以下に添付図面を参照して、この発明にかかる貯蓄支援装置、貯蓄支援方法および貯蓄支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(貯蓄支援システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の貯蓄支援装置を含む貯蓄支援システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の貯蓄支援装置を含む貯蓄支援システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の貯蓄支援システム100は、貯蓄支援装置を実現するカード会社サーバ110と、金融機関サーバ120と、店舗サーバ130と、決済端末装置140と、利用者の端末装置150と、を含んで構成されている。カード会社サーバ110、金融機関サーバ120、店舗サーバ130は、たとえば、汎用的なサーバコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(図2Aを参照)。
カード会社サーバ110は、たとえば、カード会社によって管理される。ここで、カード会社は、たとえば、クレジットカードを用いた決済(カード決済)を実現するカード決済システムに用いるクレジットカードを発行するカード発行会社や、カード加盟店からの決済情報の通知を受ける加盟店管理会社(アクワイアラ)によって実現することができる。
カード会社サーバ110は、インターネットなどのネットワーク101に接続されている。これにより、カード会社サーバ110は、インターネットなどのネットワーク101を介して、金融機関サーバ120、店舗サーバ130、決済端末装置140および利用者の端末装置150との間で通信することができる。
カード会社サーバ110は、各種のデータベースを格納する記憶装置110aを備えている。記憶装置110aは、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が一体的に備えるものに限らず、カード会社サーバ110とは別体で設けられていてもよい。また、記憶装置110aは、単一の記憶装置110aによって実現されるものに限らず、複数の記憶装置110aによって実現されるものであってもよい。
カード会社サーバ110は、ネットワーク101を介して、金融機関サーバ120、店舗サーバ130、決済端末装置140および利用者の端末装置150との間で通信し、各種のデータベースに記憶された情報を用いて、利用者が提供を受けた商品やサービスの対価を、カードを用いて支払う決済(以下「カード決済」という)をおこなう。
具体的に、記憶装置110aは、たとえば、カードの利用者に関する情報など、クレジットカードなどのカードを用いて支払う決済(以下「カード決済」という)の実行にかかる各種の情報を格納する各種のデータベースを格納している。カード会社サーバ110は、たとえば、カードの発行時や、カードの所有者(ユーザ)からの住所変更の要望があった場合に、顧客情報データベースを更新する。
また、具体的に、記憶装置110aは、たとえば、カード決済の履歴に関する情報が登録されるカード決済情報データベースを格納している。カード会社サーバ110は、カード決済がおこなわれるごとに、カード決済の履歴に関する情報をカード決済情報データベースに登録する。
また、具体的に、記憶装置110aは、たとえば、自動貯蓄支援データベース(図4Aを参照)など、貯蓄支援システム100を用いた貯蓄支援サービスの提供にかかる各種のデータを記憶する各種のデータベースを格納している。自動貯蓄支援データベースについては、説明を後述する。
また、カード会社サーバ110は、Webサーバとしての機能も実現する。すなわち、カード会社サーバ110は、WWW(World Wide Web)システムにおいて情報送信における情報送信機能を備えており、HTTP(HyperText Transfer Protocol)にしたがって、利用者の端末装置150などのコンピュータ装置にインストールされたウェブブラウザに対して、HTML(HyperText Markup Language)や画像などの各種オブジェクトを表示させるサービスプログラムがインストールされている。
カード会社サーバ110は、上記のサービスプログラムを動作させることにより、利用者の端末装置150にインストールされたウェブブラウザを介して、利用者の端末装置150に文書(HTML)や画像(オブジェクト)などを表示させる。カード会社サーバ110は、具体的には、たとえば、利用者の端末装置150において、貯蓄支援サービスの利用者の貯蓄条件を表示するウェブサイト(ウェブサイトを構成する各ウェブページ)や、貯蓄支援サービスの利用者の最新の貯蓄額を表示するウェブサイトなどを表示させる。
金融機関サーバ120は、金融機関に設けられ、当該金融機関によって管理される。金融機関は、預け入れのための口座(預貯金口座)を開設することができ、利用者の預貯金を取り扱う機関によって実現することができる。具体的に、金融機関は、たとえば、銀行や郵便局などによって実現することができる。
口座は、それぞれ、口座ごとに固有の情報によって実現される口座の口座番号が割り当てられている。口座番号は、たとえば、各口座固有の口座番号(3桁の数字)や銀行を識別するために銀行ごとの銀行番号(3桁の数字)などによって構成することができる。
金融機関サーバ120は、口座番号ごとに、口座を開設した利用者に関する情報を関連づけて記憶する口座開設者データベースを備えている。口座開設者データベースは、利用者に関する情報として、たとえば、口座を開設した利用者の氏名や連絡先(住所など)、預金額、入出金履歴などを記憶している。
金融機関サーバ120は、ネットワーク101に接続されており、ネットワーク101を介してカード会社サーバ110などとの間で通信をおこなう。金融機関サーバ120は、ネットバンキングなどの電子商取引の際に、ネットワーク101を介して利用者の端末装置150とも接続して通信をおこなうことができる。
貯蓄支援システム100によって提供される貯蓄支援サービスにおいては、クレジットカードに代えて、あるいは加えて、たとえば、デビットカードを用いたカード決済に適用してもよい。デビットカードは、たとえば、銀行や郵便局などの金融機関が発行する、デビットカードとして利用可能なキャッシュカードを用いてもよい。
デビットカードを用いたカード決済においては、店舗での決済に際して、決済金額および利用者の暗証番号を決済端末に入力することにより、決済金額が利用者の口座から即時に引き落とされる。利用者の口座から引き落とされた決済金額は、金融機関から該当する店舗の口座に入金される。
貯蓄支援システム100において、カードは、たとえば、プラスチック製の板形状をなす基体にICチップを搭載したICチップ内蔵カードによって実現することができる。カードが搭載するICチップには、各カードに固有の情報である、カードの識別情報が記憶されている。カードの識別情報は、たとえば、所定桁数の数字やアルファベットによって実現することができる。
カードは、基体に磁気製の帯を設けた磁気ストライプカードによって実現されるものであってもよい。この場合、カードに設けられた磁気ストライプには、カードのカード番号が記憶されている。カード番号は、たとえば、当該カードがクレジットカードである場合はクレジットカード番号によって実現することができ、当該カードがデビットカードである場合は当該デビットカードによるカード決済にかかる引落口座の口座番号によって実現することができる。
店舗サーバ130は、各店舗に設けられ、各店舗に設けられた決済端末装置140との間で通信をおこなう。店舗サーバ130は、店舗における取扱商品の商品番号、商品名、商品属性、商品価格などを関連づけて記憶する商品情報データベースを備えていてもよい。店舗サーバ130は、ネットワーク101に接続されており、該当する店舗に設けられた決済端末装置140との通信内容に基づいて、カード会社サーバ110との間で通信をおこなう。
店舗端末装置は、具体的には、たとえば、決済端末装置140との通信内容に基づいて、カード会社サーバ110に対して決済情報を送信する。決済情報は、クレジットカード(あるいはデビットカード)のカード番号などの利用者の識別情報や、カード決済にかかる決済金額を含む。
