JP6793372B2 - 網膜投影装置、網膜投影システム - Google Patents
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Description
放射状に直進する光を出射する光源を備え、
前記光源から出射された放射状の光を反射させながら、逆放射状に透過させる透過型ミラーを備え、
前記透過型ミラーは、前記透過型ミラーの平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第1象限から入射する放射状の光を、前記透過型ミラーの平面を基準として前記第1象限と反対側に位置し、且つ、前記透過型ミラーの法線を基準として前記第1象限と同じ側に位置する第2象限に向かって逆放射状に透過させる、
網膜投影装置である。
本実施形態の網膜投影装置の概要について説明する。図1は、本実施形態の網膜投影装置の外観を示す図である。図2は、図1の網膜投影装置のユーザビューを示す図である。
図1に示すように、網膜投影装置10は、フレーム10aと、透過型ミラー11と、接眼ミラー12と、光源13と、光透過プレート14と、を備える。
光透過プレート14は、光透過性を有する材料(例えば、プラスチック又はガラス)である。一対の光透過プレート14内には、それぞれ、接眼ミラー12が埋め込まれている。
また、光透過プレート14は、観察者Uの周囲に実在する物理オブジェクトOBJに反射した光を透過するので、観察者Uには、画像IMGと、物理オブジェクトOBJの像と、が重畳して見える。
本実施形態の網膜投影装置の構成について説明する。図3は、図1の網膜投影装置の構成を示す図である。
第1面11aは、光源13側の空間(つまり、第2空間SP2)を向いている。
第2面11bは、第1面11aの反対側の空間(つまり、第1空間SP1)を向いている。
透過型ミラー11は、透過型ミラー11に入射する放射状の入射光OP0を反射させながら、逆放射状に透過させることにより、光の波面を歪ませることなく、透過光OP1を生成するように構成される。透過光OP1は、透過型ミラー11を起点として逆放射状に直進し、透過型ミラー11を対称軸として光源13に対して対象となる位置の焦点FPで集束する。
・オプティカルメタマテリアルミラー
・透過型二面コーナーリフレクタアレイミラー(Transmission Type Dihedral Corner Reflector Array Mirror)
図3Aに示すように、接眼ミラー12は、透過型ミラー11の透過光を観察者Uに向かって反射させることにより、光源13から出射された光OP0に対応する像を、観察者Uの網膜に投影するように構成される。
換言すると、図3Bに示すように、接眼ミラー12は、透過型ミラー11の透過光を反射させることにより、光源13と等価な仮想光源を空間上の焦点FPに転写するように構成される。
本実施形態の光源の構成を説明する。図4は、図3の光源の一例を示す模式図である。
図4Aに示すように、光源13の第1例は、放射状に直進する光を出射するレーザプロジェクタ131である。
レーザプロジェクタ131は、可視光レーザOP0を出射するように構成される。レーザプロジェクタ131は、例えば、任意の色(例えば、赤色、緑色、及び、青色の少なくとも1色)の可視光レーザOP0を出射する半導体レーザを備える。
レーザプロジェクタ131から出射された可視光レーザOP0は、レーザプロジェクタ131を起点として、放射状に直進する。
図4Bに示すように、光源13の第2例は、ディスプレイ132aと、ピンホール132bと、を備える。
・液晶ディスプレイ
・有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
ピンホール132bで集束した光OP0は、ピンホール132bを起点として、放射状に直進する。
図4Cに示すように、光源13の第3例は、逆放射状に直進する光を出射するレーザプロジェクタ133である。
レーザプロジェクタ133は、可視光レーザOP0を出射するように構成される。レーザプロジェクタ131は、例えば、任意の色(例えば、赤色、緑色、及び、青色の少なくとも1色)の可視光レーザOP0を出射する半導体レーザを備える。
レーザプロジェクタ133から出射された可視光レーザOP0は、レーザプロジェクタ133を起点として、逆放射状に直進する。
レーザプロジェクタ133は、SLM型であっても良いし、レーザスキャン型であっても良い。レーザプロジェクタ133がSLM型である場合、レーザスキャン型よりもレーザプロジェクタ133を小型化することができる。
