JP6783633B2 - 乳清ミネラル組成物 - Google Patents

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本発明は、添加量が多い場合であっても、飲食品に対し、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を付与することができる乳清ミネラル組成物、及び、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を飲食品に付与することができる、飲食品の乳風味付与方法に関する。
乳清ミネラルは、乳のコク味を濃縮した成分であることから、少量添加すると飲食品に良好な乳風味を付与できることが知られており、乳風味付与材として広く使用されてきた(特許文献1、2参照)。
しかし、飲食品に濃厚な乳風味を付与しようとして乳清ミネラルを多量に添加すると塩味や苦味を感じてしまい、またバランスの崩れた不自然な乳風味になってしまうという問題があった。これは、乳清ミネラルが塩味剤や食塩代替品としても使用されていることからもわかるとおり、その主成分が塩類であるため、乳清ミネラル自体に強い塩味〜苦味があることに起因する。このような背景から、飲食品に多量に添加しても塩味や苦みを感じることなく、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を付与することのできる乳清ミネラルが望まれていた。
一方、乳清ミネラルは、乳製品を含有する飲食品にごく少量添加することで、その乳風味を増強させる効果があることも知られている(特許文献3参照)。
しかし、この方法による乳風味増強は、もともと飲食品に含まれる乳製品の呈味強度や呈味質の改良の範囲にとどまるため、飲食品の乳風味を大きく改良できるものではないという問題があった。
このように乳清ミネラルは最近、乳風味に関する問題の解決に利用されることが増えてきているが、従来の乳清ミネラルでは飲食品に濃厚な乳風味を付与することができない状況であった。
尚、乳清ミネラルの塩味剤としての利用については、塩化ナトリウム及び苦汁との併用(特許文献4参照)や、塩化カリウムとの併用(特許文献5参照)が知られており、また、特定の疾病の予防や治療のために、カルシウムや亜鉛を特定含量とした乳清ミネラル(特許文献6、7参照)が知られている。
また、乳清ミネラルの最多成分であるカルシウムについては、その含量を高めた乳由来のカルシウム製剤も多く見られるが、これらはカルシウムのサプリメント等にカルシウムの給源として使われるのみであった。
また、粉末状の乳清ミネラルの吸湿性を防止する目的で炭酸カルシウムを添加すること(例えば特許文献8参照)が知られている。
しかし、乳風味付与の目的では、上述のように飲食品への乳清ミネラルの添加量が少ないこともあって、これらのような乳清ミネラル自体の成分改良は全く行われていない。
特開2003−299450号公報 特開2014−050337号公報 特開2014−050336号公報 特開平01−027447号公報 特開昭63−287460号公報 特開2011−162554号公報 特開平10−191933号公報 特開平06−311844号公報
従って、本発明の目的は、飲食品に多量に添加しても塩味や苦みを感じることなく、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を付与することのできる乳清ミネラル組成物、及び、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を飲食品に付与することができる、飲食品の乳風味付与方法を提供することにある。
本発明者らは、種々検討した結果、乳清ミネラルのミネラル組成を特定のものとすることにより上記課題を解決可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、乳清ミネラルを少なくとも含む乳清ミネラル組成物であって、下記の(1)〜(4)をすべて満たす乳清ミネラル組成物を提供するものである。
(1)固形分中のナトリウム含量が1.0〜8.0質量%である。
(2)固形分中のカリウム含量が4.5〜18質量%である。
(3)固形分中のカルシウム含量が7.5〜30質量%である。
(4)固形分中のマグネシウム含量が1.0〜5.5質量%である。
また、本発明は、上記乳清ミネラル組成物を含有する飲食品を提供するものである。
また、本発明は、上記乳清ミネラル組成物を添加する、飲食品の乳風味付与方法を提供するものである。
本発明によれば、飲食品に多量に添加しても塩味や苦みを感じることなく、バランスのとれたコクのある自然な乳風味を付与することのできる乳清ミネラル組成物を得ることができる。
本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエイ(乳清)から、可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエイ中のミネラル組成に近い比率となる。そして、一般的には、従来の乳清ミネラルにおいて、その固形分中のナトリウム含量は2.5〜5質量%、カリウム含量は5〜10質量%、カルシウム含量は2.5〜5質量%、マグネシウム含量は0.25〜0.5質量%である。
