JP6795483B2 - 橋脚およびその製造方法 - Google Patents

橋脚およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6795483B2
JP6795483B2 JP2017223298A JP2017223298A JP6795483B2 JP 6795483 B2 JP6795483 B2 JP 6795483B2 JP 2017223298 A JP2017223298 A JP 2017223298A JP 2017223298 A JP2017223298 A JP 2017223298A JP 6795483 B2 JP6795483 B2 JP 6795483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
outer plate
steel material
rib
pier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017223298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019094644A (ja
Inventor
山本 伸一
伸一 山本
政弘 松下
政弘 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2017223298A priority Critical patent/JP6795483B2/ja
Publication of JP2019094644A publication Critical patent/JP2019094644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6795483B2 publication Critical patent/JP6795483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Rod-Shaped Construction Members (AREA)

Description

本発明は、橋脚およびその製造方法に関する。
従来より、橋脚などの各種構造物を作るための構造材料として鋼材が用いられている。例えば、施工に要する期間が短く地震の多い場所の高架橋などには、鉄筋コンクリート製の橋脚に代えて、鋼材を用いた鋼製橋脚が採用されている。このような鋼構造物である鋼製橋脚では、鋼材に局部座屈が生じてさらに塑性化することも想定して設計が行われる。例えば局部座屈を防止するために、中空鋼材の内側に、補剛板として平板状の板リブを溶接して取り付けることが行われている(特許文献1参照)。
特開2002−97743号公報
一方で、日本では道路橋示方書において、橋脚の断面サイズに応じたリブのサイズ、本数などの橋脚の設計方法、および使用可能な鋼材が規定されており、原則的にはその規定に従わなければならない。道路橋示方書に記載のルール通り設計して鋼材を適用すれば、一定の耐震性を確保することができる。
しかしながら、想定を上回る地震が発生した場合、例えば1回目の地震には耐えられても2回目の地震に耐えられないなど、耐震性が不十分な場合も考えられる。特許文献1の構成を含めて、耐震性をより向上させる技術の開発が求められている。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、耐震性を向上させた橋脚およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の橋脚は、箱型断面を有する外板と、前記外板の内壁面のそれぞれに前記外板の長手方向に延びるように複数設けられたリブとを備える橋脚であって、前記外板と前記リブに同一規格(道路橋示方書に準拠)の鋼材を用いるとともに、前記外板の鋼材の方が前記リブの鋼材よりもYRの値が小さいものを用いた。
また、本発明の橋脚の製造方法は、箱型断面を有する外板と、前記外板の内壁面のそれぞれに前記外板の長手方向に延びるように複数設けられたリブとを備える橋脚を用いて構造物を製造する方法であって、前記外板と前記リブに同一規格(道路橋示方書に準拠)の鋼材を用いるとともに、前記外板の鋼材の方が前記リブの鋼材よりもYRの値が小さいものを用いる。
本発明によれば、耐震性を向上させることができる。
橋脚の斜視図 橋脚の切欠き斜視図 実施例1の条件を示す図 耐震性の算出方法を示す図 実施例1の解析結果で、横軸に外板YR比、縦軸に耐震性をプロットした図 実施例2の条件を示す図 橋脚の横断面図 実施例3の条件を示す図
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態)
図1、図2は、実施形態における橋脚2を示す。図1は、橋脚2の斜視図であり、図2は、橋脚2の半分を切り欠いた切欠き斜視図である。
