以下に添付図面を参照して、この発明にかかる共同決済プログラム、共同決済装置および共同決済方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(共同決済システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100は、共同決済装置110と、利用者の端末装置120と、カード決済端末(決済端末)130と、を備えている。共同決済装置110は、インターネットなどのネットワーク140を介して、利用者の端末装置120やカード決済端末130と通信可能に接続されている。
共同決済装置110は、具体的には、たとえば、サーバコンピュータなどと称されるコンピュータ装置(図2−1を参照)によって実現することができる。利用者の端末装置120は、具体的には、たとえば、パーソナルコンピュータなどと称されるコンピュータ装置(図2−2を参照)や、スマートフォンなどの携帯型電話機(可搬性のコンピュータ装置)によって実現することができる(図2−3を参照)。
カード決済端末130は、具体的には、たとえば、CAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末装置によって実現することができる(図2−4を参照)。カード決済端末130は、POS端末に接続され、あるいはPOS端末に一体に組み込まれ、POS端末を介してネットワーク140に接続されていてもよい。
(共同決済装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する共同決済装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2−1は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する共同決済装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図2−1において、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、HDD(Hard Disk Drive)214と、HD(Hard Disk)215と、通信I/F(Interface)216と、を備えている。共同決済装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部211〜216は、バス210によってそれぞれ接続されている。
CPU211は、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM212は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM213は、CPU211のワークエリアとして使用される。HDD214は、CPU211の制御にしたがってHD215に対するデータのリード/ライトを制御する。HD215は、HDD214の制御で書き込まれたデータを記憶する。HD215は、たとえば、共同決済データベースなどの各種のデータベースを記憶する。
通信I/F216は、インターネットなどのネットワーク140を介して利用者の端末装置120やカード決済端末130に接続されている。通信I/F216は、インターネットなどのネットワーク140と内部とのインターフェイスをつかさどり、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。
(利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2−2は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図2−2において、利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、HDD224と、HD225と、ディスプレイ226と、入力デバイス227と、通信I/F228と、を備えている。利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置が備える各部221〜228は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどり、RAM223をワークエリアとしながらROM222に記憶された各種プログラムを実行する。HDD224は、CPU221の制御にしたがってHD225に対するデータのリード/ライトを制御する。HD225は、HDD224の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ディスプレイ226は、各種の表示画面を表示する。具体的には、ディスプレイ226は、たとえば、買い物条件を指定する入力画面や、決済承認要求に対する承認情報を入力する入力画面などを表示する。ディスプレイ226は、具体的には、たとえばTFT液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなど、公知の各種のディスプレイによって実現することができる。
入力デバイス227は、複数の入力キーを備えたキーボードによって実現することができる。キーボードは、数字を入力するテンキーを備えている。また、キーボードは、入力位置や操作位置を移動させるカーソルキーを備えていてもよい。入力デバイス227は、入力位置や操作位置を指定するマウスなどのポインティングデバイスを備えていてもよい。入力デバイス227は、当該入力デバイス227に対する入力操作に応じた信号を出力する。
通信I/F228は、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置との間での通信をおこなう。通信I/F228は、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置と利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置の内部とのインターフェイスをつかさどり、共同決済装置110を実現するコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御する。
利用者の端末装置120を実現するコンピュータ装置は、通信I/F228を介して共同決済装置110を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこなうことによって、たとえば、ディスプレイ226に表示した各種の入力画面を介して入力された各種の入力情報を共同決済装置110を実現するコンピュータ装置に送信する。
(利用者の端末装置120を実現する携帯型電話機のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現する携帯型電話機(可搬性のコンピュータ装置)のハードウエア構成について説明する。ここでは、スマートフォンと称される携帯型電話機によって利用者の端末装置120を実現する例について説明する。
図2−3は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現する、スマートフォンのハードウエア構成を示す説明図である。図2−3において、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現するスマートフォンは、CPU231と、ROM232と、RAM233と、通信I/F234と、ディスプレイ235と、操作部236と、マイク237と、スピーカ238と、カメラ239と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成する利用者の端末装置120を実現するスマートフォンが備える各構成部231〜239は、バス230によってそれぞれ接続されている。
CPU231は、スマートフォン全体の制御をつかさどる。ROM232は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM233は、CPU231のワークエリアとして使用される。通信I/F234は、インターネットなどのネットワーク140を介して、当該ネットワーク140に接続されたコンピュータ装置や別のスマートフォンとの間におけるデータの入出力を制御する。通信I/F234は、インターネットなどのネットワーク140に接続され、当該ネットワーク140と利用者の端末装置120を実現するスマートフォンの内部とのインターフェイスをつかさどる。また、通信I/F234は、電話回線網に接続されており、別のスマートフォン(携帯型電話機やPHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
ディスプレイ235は、たとえば、スマートフォンを携帯型電話機(あるいはPHS)として利用する場合における設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ235は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどによって実現することができる。
操作部236は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部236は、たとえば、タッチパネルによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部236は、当該操作部236に対する入力操作に応じた信号を出力する。操作部236を実現するタッチパネルは、ディスプレイ235の表示面側に積層される。
タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。また、タッチパネルは、タッチパネルに対する筆記部材の接触が解除された場合は、信号の出力を停止する。あるいは、タッチパネルは、タッチパネルに対する筆記部材の接触が解除された場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触がないことを示す信号を出力してもよい。