本発明の乳清ミネラル組成物は、この従来の乳清ミネラルに比べて、固形分中のカルシウム及びマグネシウム含量が極めて多い点で、従来の乳清ミネラルと異なる。
尚、上述のように、従来は、乳清ミネラルの最多成分であるカルシウムについては、その含量を高めた乳由来のカルシウム製剤も多々見られるが、これらはカルシウムのサプリメント等にカルシウムの給源として使われるのみであった。また、マグネシウムについては、その含量に注目し、成分調整を行った例は見られなかった。
本発明の乳清ミネラル組成物は、乳清ミネラルに対し、ミネラル分の調整を行うことによって得ることができるものであり、上記の(1)〜(4)の全てを満たすことを特徴とするものである。
本発明の乳清ミネラル組成物は、固形分中のナトリウム含量が1.0〜8.0質量%、好ましくは1.0〜7.0質量%である。1.0質量%未満であると、バランスのとれたコクのある自然な乳風味の飲食品が得られず、また8.0質量%を超えると飲食品が塩味を感じるようになってしまう。
本発明の乳清ミネラル組成物は、固形分中のカリウム含量が4.5〜18質量%、好ましくは5.0〜12質量%である。4.5質量%未満であると、バランスのとれたコクのある自然な乳風味の飲食品が得られず、また18質量%を超えると飲食品に苦み等の異味が感じられるようになってしまう。
本発明の乳清ミネラル組成物は、固形分中のカルシウム含量が7.5〜30質量%、好ましくは8.0〜20質量%である。7.5質量%未満であると、バランスのとれたコクのある自然な乳風味の飲食品が得られず、また30質量%を超えると飲食品に濁りや沈殿を生じることがある。
本発明の乳清ミネラル組成物は、固形分中のマグネシウム含量が1.0〜5.5質量%、好ましくは1.5〜4.0質量%、より好ましくは2.3〜4.0質量%である。
1.0質量%未満であるとバランスのとれたコクのある自然な乳風味の飲食品が得られず、また5.5質量%を超えると飲食品に苦み等の異味が感じられるようになってしまう。
本発明の乳清ミネラル組成物は、カルシウム含量とマグネシウム含量の質量比(カルシウム含量/マグネシウム含量)が好ましくは4以上15以下、より好ましくは4〜10、更に好ましくは4〜8である。4未満又は15超であると、飲食品への本発明の乳清ミネラル組成物の添加量が多い場合に風味バランスが崩れて不自然な乳風味になってしまいやすく、また15を超えると、飲食品への本発明の乳清ミネラル組成物の添加量が多い場合に食品に濁りや沈殿を生じることがある。
本発明の乳清ミネラル組成物は、ナトリウム含量とカリウム含量の合計量と、カルシウム含量とマグネシウム含量の合計量との質量比(ナトリウム含量とカリウム含量の合計量/カルシウム含量とマグネシウム含量の合計量)が好ましくは0.2以上3以下、より好ましくは0.3〜2、更に好ましくは0.4〜1である。0.2未満又は3超であると、飲食品への本発明の乳清ミネラル組成物の添加量が多い場合に風味バランスが崩れて不自然な乳風味になってしまいやすく、また3を超えると、飲食品への本発明の乳清ミネラル組成物の添加量が多い場合に飲食品に塩味が感じられやすくなってしまう。
本発明の乳清ミネラル組成物は、少量の添加で高い効果が得られる点で、固形分中の灰分含量が25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが好ましい。尚、上限については特に制限はないが、飲食品への分散性、特に液状〜ペースト状の飲食品への添加時に容易に分散・溶解することから、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは90質量%以下である。
本発明の乳清ミネラル組成物を得るには、〔i〕カルシウム給源とマグネシウム給源、必要に応じナトリウム給源とカリウム給源等のミネラル素材を、それぞれ上記(1)〜(4)の含量範囲となるように原料の乳やホエイに配合し、従来の乳清ミネラルの製法に従って蛋白質や乳糖を除去して得る方法や、或いは、〔ii〕従来の乳清ミネラルの製法に従って蛋白質や乳糖を除去し乳清ミネラルを得た後、該乳清ミネラルにカルシウム給源とマグネシウム給源、必要に応じナトリウム給源とカリウム給源等のミネラル素材を、それぞれ上記(1)〜(4)の含量範囲となるように添加する方法、更には、〔iii〕乳清ミネラルの製造工程において上記(1)〜(4)の含量範囲となるように分離又は濃縮する工程を挿入する方法が挙げられる。