図1、2に示すように、実施形態の橋脚2は、一般的な鋼製橋脚と同様の形状を有するものであって、外板4と、リブ6と、ダイヤフラム8(図2)とを備える。「橋脚」とは、桁橋、吊り橋などの一般的な橋梁の脚全般を指し、脚のタイプは単柱、門型なども含む。また、斜張橋のタワーと呼ばれる上部構造も含む。
外板4は、箱型断面を有する板状の部材である。本実施形態の外板4は正方形断面を有する。
リブ6は、外板4の内壁面のそれぞれに複数設けられた補剛用の板状の部材である。本実施形態のリブ6は1つの内壁面に4枚ずつ設けられており、合計16枚設けられている。それぞれのリブ6は鉛直方向、すなわち外板4の長手方向Aに延びている。また複数のリブ6は水平方向、すなわち外板4の短手方向Bに間隔を空けて設けられている。
ダイヤフラム8は、外板4の内周に接触するように延びた補剛用の板状の部材である。本実施形態のダイヤフラム8は外板4の長手方向Aに間隔を空けて4枚設けられている。
外板4、リブ6およびダイヤフラム8はともに鋼材で構成される。特に外板4、リブ6およびダイヤフラム8は「道路橋示方書」に記載の同一規格の鋼材で構成される。道路橋示方書に記載の鋼材規格には例えば、SM400、SM490Yなどがある。
本発明者らは、図1、2に示す橋脚2に関して、特に外板4およびリブ6の耐震性に寄与する特性を見出すために解析を行った。具体的には、外板4とリブ6それぞれの降伏強度YS、引張強度TS、降伏比YR(=YS/TS×100)を規格の範囲内で変化させて、シミュレーション解析を行った。その結果に基づいて橋脚2の耐震性を評価した。以下、実施例について説明する。
まず、橋脚2の寸法に関して2つのモデルを用いた。具体的には、次の表1に示すようなモデル1とモデル2の寸法を用いた。
Figure 0006795483
Bf、Bwは、図1に示す外板4の短手方向Bの長さ、tf、twは、外板4の板厚、brは、リブ6の水平方向の長さ、trは、リブ6の板厚、Lは、外板4およびリブ6の長手方向Aの長さ、aは、ダイヤフラム8の間隔(図2)である。
またモデル1、2では、鋼材の幅厚比パラメータRRを0.3〜0.5の範囲とした。幅圧比パラメータRRは、以下の数1により算出される。
Figure 0006795483
br、trは、前述の通りである。σは鋼材の降伏応力、Eは鋼材のヤング率、μは鋼材のポアソン比(=0.3)である。nは、ダイヤフラム8によって区切られる橋脚2の区画数(パネル数)である。
(実施例1)
実施例1では、図1、2に示した橋脚2を用いて、図3に示す条件のもとで耐震性の解析を行った。実施例1では特に、橋脚2における外板4の望ましい特性を調査した。耐震性の評価における方法はプッシュオーバーや正負交番の漸増型など様々あるが,本件では一番基礎的な方法であるプッシュオーバーを用いた。具体的には,FEM解析を用いて,図1,2に示す橋脚2に対して,上端部に1方向に矯正変位P(図1)を付与した。
図3に示すように、実施例1では3つのパターンで解析を行った。パターン1では、橋脚2の鋼材規格としてSM400を用い、パターン2、3では、SM490Yを用いた。図3の各欄の内容について、左側から順に説明する。
「鋼材規格」は、道路橋示方書に記載の鋼材の規格、すなわち鋼材の種類・記号である。
「YS下限値」は、道路橋示方書に記載の鋼材規格ごとに定められたYS値の下限値である(単位:MPa)。
「TS上限値」は、道路橋示方書に記載の鋼材規格ごとに定められたTS値の上限値である(単位:MPa)。
「YS下限値/TS上限値」は、YS下限値をTS上限値で除した値である(単位:%)。
「モデル」は、前述した橋脚2の寸法に関するモデル1、2のいずれを使用したかを示す。
「適用鋼材」は、外板4とリブ6のそれぞれに関して、同じ鋼材規格の中で複数種類あるうちのどの種類の鋼材を適用したかを示す。図3に示すように、実施例1では、外板4は同じ鋼材規格の中でも複数種類の鋼材(A〜K)を適用し、リブ6は同じ鋼材規格の1種類のみの鋼材(A)を適用した。外板4とリブ6の両方に同じ種類(A)の鋼材を用いたものが比較例であり、網掛けで表示している。
「特性(外板)」はそれぞれ、外板4の実際のYS値、TS値、YR値(=YS値/TS値)である(単位:MPa、MPa、%)。
「特性(リブ)」はそれぞれ、リブ6の実際のYS値、TS値、YR値である(単位:MPa、MPa、%)。
「外板YR比」は、「特性(外板)」の「YR」の欄の値を、「YS下限値/TS上限値」の値で除したものである(単位なし)。すなわち、「外板YR比」は、鋼材規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合の外板4のYRの値である。
