JP6792893B1 - プリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲な装飾用途に良好な装飾性を発揮させることができるプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法を提供することを課題とする。【解決手段】基材41による基地41aとペーパーナプキン42による下地42aとを構成する基地下地形成工程(A)と、下地42aの上にプリザーブド植物43を貼り付けるプリザーブド植物貼付工程(B)とを有し、前記工程(A)においては、基材41としてペーパーナプキン42と接着する水溶性接着剤を用い、下敷き45として水溶性接着剤とは接着しない樹脂製の下敷き45を用い、下敷き45の上に水溶性接着剤を介在させてペーパーナプキン42を貼り合わせることで、水溶性接着剤を基材41とする基地41aとペーパーナプキン42による下地42aを形成し、前記工程(B)の後に、下敷き45から乾燥固化した水溶性接着剤の層以上を剥がす剥離工程(BC)を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、プリザーブド処理された花や葉等のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法に関する。
近年、植物の生花や生葉等をグリセリン等により、いわゆるプリザーブド処理してなるプリザーブド植物(一般にプリザーブドフラワーと称される)を用いた種々の装飾物が作製され、提供されている。また、それら装飾物の作製方法が提供されている。
特開2012−197549号公報 特開2017−30314号公報
上記特許文献1には、プリザーブドフラワーの花弁1から型抜きをした片を用いて異なる花に成形し、この成形したプリザーブドフラワーを上下から合成樹脂シート5、6でラミネートして、プリザーブドフラワーシート8を製造する技術が開示されている。シート状のプリザーブドフラワーとすることで、プリザーブドフラワーを用いた装飾の用途において、非常に扱い易くなる効果がある。
その一方、得られるシートが小さな花弁からなるシートであり、またシートが立体感のない花弁シートであるので、立体感があり且つ大きな面積のプリザーブドフラワーの装飾品を得るには時間と手間がかなり必要になるという問題がある。
また上記特許文献2には、プリザーブドフラワー23を金属線材等からなる輪郭体22の内側に配するようにしてなる装飾画材20が開示されている。
しかしながら、この装飾画材20では、構成要素とし輪郭体22を必ず用意しなければならない問題がある。また装飾画材が輪郭体22の範囲でしか存在できないので、広がりに欠けるという問題がある。
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、プリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法として、より広範囲な装飾用途に使い勝手よく使用でき、良好な装飾性を発揮することができる方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法は、基材とペーパーナプキンとを用いて、基材による装飾体の基地とその基地の表面にペーパーナプキンによる装飾体の下地とを構成する基地下地形成工程と、下地の上にプリザーブド植物を貼り付けるプリザーブド植物貼付工程とを、少なくとも有するプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法であって、
前記基地下地形成工程においては、基材としてペーパーナプキンと接着する水溶性接着剤を用い、下敷きとして前記水溶性接着剤とは接着しない樹脂製の下敷きを用い、該樹脂製の下敷きの上に前記水溶性接着剤を介在させてペーパーナプキンを貼り合わせることで、前記水溶性接着剤を基材とする基地と、その上に貼り合わされた状態のペーパーナプキンによる下地を形成し、
プリザーブド植物貼付工程の後に、前記樹脂製の下敷きから乾燥固化した水溶性接着剤の層を含めた上層全体を剥がす剥離工程を有することを第1の特徴としている。
また本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法は、上記第1の特徴に加えて、基地下地形成工程においては、ペーパーナプキンとして予めデザインが施されたペーパーナプキンを用い、プリザーブド植物貼付工程においては、前記ペーパーナプキンのデザインを下地デザインとして、その上にプリザーブド植物を貼り付けて、組み合わせデザインを構成することを第2の特徴としている。
また本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法は、上記第1又は第2の特徴に加えて、基地下地形成工程の終了後、プリザーブド植物貼付工程の前に、ペーパーナプキンによる下地の上に肉盛材を積層して凹凸形状を構成する肉盛工程を有することを第3の特徴としている
