JP6785211B2 - 光ファイバ切断システム - Google Patents
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Description
特許文献1には、円板状の刃部材(加傷刃)で光ファイバに初期傷をつける毎に、刃部材を少しずつ回転させる事項が開示されている。
特許文献2には、切断後の光ファイバの端面を画像分析装置により分析し、分析結果に基づいて刃部材の所定部位の切断性能が低下したと判断した場合に、光ファイバに対する刃部材の接触部位を自動的に変更する事項が開示されている。
特許文献3には、光ファイバ同士を接続する融着接続装置に、切断後(接続前)の光ファイバの端面を分析する画像分析装置を設けた構成が開示されている。この構成では、画像分析装置の分析結果に基づいて刃部材の所定部位が摩耗したと判断した場合に、光ファイバに接触する刃部材の部位を変更すべき指示を、刃部材を含む切断装置に送信する構成が開示されている。
前記取得部は、付与された前記磁力線の方向を検出することにより、円板状の前記刃部材の回転位置を前記位置情報として取得することが望ましい。これにより、刃部材の回転位置に応じて磁力線の方向が変化するため、センサの検知した磁力線の方向に基づいて、刃部材の回転位置を正確に取得できる。
図1は、第1実施形態の光ファイバ切断システムを示すブロック図である。図2は、第1実施形態の光ファイバ切断システムの構成例を示す斜視図である。
光ファイバ切断システム1は、光ファイバ100(光ファイバ心線)を切断(劈開)するための刃部材13を含む光ファイバ切断装置2と、光ファイバ100に対する刃部材13の位置情報を取得する取得部10とを備える。また、本実施形態の光ファイバ切断システム1は、刃部材13の位置情報を取り扱う演算部3、記憶部4及び表示部5を備える。
刃部材13は、その移動経路の途中(移動途中)において刃部材13の外周縁部19(刃先)が1対のクランプ11,12に把持された光ファイバ100の表面に接触することで、光ファイバ100の表面を加傷する。
また、図2に例示する光ファイバ切断装置2では、高さ方向における刃部材13の位置(高さ位置)が調整可能とされ、1対のクランプ11,12で把持された光ファイバ100の高さ位置は固定されている。以下、刃部材13の高さ位置を調整する機構について具体的に説明する。
本実施形態において、刃部材13の回転や刃部材13の高さ位置の調整は、光ファイバ切断装置2を扱う作業者によって手動で調整される。
上記した1対のクランプ11,12および刃部材13を含む光ファイバ切断装置2において、光ファイバ100の表面を加傷する(光ファイバ100の表面に初期傷をつける)際には、図3B〜図3D及び図4B〜図4Dに示すように、刃部材13を1対のクランプ11,12によって把持された光ファイバ100の長手方向に直交する方向に移動させることで、刃部材13の外周縁部19を光ファイバ100の表面に押し付ける。
この際、1対のクランプ11,12の間に位置する光ファイバ100は、図3A及び図4Aに示すように、刃部材13の押し付けによって撓む。これにより、刃部材13の外周縁部19のうち周方向の所定長さが、光ファイバ100の表面に接触する。以下の説明では、この所定長さを、光ファイバ100に対する刃部材13の「接触長」と呼ぶ。光ファイバ100に対する刃部材13の接触長は、図3D及び図4Dにおいて符号CL1,CL2で示している。
上記説明において、切断性能が低下しているか否かは、例えば作業者が切断後の光ファイバ100の端面の状態を確認して判断する。
本実施形態の取得部10は、光ファイバ100に対する刃部材13の外周縁部19の位置情報として、刃部材13の回転角度(回転位置)を測定する外縁位置測定センサ15を含む。言い換えれば、外縁位置測定センサ15は、光ファイバ100に接触する刃部材13の外周縁部19の位置を測定する。本実施形態において、外縁位置測定センサ15は、光ファイバ切断装置2に設けられている。
外縁位置測定センサ15は、刃部材13の回転角度を連続的に測定しても良いが、回転角度を離散的に測定しても良い。測定される刃部材13の回転角度(外周縁部19の位置)の数は、刃部材13の径寸法に応じて適宜設定されてよいが、本実施形態では16個とする。すなわち、本実施形態では、刃部材13の周方向に並び、光ファイバ100の切断に用いることが可能な刃部材13の外周縁部19の位置の数を16箇所とする。
