドロイチン硫酸Aナトリウム(PGリサーチ,FACS−A1)
化合物4:ローダミン標識フィブロネクチン(Cytoskelton,Inc.,Rhodamine fibronectin)
化合物1〜4をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈して、化合物1〜4のいずれかを0.04mg/mlの濃度で含有する溶液を調製した。
sCMF1mgに対して、調製した溶液1mLを加えて、混合液を得た。この混合液を室温(15〜25℃)、20rpmの条件で、60分間撹拌した。攪拌終了後、混合液に対し遠心分離を行い、上清を除去した後、PBSで洗浄して、試験用サンプルを作製した。化合物1〜4のいずれかを用いて作製した試験液の観察結果を図1に示す。
位相差(Ph)観察及び蛍光観察により、フルオレセインアミン標識へパラン硫酸ナトリウム、フルオレセインアミン標識コンドロイチン硫酸Aナトリウム、及びローダミン標識フィブロネクチンそれぞれを用いて作製した試験用サンプルでは、sCMFと、化合物との結合、又は吸着が確認された。一方、フルオレセインアミン標識ヒアルロン酸ナトリウムを用いて作製した試験用サンプルでは、sCMFと、化合物との結合、又は吸着は確認されなかった。
<試験例3:生体分子の吸着率評価>
化合物1(HA)、化合物2(CS)及び化合物3(HS)それぞれを0.04mg/mlの濃度になるように、PBSで希釈して調製した溶液(それぞれ溶液1〜3という。)を準備した。
溶液1〜3をPBSにより希釈して、化合物1〜3の濃度が0.1mg/ml、0.05mg/ml、0.025mg/ml、又は0.0125mg/mlとなるように検量線作成用の溶液を準備した。検量線作成用の溶液の蛍光強度を分光蛍光光度計(日本分光, FP−8500)を用いて測定し、検量線を作成した。
1mgのsCMFを1.5mlサンプルチューブ(WATSON, 131−7155C)に入れて、溶液1〜3のいずれか一つを1ml加え、ROTATOR(TAITEC, RT−50)を用いて、室温で1時間、20rpmの速度で撹拌した。得られた混合液を遠心分離器(eppendorf, minispin)により3500rpm、5分間の条件で遠心し、上清200μLの蛍光強度を分光蛍光光度計により測定した。得られた結果を検量線に当てはめることで上清の蛍光試薬の濃度を算出した。この値をXとしたときに、(0.04−X)/0.04×100で表される式により吸着率を算出した。吸着率の測定結果を表1に示す。
<試験例4:吸着安定性評価>
1mgのsCMFを1.5mlサンプルチューブ(WATSON, 131−7155C)に入れて、化合物2を含む溶液を1ml加えた(8本作製する)。ROTATOR(TAITEC,RT−50)を用いて、室温で1時間、20rpmの速度で撹拌した。遠心分離器(eppendorf,minispin)で3500rpm、5分間遠心し、それぞれの上清の200μlの蛍光強度を分光蛍光光度計(日本分光, FP−8500)により測定した。得られた蛍光強度を検量線に当てはめて上清の蛍光試薬の濃度を算出した。これをXとする。それぞれの上清をアスピレートし、PBSを1ml加えた。5、20、40、60、120、300、1440、又は5760分後に1つずつ遠心分離器で3500rpm、5分間遠心し、それぞれの上清の200μlの蛍光強度を分光蛍光光度計により測定した。得られた蛍光強度を検量線に当てはめて上清の蛍光試薬の濃度を算出する。これをYとする。吸着安定性指標:(X−Y)/X×100の式より吸着安定性を評価した。図2は、5760分後における試験結果を示す顕微鏡写真である。
表2に示すとおり、4日間(5760分)経過後においても、化合物2はsCMFに結合及び/又は吸着されていることが示された。
<試験例5:sCMF−FNを用いた三次元組織体の評価1>
5mlの0.04%フィブロネクチン(SIGMA,F2006−5MG)in 50 mM tris−HClに5mgのsCMFを加えて、ROTATOR(TAITEC, RT−50)を用いて、室温で1時間、20rpmの速度で撹拌した。攪拌は、細胞と混ぜる直前に上記撹拌時間が終わるようにした。遠心分離器(eppendorf, minispin)で3500rpmの条件で、5分間遠心した。上清をアスピレートし、300μLの培地を加えた。これらの操作により作製したsCMFをsCMF−FNと呼ぶ。
上記のsCMF−FNに、1.0x10cellsのNHDF (Lonza, CC−2509)と5.0x10cellsのHUVEC(Lonza,C2517A)とを混合し、24ウェルインサート(costar,3470−clear)に播種した。
これを1100gで15分間遠心分離してsCMF−FNと細胞とを沈降させ、1mLの混合培地(DMEM (ナカライテスク, 08489−45)50%/EBM−2(ナカライテスク,Lonza,CC−3202)50%)中で1日間培養した。これにより得られた培養物を6ウェルプレート(IWAKI, 3810−006)に移し、12mLの混合培地中で6日間培養した。CD31(Dako, M0823)とAlexa647(invitrogen, A21235)を用いて免疫染色し、共焦点定量イメージサイトメーターCQ (YOKOGAWA)を用いて蛍光観察し、MIP画像から毛細血管の直径を画像解析ソフト(ImageJ, NIH)を用いて測定した。毛細血管の直径の測定は、自動ではなく手動で直径に合わせて線を引き、その長さを測定した。sCMF−FNに代えて、sCMFを用いて、同様の手順で実験を行った。作製した三次元組織体の観察結果を図5に示す。sCMF−FNを用いて三次元組織体を作製したことにより、sCMFを用いて作製した三次元組織体と比較して、より太い血管網が形成された三次元組織体を得ることができた。
<試験例6:sCMF−FNを用いた三次元組織体の評価2>
試験例5と同様にして、三次元組織体を作製した。三次元組織体を用いて株式会社アプライドメディカルサービスにより、CD31の免疫染色とトルイジンブルー染色の切片をそれぞれ作製した。
作製した切片像を顕微鏡を用いて撮影した。トルイジンブルー(TB)染色のものは、青色で染まった核の長径を画像解析ソフト(ImageJ, NIH)によりN=20で測定した。CD31の免疫染色のものは、全体の画像からCD31免疫染色部分(茶色)が円形に繋がっており、なおかつ、内部が空洞(白)になっているものの数を測定した。作製した三次元組織体の観察結果を図6及び図8に示す。図7に三次元組織体中の核の長さの測定結果を示す。sCMF−FNを用いて三次元組織体を作製したことにより、sCMFを用いて作製した三次元組織体と比較して、より太い管腔が形成された三次元組織体を得ることができた。これは、細胞間の接着性に寄与するフィブロネクチンを混合させたということからは予期し得ない効果であり、フィブロネクチンが解繊細胞外マトリックスに結合又は吸着したことにより奏する予想外の効果である。