利用者の識別情報は、利用者ごとに固有の情報であって、たとえば、任意の桁数の数字やアルファベットなどによって実現することができる。利用者の識別情報は、カード番号のように貯蓄支援サービスの提供者(貯蓄支援システム100の運用者など)が設定するものであってもよく、利用者の申請に基づいて設定されるものであってもよい。
決済端末装置140は、具体的には、たとえば、CAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末装置140によって実現することができる(図2Cを参照)。決済端末装置140は、POS端末に接続され、あるいはPOS端末に一体に組み込まれ、POS端末を介してネットワーク101に接続されていてもよい。
決済端末装置140は、店舗サーバ130を介してネットワーク101に接続されるものに限らず、直接ネットワークに接続されていてもよい。この場合、決済端末装置140は、自装置において読み取ったクレジットカード(あるいはデビットカード)のカード番号などの利用者の識別情報や、カード決済にかかる決済金額を含む決済情報を、カード会社サーバ110に送信する。
利用者の端末装置150は、ネットワーク101に接続可能な、通信機能を備えたコンピュータ装置によって実現される。具体的に、利用者の端末装置150は、たとえば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット端末などのコンピュータ装置によって実現することができる。
利用者の端末装置150は、貯蓄支援システム100が提供するサービスを享受するための所定のプログラムがインストールされており、インストールされている所定のプログラムを実行することにより、貯蓄支援装置と通信することができる。また、利用者の端末装置150は、ネットバンキングなどの電子商取引の際に、ネットワーク101を介して金融機関サーバ120と通信することができる。
(カード会社サーバ110のハードウエア構成の一例)
つぎに、カード会社サーバ110のハードウエア構成の一例について説明する。図2Aは、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Aにおいて、貯蓄支援装置であるカード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)211と、メモリ212と、ネットワークI/F(Interface)213と、を備えている。コンピュータ装置が備える各部211〜213は、バス210によってそれぞれ接続されている。CPU211は、コンピュータ装置の全体の制御をつかさどる。
メモリ212は、CPU211のワークエリアとして使用される。メモリ212は、たとえば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、HD(Hard Disc)およびSSD(Solid State Drive)などによって実現することができる。
メモリ212を実現するHDDやSSDなどの記憶装置110aは、カード会社サーバ110に一体的に備えるものに限らず、カード会社サーバ110とは別体で設けられていてもよい。メモリ212は、単一の記憶装置110aによって実現されるものに限らず、複数の記憶装置110aによって実現されるものであってもよい。
メモリ212は、ブートプログラムなどのプログラムや各種のデータベースを構成するデータなどを記憶している。メモリ212は、この発明にかかる実施の形態の貯蓄支援プログラムを記憶している。また、メモリ212は、たとえば、貯蓄支援サービスの提供にかかる各種のデータを記憶する各種のデータベースなどを記憶している。
ネットワークI/F213は、ネットワーク101に接続され、コンピュータ装置の内部と外部装置とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置の内部と外部装置と、の間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F213は、電話回線網に接続され、利用者のスマートフォン(あるいは、携帯型電話機、PHS)などに対して、電子メールなどを送信する際に用いることができる。
金融機関サーバ120、ウェブサーバは、図2Aのハードウエア構成によって示されるコンピュータ装置と同様のコンピュータ装置によって実現することができる。金融機関サーバ120、ウェブサーバを実現するコンピュータ装置のハードウエア構成については説明を省略する。
(利用者の端末装置150のハードウエア構成の一例)
つぎに、利用者の端末装置150のハードウエア構成の一例について説明する。図2Bは、利用者の端末装置150を実現するスマートフォンのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Bにおいて、利用者の端末装置150(スマートフォン)は、CPU221と、メモリ222と、ネットワークI/F223と、ディスプレイ224と、操作部225と、マイク226と、スピーカー227と、カメラ228と、を備えている。利用者の端末装置150が備える各構成部221〜228は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、利用者の端末装置150の全体の制御をつかさどる。CPU221は、メモリ222が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、利用者の端末装置150の全体の制御をつかさどる。メモリ222は、ROM、RAMなどによって実現することができる。
ネットワークI/F223は、ネットワーク101を介して、外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F223は、電話回線網に接続されており、別のスマートフォン(あるいは、携帯型電話機やPHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
ディスプレイ224は、たとえば、利用者の端末装置150であるスマートフォンにおいて設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ224は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
操作部225は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部225は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部225は、当該操作部225に対する入力操作に応じた信号をCPU221に対して出力する。
操作部225をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイ224の表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
マイク226は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカー227は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。カメラ228は、操作部225の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、メモリ222などに記憶される。
(決済端末装置140のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する決済端末装置140のハードウエア構成について説明する。図2Cは、決済端末装置140のハードウエア構成を示す説明図である。
図2Cにおいて、決済端末装置140は、CPU231と、メモリ232と、ネットワークI/F233と、ディスプレイ234と、キーボード235と、ブザー236と、カードリーダ237と、プリンタ238と、を備えている。また、決済端末装置140が備える各部231〜238は、バス230によってそれぞれ接続されている。