請求項1に記載のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法によれば、作製方法は基地下地形成工程とプリザーブド植物貼付工程とからなる。基地下地形成工程では、基材とペーパーナプキンとを用いて、基材による装飾体の基地とその基地の表面にペーパーナプキンによる装飾体の下地とを構成する。そしてプリザーブド植物貼付工程では、前記装飾体の下地の上にプリザーブド植物を貼り付ける。
基材による基地の表面にペーパーナプキンによる下地を構成することで、基材の材質等の種類によらず、ペーパーナプキンを下地としてプリザーブド植物を容易、確実に貼り付けることができる。ペーパーナプキンとプリザーブド植物は植物由来であるので、接着し易い。またペーパーナプキンは表面に細かい皺の入った薄い紙であるため、基材の材質やその他の性状にかかわらず貼り合わせ易く、よって様々な基材と装飾片の基地として用いることができる。
加えて、基地下地形成工程においては、基材としてペーパーナプキンと接着する水溶性接着剤を用い、下敷きとして前記水溶性接着剤とは接着しない樹脂製の下敷きを用い、該樹脂製の下敷きの上に前記水溶性接着剤を介在させてペーパーナプキンを貼り合わせることで、前記水溶性接着剤を基材とする基地と、その上に貼り合わされた状態のペーパーナプキンによる下地が形成される。よって基材としては、樹脂板のような固形板を予め用意する必要がなく、水溶性接着剤さえあれば足りる。
また下敷きとして前記水溶性接着剤と接着しない樹脂製の下敷きを用意することで、その樹脂製の下敷きの上に水溶性接着剤を介してペーパーナプキンを貼り付けることで、固化した水溶性接着剤がペーパーナプキンと樹脂製の下敷きとの間で一定の層からなる基材を構成することになり、よって補強効果を発揮することができる。そしてプリザーブド植物の貼り付けは、樹脂製の下敷きの上に水溶性接着剤を介して補強されたたペーパーナプキンを下地として行われるので、プリザーブド植物の貼り付けを補強されたペーパーナプキンの上に安定して行うことができる。
またプリザーブド植物貼付工程の後に行われる剥離工程では、樹脂製の下敷きからその上にある乾燥固化した水溶性接着剤の層を含めた上層全体を剥がすことで、乾燥固化した水溶性接着剤の層を補強基材とする装飾体を、容易、確実に得ることができる。
また上記請求項2に記載のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法によれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、ペーパーナプキンとして予めデザインが施されたものを用いているので、プリザーブド植物の貼り付けは、それを貼り付けるべき下地のデザインの色味や色の組み合わせ或いは線模様を参考にして、新たなデザインを作製することができる。またペーパーナプキンのデザインと組み合わせたような新たなデザインを簡単、容易に作製することができる。
また上記請求項3に記載のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法によれば、上記請求項1又は2に記載の構成による作用効果に加えて、基地下地形成工程の終了後、プリザーブド植物貼付工程の前に、ペーパーナプキンによる下地の上に肉盛材を積層して凹凸形状を構成する肉盛工程を行うことで、扱い易い扁平なプリザーブド植物を用いても、その扁平なプリザーブド植物を肉盛りした凹凸形状の上に貼り付けることで、容易に立体的なデザインからなる装飾体を作製することができる
本発明プリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法1を説明する図である。 本発明プリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法2を説明する図である。 本発明プリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法3を説明する図である。 本発明に係るプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法の実施形態を説明する図である
以下、各図面を参照して、本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法を説明し、本発明の理解に供する。ただし、以下の説明は特許請求の範囲に記載の本発明の技術的範囲を限定するものではない。
まず図1を参照して、本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法1を説明する
飾体10は、少なくとも、基材11とペーパーナプキン12とプリザーブド植物13を用いて構成される。