加えて、仮に刃部材13の外縁部分に周方向に等間隔で複数(16個)のマーカー(光を反射する反射板、若しくは光の透過する貫通孔)を配列させ、外縁位置測定センサ15が光センサを利用してマーカーの一つを検出することで、刃部材13の回転位置を測定する場合、光ファイバの切断屑や被覆屑が光センサの検出光に与える影響により、正確に位置測定できないおそれがある。また、光センサを利用して刃部材13の回転位置を測定する場合、装置の外部から外乱光が入り込むことにより、正確に位置測定できないおそれもある。そこで、本実施形態の外縁位置測定センサ15は、磁気を検知する磁気センサを利用して、刃部材13の回転位置を測定する。
接触長測定センサ16は、刃部材13の高さ位置を連続的に測定しても良いが、本実施形態では高さ位置を離散的に測定する。測定される刃部材13の高さ位置の数は任意であってよいが、本実施形態では「低」、「中」、「高」の3つとする。すなわち、本実施形態では、同一の外周縁部19の位置において、光ファイバ100の切断に用いることが可能な刃部材13の高さ位置の数を3箇所とする。
したがって、本実施形態では、光ファイバ100の切断に用いることが可能な刃部材13の位置の総数が、刃部材13の周方向における外周縁部19の位置の数16箇所と、刃部材13の高さ位置の数3箇所とを掛け合わせた48箇所となる。
外縁位置測定センサ15、接触長測定センサ16は、図2に例示するように、刃部材13の外周縁部19が光ファイバ100と接触する位置から刃部材13の移動方向に離れた位置(例えば待機位置)に配された状態で刃部材13の位置情報を取得するように、基台17上に配置されてよい。この場合、外縁位置測定センサ15、接触長測定センサ16から延びる電気配線(不図示)の配置等を容易に設定できる。
また、外縁位置測定センサ15、接触長測定センサ16は、例えば刃台20のベース部21上に配されてもよい。この場合、刃部材13の移動方向の任意の位置において、刃部材13の位置情報を取得することが可能となる。
保守情報には、例えば、刃部材13の所定の外周縁部19が摩耗して光ファイバ100を切断するための切断性能が低下した際、次に光ファイバ100の切断に用いる外周縁部19の位置(所定の外周縁部19とは別の外周縁部19)および/または刃部材13の高さ位置(以下、「刃部材13の次回移動先位置」と呼ぶ)を示す情報、すなわち切断性能を回復させるための情報が含まれてよい。
「刃部材13の次回移動先位置」の演算には、光ファイバ100の切断に用いる刃部材13の複数(48箇所)の位置の正しい使用順序(以下、「刃部材13の正しい使用順序」と呼ぶ)を示す情報を利用する。当該情報は、予め後述の記憶部4に記憶されている。
手順A:最初に光ファイバ100の切断に使用する刃部材13の位置(初期位置)は、刃部材13の高さ位置を「低」とし、かつ、刃部材13の周方向における外周縁部19の位置を「1番」とした位置(「刃の高さ位置(刃高さ):低、刃部材13の外周縁部19の位置(刃角度):1番」)とする。刃部材13の周方向における外周縁部19の位置は、刃部材13の周方向に「1番」、「2番」・・・「16番」の番号が付されているものとする。
手順B:その上で、光ファイバ100に接触する刃部材13の所定番号の外周縁部19が摩耗する毎に、刃部材13を回転させ、「1番」→「2番」→「3番」→・・・→「15番」→「16番」の順番で刃部材13の周方向における外周縁部19の位置を変更する。
手順D:刃部材13の高さ位置を「中」に保持した状態で、上記「手順B」と同様に、「1番」→「2番」→「3番」→・・・→「15番」→「16番」の順番で刃部材13の周方向における外周縁部19の位置を変更する。
手順E:刃部材13が1回転して「1番」に戻った際には、上記「手順C」と同様にして、刃部材13の位置を「刃高さ:中、刃角度:16番」から「刃高さ:高、刃角度:1番」に変更する。
手順F:刃部材13の高さ位置を「高」に保持した状態で、上記「手順B」と同様に、「1番」→「2番」→「3番」→・・・→「15番」→「16番」の順番で刃部材13の周方向における外周縁部19の位置を変更し、「刃高さ:高、刃角度:16番」での使用が完了した(切断性能が低下した)段階で、刃部材13自体の使用を終わらせる。
特に、本実施形態の光ファイバ切断システム1では、取得部10は、刃部材13の外周縁部19の位置に応じた磁力線の方向を検出することにより、外周縁部19の位置情報を取得するセンサ(外縁位置測定センサ15及び接触長測定センサ16)である。これにより、光ファイバ100の切断屑や被覆屑の影響や、外乱光の影響などを受けずに、外周縁部19の位置情報を取得できるため、刃部材13の外周縁部19の位置を正確に把握できる。
