以下、図面を参照して一実施形態に係る電池パック1について説明する。図面の説明において、同一又は同等要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。なお、図2及び図5においては、コネクタ70,80を代表してコネクタ70が図示されている。
図1は、一実施形態に係る電池パックの概略構成の分解斜視図である。図2は、蓋部材を取り外した状態の図1の電池パックを前方向から見た正面図である。図1及び図2に示されるように、電池パック1は、筐体10と、複数(本実施形態では7個)の電池モジュール20と、中継部60と、コネクタ70又はコネクタ80と、を備える。電池パック1は、例えば、自動車及びフォークリフト等の対象装置に搭載され、対象装置におけるモータ等の外部負荷に電力を供給する。
筐体10は、例えば金属製であり、箱状部材11と箱状部材11に接続される蓋部材15とを備える。箱状部材11は、開口部11aを有する箱体である。箱状部材11は、四角板状の底板11bと、底板11bと対向して設けられる天板11cと、底板11bの周縁から立設されるL字状の右側板11d、矩形状の左側板11e及び後側板11fと、を有している。なお、図1では、蓋部材15の後側を透視するように記載している。
筐体10は、例えば車両等の対象装置に搭載された際には、底板11bが鉛直方向下方に位置し、天板11cが鉛直方向上方に位置するように配置される。以下の説明では、筐体10において、底板11bが設けられる方向を「下」とし、天板11cが設けられる方向を「上」とし、筐体10の蓋部材15が設けられる方向を「前」とし、後側板11fが設けられる方向を「後」とし、右側板11dが設けられる方向を「右」とし、左側板11eが設けられる方向を「左」とする。なお、これらの方向は説明の便宜のためであり、本発明を限定するものではない。
筐体10の右側面、すなわち、箱状部材11の右側面には、コネクタ配置領域14aが形成されている。具体的には、コネクタ配置領域14aは、右側板11dから左方向にオフセットした第1側面11g、後側板11fから前方向にオフセットした第2側面11i、及び天板11cから下方向にオフセットすると共に右方向に下方傾斜する第3側面11hによって、筐体10の後方側を窪ませるように形成されている。第1側面11gには、コネクタ70又はコネクタ80を挿入可能な貫通孔12cが形成されている。
天板11cは、左右方向中央部において上方に突出し、部品配置領域14bを形成している。天板11cにおける部品配置領域14bの上方には、二つの作業孔12a,12bが形成されている。
筐体10は、その内部空間を区画する区画部17を備える(図5参照)。区画部17は、第1区画板17aと、第2区画板17bと、を有している。第1区画板17aは、前方向から見た時に上下方向に延びる鉛直部18aと、水平方向に延在すると共に中継部60の支持体61(後述)が配置される端子配置部18bと、端子配置部18bと第1側面11gとを接続するように延びる接続部18cと、を含む。第2区画板17bは、鉛直部18aと、端子配置部18bと、接続部18cと、天板11cと、第1側面11gと、によって囲まれる空間に対して前後方向に直交する面をなす(図2参照)。
図2に戻り、区画部17は、筐体10の内部空間を、電池モジュール20を収容すると共に部品配置領域14bを含む領域A1と、筐体10の内部空間における中継部60が位置する中継領域A2と、に区画する。中継領域A2は、コネクタ配置領域14aに隣接しており、コネクタ70又はコネクタ80が筐体10から取り外された状態で貫通孔12cを介して筐体10の外部領域と連通される。
部品配置領域14bよりも右側の天板11c上には、作業孔(貫通孔)13bが形成されている。作業孔13bは、筐体10の内部空間における中継部60が位置する中継領域A2と筐体10の外部領域とを連通させる。作業孔13bは、中継部60の支持体61(後述)が配置される端子配置部18bの上方に形成されている。作業孔13bの開口部の大きさは、作業者が手を入れて中継部60からコネクタ70又はコネクタ80を着脱する交換作業が可能な程度に形成されている。作業孔13bには、その開口部分を覆う蓋13aが配置されている。以下では、コネクタ70又はコネクタ80が筐体10に着脱される方向を、単に「着脱方向A」とする。
筐体10は、例えば7個の電池モジュール20を収容している。筐体10の箱状部材11には、7個の電池モジュール20のうち3個の電池モジュール20が固定されている。筐体10の蓋部材15には、残りの4個の電池モジュール20が固定されている。
図3は、図1の電池モジュールの構成の斜視図である。図3を参照しつつ、電池モジュール20について説明する。図3に示されるように、電池モジュール20は、本体部21と、第1ブラケット31と、第2ブラケット32と、弾性部材24と、を備えている。