前記基材11は、装飾体10の基地11aとなる材料である。基材11としては、アクリル、塩ビ等のプラスチック、ガラス、紙、布、金属、アートフラワー、その他、種々の材料を用いることが可能である。また基材11の形状はシートの他、種々の平面形状、立体形状のものを用いることができる。また基材11は実際の製品やそのレプリカであってもよい。
前記ペーパーナプキン12は、基材11の基地11aの表面に積層されることで、プリザーブド植物13を取り付けるための下地12aとなる。前記積層は、例えば基材11の上にペーパーナプキン12を貼り合わせることで行うことができる。
前記プリザーブド植物13はプリザーブドフラワーと一般に称されているもので、植物の生花や葉をグリセリン等が含まれる処理液に浸け、水分を抜いて作られるものである。本発明では、花や花弁、葉、茎を含む概念としてプリザーブド植物13としている。
前記ペーパーナプキン12は、表面に微細な皺が形成された薄い紙で、テーブル回りに使用される場合が多い使い捨ての紙ナプキンとして、テーブルナプキンとも称されるものである。紙の厚みは0.03〜0.08mmが好ましく、薄葉紙といえる領域を含んでいる。
テーブルナプキン12は、その用途として、前記テーブルナプキンの他、造花用材料やその他のクラフト用材料としても使用されているが、ここではペーパーナプキン12の新たな用途を提供するものでもある。
即ち、ペーパーナプキン12は表面に微細な皺の入った薄い紙であるので、プラスチック材をはじめとする種々の材料に対して、その表面に容易、確実に貼り合わせることができる。従って普通ではプリザーブド植物13の貼り付けに適さないようなプラスチック材を基材11としても、ペーパーナプキン12を介在させることで、プリザーブド植物12を容易に貼り付けることができる。
更に表面に微細な皺のある薄い紙であるペーパーナプキン12を下地12aとすることで、種々のプリザーブド植物13に対しても、同じ植物由来の材料同士として、両者を容易に且つ確実に貼り付けて固定することができる。また表面に種々のコーティングがなされたプリザーブド植物13であっても、皺の入った表面を有するペーパーナプキン12を用いることで、両者を確実に貼り付けることができる。
もしペーパーナプキン12を介在させることなく、基材11の表面に直接プリザーブド植物13を貼り付けようとする場合には、樹脂材料を含む多くの種類の材料に対するプリザーブド植物13の貼り付けが容易でなくなり、装飾体10が形成できなくなる。
図1を参照して、装飾体10の参考作製方法1は、先ず基材11とペーパーナプキン12とを用意し、基材11による基地11aとその表面にペーパーナプキン12による下地12aを構成する。これを基地下地形成工程(A)とする。
次に、前記ペーパーナプキン12による下地12aの上にプリザーブド植物13を貼り付ける。これをプリザーブド植物貼付工程(B)とする。
前記基地下地形成工程(A)では、基材11とペーパーナプキン12は何れもシート状のものを用いている。この場合は、シート状の基材11の上にシート状のペーパーナプキン12を、例えば貼り付けて、積層することで、基地下地形成工程(A)が完了する。
基地下地形成工程(A)では、ペーパーナプキン12の裏面に接着剤を積層して固化させることで、接着剤を基材11とし、その接着剤からなる基材11の表面にペーパーナプキン12が積層された状態とするようにしてもよい。このようにしても基地下地形成工程(A)が完了する。
プリザーブド植物貼付工程(B)において、プリザーブド植物13の貼り付けは、単種類のプリザーブド植物13の他、多種類のプリザーブド植物13を用いることができる。そしてプリザーブド植物13の貼り付けは、下地12aの全面に、又は部分的に貼り付けるようにしてもよい。また貼り付けは単層の他、多層に重層して貼り付けることができる。
なおプリザーブド植物貼付工程(B)では、プリザーブド植物13の貼り付けに加えて、種々の上塗り用絵具で適宜上塗りし、或いはジェッソ等の下塗り用絵具で下塗りすることができる。また他の装飾品を適宜取り付け、或いは貼り付けてもよい。最終的には表面に透明な被覆剤を塗って被覆するようにしてもよい。
前記基地下地形成工程(A)とプリザーブド植物貼付工程(B)を経て作製されたプリザーブド装飾体10は、基材11をカットすることなく、そのままの装飾体10(10a)とすることができる。
また必要に応じてカット工程(C)を設けることができる。
このカット工程(C)では、装飾体10は、基材11をペーパーナプキン12の周縁に沿ってカットした装飾体(10b)や、もっと小さくカットした装飾体(10c)とすることができる。更に装飾要素として1つの花に沿ってカットした装飾体(10d)、1つの花弁に沿ってカットした装飾体(10e)、1つの葉に沿ってカットした装飾体(10f)、その他にカットして構成することができる。
次に図2を参照して、本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法2を説明する。
