JP6792110B2 - 窓ユニット取付構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたパネル取付構造は概略次のような構成になっている。まず、ドアの上端と天井との間には開口部が形成されていて、この開口部にはパネルが落とし込まれている。上記開口部の縁部には開口枠が取り付けられていて、この開口枠の上部には笠木嵌合凹部が設けられている。上記笠木嵌合凹部には笠木が設置されている。また、上記開口枠の両内側面にはそれぞれ一対ずつの支持片が突出・形成されている。また、上記開口枠の下側の両角にはL形鋼からなる受け金具が設置されている。
まず、作業員が上記パネル持ち上げ、別の作業員が上記パネルの各板バネの弾性変形部を治具で押さえる。その状態で上記パネルを傾斜させて笠木挿入部に上記笠木を挿入させながら上記開口部内に落とし込んで設置する。
次に、上記治具を除去する。それによって、上記各板バネの弾性変形部が弾性復帰して上記開口部の両側面の一対の支持片の間に係合される。
次に、上記パネルを下側に下す。それによって、上記パネルは上記受け金具の横片上に載置された状態になる。
最後に、上記パネルと上記開口部の隙間に目地を取り付ける。
すなわち、特許文献1に記載された発明によると、パネルの開口部への嵌め込み作業の作業性が悪いという問題があった。既に説明したように、嵌め込み作業にはパネルを保持する作業員と治具で各板ばねの弾性変形部を押し付ける作業員が必要であるが、板バネがパネルに取り付けられているために、パネルを保持する作業員と治具で各板ばねの弾性変形部を押し付ける作業員の両方が接近した状態にあり、それがそれぞれの作業員の作業性を悪化させていた。
また、別の問題として、笠木を差し込んだ構成になっているため、壁面との間に段差が発生してしまい、埃が溜ってしまうという問題もあった。
さらに、本件特許出願人による先願の場合にはビスによって窓ユニットのガラスに傷をつけてしまうおそれがあるとともに、窓ユニットと開口部との間に幅広の隙間が発生してしまい、この隙間をパッキンで塞いだとしても美感上好ましくないという問題もあった。
また、請求項2に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1記載の窓ユニット取付構造において、上記開口部は四角形であり、上記窓ユニットも四角形であり、上記板ばねは上記開口部の四隅に設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねはL字形状をなしていてL字の各片が上記角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ固定され、上記L字の各片に弾性変形部を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載された窓ユニット取付構造は、請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記L字形状の板ばねの弾性変形部を押し付けるL字型押付治具があり、上記L字形状の板ばねのL字の各片の先端には上記L字型押付治具のL字の各片の先端が係合する押付治具保持部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部には上記窓ユニットの上記開口部側への嵌め込みをガイドする傾斜部が設けられていて、上記窓ユニットを上記傾斜部に沿って上記開口部に嵌め込むことにより上記弾性変形部が上記開口部側に付勢されることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載された窓ユニット取付構造は、請求項5記載の窓ユニット取付構造において、上記係合凹部の一部は拡幅されていて上記係合凹部の拡幅された部分には上記傾斜部が収容され上記係合凹部の拡幅されていない部分には上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの内側面にはセッティングブロックが設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1記載の窓ユニット取付構造において、上記開口部は四角形であり、上記窓ユニットも四角形であり、上記板ばねは上記開口部の四隅に設置されているため、簡易な構成により上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項3に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねはL字形状をなしていてL字の各片が上記角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ固定され、上記L字の各片に弾性変形部を備えているため、上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項4に記載された窓ユニット取付構造は、請求項2又は請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記窓ユニットの下辺と上記開口部の間にはセッティングブロックが介挿されているため、上記窓ユニットを上記開口部の中央に保持することができる。
また、請求項5に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部を上記開口部側に押し付ける押付治具を保持する押付治具保持部が設けられているため、治具を作業者によって保持する必要がなく、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項6に記載された窓ユニット取付構造は、請求項3記載の窓ユニット取付構造において、上記L字形状の板ばねの弾性変形部を押し付けるL字型押付治具があり、上記L字形状の板ばねのL字の各片の先端には上記L字型押付金具のL字の各片の先端が係合する押付治具係合部が設けられているため、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項7に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの上記弾性変形部には上記窓ユニットの上記開口部側への嵌め込みをガイドする傾斜部が設けられていて、上記窓ユニットを上記傾斜部に沿って上記開口部に嵌め込むことにより上記弾性変形部が上記開口部側に付勢されるため、上記弾性変形部を治具で保持する必要がなく、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
