JP6783905B1 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッドDCSにおいて、上下呼びと行先呼びに対する最適な割当評価を行って群管理性能の向上を図る。【解決手段】一実施形態に係るエレベータの群管理システムは、第1の変換手段と、運行予測手段と、割当評価手段とを備える。上記第1の変換手段は、上下呼びに仮の行先階の情報を加えて行先呼びの形式に変換する。上記運行予測手段は、上下呼びを各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測すると共に、行先呼びを各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測する。上記割当評価手段は、上記運行予測手段によって得られる待ち時間と乗車時間に基づいて、上下呼びまたは行先呼びを各乗りかごに割り当てたときの評価値を算出し、その際に上下呼びと行先呼びとで乗車時間に対する重み付け係数を変えて評価する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの群管理システムに関する。
近年、乗場にて直接行先階を指定可能な乗場行先階登録装置(HDC:Hall Destination Controller)を備えたエレベータシステムが実用化されている。このようなエレベータシステムを「行先階制御システム(DCS:Destination Control System)」と呼ぶ。DCSは、利用者が乗場で登録した行先階を有する呼び(以下、「行先呼び」と称す)に基づいて、複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを選出して当該乗場に応答させる。この場合、同じ行先階の利用者を同じ乗りかごに乗車させることで、輸送効率の向上を図っている。
ここで、行先呼びを登録する乗場を有する階とは別に、上下呼びを登録する乗場を有する階を備えた「ハイブリッドDCS」がある。ハイブリッドDCSでは、行先呼びを登録して乗りかごに乗車した利用者は、かご内でかご呼びを登録することなく、行先階へ移動できる。また、上下呼びを登録する階から乗車した利用者は、自身の行先階をかご内でかご呼びとして登録して、行先階へ移動できる。このハイブリッドDCSでは、任意の階の乗場で登録された利用者の行先方向(上り方向/下り方向)を有する「上下呼び」と、かご内で登録された行先階を有する「かご呼び」を行先呼び形式に変換して、フルDCSとして扱う。「フルDCS」とは、すべての階で行先呼びが登録されるDCSのことである。
特開2014−152032号公報 特開2013−184816号公報
DCSでは、利用者の行先階が事前に分かっているので、待ち時間に加え、乗車時間も考慮して割当評価を行っている。なお、待ち時間は、乗場で行先呼びが登録されてから乗りかごが当該行先呼びの出発階(呼び登録階)に応答するまでの時間である。乗車時間は、乗りかごが出発階に応答してから利用者の行先階に到着するまでの時間である。待ち時間+乗車時間=サービス時間である。
ここで、上述したハイブリッドDCSにおいて、上下呼びから変換された行先呼びの行先階は予測されたものであり、実際の行先階とは違う階となることが多い。このため、乗場行先階登録装置(HDC)によって登録された本来の行先呼びと同等の割当評価を行うと、群管理性能の低下を招くことがある。
本発明が解決しようとする課題は、ハイブリッドDCSにおいて、上下呼びと行先呼びに対する最適な割当評価を行って群管理性能の向上を図ることのできるエレベータの群管理システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの群管理システムは、乗場で上下呼びを登録するための第1の登録装置と、乗場で行先呼びを登録するための第2の登録装置とを備える。
上記エレベータの群管理システムは、第1の変換手段と、運行予測手段と、割当評価手段とを備える。上記第1の変換手段は、上記第1の登録装置によって登録された上記上下呼びに仮の行先階の情報を加えて上記行先呼びの形式に変換する。上記運行予測手段は、上記第1の変換手段によって変換された上記上下呼びを各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測すると共に、上記行先呼びを上記各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測する。上記割当評価手段は、上記運行予測手段によって得られる待ち時間と乗車時間に基づいて、上記上下呼びまたは上記行先呼びを上記各乗りかごに割り当てたときの評価値を算出し、その際に上記上下呼びと上記行先呼びとで乗車時間に対する重み付け係数を変えて評価する。