なお、本実施形態では、刃部材13には、磁石51が取り付けられており、磁石51が磁力線を発生させている。このため、本実施形態では、刃部材13と磁石51とが別体であるため、刃部材13を着磁させて刃部材13そのものが磁力線を発生させる構成と比べると、刃部材13の材質の制約は少なくて済む。但し、刃部材13が強磁界の印加により着磁されており、着磁された刃部材13そのものが磁力線を発生させてもよい。この場合、部品構成を簡略化できる。
なお、本実施形態では、調整ネジ23(若しくは、調整ネジ23に固定した固定部品、又は、調整ネジ23及び調整ネジ23に固定した固定部品の両方)は、強磁界の印加により着磁されており、着磁された物(例えば調整ネジ23)そのものが磁力線を発生させている。このため、部品構成を簡略化できる。但し、調整ネジ23(若しくは、調整ネジ23に固定した固定部品、又は、調整ネジ23及び調整ネジ23に固定した固定部品の両方)に磁石が取り付けられており、その磁石が磁力線を発生させてもよい。これにより、調整ネジ23等と磁石とが別体であるため、調整ネジ23等の材質の制約が少なくて済む。
また、仮に作業者による刃部材13の移動ミスが発生しても、移動ミスの旨を作業者に通知(警告)することも可能となる。このため、作業者による刃部材13の移動ミスの発生をさらに抑制できる。
次に、第2実施形態について、図8を参照して第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
外部装置6Aは、光ファイバ切断装置2Aから送信された刃部材13の位置情報を受信する受信部(不図示)を備える。情報を光ファイバ切断装置2Aから外部装置6Aに送信する回線は、無線であってもよいし、有線であってもよい。
さらに、本実施形態の光ファイバ切断システム1Aによれば、演算部3、記憶部4、表示部5が、上記の外部装置6Aに設けられている。このため、第1実施形態の光ファイバ切断システム1と比較して、光ファイバ切断装置2Aの小型化、低コスト化を図ることができる。また、光ファイバ切断装置2Aが小型となることで、光ファイバ切断装置2Aの持ち運びが容易となり、特に屋外における光ファイバ切断装置2Aの使用に有効となる。
次に、第3実施形態について、図9を参照して第1、第2実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1、第2実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
外部装置6Bの具体例は、第2実施形態において例示したものと同様であってよい。
さらに、本実施形態の光ファイバ切断システム1Bによれば、表示部5が外部装置6Bに設けられているため、第1実施形態の光ファイバ切断システム1と比較して、光ファイバ切断装置2Bの小型化、低コスト化を図ることができる。
次に、第4実施形態について、図10を参照して第1、第2実施形態と相違点を中心に説明する。なお、第1、第2実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
外部装置6Cの具体例は、第2実施形態において例示したものと同様であってよい。
また、刃部材13の位置情報や保守情報のうち表示部5に表示する情報が、外部装置6Cから光ファイバ切断装置2Cに送信される。すなわち、外部装置6Cには、表示部5に表示する情報を光ファイバ切断装置2Cに送信するための送信部(不図示)が設けられる。また、光ファイバ切断装置2Cには、表示部5に表示する情報を受信するための受信部(不図示)が設けられる。
さらに、本実施形態の光ファイバ切断システム1Cによれば、演算部3及び記憶部4が上記の外部装置6Cに設けられているため、第1実施形態の光ファイバ切断システム1と比較して、光ファイバ切断装置2Cの小型化、低コスト化を図ることができる。
次に、第5実施形態について、図11を参照して第1実施形態と相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
2 、2A、2B、2C 光ファイバ切断装置、
3 演算部、4 記憶部、5 表示部、
6A、6B、6C 外部装置、
10 取得部、11、12 クランプ、
13 刃部材、13A 嵌合穴、14 押し当て部材、
15 外縁位置測定センサ(磁気センサ)、
16 接触長測定センサ(磁気センサ)、
17 基台、18 弾性パッド、19 外周縁部、
20 刃台、21 ベース部、22 揺動部、
23 調整ネジ、24 磁石、
25 調整ネジ、26 磁石、
31A 送信部、