本体部21は、一方向(以下、「配列方向D」ともいう)に配列された複数の電池セル22を含んでいる。本実施形態では、本体部21は13個の電池セル22を含んでいる。電池セル22は、例えば、リチウムイオン電池又はニッケル水素蓄電池などの二次電池である。複数の電池セル22のそれぞれは、配列方向Dから見てU字状をなし上側が開口するセルホルダ23に保持されている。本体部21は、複数のセルホルダ23の上側の開口を塞ぐように、複数のセルホルダ23に保持されるカバー29を含む。カバー29には、電池モジュール20に関する各種制御を行う制御部Eが載置されている。
第1ブラケット31及び第2ブラケット32は、剛性の高い材料で構成され、例えば、鉄などの金属で構成されている。第1ブラケット31及び第2ブラケット32のそれぞれは、把持部33と、取付部37と、を有している。把持部33は、略矩形の平板である。把持部33には、配列方向Dに沿って延びる複数のボルト(不図示)が挿通されている。複数のボルトのそれぞれは、第2ブラケット32の把持部33側でナット35に螺合されて固定されている。取付部37は、矩形状の把持部33の一辺に立設される平板である。取付部37は、ボルト(不図示)により、箱状部材11又は蓋部材15に取り付けられる。これにより、第1ブラケット31及び第2ブラケット32が、箱状部材11又は蓋部材15に固定される。
弾性部材24は、本体部21と第1ブラケット31との間に設けられている。弾性部材24は、例えば板状であり、その厚さ方向が配列方向Dと同一方向となるように設けられている。弾性部材24は、ゴム及び樹脂系スポンジなどの弾性変形可能な材料からなる。弾性部材24と本体部21との間には、固定プレート25が設けられている。
図2に戻り、電池モジュール20とコネクタ70又はコネクタ80との間には、ジャンクションボックス51と、配線L1〜L3(図4参照)と、リレーRと、中継部60と、が電気的に接続されている。
ジャンクションボックス51は、筐体10の部品配置領域14bに配置されている。ジャンクションボックス51は、図示しない電池制御ECU(Electronic Control Unit)を含む。電池制御ECUは、電池モジュール20の監視及び制御等を行う。電池制御ECUは、例えば、各電池モジュール20に搭載された制御部Eと通信することにより、各電池モジュール20の状態(例えば、充電状態等)に関する情報を取得し、各電池モジュール20の動作(例えば、充放電等)を制御する。
図4は、図1の電池パックの部品配置領域の平面図である。図5は、図1のV−V線に沿っての断面図である。図2、図4及び図5に示されるように、ジャンクションボックス51では、複数のハーネスHを介して各電池モジュール20の正極端子に配線L1が接続されると共に、負極端子に配線L2が接続されている。より詳しくは、配線L1は、バスバーL11,L12,L13,L14及びバスバーL15を含む。
バスバーL11は、前方側に配置された4個の電池モジュール20の各正極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL12は、後方側に配置された3個の電池モジュール20の各正極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL13は、バスバーL11及びバスバーL12を連結する。バスバーL14は、バスバーL13とバスバーL15とをヒューズ52を介して連結する。バスバーL15は、コネクタ70の第1ハーネス74c(後述)に電気的に接続されている。
ヒューズ52は、部品配置領域14bに配置されている。ヒューズ52は、例えば、配線L1に過剰な電流が流れた場合に内部の配線を溶断させる電力ヒューズである。
配線L2は、バスバーL21,L22,L23,L24,L25及びバスバーL26を含む。バスバーL21は、前方側に配置された4個の電池モジュール20の各負極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL22は、後方側に配置された3個の電池モジュール20の各負極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL23は、バスバーL21及びバスバーL22を連結する。バスバーL24は、バスバーL22とリレーRの一方の端子とを電気的に接続する。バスバーL25は、リレーRの他方の端子とコネクタ70の第2ハーネス75c(後述)とを電気的に接続する。また、バスバーL26は、バスバーL24から分岐し、出力端子65aに接続されている。
配線L3は、コネクタ70の第3ハーネス76c(後述)と出力端子65bとを電気的に接続する。
