JP6783691B2 - 血圧計及び血圧測定装置 - Google Patents
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Description
従って、本発明は、ダブルカフ構造を採用した血圧計で高い血圧計測精度を達成可能とすることを目的とする。
ここで、Shore A硬度は、JIS K6253−3:2012(「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」)において規定された、タイプAデュロメータ硬さ試験によって得られるデュロメータ硬さである。
本発明の第9側面によると、第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部とを備え、前記制御部は、算出される血圧のばらつきが許容範囲内になるまで血圧測定を繰り返し、2回目以降の血圧測定においては、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて、前記調整装置が前記センシングカフへ供給する前記第2流体の量を制御する血圧測定装置が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る血圧計を、ベルトを締結した状態で描いた斜視図である。図2は、図1の血圧計を、ベルトを開放した状態で描いた斜視図である。
この血圧計1は、本体10とベルト2とカフ構造体20とを含んでいる。
図3(A)は、図2の血圧計が含んでいるカフ構造体を示す断面図である。図3(B)は、図3(A)のカフ構造体をその内周面が最前面となるように展開して描いた平面図である。なお、図3(A)の断面は、図3(B)におけるIIIA−IIIA線に沿った断面に相当している。
図6に示すように、本体10の裏側には裏蓋10Cが設けられている。裏蓋10Cは、4つの貫通孔を有しており、これらの貫通孔の位置で、ネジ10C1、10C2、10C3及び10C4によってケース10Bの裏側に固定されている。ケース10Bの側面のうち第1ベルト部3の根元部3eで隠れる部分には、フィルタ付き吸排気孔10Boが設けられている(第2ベルト部4の根元部4eで隠れる部分でも同様)。これにより、生活防水機能を実現しながら、ケース10Bの内外間の空気流通が可能になっている。
図7に示すように、本体10のケース10B内には、血圧測定要素を搭載するためのインナーケース部材11が収容されている。インナーケース部材11の裏側には、突起11pの周りを取り囲む環状溝11dが形成されている。カーラ24の根元部24fには、環状溝11dに対応した形状を有するリング24oが形成されている。本体10を組み立てる際には、インナーケース部材11の環状溝11dに、カーラ24の根元部24fのリング24oが嵌められる(同時に、インナーケース部材11の突起11pにリング24oが嵌まる)。そして、インナーケース部材11の裏側と本体10の裏蓋10Cとの間に、後述の2つの流路形成部材(第1流路形成部材390及び第2流路形成部材380)と重なった状態で、カーラ24の根元部24fが挟持される。
血圧計1の本体10には、既述の表示器50、スイッチ52A乃至52Cを含んだ操作部(入力部)52に加えて、血圧測定を実行するための血圧測定要素として、制御部としてのメインCPU(Central Processing Unit)100及びサブCPU101、記憶部としてのメモリ51、加速度センサ54、通信部59、電池53、押圧カフ23の圧力を検出するための第1圧力センサ31、センシングカフ21の圧力を検出するための第2圧力センサ32、ポンプ30、開閉弁33、並びに、ポンプ30を駆動するポンプ駆動回路35が搭載されている。なお、メインCPU100は主に血圧計1全体の動作を制御し、サブCPU101は主にエア系の動作を制御する。以下では、簡単のため、メインCPU100とサブCPU101とを併せて、単にCPU100と呼ぶ。
図11は、一例に係る血圧測定方法の一部のステップを示すフローチャートである。図12は、図11に一部のステップを示す血圧測定方法の残りのステップを示すフローチャートである。
上述した血圧計1は、測定モードを第1モードから第2モードへと切り替え可能であり、第1モードによる測定を、図11及び図12を参照しながら説明した方法により行い、第2モードによる測定を、図15に示す方法によって行ってもよい。
