JP6786202B2 - 歯列矯正用のインプラント構造、及び、歯列矯正用のインプラント治具 - Google Patents
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Description
一方、第二スクリューがベースプレートの第二面側から第二取付孔に挿通されると共に、第一面から挿通方向前方に突出した部分が顎骨等の骨に埋め込まれることで、ベースプレートは第二スクリューの頭部によって、第二面から第一面に向かう方向に直接支持される。
従って、上記の歯列矯正用のインプラント構造によれば、第一スクリュー及び第二スクリューが骨から抜けることなく、骨に強く固定されるとともに、ベースプレートが骨に直接支持されず、第一スクリュー及び第二スクリューによって直接支持され、骨の上方で安定する。
また、上記の歯列矯正用のインプラント構造によれば、ベースプレートがその厚み方向においてストッパー及びビスによって挟持されるので、ベースプレートがより安定して支持される。
上記の歯列矯正用のインプラント構造によれば、第二スクリューが第二面側から第一面側に向けて挿通された際に、当接面が座面に当接するので、ベースプレートの第二面から第一面に向かう方向における第二スクリューの頭部による支持が強くなる。
例えば、ベースプレートの固定位置が所定の位置とずれた場合であっても、取付部の位置が容易に変更されるので、ベースプレートを上部構造体に合わせて高い精度で位置決めして固定する必要がなく、大まかな位置に固定すればよいこととなる。従って、これらの作業が簡単になり、作業効率が向上し、手間と時間が低減される。
また、プレート部分における切欠部の形成位置、向き、形成箇所数等を変えることで、ベースプレートを所望の形状に屈曲させることが可能になる。
さらに、従来のように部品点数を増やさずに、上部構造体を所定の姿勢に位置決めすることができるので、複雑な構造にならず、コストの低減が図られる。
上記の歯列矯正用のインプラント構造によれば、プレート部分の幅寸法が小さく形成されている箇所を中心にしてプレート部分が屈曲し易くなる。
上記の歯列矯正用の治具によれば、骨に直接支持されず、第一スクリュー及び第二スクリューに直接支持され、ガタつくことなく、安定して固定される。従って、この治具に上部構造体、プレートやワイヤー等が安定して支持及び固定される。
インプラント構造2は、口腔内の顎部の不図示の骨に埋め込ませて使用するためのものである。詳しくは、骨に第一スクリュー6及び第二スクリュー8を埋め込み、第一スクリュー6及び第二スクリュー8にベースプレート4を支持させ、ベースプレート4に上部構造体10を接続及び固定して口腔内に配置し、上部構造体10に不図示の矯正用ブラケット等をろう着等により固着し、それに不図示の矯正用ワイヤー、エラスティックス、スプリング等を介して所定の歯(図示略)に接続することで、歯を所定の方向に移動させるために使用するものである。
第一スクリュー6は、例えばチタン、チタン合金等の生体親和性の高い材料から構成されている部材である。第一スクリュー6は、第一頭部6aと、第一頭部6aからスクリュー軸方向D6に沿って突出し、骨に埋め込まれる第一スクリュー本体6bと、を有する。ここで、第一頭部6a、第一スクリュー本体6bはそれぞれ、本願の第一スクリューの頭部、スクリュー本体に相当する。
本実施形態では、雌ねじの進入方向の先端は第一スクリュー本体6bの内部には達していないが、凹部の第一頭部6aの上面からの深さ方向の底端は、第一スクリュー本体6bの内部に達している。
ストッパー16は、第一頭部6a側の第一スクリュー本体6bの端部からスクリュー軸方向D6に直交する径方向D7に向けて突出するように形成されている。スクリュー軸方向D6に沿って断面視すると、嵌合部14側のストッパー16の上面16uは径方向D7に平行をなしているが、第一スクリュー本体6b側のストッパー16の下面16dは径方向D7に拡径した先端部から基端部に向かうに従い、第一スクリュー本体6bの埋め込み方向の先端6c側に漸次近づいている。このような形状で形成されていることで、第一スクリュー本体6bが骨に対して容易に埋め込まれ、矯正者への負担も軽減される。
なお、本実施形態のストッパー16は第一スクリュー本体6bの周方向の全体から径方向D7に向けて突出するように、即ち環状に形成されているが、ストッパー16は第一スクリュー本体6bの周方向の一部のみから突出するように形成されていてもよい。
