JP6788214B2 - 水洗大便器装置 - Google Patents
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Description
このような従来の水洗大便器装置においては、ジェットポンプ作用を誘発させるジェットポンプユニットとその他の複数の関連部品がタンク内に内装されているため、タンク単体でジェットポンプ性能を確保するために、タンクと便器本体との接続がタンクの外部で行われることが望ましい。
また、このようにタンクと便器本体との接続部の周囲を取り囲むようなタンクと便器本体の設計では、作業者がタンクを便器本体に組み付けた際に、タンクと便器本体との接続部に手が直接届かなくなり、作業者の直接的なアクセスよる施工が困難となるため、何らかの手段や方法でタンクと便器本体とを水密に接続する操作を間接的に行わなければならならず、水密性の確保も難しくなるという問題がある。
さらに、タンクと便器本体との接続部にタンクの内部からアクセスする方法も考えられるが、タンク内は、ジェットポンプユニット以外にも多数の関連部品によってスペースが占有されているため、タンクを小型化する程、タンク内部の空間スペースも少なく、作業者の直接的なアクセスが困難となるため、タンク内の接続部の付近で水密性を確保するための接続操作を直接的に行うのは困難であるという問題がある。
このように構成された本発明においては、タンクが便器本体のボウル部よりも後方側の所定の設置位置に組み付けられた状態では、便器本体側接続部と接続部材との接続部、及び接続部材とタンク側接続部との接続部のそれぞれの周囲が便器本体及びタンクによって覆われることにより作業者の直接的なアクセスが不能であっても、作業者は、タンクを便器本体のボウル部よりも後方側の所定の設置位置に組み付ける前に、予め接続部材の一端を便器本体側接続部の他端に対して簡単に水密に接続することができると共に、予め接続部材の他端をタンク側接続部の一端に対して簡単に水密に接続することができるため、その後、便器本体側接続部と接続部材との接続部、及び接続部材とタンク側接続部との接続部のそれぞれについて水密性を維持しながら、タンクを便器本体の導水路の後方側の所定の設置位置に簡単に組み付けることができる。したがって、タンクを便器本体に簡単に水密に接続することができる。
このように構成された本発明においては、接続部材について、タンクが所定の設置位置に組み付けられる前の状態で接続部材の接続管路の長さが第1の所定長さよりも長い第2の所定長さで便器本体側接続部とタンク側接続部とが水密に接続された後、タンクが所定の設置位置に組み付けられた状態で接続管路の長さが第1の所定長さで便器本体側接続部とタンク側接続部とが水密に接続されることにより接続部材の接続管路を伸縮可能にするものであるため、特に、タンクが所定の設置位置に組み付けられた状態では、接続部材とその接続管路の長さを第1の所定長さに設定することができる。よって、タンクの下流側の最短長さの接続管路内を流れる洗浄水の圧力損失を小さくすることができる。
したがって、タンク内のジェットポンプユニットのジェットポンプ作用によるタンク内の洗浄水の吸引量の低下を抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
このように構成された本発明においては、タンクが所定の設置位置に組み付けられた状態で接続部材の接続管路の長さが第1の所定長さで便器本体側接続部とタンク側接続部とが水密に接続可能に接続部材を所定の形状にガイドするためのガイド部を有することにより、タンクが所定の設置位置に組み付けられる前の状態で、接続部材により予め便器本体側接続部とタンク側接続部とを簡単かつ確実に水密に接続することができると共に、その後、タンクが所定の設置位置に組み付けられた状態では、ガイド部が接続部材を所定の形状にガイドすることによって接続部材の接続管路の長さを第1の所定長さに確実に設定することができる。
したがって、タンクの下流側の第1の所定長さの接続管路内を流れる洗浄水の圧力損失を小さくすることができ、タンク内のジェットポンプユニットのジェットポンプ作用によるタンク内の洗浄水の吸引量の低下を抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
このように構成された本発明においては、接続部材が弾性部材からなり、水洗大便器装置が、さらに、所定の設置位置に組み付けられた状態のタンクの姿勢が水平状態に維持されるようにタンクを便器本体に対して固定可能にする固定部を有することにより、タンクの姿勢が水平状態に維持された状態でタンクを便器本体に対して安定して固定することができる。