タッチパネルは、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式など公知の各種の方式によってタッチパネルに対する筆記部材の接触位置を検出し、検出した接触位置に応じた電気信号を、CPU231に対して出力する。電磁誘導方式を採用する場合、電子ペンなどと称される専用の筆記部材を用いる。操作部236は、タッチパネルに代えて、あるいはタッチパネルに加えてダイヤルキーによって実現してもよい。
マイク237は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカ238は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。カメラ239は、操作部236の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM233などに記憶される。
(カード決済端末130のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成するカード決済端末130のハードウエア構成について説明する。図2−4は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システムを構成するカード決済端末130のハードウエア構成を示す説明図である。
図2−4において、カード決済端末130は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、ディスプレイ244と、キーボード245と、通信I/F246と、ブザー247と、カードリーダ248と、プリンタ249と、を備えている。また、カード決済端末130が備える各部241〜249は、バス240によってそれぞれ接続されている。
CPU241は、カード決済端末130全体の制御をつかさどる。ROM242は、カード決済に際して実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM243は、CPU241のワークエリアとして使用される。CPU241は、カード決済に際して、通信I/F246を介して共同決済装置110との間で通信をおこなう。
キーボード245は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、顧客(カードの利用者)による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。キーボード245は、入力された情報をCPU241に出力する。ディスプレイ244は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ244を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ244を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
ブザー247は、カード決済端末130においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー247としては、たとえば圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。カードリーダ248は、クレジットカードなどの、利用者のカードを用いた決済において、利用者のカードに記録された情報を読み出し、読み出された情報をCPU241に対して出力する。
利用者のカードは、たとえば、銀行などの金融機関が預貯金口座の開設者(利用者)に発行するキャッシュカードなどのカードによって実現することができる。また、カードは、たとえば、プラスチック製の板形状をなす基体にICチップを搭載したICチップ内蔵カードによって実現することができる。カードが搭載するICチップには、各カードに固有の情報である、カードの識別情報が記憶されている。カードの識別情報は、たとえば、所定桁数の数字やアルファベットによって実現することができる。カードは、基体に磁気製の帯を設けた磁気ストライプカードによって実現されるものであってもよい。この場合、カードに設けられた磁気ストライプには、カードの識別情報が記憶されている。
プリンタ249は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ249は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ249は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ249は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
(データベース)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100が用いる各種のデータベースについて説明する。この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100においては、利用者データベース(図3−1を参照)、共同決済データベース(図3−2を参照)などの各種のデータベースを用いる。
共同決済システム100が用いる各種のデータベースは、たとえば、共同決済装置110が備えるHD215に記憶される。共同決済システム100が用いる各種のデータベースは、たとえば、共同決済装置110が備えるHD215などのように、共同決済装置110と一体に設けられた記憶媒体に記憶されるものに限らない。共同決済システム100が用いる各種のデータベースは、たとえば、共同決済装置110とは別体のコンピュータに設けられた記憶媒体や、共同決済装置110とは別体の記憶装置に記憶されるものであってもよい。
(利用者データベースの一例)
つぎに、利用者データベースの一例について説明する。図3−1は、利用者データベースの一例を示す説明図である。図3−1において、利用者データベース310は、カードの識別情報ごとに、当該カードの識別情報によって識別される利用者に関する情報(利用者情報)を関連付けて記憶する。利用者情報は、たとえば、利用者の氏名を示す情報、当該利用者の連絡先を示す情報を含んでいる。利用者の連絡先は、たとえば、利用者の住所(請求書の送付先)、当該利用者の電話番号や電子メールアドレスなどによって実現することができる。
また、利用者情報は、たとえば、支払方法、支払いに利用する金融機関名、支店名、預金種目や口座番号など、支払いに関する情報を含んでいる。たとえばリボルビング払い(分割払い)を設定している利用者に対しては、分割払いによる1回あたりの支払い額が、支払いに関する情報に含まれる。利用者の口座番号は、当該利用者がおこなったカード決済の支払いに供する預貯金口座を識別可能な情報であって、預貯金口座ごとに固有の情報によって実現することができる。具体的には、口座番号は、たとえば、各預貯金口座固有の口座番号(3桁の数字)や銀行を識別するために銀行ごとの銀行番号(3桁の数字)などによって構成することができる。
また、利用者情報は、たとえば、利用者の年収や利用限度額など、支払い能力に関する情報を含んでいてもよい。また、利用者情報は、たとえば、利用者に固有の情報の他に、カードの有効期限などカードごとに設定された情報を含んでいてもよい。利用者情報は、たとえばカードの発行時(申し込み時)などに、利用者から事前に取得し、カードの発行元によって利用者データベース310に登録することができる。
また、利用者情報は、たとえば、クレジットカードの発行元となるカード会社などがインターネット上に開設したカード会員用のWEBページの閲覧に際して用いる会員IDやログインパスワードなどを含んでいる。会員IDは、カード会員用のWEBページを介して提供されるサービスを利用する利用者の識別情報であり、会員IDやログインパスワードは、たとえば、利用者が設定した任意の文字列によって実現することができる。会員IDは、カード会員である利用者のカードの識別情報によって実現されるものであってもよい。
また、利用者情報は、グループの識別情報を含む。利用者データベース310が記憶するグループの識別情報は、当該グループの識別情報が関連付けられたカードの識別情報によって特定される利用者が、複数の利用者が分担する一のカード決済にかかる支払いを一のカード決済によって取りまとめておこなう利用者(以下、適宜「幹事」という)であることを特定する。
たとえば、利用者データベース310において、利用者Aのカードの識別情報「111222」に関連付けられたグループの識別情報「A111222」は、利用者Aが幹事としてカード決済による支払いをおこなうグループを特定する。グループの識別情報は、たとえば、グループの登録をおこなう利用者がグループの共有IDとして設定した任意の文字列によって実現することができる。
グループの識別情報は、グループの登録をおこなう利用者が任意に設定するものに限らず、共同決済装置110が所定のプログラムを実行することによって割り当てた任意の文字列によって実現してもよい。この場合、グループの登録をおこなう利用者に対しては、当該利用者自身にグループの共有IDを設定させることなく、自動的にグループの共有IDが付与することができる。
グループは、一のカード決済にかかる支払いを分担する複数の利用者によって構成される。グループは、一のカード決済にかかる支払いを分担することをあらかじめ同意した利用者のうち、幹事となる利用者が指定した複数の利用者によって構成される。グループは、2以上の利用者によって構成されるものであれば、格別、構成する人数を制限するものではない。グループは、たとえば、利用者どうしの事前の話し合いなどによって、利用者が任意に構成することができる。
グループは、カードの識別情報によって特定することが可能な利用者によって構成される。すなわち、グループは、クレジットカードなどの支払いに供するカードを所有する利用者によって構成される。同一の利用者が、複数のグループの幹事をおこなう場合、同一のグループの識別情報が関連付けられたグループが複数構成される。