「耐震性」は、耐震性を示す指標の値であって(単位なし)、図4に示す方法により求められる。図4は、実施例1の解析結果より得られた橋脚2の上端部の水平変位δおよび水平荷重Pを、降伏水平変位δおよび降伏水変位荷重P(いずれも各パターンの外板4の降伏応力から算出)でそれぞれ除して無次元化し、プロットしたものである。これより、図4に示す水平荷重―水平変位曲線を得た。図4の曲線のうち実線が比較例であり、点線が実施例である。
図4に示すように、横軸と縦軸の値がともに1.0の基準点に「●」をプロットし、ピークを過ぎた後のピーク荷重の95%まで荷重が低下した点に▲をプロットした。水平荷重―水平変位曲線がピークを過ぎ、ピーク荷重の95%まで荷重が低下した点の水平変位としてδ95を求め、同曲線におけるピーク荷重の際の水平変位としてδmaxを求めた。さらに、δ95maxを求め、その値の比較例に対する比δratioを、耐震性を示す指標とした。
図3において、δ95maxで求められる耐震性の値は、比較例の値である1.0よりも大きいほど、耐震性が高いことを意味する。「耐震性評価」の欄は、耐震性の値が1.00よりも大きい場合を「○」と記載し、1.00よりも小さい場合を「△」と記載した。
図3の結果に示すように、特性(外板)のYRの値が特性(リブ)のYRの値よりも小さい場合には、耐震性の値が1.00よりも大きくなっており、高い耐震性が得られることがわかる。このように、外板4のYRの値をリブ6のYRの値よりも小さく設定することで、高い耐震性を実現することができる。
この原理について説明する。まず、橋脚2の耐震性とは、倒壊しにくさを意味しており、橋脚2としての変形能力(靭性)が大きく、かつ、局部座屈による崩壊が起こりにくいことが重要である。変形能力を向上させるには、地震という外部エネルギーを吸収するために、外板4のできるだけ広い範囲で弾塑性変形させることが重要である。外板4の局所に弾塑性変形が集中してしまうと、外板4の広い範囲に変形が及ぶ(ひずみが分布する)前に、その局所を起点に最大荷重を迎え、その後、一気に倒壊につながる。そのため、外板4にはひずみの分散しやすさが求められ、すなわち、YRの値が低い(=加工硬化が高い)鋼材が耐震性向上に優位になる。
また図3の結果に示すように、外板YR比と耐震性の間に強い相関性があることがわかった。具体的には、外板YR比の値が比較例の値である1.34よりも小さい場合には、耐震性の値が1.00よりも大きくなり、高い耐震性が得られることがわかる。
この点に関して、本発明者らはさらに鋭意検討を行った。具体的には図5を用いて説明する。
図5は、実施例1の解析結果に関して、横軸に外板YR比、縦軸に耐震性をプロットした表である。図5に示すように、外板YR比の値が小さくなるにつれて耐震性が向上する傾向にあることがわかる。本発明者らは、プロットした値に関する近似式X1を算出した。本実施例1では、一般的な直線近似法により近似式X1を算出した。横軸をx、縦軸をyとしたとき、近似式X1はy=−1.086x+2.529であった。
求められる耐震性の値はケースによって様々であり、その耐震性の値を満たすような外板4の材質を決定できるようにすることが望ましい。本実施例1では、近似式X1を算出することで、耐震性の値およびその値を達成するための外板YR比を算出することができる。すなわち、求められる耐震性y1の値に基づいて近似式X1から対応する外板YR比x1を算出することができる。算出した外板YR比x1よりも小さい外板YR比を有する外板4の材料を選択すれば、求められる耐震性の値を満足することができる。このような設計方法によれば、望ましい外板4の材料の種類を簡単に選択しながら、高い耐震性を実現することができる。
例えば、求められる耐震性の値を1.1とした場合、図5に示す近似式X1に基づけば外板YR比を1.32以下に設定すればよい。また、求められる耐震性の値を1.15とした場合、外板YR比を1.27以下に設定すればよい。さらに、求められる耐震性の値を1.22とした場合、外板YR比を1.22以下に設定すればよい。このような外板YR比の設定によれば、簡便な方法で耐震性を向上させることができる。
上述したように、本実施形態の橋脚2は、箱型断面を有する外板4と、外板4の内壁面のそれぞれに外板4の長手方向Aに延びるように複数設けられたリブ6とを備える。当該橋脚2およびその製造方法によれば、外板4とリブ6に同一規格(道路橋示方書に準拠)の鋼材を用いるとともに、外板4の鋼材の方がリブ6の鋼材よりもYRの値が小さいものを用いている。このような構成および方法によれば、橋脚2の耐震性を向上させることができる。
また本実施形態の橋脚2およびその製造方法によれば、外板4として、YRの値が、規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合に1.32以下、好ましくは1.27以下、より好ましくは1.22以下となる鋼材を用いている。このような構成および方法によれば、橋脚2の耐震性をさらに向上させることができる。