したがって、例えば、タンクやタンク側接続部に接続部材による反力が作用してタンクが傾くと共にタンク内の水位が傾くことによって、タンク内のジェットポンプユニットのジェットポンプ作用によるタンク内の洗浄水の吸引量が低下してしまうことを抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
まず、図1〜図6により、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の基本構造について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の概略斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の分解斜視図であり、図3は、図1のIII−III線に沿って見た中央側面断面図である。
つぎに、図3に示すように、便器本体2は、その前方側に設けられて汚物を受けるボウル部6と、このボウル部6の上縁に形成されたリム部8とを備えている。
また、便器本体2のボウル部6の底部には、排水トラップ管路10の入口10aが開口し、この排水トラップ管路10は、その入口10aから斜め下方且つ後方側に延びた後、斜め上方且つ後方側の頂部まで延びて、その後、下方に延びて、床面に設置された排水ソケット(図示せず)に接続されている。
また、図3に示すように、便器本体2のボウル部6の後方側から側方のリム部8内には、洗浄水タンク装置4から供給された洗浄水をボウル部6に導くための導水路14が形成されていると共に、この導水路14内の洗浄水が吐出される吐水口16がリム部6の一部に形成されている。
なお、本実施形態による水洗大便器装置1においては、高さ方向の落差により汚物を排出する洗い落とし式便器の形態について説明するが、サイホン作用を利用してボウル部6内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路10から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式便器であってもよいし、これら以外の形態の便器でも適用可能である。
また、本実施形態による水洗大便器装置1においては、排水トラップ管路10から排水された排水を床下の排水管路(図示せず)に排出させるが排水ソケット(図示せず)を採用した形態であってもよいし、排水トラップ管路10から排水された排水を水洗大便器装置1の後方の壁裏側の排水管路(図示せず)に排出させる排水ソケット(図示せず)を採用した形態であってもよい。
図4は、図1のIV−IV線に沿って見た正面断面図であり、図5は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置における洗浄水タンク装置の内部構造を示す平面図であり、図6は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の基本構成を示すブロック図である。
なお、図4及び図5に示す洗浄水タンク装置4の左右方向については、便器本体2の前方側から見て左右方向の左側を「左側」、便器本体2の前方側から見て左右方向の右側を「右側」とそれぞれ定義する。
なお、本実施形態では、貯水タンク20が便器本体2のボウル部6よりも後方側の所定の設置スペースS1に上方側から組み付けられる形態について説明するが、このような形態に限られず、貯水タンク20が便器本体2のボウル部6よりも後方側の所定の設置スペースS1に側方(横方向)から組み付けられるような形態であってもよい。
また、この貯水タンク20は、図5に示すように、平面視において左右方向に長い扁平形状に形成されており、図3に示すように、便器本体2の後方側の比較的低い位置に配置されて、貯水タンク20の上端高さ位置が低い、いわゆる、ローシルエットタイプの貯水タンクである。
さらに、本実施形態の水洗大便器装置1においては、便器本体2の最も後端に対して、トイレ室の壁(図示せず)等が隣接して設けられているため、便器本体2の導水路14の後方側の所定の設置スペースS1(図2参照)内に貯水タンク20を組み付ける際には、この設置スペースS1の開放された上方側から貯水タンク20を挿入して組み付けなければならないようになっている。
また、図4〜図6に示すように、洗浄水タンク装置4は、便器本体2の前方側から見て貯水タンク20の左側側部に設けられて給水弁装置26の作動を操作するための操作レバー32を備えている。