CPU231は、決済端末装置140全体の制御をつかさどる。CPU231は、メモリ232が記憶する、カード決済に際して実行させる各種のプログラムやデータを用いて、決済端末装置140の全体の制御をつかさどる。メモリ222は、ROM、RAMなどによって実現することができる。メモリ232は、CPU231のワークエリアとして使用される。CPU231は、カード決済に際して、ネットワークI/F233を介してカード会社サーバ110や金融機関サーバ120との間で通信をおこなう。
キーボード235は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、カードの利用者による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。キーボード235は、入力された情報をCPU231に出力する。ディスプレイ234は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ234を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ234を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
ブザー236は、決済端末装置140においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー236としては、たとえば圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。カードリーダ237は、クレジットカードなどの、利用者のカードを用いた決済において、利用者のカードに記録された情報を読み出し、読み出された情報をCPU231に対して出力する。
利用者のカードは、たとえば、銀行などの金融機関が預貯金口座の開設者(利用者)に発行するキャッシュカードなどのカードによって実現することができる。
プリンタ238は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ238は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ238は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ238は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
(貯蓄支援サービスの提供手順)
つぎに、貯蓄支援システム100を用いた貯蓄支援サービスの提供手順について説明する。図3は、貯蓄支援サービスの提供手順を示す説明図である。貯蓄支援サービスを利用する利用者は、貯蓄支援サービスの利用に先立って所定の手続きをおこない、貯蓄支援サービスの提供者に対して貯蓄支援サービスの利用に供する各種の情報を提供する(図3における(0)を参照)。
具体的には、図3における(0)においては、たとえば、利用者の識別情報、貯蓄目的、貯蓄口座などの情報を提供する。さらに、図3における(0)においては、たとえば、貯蓄目的にかかる貯蓄目標額や、同一の貯蓄目的に賛同する利用者が複数存在する場合は各利用者の寄与率などの情報を提供してもよい。
引落口座の口座番号は、カードの発行時に設定されているため、必要に応じて提供する。寄与率は、同一の貯蓄目的に賛同する利用者が複数存在する場合に適宜設定する。支出科目は、貯蓄支援サービスの利用にあたっての必須の情報としてもよく、あるいは、必須の情報ではなく同一の利用者が複数の貯蓄目的を設定する場合に設定するようにしてもよい。
貯蓄目標額は、利用者が任意に設定することができる。同一の貯蓄目的に賛同する利用者が複数存在する場合、貯蓄目標額は、各利用者がそれぞれ設定あるいは変更できるようにしてもよく、貯蓄目標を設定した利用者のみなどのように設定あるいは変更ができる利用者に制限を設けてもよい。貯蓄目標額は、貯蓄支援サービスの利用にあたっての必須の情報としてもよく、あるいは、必須の情報ではなく利用者が任意に設定する情報であってもよい。
また、貯蓄支援サービスを利用する利用者は、貯蓄支援サービスの利用に先立って、当該利用者の端末装置150に、カード会社サーバ110にインストールされたサービスプログラムの提供を受けるためのウェブブラウザをインストールしておく。ウェブブラウザは、汎用的な、公知の各種のウェブブラウザを利用することができる。
図3においては、利用者A、利用者Aと同居する利用者B(利用者Aの妻)、利用者Aとは別居している利用者C(利用者Aの親)が、利用者Aとその家族が利用者Cの家に帰省するために、「帰省資金」という同一の貯蓄目的を、「貯蓄目標額」を100,000円に設定している場合を示している。
図3に示すように、貯蓄支援サービスにおいて、利用者Aが10,000円のカード決済をおこなうと(図3における(1)を参照)、当該カード決済にかかる決済情報(図3における(2)を参照)に基づいて、該当する貯蓄目的にかかるデータを特定する(図3における(3)を参照)。
特定された貯蓄目的にかかるデータは、貯蓄目的のほか、たとえば、貯蓄目標額や賛同者および各賛同者の寄与率などを含む。貯蓄目的は、利用者が貯蓄の目的を分類するために用いる情報であって、貯蓄目標額や賛同者および各賛同者の寄与率は、カード決済にかかる決済金額に対する追加貯蓄額の算出に供される。具体的に、図3の例においては、利用者Aの寄与率が40%、利用者Bの寄与率が10%、利用者Cの寄与率が50%であることを示している。
追加貯蓄額は、貯蓄に供される金額を示し、カード決済にかかる決済金額と寄与率とに基づいて算出される。具体的に、図3の例においては、寄与率が40%に設定された利用者Aがおこなったカード決済にかかる決済金額が10,000円であるため、利用者Aにかかる追加貯蓄額は10,000円×40%=4,000円と算出される。同様に、利用者Bにかかる追加貯蓄額は1,000円、利用者Cにかかる追加貯蓄額は5,000円と算出される。
貯蓄支援サービスにおいては、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合、追加貯蓄額は、カード決済をおこなった利用者にかかわらず、同一の貯蓄目的に賛同する利用者すべての利用者にかかる追加貯蓄額を算出する。あるいは、貯蓄支援サービスにおいては、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合、カード決済をおこなった利用者のみの追加貯蓄額を算出してもよい。
そして、算出された利用者ごとの追加貯蓄額を、該当する各引落口座から当該各引落口座とは別の貯蓄口座に移動する(図3における(4)〜(6)を参照)。引落口座は、たとえば、カード決済にかかる決済金額の引落口座(カードの引落口座)とすることができる。追加貯蓄額の貯蓄口座への移動は、たとえば、カード決済にかかる決済金額の引き落とし日におこなう。あるいは、追加貯蓄額の貯蓄口座への移動は、たとえば、カード決済をおこなう都度おこなってもよい。
これにより、カード決済をおこなうごとに、当該カード決済にかかる決済金額に応じた追加貯蓄額が貯蓄口座に貯蓄される。このように、カードを利用するごと、すなわち、カード決済をおこなったことに起因して、当該カード決済にかかる決済金額より多くの額をカードの引落口座における預金額から減額することにより、利用者は心理的に無駄遣いをしづらくなる。
なお、カード決済にかかる決済金額の引き落とし日に追加貯蓄額の貯蓄口座への移動をおこなう運用において、引落口座における残額が、当該引き落とし日に引き落とす引落額(実際におこなったカード決済にかかる決済金額)と追加貯蓄額との合計金額よりも少ない場合、引落日以降のカードの利用に制限を設けるようにしてもよい。具体的には、たとえば、引落日以降のカードの利用額の上限をあらかじめ規定されている上限額よりも少なくしてもよい。
また、カード決済にかかる決済金額の引き落とし日に追加貯蓄額の貯蓄口座への移動をおこなう運用において、引落口座における残額が、当該引き落とし日に引き落とす引落額(実際におこなったカード決済にかかる決済金額)と追加貯蓄額との合計金額よりも少ない場合、引落額の引き落としを優先させ、追加貯蓄額の引き落としはおこなわないようにしてもよい。