図18は、他の例に係る血圧測定方法の一部のステップを示すフローチャートである。図19は、図18に一部のステップを示す血圧測定方法の残りのステップを示すフローチャートである。
図18及び図19を参照しながら説明した血圧測定方法は、図20に示す血圧測定方法と組み合わせてもよい。
図21は、更に他の例に係る血圧測定方法を示すフローチャートである。
この方法は、初回の測定時に利用する第2流体の目標供給量を予めメモリ51に記憶させておき、ステップS1、S2及びS20を省略したこと以外は、図18及び図19を参照しながら説明した血圧測定方法と同様である。
上記の血圧計1は、長時間に亘って装着し、血圧測定を短い時間間隔で繰り返し行ってもよい。或いは、血圧測定は、比較的長い時間間隔で繰り返し行ってもよい。但し、血圧値は時間帯で異なる。例えば、夜間は血圧値のバラツキが大きい。従って、図11及び図12を参照しながら説明した方法や、図15を参照しながら説明した方法を採用する場合、例えば、血圧値のバラツキが大きい時間帯に測定した血圧値は、第2流体の目標供給量を決定に利用から除外することが好ましい。或いは、この場合、複数回の測定で得られた血圧値の平均を、第2流体の目標供給量を決定に利用することが好ましい。
(試験1)
4名の被検者(被計測者)A乃至Dの各々に対して、上述した血圧計1を使用して、血圧測定を行った。
12名の被検者の各々に対して、上述した血圧計1を使用して、血圧測定を行った。
具体的には、全ての被検者A及びBに対して、Shore A硬度が75である熱可塑性ポリウレタンから押圧カフ23がなり、Shore A硬度が30のシリコーン樹脂からセンシングカフ21がなる血圧計1を使用した。そして、試験1と同様に、センシングカフ21へ供給する空気の量を変化させて、複数回にわたって血圧測定を行った。そして、血圧測定誤差が0mmHgとなる空気量を求めた。その結果を、図24及び図25に示す。
12名の被検者の各々に対して、上述した血圧計1を使用して、血圧測定を行った。
具体的には、全ての被検者A及びBに対して、試験2において使用したのと同様の血圧計1を使用した。そして、被検者の各々について、その被検者のリファレンス血圧値と図24に示すグラフとから、センシングカフ21へ供給する空気の量を求め、この空気量のもとで血圧測定を行った。また、被検者の各々について、センシングカフ21へ供給する空気の量を0.5mLとして血圧測定を行った。更に、被検者の各々について、センシングカフ21へ供給する空気の量を1.0mLとして血圧測定を行った。その結果を、図26に示す。
以下に、当初の特許請求の範囲及び当初の発明の効果に記載していた事項を付記する。
[1]
第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と
を備えた血圧計。
[2]
情報を入力するための入力部を更に備え、
前記制御部は、前記入力部を介して入力された前記情報の少なくとも一部を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する項1に記載の血圧計。
[3]
情報を入力するための入力部を更に備え、
前記制御部は、
測定モードを第1モードから第2モードへと切り替え可能であり、
前記第1モードの血圧測定では、前記入力部を介して入力された前記情報の少なくとも一部を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出し、
前記第2モードの血圧測定では、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する項1に記載の血圧計。
[4]
前記制御部は、算出される前記血圧値のばらつきが許容範囲内になるまで、前記第2モードでの血圧測定を繰り返す項3に記載の血圧計。
[5]
前記入力部を介して入力される前記情報は、前記被検者の血圧及び前記被測定部位の周囲長の少なくとも一方を含む項2乃至4の何れか1項に記載の血圧計。
[6]
前記制御部は、算出される血圧のばらつきが許容範囲内になるまで血圧測定を繰り返し、2回目以降の血圧測定においては、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて、前記調整装置が前記センシングカフへ供給する前記第2流体の量を制御する項1に記載の血圧計。
[7]
前記センシングカフは、前記対向面と向き合った第1シートと、前記第1シートと前記対向面との間に位置した第2シートとを含み、前記第1シート及び前記第2シートの一方を平らにした自然状態で、前記第1シート及び前記第2シートの他方に、前記センシングカフの幅方向に関して両側の縁部の間で前記センシングカフの長手方向に沿って延びた弛みを有する項1乃至6の何れか1項に記載の血圧計。