参考作製方法2による装飾体20は、ペーパーナプキン22として予めデザイン22bが施されたペーパーナプキン22を用いる点で、前記参考作製方法1に係る装飾体10と異なる。デザイン22bについては、自らペーパーナプキン22に描いて用いることもできるし、既にデザイン22bが描かれたペーパーナプキン22を購入して使用することもできる。ペーパーナプキン22のデザインとしては、色、色違い模様、線画、及びそれらの組み合わせが考えられる。
デザイン22bのあるペーパーナプキン22を用いることで、ペーパーナプキン22を下地22aにしてプリザーブド植物23を貼り付けてゆく際に、最終的な新たなデザインに向けての貼り付けの方向性の参考にすることができる。よってペーパーナプキン22の具体的な色味や色の組み合わせ或いは線模様を参照した新たなデザインを構成することができる。勿論、ペーパーナプキン22とプリザーブド植物23とによる組み合わせデザインを構成することも可能で、より魅力的なデザインの装飾体を提供することができる。
図2を参照して、参考作製方法2の作製方法は、ペーパーナプキン22として予めデザイン22bが施されたペーパーナプキン22を用いる点以外は上記参考作製方法1と同じで、基地下地形成工程(A)、プリザーブド植物貼付工程(B)を有する。
即ち、先ず基材21とペーパーナプキン22とを用意し、基材21による基地21aとその表面にペーパーナプキン22による下地22aを構成する。これを基地下地形成工程(A)とする。次に、前記デザイン22bが描かれたペーパーナプキン22による下地22aの上に全面に、場合によっては部分的にプリザーブド植物23を貼り付ける。これをプリザーブド植物貼付工程(B)とする。
プリザーブド植物23の貼り付けは、創作する装飾体20のデザインに応じて、ペーパーナプキン22のデザイン22bを選び、そのデザイン22bを下地として参照しながら、貼り付けてゆくことで、目標とする新たなデザインの装飾体20を良好に、且つスムーズに作製することができる。
前記基地下地形成工程(A)とプリザーブド植物貼付工程(B)を経て作製されたプリザーブド装飾体20は、基材21をカットすることなく、そのままの装飾体20(20a)とすることができる。
また上記参考作製方法1の場合と同様に、カット工程(C)を設けて、ペーパーナプキン22の周縁に沿ってカットした装飾体20bや、もっと小さくカットした装飾体20c、更に装飾要素として1つの花に沿ってカットした装飾体20d、1つの花弁に沿ってカットした装飾体20e、1つの葉に沿ってカットした装飾体20f、その他にカットして構成してもよい。
他の作製方法も上記参考作製方法1において既に述べているので、ここでは省略する。
図3を参照して、本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法において参考にする参考作製方法3を説明する。
この参考作製方法3に係る装飾体30は、参考作製方法1の装飾体10や、参考作製方法2の装飾体20の特徴を残しつつ、更に肉盛材34を用いて、立体感のある装飾体30としたものである。
即ち、プリザーブド植物33の全部若しくは一部を、ペーパーナプキン32による下地32aの上に肉盛材34を介して積層する構成としている。得られる装飾体30では、基材31、ペーパーナプキン32、肉盛材34、プリザーブド植物33の4層から構成されることになる。
肉盛材34としては、紙粘土やその他の粘土、グルーガン等を用いて積層されるホットメルト接着樹脂、その他の接着樹脂、硬化型の固形糊、また接着剤や糊でなくてもペーパーナプキン32とその上に貼り付けるプリザーブド植物33との間に介在した状態で積層することができるものであれば(例えばティッシュ等)、それ自身接着性のないものであっても肉盛材34とすることが可能である。
肉盛材34はペーパーナプキン32を下地32aとする表面の全面或いは部分面に施される。肉盛材34が施され、積層された部分の断面は起伏のある凹凸断面となる。よって肉盛材34の施された上に貼り付けられたプリザーブド植物33の表面も起伏のある状態となり、立体感のある装飾体30となる。
例えばシート状の基材31の上にシート状のペーパーナプキン32を積層し、その上にプリザーブド植物33を貼り付けて積層しても、なかなか立体感のある作品とはならない。
この参考作製方法3の装飾体30では、プリザーブド植物33の全部若しくは一部を、ペーパーナプキン32による下地32aの上に肉盛材34を介して貼り付け、積層する構成としているので、得られる装飾体30の表面に好ましい立体感のあるデザインを構成して現出させることができる。
図3を参照して、参考作製方法3は、肉盛材34を積層して凹凸形状を構成する肉盛工程(AB)を有する点以外は、上記参考作製方法1、参考作製方法2と同じである。
即ち、先ず基材31とペーパーナプキン32とを用意し、基材31による基地31aとその表面にペーパーナプキン32による下地32aを構成し、基地下地形成工程(A)とする。