さらに、貯蓄支援サービスにおいては、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合、カード決済をおこなった利用者のみについて、追加貯蓄額にかかる資金移動をおこなってもよい。この場合、カード決済をおこなっていない利用者については追加貯蓄額の引き落としはおこなわれず、カード決済をおこなった利用者ほど多くの追加貯蓄額が引落口座から貯蓄口座に移動される。
(自動貯蓄支援データベースの一例)
つぎに、自動貯蓄支援データベースの一例について説明する。図4Aは、自動貯蓄支援データベースの一例を示す説明図である。図4Aにおいて、自動貯蓄支援データベース410は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212に設けることができる。
自動貯蓄支援データベース410は、貯蓄目的ごとに、当該貯蓄目的に賛同する利用者の識別情報と引落口座(の口座番号)とを関連づけて記憶する。自動貯蓄支援データベース410は、貯蓄目的ごとに、同一の貯蓄目的に賛同する複数の利用者の識別情報と各利用者の引落口座とを関連づけて記憶することができる。
貯蓄目的は、利用者が貯蓄の目的を分類するために用いる情報であって、自動貯蓄支援データベース410において貯蓄目的を設定することにより、利用者は貯蓄目的ごとに同時に複数種類の貯蓄をおこなうことができる。貯蓄目的は、たとえば、「帰省資金」、「マイホームの頭金」、「教育資金」、「月1回の外食」などのように、利用者が任意に設定することができる。
利用者の識別情報は、たとえば、クレジットカードやデビットカードなどのカードに割り当てられた当該カード番号によって実現することができる。すなわち、この発明にかかるカードをクレジットカードによって実現する場合はクレジットカード番号によって利用者の識別情報を実現することができ、この発明にかかるカードをデビットカード機能を備えたキャッシュカードによって実現する場合は口座番号によって利用者の識別情報を実現することができる。
自動貯蓄支援データベース410が記憶する引落口座は、たとえば、カード決済にかかる決済金額の引落口座として指定された口座によって実現することができる。カード決済にかかる決済金額の引落口座は、利用者から提供された情報に基づいて、カードの発行時に設定される。あるいは、自動貯蓄支援データベース410が記憶する引落口座は、カード決済にかかる決済金額の引落口座として指定された口座とは別の口座によって実現されるものであってもよい。
また、自動貯蓄支援データベース410は、貯蓄目的ごとに、貯蓄口座(の口座番号)を関連づけて記憶する。貯蓄支援サービスにおいて、貯蓄口座は、引落口座とは別の口座によって実現する。これにより、利用者に対して、カード決済をおこなうことによる、カード決済にかかる決済金額の引落口座からの減額を明確に伝えることができる。
また、自動貯蓄支援データベース410は、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの寄与率を記憶する。同一の貯蓄目的に賛同する利用者が複数存在する場合、寄与率は、カード決済にかかる決済金額に対する寄与率とすることができる。すなわち、図4Aに示すように、同一の貯蓄目的に「総研太郎」、「総研花子」、「総研一郎」が賛同しており、かつ、総研太郎の寄与率が40%、総研花子の寄与率が10%、総研一郎の寄与率が50%である場合、カード決済にかかる決済金額が10,000円であれば、総研太郎にかかる追加貯蓄額は4,000円、総研花子にかかる追加貯蓄額は1,000円、総研一郎にかかる追加貯蓄額は5,000円と算出される。
貯蓄支援サービスの運営上、利用者ごとの寄与率は、同一の貯蓄目的に賛同する利用者の間において、事前の合意がなされているものとする。同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの寄与率は、最初に貯蓄目的を設定した利用者が設定あるいは更新できるものであってもよく、同一の貯蓄目的に賛同する各利用者がそれぞれ設定あるいは更新できるものであってもよい。
また、自動貯蓄支援データベース410は、決済金額ごとに寄与率を記憶していてもよい。具体的に、たとえば、図4Aに示すように、同一の貯蓄目的に「総研太郎」、「総研花子」、「総研一郎」が賛同している場合、「総研太郎または総研花子または総研一郎がおこなったカード決済にかかる決済金額が10,000円未満の場合はカード決済をおこなった利用者の寄与率を100%とし、総研太郎がおこなったカード決済にかかる決済金額が10,000円以上10万円未満の場合は総研太郎の寄与率を30%、総研花子の寄与率を20%、総研一郎の寄与率を50%とする」などのように設定することができる。
また、自動貯蓄支援データベース410は、貯蓄目的ごとに決済金額の支出科目を関連づけて記憶していてもよい。決済金額の支出科目は、たとえば、「電気代」、「ガス代」、「水道代」などの「光熱水費」、学校や塾の授業料などの「教育費」、外食にかかった「飲食費」、などのように設定することができる。支出科目は、貯蓄支援システム100の運用者があらかじめ複数設定した選択肢の中から利用者が選択することによって設定するものであってもよく、利用者が任意に設定するものであってもよい。
支出科目は、だれの支出であるかを限定してもよい。すなわち、追加貯蓄額の移動に際しては、支出科目自体の内容に加えて、当該追加貯蓄額の移動にかかるカード決済をおこなった利用者(カード決済の主体)を識別し、識別される利用者があらかじめ限定された特定の利用者であって、かつ、当該カード決済にかかる支出科目があらかじめ設定されている支出科目に該当する場合にのみ、決済金額に応じた追加貯蓄額の貯蓄口座への移動をおこなうようにしてもよい。
この場合、たとえば、上記のように、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同しているか否かにかかわらず、設定された支出科目にかかるカード決済をおこなった利用者のみの追加貯蓄額が算出され、当該カード決済をおこなった利用者の引落口座からのみ貯蓄口座への追加貯蓄額の移動がおこなわれるようにすることができる。そして、このように、支出科目においてだれの支出であるかを限定する運用においては、同一の貯蓄目的に賛同する複数の利用者のうちの特定の利用者以外の利用者の引落口座からの追加貯蓄額の移動はおこなわないようにすることができる。
あるいは、支出科目においてだれの支出であるかを限定する運用においては、追加貯蓄額の移動にかかるカード決済をおこなった利用者(カード決済の主体)を識別し、識別される利用者の属性あるいは当該識別される利用者に設定された条件などに応じて、追加貯蓄額の移動にかかる利用者を適宜変更するようにしてもよい。
この場合、具体的には、たとえば、上述した図4の例に示すように、複数の利用者(「総研一郎」、「総研太郎」および「総研花子」)が同一の貯蓄目的に賛同している状況において、複数の利用者のうちの特定の利用者(たとえば「総研一郎」)があらかじめ設定された支出科目(たとえば「交通費」)にかかるカード決済をおこなった場合には当該特定の利用者(「総研一郎」)の引落口座のみから貯蓄口座への追加貯蓄額の移動をおこなう一方、複数の利用者のうちの特定の利用者(たとえば「総研一郎」)以外の利用者(たとえば「総研太郎」や「総研花子」)があらかじめ設定された支出科目(たとえば「交通費」)にかかるカード決済をおこなった場合には、同一の貯蓄目的に賛同する各利用者(「総研一郎」、「総研太郎」および「総研花子」)の引落口座から貯蓄口座への追加貯蓄額の移動をおこなうような運用を実現することができる。
このような運用においては、支出科目に加えて、当該支出科目に関連付けられた「カード決済の主体」を識別することにより、「総研太郎」またはその妻である「総研花子」(すなわち息子夫婦)が「交通費」を支出した場合は、「総研太郎」の親である「総研一郎」が息子夫婦の「帰省資金」を援助する一方、「総研一郎」が「交通費」を支出しても、「総研太郎」または「総研花子」(すなわち息子夫婦)の引落口座からの追加貯蓄額の移動(貯蓄)は生じないようにすることができる。これにより、低所得の若夫婦を父母や祖父母が支援することができる。