リレーRは、各電池モジュール20とコネクタ70とを電気的に接続するオン状態(導通状態)、及び各電池モジュール20とコネクタ70とを電気的に切り離すオフ状態(遮断状態)を切り替え可能である。リレーRは、例えば、メカニカルリレーであり、電池制御ECUからの制御信号によって、オン状態及びオフ状態の切替え動作を行う。
図6は、図1の電池パックの中継部の斜視図である。図7は、図1の電池パックの中継部の側面図である。図6及び図7に示されるように、中継部60は、支持体61と、第1負極端子62aと、第1正極端子62bと、第2正極端子62cと、第3正極端子62dと、バスバー(導電部材)66と、を含む。中継部60は、電池モジュール20とコネクタ70又はコネクタ80との間の電気的接続を中継する。以下の説明では、第1負極端子62a、第1正極端子62b、第2正極端子62c、及び第3正極端子62dを、中継端子62a〜62dとも称する。
中継端子62a〜62dは、電池モジュール20又は外部負荷と電気的に接続される。より詳しくは、第1負極端子62aは、電池モジュールの負極と電気的に接続される。第1正極端子62bは、電池モジュールの正極と電気的に接続される。第2正極端子62cは、外部負荷の正極と電気的に接続される。第3正極端子(第3中継端子)62dは、バスバー66を介して第2正極端子62cと電気的に接続される。バスバー66は、第3正極端子62dと電気的に接続される一端部66aと、第2正極端子62cと電気的に接続される他端部66bと、一端部66aと他端部66bとを接続する中間部66cと、を含む。バスバー66は、例えばクランク形をなすように屈曲された金属板で構成されている。
支持体61は、中継端子62a〜62dを支持するための部材である。支持体61は、中継端子62a〜62dを互いに絶縁しつつ、中継端子62a〜62dを支持する。支持体61は、一例として、区画部17の端子配置部18bに設けられた貫通孔に嵌め込まれて固定されている。支持体61は、中継端子62a〜62dの絶縁性及び支持体61の成形の容易性の観点から、例えば樹脂により成型されている。
支持体61は、作業孔13bの開口方向Bに交差する第3平面PL3に沿って延びる平面部61aと、平面部61aに直交する方向において作業孔13b側に延びる一対の平板63aにより構成される立設部63と、を含む。ここでは、第3平面PL3は、開口方向Bに略直交する仮想平面である。立設部63では、一対の平板63aは、第1正極端子62bに接続された接続部材74(後述)を挟むように平面部61aから立設されている。一対の平板63aの上端部には、第3正極端子62dが設けられている。具体的には、第3正極端子62dは、立設部63により、開口方向B視で第1正極端子62bに接続される接続部材74と重複するように配置されている。よって、第1負極端子62aよりも第3正極端子62dとの電位差が小さい第1正極端子62bが第3正極端子62dに近接することとなる。
支持体61では、平面部61aにおいて、コネクタ70が着脱される方向である着脱方向A(図9参照)に交差する第1平面PL1(図9参照)上に位置するように、第1負極端子62a及び第1正極端子62bが配置されている。すなわち、第1負極端子62a及び第1正極端子62bは、第1平面PL1上に位置する第1中継端子である。支持体61では、平面部61aにおいて、第1平面PL1に平行な第2平面PL2(図9参照)上に位置するように、第2正極端子62c及び第3正極端子62dが配置されている。すなわち、第2正極端子62cは、第2平面PL2上に位置する第2中継端子である。第3正極端子62dは、第2平面PL2上に位置する第3中継端子である。ここでは、第1平面PL1及び第2平面PL2は、着脱方向Aに略直交する仮想平面である。
第1平面PL1と第2平面PL2との離間距離は、仮に第1負極端子62aと第1正極端子62bとの間に第2正極端子62cを配置した場合における第1負極端子62aと第2正極端子62cとの離間距離よりも大きい。第1負極端子62aを第1平面PL1上に配置し、第2正極端子62cを第2平面PL2上に配置することにより、例えば中継部60の前後方向の寸法を拡大することなく、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの離間距離が確保される。
また、支持体61では、第1負極端子62a、第1正極端子62b、及び第2正極端子62c(すなわち第1中継端子及び第2中継端子)は、支持体61において第3平面PL3上に位置するように配置されている。よって、第1負極端子62aと第1正極端子62bとの離間距離、及び、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの離間距離は、例えば前後方向に沿って第1負極端子62a、第1正極端子62b、及び第2正極端子62cが配置される場合と比較して、開口方向B視において大きくなる。特に、支持体61では、第1負極端子62aは、第2正極端子62cを挟んで第1正極端子62bの反対側に配置されている。このような配置により、電池モジュール20の正極と電気的に接続される第1正極端子62bと、電池モジュール20の負極と電気的に接続される第1負極端子62aと、が絶縁上十分に離間される。