本実施形態の透過型ミラーの構成を説明する。図5は、図3の透過型ミラーの一例である透過型二面コーナーリフレクタアレイミラーの模式図である。
図5Aに示すように、透過型ミラー11は、第1面11aを含む第1層11eと、第2面11bを含む第2層11fと、を有する。第1層11e及び第2層11fは、Y方向に積層されている。第1面11aは、第1層11e及び第2層11fの積層方向(Y方向)について、第2面11bと反対方向を向く。
図5Bに示すように、透過型ミラー11は、複数の第1マイクロミラーシート11haと、複数の第2マイクロミラーシート11hbと、を有する。
第1層11eに入射した光は、X方向に反射しながら進む。
第2層11fに入射した光は、Z方向に反射しながら進む。
本実施形態の接眼ミラー12の構成を説明する。
接眼ミラー12の構成の第1例を説明する。図6は、図3の接眼ミラーの構成の第1例を示す図である。
各光透過性反射部材121a〜121c同士の間隔eは、均等である。つまり、複数の光透過性反射部材121a〜121cは、互いに略平行に配置される。
上下方向(UP−LO方向)について、光透過性反射部材121aと前面12aとの交点121aaの位置と、光透過性反射部材121aに隣接する光透過性反射部材121bと背面12bとの交点121baの位置とは、互いに揃っている。
・ハーフミラー
・光学フィルタ(一例として、ガラスフィルタ)
・アクリル板
接眼ミラー12の構成の第2例を説明する。図7は、図3の接眼ミラーの構成の第2例を示す図である。
各光透過性反射部材121a〜121c同士の間隔eは、均等である。つまり、複数の光透過性反射部材121a〜121cは、互いに平行に配置される。
左右方向(HL−HR方向)について、光透過性反射部材121aと前面12aとの交点121aaの位置と、光透過性反射部材121aに隣接する光透過性反射部材121bと背面12bとの交点121baの位置とは、互いに揃っている。
図7Bに示すように、複数の光透過性反射部材121a〜121cは、観察者U(つまり、前後方向(FR−RR方向))から見ると、1枚の光透過性反射部材と等価である。
これにより、接眼ミラー12は、背面12bから入射した光を、前後方向(FR−RR)及び配列方向Dsに反射するように構成される。
本実施形態の網膜投影装置の動作原理を説明する。
本実施形態の透過型ミラーの動作原理を説明する。図8は、図3の透過型ミラーの動作原理の説明図である。
また、XZ平面と、透過型ミラー11の法線に沿ったY軸と、によって、第1空間SP1及び第2空間SP2は、4つの象限(第1象限Q1〜第4象限Q4)に分割される。
第1象限Q1は、入射光OP0が進行する空間(つまり、光源13が配置される空間)である。第1象限Q1は、Y軸(つまり、透過型ミラー11の光軸)を含む。
第4象限Q4は、Y軸に対して第1象限Q1と反対側の空間である。
第2象限Q2は、透過光OP1が進行する空間(つまり、観察者Uの眼球UEを含む空間)である。第2象限Q2は、Y軸(つまり、透過型ミラー11の光軸)を含む。
第3象限Q3は、Y軸に対して第2象限Q2と反対側の空間である。
第1観点では、透過型ミラー11が入射光OP0の進行方向を変えるように構成されるという観点で、透過型ミラー11の動作原理を説明する。図9は、図3の透過型ミラーの動作原理の第1観点の説明図である。
第2観点では、透過型ミラー11が光源13を転写するように構成されるという観点で、透過型ミラー11の動作原理を説明する。図10は、図3の透過型ミラーの動作原理の第2観点の説明図である。
第3観点では、透過型ミラー11の光学特性の観点で、透過型ミラー11の動作原理を説明する。図11は、図3の透過型ミラーの動作原理の第3観点の説明図である。
なお、透過型ミラー11が透過型二面コーナーリフレクタアレイミラーである場合、α0=α1である。
n1・sinα0 = n2・sinα1 …(式1)
・n1・・・第1空間SP1の見かけ上の屈折率
・n2・・・第2空間SP2の物性としての屈折率
・α0・・・光OP0の入射角
・α1・・・光OP1の出射角
一方、透過型ミラー11によって生成された透過光OP1が第1空間SP1を進行する場合、透過光OP1には、見かけ上の屈折率n1が作用する。透過光OP1は、第1象限Q1から透過型ミラー11に入射した入射光OP0が第2象限Q2に向かって屈折した光としてみなすことができるので、見かけ上の屈折率n1は、負の値である。
これにより、観察者の視野角を拡大することができる。その結果、観察者Uが画像IMGを鮮明に観察可能な領域が拡がる。