ビス本体12bに形成された雄ねじの軸方向D12における長さ寸法は、ビス12の頭部12aと第一スクリュー6のストッパー16との間で後述するベースプレート4が安定して支持されれば、特に限定されない。
第二スクリュー8は、例えばチタン、チタン合金等の生体親和性の高い材料から構成されている部材である。第二スクリュー8は、第二頭部8aと、第二頭部8aからスクリュー軸方向D8に沿って突出し、骨に埋め込まれる第二スクリュー本体8bと、を有する。ここで、第二頭部8aは、本願の第二スクリューの頭部に相当する。
図6から図8に示すように、第二頭部8aは第二スクリュー本体8bとの連結位置では第二スクリュー本体8bと同等の径寸法とされ、第二スクリュー本体8bからスクリュー軸方向D8に沿って離間するのに従って径寸法が拡大するように形成されている。
本実施形態では、骨にできるだけねじ切りして第二スクリュー8を安定させる目的で、第二スクリュー本体8bの外周部に形成された雄ねじが第二頭部8aの第二スクリュー本体8b側の端部にも進入して形成されている。
ベースプレート4は、例えばチタン、チタン合金等の生体親和性の高い材料から構成されている部材である。図9から図12に示すように、ベースプレート4は、所定の肉厚を有する長尺状(帯状体)を呈し、口腔内の顎骨等の骨側に向けて配置される第一面4pと、その反対側に配置される第二面4qと、を有する。
本実施形態では、第一取付孔24Aの内周は、平面視において第一スクリュー6の第一頭部6a(即ち本実施形態では、嵌合部14)と同じ断面形状である六角形状をなすように形成され、第一取付孔24Aに嵌合部14が嵌合可能とされている。
また、第一取付孔24Bの内周も平面視において六角形状をなすように形成されているが、ベースプレート4の長手方向に平行に延びる辺が長い長孔をなしている。このように第一取付孔24Bがベースプレート4の長手方向において長穴とされていることで、二本の第一スクリュー6,6間の距離が一定でない場合や、互いにスクリュー軸方向D6同士を平行に配置させた状態で埋め込むことができない場合であっても、一方の第一スクリュー6の嵌合部14を第一取付孔24Aに嵌合させ、他方の第一スクリュー6の嵌合部14を長穴の範囲内において第一取付孔24Bに嵌合させて、ベースプレート4をこれらのスクリューに取り付けることができる。
本実施形態では、第二取付孔26は第二スクリュー8の第二頭部8aの外形に沿うように第一面4p側から第二面4q側に向けて拡径されている。従って、第二取付孔26の側壁には、第一面4p側から第二面4q側に向けて拡径された座面27が形成されている。座面27には、第二スクリュー8の当接面18が当接可能とされている。
なお、図2に示すベースプレート4は一例であり、ベースプレート4は屈曲していなくてもよい。
また、第一取付孔24A,24B及び第二取付孔26が形成されていないベースプレート4の長手方向の端部4dには、ベースプレート4の軸線を挟んで対向する切欠部30,30が形成され、後述する上部構造体10をベースプレート4に取り付けるための取付部32が設けられている。
ベースプレート4において取付部32が設けられている部分は、平面視で拡径するように形成されている。
なお、取付部32は、ベースプレート4の第一面4p側に所定の寸法で突出するように設けられていてもよい。また、取付部32は、複数設けられていてもよい。
また、上部構造体10は、不図示の矯正用ブラケット等をろう着等により固着し、それに不図示の矯正用ワイヤー、エラスティックス、スプリング等を接続するための構成をさらに備えていてもよい。
ビス本体40bに形成された雄ねじの軸方向D40(図2及び図4参照)における長さ寸法は、本実施形態ではベースプレート4の取付部32に形成された雌ねじのベースプレート4の厚み方向(即ち、第二面4q側から第一面4p側に向かう方向)における深さ寸法よりも小とされている。なお、この雄ねじの軸方向D40における長さ寸法は、特に限定されず、ビス40が安定してベースプレート4に支持可能とされていれば、特に限定されない。
続いて、専用のドライバ(図示略)等の工具を使用し、ビス40のビス本体40bに形成された雄ねじを取付部32に形成された雌ねじに螺合させることで、上部構造体10をベースプレート4に固定する。
この後、上部構造体10に対して、不図示の矯正用ブラケット等をろう着等により固着し、それに不図示の矯正用ワイヤー、エラスティックス、スプリング等の歯列固定具を接続する。また、これらの歯列固定具と矯正対象の歯又は歯列とを連結させる。