なお、図3の基地下地形成工程(A)では、基地31と、複数のバラRが描かれたデザイン32bが施されたペーパーナプキン32との全体を示した全体斜視図の他、バラRの部分を大きく拡大して示した拡大斜視図を示す。
基地下地形成工程(A)が完了すると、肉盛工程(AB)を行う。
肉盛工程(AB)では、例えば前記描かれたバラRの部分を対象として、葉R1の部分に肉盛材34として、例えばペーパーナプキン32と同じ植物由来の紙粘土34aを用いる。同じ植物由来物として馴染み易く、接着もし易い。紙粘土34aは所望の厚みに積層することができる。また積層厚を相違させることにより、葉R1の重なり具合を表現することができる。また花弁R2の部分にもそれぞれ紙粘土34aを積層し、例えば葉R1の部分よりも花弁R2の部分が飛び出した状態とする。即ち、葉R1や花弁R2をより立体的となるように肉盛りする。勿論、肉盛材34を行わない下地32a部分があってもよい。このようにすることで、バラRとしての立体感のある肉盛りができる。
前記肉盛工程(AB)が終わると、プリザーブド植物貼付工程(B)を行う。プリザーブド植物貼付工程(B)では、前記肉盛りがなされたペーパーナプキン32上の表面にプリザーブド植物33を貼り付けていく。プリザーブド植物33は花弁、葉、その他の植物部分を用い、それらを自在に葉R1や花弁R2のところに単層、或いは多層に貼り付ける。勿論、プリザーブド植物33を貼り付けない部分があってもよい。
プリザーブド植物貼付工程(B)が終わると、必要に応じて上記参考作製方法1において既述したカット工程(C)を行うことができる。例えば得られた装飾体30としてのバラRに従ってカットし、得られたバラRの装飾体30を装飾要素等として用いることができることは勿論である。
なお、プリザーブド植物33の貼り付けは、肉盛材34による肉盛りと同時的に行ってもよい。即ち、ペーパーナプキン32の下地32a上に肉盛材34を一部肉盛りし、その部分の肉盛りができたら、その上にプリザーブド植物33を貼り付けて、その部分を完成させるように作業を進める作製方法である。この場合は、肉盛工程(AB)とプリザーブド植物貼付工程(B)が同時進行することになる。
図4を参照して、本発明の実施形態に係るプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法を説明する。本発明に係る装飾体の作製方法は、上記した参考作製方法1、参考作製方法2、参考作製方法3を参考にして作製工程の一部に取り入れた作製方法である。
この実施形態の作製方法は、参考作製方法1、参考作製方法2、参考作製方法3の特徴を選択的に残しつつ、基材41そのものを特徴のある材料を用いて作製するようにした作製方法である。
即ち、装飾体40の基材41を、ペーパーナプキン42の裏面に積層された水溶性接着剤の樹脂で構成している。このように構成することで、例えばチューブ入り等の水溶性接着剤さえ用意しておけば、この水溶性接着剤をペーパーナプキン42の裏に積層することで、いつでも簡単に所定の厚みをもってペーパーナプキン42を補強することができ、プリザーブド植物43を貼り付けた後の装飾体40を、簡単に破れたりしない、しっかりとしたものにすることができる。勿論、水溶性接着剤であるので、ペーパーナプキン42と相性もよく、良好な補強効果を得ることができる。
また水溶性接着剤を用いることで、水溶性接着剤との相性の悪い材質からなる一般的な樹脂、例えばPP、PE等のポリオレフィン系樹脂を下敷き45として、その下敷き45上に水溶性接着剤を介してペーパーナプキン42を貼り付けても、下敷き45側には接着してしまうことなく、その後、固化した水溶性接着剤とそれによって補強されたペーパーナプキン42とを一体的に下敷き45から剥がして、装飾体40とすることができる。
前記基材41になる水溶性接着剤としては、例えば乾燥固化すると透明の樹脂となるような酢酸ビニル樹脂系接着剤を用いることができる。
図4を参照して、本発明の実施形態に係る装飾体40の作製方法は、上記参考作製方法1〜3の何れかの参考作製方法を選択的に残しつつ、基地下地形成工程(A)と剥離工程(BC)に特徴を持つ。
即ち、基地下地形成工程(A)では、下敷き45とペーパーナプキン42とチューブ等に入った基材41としての水溶性接着剤を用意する。そして下敷き45上に前記水溶性接着剤を介してペーパーナプキン42を貼り合わせた状態とする。これにより下敷き45の上に、水溶性接着剤を基材41とする基地41aと、その上に貼り合わされた状態のペーパーナプキン42による下地42aが形成される。
具体的には、下敷き45として水溶性接着剤とは接着しない樹脂製のシートを用い、この下敷き45の上に水溶性製接着剤を所定の厚みに塗り、その上にペーパーナプキン42を貼り合わせる。前記水溶性接着剤が固化することで、下敷き45の上に固体層からなる所定厚の基材41が構成される。これにより下敷き45の上に前記水溶性接着剤からなる基材41が積層され、その基材41の上にペーパーナプキン42が積層された状態が形成され、基地下地形成工程(A)が完了する。