また、請求項8に記載された窓ユニット取付構造は、請求項7記載の窓ユニット取付構造において、上記係合凹部の一部は拡幅されていて上記係合凹部の拡幅された部分には上記傾斜部が収容され上記係合凹部の拡幅されていない部分には上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合するように構成されているため、窓ユニットを挿入し易くなるとともに、一旦上記窓ユニットが挿入されれば上記係合凹部の拡幅されていない部分に上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合して抜けなくなり上記窓ユニットを確実に保持することができる。
また、請求項9に記載された窓ユニット取付構造は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、上記板ばねの内側面にはセッティングブロックが設置されているため、上記セッティングブロックにより上記窓ユニットを保持することができ、上記窓ユニットの上記開口部への取付作業を行いやすくすることができる。
なお、上記窓ユニット7を上記壁3の開口部5に取り付けた際、例えば、図4に示すように、上記ガラスパネル31、31と上記壁3の表面及び裏面は面一になるように上記窓ユニット7の厚さ(図4中左右方向の大きさ)が設定されている。
上記窓ユニット7を上記開口部5に取り付ける場合には、図4、図5に示すような手順で行う。
まず、図4(a)、図4(b)、及び、図5に示すように、一人の作業員が板ばね9の弾性変形部23を押付治具41で押さえ、別の一人の作業員が窓ユニット7を持ち上げて開口部5内に嵌めこんでいく。
次に、上記押付治具41を上記開口部5と上記窓ユニット7との間から引き抜く。それによって、図4(c)に示すように、各板ばね9の弾性変形部23、23が弾性復帰して上記窓ユニット7の各角部の係合凹部37、37に係合される。
仮に、上記セッティングブロック11、11がない場合には、上記窓ユニット7が自重により落下し開口部5に着座してしまう。その場合には、窓ユニット7の下辺と開口部5との間にシーリング材13を充填することができなくなる。また、ガラスパネル31、31が開口部5に直接当接してしまいその損傷が懸念される。
次に、図4(e)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
まず、窓ユニット7の開口部5への取付作業の容易化を図ることができる。これは、開口部5の各角部に配置される各板ばね9、9、9、9を窓ユニット7側ではなく開口部5側に取り付けるようにしたからであり、それによって、取付作業時に窓ユニット7を持ち上げる作業員と、押付治具41によって板ばね9の弾性変形部23を押し付ける作業員が接近するようなこともなく、それぞれの作業員が十分な作業空間を確保した状態で作業することができるからである。
また、上記窓ユニット7の下辺と上記開口部5との間にはセッティングブロック11、11が設置されているので、上記窓ユニット7の上記開口部5の内周面との上下方向の隙間を均等に保持することができる。また、窓ユニット7の全周にわたってシーリング材13を充填することができ、且つ、ガラスパネル31の開口部5への着座それによる損傷を防止することができる。
また、本件特許出願人による先願のように、窓ユニットをビスで固定する構成ではないので、ビスによるガラスパネルの損傷の懸念もない。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
まず、図6(b)に示すように、板ばね101の弾性変形部103、103を、例えば、作業者の手により押し付け、そこに押付治具111を設置する。図6(c)に示すように、上記押付治具111の各片112、112の先端部は上記板ばね101の押付治具保持部105、105に係合・保持されている。これによって、上記弾性変形部103、103を押し付けた状態を保持する。
同様の作業を開口部5の各角部に設置されている他の板ばね101も施す。
次に、図7(b)、図8(d)に示すように、上記押付治具111を除去する。それによって、図7(c)、図8(d)に示すように、上記板ばね101の弾性変形部103が弾性復帰され、上記窓ユニット7の係合凹部37に係合される。
次に、図8(e)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
この第2の実施の形態によると、窓ユニット7の開口部5への取付作業の更なる容易化を図ることができる。すなわち、板ばね101に押付治具保持部105、105を設け、板ばね101の弾性変形部103、103を押し付けた状態の押付治具111を、これら押付治具保持部105、105によって保持することができるからである。これにより、窓ユニット7を開口部5に嵌め込む際に、別の作業員によって板ばね101の弾性変形部103を押し付ける必要がなくなり、作業員一人で全ての作業を行うことができる。
この実施の形態の場合には図9に示すような板ばね201を用いる。上記板ばね201には、L字形状の板ばね本体203があり、この板ばね本体203のL字の片204、204の先端側には弾性変形部205、205が突出・成形されている。上記弾性変形部205の先端側には幅方向両側に開口部5の内周面側に向かって下り勾配の傾斜部207、207が設けられている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