[8]
前記押圧部材は、
前記押圧カフの外周面と向き合うように設置され、前記被測定部位に巻き付けられるベルトと、
前記押圧カフと前記センシングカフとの間に設置され、前記被測定部位の周方向に沿って延びた背板と
を更に含んだ項1乃至7の何れか1項に記載の血圧計。
[9]
前記センシングカフはShore A硬度が60以下である項1乃至8の何れか1項に記載の血圧計。
[10]
第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と
を備えた血圧測定装置。
[11]
第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフとを、前記被測定部位に巻き付けることと、
前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体を前記センシングカフに収容させ、この状態で前記押圧カフを膨張させるか又は膨張及び収縮させて、前記センシングカフ内の圧力から前記被検者の血圧値を求めることと
を含んだ血圧測定方法。
上記の通り、本発明者らは、ダブルカフ構造を採用した血圧計には、測定結果のバラツキに個人差があることを見出している。即ち、或る被検者については、ダブルカフ構造を採用した血圧計で十分に高い血圧計測精度を達成できたとしても、他の被験者については、ダブルカフ構造を採用した血圧計で高い血圧計測精度を達成できない可能性がある。
本発明者らは、その理由について調査したところ、以下の事実が判明した。即ち、血圧計測精度には、被検者の生体情報、例えば、血圧値や被測定部位の周囲長が影響を及ぼし、また、センシングカフの張力も影響を及ぼす。そして、被験者の血圧値や被測定部位の周囲長が異なると、高い血圧計測精度を達成し得るセンシングカフへの張力の範囲も異なる。
以上から、本発明者らは、血圧測定時におけるセンシングカフの張力を、被検者の生体情報に応じた値とすることにより、高い血圧計測精度を達成し得ることを見出した。
但し、センシングカフの張力を血圧計において測定可能とすることは難しい。これに対し、センシングカフの張力と関連したパラメータであるセンシングカフへの流体の供給量は、例えば、センシングカフへ流体を供給した時間や、センシングカフへ流体を供給した後であって、計測を開始する前におけるセンシングカフ内の圧力から、容易に求めることができる。
それ故、血圧測定時におけるセンシングカフ内の流体の量を、被検者の生体情報に応じた量とすることにより、高い血圧計測精度を達成し得る。従って、項1に係る血圧計によると、ダブルカフ構造を採用していながらも、高い血圧計測精度を達成することが可能である。
本発明者らは、被験者の血圧値や被測定部位の周囲長が異なると、高い血圧計測精度を達成し得るセンシングカフへの流体の供給量の範囲も異なる理由は、以下の通りであると考えている。
被験者の被測定部位、例えば、手首、足首又は上腕における動脈及び骨の位置並びに脂肪量には、個人差がある。また、被験者の血圧値にも、個人差がある。そして、動脈及び骨の位置、脂肪量、並びに血圧値が異なると、脈波信号の伝わり方などに相違を生じ、これが、高い血圧計測精度を達成することを困難としている。身長、体重、体脂肪率、及び被測定部位の周囲長などは、動脈及び骨の位置並びに脂肪量と或る程度の相関を有している。従って、血圧測定時におけるセンシングカフ内の流体の量を、血圧値、身長、体重、体脂肪率、及び被測定部位の周囲長などの生体情報に応じた量とすることにより、高い血圧計測精度を達成することが可能となる。
項2に係る血圧計は、項1に係る血圧計において、情報を入力するための入力部を更に備えたものであって、制御部は、入力部を介して入力された情報の少なくとも一部を生体情報として用いて調整装置の動作を制御するとともに、圧力センサの出力から被検者の血圧値を算出するものである。この血圧計は、予め分かっている生体情報を使用するため、第1回目の血圧測定時から、高い血圧計測精度を達成することができる。