また本実施形態の橋脚2の製造方法は、鋼材規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合の外板4のYRの値と耐震性の関係を表す近似式を算出し、近似式に基づいて、外板4に用いるYRの値の上限値を設定する。このような方法によれば、外板4の材料を簡易な方法により選択しながら、高い耐震性を実現することができる。
(実施例2)
次に、実施例2では、図1、2に示した橋脚2を用いて、図6に示す条件のもとで耐震性の解析を行った。実施例2では特に、橋脚2におけるリブ6の望ましい特性を調査した。評価方法については実施例1と同様であるため、説明を省略する。
図6に示すように、実施例2では3つのパターンで解析を行った(パターン4−6)。
「適用鋼材」の欄に示すように、実施例2では、外板4は同じ鋼材規格で1種類のみの鋼材(A)を用い、リブ6は同じ鋼材規格の中でも複数種類の鋼材(A、F、H、J、M、N、O)を用いた。外板4とリブ6の両方に同じ種類(A)の鋼材を用いたものが比較例であり、網掛けで表示している。
「リブYS比」は、「特性(リブ)」の「YS」の欄の値を、「YS下限値」の欄の値で除したものである(単位なし)。すなわち、「リブYS比」は、鋼材規格におけるYS下限値を1とした場合のリブ6のYSの値である。
「耐震性」の欄は、実施例1と同様に耐震性の指標を示す欄であるが、実施例1とは算出方法が異なる。具体的には、図4に示すグラフにおいて、ピーク荷重発生点における最大荷重Pmaxに関して、比較例の値を1.00としてそれぞれのパターンの最大荷重Pmaxを耐震性として算出した(単位なし)。
図6の結果に示すように、リブYS比と耐震性の間に強い相関性があることがわかった。具体的には、リブYS比の値を比較例の値である1.26よりも大きく、すなわち1.27以上に設定することで、耐震性の値が1.00よりも大きくなり、高い耐震性が得られることがわかる。特に、リブYS比の値を1.3以上に設定することで、材料のばらつきを考慮しながら、高い耐震性をより確実に得られる。
また図6の結果に示すように、「特性(リブ)」の「YS」の欄の値が「特性(外板)」の「YS」の欄の値よりも大きい場合には、耐震性の欄の値が1.00よりも大きくなっており、高い耐震性が得られることがわかる。このように、リブ6のYSの値を外板4のYSの値よりも大きく設定することで、高い耐震性を実現することができる。
この原理について説明する。前述したように、橋脚2の耐震性としては、橋脚2としての変形能力(靭性)に加えて、局部座屈による崩壊が起こりにくいことが重要である。局部座屈を生じにくくするためには、外板4にリブ6を溶接したパネルとしての剛性が重要である。リブ6は外板4を補剛する機能であるが、塑性変形が発生するような大きな地震の際、リブ6付きの外板4(パネル)が座屈し始めると、最初に降伏が懸念されるのが図7に示すようなパネルの中立軸10から最も遠いリブ6の先端6aである。図7は橋脚2の横断面図である。リブ6がひとたび塑性変形すると、初期不整によりリブ6が横倒れを起こして一気に変形してしまい、リブ6は補剛の機能を失う。これにより、外板4の座屈が進行し、その局所を起点に橋脚2が倒壊してしまう。よって、リブ6が補剛の機能を発揮するためには、剛性を大きく保てる弾性域の大きい高YS(高YR)の鋼材を用いることが有効となる。また、リブ6の高YS化は最大荷重の向上にもつながるため、エネルギー吸収量の増加にも効果を発揮することができる。
上述したように、本実施形態の橋脚2およびその製造方法によれば、リブ6の鋼材の方が外板4の鋼材よりもYSの値が大きいものを用いている。このような構成・方法によれば、橋脚2の耐震性を向上させることができる。
また本実施形態の橋脚2およびその製造方法によれば、リブ6として、YSの値が、鋼材規格におけるYS下限値を1とした場合に1.27以上、好ましくは1.3以上となる鋼材を用いることで、橋脚2の耐震性をより確実に向上させることができる。
(実施例3)
次に、実施例3では、図1、2に示した橋脚2を用いて、図8に示す条件のもとで耐震性の解析を行った。実施例3では特に、橋脚2における外板4とリブ6の組合せについて調査した。評価方法については実施例1、2と同様であるため、説明を省略する。
図8に示すように、実施例3では3つのパターンで解析を行った(パターン7−9)。
「適用鋼材」の欄に示すように、実施例3では、外板4は同じ鋼材規格の中で複数種類の鋼材(A、B、H)を用い、リブ6も同じ鋼材規格の中で複数種類の鋼材(A、J、M)を用いた。外板4とリブ6の両方に同じ種類(A)の鋼材を用いたものが比較例であり、網掛けで表示している。これより、外板4およびリブ6の組合せと耐震性の関係を調査した。
「外板」の「1.32以下」の欄は、「YR比」の欄の値が1.32以下を満たすかどうかを判定したものである。「YR比」の欄の値が1.32以下の場合は「○」と表記した。