本実施形態の接眼ミラーの動作原理について説明する。図12は、図3の接眼ミラーの動作原理の説明図である。
透過型ミラー11に入射した光OP0は、透過型ミラー11の光学特性に応じて進行方向が変えられながら、透過型ミラー11を透過する透過光OP1になる。
透過光OP1は、放射状に直進し、互いに集束する前に接眼ミラー12に入射する。
接眼ミラー12に入射した光OP1は、接眼ミラー12によって反射されることにより、進行方向が変わる。
接眼ミラー12によって進行方向が変わった光OP2は、焦点FPで集束するように放射状に直進する。
焦点FPと観察者Uの瞳孔の位置とが合う場合、光OP2は、観察者Uの網膜上で結像する。これにより、光源13から出射された光OP0の像が網膜に投影される。
その結果、観察者Uには、光OP0の像、及び、物理オブジェクトOBJの像が重畳して見える。
本実施形態の接眼ミラー12の光学原理について説明する。図13は、図6及び図7の接眼ミラー12の光学原理の説明図である。
これにより、観察者Uには、光源13から出射された光OP0の像が複数の光透過性反射部材121a〜121cに映っているように見える。
観察者Uの眼前に配置される接眼ミラー12が光透過性反射部材を備えるので、物理オブジェクトの像をより鮮明に観察させることができる。
本実施形態の網膜投影装置の使用例について説明する。
使用例1について説明する。使用例1は、観察者Uが網膜投影装置10を装着して使用する例である。
・ビデオゲーム
・映画
・3Dコンテンツ
・コンピュータ30にインストールされたアプリケーションの画面
しかし、網膜投影装置10は、観察者Uの視界を閉鎖しない。従って、観察者Uに違和感を与えることがなく、且つ、視野角を制限することもない。
使用例2について説明する。使用例2は、観察者Uが網膜投影装置10から離れた位置で網膜投影装置10を使用する例である。
・計器情報(一例として、速度、燃料の残量、バッテリの残量、及び、走行距離)
・ナビゲーション情報(一例として、目的地迄の経路を示す情報)
・映画
しかし、網膜投影装置10は、観察者Uの視界を閉鎖しない。従って、観察者Uは、運転中であっても、網膜投影装置10を安全に使用することができる。
しかし、網膜投影装置10は、観察者Uの視界を閉鎖しない。従って、観察者Uに違和感を与えることがなく、且つ、視野角を制限することもない。
特に、一般的なヘッドマウントディスプレイは、網膜投影装置10に比べて重いので、長時間の使用には適していない。網膜投影装置10は、長時間の使用であっても、観察者Uに与える疲労を軽減することができる。
本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態の変形例1について説明する。変形例1は、焦点距離fが可変である例である。図14は、変形例1の説明図である。
光源13又は透過型ミラー11の少なくとも1つが移動すると、焦点距離fが変化する。その結果、焦点FPも移動する。
変形例2について説明する。変形例2は、接眼ミラー12に、誘電体多層膜を形成する例である。
誘電体多層膜は、光源13から放射される光OP0の波長を特異的に反射する特性を有する。
変形例3について説明する。変形例3は、カメラ16によって撮像された画像を網膜に投影する例である。図15は、変形例3の網膜投影装置の構成を示す図である。
プロセッサ15は、フレーム10a内に配置される。
カメラ16は、一対の光透過プレート14の間のフレーム10a上に配置される。
換言すると、変形例3の網膜投影装置10は、レンズを備えていないにもかかわらず、レンズを備える眼鏡を代替することができる。つまり、変形例3の網膜投影装置10は、レンズレス眼鏡として機能する。
変形例4について説明する。変形例4は、網膜投影装置10を装着した観察者Uの頭の動きを追跡する例である。図16は、変形例4の網膜投影システムの構成を示す図である。
光センサ31は、特定波長の光を検出するように構成される。
コンピュータ30は、計算した入射角の変化から、網膜投影装置10を装着した観察者Uの頭の動きを特定する。
コンピュータ30は、特定した頭の動きに基づいて、光源13から出射される光OP0に対応する画像を生成する。
マーカは、例えば、以下の少なくとも1つである。
・発光体(一例として、LED(Light Emitting Diode))
・光反射体
この場合、頭の動きの追随の精度を向上させることができる。