まず、図14(a)〜図14(c)に示すように、窓ユニット7を開口部5内に嵌め込んでいく。このとき、板ばね201の弾性変形部205が傾斜部207を介して上記窓ユニット7によって押圧・変形されるので、前記第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合のように、押付治具で弾性変形部205を押し付ける必要はない。
また、上記窓ユニット7を上記開口部5内に嵌め込む際、上記窓ユニット7は上記開口部5の各角部に設置されたセッティングブロック231、231、231、231によってガイドされる。
次に、図14(d)に示すように、上記窓ユニット7と上記開口部5の間にシーリング材13を充填する。
まず、上記窓ユニット7の開口部5への取付作業をさらに容易化することができる。これは弾性変形部205に傾斜部207、207を設け、窓ユニット7を開口部5に嵌め込む際、窓ユニット7の外周縁によって上記傾斜部207を介して弾性変形部205を自動的に押し付けることができるようにしたからである。
また、上記窓ユニット7を上記開口部5内に嵌め込む際、上記窓ユニット7は上記開口部5の各角に設置されたセッティングブロック231によってガイドされるので、上記窓ユニット7の取付作業をさらに容易化することができる。
まず、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、窓ユニットを壁に取り付けたが、ドア等に取り付ける場合も考えられる。
また、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、四角形の開口部、四角形の窓ユニットを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、三角形、五角形、六角形、八角形、等様々な形状が考えられる。
また、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、L字形状の板ばねを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではない。例えば、角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ別個の平板状の板ばねを設置する構成も考えられる。また、角部を構成する開口部の二辺の内の一辺にのみ平板状の板ばねを設置する構成も考えられる。
また、前記第2の実施の形態の場合には、板ばねの各片の先端部に押付治具保持部を設けた構成としたが、開口部側に押付治具保持部を設ける構成も考えられる。
また、前記第3の実施の形態におけるセッティングブロックを第1の実施の形態の場合や第2の実施の形態の場合に設けるようにしてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
5 開口部
7 窓ユニット
9 板ばね
23 弾性変形部
37係合凹部
41 押付治具
101 板ばね
103 弾性変形部
105 押付治具保持部
111 押付治具
201 板ばね
205 弾性変形部
207 傾斜部
217 係合凹部
219 拡幅係合凹部
231 セッティングブロック
Claims (7)
- 開口部と、
上記開口部に着脱可能に設置された窓ユニットと、
上記開口部の角部に設置され弾性変形部を備えた板ばねと、
上記窓ユニットの角部に設けられ上記板ばねの弾性変形部が係合する係合凹部と、
を具備し、
上記各板ばねの弾性変形部を上記開口部側に付勢して上記窓ユニットを上記開口部に嵌め込み、上記板ばねの弾性変形部が弾性復帰して上記窓ユニットの係合凹部に係合することにより窓ユニットを保持し、
上記板ばねの上記弾性変形部を上記開口部側に押し付ける押付治具を保持する押付治具保持部が設けられていることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項1記載の窓ユニット取付構造において、
上記開口部は四角形であり、
上記窓ユニットも四角形であり、
上記板ばねは上記開口部の四隅に設置されていることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項2記載の窓ユニット取付構造において、
上記板ばねはL字形状をなしていてL字の各片が上記角部を構成する開口部の二辺にそれぞれ固定され、
上記L字の各片に弾性変形部を備えていることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項3記載の窓ユニット取付構造において、
上記L字形状の板ばねの弾性変形部を押し付けるL字型押付治具があり、
上記L字形状の板ばねのL字の各片の先端には上記L字型押付治具のL字の各片の先端が係合する押付治具保持部が設けられていることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項1〜請求項4の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、
上記板ばねの上記弾性変形部には上記窓ユニットの上記開口部側への嵌め込みをガイドする傾斜部が設けられていて、上記窓ユニットを上記傾斜部に沿って上記開口部に嵌め込むことにより上記弾性変形部が上記開口部側に付勢されることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項5記載の窓ユニット取付構造において、
上記係合凹部の一部は拡幅されていて上記係合凹部の拡幅された部分には上記傾斜部が収容され上記係合凹部の拡幅されていない部分には上記弾性変形部の傾斜部がない側が係合するように構成されていることを特徴とする窓ユニット取付構造。 - 請求項1〜請求項6の何れかに記載の窓ユニット取付構造において、
上記板ばねの内側面にはセッティングブロックが設置されていることを特徴とする窓ユニット取付構造。
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