基地下地形成工程(A)が終わると、ペーパーナプキン42を下地42aとして、肉盛材44を積層する肉盛工程(AB)を行い、或いは省略して、更にプリザーブド植物貼付工程(B)を行う。これらの肉盛工程(AB)、プリザーブド植物貼付工程(B)については、既述している内容と同じであるので省略する。
プリザーブド植物貼付工程(B)の後に、前記樹脂製の下敷き45から、乾燥固化した水溶性接着剤の層からなる基材41含む上層全体を剥がす剥離工程(BC)を行う。前記下敷き45はPPやPE等の水溶性接着剤とは接着しない樹脂を用いているので、水溶性接着剤からなる基材41とは、密着しているが接着はしていない。従って固化した接着剤層を下敷き45から捲ることで、下敷き45より上の層全体を一体的に剥がすことができる。なお、下敷き45を剥がすのは、下敷き45を基台として、プリザーブド植物貼付工程(B)を行って装飾体40が出来上がった後に行うのがよい。しかし、その前の段階でも可能である。
前記剥離工程(BC)により剥がし終わった装飾体40のシートは、カット工程(C)に進んで、適宜の大きさや形にカットして、カットされた装飾体40とすることができる。この点は上記参考作製方法1において既述したものと同様である
上記の実施形態において得られた装飾体40は、それ自体を装飾要素とすることができる。この場合、装飾体40に対して、他の装飾要素が組み合わされることで、別の新たな装飾体が創作される。即ち、使い道が広く且つ使い勝手の良い本発明の装飾体を要素とし、種々の装飾体を簡単、容易に得ることができる。
本発明のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法は、プリザーブドフラワーを扱う装飾品や装飾品パーツの製造、販売分野や、プリザーブド植物を用いた作品創作に関する各種学校、教育産業の分野における産業上の利用性が高い。
10 装飾体
10a〜10f 装飾体
11 基材
11a 基地
12 ペーパーナプキン
12a 下地
13 プリザーブド植物
20 装飾体
21 基材
21a 基地
22 ペーパーナプキン
22a 下地
22b デザイン
23 プリザーブド植物
30 装飾体
31 基材
31a 基地
32 ペーパーナプキン
32a 下地
32b デザイン
33 プリザーブド植物
34 肉盛材
34a 紙粘土
R バラ
R1 葉
R2 花弁
40 装飾体
41 基材
41a 基地
42 ペーパーナプキン
42a 下地
42b デザイン
43 プリザーブド植物
44 肉盛材
45 下敷
A) 基地下地形成工程
(AB) 肉盛工程
(B) プリザーブド植物貼付工程
(BC) 剥離工程
(C) カット工

Claims (3)

  1. 基材とペーパーナプキンとを用いて、基材による装飾体の基地とその基地の表面にペーパーナプキンによる装飾体の下地とを構成する基地下地形成工程と、下地の上にプリザーブド植物を貼り付けるプリザーブド植物貼付工程とを、少なくとも有するプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法であって、
    前記基地下地形成工程においては、基材としてペーパーナプキンと接着する水溶性接着剤を用い、下敷きとして前記水溶性接着剤とは接着しない樹脂製の下敷きを用い、該樹脂製の下敷きの上に前記水溶性接着剤を介在させてペーパーナプキンを貼り合わせることで、前記水溶性接着剤を基材とする基地と、その上に貼り合わされた状態のペーパーナプキンによる下地を形成し、
    プリザーブド植物貼付工程の後に、前記樹脂製の下敷きから乾燥固化した水溶性接着剤の層を含めた上層全体を剥がす剥離工程を有することを特徴とするプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法
  2. 基地下地形成工程においては、ペーパーナプキンとして予めデザインが施されたペーパーナプキンを用い、プリザーブド植物貼付工程においては、前記ペーパーナプキンのデザインを下地デザインとして、その上にプリザーブド植物を貼り付けて、組み合わせデザインを構成することを特徴とする請求項1に記載のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法
  3. 基地下地形成工程の終了後、プリザーブド植物貼付工程の前に、ペーパーナプキンによる下地の上に肉盛材を積層して凹凸形状を構成する肉盛工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリザーブド植物を用いた装飾体の作製方法
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