「リブ」の「1.27以下」の欄は、「YS比」の欄の値が1.27以上を満たすかどうかを判定したものである。「YS比」の欄の値が1.27以上の場合は「○」と表記し、1.27未満の場合は「△」と表記した。
「耐震性」の欄は、実施例1と同じ算出方法で算出した値を示す。
図8の結果に示すように、外板YR比が1.32以下、かつ、リブYS比が1.27以上の鋼材を用いることで、実施例1、2の結果よりも耐震性をより向上できることがわかる。すなわち、実施例1で検証した外板YR比の好ましい値と、実施例2で検証したリブYS比の好ましい値を組み合わせることで、耐震性の相乗的な向上効果を奏することができた。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載等に基づいて上述の実施形態に種々の変更を加えてもよい。例えば、図1、2に示す橋脚2のサイズ、リブ6およびダイヤフラム8の枚数などはあくまで例示であって、これに限定されない。
本発明は、橋脚およびその製造方法であれば適用可能である。
2 橋脚
4 外板
6 リブ
6a 先端
8 ダイヤフラム
10 中立軸

Claims (5)

  1. 箱型断面を有する外板と、前記外板の内壁面のそれぞれに前記外板の長手方向に延びるように複数設けられたリブとを備える橋脚であって、
    前記外板と前記リブに同一規格(道路橋示方書に準拠)の鋼材を用いるとともに、前記外板の鋼材の方が前記リブの鋼材よりもYRの値が小さいものを用いて、
    前記外板として、YRの値が、前記規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合に1.00以上1.32以下となる鋼材を用いた、橋脚。
  2. 前記リブの鋼材の方が前記外板の鋼材よりもYSの値が大きいものを用いて、
    前記リブとして、YSの値が、前記規格におけるYS下限値を1とした場合に1.27以上となる鋼材を用いた、請求項1に記載の橋脚。
  3. 箱型断面を有する外板と、前記外板の内壁面のそれぞれに前記外板の長手方向に延びるように複数設けられたリブとを備える橋脚を用いて構造物を製造する方法であって、
    前記外板と前記リブに同一規格(道路橋示方書に準拠)の鋼材を用いるとともに、前記外板の鋼材の方が前記リブの鋼材よりもYRの値が小さいものを用いて、
    前記外板として、YRの値が、前記規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合に1.00以上1.32以下となる鋼材を用いた、構造物の製造方法。
  4. 前記規格におけるYS下限値をTS上限値で除した値を1とした場合の前記外板のYRの値と、耐震性との関係を表す近似式を算出し、前記近似式に基づいて、前記外板に用いるYRの値の上限値を設定する、請求項に記載の構造物の製造方法。
  5. 前記リブの鋼材の方が前記外板の鋼材よりもYSの値が大きいものを用いて、
    前記リブとして、YSの値が、前記規格におけるYS下限値を1とした場合に1.27以上となる鋼材を用いた、請求項3又は4に記載の構造物の製造方法。
JP2017223298A 2017-11-21 2017-11-21 橋脚およびその製造方法 Active JP6795483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223298A JP6795483B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 橋脚およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223298A JP6795483B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 橋脚およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019094644A JP2019094644A (ja) 2019-06-20
JP6795483B2 true JP6795483B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=66971133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017223298A Active JP6795483B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 橋脚およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6795483B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6059254A (ja) * 1983-09-09 1985-04-05 東急建設株式会社 ボックス型柱