さらに、このような運用においては、支出科目およびカード決済の主体に加えて寄与率を加味することにより、カード決済にかかる決済金額に応じて、該当する利用者の引落口座から設定条件に合致する追加貯蓄額を、貯蓄口座に移動することができる。このように複数の条件を加味して追加貯蓄額を算出したり追加貯蓄額の移動を選択的におこなったりすることにより、同一の貯蓄目的に賛同して共同して貯蓄をおこなう各利用者の利便性を確保することができる。
また、自動貯蓄支援データベース410は、貯蓄目的ごとに貯蓄目標額および最新の貯蓄額を関連づけて記憶していてもよい。貯蓄目標額は、貯蓄支援システム100の運用者が段階的に設定した目標額から利用者が選択することによって設定されるものであってもよく、貯蓄目的ごとに利用者が任意に設定することができるものであってもよい。
貯蓄目標額は、利用者が任意に設定することができる項目とし、貯蓄目標額を設定しなくてもよい。自動貯蓄支援データベース410において貯蓄目標額を設定し、かつ、同一の貯蓄目的に賛同する利用者が複数存在する場合、寄与率は、貯蓄目標額に対する寄与率とするとしてもよい。
具体的には、貯蓄目標額に対する寄与率とする場合は、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同しているか否かにかかわらず、カード決済をおこなった利用者のみの追加貯蓄額を算出する。そして、同一の貯蓄目的に複数の利用者のうち、貯蓄目標額に対する寄与率に相当する金額を貯蓄した利用者は、以降のカード決済から追加貯蓄額の算出および資金移動に関与しない。
最新の貯蓄額は、貯蓄目的ごとに算出された追加貯蓄額の合計金額によって示される。すなわち、最新の貯蓄額は、貯蓄口座ごとに、当該貯蓄口座に資金移動された追加貯蓄額の合計金額によって示される。追加貯蓄額は、カード決済にかかる決済金額に基づいて算出することができる。
自動貯蓄支援データベース410における貯蓄目的の設定に際しては、たとえば、まず、利用者の端末装置150において、貯蓄目的を示すテキスト情報などの情報の入力にかかる所定の入力操作を受け付ける。つぎに、入力されたテキスト情報や、入力した利用者の識別情報などを含む貯蓄目的設定要求を、当該利用者の端末装置150からカード会社サーバ110に対して送信する。そして、貯蓄目的設定要求を受信したカード会社サーバ110において、当該貯蓄目的設定要求に含まれる利用者の識別情報に関連づけて貯蓄目的を記憶する。
自動貯蓄支援データベース410において、既に設定された貯蓄目的にあらたな利用者の識別情報を関連づける場合、たとえば、まず、あらたな利用者の端末装置150において、既に設定された貯蓄目的を特定する情報の入力にかかる所定の入力操作を受け付ける。つぎに、入力された貯蓄目的を特定する情報や、当該特定する情報を入力したあらたな利用者の識別情報などを含む貯蓄目的設定要求を、当該利用者の端末装置150からカード会社サーバ110に対して送信する。そして、貯蓄目的設定要求を受信したカード会社サーバ110において、当該貯蓄目的設定要求に含まれる情報によって特定される貯蓄目的に、あらたな利用者の識別情報に関連づけて記憶する。
既に設定された貯蓄目的を特定する情報は、たとえば、既に設定された貯蓄目的を示すテキスト情報や、当該貯蓄目的を設定した利用者の識別情報などによって実現することができる。この場合、貯蓄支援サービスの運営上、既に設定された貯蓄目的にあらたな利用者の識別情報を関連づける場合、最初に貯蓄目的を設定する利用者と、あらたな利用者との間において、口頭、電子メール、SNS、手紙、その他の公知の方法により、既に設定された貯蓄目的を示すテキスト情報や当該貯蓄目的を設定した利用者の識別情報などの伝達がおこなわれているものとする。
貯蓄目標額の設定に際しては、たとえば、まず、利用者の端末装置150において、貯蓄目標額を示す情報の入力にかかる所定の入力操作を受け付ける。つぎに、入力された貯蓄目標額を示す情報や、入力した利用者の識別情報、および当該貯蓄目標額を設定する貯蓄目的などを含む貯蓄目標額設定要求を、当該利用者の端末装置150からカード会社サーバ110に対して送信する。そして、貯蓄目標額設定要求を受信したカード会社サーバ110において、当該貯蓄目標額設定要求に含まれる利用者の識別情報に基づいて該当する貯蓄目的を特定し、特定された貯蓄目的に関連づけて貯蓄目標額を記憶する。
(貯蓄情報データベースの一例)
つぎに、貯蓄情報データベースの一例について説明する。図4Bは、貯蓄情報データベースの一例を示す説明図である。図4Bにおいて、貯蓄情報データベース420は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212に設けることができる。
貯蓄情報データベース420は、利用者の識別情報ごとに、当該利用者に関する情報を関連づけて記憶する。具体的に、貯蓄情報データベース420は、利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって識別される利用者が、貯蓄口座として指定している口座の口座番号を関連づけて記憶する。
貯蓄情報データベース420において、貯蓄口座として指定している口座の口座番号は、利用者ごとに1つの口座番号であってもよく、複数の口座番号であってもよい。貯蓄口座として指定している口座は、たとえば、金融機関において現実に開設された口座によって実現することができる。この場合、上記の自動貯蓄支援データベース410は、金融機関サーバ120に送信した貯蓄目的ごとの追加貯蓄額の合計金額を最新の貯蓄額として記憶する。
あるいは、貯蓄口座は、金融機関において現実に開設された口座ではなく、貯蓄支援システム100を用いた貯蓄支援サービスの提供のためにカード会社が設定した仮想的な口座であってもよい。この場合、たとえば、カード会社が、実際のカード決済と同様にして追加貯蓄額を該当する利用者の口座(引落口座)から引き落とし、引き落とした追加貯蓄額をカード会社が開設した専用の口座などに一時的に貯蓄する。また、引き落とした追加貯蓄額に、指定された貯蓄口座の口座番号や該当する利用者の識別情報を関連づけて記憶する。
そして、この場合、利用者が貯蓄額の引き出しを要求した場合に、専用の口座に貯蓄されたすべての貯蓄額から該当する貯蓄額を、たとえば、該当する利用者がカード決済の引落口座として指定している口座に振り込む。このように運営される貯蓄支援サービスにより、利用者が貯蓄目的ごとに口座を開設する、すなわち、複数の金融機関に口座を開設することなく、複数の貯蓄目的ごとに貯蓄をおこなうことができる。
(支出情報データベースの一例)
つぎに、支出情報データベースの一例について説明する。図4Cは、支出情報データベースの一例を示す説明図である。図4Cにおいて、支出情報データベース430は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212に設けることができる。
支出情報データベース430は、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が一体的に備えるメモリ212に記憶されているものに限らず、カード会社サーバ110とは別体で設けられた記憶装置110aに記憶されていてもよい。また、支出情報データベース430は、単一の記憶装置110aに設けられるものに限らず、複数の記憶装置110aに設けられていてもよい。
支出情報データベース430は、支出科目と、当該支出科目にかかる売買取引をおこなった場所と、を関連づけて記憶する。具体的には、図4Cにおいては、支出情報データベース430は、たとえば、支出科目が、「電気代」、「ガス代」、「水道代」などの光熱水費である場合は、電気供給業者、ガス供給業者、水道供給業者が、銀行における所定の口座から直接引き落としたことを示している。また、具体的には、図4Cにおいては、支出情報データベース430は、たとえば、学校や塾の授業料などの教育費は、教育事業者が、銀行における所定の口座から直接引き落としたことを示している。