(共同決済データベースの一例)
つぎに、共同決済データベースの一例について説明する。図3−2は、共同決済データベースの一例を示す説明図である。図3−2において、共同決済データベース320は、グループの識別情報(共有ID)と、当該グループに属する利用者のカードの識別情報と、当該グループごとの決済条件に関する情報と、を関連付けて記憶する。
利用者のカードの識別情報は、カードごとに固有の情報であって、個々のカードを識別可能な情報とされる。具体的には、たとえば、この発明にかかる利用者のカードをクレジットカードによって実現する場合、カードの識別情報は、クレジットカードごとに固有のクレジットカード番号によって実現することができる。
クレジットカード番号においては、最初の6桁の銀行識別番号(Bank Identification Number:BIN)によって、クレジットカード会社などのカードの発行事業者(イシュア)を特定することができる。クレジットカード番号は、BINを含み、カードの発行事業者によって割り当てられた任意の数列によって構成され、カードごとに固有の情報とされている。
カードの識別情報は、各カードを識別することができる情報(カード識別情報)であればよく、この発明にかかる利用者のカードをクレジットカードによって実現する場合においても、クレジットカード番号に限るものではない。クレジットカード番号に代えて、任意の桁数の文字列によって実現してもよい。
また、クレジットカード番号に代えて、各カード自体に割り当てられた、当該カード自体の識別情報によって、この発明にかかるカードの識別情報を実現してもよい。また、カードの識別情報は、クレジットカード番号のように、数字の羅列によって構成されるものに限らず、たとえばアルファベットのみを含む所定桁数の情報、あるいは、数字とアルファベットとを含む所定桁数の情報によって実現してもよい。
共同決済システム100において、同一の利用者が幹事をつとめるグループは、複数設定することができる。同一の利用者が幹事をつとめるグループが複数設定されている場合、共同決済データベース320においては、各グループの特定情報(「グループ1」、「グループ2」など)ごとに、当該グループの特定情報によって特定されるグループを構成する利用者の識別情報を特定する情報(図3−2におけるチェックマーク)を関連付けて記憶する。
各グループにおけるカード決済をおこなう利用者は、各グループの識別情報によって特定される。具体的には、利用者データベースにおいて、グループで共通するグループの識別情報が関連付けられた利用者の識別情報によって特定される利用者が、各グループにおけるカード決済をおこなう利用者として特定される。
グループごとの決済条件に関する情報は、各グループで分担(共同)しておこなうカード決済による支払いにかかる各種の条件に関する情報によって実現することができる。グループごとの決済条件は、たとえば、各グループで分担(共同)して支払いをおこなう商品やサービスの「利用目的」、当該商品やサービスの「利用予定額」、当該支払いをカード決済によりおこなう予定を示す「利用予定日」などを規定する。また、グループごとの決済条件は、たとえば、カード決済をおこなう店舗を示す「利用予定店」を規定してもよい。
一人の利用者が複数のグループに属する場合、共同決済データベース320においては、複数のグループの識別情報のそれぞれに、当該一人の利用者のカードの識別情報が関連付けて記憶される。具体的には、たとえば、一人の利用者が、利用目的が異なる複数のグループに属する場合、共同決済データベース320においては、利用目的ごとに構成された複数のグループの識別情報に、当該一人の利用者のカードの識別情報が関連付けて記憶される。
また、グループごとの決済条件は、当該グループでおこなうカード決済にかかる決済金額のうち、当該グループを構成する各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件(分担条件)を規定する。各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件は、たとえば、各利用者が分担する決済金額によって規定することができる。具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用予定金額が¥9,000」と規定されている場合、「利用者Aの負担割合は¥3,000、利用者Bの負担割合は¥3,000、利用者Cの負担割合は¥3,000」という条件を各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定することができる。
また、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件は、たとえば、利用予定額に対する、各利用者の負担割合によって規定してもよい。具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「各利用者の負担割合は3分の1(等分)」という条件を、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定することができる。このような条件が各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定されており、かつ「利用予定金額が¥9,000」と規定されている場合、各利用者が分担する決済金額はそれぞれ¥3,000となる。
各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件は、グループを構成する各利用者が分担する決済金額(各利用者の負担割合)を等しくするものに限らず、利用者ごとに異なる決済金額(負担割合)を規定するものであってもよい。具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用予定金額が¥9,000」と規定されている場合、「利用者Aの負担割合は¥2,000、利用者Bの負担割合は¥1,000、利用者Cの負担割合は¥6,000」という条件を、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定することができる。
また、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件は、たとえば、当該グループでおこなうカード決済にかかる決済金額のうち、当該グループを構成する各利用者が分担する決済金額の上限額を規定するものであってもよい。具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用者Aの上限額は¥2,000、利用者Bの上限額は¥1,000、利用者Cの上限額は¥6,000」という条件を、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定することができる。
また、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として各利用者が分担する決済金額の上限額を規定する場合、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として、決済金額の上限額に加えて、当該決済金額の上限額に達するまでの各利用者の負担割合を規定してもよい。具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用者Aの上限額は¥2,000、利用者Bの上限額は¥1,000、利用者Cの上限額は¥6,000」、「上限額に達するまでの各利用者の負担割合は等分」のように規定してもよい。
グループごとの決済条件として規定する各利用者が分担する決済金額の上限額は、当該グループを構成する利用者全員に対して規定しなくてもよい。具体的には、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用者B、利用者Cの負担上限額が¥3,000」かつ「利用者Aの負担上限額は設定しない」と規定してもよい。これにより、利用者Aがカード決済をおこなう現場において決済金額が想定していた金額よりも高くなった場合にも、カード決済をおこなう利用者Aの判断によって適宜対応することができる。
グループごとの決済条件において、利用予定額は必須ではない。グループごとの決済条件においては、利用予定額を定めず、各利用者の負担割合のみを規定するようにしてもよい。あるいは、利用予定額を定めず、各利用者が分担する決済金額の上限額のみを、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件として規定するようにしてもよい。グループごとの決済条件において、利用予定店は必須ではない。グループごとの決済条件においては、利用予定店を定めず、カード決済をおこなう店舗において、グループでおこなうカード決済であることを指定できるようにしてもよい。
共同決済データベース320が記憶する情報のうち、決済条件に関する情報は、グループの登録をおこなった利用者によって更新することができるようにしてもよい。この場合、共同決済データベース320においては、他の利用者による同意の有無に関する情報が既に記憶されている状態で決済条件が更新されると、既に記憶されている同意を取り消し、同意する前の状態に更新するようにしてもよい。
また、共同決済データベース320が記憶する情報は、決済条件として設定された利用予定日が過ぎた場合、一切の更新を受け付けないようにしてもよい。あるいは、共同決済データベース320が記憶する情報は、決済条件として設定された利用予定日が過ぎた場合、グループの登録をおこなった利用者によって更新することができるようにしてもよい。この場合、グループの登録をおこなった利用者による更新は、利用予定日のみとしてもよい。また、グループの登録をおこなった利用者による利用予定日の更新があった場合、既に記憶されている同意を取り消し、同意する前の状態に更新するようにしてもよい。