項3に係る血圧計は、項1に係る血圧計において、情報を入力するための入力部を更に備えたものであって、制御部は、測定モードを第1モードから第2モードへと切り替え可能であり、第1モードの血圧測定では、入力部を介して入力された情報の少なくとも一部を生体情報として用いて調整装置の動作を制御するとともに、圧力センサの出力から被検者の血圧値を算出し、第2モードの血圧測定では、それよりも前の血圧測定において制御部が算出した血圧値を生体情報として用いて調整装置の動作を制御するとともに、圧力センサの出力から被検者の血圧値を算出するものである。それ故、例えば、第2モードで測定を行えば、被検者の血圧値が徐々に変動したとしても、常に高い血圧計測精度を達成することができる。
項4に係る血圧計は、項3に係る血圧計において、制御部は、算出される血圧値のばらつきが許容範囲内になるまで、第2モードでの血圧測定を繰り返すものである。それ故、この血圧計によれば、短期間で血圧値が大きく変動した場合であっても、高い血圧計測精度を達成することができる。
項5に係る血圧計は、項2乃至4の何れかに係る血圧計において、入力部を介して入力される情報は、被検者の血圧及び被測定部位の周囲長の少なくとも一方を含むものである。被検者の血圧及び被測定部位の周囲長は、入手しやすい生体情報であり、また、これらを用いた場合、特に高い血圧計測精度を達成することができる。
項6に係る血圧計は、項1に係る血圧計において、制御部は、算出される血圧のばらつきが許容範囲内になるまで血圧測定を繰り返し、2回目以降の血圧測定においては、それよりも前の血圧測定において制御部が算出した血圧値を生体情報として用いて、流体供給装置がセンシングカフへ供給する第2流体の量を制御するものである。この血圧計は、例えば、被験者が生体情報を入力することなしに、高い血圧計測精度を達成することができる。また、この血圧計によれば、短期間で血圧値が大きく変動した場合であっても、高い血圧計測精度を達成することができる。
項7に係る血圧計は、項1乃至6の何れかに係る血圧計において、センシングカフは、上記対向面と向き合った第1シートと、第1シートと上記対向面との間に位置した第2シートとを含み、第1シート及び第2シートの一方を平らにした自然状態で、第1シート及び第2シートの他方に、センシングカフの幅方向に関して両側の縁部の間でセンシングカフの長手方向に沿って延びた弛みを有するものである。この弛みは、血圧測定時に、センシングカフ内に、その長手方向に延びた隙間を生じさせ、この隙間を通じた第2流体の流通や脈波信号の伝達等を可能とする。従って、センシングカフにおける第2流体の量が少ない場合であっても、高い血圧計測精度を達成することができる。
項8に係る血圧計は、項1乃至7の何れかに係る血圧計において、押圧部材は、押圧カフの外周面と向き合うように設置され、被測定部位に巻き付けられるベルトと、押圧カフとセンシングカフとの間に設置され、被測定部位の周方向に沿って延びた背板とを更に含んだものである。ベルトや背板は、より均一な押圧を可能とする。従って、この血圧計によると、特に高い血圧計測精度を達成することができる。
項9によると、項1乃至8の何れかに係る血圧計において、センシングカフはShore A硬度が60以下であるものである。そのようセンシングカフは、それに供給する第2流体の量を変化させた場合に生じる張力の変化が小さい。従って、この血圧計によると、その張力をより細かく設定でき、それ故、高い精度での血圧計測が容易である。
項10に係る血圧測定装置は、項1に係る血圧計の構成要素を含むものである。ここで、「血圧測定装置」は、血圧測定機能を有する装置、好ましくは、血圧測定機能と他の機能とを有する装置であって、例えば、スマートウォッチなどの腕時計型ウェラブルデバイスである。この血圧測定装置は、項1に係る血圧計の構成要素を含むものであるため、ダブルカフ構造を採用していながらも、高い血圧計測精度を達成することが可能である。
項11に係る血圧測定方法は、第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、押圧カフを膨張させることによって、被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、第2流体を収容可能に袋状に構成され、押圧部材の被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフとを、被測定部位に巻き付けることと、被検者の生体情報に応じた量の第2流体をセンシングカフに収容させ、この状態で押圧カフを膨張させるか又は膨張及び収縮させて、センシングカフ内の圧力から被検者の血圧値を求めることとを含んでいる。それ故、この方法によれば、ダブルカフ構造を採用していながらも、高い血圧計測精度を達成することが可能である。