また、図4及び図6に示すように、ジェットポンプユニット30は、ジェットノズル36の下流側近傍に設けられてジェットノズル36から噴射された洗浄水の流路を貯水タンク20内の水位に応じて切り替える流路切替弁38を備えている。
さらに、図3〜図6に示すように、ジェットポンプユニット30は、一端に吸引口40aが形成される共に他端に洗浄水を流出させる流出口40bが形成されたスロート管40を備えている。このスロート管40は、図4に示すように、その吸引口40aから流出口40bまで延びた管形状が、例えば、逆U字形状(或いは、他の言い方をすれば、逆J字形状、又はグースネック型形状)に形成されている。
また、ジェットノズル36は、スロート管40の吸引口40aと対向するように配置されており、これらのスロート管40の吸引口40aとジェットノズル36は、常時、貯水タンク20内で水没した状態となっている。
すなわち、本明細書中に記載されている「ジェットポンプ作用」という用語については、ジェットノズル36からスロート管40の吸引口40aに向けて噴射される勢いのある洗浄水の流れ自体が、ポンプ等の他の機械要素に依存することなく、直接的にスロート管40の吸引口40aの近傍等の周囲の洗浄水を引き込むような負圧を形成し、この負圧を利用してスロート管40内に吸い込んだ貯水タンク20内の洗浄水を便器本体2側へ搬送する作用を意味している。
図2〜図4、図7及び図8に示すように、便器本体2の導水路14の後方側の流入口14aには、便器本体側接続部であるスパッド50が水密に接続されており、このスパッド50には、その後方側から接続部材である伸縮可能な接続管部材52の一端が挿入されて、バンド54aを介して水密に接続されている。
また、図2〜図4及び図8に示すように、接続管部材52は、スパッド50に水密に接続された一端部(前端部)から後方側にほぼ水平方向に延びた後、上方側に差し向けられて屈曲可能な接続管路52aを形成している。
一方、図2、図4、図7及び図8に示すように、接続管部材52の他端部(上端部52b)には、バンド54bが設けられている。バンド54bは、貯水タンク20に一体に形成されたほぼ円筒状のタンク側接続部56が上方から接続管路52a内に挿入された状態で、接続管部材52の上端部52bの外周側から締め付けることにより、接続管部材52と貯水タンク20のタンク側接続部56とを水密に接続している。そして、これにより、タンク側接続部56の内側に形成されたタンク側接続管路56aと接続管部材52の接続管路52aとが互いに連通している。
なお、本実施形態では、便器本体2の導水路14に対して、便器本体側接続部であるスパッド50が別体である形態について説明するが、このような形態に限定されず、便器本体側接続部であるスパッド50の部分が便器本体2の導水路14に対して同一の陶器製等で一体に形成された形態であってもよい。
また、本実施形態では、ほぼ円筒状のタンク側接続部56については、貯水タンク20に一体に形成された形態について説明するが、貯水タンク20とは別体の筒状の部材であってもよい。
また、図3〜図5、図7及び図8に示すように、貯水タンク20の段部58は、スロート管40の流出口40bを形成するスロート管側接続部60が接続されると共に、タンク側接続管路56aと連通する接続口58aが形成された上端部58bを備えており、この段部58の上端部58bは、図4及び図5に示すように、貯水タンク20内の満水水位WL0よりも上方に位置している。
さらに、図3〜図5、図7及び図8に示すように、貯水タンク20が所定の設置位置に組みつけられた状態では、スパッド50と接続管部材52との接続部、及び接続管部材52とタンク側接続部56との接続部のそれぞれは、水密性が維持されていると共に、これらの部分50,52、56の左右側方及び後方側が段部58の外側壁部58c(図7参照)に覆われている。また、これらの部分50,52、56の上方側が段部58の上側壁部58d(図7参照)に覆われており、さらに、これらの部分50,52、56の前方側と下方側が便器本体2により覆われているため、これらの部分50,52、56の周囲、すなわち、これらの部分50,52、56の前後方向、上下方向、及び左右方向が作業者の直接的なアクセスが不能に覆われている。
一方、図5に示すように、給水弁装置26及びスロート管40のそれぞれは、貯水タンク20内の左右方向の一方側の領域に片寄って配置されている。
より具体的に説明すると、図5に示すように、給水弁装置26は、貯水タンク20内において、平面視で貯水タンク20を左右方向に二等分する中心軸線A1よりも右側に配置されていると共に、平面視で貯水タンク20を前後方向に二等分する中心軸線A2よりも後方側に片寄って配置されている。