共同決済データベース320が記憶する情報のうち、グループを構成する利用者であって、グループの登録をおこなった利用者(以下「一の利用者」という)以外の利用者(以下「他の利用者」という)のカードの識別情報に関連付けられた情報は、当該他の利用者が、規定された決済条件に対する同意の意思あるいは不同意の意志を示した場合に更新される。この場合、共同決済データベース320における、該当するグループにかかる、他の利用者の同意の有無に関する情報が更新される。
この実施の形態においては、共同決済データベース320が、グループの識別情報ごとに、当該グループに属する利用者のカードの識別情報および当該グループにおける決済条件に関する情報を関連付けて記憶する例について説明したが、情報の記憶形式はこれに限るものではない。たとえば、利用者データベース310における利用者のカードの識別情報に、当該利用者が属するグループの識別情報と、当該グループごとの決済条件に関する情報と、を関連付けて記憶したデータベースを用いてもよい。
(共同決済システム100の利用手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100の利用手順について説明する。図4−1、図4−2、図4−3および図4−4は、利用者の端末装置120が表示する表示画面例を示す説明図である。共同決済システム100を利用する利用者は、まず、グループの登録をおこなう。グループの登録は、たとえば、クレジットカードの発行元となるカード会社などがインターネット上に開設した所定のWEBページ(「共有ID入力画面」)を介しておこなう。
図4−1に示すように、「共有ID入力画面」401は、利用者の端末装置120において表示される。「共有ID入力画面」401は、たとえば、グループの登録を要求する利用者のカードの識別情報や登録を要求するグループの共有IDの入力を受け付ける入力欄、当該入力欄に入力された情報を入力(共同決済装置110へ送信)する「入力」キーなどを表示する。図4−1においては、利用者Aが表示した場合の「共有ID入力画面」401を示している。
グループの登録に際して、たとえば、自身が幹事をつとめるグループを登録する利用者(たとえば、利用者A)は、「共有ID入力画面」401における入力欄に、当該利用者自身が設定したグループの識別情報を入力する。また、グループの登録に際して、たとえば、自身とは別の利用者(たとえば、利用者A)が幹事をつとめるグループのカード決済に賛同する利用者(たとえば、利用者Bや利用者C)は、「共有ID入力画面」401における入力欄に、利用者Aから伝えられたグループの識別情報を入力する。グループのカード決済に賛同する利用者は、自身が幹事をつとめるグループを登録する利用者がグループの登録をおこなった後に、グループの登録をおこなう。
「共有ID入力画面」401は、たとえば、クレジットカードの発行元となるカード会社などがインターネット上に開設した、カード会員用のWEBページなどを介して、利用者の端末装置120に表示させることができる。共同決済システム100の利用者は、あらかじめ、カード会員用のWEBページを介して提供されるサービスを利用する利用者の識別情報(会員ID)や、カード会員用のWEBページへのログインパスワードなどを設定しておく。カード会員用のWEBページなどを介して「共有ID入力画面」401を表示させることにより、当該「共有ID入力画面」401における入力欄に、グループの識別情報となる共有IDを入力した利用者を特定することができる。
グループの登録をおこなう利用者は、「共有ID入力画面」401における入力欄に、グループの識別情報となる共有IDを入力した後「入力」キーを操作する。利用者の端末装置120は、「共有ID入力画面」401の表示中に「入力」キーの操作を受け付けた場合、「共有ID入力画面」401における入力欄に共有IDとして入力されたグループの識別情報と、当該グループの識別情報を入力した利用者を特定可能な情報(会員IDやカードの識別情報など)を含むグループ登録要求を、共同決済装置110に対して送信する。グループ登録要求は、自身が幹事をつとめるグループ、あるいは、自身とは別の利用者が幹事をつとめるグループの登録を要求する。
「共有ID入力画面」401を表示させる方法は、カード会員用のWEBページなどを介して表示させる方法、すなわち、「共有ID入力画面」401を表示する時点において既に利用者を特定可能な状態で表示させる方法に限らない。カード会員用のWEBページを介して表示させる方法に代えて、たとえば、「共有ID入力画面」401において、グループの共有IDの入力を受け付ける入力欄や「入力」キーに加えて、利用者のカードの識別情報など、利用者を特定可能な情報の入力欄を表示させるようにしてもよい。これによっても、グループの識別情報を入力した利用者を特定可能な情報を含むグループ登録要求を、共同決済装置110に対して送信することができる。
共同決済装置110は、グループ登録要求を受け付けると、受け付けたグループ登録要求の送信した利用者を特定し、特定した利用者のカードの識別情報に、受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報を関連付けて、利用者データベース310に記憶する。グループ登録要求を送信した利用者は、たとえば、受け付けたグループ登録要求に含まれる、利用者を特定可能な情報(会員IDやカードの識別情報など)に基づいて特定することができる。
また、共同決済装置110は、グループ登録要求を受け付けると、受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報に一致するグループの識別情報が、共同決済データベース320において既に記憶されているか否かを判断する。そして、一致するグループの識別情報が記憶されていない場合は、受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報と、特定した利用者のカードの識別情報とを関連付けて共同決済データベース320に記憶する。
また、共同決済装置110は、一致するグループの識別情報が記憶されている場合は、受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報に一致するグループの識別情報に、特定した利用者のカードの識別情報を関連付けて共同決済データベース320に記憶する。
さらに、共同決済装置110は、一致するグループの識別情報が記憶されている場合は、利用者の端末装置120に対して、既に登録されているグループの識別情報であることを通知する登録通知を出力し、利用者の端末装置120において、登録通知に基づき、既に登録されているグループの識別情報であることを報知させるようにしてもよい。あるいは、利用者の端末装置120において、登録通知に基づき、自身とは別の利用者が幹事をつとめるグループの登録をおこなう旨を案内してもよい。
幹事をつとめる利用者は、グループを構成するすべての利用者がグループの登録をおこなった後、決済条件の設定をおこなう。グループを構成するすべての利用者がグループの登録をおこなったか否かは、たとえば、幹事をつとめる利用者の端末装置120において、グループの登録をおこなった利用者の氏名の一覧(図示を省略する)を表示させることによって確認することができる。グループの登録をおこなった利用者の氏名の一覧は、たとえば、カード会員用のWEBページにおいて、会員IDやパスワード入力および一覧の表示を要求する所定の入力操作などをおこなうことによって、利用者の端末装置120に表示させることができる。
決済条件の設定は、たとえば、クレジットカードの発行元となるカード会社などがインターネット上に開設した所定のWEBページ(「決済条件設定画面」)を介しておこなう。図4−2に示すように、「決済条件設定画面」402は、単一のグループにおける決済条件を入力する入力欄、当該決済条件を確定して共同決済データベース320に設定する意思を入力させる「設定」キーなどを表示する。
決済条件は、たとえば、幹事をつとめる利用者に決済条件を入力する入力欄に対して任意の情報を入力させたり、あらかじめ設定してある所定の項目の中から該当する項目を選択させたりすることによって入力させることができる。決済条件は、たとえば、単一のグループを構成する利用者を特定可能な情報を含む。単一のグループを構成する利用者は、たとえば、「決済条件設定画面」402においてグループの登録をおこなった利用者の氏名の一覧(図示を省略する)を表示させ、当該一覧の中から単一のグループを構成する利用者の氏名を選択させることによって指定することができる。
決済条件の設定をおこなう利用者すなわち幹事をつとめる利用者は、「決済条件設定画面」402において上記の決済条件を入力した後、「設定」キーを操作する。利用者の端末装置120は、「決済条件設定画面」402の表示中に「設定」キーの操作を受け付けた場合、「決済条件設定画面」402において指定された単一のグループを構成する利用者の氏名や入力された決済条件に関する情報、および、幹事をつとめる利用者の識別情報を含む設定要求を、共同決済装置110に対して送信する。
共同決済装置110は、設定要求を受け付けると、受け付けた設定要求に基づいて、単一のグループを構成する利用者の識別情報や決済条件を、該当するグループの識別情報に関連付けて共同決済データベース320に記憶する。選択された氏名には、利用者データベース310において利用者の識別情報が関連付けられているため、選択された氏名に基づいて単一のグループを構成する利用者の識別情報を特定することができる。
幹事をつとめる利用者は、決済条件の設定をおこなった後、決済条件の設定をおこなったことを該当する単一のグループを構成する各利用者に伝える。単一のグループを構成する各利用者のうち、幹事をつとめる一の利用者以外の他の利用者は、決済条件の設定がおこなわれた後、所定のWEBページ(「同意確認画面」)を介して、単一のグループにおける決済条件に対する同意の有無を示す情報の入力をおこなう。