Claims (9)
- 第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と、
情報を入力するための入力部と
を備え、
前記制御部は、
測定モードを第1モードから第2モードへと切り替え可能であり、
前記第1モードの血圧測定では、前記入力部を介して入力された前記情報の少なくとも一部を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出し、
前記第2モードの血圧測定では、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する血圧計。 - 前記制御部は、算出される前記血圧値のばらつきが許容範囲内になるまで、前記第2モードでの血圧測定を繰り返す請求項1に記載の血圧計。
- 前記入力部を介して入力される前記情報は、前記被検者の血圧及び前記被測定部位の周囲長の少なくとも一方を含む請求項1又は2に記載の血圧計。
- 第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と
を備え、
前記制御部は、算出される血圧のばらつきが許容範囲内になるまで血圧測定を繰り返し、2回目以降の血圧測定においては、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて、前記調整装置が前記センシングカフへ供給する前記第2流体の量を制御する血圧計。 - 前記センシングカフは、前記対向面と向き合った第1シートと、前記第1シートと前記対向面との間に位置した第2シートとを含み、前記第1シート及び前記第2シートの一方を平らにした自然状態で、前記第1シート及び前記第2シートの他方に、前記センシングカフの幅方向に関して両側の縁部の間で前記センシングカフの長手方向に沿って延びた弛みを有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の血圧計。
- 前記押圧部材は、
前記押圧カフの外周面と向き合うように設置され、前記被測定部位に巻き付けられるベルトと、
前記押圧カフと前記センシングカフとの間に設置され、前記被測定部位の周方向に沿って延びた背板と
を更に含んだ請求項1乃至5の何れか1項に記載の血圧計。 - 前記センシングカフはShore A硬度が60以下である請求項1乃至6の何れか1項に記載の血圧計。
- 第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と、
情報を入力するための入力部と
を備え、
前記制御部は、
測定モードを第1モードから第2モードへと切り替え可能であり、
前記第1モードの血圧測定では、前記入力部を介して入力された前記情報の少なくとも一部を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出し、
前記第2モードの血圧測定では、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて前記調整装置の前記動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する血圧測定装置。 - 第1流体を収容可能に袋状に構成された押圧カフを含み、被検者の被測定部位に巻き付け、前記押圧カフを膨張させることによって、前記被測定部位へ向かって押圧力を発生する押圧部材と、
第2流体を収容可能に袋状に構成され、前記押圧部材の前記被測定部位との対向面側に設置されたセンシングカフと、
前記押圧カフにおける前記第1流体の量及び前記センシングカフにおける前記第2流体の量を調整する調整装置と、
前記センシングカフ内の圧力を検知する圧力センサと、
血圧測定時に、前記被検者の生体情報に応じた量の前記第2流体が前記センシングカフに収容され、この状態で前記押圧カフが膨張するか又は膨張及び収縮するように、前記調整装置の動作を制御するとともに、前記圧力センサの出力から前記被検者の血圧値を算出する制御部と
を備え、
前記制御部は、算出される血圧のばらつきが許容範囲内になるまで血圧測定を繰り返し、2回目以降の血圧測定においては、それよりも前の血圧測定において前記制御部が算出した前記血圧値を前記生体情報として用いて、前記調整装置が前記センシングカフへ供給する前記第2流体の量を制御する血圧測定装置。
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