また、図5に示すように、スロート管40は、貯水タンク20内において、平面視で貯水タンク20を左右方向に二等分する中心軸線A1よりも右側に配置されていると共に、平面視で貯水タンク20を前後方向に二等分する中心軸線A2よりも前方側に片寄って配置されている。
ここで、本発明の一実施形態による水洗大便器装置1の洗浄水タンク装置4を便器本体2の所定の設置位置に設置する方法の詳細については、図13A〜図13Dを用いて後述するが、図2及び図9に示すように、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置スペースS1内に上方側から組み付けられる前の状態では、便器本体側接続部であるスパッド50、伸縮可能な接続管部材52、及びタンク側接続部56のそれぞれは、作業者のアクセスが可能なものである。
すなわち、図2及び図9に示すように、伸縮可能な接続管部材52については、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置位置に上方側から組み付けられる前の状態で、予め接続管部材52の一端(前端部)が、便器本体2の導水路14の流入口14aに水密に接続されたスパッド50の他端(後端部)に対してバンド54aを介して水密に接続可能なものであると共に、予め接続管部材52の他端(上端部)がタンク側接続部56の一端(下端部)に対してバンド54bを水密に接続可能なものである。
これにより、図2及び図9に示すように、スパッド50及びタンク側接続部56は、互いに接続管部材52を介して水密に接続された後に、貯水タンク20を所定の設置位置に上方側から組み付け可能にするものとなっている。
また、図8に示すように、貯水タンク20が所定の設置位置に上方側から組み付けられた状態では、スパッド50と接続管部材52との接続部、及び接続管部材52とタンク側接続部56との接続部のそれぞれは、各バンド54a,54bによって水密性が維持されていると共に、それぞれの周囲が作業者の直接的なアクセスが不能に便器本体2及び貯水タンク20によって覆われている
なお、本実施形態では、伸縮可能な接続管部材52として、それ自体が圧縮コイルばね又は引張コイルばねのようなばね要素等の弾性部材からなる形態について説明するが、このような弾性部材が、蛇腹状のホース部材である接続管部材52とは別部材として設けられているものでもよく、要するに、接続管部材52がスパッド50とタンク側接続部56との間に接続された状態で、接続管部材52の全長が適宜調整可能なものであればよい。
これにより、接続管部材52は、図9に示すように、貯水タンク20が所定の設置位置に組み付けられる前の状態で接続管部材52の接続管路52aの長さ(全長)については、第1の所定長さである短縮時の長さd1よりも長い第2の所定長さである伸長時の長さd2でスパッド50とタンク側接続部56とが水密に接続されるようになっている。その後、接続管部材52は、図8に示すように、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置スペースS1に組み付けられた状態では、接続管路52aの長さが第1の長さである短縮時の長さd1でスパッド50とタンク側接続部56とが水密に接続されるように、接続管部材52及びその接続管路52aが縮むことができるようになっている。
なお、本実施形態では、接続管部材52の接続管路52aの第1の所定長さである短縮時の長さd1については、接続管部材52が長手方向に最大に縮んだ状態の最短長さに設定されてもよいし、最短長さよりも長くても伸長時の長さd2よりも短い長さに設定されていればよい。
ここで、図8に示すように、本実施形態では、第1の所定長さである短縮時の長さd1の接続管部材52の所定の形状については、接続管路52aの中心軸線A3の曲がり部R1が1つである形態について説明するが、曲がり部R1がない形態であってもよい。
なお、本実施形態では、貯水タンク20のガイド部61は、貯水タンク20に対して一体に形成された形態について説明するが、貯水タンク20とは別部材であるガイド部材を採用してもよい。
また、本実施形態では、上述したように、伸縮可能な接続管部材52自体が圧縮コイルばね又は引張コイルばねのようなばね要素等の弾性部材からなる形態であるため、この接続部材52自体が所定の形状にガイドするガイド機能を有するものであるが、これ以外にも、接続管部材52を所定の形状にガイドするためのガイド部として、接続管部材52の一部に別途のガイド機構やばね機構を設けてもよい。