「同意確認画面」は、たとえば、カード会員用のWEBページにおいて、会員IDやパスワード入力および「同意確認画面」の表示を要求する所定の入力操作などをおこなうことによって、利用者の端末装置120に表示させることができる。共同決済装置110は、カード会員用のWEBページにおいて、会員IDやパスワード入力および「同意確認画面」の表示を要求する所定の入力操作などがおこなわれた場合、確認要求を出力する。利用者の端末装置120は、共同決済装置110から出力された確認要求に基づいて「同意確認画面」を表示する。
図4−3に示すように、「同意確認画面」403は、たとえば、抽出した決済条件、当該決済条件に対する同意の意思を入力させる「同意」キー、不同意の意思を入力させる「不同意」キーなどを表示する。利用者は、「同意確認画面」403に表示された決済条件を確認し、表示された決済条件に同意する場合は「同意」キーを操作し、同意しない場合は「不同意」キーを操作する。上記の確認要求は、当該単一のグループにおける決済条件に関する情報と、当該決済条件に対する同意の有無を示す情報と、当該同意の有無を示した利用者の識別情報とを含む確認応答の出力を要求する情報であって、具体的には、たとえば、利用者の端末装置120において「同意確認画面」403を表示させる情報によって実現することができる。
利用者の端末装置120は、「同意確認画面」403の表示中に「同意」キーあるいは「不同意」キーが操作された場合、利用者が決済条件に同意したか否かを示す情報を含む確認応答を、共同決済装置110に対して送信する。「同意確認画面」403において、「同意」キーや「不同意」キーは、「同意確認画面」403を表示した利用者に対応するもののみを表示する。図4−3においては、利用者Bに対応する「同意確認画面」403を示している。これにより、本人以外の利用者が本人に代わって「同意」キーや「不同意」キーを操作することを防止できる。
共同決済装置110は、出力した確認要求に応じて利用者の端末装置120から出力された確認応答に基づいて、単一のグループにおける決済条件に対する同意の有無を示す情報と、当該同意の有無を示した利用者の識別情報とを関連付けて、共同決済データベース320に記憶する。確認要求に応じて共同決済データベース320に記憶された情報に基づいて、単一のグループにおける各利用者の同意あるいは不同意の意志は、おなじグループに属するすべての利用者の端末装置120に表示させることができるようにしてもよい。
幹事をつとめる利用者は、単一のグループによる決済をおこなう前(利用予定日が規定されていれば当該利用予定日前など)に、当該単一のグループを構成する利用者が同意あるいは不同意の意志を示しているか確認し、すべての利用者が同意あるいは不同意の意志を示している場合にカード決済をおこなう。図4−4においては、利用者B、利用者Cが「同意確認画面」403を介して同意あるいは不同意の意志を示した後に、利用者Aが表示する、「決済条件確認画面」404を示している。
図4−4に示すように、「決済条件確認画面」404は、たとえば、当該「決済条件確認画面」404の表示時点において規定されている決済条件を表示する。決済条件において、各利用者が分担する決済金額を算出可能な条件(図4−4においては、各利用者の負担額¥3,000)に対する、各利用者の同意あるいは不同意の意志が示されている。図4−4においては、「OK」の表示により、各利用者が、規定された決済条件に同意したことを示している。
「決済条件確認画面」404においては、各利用者が同意あるいは不同意の意志を示した、すなわち、「同意確認画面」403において「同意」キーあるいは「不同意」キーを操作した日時に関する情報を表示してもよい。また、「決済条件確認画面」404は、当該決済条件の変更を指示する「変更」キー、表示中の内容で決済条件のまま「決済条件確認画面」404を閉じる「閉じる」キーなどを表示する。単一のグループによる決済をおこなうまでに一部の利用者の同意あるいは不同意の意志が確認できない場合、確認できない利用者は不同意の意志を示したものとして処理をおこなってもよい。
幹事をつとめる利用者は、決済に際して、決済種別の選択をおこなう。決済種別の選択は、たとえば、カード決済にかかる決済要求を共同決済装置110に送信する前におこなう。決済要求は、一の決済の決済金額に関する情報と、当該一の決済をおこなう利用者の識別情報とを含む。決済種別は、利用者個人のカード決済か、当該利用者が登録したグループのカード決済かを指定する。決済種別は、カード決済をおこなう利用者が、複数のグループを登録している場合、当該複数のグループのうちのいずれのグループのカード決済かを指定する。
決済種別の選択は、たとえば、決済要求の送信前に、カード決済端末130において利用者個人のカード決済かいずれのグループのカード決済かを確認するメッセージを表示し、利用者に、決済種別(利用者から利用者個人のカード決済かグループのカード決済(いずれのグループのカード決済)か)を指定する入力操作をおこなわせることによっておこなうことができる。カード決済端末130は、受け付けた入力操作に応じて、指定された決済種別に関する情報を共同決済装置110に対して出力する。これにより、カード決済端末130から出力された情報に基づいて、決済種別を判定することができる。
あるいは、決済種別の選択は、たとえば、カード決済にかかる決済要求を共同決済装置110に送信した後におこなってもよい。この場合、たとえば、共同決済装置110において、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれるカードの識別情報と一致するカードの識別情報に、グループの識別情報が関連付けられているか否かを判断する。そして、該当するカードの識別情報にグループの識別情報が関連付けられている場合、グループのカード決済にかかる決済要求であると判定し、関連付けられていない場合利用者個人のカード決済であると判定することができる。
あるいは、決済要求の送信後に決済種別の選択をおこなう場合、該当するカードの識別情報にグループの識別情報が関連付けられていれば、該当する決済要求の送信元となるカード決済端末130に対して種別確認要求を出力し、出力した種別確認要求に応じてカード決済端末から出力された種別確認応答に基づいて、決済種別(利用者個人のカード決済にかかる決済要求か、グループのカード決済にかかる決済要求か)を判定してもよい。種別確認要求は、該当するカードの識別情報に関連付けられているグループの識別情報を含む。
この場合、種別確認要求を受け付けたカード決済端末130は、受け付けた種別確認要求に基づいて、利用者個人のカード決済かグループのカード決済かを確認するメッセージを表示する。受け付けた種別確認要求に、複数のグループの識別情報が含まれている場合、利用者個人のカード決済かいずれのグループのカード決済かを確認するメッセージを表示する。
また、この場合、カード決済端末130は、共同決済システム100の運用上、決済種別(利用者から利用者個人のカード決済かグループのカード決済(いずれのグループのカード決済)か)を指定する入力操作を受け付ける。そして、カード決済端末130は、受け付けた入力操作に応じて、指定された決済種別を含む種別確認応答を共同決済装置110に対して出力する。これにより、カード決済端末130から出力された種別確認応答に基づいて、決済種別を判定することができる。共同決済装置110は、共同決済に際しては、共同決済データベース320を参照して、共同決済データベース320に記憶された決済条件に基づいて決済処理をおこなう。
(共同決済装置110の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100における共同決済装置110の機能的構成について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100における共同決済装置110の機能的構成を示すブロック図である。図5において、この発明にかかる実施の形態の共同決済装置110の各機能は、記憶部501、登録要求受付部502、判断部503、決済条件抽出部504、出力部505、決済情報受付部506、決済種別判定部507、決済情報抽出部508、決済金額算出部509、カード決済処理部510によって実現することができる。
記憶部501は、利用者データベース310や共同決済データベース320などの各種のデータベースを記憶する。また、記憶部501は、各種のデータベースが記憶する情報を追加したり削除したりすることによって当該各種のデータベースを更新する。記憶部501の機能は、たとえば、HD215や、HD215に対するデータのリード/ライトを制御するHDD214、および、HDD214の制御にかかるCPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
登録要求受付部502は、利用者の端末装置120から、グループ登録要求を受け付ける。具体的には、登録要求受付部502は、たとえば、上記のように、利用者の端末装置120に表示させた「共有ID入力画面」401を介して入力された情報(グループの共有IDやカードの識別情報など)を含むグループ登録要求を、当該利用者の端末装置120から受け付ける。
登録要求受付部502の機能は、利用者の端末装置120から送信されたグループ登録要求の受信にかかる通信I/F216や、当該通信I/F216の制御にかかるCPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。登録要求受付部502の機能を実現する通信I/F216、CPU211、ROM212、RAM213などは、外部装置との間で通信をおこなう通信部として機能する。
判断部503は、共同決済データベース320を参照して、登録要求受付部502が受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報に一致するグループの識別情報が、共同決済データベース320に、記既にされているか否かを判断する。これにより、登録が要求されたグループが新規に登録するグループであるか、既に登録されているグループであるかを判断することができる。