Claims (14)

  1. 断片化された細胞外マトリックス成分と、前記断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、を含む、細胞外マトリックス含有組成物。
  2. 前記断片化された細胞外マトリックス成分が断片化されたコラーゲン成分を含む、請求項1に記載の細胞外マトリックス含有組成物。
  3. 前記断片化された細胞外マトリックス成分の平均長が100nm以上200μm以下である、請求項1又は2に記載の細胞外マトリックス含有組成物。
  4. 前記化合物が、へパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、及びフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞外マトリックス含有組成物。
  5. 断片化された細胞外マトリックス成分と、前記断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着可能な化合物と、を接触させる工程を備える、細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
  6. 前記断片化された細胞外マトリックス成分が、細胞外マトリックス成分を水性媒体中で断片化することにより得られるものである、請求項5に記載の細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
  7. 前記断片化された細胞外マトリックス成分が断片化されたコラーゲン成分を含む、請求項5又は6に記載の細胞外マトリックス含有組成物の製造方法。
  8. 水性媒体中において、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞外マトリックス含有組成物と、細胞とを、接触させる第1の工程、及び
    前記細胞外マトリックス含有組成物が接触した前記細胞を培養する第2の工程を備える、三次元組織体の製造方法。
  9. 前記第1の工程後、かつ、前記第2の工程前に、前記水性媒体中における、前記断片化された細胞外マトリックス成分と、前記断片化された細胞外マトリックス成分に結合又は吸着した化合物と、前記細胞と、を沈降させる工程を備える、請求項8に記載の三次元組織体の製造方法。
  10. 前記第1の工程が、水性媒体中で前記細胞の層を形成した後に行われる、請求項8又は9に記載の三次元組織体の製造方法。
  11. 前記細胞が細胞外マトリックス産生細胞を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の三次元組織体の製造方法。
  12. 前記細胞が、血管内皮細胞、がん細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、および、上皮細胞からなる群より選ばれる一種又は複数種の細胞を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の三次元組織体の製造方法。
  13. 前記断片化された細胞外マトリックス成分と前記化合物との合計含有量が、前記断片化された細胞外マトリックス成分、前記化合物及び前記細胞の合計質量を基準として、10質量%以上90質量%以下である、請求項8〜12のいずれか一項に記載の三次元組織体の製造方法。
  14. 細胞と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞外マトリックス含有組成物を含み、前記細胞の少なくとも一部が前記断片化された細胞外マトリックス成分と接触している、三次元組織体。

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