変形例5について説明する。変形例5は、n(nは、1〜N(Nは2以上の整数))枚の透過型ミラー11を備える網膜投影装置10の例である。図17は、変形例5の網膜投影装置の動作原理の説明図である。
1段目の透過型ミラー11(1)は、第1面11(1)aで受けた光OP0を、反射しながら透過することにより、第2面11(1)bから出射させる。
1段目の透過型ミラー11(1)の透過光OP1(1)は、第1焦点FP1で集束する。第1焦点FP1で集束した光は、第1焦点FP1を起点として、2段目の透過型ミラー11(2)に向かって放射状に直進する。
2段目の透過型ミラー11(2)は、第1焦点FP1を起点として放射状に直進する光OP1(2)を第1面11(2)aで受ける。
2段目の透過型ミラー11(2)は、第1面11(2)aで受けた光OP1(2)を反射しながら透過することにより、第2面11(2)bから出射させる。
N段目の透過型ミラー11(N)は、第N−1焦点FP(N−1)から放射状に直進する光OP1(N−1)を第1面11(N)aで受ける。
N段目の透過型ミラー11(N)は、第1面11(N)aで受けた光OP1(N)を反射しながら透過することにより、第2面11(N)bから出射させる。
接眼ミラー12は、N段目の透過型ミラー11(N)の透過光OP1(N)を反射させることにより、観察者Uの眼球UEに向けて反射光OP2を出射する。
接眼ミラー12の反射光OP2は、図13に示すように、角膜Cを通って、水晶体Lの中心で集光した後、網膜RETに結像する。
これにより、観察者Uは、反射光OP2に対応する画像を見ることができる。
変形例6について説明する。変形例6は、接眼ミラー12の構造の変形例である。図18は、変形例6の接眼ミラーの構成を示す図である。
変形例7について説明する。図19は、変形例7の網膜投影装置の構成を示す図である。
透過光OP1aは、第1反射角に応じた焦点FP1に位置する左目ULEに入射する。これにより、左目ULEには、左目用の元画像が写る。
透過光OP1bは、第2反射角に応じた焦点FP2に位置する右目UREに入射する。これにより、右目UREには、右目用の元画像が写る。
変形例8について説明する。図20は、変形例8の網膜投影装置の構成を示す図である。
第1面11aは、光源13側(つまり、第2空間SP2)を向いている。
第2面11bは、第1面11aの反対側(つまり、第1空間SP1)を向いている。
仮想線VL12は、透過型ミラー11と仮想線VL11との交点11cを通り、且つ、仮想線VL11に直交する線である。
焦点FPは、透過型ミラー11を対称軸として光源13に対して対称となる位置である。焦点FPと交点11cとの間の距離(以下「焦点距離」という)fは、光源13と交点11cとの間の距離と等しい。
変形例9について説明する。図21は、変形例9の接眼ミラーの第1例の動作原理の説明図である。
透過型ミラー11に入射した光OP0は、透過型ミラー11の光学特性に応じて進行方向が変えられながら、透過型ミラー11を透過する透過光OP1(1)になる。
透過光OP1(1)は、焦点FP1で集束するように放射状に直進し、面対称結像素子121の第1面121aに入射する。
面対称結像素子121に入射した光OP1(2)は、面対称結像素子121の光学特性に応じて進行方向が変えられながら、面対称結像素子121を透過する透過光OP2になる。
面対称結像素子121の透過光OP2は、焦点FP2で集束するように放射状に直進する。
焦点FPと観察者Uの瞳孔の位置とが合う場合、光OP2は、観察者Uの網膜上で結像する。これにより、光源13から出射された光OP0の像が網膜に投影される。
その結果、観察者Uには、光OP0の像、及び、物理オブジェクトOBJの像が重畳して見える。
レイアウトの自由度の向上は、VR(Virtual Reality)環境に用いられるようなノンシースルー型のディスプレイの場合、比較的重い光学素子(例えば、光源13)を観察者Uの負担を軽減する位置に配置し易くなるので、特に好ましい。
変形例10について説明する。図22は、変形例10の接眼ミラーの動作原理の説明図である。
f1 = f2 + f3 …(式2)
・f1:光源13の光軸と透過型ミラー11の光軸との間の距離
・f2:透過型ミラー11の光軸とハーフミラー122の光軸との間の距離
・f3:ハーフミラー122の光軸と眼球UEとの間の距離
透過型ミラー11に入射した光OP0は、透過型ミラー11の光学特性に応じて進行方向が変えられながら、透過型ミラー11を透過する透過光OP1になる。
透過光OP1は、放射状に直進し、互いに集束する前にハーフミラー122の第1面122aに入射する。