支持体61は、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの間において立設された絶縁リブ64を含む。絶縁リブ64は、着脱方向A(図9参照)において支持体61の全体に亘って延在している。絶縁リブ64は、第1負極端子62aと第1正極端子62bとの間に介在される第1部分64aと、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの間に介在される第2部分64bと、第2正極端子62cと接続部材75(後述)との間に介在される第3部分64cと、を含む。
絶縁リブ64は、開口方向Bにおいて所定の高さで延在している。所定の高さは、着脱方向Aにおける第1負極端子62aの位置から第2正極端子62cの位置までの区間において、最大高さとされている。最大高さは、例えば、絶縁リブ64の上端及び第1負極端子62aに接する仮想的な直線が第2正極端子62c、バスバー66、及び第3正極端子62dのいずれにも接しないような上端位置となる、絶縁リブ64の高さである。あるいは、最大高さは、絶縁リブ64の上端及び第1負極端子62aに接する仮想的な直線が第2正極端子62c、バスバー66、及び第3正極端子62dから少なくとも一定の絶縁距離で離間するような上端位置となる、絶縁リブ64の高さである。このような絶縁リブ64により、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの間の絶縁の確保と、第1負極端子62aとバスバー66との間の絶縁の確保と、第1負極端子62aと第3正極端子62dとの間の絶縁の確保と、が確保される。
図8〜図12を参照しつつ、電池モジュール20を外部装置(充電器又は外部負荷)に接続するためのコネクタ70,80について説明する。まず、図8〜図10を参照しつつ、コネクタ70について説明する。図8に示されるように、コネクタ70は、本体部71と、複数の接続部材74,75,76と、を備えている。
本体部71は、接続部材74,75,76を支持する主部73と、筐体10に装着されるベース部72とがボルト(不図示)により締結されている樹脂製の部材である。主部73において最もベース部72から離れた面を本体部71の表面71aとし、当該表面71aから最も離れているベース部72の面を本体部71の裏面71bとする。この場合、本体部71は、主部73及びベース部72を貫通するように表面71aから裏面71bまで延在する貫通孔74h〜76hを有する。貫通孔74h〜76hは、互いに離間しており、表面71aの異なる角部近傍にそれぞれ設けられている。貫通孔74hには接続部材74が挿入され、貫通孔75hには接続部材75が挿入され、貫通孔76hには接続部材76が挿入されている。
主部73は、コネクタ70が筐体10に固定される際に当該筐体10の外側に位置する部分であり、裏面71bとは反対側にベース部72から突出している。主部73は、充電器の充電コネクタ及びジャンパコネクタと嵌合可能に構成されている。
ベース部72は、着脱方向A視で矩形状を有しており、その各角部は、着脱方向A視で主部73よりも外側に位置している。ベース部72の各角部には、着脱方向Aに沿って貫通する貫通孔72hが設けられている。ベース部72は、後述のアダプター90に取り付けられる。
接続部材74は、正極端子74aと、圧着端子74bと、第1ハーネス74cと、チューブ74dとを備えている。正極端子74aは、貫通孔74hに挿入される筒状の雌端子である。正極端子74aの外周面は、貫通孔74hを画成する面に当接している。正極端子74aが高い導電性及び伝熱性を備える観点から、正極端子74aは、例えば銅によって構成されている。また、正極端子74aの一部は、本体部71の裏面71bから突出している。
第1ハーネス74cは、裏面71b側から着脱方向Aに沿って延在している。第1ハーネス74cの一端は、正極端子74aにおける裏面71b側の端部内に挿入されている。正極端子74aは、第1ハーネス74cが挿入されている端部においてかしめられている。第1ハーネス74cとしては、例えば銅配線が用いられる。第1ハーネス74cと他の接続部材75,76等との短絡を防止するために、第1ハーネス74cの少なくとも一部は絶縁性のチューブ74dによって被覆されている。圧着端子74bは、チューブ74dから露出した第1ハーネス74cの他端に圧着されている端子である。圧着端子74bは、中継部60の第1正極端子62bに取り付けられる(図9参照)。