図1は一実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。 図2は同実施形態における乗場行先階登録装置の一例を示す図である。 図3は同実施形態における乗場行先階表示装置の一例を示す図である。 図4は同実施形態における乗場行先階登録装置で行先呼びを登録した場合の運行予測の一例を示す図である。 図5は同実施形態における上下呼び登録装置で上下呼びを登録した場合の運行予測の一例を示す図である。 図6は同実施形態におけるかご呼びが登録された場合の運行予測の一例を示す図である。 図7は同実施形態のエレベータの群管理システムによる割当評価処理の動作を示すフローチャートである。 図8は上記図7に続く割当評価処理の動作を示すフローチャートである。 図9は同実施形態における仮割当をするための図である。 図10は同実施形態におけるオペレーションモード(退勤時)に応じた重み付け係数の変更機能を説明するための図である。 図11は同実施形態におけるオペレーションモード(昼食時)に応じた重み付け係数の変更機能を説明するための図である。 図12は同実施形態におけるガラス張りの階が存在する場合の重み付け係数の変更機能を説明するための図である。 図13は同実施形態における乗場行先階登録装置が設置された階における利用者の感覚を説明するための図である。 図14は同実施形態における上下呼び登録装置が設置された階における利用者の感覚を説明するための図である。 図15は同実施形態におけるオペレーションモードに応じた重み付け係数の変更処理を示すフローチャートである。 図16は同実施形態におけるオペレーションモードと重み付け係数との関係を示す図である。 図17は同実施形態におけるオペレーションモードの切り替えを説明するための図である。 図18は同実施形態における上下呼びに対して推定で求められた派生かご呼びの正解率と重み付け係数との関係を示す図である。 図19は同実施形態における上記派生かご呼びの正解率の集計方法を説明するための図である。 図20は同実施形態における学習結果から過去1か月分で同じ曜日・同じ時間帯・同じ方向のデータを取り出した例を示す図である。 図21は同実施形態における重み付け係数の学習処理を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は一実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図であり、複数台の乗りかごが群管理された構成が示されている。なお、乗りかごの台数は任意であり、少なくとも2台以上あれば良い。図中の21a,21b…はエレベータ制御装置(号機制御装置あるいはかご制御装置とも言う)、22a,22b…は乗りかごである。
エレベータ制御装置21a,21b…は、各号機の乗りかご22a,22b…に対応して設けられている。エレベータ制御装置21aは、A号機の乗りかご22aの運転制御を行う。具体的には、エレベータ制御装置21aは、乗りかご22aを昇降動作させるための図示せぬモータ(巻上機)の制御やドアの開閉制御などを行う。B号機のエレベータ制御装置21bも同様である。これらのエレベータ制御装置21a,21b…は、コンピュータによって構成される。乗りかご22a,22b…は、モータ(巻上機)の駆動により昇降路内を昇降動作する。
乗りかご22a,22b…には、それぞれにかご呼びを登録するためのかご呼び登録装置23a,23b…が備えられている。「かご呼び」は、図示せぬかご操作盤上に設けられた階床ボタンの操作によって登録される呼びであり、利用者の行先階と乗りかごの情報を含んでいる。
ここで、本実施形態は、ハイブリッドDCS方式のエレベータの群管理システムを想定している。ハイブリッドDCSは、一般的な群管理方式で用いられている上下呼び登録装置11と、DCS方式で用いられる乗場行先階登録装置(HDC)12とを備える。
上下呼び登録装置11と乗場行先階登録装置12は、それぞれに別の階の乗場に設置されている。上下呼び登録装置11は、図示せぬ上下方向ボタンの操作により、乗場で上下呼びを登録するための第1の登録装置である。上下呼びには、出発階(呼び登録階)と利用者の行先方向(上り方向/下り方向)の情報が含まれている。乗場行先階登録装置12は、乗場で行先呼びを登録するための第2の登録装置である。行先呼びには、出発階(呼び登録階)と利用者の行先階の情報が含まれている。
図2に示すように、乗場行先階登録装置12は、利用者の行先階を入力するための操作部12aと、操作部12aによって入力された行先階に向かう乗りかご(割当かご)を利用者に知らせるための表示部12bとを有する。「割当かご」とは、呼びが登録された乗りかごのことであり、「割当号機」とも言う。なお、行先階の入力方法としては、テンキーの操作によるものが一般的であるが、例えばICカードなどを用いた方法であっても良い。また、乗場行先階登録装置12は、乗場から離れた場所に設置されていても良い。
図2の例では、利用者が入力した行先階が13階であり、その行先階に対してA号機の乗りかご22aが割り当てられたことが表示されている。利用者は、この表示に従ってA号機の乗場で待機することになる。
利用者が円滑に割当かごに乗車できるように、図3に示すように、乗場14には乗場ドア15の近傍に乗場行先階表示装置(HDI)13が設置されている。乗場行先階表示装置13は、乗りかごの行先階を所定の時間、表示するための装置である。上記「所定の時間」とは、乗場行先階表示装置13の設置階において、その乗りかごの行先階へ向けた応答を完了するまでの間である。図3の例では、A号機の行先階として7階、11階、13階が表示されている。このような表示により、利用者は乗りかごの行先階を確認した上で乗車できる。