以上の工程によって、インプラント構造2を口腔内の顎部等の不図示の骨に埋め込ませ、かつ矯正対象の歯又は歯列をインプラント構造2に固定することができる。
一方、第二スクリュー8をベースプレート4の第二面4q側から第二取付孔26に挿通するとともに、第一面4pから挿通方向前方に突出した部分を顎骨等の骨に埋め込むことで、ベースプレート4は、第二スクリュー8の第二頭部8aによって、第二面4q側から第一面4p側に向かう方向に押圧され、第二スクリュー8にも直接支持される。
このような構成では、第一スクリュー6及び第二スクリュー8が骨から抜けることなく、骨に強く固定されるとともに、ベースプレート4が骨に直接支持されず、第一スクリュー6及び第二スクリュー8によって安定して支持される。そのため、ベースプレート4のガタつきをなくすことができる。
また、プレート部分における切欠部30,30の形成位置、向き、形成箇所数等を変えることで、ベースプレートを所望の形状に屈曲させることが可能になる。
さらに、従来のように部品点数を増やさずに、上部構造体10を所定の姿勢に位置決めすることができるので、インプラント構造2が複雑な構造にならず、コストの低減も図ることができる。
また、本実施形態のインプラント構造2によれば、ベースプレート4にその幅寸法を縮小する切欠部30,30が形成されているので、プレート部分の幅寸法が小さく形成されている箇所を中心にしてプレート部分を屈曲し易くなる。
上記のように、本実施形態のベースプレート4によれば、骨に直接支持されず、第一スクリュー6及び第二スクリュー8に安定して直接支持されるので、上記説明した種々の効果が得られる。
このような構成では、図13(c)に示すように、上記実施形態と同様に第一スクリュー6Bの第一スクリュー本体6bを骨に埋め込み、骨から突出した嵌合部14に第一取付孔24A(または第一取付孔24B)を第一面4p側から嵌合させれば、ベースプレート4が第一スクリュー6Bに取り付けられる。そして、ベースプレート4の第二面4q側から第一スクリュー6Bの第一頭部6aの雄ねじにナット13の雌ねじを螺合させると、ベースプレート4が第一スクリュー6Bに固定される。このようにして、ベースプレート4は、第一スクリュー6Bとナット13との間に挟持され、骨ではなく、第一スクリュー6Bに直接支持される。
従って、上記の第一変形例の構成によれば、上記実施形態と同様に、第一スクリュー6B及び第二スクリュー8が骨から抜けることなく、骨に強く固定されるとともに、ベースプレート4が骨に直接支持されず、第一スクリュー6B及び第二スクリュー8によって安定して支持されるため、ベースプレート4のガタつきをなくすことができる。
図示するように、本発明のベースプレート4に形成される第一及び第二取付孔の数及び配置、取付部32の数及び配置はそれぞれ特に限定されず、歯列矯正に応じて適宜変更することができる。例えば、図14(a)に示すように、第一変形例のベースプレート4Aの一方の端部4dから他方の端部4cに向けて長手方向に沿って取付部32、第一取付孔24A、第二取付孔26、第一取付孔24Bが順次形成されていてもよい。また、図14(b)に示すように、第二変形例のベースプレート4Bの一方の端部4dから他方の端部4cに向けて長手方向に沿って第一取付孔24A、取付部32、第一取付孔24B、第二取付孔26が順次形成されていてもよい。また、図14(c)に示すように、第三変形例のベースプレート4Cの一方の端部4dから他方の端部4cに向けて長手方向に沿って第一取付孔24A、第二取付孔26、取付部32、第二取付孔26、第一取付孔24Bが順次形成されていてもよい。また、図14(d)に示すように、第四変形例のベースプレート4Dの一方の端部4dから他方の端部4cに向けて長手方向に沿って第一取付孔24B、第二取付孔26、取付部32、第一取付孔24B、第二取付孔26が順次形成されていてもよい。
さらに、図14(e)に示すように、第五変形例のベースプレート4Eは互いに直交する二方向に延びている。二方向のうち一の方向(即ち、図14(e)に示す長軸方向)に延びている部分には、一方の端部4dから他方の端部4cに向けて長軸方向に沿って第一取付孔24B、取付部32、第一取付孔24Aが順次形成され、取付部32を共有し且つ前記長軸方向に直交する短軸方向に沿って第二取付孔26が順次形成されていてもよい。このようにベースプレート4は長尺以外の形状で形成されていてもよく、ベースプレート4の平面視形状は特に限定されず、歯列矯正に応じて適宜変更することができる。