この力分散部64は、貯水タンク20が所定の設置位置に上方側から組み付けられた状態で段部58の上端部58bの操作領域面F1が下方に押し込まれた際に、便器本体側接続部である接続管部材52の屈曲部の下側を支持するガイド部61について、便器本体2側で支持可能に設けられており、タンク側接続部56から接続管部材52を介してガイド部61に作用する押し込み力が分散可能となっている。
なお、本実施形態では、力分散部64が便器本体2に一体に形成された形態について説明するが、ガイド部61に一体に形成された形態であってもよいし、力分散部64が便器本体2や接続管部材52とは別体である力分散部材の形態であってもよい。
図10に示すように、本実施形態の水洗大便器装置1は、洗浄水タンク装置4の貯水タンク20が所定の設置スペースS1に設置された状態で、貯水タンク20の背面側且つ左右両側の基底部20cについて、貯水タンク20の姿勢が水平状態に維持されるように便器本体2に固定する固定部である一対の固定装置66を備えている。
図11及び図12に示すように、固定装置66は、便器本体2の後方側の貯水タンク20の設置スペースS1の底面62の取付穴62aに挿入されて取り付けられたゴムブッシュ68と、貯水タンク20の基底部20cを上下方向に貫くタンク固定用の長穴20d内に配置されたクッション等からなる可撓性部材70と、ゴムブッシュ68に可撓性部材70を介して取り付けられたボルト72と、このボルト72に取り付けられると共にその下面が貯水タンク20の底面20bと接触可能である座金74と、ボルト72に取り付けられると共にその下面が座金74の上面に接触可能であるばね座金76とを備えている。
また、ボルト72の頭部(上端部)には、その下面がばね座金76の上面に接触可能であるボルト操作部78が径方向外側に突出するように一体に形成されている。
さらに、ゴムブッシュ68は、ボルト72の下方部分が螺合されるナットとして機能するようにもなっている。
そして、これらの要素68,70,72,74,76,78は、貯水タンク20の姿勢を水平状態に調整可能な水平調整部として機能するようになっている。
なお、本実施形態では、ゴムブッシュ68と可撓性部材70とが互いに別部材である形態について説明するが、両者68,70が互いに一体に形成された部材であってもよい。
したがって、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置位置に組み付けられた後、固定装置66により便器本体2に固定された状態で、例えば、貯水タンク20の高さ位置を微調整したり、貯水タンク20の姿勢を水平状態に微調整したりする必要等が生じた場合には、貯水タンク20を便器本体2の後方側の所定の設置位置から取り外すことなく、ボルト操作部78の締め付け具合を操作して可撓性部材70の変形具合や、便器本体2と貯水タンク20との固定装置66による締結具合を調整するだけで、簡単に貯水タンク20の高さ位置を微調整したり、簡単に貯水タンク20の姿勢を水平状態に微調整したりすることができるようになっている。
なお、本実施形態では、固定装置66が可撓性部材70を備えた形態について説明するが、可撓性部材70については省略した形態であってもよい。
図2及び図13に示すように、貯水タンク20の外側前面20eには、接続状態確認手段として、水平左右方向に延びる押し込み深さ確認ラインL1が設けられている。
一方、便器本体2における後方側の貯水タンク20の設置スペースS1の前側上縁部80の水平左右方向に延びるラインL2についても、貯水タンク20の押し込み深さ確認ラインL1と一致するか否かを確認するための便器本体側の確認ラインL2となっており、接続状態確認手段として機能している。
ここで、図13に示す貯水タンク20においては、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置スペースS1内に組み付けられた後、タンク蓋82が便器本体2における後方側の貯水タンク20の設置スペースS1の上端部に取り付けられる前に、押し込み深さ確認ラインL1が便器本体側の確認ラインL2と平行であり、且つ両者L1,L2の高さ位置とほぼ一致しており、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置位置に正しく設置されている状態となっている。
まず、図14Aは、本発明の一実施形態による水洗大便器装置において洗浄水タンク装置の貯水タンクが便器本体の後方側の所定の設置位置に組み付けられていない施工開始前状態から、便器本体の導水路の流入口にスパットが水密に接続された第1の施工状態を示す概略断面図である。
つぎに、図14Bは、図14Aに示す第1の施工状態の後、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の貯水タンクが便器本体の後方側の所定の設置位置に組み付けられる前に、スパッドに伸縮可能な接続管部材の一端が水密に接続された第2の施工状態を示す概略断面図である。