なお、図3の例では、A号機の乗場行先階表示装置13だけが示されているが、実際には各号機毎に乗場行先階表示装置13が設置されており、それぞれに対応した乗りかごの行先階が表示される。
群管理制御装置30は、乗りかご22a,22b…の運転を統括的に制御する装置である。群管理制御装置30は、エレベータ制御装置21a,21b…と同様にコンピュータによって構成される。本実施形態において、この群管理制御装置30には、ハイブリッドDCSに関する構成要素として、第1の変換部31、第2の変換部32、運行予測部33、重み付け係数記憶部34、割当評価部35、割当管理部36、割当出力部37が備えられている。
第1の変換部31は、上下呼び登録装置11によって登録された上下呼びに仮の行先階を加えて行先呼びの形式に変換する。なお、上下呼びから推測された仮の行先階のことを「派生かご呼び」と言う。第2の変換部32は、エレベータ制御装置21a,21b…から得られるかご呼びに登録操作が行われた階を出発階として加えて行先呼びの形式に変換する。
運行予測部33は、行先呼び、上下呼び(行先呼び形式に変換後の上下呼び)、かご呼び(行先呼び形式に変換後のかご呼び)、さらに割当管理部36に蓄えられた呼び・割当を用いて、乗りかご22a,22b…の運行を予測し、その予測結果から待ち時間と乗車時間を算出する。
割当評価部35は、運行予測部33から予測結果として得られる待ち時間と乗車時間に基づいて、評価対象の呼びを乗りかご22a,22b…のそれぞれに割り当てた場合の評価値を算出する。詳しくは、割当評価部35は、下記の(1)式に示す評価式に従って評価値を算出する。
{(1.0−R)×待ち時間の予測値+R×乗車時間の予測値} ……(1)
“R”は待ち時間と乗車時間の重みの比率を決める重み付け係数である。ここでは、乗車時間に対して重み付け係数Rが設定され、0〜1の値を取る。待ち時間に対する重み付け係数は「1.0−R」で表される。この重み付け係数Rは呼びの種類(上下呼び,行先呼び,がこ呼び)毎に設定されており、その値が重み付け係数記憶部34に記憶されている。
割当評価部35は、上記(1)式によって得られた評価値に基づいて、乗りかご22a,22b…の中で最も評価の高い乗りかごに当該呼びを割り当てる。なお、評価値は、その値が小さいほど、評価が高いことを意味している。したがって、評価値が最も小さい乗りかごが割当かごとして選出されることになる。
割当管理部36は、利用者の呼びが登録される度に、その呼びが割り当てられた乗りかご(割当かご)が行先階に到着するまでの間保持する。割当出力部37は、エレベータ制御装置21a,21b…の中の割当かごに対応したエレベータ制御装置に割当信号を出力して、その割当かごを呼びの出発階に応答させる。また、割当出力部37は、乗場行先階登録装置12に割当かごの情報を送って、乗場行先階登録装置12の表示部bに表示させている。
学習部38は、エレベータ制御装置21a,21b…を介して乗りかご22a,22b…の運行情報を取得し、その運行情報に基づいて上下呼びに付加された仮の行先階の正解率(つまり、当該上下呼びが割り当てられた乗りかごが実際に向かった行先階と一致する確率)を学習する。
次に、本実施形態におけるエレベータの群管理システムに備えられたハイブリッドDCSに関わる各種機能について、(a)呼び種類に応じた重み付け係数の変更機能、(b)オペレーションモード等に応じた重み付け係数の変更機能、(c)重み付け係数の学習機能に分けて説明する。
(a)呼び種類に応じた重み付け係数の変更機能
図1に示したように、本システムでは、乗場に上下呼び登録装置11が設置された階と、乗場に乗場行先階登録装置12が設置された階に分けられる。ハイブリッドDCSでは、サービス時間(待ち時間+乗車時間)を短縮することを制御目標としている。乗車時間を含めたサービス時間を短縮する制御は、待ち時間だけを短縮する制御よりも、乗りかごが昇降路を1周するまでの停車回数を減らして、より多くの利用者を輸送できるため、混雑時に特に有効である。
ここで、待ち時間と乗車時間の予測値について説明する。
図4は乗場行先階登録装置12で行先呼びを登録した場合の運行予測、図5は上下呼び登録装置11で上下呼びを登録した場合の運行予測を示している。
図4に示すように、利用者が3Fの乗場で5階の行先呼びを登録してから10秒後に乗りかごが応答し、30秒後に5階に到着したとする。このときの待ち時間の予測値は10秒、乗車時間の予測値は20秒である。また、図5に示すように、利用者が2Fの乗場で上り方向の呼びを登録してから8秒後に乗りかごが応答し、30秒後に5階(仮の行先階)に到着したとする。このときの待ち時間の予測値は8秒、乗車時間の予測値は22秒である。
ここで、上下呼び登録装置11で登録される「上下呼び」に関しては、乗りかごが出発階に応答するまでの間は、その呼びを登録した利用者の行先階を特定できない。そこで、仮の行先階を「派生かご呼び」として、出発階や出発方向等と関連付けて図示せぬテーブルに用意しておく。このような派生かご呼びが用意されていれば、上下呼びに対しても、行先呼びと同様に、待ち時間と乗車時間の予測値を求めることができる。