判断部503の機能は、たとえば、上記の判断にかかるCPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。上記の記憶部501は、判断部503の判断結果に基づいて、一致するグループの識別情報が記憶されていない場合、受け付けたグループ登録要求に含まれるグループの識別情報とカードの識別情報とを関連付けて共同決済データベース320に記憶する。
また、登録要求受付部502は、利用者の端末装置120から、設定要求を受け付ける。上記の記憶部501は、登録要求受付部502が設定要求を受け付けると、受け付けた設定要求に基づいて、単一のグループを構成する利用者の識別情報を特定する。そして、記憶部501は、特定した利用者の識別情報や受け付けた設定要求に含まれる決済条件を、利用者データベース310において幹事をつとめる利用者の識別情報に関連付けられたグループの識別情報に関連付けて、共同決済データベース320に記憶する。
決済条件抽出部504は、登録要求受付部502が設定要求を受け付けると、受け付けた設定要求に基づいて特定される単一のグループを構成する利用者の識別情報を特定するとともに、単一のグループにおける決済条件を抽出する。決済条件抽出部504の機能は、たとえば、CPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
出力部505は、登録要求受付部502が設定要求を受け付けると、受け付けた設定要求に基づいて特定される単一のグループを構成する利用者の識別情報を特定し、当該単一のグループを構成する利用者の端末装置に対して、決済条件抽出部504が抽出した決済条件を含む確認要求を出力する。出力部505の機能は、通信I/F216や、当該通信I/F216の制御にかかるCPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
また、登録要求受付部502は、出力部505が出力した確認要求に応じて利用者の端末装置120から出力された確認応答を受信する。上記の記憶部501は、登録要求受付部502が確認応答を受け付けると、当該確認応答に基づいて、単一のグループにおける決済条件に対する同意の有無を示す情報と、当該同意の有無を示した利用者の識別情報とを関連付けて共同決済データベース320に記憶する。
決済情報受付部506は、カード決済端末130から、決済要求を受け付ける。また、決済情報受付部506は、決済種別に関する情報を受け付ける。上記のように、決済要求は、一の決済の決済金額に関する情報と、当該一の決済をおこなう利用者の識別情報とを含む。決済情報受付部506の機能は、利用者の端末装置120から送信されたグループ登録要求の受信にかかる通信I/F216や、当該通信I/F216の制御にかかるCPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。決済情報受付部506の機能を実現する通信I/F216、CPU211、ROM212、RAM213などは、外部装置との間で通信をおこなう通信部として機能する。
決済種別判定部507は、決済情報受付部506が決済要求を受け付けた場合、当該決済要求の直前または直後に受け付けた決済種別に関する情報に基づいて、受け付けた決済要求にかかるカード決済の決済種別を判定する。決済種別判定部507は、グループのカード決済であると判定した場合、さらに、共同決済データベース320を参照して、決済要求の送信元となるカード決済端末130の設置店舗が決済種別により特定された決済条件に規定された利用予定店と一致するか、決済要求の受付日が利用予定日と一致するか、を判定してもよい。
決済情報抽出部508は、決済情報受付部506が決済要求を受け付けた場合、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれるグループの識別情報に関連付けられたカードの識別情報および決済条件に関する情報を抽出する。決済情報抽出部508は、決済種別判定部507の判定結果に基づいて、決済要求受付部が受け付けた決済要求がグループのカード決済である場合に、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれるグループの識別情報に関連付けられたカードの識別情報および決済条件に関する情報を抽出する。決済情報抽出部508の機能は、たとえば、CPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
決済金額算出部509は、決済情報抽出部508が抽出した決済条件に関する情報、および、決済情報受付部506が受け付けた決済要求に含まれる決済金額に基づいて、当該決済金額のうち、抽出したカードの識別情報によって特定される各利用者が分担する決済金額を算出する。決済金額算出部509は、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において「利用予定金額が¥9,000」、「各利用者の負担割合は3分の1」と規定されており、実際の決済金額が¥9,000であった場合、各利用者が分担する決済金額をそれぞれ¥3,000と算出する。
また、決済金額算出部509は、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において「利用予定金額が¥9,000」、「各利用者の負担割合は3分の1」と規定されており、実際の決済金額が¥8,700であった場合、各利用者が分担する決済金額をそれぞれ¥2,900と算出する。
また、決済金額算出部509は、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において「利用予定金額が¥9,000」、「各利用者の負担割合は3分の1」と規定されており、実際の決済金額が¥12,000であった場合、各利用者が分担する決済金額をそれぞれ¥4,000と算出する。
また、決済金額算出部509は、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において利用予定金額の設定がなく、「各利用者の負担割合は3分の1(等分)」と規定されており、実際の決済金額が¥12,000であった場合、各利用者が分担する決済金額をそれぞれ¥4,000と算出する。
また、決済金額算出部509は、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用者Aの上限額は¥2,000、利用者Bの上限額は¥1,000、利用者Cの上限額は¥6,000」、「上限額に達するまでの各利用者の負担割合は等分」と規定されており、実際の決済金額が¥6,000であった場合、まず、実際の決済金額の¥6,000を等分する。
この場合、一人あたりの決済金額が¥2,000と算出されるが、利用者Bの上限額は¥1,000であるため、決済金額算出部509は、利用者Bが分担する決済金額を¥1,000と算出する。つぎに、実際の決済金額の¥6,000から利用者Bが分担する決済金額を差し引いた¥5,000を等分する。この場合、一人あたりの決済金額が¥2,500と算出されるが、利用者Aの上限額は¥2,000であるため、決済金額算出部509は、利用者Aが分担する決済金額を¥2,000と算出する。
そして、決済金額算出部509は、実際の決済金額の¥6,000から利用者Aおよび利用者Bが分担する決済金額を差し引いた¥3,000と利用者Cの上限額とを比較し、利用者Cの上限額が¥3,000以上であれば、残余の¥3,000を利用者Cが分担する決済金額として算出する。このようにして各利用者が分担する決済金額を算出することにより、「上限額に達するまでの各利用者の負担割合は等分」という条件を満たし、かつ、各利用者の経済事情などに応じて各自の分担割合を考慮したカード決済をおこなうことができる。
また、決済金額算出部509は、たとえば、グループごとの決済条件として、各利用者が負担する上限額が規定されている場合、各利用者の上限金額の合計額に対する各利用者の上限金額の比率を算出し、算出した比率を受け付けた決済要求に含まれる決済金額に乗じることによって各利用者が分担する決済金額を算出してもよい。
具体的には、たとえば、「利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、「利用者Aの上限額は¥2,000、利用者Bの上限額は¥3,000、利用者Cの上限額は¥5,000」、「上限額に達するまでの各利用者の負担割合は等分」と規定されており、実際の決済金額が¥6,000であった場合、決済金額算出部509は、利用者Aの比率を0.2、利用者Bの比率を0.3、利用者Cの比率を0.5と算出する。
そして、各利用者の比率に実際の決済金額¥6,000を乗じた額を各利用者が分担する決済金額として算出する。この場合、決済金額算出部509は、利用者Aが分担する決済金額を¥1,200(実際の決済金額¥6,000×比率0.2)、利用者Bが分担する決済金額を¥1,800(実際の決済金額¥6,000×比率0.3)、利用者Cが分担する決済金額を¥3,000(実際の決済金額¥6,000×比率0.5)と算出する。
また、決済金額算出部509は、たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において「利用予定金額が¥9,000」、「利用者B、利用者Cの負担上限額が¥3,000」と規定されており、実際の決済金額が¥10,000であった場合、利用者B、利用者Cが分担する決済金額をそれぞれ¥3,000とし、利用者Aが分担する決済金額を¥4,000と算出してもよい。これにより、カード決済の当日に、カード決済をおこなう利用者Aが利用者B、利用者Cの同意を得ない状況で急遽予定を変更し、決済金額が利用予定額を超えた場合にも、一のカード決済にかかる支払いを複数人がそれぞれカード決済によって分担することができる。