接続部材75は、接続部材74と同様の構成を有している。接続部材75は、負極端子75aと、圧着端子75bと、第2ハーネス75cと、チューブ75dとを備えている。負極端子75aは、貫通孔75hに挿入されている筒状の雌端子である。第2ハーネス75cと他の接続部材74,76等との短絡を防止するために、第2ハーネス75cの少なくとも一部は絶縁性のチューブ75dによって被覆されている。圧着端子75bは、中継部60の第1負極端子62aに取り付けられる。
接続部材76は、接続部材74,75と同様にして本体部71に設けられている。接続部材76は、正極端子76aと、圧着端子76bと、第3ハーネス76cと、チューブ76dとを備えている。正極端子76aは、貫通孔76hに挿入されている筒状の雌端子である。第3ハーネス76cの長さは、第1ハーネス74c及び第2ハーネス75cよりも短い。第3ハーネス76cと他の接続部材74,75等との短絡を防止するために、第3ハーネス76cの少なくとも一部は絶縁性のチューブ76dによって被覆されている。圧着端子76bは、中継部60の第3正極端子62dに取り付けられる。第3ハーネス76cは、バスバー66を介して中継部60の第2正極端子62cと電気的に接続される。
図9及び図10に示されるように、コネクタ70は、筐体10に着脱可能に固定される。より詳しくは、コネクタ70は、アダプター90に固定され、アダプター90を介して筐体10の第1側面11gに取り付けられる。コネクタ70の接続部材74,75,76は、アダプター90を筐体10の第1側面11gに取り付けた状態で、第1正極端子62b、第1負極端子62a、及び第3正極端子62dにそれぞれ取り付けられる。
アダプター90は、例えば筐体10の第1側面11gと同様の形状を有し、コネクタ70の主部73を挿通可能な貫通孔90hが形成された金属板である。アダプター90には、コネクタを取り付けるための貫通孔である複数のネジ孔91と、アダプター90を筐体10に取り付けるための貫通孔である複数のネジ孔92と、が形成されている。アダプター90は、コネクタの種類に応じてネジ孔91の位置が変更されることで、異なる形状のコネクタを容易に筐体10に着脱することができる。
図9及び図10の例では、ネジ孔91は、コネクタ70のベース部72に形成された貫通孔72hに対応する位置に形成されている。コネクタ70をアダプター90に固定する際には、アダプター90の裏側(図中の左側)から貫通孔90hにコネクタ70の主部73が挿通される。ベース部72の表面71a側がアダプター90と当接した状態で、貫通孔72hとネジ孔91とにボルト(不図示)が挿通され、当該ボルトにナット(不図示)が螺合されて、ベース部72とアダプター90とが締結される。アダプター90を筐体10に固定する際には、ネジ孔92にボルト78が挿入され、当該ボルトが雌ネジ孔78hに螺合することで、アダプター90と筐体10の第1側面11gとが締結される(図5〜図7参照)。
以上のように構成された電池パック1では、コネクタ70に充電器の充電コネクタ(不図示)が接続されると、正極端子74a及び負極端子75aが互いに接続され、第1負極端子62a及び第1正極端子62bに充電に係る電圧が印加され、各電池モジュール20が充電される。また、コネクタ70にジャンパコネクタJが接続されると、正極端子74a及び正極端子76aが互いに接続され、第1正極端子62bと第3正極端子62d(すなわち第2正極端子62c)とが電気的に接続され、出力端子65a,65bを介して外部負荷に対して電力を出力することが可能になる。
ここで、上述したように、第3正極端子62dはバスバー66を介して第2正極端子62cと電気的に接続され、第2正極端子62cは外部負荷の正極と電気的に接続されている。つまり、第2正極端子62cと異なる位置の第3正極端子62dに接続部材76が接続されている。しかしながら、上述のバスバー66を省くことにより、第2正極端子62cにコネクタの接続部材を直接的に接続してもよい。例えば、図11及び図12に例示されるような、ベース部に対する接続部材の配置がコネクタ70とは異なるコネクタ80であっても、筐体10に着脱可能に固定され得る。
図11及び図12に示されるように、コネクタ80は、コネクタ70の本体部71と構成が異なる本体部81(ベース部82及び主部83)を備える。本体部81は、主部83の断面形状が着脱方向A視で楕円形である点と、ベース部82における貫通孔82hの配置がベース部72における貫通孔72hの配置とは異なっている点と、接続部材76がベース部82において接続部材74及び接続部材75の中間に相当する位置に配置されている点とで、コネクタ70の本体部71と異なっている。これに伴い、図11及び図12の例では、アダプター90にコネクタ80を取り付けるための複数のネジ孔91は、コネクタ80のベース部82に形成された貫通孔82hに対応する位置に形成されている。