4,4A,4B,4C,4D,4E…ベースプレート(歯列矯正用のインプラント治具)
4p…第一面
4q…第二面
6,6B…第一スクリュー
6a…第一頭部(第一スクリューの頭部)
6b…第一スクリュー本体(第一スクリューのスクリュー本体)
8…第二スクリュー
8a…第二頭部(第二スクリューの頭部)
8b…第二スクリュー本体
10…上部構造体
12…ビス(プレート固定具)
13…ナット(プレート固定具)
14…嵌合部
18…当接面
24A,24B…第一取付孔
26…第二取付孔
27…座面
30,30…切欠部
32…取付部
D6,D8…スクリュー軸方向
Claims (5)
- 口腔内の骨に埋め込ませて使用するための歯列矯正用のインプラント構造であって、
前記骨に埋め込まれるスクリュー本体及び該スクリュー本体の頭部にねじが形成された嵌合部を有する第一スクリューと、
前記ねじに螺合可能なプレート固定具と、
前記骨に埋め込まれるスクリュー本体及び頭部を有する第二スクリューと、
前記骨側に向けて配置される第一面と、前記第一面の反対側に配置される第二面と、を有するとともに、前記第一面側から前記嵌合部が嵌合可能な第一取付孔と、前記第二面側から前記第二スクリューを挿入可能であって前記第二スクリューの前記頭部を係止可能な第二取付孔と、が形成されたベースプレートと、
を備え、
前記ベースプレートは、前記骨ではなく前記第一スクリューにより、前記第一面から前記第二面に向かう方向に支持され、
前記ベースプレートは、前記第二スクリューにより、前記第二面から前記第一面に向かう方向に支持され、
前記第一スクリューは、スクリュー軸方向で前記嵌合部と前記スクリュー本体との間に、前記スクリュー軸方向に直交する径方向外側に向けて前記嵌合部及び前記スクリュー本体よりも突出するストッパーを有し、
前記ベースプレートの前記第二取付孔の周囲の前記第一面は、前記ベースプレートの前記第一取付孔の周囲の前記第一面よりも前記ストッパーの厚みと同じ高さで前記第二面から離れる方向に突出している、
歯列矯正用のインプラント構造。 - 前記第二取付孔には、前記第一面側から前記第二面側に向けて拡径された座面が形成され、
前記第二スクリューの前記頭部には、前記座面に当接する当接面が設けられている、
請求項1に記載の歯列矯正用のインプラント構造。 - 前記ベースプレートはプレート形状をなし、
前記ベースプレートに前記第一取付孔、前記第二取付孔及び歯列矯正に用いる上部構造体を着脱自在に取り付ける取付部が設けられ、
前記第一取付孔又は前記第二取付孔と前記取付部との間には、プレート部分を任意の方向に向けて屈曲させるための切欠部が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の歯列矯正用のインプラント構造。 - 前記切欠部は、前記プレート部分の所定箇所の幅寸法を小さくして形成されている、
請求項3に記載の歯列矯正用のインプラント構造。 - 第一スクリューと、プレート固定具と、第二スクリューによって骨に対して間接的に固定可能に形成された歯列矯正用のインプラント治具であって、
前記骨側に向けて配置される第一面と、前記第一面の反対側に配置される第二面と、を有する帯状体を備え、
前記第一スクリューは、前記骨に埋め込まれるスクリュー本体と、該スクリュー本体の頭部にねじが形成された嵌合部と、前記スクリュー本体と嵌合部との間に形成されてスクリュー軸方向に直交する径方向外側に向けて前記スクリュー本体及び前記嵌合部よりも突出するストッパーと、を有し、
前記第二スクリューは、前記骨に埋め込まれるスクリュー本体と、頭部と、を有し、
前記帯状体には、前記第一面側から前記第一スクリューの前記嵌合部が嵌合し、且つ該嵌合部に設けられたねじに前記第二面側から前記プレート固定具を螺合可能とする第一取付孔と、前記前記第二面側から前記第二スクリューを挿入可能であって前記第二スクリューの頭部を係止可能とする第二取付孔と、が形成され、
前記帯状体において、前記第二取付孔の周囲の前記第一面は、前記第一取付孔の周囲の前記第一面よりも前記ストッパーの厚みと同じ高さで前記第二面から離れる方向に突出している、
歯列矯正用のインプラント治具。
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