50 回転ユニット、51 磁石、52 押さえ部材(固定部品の一例)、
521 フランジ部、521A 凸部、522 突出部、
53 回転軸、54 ラチェット機構、
541 ラチェット円板、541A 凸部、
542 ラチェット爪、
60 センサ側ユニット、61 揺動部材、
62 センサ用回転軸、
100 光ファイバ
Claims (9)
- 光ファイバの長手方向に間隔をあけて配され、前記光ファイバを把持する1対のクランプと、
前記1対のクランプ間を移動させて外周縁部を前記光ファイバの表面に接触させて加傷する円板状の刃部材であって、前記光ファイバに接触する前記外周縁部の位置を変更可能な円板状の前記刃部材と、
前記光ファイバの加傷部を押し曲げて光ファイバを切断する押し当て部材と、
前記光ファイバに接触する前記刃部材の外周縁部の位置を把握して前記刃部材に関する保守情報を求めるために、前記光ファイバに接触する前記外周縁部の位置情報として前記刃部材の回転位置を取得する取得部と、
を備え、
円板状の前記刃部材には、その円板平面の直径方向に磁力線が付与されており、
前記取得部は、付与された前記磁力線の方向を検出することにより、前記刃部材の回転位置を取得する磁気式角度センサを有することを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項1に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記刃部材は、強磁界の印加により着磁されており、着磁された前記刃部材そのものが前記磁力線を発生させることを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項1に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記刃部材には、磁石が取り付けられており、前記磁石が前記磁力線を発生させることを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項3に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記磁石は、前記刃部材に固定する固定部品に取り付けられていることを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項1に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記取得部は、前記保守情報を求めるために、前記光ファイバに接触する前記外周縁部の位置情報として前記刃部材の高さ方向における前記光ファイバとの相対位置を取得することを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項5に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記刃部材の高さ方向における前記相対位置を、ネジの回転位置に応じて調整する調整機構をさらに備え、
前記ネジ、前記ネジに固定した固定部品、又はそれら両方には、前記ネジの回転軸に直交する方向に磁力線が付与されており、
前記取得部は、付与された前記磁力線の方向を検出することにより、前記刃部材の高さ方向における前記相対位置を前記位置情報として取得することを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項6に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記ネジ、前記固定部品、又はそれら両方は、強磁界の印加により着磁されており、着磁された物そのものが前記磁力線を発生させることを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項6に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記ネジ、前記ネジに固定した固定部品、又はそれら両方には、磁石が取り付けられており、前記磁石が前記磁力線を発生させることを特徴とする光ファイバ切断システム。 - 請求項6に記載の光ファイバ切断システムであって、
前記刃部材の高さ方向における前記光ファイバとの相対位置の調整は、前記刃部材の高さ方向における位置の調整ではなく、前記光ファイバを把持する前記クランプの高さ方向における位置の調整によって行うことを特徴とする光ファイバ切断システム。
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