また、決済金額算出部509は、たとえば、各利用者が分担する決済金額が、それぞれの利用者に設定された上限金額を超過した場合、カード決済を中断するようにしてもよい。この場合、決済金額算出部509は、利用者の端末装置120に対して、規定された決済条件に当て嵌まらないためにカード決済を中断する旨を通知する中断通知を出力するようにしてもよい。中断通知を受信した利用者の端末装置120は、受信した中断通知に基づいて、規定された決済条件に当て嵌まらないためにカード決済を中断する旨を報知する。また、決済金額算出部509は、たとえば、各利用者が分担する決済金額が、それぞれの利用者に設定された上限金額を超過した場合、超過した分を均等に分担した額を、各利用者の上限金額に加算した額を、各利用者が分担する決済金額として算出してもよい。
グループにおいて不同意の意思を示した利用者が存在する場合、決済金額算出部509は、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれる決済金額を、決済条件に同意した各利用者で分担する場合の各利用者が分担する決済金額を算出する。たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において利用者Bのみが同意の意思を示し、「各利用者の負担割合は等分」と規定されており、実際の決済金額が¥10,000であった場合、決済金額算出部509は、利用者A、利用者Bが分担する決済金額をそれぞれ¥5,000と算出する。決済金額算出部509の機能は、たとえば、CPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
カード決済処理部510は、算出した各利用者が分担する決済金額に基づいて、抽出したカードの識別情報ごとに、当該カードの識別情報によって識別される各利用者が分担する決済金額のカード決済処理をおこなう。たとえば、「利用者Aが登録し、利用者A、利用者B、利用者Cの3名によって構成されるグループ」において、決済金額算出部509が各利用者が分担する決済金額をそれぞれ¥3,000と算出した場合、利用者A、利用者B、利用者Cのカードの識別情報に関してそれぞれ¥3,000分のカード決済処理をおこなう。カード決済処理部510の機能は、たとえば、CPU211、ROM212およびRAM213などによって実現することができる。
(処理手順の一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100における共同決済装置110の処理手順の一例について説明する。図6−1、図6−2および図6−3は、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100における共同決済装置110の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6−1のフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置120から、グループ登録要求を受け付けるまで待機する(ステップS611:No)。ステップS611において、グループ登録要求を受け付けた場合(ステップS611:Yes)、受け付けたグループ登録要求に基づいて、登録を要求されたグループの識別情報およびグループの登録を要求する利用者の識別情報を特定する(ステップS612)。
つぎに、共同決済データベース320を参照して、共同決済データベース320に、ステップS612において特定したグループの識別情報に一致するグループの識別情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS613)。ステップS613において、一致するグループの識別情報が記憶されていない場合(ステップS613:No)、ステップS612において特定したグループの識別情報および利用者の識別情報を共同決済データベース320に記憶して(ステップS614)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS613において、一致するグループの識別情報が記憶されている場合(ステップS613:Yes)、上記の登録通知を出力する(ステップS615)。ステップS615においては、たとえば、上記のように、利用者の端末装置120において当該グループの識別情報が既に登録されている旨を報知させる情報や、既に登録されていることに対する利用者の承認を要求する情報などを含む登録通知を出力する。これにより、利用者の端末装置120において、登録通知に基づき、既に登録されているグループの識別情報であることを報知させ、既に登録されていることに対する利用者の承認を示す承認応答を取得することができる。
つぎに、ステップS615において出力した登録通知に応じて、利用者の端末装置120から出力された承認応答を取得したか否かを判断し(ステップS616)、承認応答を取得した場合(ステップS616:Yes)、ステップS614へ移行する。一方、ステップS616において、承認応答を取得していない場合(ステップS616:No)、ステップS615における登録通知の出力先となる利用者の端末装置120において、新たなグループの識別情報の入力を案内する入力案内通知を出力して(ステップS617)、一連の処理を終了する。
図6−2のフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置120から出力された設定要求を受け付けるまで待機する(ステップS621:No)。ステップS621において、設定要求を受け付けた場合(ステップS621:Yes)、受け付けた設定要求に基づいて、単一のグループを構成する利用者の識別情報および決済条件を特定する(ステップS622)。その後、ステップS622において特定した利用者の識別情報および決済条件を共同決済データベース320に記憶して(ステップS623)、一連の処理を終了する。
図6−3のフローチャートにおいて、まず、カード決済端末130から出力された決済要求を受け付けるまで待機する(ステップS631:No)。ステップS631において、決済要求を受け付けた場合(ステップS631:Yes)、受け付けた決済要求に基づいて、決済要求に含まれる利用者の識別情報と決済金額とを特定する(ステップS632)。
つぎに、ステップS631:Yesにおいて受け付けた決済要求の送信元となるカード決済端末から、当該決済要求の直前あるいは直後に受け付けた決済種別に関する情報に基づいて、ステップS631:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかるカード決済の決済種別を判定する(ステップS633)。そして、ステップS633における判定結果に基づいて、ステップS631:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかるカード決済が共同決済か否かを判断する(ステップS634)。
ステップS634において、ステップS631:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかるカード決済が共同決済である場合(ステップS634:Yes)、利用者データベース310や共同決済データベース320を参照して、当該共同決済の決済条件を取得する(ステップS635)。つぎに、ステップS635において取得した決済条件に基づいて、該当する共同決済をおこなうグループを構成する各利用者が分担する決済金額を算出する(ステップS636)。
その後、ステップS636において算出した各利用者が分担する決済金額やステップS635において取得した決済条件に基づいて、グループを構成する利用者の識別情報ごとのカード決済処理をおこなって(ステップS637)、一連の処理を終了する。一方、ステップS634において、ステップS631:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかるカード決済が共同決済でない場合(ステップS634:No)、ステップS637に移行する。この場合、ステップS637においては、一の利用者の識別情報のみにかかるカード決済処理をおこなう。
上述した実施の形態においては、共同利用者が操作可能な操作キーとして「同意」キーおよび「不同意」キーのみが表示された「同意確認画面」403を例示したが、共同利用者が操作可能な操作キーはこれに限るものではない。たとえば、「同意確認画面」に表示された分担割合を変更する操作キーを設けてもよい。
この場合、利用者の端末装置120は、たとえば、分担割合を変更する操作キーが操作された場合に、共同決済装置110に対して、当該操作キーを表示している「同意確認画面」を表示させた利用者が分担する金額の変更要求を出力する。金額の変更要求は、幹事が設定した分担割合よりも増加することを要求するものであることが好ましい。具体的には、たとえば、1回操作されるごとに、分担する金額を¥100ずつ増加させる金額の変更要求を出力する操作キーとすることができる。
また、この場合、変更後の分担割合は、減少させることはできず、さらに増加することが好ましい。変更後の分担割合は、当該変更後に「同意確認画面」を表示させた、おなじグループに属するすべての利用者の端末装置120に表示させることができる。これにより、幹事に設定された分担割合よりも多く分担する利用者の意志を反映させることができる。また、変更後の分担割合を減少させることができないようにすることにより、グループを構成する利用者の分担する金額の合計が、利用予定金額に達せず、共同購入ができなくなることを防止することができる。
幹事をつとめる利用者の識別情報は、グループを構成する利用者の識別情報に含まれない場合があってもよい。この場合、幹事をつとめる利用者は、カード決済をおこなうことができるが、当該カード決済にかかる支払いは分担しない。
このような共同決済システム100においては、分担割合を変更する操作キーの操作をともなう入力操作により、或る利用者が分担する決済金額(或る利用者の負担割合)が増加した場合、当該増加した決済金額(負担割合)に応じて、或る利用者とおなじグループに属する残余の利用者が分担する決済金額(残余の利用者の負担割合)を再計算してもよい。