ただし、ここで求められる乗車時間の予測値は、本当の行先階に対する乗車時間の予測値とは違う。このため、行先呼びの場合と比べると、上下呼びの評価は低くなる(不確実性が高い予測ほど、低く評価すべきとの考え方に従う)。したがって、上下呼びを評価するときは、行先呼びを評価する場合と比べ、乗車時間に対する重み付け係数を低く設定しておくことが好ましい。
具体的には、上記(1)式に示した評価式における重み付け係数Rを下記のように行先呼びと上下呼びとで別々の値に設定しておく。
行先呼び:R=0.4
上下呼び:R=0.2
行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rは、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rよりも大きい。言い換えれば、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rは、行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rよりも小さい。
また、図6に示すように、上下呼びであっても、乗りかご内に利用者が乗車した後、かご呼びの登録によって、当該乗りかごが本当の行先階に向かうことになる。つまり、仮の行先階ではなくなる。図6の例では、上下呼びの登録により2Fに応答した乗りかごに利用者が乗車したときに、4Fを行先階としたかご呼びが登録された場合を示している。
ここで、上下呼びまたは行先呼びの登録に伴い割当処理を行う際、登録済みのかご呼びのうち、行先呼びの行先階によるものを除いたものについて、そのかご呼びが登録された直前に乗りかごが応答した上下呼びのデータを取得する。その上下呼びが登録された時刻をt1、出発階に応答した時刻をt2、乗りかごが新たに登録されたかご呼びの行先階に応答すると見込まれる将来の時刻をt3とするとき、このかご呼びの待ち時間と乗車時間の予測値は下記のようになる。
かご呼びの待ち時間の予測値=t2−t1
かご呼びの乗車時間の予測値=t3−t2
つまり、かご呼びの待ち時間の予測値は、乗りかごが直前に応答した上下呼びの待ち時間として算出される。かご呼びの乗車時間の予測値は、かご呼びが登録されてから利用者が行先階で降車するまでの予定時間、または、乗りかごが出発階で応答してから利用者が行先階で降車するまでの予定時間として算出される。
この待ち時間と乗車時間の予測値を上記(1)式に示した評価式に代入して評価値を求める。このときに用いる重み付け係数Rは、行先呼び、上下呼びに対する値とは別に用いる。この場合、行先階が確定しているので、行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rの値と同等としても良い(R=0.4)。
また、かご呼びは正しい行先階なので、重み付け係数Rを行先呼びに準じた大きな値とした方が良い。一方で、かご呼びを登録した利用者に対しては、出発階で応答前の段階では待ち時間の方を強く評価していた。同じ利用者に対し、評価の方法を途中で大きく変えると、評価の一貫性が低下し、運行スケジュール全体に対する評価が大きく変化し、これまでの状況が最適とはみなせなくなってくる。その結果、割当変更(割当を別の乗りかごに変更すること)が起こりやすくなる。このような過度な変更を避けるため、評価方法の変化を小さく抑えることとし、重み付け係数Rを行先呼びと同じ0.4ではなく、控えめに0.3としても良い。
このような処理を行うことで、乗場で長く待った利用者に対し、乗車時間を優遇する働きが生じる。なぜなら、待ち時間が長いほど、乗車時間の増分に対する評価値の増分が大きくなるように、上記評価式が作られているからである。
以下に、割当評価処理の動作について説明する。
図7および図8は本実施形態のエレベータの群管理システムによる割当評価処理の動作を示すフローチャートである。全体的な処理の流れは一般的な割当評価処理と同様であり、ステップS11〜S15で呼び種類に応じて重み付け係数を変更している点が異なる。
行先呼び、上下呼びのいずれかが登録されると、群管理制御装置30は、以下のような割当評価処理をかご別に実行する(ステップS1)。ここで、乗りかごの評価値=仮割当ありの評価値−仮割当なしの評価値で求められる。したがって、仮割当ありの場合と仮割当なしの場合に分けて運行予測を行い、それぞれの場合の評価値を求める必要がある。
図9にその様子を示す。
例えば、A,B,C号機が割当候補だったとする。新たな呼びを割り当てる際、将来の想定として考えられるケースは、A号機に仮割当した場合、B号機に仮割当した場合、C号機に仮割当した場合の3通りである。それぞれのケースで、運行スケジュールは仮割当した号機のみ変化する。運行スケジュールの変化に伴う群管理性能の変化は、仮割当しなかった場合に考えられるサービス性能と、仮割当した場合に考えられるサービス性能の差と考えることができる。したがって、各号機を対象に、「仮割当をせず既存の呼び・割当だけに従った運行予測による評価値」と、「仮割当を行った運行予測による評価値」を求め、それらの評価値の差を各号機の評価値とすれば良い。
初期状態では、仮割当なしの合計値=0,仮割当ありの合計値=0である(ステップS2)。仮割当なしの場合と仮割当ありの場合に分けて、以下のような処理が繰り返し実行される(ステップS3)。