また、具体的には、図4Cにおいては、支出情報データベース430は、たとえば、クレジットカード決済により「スーツ」や「花束」を購入したことを示している。さらに、具体的には、図4Cにおいては、支出情報データベース430は、たとえば、店舗での現金決済により「弁当」や「コーヒー」を購入したことを示している。
カード決済にかかる決済情報に、当該カード決済にかかる具体的な商品(「スーツ」、「花束」など)が特定できない場合、各商品を取り扱う店舗の業種分類によって支出科目を特定してもよい。具体的には、スーツを取り扱う被服店などのようにアパレル産業に該当する店舗、花束などの花卉を販売する花屋などのように他に分類されない小売業においてカード決済がおこなわれた場合、支出情報データベース430は、「被服等」、「花卉等」などのように記憶してもよい。
貯蓄支援サービスの運営上、自動貯蓄支援データベース410における支出科目は、支出情報データベース430に基づいて設定することもできる。支出情報データベース430が記憶する各種の情報は、たとえば、銀行やカード会社などが発行する専用のアプリケーションや、電子レシートシステムのアプリケーションなどを利用して取得することができる。
電子レシートシステムは、従来の決済に際して用紙に印刷して発行される紙媒体のレシートに記録される決済にかかる情報を、利用者の端末装置150などに蓄積するシステムであって、たとえば、決済に際して、専用のアプリケーションがインストールされたスマートフォンに表示されたバーコードをPOS端末装置などに読み取らせることにより、当該POS端末においておこなった決済にかかる情報をデータセンタを経由して当該スマートフォンに送信するシステムによって実現することができる。あるいは、電子レシートシステムは、たとえば、決済に際して、専用のアプリケーションがインストールされたスマートフォンをPOS端末装置などにかざすことにより、当該POS端末においておこなった決済にかかる情報を当該スマートフォンに読み込ませるシステムによって実現することができる。
(カード売上データベースの一例)
つぎに、カード売上データベースの一例について説明する。図示を省略するカード売上データベースは、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212に設けることができる。
カード売上データベースは、カード番号などの利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって識別される利用者が過去におこなったカード決済に関する情報を関連づけて記憶する。具体的には、カード売上データベースは、利用者の識別情報ごとに、たとえば、利用者が過去にカード決済をおこなった商品や当該カード決済をおこなった日時などに関する情報を記憶する。
(表示画面例)
つぎに、利用者の端末装置150が備えるディスプレイに表示される表示画面例について説明する。図5A〜図5Gは、利用者の端末装置150が備えるディスプレイに表示される表示画面例を示す説明図である。
図5Aにおいて、表示画面510は、貯蓄支援サービスの利用を開始する際に、利用者の端末装置150が備えるディスプレイに表示される。貯蓄支援サービスの利用者は、表示画面510の表示内容にしたがって、カード番号などの利用者の識別情報を入力し、「OK」キーを操作する。これにより、カード会社サーバ110において、利用者を特定することができる。カード会社サーバ110は、利用者を特定すると、該当する利用者の端末装置150に対して、当該利用者の端末装置150において図5Bに示す表示画面520を表示させるための表示情報を送信する。
図5Bにおいて、表示画面520は、カード会社サーバ110において特定された利用者が設定中の貯蓄目的を示す。表示画面520において設定中の貯蓄目的の1つが選択されると、カード会社サーバ110は、該当する利用者の端末装置150に対して、当該利用者の端末装置150において図5Cに示す表示画面530を表示させるための表示情報を送信する。
図5Cにおいては、表示画面520における「マイホームの頭金」が選択された場合に表示される表示画面530を示している。表示画面530は、選択された貯蓄目的にかかる個別の内容を示す。具体的には、表示画面530は、たとえば、「マイホームの頭金」という貯蓄目的に賛同している利用者や、各利用者の寄与率などを示す。
表示画面530において、「詳細設定」キーを操作することにより、利用者は、各貯蓄目的にかかる個別の内容について、より具体的な内容(条件)を設定することができる。具体的には、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合の資金移動の条件(カード決済をおこなった利用者のみ追加貯蓄額の移動をおこなうか、同一の貯蓄目的に賛同するすべての利用者について追加貯蓄額の移動をおこなうか、など)や、決済金額ごとの寄与率を設定することができる。
また、表示画面530において、「最新の貯蓄額を確認する」キーを操作することにより、利用者は、各貯蓄目的にかかる最新の貯蓄額を確認することができる。たとえば、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合にカード決済をおこなった利用者のみ追加貯蓄額の移動をおこなう設定をおこなっている場合、各貯蓄目的にかかる最新の貯蓄額を確認する表示画面(図示を省略する)においては、同一の貯蓄目的に賛同する複数の利用者ごとに分類して最新の貯蓄額を表示してもよい。
上記の表示画面520は、さらに、設定中の貯蓄目的のほかに、新規の貯蓄目的の設定を受け付けるための「新規に貯蓄目的を設定する」キーを表示する。表示画面520において「新規に貯蓄目的を設定する」キーが操作されると、カード会社サーバ110は、該当する利用者の端末装置150に対して、当該利用者の端末装置150において図5Dに示す表示画面540を表示させるための表示情報を送信する。
図5Dにおいて、表示画面540は、新規の貯蓄目的の設定に際して必要な情報の入力を要求するメッセージや、該当する各情報の入力を受け付ける入力枠などを表示する。新規の貯蓄目的を設定する利用者は、表示画面540の表示内容にしたがって該当事項を入力する。
貯蓄支援サービスの運用において、利用者がカード決済をおこなうと、カード会社サーバ110から該当する利用者の端末装置150に対して、当該カード決済にかかる貯蓄状況に関する情報が送信される。たとえば、図4Aの例において、「帰省資金」という貯蓄目的を設定している「総研太郎」が決済金額10,000円のカード決済をおこなった場合、「総研太郎」の端末装置には、図5Eに示す表示画面550を表示させるための表示情報が送信される。また、「総研太郎」が賛同する「帰省資金」という貯蓄目的に賛同する「総研花子」の端末装置には図5Fに示す表示画面560を表示させるための表示情報が送信され、「総研一郎」の端末装置には図5Gに示す表示画面570を表示させるための表示情報が送信される。
表示画面550〜570は、「貯蓄目的」、カード決済をおこなった利用者を示す「カード決済者」、当該カード決済にかかる「決済金額」などの、同一の貯蓄目的に賛同するすべての利用者に共通の事項を表示する。具体的に、表示画面550〜570においては、「帰省資金」という貯蓄目的に関し、カード決済者が「総研太郎」であって、当該カード決済にかかる決済金額が10,000円であることを示している。
また、表示画面550〜570は、同一の貯蓄目的に賛同するすべての利用者に共通の事項として、同一の表示画面550〜570内に表示された「貯蓄目的」における「貯蓄目標額」、「昨日までの貯蓄額」、「本日の追加貯蓄額合計」、「最新の貯蓄額」などを表示する。具体的に、表示画面550〜570においては、「帰省資金」という貯蓄目的に関し、「貯蓄目標額」が100,000円、「昨日までの貯蓄額」が60,000円、「本日の追加貯蓄額合計」が10,000円、「最新の貯蓄額」が70,000円であることを示している。
また、表示画面550〜570は、同一の貯蓄目的に賛同する各利用者の情報として、各利用者の「寄与率」、「今回の追加貯蓄額」を表示する。各利用者の寄与率は自動貯蓄支援データベース410に記憶された情報に基づいて特定することができ、今回の追加貯蓄額は特定された各利用者の寄与率に基づいて算出することができる。