また、図14Cは、図14Bに示す第2の施工状態の後、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の貯水タンクが便器本体の後方側の所定の設置位置に組み付けられる前に、洗浄水タンク装置の貯水タンクのタンク側接続部に接続管部材の他端が水密に接続された第3の施工状態を示す概略断面図である。
さらに、図14Dは、図14Cに示す第3の施工状態の後、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の貯水タンクが便器本体の後方側の所定の設置位置に上方側から組み付けられた第4の施工状態を示す概略断面図である。
そして、この伸長させた状態の接続管部材52に対して、その上端部からタンク側接続部56を接続管路52a内に挿入し、所定の設定スペースS1の外部で接続管部材52の上端部とタンク側接続部56との接続部をバンド54bによって予め水密に接続する。これにより、接続管部材52がタンク側接続部56に対して確実に水密に接続された第3の施工状態となり、接続管部材52の接続管路52aとタンク側接続部56のタンク側接続管路56aとが連通した状態となる。
このとき、弾性部材からなる接続管部材52は、ガイド部61によりガイドされつつ、弾性部材の弾性復元力により縮みながら所定の形状に戻されて、接続管部材52の接続管路52aの長さを短縮時の長さd1に設定される。
そして、図13に示すように、押し込み深さ確認ラインL1が便器本体側の確認ラインL2と平行であり、且つ両者L1,L2の高さ位置とほぼ一致していることを確認し、貯水タンク20が便器本体2の後方側の所定の設置位置に正しく設置されている状態が確認できた場合には、便器本体2における後方側の貯水タンク20の設置スペースS1の上端部にタンク蓋82を取り付け、図3に示すような施工が完了した状態となる。
したがって、貯水タンク20を便器本体2に簡単に水密に接続することができる。
したがって、貯水タンク20内のジェットポンプユニット30のジェットポンプ作用による貯水タンク20内の洗浄水の吸引量の低下を抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
したがって、貯水タンク20の下流側の第1の所定長さ(短縮時の長さd1)の接続管路52a内を流れる洗浄水の圧力損失を小さくすることができ、貯水タンク20内のジェットポンプユニット30のジェットポンプ作用による貯水タンク20内の洗浄水の吸引量の低下を抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
したがって、例えば、貯水タンク20やタンク側接続部56に接続管部材52による反力が作用して貯水タンク20が傾くと共に貯水タンク20内の水位が傾くことによって、貯水タンク20内のジェットポンプユニット30のジェットポンプ作用による貯水タンク20内の洗浄水の吸引量が低下してしまうことを抑制することができるため、ジェットポンプ性能の低下を抑制することができる。
2 便器本体
4 洗浄水タンク装置
6 ボウル部
8 リム部
10 排水トラップ管路
10a 排水トラップ管路の入口
14 導水路
14a 導水路の流入口
16 吐水口
18 給水管
20 貯水タンク(タンク)
20a 貯水タンクの内側前面
20b 貯水タンクの底面
20c 貯水タンクの背面側且つ左右両側の基底部
20d タンク固定用の長穴
20e 貯水タンクの外側前面
22 定流量弁
24 主弁
26 給水弁装置
28 真空破壊弁
30 ジェットポンプユニット
32 操作レバー
34 給水管
36 ジェットノズル
38 流路切替弁
40 スロート管
40a 吸引口
40b 流出口
42 便器洗浄用流路
44 タンク貯水用流路
46 駆動軸
48 フロート
50 スパッド(便器本体側接続部)
52 伸縮可能な接続管部材(接続部材、弾性部材)
52a 接続管路
52b 接続管部材の上端部
54a バンド
54b バンド
56 タンク側接続部
56a タンク側接続管路
58 貯水タンクの段部
58a 貯水タンクの段部の接続口
58b 貯水タンクの段部の上端部
58c 貯水タンクの段部の外側壁部
58d 貯水タンクの段部の上側壁部
60 スロート管側接続部
61 ガイド部
61a ガイド部の下側面
62 便器本体の後方側の貯水タンクの設置スペースの底面
62a 取付穴
64 力分散部
66 固定装置(固定部)