ハーフミラー122に入射した光OP1は、ハーフミラーによって反射されることにより、進行方向が変わる。
ハーフミラー122によって進行方向が変わった光OP2は、焦点FPで集束するように放射状に直進する。
焦点FPと観察者Uの瞳孔の位置とが合う場合、光OP2は、観察者Uの網膜上で結像する。これにより、光源13から出射された光OP0の像が網膜に投影される。
その結果、観察者Uには、光OP0の像、及び、物理オブジェクトOBJの像が重畳して見える。
変形例11について説明する。図23は、変形例11の網膜投影装置の構成図である。
図23Aに示すように、導光板17は、透過型ミラー11の透過光OP1が集束する前(つまり、網膜投影装置10の光学系において、透過光OP1の焦点の前段)に配置される。
透過型ミラー11に入射した光OP0は、透過型ミラー11の光学特性に応じて進行方向が変えられながら、透過型ミラー11を透過する透過光OP1(1)になる。
図23Bに示すように、透過光OP1(1)は、焦点FP1で集束するように放射状に直進し、導光板17に入射する。
導光板17に入射した光は、導光板17内の反射面で反射を繰り返した後、導光板17の出射光OP2になる。
出射光OP2は、焦点FPで集束するように逆放射状に直進する。
焦点FPと観察者Uの瞳孔の位置とが合う場合、出射光OP2は、観察者Uの網膜上で結像する。これにより、光源13から出射された光OP0の像が網膜に投影される。
その結果、観察者Uには、光OP0の像、及び、物理オブジェクトOBJの像が重畳して見える。
・HOE(Holographic Optical Element)
・導光板及びHOEの組合せ
レイアウトの自由度の向上は、VR環境に用いられるようなノンシースルー型のディスプレイの場合、比較的重い光学素子(例えば、光源13)を観察者Uの負担を軽減する位置に配置し易くなるので、特に好ましい。
本実施形態について小括する。
放射状に直進する光を出射する光源13を備え、
光源13から出射された放射状の光を反射させながら、逆放射状に透過させる透過型ミラー11を備え、
透過型ミラー11は、透過型ミラー11の平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第1象限から入射する放射状の光を、透過型ミラー11の平面を基準として第1象限と反対側に位置し、且つ、透過型ミラー11の法線を基準として第1象限と同じ側に位置する第2象限に向かって逆放射状に透過させる、
網膜投影装置10である。
また、光の特性を変化させる光学素子を含まないので、光学系の設計を容易にすることができる。
また、ディスプレイの光源を眼球UEの内部に形成することができる。
また、網膜投影装置10は、光の波面を歪ませる光学素子(例えば、レンズ、導光板、又は、凹面鏡)を含まないので、焦点の位置が当該光学素子の光学特性(例えば、レンズの屈折率)に依存しない。これにより、光源13から出射された光OP0に対応する画像を無限遠に投影することができ、結果として被射界深度が深くなる。
また、光源13の像が網膜に極めて近い位置に形成される。この現象は、観察者Uの網膜には、網膜に極めて近い位置に形成された仮想光源VOSから出射された光の像が投影されたことと等価である。これにより、観察者Uの視野角を向上させることができる。
透過型ミラー11は、透過型ミラー11を対称軸として光源13に対して対称となる位置に透過型ミラー11の透過光を結像させる、
網膜投影装置10である。
透過型ミラー11は、透過型ミラー11を対称軸として光源13に対して対称となる位置に光源13の実像である仮想光源を結像させる、
網膜投影装置10である。
透過型ミラー11の透過光を観察者に向かって反射させる接眼ミラー12を備え、
接眼ミラー12は、複数の光透過性反射部材を備える、
網膜投影装置10である。
接眼ミラー12は、透過型ミラー11によって透過された光が逆放射状に直進する位置に配置され、且つ、逆放射状の光を観察者に向かって反射する、
網膜投影装置10である。
複数の光透過性反射部材は、互いに平行に配列されている、
網膜投影装置10である。
接眼ミラー12は、複数の光透過性反射部材の配列方向について斜めの方向から、接眼ミラー12に透過光を入射させる、
網膜投影装置10である。
接眼ミラー12は、透過光が入射する入射面と反対側の位置する反射面に、光透過性反射膜を備える、
網膜投影装置10である。
透過型ミラー11は、複数の透過型ミラー11を備え、