コネクタ80をアダプター90に固定する際には、アダプター90の表側(図中の右側)にベース部82の裏面82bが当接した状態で、貫通孔82hとネジ孔91とにボルト(不図示)が挿通され、当該ボルトにナット(不図示)が螺合されて、ベース部82とアダプター90とが締結される。アダプター90を筐体10に固定する際には、ネジ孔92にボルト78が挿入され、当該ボルトが雌ネジ孔78hに螺合することで、アダプター90と筐体10の第1側面11gとが締結される(図5〜図7参照)。コネクタ80は、アダプター90に固定され、アダプター90を介して筐体10の第1側面11gに取り付けられる。コネクタ80の接続部材74,75,76は、アダプター90を筐体10の第1側面11gに取り付けた状態で、第1正極端子62b、第1負極端子62a、及び第2正極端子62cにそれぞれ取り付けられる。
以上説明したように、上記実施形態の電池パック1では、第1平面PL1上に位置する第1中継端子(第1負極端子62a及び第1正極端子62b)と、第1平面PL1に平行な第2平面PL2上に位置する第2中継端子(第2正極端子62c)とは、着脱方向Aに沿って第1平面PL1と第2平面PL2との離間距離だけ離間されている。これにより、全ての中継端子(第1負極端子62a、第1正極端子62b、及び第2正極端子62c)を第1平面PL1上又は第2平面PL2上に配置する場合と比べて、これら中継端子62a,62b,62c間の距離を確保しつつ着脱方向Aに交差する方向(特に前後方向)における配置に要する寸法を低減し易くなる。その結果、中継端子62a,62b,62c間の絶縁性を確保しつつ省スペース化を図ることが可能となる。
電池パック1では、筐体10は、筐体10の内部空間における中継部60が位置する中継領域A2と筐体10の外部領域とを連通させる作業孔13bを含む。第1中継端子(第1負極端子62a及び第1正極端子62b)及び第2中継端子(第2正極端子62c)は、支持体61において、作業孔13bの開口方向Bに交差する第3平面PL3上に位置するように配置されている。第1中継端子は、電池モジュール20の正極と電気的に接続される第1正極端子(第1正極端子62b)と、電池モジュール20の負極と電気的に接続される第1負極端子(第1負極端子62a)と、を含み、第2中継端子は、外部負荷の正極と電気的に接続される第2正極端子62cを含む。第1負極端子62aは、第2正極端子62cを挟んで第1正極端子62bの反対側に配置されている。これにより、例えば作業孔13bを介して金属製の工具等を中継領域A2に挿入して作業する場合であっても、当該挿入方向(すなわち開口方向B)に交差する第3平面PL3上に位置するように中継端子62a,62b,62cが配置されているため、開口方向Bに交差する方向における中継端子62a,62b,62c間の離間距離が比較的大きくなる。また、第2正極端子62cを挟んで第1正極端子62bの反対側に第1負極端子62aが配置されているため、電池モジュール20の正極と電気的に接続される第1正極端子62bと、電池モジュール20の負極と電気的に接続される第1負極端子62aと、を十分に離間させることができる。よって、第1負極端子62aと第1正極端子62bとの絶縁性を高めることが可能となる。
電池パック1では、複数の中継端子は、第2正極端子62cと電気的に接続されるバスバー66と、バスバー66を介して第2正極端子62cと電気的に接続される第3中継端子である第3正極端子62dを含む。第3正極端子62dは、支持体61において、開口方向B視で第1正極端子62bに接続される接続部材74と重複するように配置されている。これにより、第2正極端子62cと異なる高さ位置の第3正極端子62dに接続部材76を接続可能となるため、接続部材の配置が異なるコネクタを容易に使用することが可能となる。また、第1負極端子62aよりも第3正極端子62dとの電位差が小さい第1正極端子62bが第3正極端子62dに近接されるため、例えば作業孔13bを介して金属製の工具等を中継領域A2に挿入して作業する場合であっても、第3正極端子62dの短絡を抑制することができる。
電池パック1では、支持体61は、第1負極端子62aと第2正極端子62cとの間において立設された絶縁リブ64を含む。これにより、絶縁リブ64によって第1負極端子62aと第2正極端子62cとの絶縁性を高めることができる。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、中継部60は3つの中継端子を含み、コネクタ70,80は3つの接続部材を含んでいたが、中継端子及び接続部材の個数は、2以上の任意の個数を採用し得る。
上記実施形態では、導電部材としてバスバー66を例示したが、この例に限定されない。導電部材としては、第2正極端子62cと第3正極端子62dとを電気的に接続する部材であれば、種々の部材を採用してもよい。