すなわち、まず、群管理制御装置30の運行予測部33は、現在登録済みの呼び(行先呼び/上下呼び/かご呼び)を運行予測の評価対象に加える(ステップS4)。その際、仮割当ありの場合には(ステップS5のYes)、運行予測部33は、その仮割当の呼びも運行予測の評価対象に加える(ステップS6)。
ここで、評価対象の呼びの中に上下呼びがあれば、第1の変換部31によって、その上下呼びに派生かご呼びの行先階を付加して、行先呼びの形式とする(ステップS7)。このとき、元々は上下呼びであったことを示す情報を当該呼びのデータ内に残し、あとで識別できるようにしておく。
また、評価対象の呼びの中にかご呼びがあれば、第2の変換部32によって、そのかご呼びに直前に応答した上下呼びの出発階、登録時刻、出発階での応答時刻を加えて、行先呼びの形式とする(ステップS8)。このとき、元々はかご呼びであったことを示す情報を当該呼びのデータ内に残しておき、後で判別できるようにしておく。
運行予測部33は、評価対象の呼びを各乗りかご22a,22b…に割り当てた場合の運行をそれぞれ予測し、その予測結果から待ち時間と乗車時間の予測値を算出する(ステップS9)。なお、ステップS9の処理は、評価対象の呼びを各乗りかご22a,22b…に割り当てた場合の運行を一度に予測するのではなく、上記ステップS1からのループとして処理中の乗りかごに対して1台ずつ予測を行う。
詳しくは、運行予測部33は、エレベータ制御装置21a,21b…から現在のかご位置・運転方向・扉の状態・走行状態などの現在の運行情報を取得する。運行予測部33は、その運行情報から評価対象の呼びを各乗りかご22a,22b…の中の処理対象の乗りかごに1ループ毎に順次割り当てたときの動きを模擬しながら、以下のようにして待ち時間と車時間の予測値を算出する。
待ち時間の予測値=乗車予測時刻―発生予測時刻
乗車時間の予測値=降車予測時刻―乗車予測時刻
このようにして、評価対象の呼びを各乗りかご22a,22b…のそれぞれに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間の予測値が得られると、割当評価部35は、以下のような処理を呼び毎に実行する(ステップS10)。
すなわち、割当評価部35は、まず、評価対象の呼びの種類を判断し(ステップS11,S12)、その呼びの種類に応じて、割当の評価式に用いる重み付け係数Rを切り替える(ステップS13〜S15)。具体的には、例えば行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数R=「0.4」、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数R=「0.2」として、上下呼びについては乗車時間の評価を下げておく。また、かご呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rは、行先呼びと同等の値(0.4)あるいは若干小さな値(0.3)とする。
このようにして、割当評価部35は、呼びの種類に応じて重み付け係数Rを変えながら、仮割当なしの評価値と仮割当ありの評価値を求め(ステップS16〜S21)、これらの評価値から最終的な評価値を求める(ステップS22)。
乗りかご22a,22b…のそれぞれについて、最終的な評価値が得られると(ステップS23)、割当評価部35は、最小の評価値を有する乗りかごを割当かごとして選出して当該呼びの出発階に応答させる(ステップS24)。
このように、呼びの種類に応じて重み付け係数Rを変えることで、上下呼びについては、行先階が不確かな分、行先呼びよりも評価を下げて評価値を求めることができ、その評価値を用いて最適な割当かごを選出できるようになる。つまり、各階で行先呼びや上下呼び呼びが登録された場合でも、サービス時間(待ち時間+乗車時間)が最も短い乗りかごを適切に選んで出発階に応答させることができる。
(b)オペレーションモード等に応じた重み付け係数の変更機能
[オペレーションモード]
上下呼びを登録した利用者の行先階の推定値である「派生かご呼び」は、エレベータのオペレーションモード(出勤時モード、退勤時モード等)により、本来の行先階と一致しやすい場合と、そうでない場合がある。
例えばオフィスビルでは、退勤時間帯に多数の利用者が建物の出入口階よりも上方にある階から下り方向に向かう可能性が高い。したがって、退勤時モードでは、図10に示すように、出入口階よりも上方にある階から下り方向の呼びに対し、派生かご呼びとしてビルの出入口階をセットする。この派生かご呼びは、確信度が高いので、DCSの行先呼びに相当する。したがって、退勤時モードのときに、下り方向の呼びが登録された場合には、そのときの重み付け係数Rを行先呼びと同等の値としても良い。例えば、行先呼びでR=0.4としたのであれば、上記の下り方向の呼びに対し、R=0.4としても良い。なお、例えば上り方向など、利用者が乗車後に登録する行先階が不確かな上下呼びに対しては、R=0.1としても良い。