光源13は、複数の透過型ミラー11のうち光源13に最も近い位置に配置された光源側透過型ミラー11の平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第1象限に配置され、
接眼ミラー12は、複数の透過型ミラー11のうち観察者に最も近い位置に配置された観察者側透過型ミラー11の平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第2象限に配置される、
網膜投影装置10である。
光透過性反射部材は、光源13から出射された波長の光を反射する特性を有する誘電体多層膜を備える、
網膜投影装置10である。
一対の光源13、透過型ミラー11、及び、接眼ミラー12の組合せを備え、
一対の光源13は、それぞれ、視差画像に対応する光を出射する、
網膜投影装置10である。
光源13は、光源13の光軸に沿って移動可能である、
網膜投影装置10である。
MEMSミラー18を備え、
光源13は、左目用の元画像に対応する光と、右目用の元画像に対応する光と、を放射し、
MEMSミラー18は、左目用の元画像に対応する光を第1反射角で反射し、且つ、左目用の元画像に対応する光を第2反射角で反射する、
網膜投影装置10である。
透過型ミラー11を回動可能に軸支するフレーム10aを備える、
透過型ミラー11は、フレーム10aに対して回動することによって、光源の光軸に対する傾斜角を変化させる、
網膜投影装置10である。
透過型ミラー11の透過光を観察者に向かって反射させることにより、光源13から出射された光に対応する像を観察者の網膜に投影する導光板及びHOEの少なくとも1つを備える、
網膜投影装置10である。
画像を撮像するカメラ16を備え、
光源13は、カメラ16によって撮像された画像に対応する光を出射する、
網膜投影装置10である。
上記の網膜投影装置10と、網膜投影装置10と接続可能なコンピュータと、を備える網膜投影システムであって、
コンピュータは、
網膜投影装置10から漏れた光を検出する光センサを備え、
光センサによって検出された光に応じて、網膜投影装置10を装着した観察者の頭の動きを特定する手段を備える、
網膜投影システムである。
網膜投影装置10は、マーカを備え、
コンピュータは、
マーカの画像を撮像するカメラ16を備え、
カメラ16によって撮像された画像に基づいて、網膜投影装置10を装着した観察者の頭の動きを特定する手段を備える、
網膜投影システムである。
その他の変形例について説明する。
この場合、網膜に入射する光の光量が低減するので、過度に高い光量の光が網膜に入射することによる物理オブジェクトOBJの像の視認性の低下を防ぐことができる。
傾斜角θ1が小さくなるほど、接眼ミラー12及び光透過プレート14の前後方向(FR−RR方向)のサイズを縮小することができる。
傾斜角θ1が小さくなるほど、各光透過性反射部材121a〜121cの配列方向Dsのサイズが大きくなるので、配列方向Dsについて、単位面積あたりの光透過性反射部材121の数を低減することができる。
傾斜角θ1が小さくなるほど、各光透過性反射部材121a〜121cの反射光のベクトルの前後方向(FR−RR方向)の成分が大きくなるので、接眼ミラー12内での反射回数の少ない光が多くなる。その結果、眼球UEに入射する光の総光量が大きくなる。これにより、網膜RETに結像される像がより鮮明になる。
10a :フレーム
11 :透過型ミラー
12 :接眼ミラー
13 :光源
14 :光透過プレート
15 :プロセッサ
16 :カメラ
30 :コンピュータ
31 :光センサ
121,121a〜121c:光透過性反射部材
121d :光透過性樹脂部
131 :レーザプロジェクタ
132a :ディスプレイ
132b :ピンホール
133 :レーザプロジェクタ
Claims (16)
- 放射状に直進する光を出射する光源を備え、
前記光源から出射された放射状の光を反射させながら、逆放射状に透過させる透過型ミラーを備え、
前記透過型ミラーは、前記光源に対して面対称の関係にある焦点に向かって逆放射状に集束する光を透過させ、
前記透過型ミラーの透過光が集束する前に前記透過光を反射させることにより、前記透過光の反射光を観察者の瞳孔の位置で集束させるハーフミラーを備える、網膜投影装置。 - 前記ハーフミラーは、前記光源の光軸に沿って進行する光が前記光源から出射されてから前記透過型ミラーに到達する迄に進行する距離よりも、前記光軸に沿って進行する光が前記透過型ミラーを透過してから前記ハーフミラーに到達する迄に進行する距離が短くなる位置に配置される、請求項1に記載の網膜投影装置。