68 ゴムブッシュ
70 可撓性部材
72 ボルト
74 座金
76 ばね座金
78 ボルト操作部
80 便器本体の後方側の貯水タンクの設置スペースの前側上縁部
82 タンク蓋
A1 平面視で貯水タンクを左右方向に二等分する中心軸線
A2 平面視で貯水タンクを前後方向に二等分する中心軸線
A3 接続管部材の接続管路の中心軸線
DWL 最低水位(デッドウォータライン)
d1 接続管路の短縮時の長さ(第1の所定長さ)
d2 接続管路の伸長時の長さ(第2の所定長さ)
F1 操作領域面
F2 前側領域面
L1 貯水タンクの押し込み深さ確認ライン
L2 便器本体側の確認ライン
R1 接続管部材の接続管路の中心軸線の曲がり部
S1 便器本体の後方側の貯水タンクの設置スペース
WL0 満水水位
Claims (4)
- ジェットポンプ作用により供給される洗浄水によって便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器装置であって、
汚物を受けるボウル部と、このボウル部に洗浄水を導くための導水路と、を備えた便器本体と、
この便器本体のボウル部よりも後方側の所定の設置位置に組み付けられて、給水源から供給される洗浄水の一部が貯留されると共に上記便器本体の導水路に洗浄水を供給するタンクであって、その内部に少なくとも一部が水没した状態で配置されるジェットポンプユニットを備え、このジェットポンプユニットが、上記給水源から供給される洗浄水を噴射するジェットノズルと、一端に吸引口が形成されると共に他端に上記便器本体の導水路に向けて洗浄水を流出させる流出口が形成されるスロート管と、を備え、上記ジェットノズルが上記スロート管の吸引口から内部に向けて洗浄水をジェット噴射することにより、上記スロート管内を流れる洗浄水の流量を上記ジェットノズルから噴射された洗浄水の流量よりも増大させるジェットポンプ作用を誘発させて、増大した流量の洗浄水を上記スロート管から上記便器本体の導水路に向けて供給するものである上記タンクと、
上記便器本体の導水路の後方側に設けられて、一端が上記導水路と一体又は別体に設けられる便器本体側接続管路を形成する便器本体側接続部と、
一端が上記便器本体側接続部の他端に水密に接続されて、その内部に上記便器本体側接続管路と連通可能な接続管路を形成する接続部材と、
上記タンクの一部に設けられて、その一端が上記接続部材の他端に水密に接続されて、その内部に上記接続部材の上記接続管路と連通可能なタンク側接続管路を形成する筒状のタンク側接続部と、を有し、
上記便器本体側接続部、上記接続部材、及び上記タンク側接続部のそれぞれは、上記タンクが上記所定の設置位置に組み付けられる前の状態で作業者のアクセスが可能なものであり、予め上記接続部材の一端が上記便器本体側接続部の他端に水密に接続可能なものであると共に、予め上記接続部材の他端が上記タンク側接続部の一端に水密に接続可能なものであり、上記便器本体側接続部及び上記タンク側接続部が互いに上記接続部材を介して水密に接続された後に、上記タンクを上記所定の設置位置に組み付け可能にするものであり、かつ、
上記タンクが上記所定の設置位置に組み付けられた状態では、上記便器本体側接続部と上記接続部材との接続部、及び上記接続部材と上記タンク側接続部との接続部のそれぞれは、水密性が維持されていると共に、それぞれの周囲が作業者の直接的なアクセスが不能に上記便器本体及び上記タンクによって覆われていることを特徴とする水洗大便器装置。 - 上記接続部材は、上記タンクが上記所定の設置位置に組み付けられる前の状態で上記接続管路の長さが第1の所定長さよりも長い第2の所定長さで上記便器本体側接続部と上記タンク側接続部とが水密に接続された後、上記タンクが上記所定の設置位置に組み付けられた状態で上記接続管路の長さが上記第1の所定長さで上記便器本体側接続部と上記タンク側接続部とが水密に接続されることにより上記接続管路を伸縮可能にするものである請求項1記載の水洗大便器装置。
- さらに、上記タンクが上記所定の設置位置に組み付けられた状態で上記接続管路の長さが上記第1の所定長さで上記便器本体側接続部と上記タンク側接続部とが水密に接続可能に上記接続部材を所定の形状にガイドするためのガイド部を有する請求項2記載の水洗大便器装置。
- 上記接続部材は、弾性部材からなり、上記水洗大便器装置は、さらに、上記所定の設置位置に組み付けられた状態の上記タンクの姿勢が水平状態に維持されるように上記タンクを上記便器本体に対して固定可能にする固定部を有する請求項3記載の水洗大便器装置。
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