また、昼食時間帯であれば、利用者が食堂階で降車する可能性が高い。したがって、図11に示すように、昼食時モードであれば、上り方向の呼びでも、下り方向の呼びでも、食堂階に派生かご呼びをセットする。その際に、行先呼びと同様に、R=0.4としても良い。なお、乗車しても食堂階へ向かうことができない上下呼びに対しては、行先階を推定しづらい。そのような上下呼びに対しては、R=0.1としても良い。
[ガラス張りの階]
例えば図12に示すように、一部の階のドアをガラス張りして、乗場から乗りかごの動きを視認できる建物がある。図12の例では、4F,5Fがガラス張りの階である。このような階が存在すると、乗りかごが通過したときに利用者がわかり、不快に感じるため、乗車時間よりも待ち時間を優先して乗りかごを応答させることが好ましい。そこで、ガラス張りの階などの特定の階を出発階とした呼びに対しては、その呼びの種類に関係なくR=0.0として、待ち時間の予測値だけを用いて評価を行うようにする。
一方で、乗場から乗りかごの通過を確認できない1F〜3Fでは、乗車時間を含んだサービス時間を最優先した効率的な運行を行うことが好ましい。そこで、上述したように呼びの種類に応じて、重み付け係数Rの値を切り替える。例えば、下り方向の呼びであれば出発基準階へ行く可能性が高いのでR=0.4とし、上り方向の呼びであれば行先階が予測しづらいのでR=0.1とする。
[利用者の感覚]
「HDC設置階」と「上下ボタン設置階」で、利用者の感覚が異なることがある。すなわち、図13に示すように、乗場行先階登録装置12が設置された階から乗車する利用者は、一人ずつ割当かごが提示される。したがって、複数の乗りかごに分かれて待つことも多く、最初に応答した乗りかごに乗車できなくても、やむを得ないという感覚を持っている。なぜなら、後に応答した乗りかごに乗った場合であっても、途中階を多く通過し、最終的には、行先階に早く到達できるような制御になっているからである。
一方で、図14に示すように、上下呼び登録装置11が設置された階では、同一方向に向かう複数の利用者が同じ割当かごに乗車することを前提としている。したがって、早く応答した乗りかごに乗りたい(待ち時間を短くしたい)という気持ちが働きやすい。
そこで、乗場行先階登録装置12の設置階を出発階とする行先呼びに対しては、重み付け係数Rの値を0.5に近い値として、サービス時間に近い指標を割当評価値に用いる。一方、上下呼び登録装置11の設置階を出発階とする上下呼びに対しては、重み付け係数Rを0.0に近い値として、待ち時間に近い指標を割当評価値に用いる。これにより、利用者の感覚に近い割当評価を実現できる。
なお、利用者が極端に多い時間帯では、利用者の感覚に近い割当評価を行うと、重み付け係数Rが小さい設定となる呼びが多くなるケースがあり、群管理システム全体の効率が低下してしまう可能性がある。このため、利用者の感覚に近い割当評価を行うのは、利用者が少ない時間帯(出勤時、昼食時、退勤時を避けた時間帯)とするのが好ましい。
図1に示した割当評価部35には、上述したオペレーションモードや、ガラス張り等の特定階、HDC/上下ボタンの設置階等を条件として、重み付け係数記憶部34に記憶された各呼びに対応した重み付け係数Rを適宜変更する機能が備えられている。なお、群管理制御装置30に割当評価部35とは別に重み付け係数Rを変更する係数変更部を別に設けても良い。
以下に、オペレーションモードを例にして重み付け係数Rを変更する処理について説明する。
図15はオペレーションモードに応じた重み付け係数の変更処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、図8のステップ15に代わって実行される。
いま、時間帯に応じて切り替えられるオペレーションモードとして、出勤時モード、退勤時モード、昼食時モード、平常時モードを想定する。割当評価部35には、エレベータペーの運行時にオペレーションモードの切り替え信号が入力されているものとする。
処理対象の呼びが上下呼びであった場合に、割当評価部35は、現在のオペレーションモードを確認する。その結果、出勤時モードであれば(ステップS51のYes)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.1として、乗車時間の評価を下げる(ステップS63)。
また、退勤時モードであれば(ステップS52のYes)、割当評価部35は、当該呼びの出発階と出発方向(行先方向)との関係から重み付け係数Rの値を変える。すなわち、図10で説明したように、当該呼びの出発階から出発方向に向けて出発基準階が存在すれば(ステップS56のYes)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.4として、行先呼びと同等に乗車時間を評価する(ステップS62)。一方、当該呼びの出発階から出発方向に向けて出発基準階が存在しなければ(ステップS56のNo)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.1に下げる(ステップS66)。
昼食時モードでも同様であり(ステップS53のYes)、割当評価部35は、当該呼びの出発階と出発方向との関係から重み付け係数Rの値を変える。この場合、図11で説明したように、当該呼びの出発階から出発方向に向けて食堂階が存在すれば(ステップS54のYes)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.4として、行先呼びと同等に乗車時間を評価する(ステップS68)。