具体的に、表示画面550においては、「総研太郎」の寄与率が40%であること、当該「総研太郎」にかかる今回の追加貯蓄額が4,000円であることを示している。また、具体的に、表示画面560においては、「総研花子」の寄与率が10%であること、当該「総研花子」にかかる今回の追加貯蓄額が1,000円であることを示している。また、具体的に、表示画面570においては、「総研一郎」の寄与率が50%であること、当該「総研一郎」にかかる今回の追加貯蓄額が5,000円であることを示している。
(カード会社サーバ110の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる貯蓄支援装置を実現するカード会社サーバ110の機能的構成について説明する。図6は、カード会社サーバ110の機能的構成を示すブロック図である。図6において、カード会社サーバ110の機能は、記憶部601と、受信部602と、資金移動制御部603と、によって実現することができる。
記憶部601は、上記の自動貯蓄支援データベース410を含む、貯蓄支援システム100による貯蓄支援サービスの提供にかかる各種のデータを記憶する各種のデータベースを備えている。記憶部601は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212によって実現することができる。
受信部602は、利用者の識別情報およびカード決済にかかる決済金額を含む決済情報を受信する。利用者の識別情報は、上記のように、たとえば、クレジットカード(あるいはデビットカード)のカード番号などによって実現することができる。決済情報は、決済端末装置140においてカード決済をおこなうごとに、当該決済端末装置140あるいは店舗サーバ130からカード会社サーバ110に送信される。受信部602は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるネットワークI/F213によって実現することができる。
資金移動制御部603は、自動貯蓄支援データベース410などのデータベースを参照して、受信部602によって受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報が関連づけられた貯蓄目的を特定する。具体的に、資金移動制御部603は、たとえば、図4Aに示す「総研太郎」にかかる利用者の識別情報を含む決済情報に含まれる支出科目が「交通費」に該当する場合、「帰省資金」を貯蓄目的として特定する。
また、資金移動制御部603は、決済情報に含まれる決済金額に基づいて特定された貯蓄目的と同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出する。たとえば、同一の貯蓄目的に賛同する利用者が1人の場合、資金移動制御部603は、決済情報に基づいて特定される、カード決済をおこなった利用者に関する追加貯蓄額のみを算出する。また、資金移動制御部603は、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合であっても、設定に応じて、カード決済をおこなった利用者のみの追加貯蓄額を算出してもよい。
たとえば、同一の貯蓄目的に複数の利用者が賛同している場合、資金移動制御部603は、寄与率に基づいて、前記同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出する。具体的に、図4Aに示す例において、資金移動制御部603は、「総研太郎」にかかる「交通費」の決済金額が10,000円である場合、「総研太郎」にかかる追加貯蓄額は10,000円×40%=4,000円、総研花子にかかる追加貯蓄額は1,000円、総研一郎にかかる追加貯蓄額は5,000円と算出する。
また、自動貯蓄支援データベース410において、決済金額ごとに寄与率が記憶されている場合、資金移動制御部603は、決済金額に応じて追加貯蓄額を算出する。具体的に、たとえば、図4Aに示す例において「「総研太郎」または「総研花子」または「総研一郎」がおこなったカード決済にかかる決済金額が10,000円未満の場合はカード決済をおこなった利用者が100%、「総研太郎」がおこなったカード決済にかかる決済金額が10,000円以上10万円未満の場合は「総研太郎」が30%、「総研花子」が20%、「総研一郎」が50%」のように、決済金額ごとに寄与率が記憶されている場合、「総研太郎」にかかる「交通費」の決済金額が10,000円であれば「総研太郎」にかかる追加貯蓄額は10,000円×30%=3,000円、「総研花子」にかかる追加貯蓄額は10,000円×20%=2,000円、「総研一郎」にかかる追加貯蓄額は10,000円×50%=5,000円と算出する。
なお、資金移動制御部603は、自動貯蓄支援データベース410において支出科目が設定されていない場合であっても、貯蓄目的が1つのみ設定されている場合であれば、支出科目にかかわらず追加貯蓄額を算出してもよい。
また、自動貯蓄支援データベース410において、貯蓄目標額および最新の貯蓄額が設定されている場合、資金移動制御部603は、特定された貯蓄目的に関連づけられた最新の貯蓄額が貯蓄目標額に達していなければ、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出するようにしてもよい。この場合、資金移動制御部603は、さらに、カード決済をおこなった利用者のみの追加貯蓄額を算出する設定であれば、最新の貯蓄額が貯蓄目標額に達していない利用者がカード決済をおこなった場合にのみ、追加貯蓄額を算出し、資金移動をおこなうようにしてもよい。
そして、資金移動制御部603は、算出された利用者ごとの追加貯蓄額を該当する各引落口座から当該各引落口座とは別の貯蓄口座に移動する。1人の利用者に対して貯蓄口座が複数設定されている場合、資金移動制御部603は、自動貯蓄支援データベース410を参照して該当する貯蓄口座に追加貯蓄額を移動する。資金移動制御部603は、たとえば、カード会社サーバ110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やメモリ212によって実現することができる。
(カード会社サーバ110の処理手順)
つぎに、カード会社サーバ110の処理手順について説明する。図7は、カード会社サーバ110の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、まず、決済端末装置140から送信される決済情報を受信するまで待機する(ステップS701:No)。ステップS701において、決済情報を受信した場合(ステップS701:Yes)、受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報に基づいて利用者を特定する(ステップS702)。
つぎに、ステップS701:Yesにおいて受信された決済情報に基づいて、貯蓄目的が設定されているか否かを判断する(ステップS703)。ステップS703において、貯蓄目的が設定されていない場合(ステップS703:No)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS703において、貯蓄目的が設定されている場合(ステップS703:Yes)、ステップS701:Yesにおいて受信された決済情報に基づいて、設定されている貯蓄目的に関連づけられた支出科目の中に、当該決済情報に含まれている支出科目に合致する支出科目があるか否かを判断する(ステップS704)。ステップS704において、合致する支出科目がない場合(ステップS704:No)、一連の処理を終了する。
ステップS704において、合致する支出科目がある場合(ステップS704:Yes)、当該合致する支出科目に関連づけられた貯蓄目的に関連づけられている貯蓄目標額および最新の貯蓄額に基づいて、当該貯蓄目標額よりも当該最新の貯蓄額が下回っているか否かを判断する(ステップS705)。ステップS705において、最新の貯蓄額が貯蓄目標額以上である場合(ステップS705:No)、一連の処理を終了する。