具体的には、たとえば、利用予定金額が決定している場合、或る利用者が分担する決済金額として増加した分の金額を残余の利用者の数で除算し、除算した金額を、先に表示した「同意確認画面」において各利用者が分担する決済金額として示した金額から減算することによって、残余の利用者が分担する決済金額(残余の利用者の負担割合)を再計算することができる。
この場合、或る利用者が分担する決済金額として増加した分の金額を除算する数(分担する決済金額が減額される人数)を、任意に設定できるようにしてもよい。具体的には、分担する決済金額が減額される人数は、たとえば、残余の利用者のうち、あらかじめ指定された特定の利用者の数とすることができる。具体的には、たとえば、「親睦会」という利用目的の飲食に供する支払いを分担するグループの場合、「新人」や「女性」を、あらかじめ指定された特定の利用者として指定することができる。この場合、或る利用者が分担する決済金額を増加した場合、特定の利用者として指定された「新人」や「女性」が分担する決済金額を、先に表示した「同意確認画面」における各利用者の決済金額(各利用者の負担割合)より少なくすることができる。特定の利用者は、たとえば、幹事などが任意に設定することができる。
共同決済システム100は、分担割合の変更があった場合は、利用者の端末装置120において、分担割合を変更した後に、おなじグループに属するすべての利用者の端末装置120において、再計算した決済金額(負担割合)を示す「同意確認画面」を表示させるようにしてもよい。これにより、グループに属する各利用者は、分担割合が変更されるごとに、各利用者が分担する最新の決済金額を把握することができる。
変更後の分担割合は、
また、分担割合を変更する操作キーの操作をともなう入力操作により、或る利用者が分担する決済金額が増加した場合、当該増加した決済金額を、決済金額の増加がされたグループに属する利用者と同じ利用者によって構成されるグループにおける次回のイベントに利用するプール金として備蓄(貯金)するようにしてもよい。この場合、決済金額の増加がされたグループ(先のグループ)に属する利用者と同じ利用者によって構成されるグループ(後のグループ)であるか否かは、たとえば、「決済金額の増加がされたグループ(先のグループ)の設定以降に設定されたグループであって、決済金額の増加がされたグループ(先のグループ)に属する利用者のうち所定割合以上の利用者が属するグループである」などの条件を満たすか否かによって判断することができる。
また、この場合、決済金額の増加がされたグループ(先のグループ)に属する利用者と同じ利用者によって構成されるグループ(後のグループ)であるか否かは、たとえば、「先のグループの幹事とおなじ利用者が幹事をつとめるグループである」などの条件をさらに備えていてもよい。あるいは、決済金額の増加がされたグループ(先のグループ)に属する利用者と同じ利用者によって構成されるグループ(後のグループ)であるか否かは、たとえば、後のグループの幹事がグループの設定をおこなう際に自己申告することによって指定するようにしてもよい。
以上説明したように、この実施の形態の共同決済システム100は、共同決済装置110を実現するコンピュータに共同決済プログラムを実行させることにより、カード決済端末(決済端末)130から、決済種別に関する情報と決済要求とを受け付け、受け付けた決済種別に関する情報に基づいて共同決済であると判断した場合、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられたグループの識別情報を特定し、特定したグループの識別情報に関連付けられたすべての利用者の識別情報および決済条件に関する情報を抽出する処理を実行する。
そして、抽出した利用者の識別情報および決済条件に関する情報と受け付けた決済要求とに基づいて、当該決済要求に含まれる一の決済の決済金額のうち、抽出した利用者の識別情報によって特定される各利用者が分担する決済金額を算出し、算出した各利用者が分担する決済金額に基づいて、抽出した利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって識別される各利用者が分担する決済金額の決済処理をおこなう処理を実行することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、決済をおこなう利用者自身のカードの識別情報などの個人情報を第三者に伝えることなく、複数人での商品の購入やサービスの利用にかかる支払いを、一のカード決済によっておこなうことができる。これにより、現金の持ち歩きが不要になることによってATMで現金を引き落とす煩わしさがなくなる、現金を持ち歩くことによる不安をともなうことなく高額な買い物ができるなどの、カード決済による利点を維持したまま、一のカード決済にかかる支払いを、複数の利用者で分担することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、一のカード決済にかかる支払いを、当該支払いを分担する複数の利用者のそれぞれがカード決済によりおこなうことができる。これにより、支払いの前や後に精算をおこなうことによる煩わしさをなくすことができる。また、これにより、たとえば、カード決済にかかる決済金額に応じたポイントを得られるなどのカード決済による支払いをおこなうことによる利点を、当該支払いを分担する複数の利用者のそれぞれが平等に得ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、複数人での商品の購入やサービスの利用にかかる支払いを、事前に登録した一の利用者のカードを用いたカード決済によりおこなうことができるので、グループで共有するカードなど、新たなカードを発行する必要がない。これにより、共同決済をおこなうための専用のカードを携行しなくてはならない煩わしさや、このような専用のカードを携行することにより財布が膨らんでしまうなどの煩わしさを回避することができる。
また、この実施の形態の共同決済システム100は、共同決済装置110を実現するコンピュータに共同決済プログラムを実行させることにより、利用者の端末装置120からグループ登録要求と設定要求とを受け付け、受け付けた設定要求に基づいて、グループを構成する利用者の識別情報および決済条件に関する情報を関連付けてする処理をおこなうことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、グループの登録や決済条件の既定を、利用者の端末装置120を介して、各利用者が任意のタイミングでおこなうことができる。これにより、共同決済システム100の利用者に対して高い利便性を提供することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、幹事をつとめる利用者(たとえば、利用者A)のカード決済に同意する予定のある各利用者が任意のタイミングでグループの登録をおこなうことができる。また、幹事をつとめる利用者(たとえば、利用者A)は、任意のタイミングで、登録された利用者の中から利用目的などに応じて利用者を指定して、単一のグループを構成することができる。これにより、事前にグループの登録をしておくだけで、必要に応じた任意のタイミングで任意の利用者によるグループを構成することができ、共同決済システム100の利用者に対して高い利便性を提供することができる。
また、この実施の形態の共同決済システム100は、共同決済装置110を実現するコンピュータに共同決済プログラムを実行させることにより、単一のグループにおける決済条件に関する情報を受け付けた場合、当該単一のグループを構成する利用者の端末装置120に対して確認要求を出力し、出力した確認要求に応じて利用者の端末装置120から出力された確認応答に基づいて、同意の有無を示す情報と、当該同意の有無を示した利用者の識別情報とを関連付けて共同決済データベース320に記憶する処理を実行する。
そして、決済に際しては、共同決済データベース320を参照して、受け付けた決済要求に含まれる決済金額を、決済条件に同意した各利用者で分担する場合の各利用者が分担する決済金額を算出する処理をおこなうことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、カード決済の事前に、設定された決済条件による当該カード決済に対する同意の有無を確認し、共同決済に同意した利用者のみを対象として一のカード決済にかかる支払いを分担することができる。これにより、事前にグループの登録をすることにより、利用目的の異なるグループに誤った利用者を登録した場合にも、当該誤った利用者が同意の意志を示さなければ、当該誤った利用者が支払いを分担することがない。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、一のカード決済の決済金額を、共同によるカード決済の同意の意思を示した利用者によって分担することができるので、複数の利用者でおこなう一のカード決済にかかる支払いを円滑におこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、グループを構成する各利用者が決済条件に対する同意の有無を個別に宣言することができる。これにより、一のカード決済にかかる支払いを分担するかどうかについての各利用者の意志を適切に反映することができ、一のカード決済にかかる支払いを複数の利用者で円滑に分担することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の共同決済システム100によれば、カード決済の事前に各利用者の意思を確認しているため、カード決済の現場において支払いに時間がかかることをなくし、個人でおこなう通常のカード決済と同様の手続きをおこなうことができる。これにより、カード決済にかかわる店員や決済の順番待ちをしている後続の待機者などに負担をかけることなく、一のカード決済にかかる支払いを複数の利用者で円滑に分担することができる。
なお、この実施の形態で説明した共同決済方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。