一方、当該呼びの出発階から出発方向に向けて昼食階が存在しなければ(ステップS54のNo)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.1に下げる(ステップS57)。
また、平常時モードであれば(ステップS53のNo)、割当評価部35は、当該呼びの出発階から出発方向に向けて出発基準階が存在すれば(ステップS55のYes)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.3とする(ステップS60)。当該呼びの出発階から出発方向に向けて出発基準階が存在しなければ(ステップS55のNo)、割当評価部35は、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを0.1とする(ステップS59)。
なお、図15の例では、上下呼びに関する重み付け係数Rについて説明したが、行先呼びとかご呼びに関しては、図16に示すようになる。また、オペレーションモードは、図17に示すように、曜日や時間帯によって切り替えられる。
このように、時間帯や建物の構造、利用者が求めるサービス性能などに合わせて、重み付け係数Rを適宜変更することで、そのときの状況に合わせた最適な割当かごを選出して応答させることができる。
(c)重み付け係数の学習機能
図1に示した学習部38は、上下呼びに対して推定で求められた派生かご呼び(仮の行先階)が、実際に上下呼びに応答した後で登録されたかご呼びの行先階と同じであったか否かをエレベータの運行中に判定する機能を備えている。割当評価部35は、この学習部38による学習結果を受けて、派生かご呼びの正解率が高いほど、つまり、上下呼びに付加された仮の行先階がかご呼びの行先階と一致する確率が高いほど、上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rを大きくする。
例えば、図18に示すように、正解率「80%以上」,「50%以上〜80%未満」,「30%以上〜50%未満」,「30%未満」に分けて、重み付け係数Rを段階に変更する。また、R=正解率×0.5としても良い。ただし、そのときの重み付け係数Rの上限は0.4、下限は0.1とする。
派生かご呼びの正解率は、例えば図19に示すような形式で集計され、学習部38に学習結果として保持される。なお、1回の上下呼びの応答で、複数のかご呼びが登録されることもある。そのようなときは、例えば派生かご呼びの行先階が、これらのかご呼びの中に含まれていれば正解、含まれていなければ不正解としても良い。
新たな上下呼びが登録されたときに、学習結果から例えば過去1か月分で同じ曜日・同じ時間帯・同じ方向のデータを取り出す。図20の例は、2019年5月23日(木曜日)08:15に上方向の呼びが登録されたときに、過去1ヶ月の同じ曜日・同じ時間帯・同じ方向のデータを取り出した例を示している。これらのデータから応答回数の合計値=138、正解回数の合計値=45になるので、正解率33%である。したがって、上記上方向の呼びに対しては、図18からR=0.2に設定されて、割当評価が行われることになる。なお、応答回数0件の時は、正解率として例えば30%といったデフォルト値を用いても良い。
なお、図20の例では、過去1か月分に対して同じ曜日のデータを集計することとしたが、異なる期間や種別に対して記録や集計を行っても良い。例えば、平日のみ処理の対象として、祝日のデータは取り除いて記録・集計しても良い。
以下に、重み付け係数Rの学習処理について説明する。
図21は重み付け係数Rの学習処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、図8とは別にエレベータの運行中に上下呼びが登録される度に学習部38によって実行される。
いま、任意の階に設置された上下呼び登録装置11を通じて上下呼びが登録され、その上下呼びの出発階(呼び登録階)に割当かごが応答したとする(ステップS101のYes)。上下呼びの出発階でかご呼びを登録されると(ステップS102のYes)、学習部38は、そのかご呼びの行先階が当該上下呼びに対して推定で求められた派生かご呼びの行先階(仮の行先階)と一致するか否かを判断する(ステップS103)。その結果、両者の行先階が一致すれば(ステップS103のYes)、学習部38は、正解としてカウントする(ステップS105)。詳しくは、学習部38は、図19に示した当該呼びに対応した応答回数と正解回数をそれぞれ+1カウントアップする。
一方、両者の行先階が一致せずに、当該かご呼びの応答が終了した場合、つまり、割当かごが上下呼びへの応答を終え、完全に戸閉した場合には(ステップS104のYes)、学習部38は、不正解としてカウントする(ステップS106)。詳しくは、学習部38は、図19に示した当該呼びに対応した応答回数だけを+1カウントアップする。