JP2595453Y2 (ja) * 1993-11-12 1999-05-31 株式会社熊谷組 極低降伏点鋼板を用いた制振壁
JP3534503B2 (ja) * 1995-10-23 2004-06-07 独立行政法人土木研究所 鋼製橋脚の補強工法
JPH10306408A (ja) * 1997-04-30 1998-11-17 Nippon Kyoryo Kensetsu Kyokai 鋼製橋脚の補強構造
JP3454670B2 (ja) * 1997-06-02 2003-10-06 Jfeスチール株式会社 耐座屈特性に優れた鋼部材
JP4272180B2 (ja) * 2005-05-27 2009-06-03 秀侃 林 鋼製構造物とその補強方法
JP6686612B2 (ja) * 2016-03-28 2020-04-22 日本製鉄株式会社 箱型断面部材及びその設計方法
KR101715143B1 (ko) * 2016-07-15 2017-03-13 한국건설기술연구원 일자형 볼트조립슬롯 및 파형펀칭강판을 사용한 무용접 방식의 콘크리트 충전 강관기둥 및 그 시공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019094644A (ja) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104674941A (zh) 可恢复功能筒体结构体系
US20120017523A1 (en) Metal joint, damping structure, and architectural construction
CN105201260B (zh) 一种设有粘弹性阻尼器的钢结构减震耗能体系及设计方法
CN104674649B (zh) 一种薄壁空心桥墩地震损伤控制体系
JP5597317B1 (ja) 橋脚の耐震補強構造
CN103397711A (zh) 多管格构式屈曲约束支撑
CN203741998U (zh) 一种自复位梁与柱的连接节点
Braconi et al. Seismic design of beam-to-column connections for steel-concrete composite moment resisting frames
KR101477464B1 (ko) 기존 건축물의 내진보강을 위한 철근 콘크리트 구조로 이루어진 슬릿 끼움벽의 내진 성능 예측방법
JP5935756B2 (ja) 沈埋トンネルの継手部の耐震補強構造
JP2010090650A (ja) 折板パネル構造および建築構造物
JP6795483B2 (ja) 橋脚およびその製造方法
Al-Dwaik et al. Analytical case study of seismic performance of retrofit strategies for reinforced concrete frames: steel bracing with shear links versus column jacketing
CN104594174B (zh) 一种基于强度与延性的钢管混凝土拱桥抗震能力评估方法
CN107829505A (zh) 一种采用x型钢板加强的连梁结构及其设计方法
CN204491826U (zh) 可恢复功能筒体结构体系
Habibi1a et al. Evaluation of Seismic performance of RC setback frames
CN102943535A (zh) 四边约束十字形纯钢屈曲约束支撑及其制作方法
Shimazaki De-bonded diagonally reinforced beam for good repairability
JP2012057385A (ja) 橋梁
JP7194075B2 (ja) 橋脚およびそれを用いた構造物の製造方法
CN205557821U (zh) 一种具有抗震能力的钢筋混凝土框架结构
CN209975348U (zh) 一种含屈曲约束支撑的减震刚构桥桥墩
Dubal et al. Application of Performance Based Seismic Design Method to Reinforced Concrete Moment Resistant Frame with Vertical Geometric Irregularity with Soft Storey
JP5498103B2 (ja) 座屈拘束ブレース

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201112

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6795483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151