- 前記ハーフミラーは、前記透過型ミラーによって透過された光が逆放射状に直進する位置に配置される、請求項1又は請求項2に記載の網膜投影装置。
- 前記ハーフミラーは、複数の光透過性反射部材を備える、請求項1〜請求項3の何れかに記載の網膜投影装置。
- 前記複数の光透過性反射部材は、互いに平行に配列されている、請求項4に記載の網膜投影装置。
- 前記ハーフミラーは、前記複数の光透過性反射部材の配列方向について斜めの方向から、前記ハーフミラーに前記透過光を入射させる、請求項4又は請求項5に記載の網膜投影装置。
- 前記ハーフミラーは、前記透過光が入射する入射面と反対側の位置する反射面に、光透過性反射膜を備える、請求項1〜請求項6の何れかに記載の網膜投影装置。
- 前記透過型ミラーは、複数の透過型ミラーを備え、
前記光源は、前記複数の透過型ミラーのうち前記光源に最も近い位置に配置された光源側透過型ミラーの平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第1象限に配置され、
前記第1象限は、前記光源側透過型ミラーに入射する入射光が進行する象限であり、
前記ハーフミラーは、複数の透過型ミラーのうち観察者に最も近い位置に配置された観察者側透過型ミラーの平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第2象限に配置され、
前記第2象限は、前記観察者側透過型ミラーの透過光が進行する象限である、請求項1〜請求項7の何れかに記載の網膜投影装置。 - 前記ハーフミラーは、前記光源から出射された波長の光を反射する特性を有する誘電体多層膜を備える、請求項1〜請求項8の何れかに記載の網膜投影装置。
- 一対の前記光源、前記透過型ミラー、及び、前記ハーフミラーの組合せを備え、
一対の前記光源は、それぞれ、視差画像に対応する光を出射する、請求項1〜請求項9の何れかに記載の網膜投影装置。 - 放射状に直進する光を出射する光源を備え、
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを備え、
入射光を反射させながら、逆放射状に透過させる透過型ミラーを備え、
前記光源は、左目用の元画像に対応する光と、右目用の元画像に対応する光と、を放射し、
前記MEMSミラーは、
前記透過型ミラーの前段又は後段に配置され、
前記左目用の元画像に対応する光を第1反射角で反射し、且つ、前記右目用の元画像に対応する光を第2反射角で反射する、網膜投影装置。 - 放射状に直進する光を出射する光源を備え、
前記光源から出射された放射状の光を反射させながら、逆放射状に透過させる透過型ミラーを備え、
前記透過型ミラーは、前記光源に対して面対称の関係にある焦点に向かって逆放射状に集束する光を透過させ、
前記透過型ミラーの透過光が集束する前に前記透過光を反射させることにより、前記透過光の反射光を観察者の瞳孔の位置で集束させる導光板及びHOE(Holographic Optical Element)の少なくとも1つを備える、網膜投影装置。 - 前記透過型ミラーは、前記透過型ミラーの平面及び法線によって分割される空間上の象限のうち第1象限から入射する放射状の光を、前記透過型ミラーの平面を基準として前記第1象限と反対側に位置し、且つ、前記透過型ミラーの法線を基準として前記第1象限と同じ側に位置する第2象限に向かって逆放射状に透過させる、請求項1〜12の何れかに記載の網膜投影装置。
- 前記透過型ミラーは、回動することによって、前記光源の光軸に対する傾斜角を変化させる、請求項1〜請求項13の何れかに記載の網膜投影装置。
- 請求項1〜請求項14の何れかに記載の網膜投影装置と、前記網膜投影装置と接続可能なコンピュータと、を備える網膜投影システムであって、
前記コンピュータは、
前記網膜投影装置から漏れた光を検出する光センサを備え、
前記光センサによって検出された光に応じて、前記網膜投影装置を装着した観察者の頭の動きを特定する手段を備え、
前記特定された頭の動きに基づいて、前記光源から出射される光に対応する画像を生成する手段を備える、網膜投影システム。 - 前記網膜投影装置は、マーカを備え、
前記コンピュータは、
前記マーカの画像を撮像するカメラを備え、
前記カメラによって撮像された画像に基づいて、前記網膜投影装置を装着した観察者の頭の動きを特定する手段を備える、請求項15に記載の網膜投影システム。
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