このようして、上下呼びが登録される度に、その上下呼びに派生かご呼びとして付加された仮の行先階の正解率を学習する。図18に示したように、この学習結果を上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数Rに反映させて割当評価を行うことで、上下呼びと行先呼びに対する評価値のバランスが取れる。これにより、ハイブリッドDCSにおける割当評価の精度が上がり、群管理能力をさらに上げることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、ハイブリッドDCSにおいて、上下呼びと行先呼びに対する最適な割当評価を行って群管理性能の向上を図ることのできるエレベータの群管理システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…上下呼び登録装置、12…乗場行先階登録装置(HDC)、13…乗場行先階表示装置(HDI)、14…乗場、15…乗場ドア、21a,21b…エレベータ制御装置、22a,22b…乗りかご、23a,23b…かご呼び登録装置、30…群管理制御装置、31…第1の変換部、32…第2の変換部、33…運行予測部、34…重み付け係数記憶部、35…割当評価部、36…割当管理部、37…割当出力部、38…学習部。

Claims (8)

  1. 乗場で上下呼びを登録するための第1の登録装置と、乗場で行先呼びを登録するための第2の登録装置とを備えたエレベータの群管理システムにおいて、
    上記第1の登録装置によって登録された上記上下呼びに仮の行先階の情報を加えて上記行先呼びの形式に変換する第1の変換手段と、
    この第1の変換手段によって変換された上記上下呼びを各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測すると共に、上記行先呼びを上記各乗りかごに割り当てた場合の待ち時間と乗車時間を予測する運行予測手段と、
    この運行予測手段によって得られる待ち時間と乗車時間に基づいて、上記上下呼びまたは上記行先呼びを上記各乗りかごに割り当てたときの評価値を算出し、その際に上記上下呼びと上記行先呼びとで乗車時間に対する重み付け係数を変えて評価する割当評価手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの群管理システム。
  2. 上記上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数は、上記行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  3. 上記乗りかご内で利用者のかご呼びを登録するための第3の登録装置と、
    この第3の登録装置によって登録された上記かご呼びに上記乗りかごの出発階の情報を加えて上記行先呼びの形式に変換する第2の変換手段とを備え、
    上記運行予測手段は、
    上記第2の変換手段によって変換された上記かご呼びの待ち時間を上記乗りかごが直前に応答した上記上下呼びの待ち時間として算出し、上記かご呼びの乗車時間を上記かご呼びが登録されてから利用者が行先階で降車するまでの予定時間、または、上記乗りかごが出発階で応答してから利用者が行先階で降車するまでの予定時間として算出することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  4. 上記割当評価手段は、
    上記かご呼びを上記上下呼びおよび上記行先呼びとは別の重み付け係数を用いて評価し、
    上記かご呼びの乗車時間に対する重み付け係数は、上記行先呼びの乗車時間に対する重み付け係数と同等、あるいは、若干小さく設定されていることを特徴とする請求項3記載のエレベータの群管理システム。
  5. 上記割当評価手段は、
    上記上下呼びに付加された仮の行先階がエレベータのオペレーションモードによって特定される行先階と一致する確率が高い場合に、上記上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数を上げることを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  6. 上記割当評価手段は、
    上記上下呼びまたは上記行先呼びに特定の階が出発階として含まれている場合に、待ち時間を優先とした重み付け係数に切り替えることを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  7. 上記上下呼びに付加された仮の行先階の正解率を学習する学習手段をさらに具備し、
    上記割当評価手段は、
    上記学習手段によって学習された正解率に応じて、上記上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数を変更することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  8. 上記割当評価手段は、
    上記学習手段によって学習された正解率が高い場合に、上記上下呼びの乗車時間に対する重み付け係数を上げることを特徴とする請求項7記載のエレベータの群管理システム。
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