ステップS705において、貯蓄目標額よりも最新の貯蓄額が下回っている場合(ステップS705:Yes)、ステップS701:Yesにおいて受信された決済情報に基づいて、追加貯蓄額を算出する(ステップS706)。その後、ステップS706において算出された追加貯蓄額を貯蓄口座に移動して(ステップS707)、一連の処理を終了する。
上記のように、貯蓄支援システム100によれば、たとえば、総研太郎(自分)、総研花子(妻)、総研一郎(親)が、支出科目が交通費に該当する場合に追加貯蓄をおこなう設定の同一の貯蓄目的に賛同している場合において、「自分」が「日常交通費」で「10,000円」使うと「自分」は4,000円、その「妻」は1,000円、「親」は5,000円を、「自分」が設定した貯蓄口座に貯蓄する、という運用をおこなうことができる。
また、貯蓄支援システム100によれば、一方、「親」が「旅行費用」で「50,000円」を使うと、「親」は「10,000円」を「自分」に貯蓄する。「自分」や「妻」は関係はない。「親」が自分達の旅行を楽しんだときは、その20%は子供である「自分」に「帰省費」として寄付(貯蓄)してあげる、という運用をおこなうことができる。なお、「日常交通費」であるか「旅行費用」であるかは、たとえば、基準となる金額を設定し、1回の決済において当該基準となる金額を超えるかどうかによって便宜的に判断することができる。
貯蓄支援システム100は、たとえば、クレジットカード会社が運用する場合、貯蓄目標額を達成すると該当する利用者に所定のポイントを付与するようにしてもよい。これにより、クレジットカードの利用促進を期待することができる。また、クレジットカード会社が貯蓄支援システム100を運用する場合、貯蓄支援システム100の利用者が、自発的に貯蓄をおこなうと当該利用者のカード利用枠を拡大するなどの特典を付与するようにしてもよい。これによっても、クレジットカードの利用促進を期待することができる。一方で、クレジットカード会社が貯蓄支援システム100を運用する場合、貯蓄支援システム100の利用者がおこなったカード決済の決済金額が所定金額以上となった場合は、当該利用者のカード利用枠を制限するなどの運用をおこない、無駄遣いを抑制するようにしてもよい。
また、貯蓄支援システム100は、たとえば、銀行などの金融機関が運用する場合、当該金融機関に開設した口座を利用して貯蓄目標額を達成すると該当する利用者の金利を上昇させるようにしてもよい。また、貯蓄支援システム100は、たとえば、国の主導で運用することを想定した場合、貯蓄目標額を達成すると、該当者に対して、達成した貯蓄目標額に応じて所定金額を還付するようにしてもよい。これにより景気高揚を期待することができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の貯蓄支援装置を実現するカード会社サーバ110は、利用者の識別情報およびカード決済にかかる決済金額を含む決済情報を受信し、自動貯蓄支援データベース410を参照して、受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報が関連づけられた貯蓄目的を特定し、当該決済情報に含まれる決済金額に基づいて特定された貯蓄目的と同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出し、算出された利用者ごとの追加貯蓄額を該当する各引落口座から当該各引落口座とは別の貯蓄口座に移動するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、利用者がカード決済をおこなうごとに、当該カード決済にかかる決済金額に応じた追加貯蓄額を貯蓄口座に移動することにより、利用者に負担をかけることなく貯蓄をさせることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、利用者がカード決済をおこなうごとに、カード決済にかかる決済金額の引落口座とは別の貯蓄口座に、決済金額に応じた追加貯蓄額を貯蓄させることにより、カードの引落口座からはカード決済にかかる決済金額より多くの額が減額されるため、利用者に対して心理的に無駄遣いをさせづらくすることができる。
このように、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、利用者に負担をかけることなく貯蓄することができ、かつ、当該貯蓄によってカードの引落口座からの減額を意識付けることにより無駄遣いを抑えることができるので、利用者に対して貯蓄を効率よくおこなわせることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110は、自動貯蓄支援データベース410が記憶する、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの寄与率に基づいて、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、複数の利用者が同一の貯蓄目的に賛同して共同して貯蓄をおこなう場合にも、各利用者の状況などを加味した追加貯蓄額を算出することができる。これにより、同一の貯蓄目的に賛同して共同して貯蓄をおこなう各利用者の利便性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110は、自動貯蓄支援データベース410において、決済金額ごとの寄与率を記憶することを特徴としてもよい。このようなカード会社サーバ110によれば、たとえば、少額のカード決済をおこなった場合は当該カード決済にかかる決済金額と同様あるいはそれ以上の追加貯蓄額を貯蓄させ、高額のカード決済をおこなった場合は当該カード決済にかかる決済金額に比して少ない割合の追加貯蓄額を貯蓄させるなど、カード決済にかかる決済金額に応じた追加貯蓄額を算出する運用をおこなうことができる。
あるいは、たとえば、複数の利用者が同一の貯蓄目的に賛同して共同して貯蓄をおこなう状況においては、少額のカード決済をおこなった場合は当該カード決済をおこなった利用者のみを貯蓄に寄与させ、高額のカード決済をおこなった場合は同一の貯蓄目的に賛同する利用者どうしで貯蓄に寄与する負担を分担させるような運用をおこなうことができる。
このように、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、同一の貯蓄目的に賛同する利用者の数や各利用者の状況などに応じて追加貯蓄額の算出条件を設定することができる。これにより、貯蓄支援サービスの利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110は、自動貯蓄支援データベース410において貯蓄目的ごとに設定される支出科目と決済情報に含まれる決済金額の支出科目に基づいて、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、カード決済にかかる決済金額の支出科目に応じて、該当する支出科目にかかるカード決済をおこなった場合に追加貯蓄額の算出をおこない、当該追加貯蓄額を貯蓄させることができる。これにより、たとえば、飲食店、レジャー施設、観光地などのように娯楽に関するカード決済をおこなった場合は、当該カード決済をおこなう利用者の寄与率あるいは決済金額に対する寄与率を高く設定し、光熱水費などについては当該寄与率を低く設定するなど、利用者の生活態様に応じた設定をおこなうことができる。これにより、貯蓄支援サービスの利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110は、自動貯蓄支援データベース410において貯蓄目的ごとに記憶されている貯蓄目標額および最新の貯蓄額に基づいて、特定された貯蓄目的に関連づけられた最新の貯蓄額が貯蓄目標額に達していない場合に、同一の貯蓄目的に賛同する利用者ごとの追加貯蓄額を算出するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ110によれば、貯蓄目標額を設定し、貯蓄目標額と最新の貯蓄額とに基づいて追加貯蓄額を算出し、算出された追加貯蓄額を貯蓄させることにより、制限なく貯蓄をおこなうことによって利用者に過剰な負担をかけることなく、利用者に対して貯蓄を効率よくおこなわせることができる。