より容易に上述の好ましい比とすることが可能な点、また、あらゆる種類・濃度・製法の乳清ミネラルに適用可能な点で、乳清ミネラルに、カルシウム給源とマグネシウム給源、必要に応じナトリウム給源とカリウム給源等のミネラル素材を、それぞれ上記(1)〜(4)の含量範囲となるように添加する上記〔ii〕の方法によって本発明の乳清ミネラル組成物を得ることが好ましい。また、上記〔ii〕の方法による場合、乳清ミネラルは、溶解性の低いリン酸結合型カルシウム含量が低く、高い溶解性の乳清ミネラル組成物が得られる点、相対的に1価のイオンを多く有する本発明の乳清ミネラル組成物を得ることが容易である点、更には、乳清ミネラルが天然物であることから、成分調整が容易となり安定的に一定ミネラル含量の乳清ミネラル組成物を製造しやすい点で、固形分中のカルシウム含量が2質量%以下の乳清ミネラルを使用することが好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルを得る方法としては、乳又はホエイから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及び蛋白質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエイを用いる方法、或いは、チーズ製造時に副産物として生成する甘性ホエイから乳清ミネラルを製造する際に、例えば遠心分離によってカルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法が挙げられる。工業的に実施する上での効率やコストの点では、甘性ホエイから乳清ミネラルを製造する際に、例えば膜分離によってある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
上記(3)のカルシウム含量を満たすために乳清ミネラルに添加することができるカルシウム給源としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム等の各種カルシウム製剤のほか、牛乳、脱脂乳、脱脂粉乳、全粉乳、カゼイン、ホエイ、ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物、蛋白質濃縮ホエイパウダー、ミルクカルシウム、乳清カルシウム等のカルシウムを含有する乳製品や、鶏卵殻粉末等の、カルシウムを多く含有する食品や食品素材を使用することができ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明では、同じ乳由来であるため良好な乳風味が得られる点で、乳清カルシウムを使用することが好ましい。
上記(4)のマグネシウム含量を満たすために乳清ミネラルに添加することができるマグネシウム給源としては、塩化マグネシウム、L−グルタミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム等のマグネシウム製剤を使用することができ、また、海水を濃縮して塩化ナトリウムを製造するときに得られる粗製海水塩化マグネシウム等の、マグネシウムを多く含有する食品や食品素材を使用することもでき、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明では、良好な乳風味が得られる点で、粗製海水塩化マグネシウムを使用することが好ましい。
上記(1)のナトリウム含量を満たすために乳清ミネラルに必要に応じて添加することができるナトリウム給源としては、アルギン酸ナトリウムや、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、パントテン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の各種ナトリウム製剤のほか、食塩、岩塩、その他ナトリウムを含有する食品素材等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
上記(2)のカリウム含量を満たすために乳清ミネラルに必要に応じて添加することができるカリウム給源としては、塩化カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、L−グルタミン酸カリウム、酒石酸水素カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
また、本発明の乳清ミネラル組成物には、上記乳清ミネラル、及びカルシウム給源、マグネシウム給源、ナトリウム給源、カリウム給源等の上記ミネラル素材以外に、本発明の範囲内において、その他の原料を、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。
上記その他の原料としては、例えば、油脂、水、澱粉、デキストリン、乳化剤、増粘安定剤、β−カロチン、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤の各種食品素材や食品添加物等が挙げられる。
本発明の乳清ミネラル組成物の性状としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状、可塑性等のいずれの形態も可能であるが、飲食品に均質にすばやく分散させることが容易である(特に飲料の場合)点で、ペースト状、流動状、液状のいずれかの形態であることが好ましい。
ここで、本発明の乳清ミネラル組成物がペースト状、流動状、液状のいずれかの形態である場合、該組成物の固形分は、少量の添加で効果を呈するという目的、及び保存中の結晶の析出を避けるために、1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜70質量%とする。尚、本発明において、固形分には、水やアルコール等の揮発性成分及び油脂を除いた全ての成分を含めるものとする。
また、油脂については、使用量が多いと乳清ミネラル組成物の水溶性が低下したり、飲食品中での乳清ミネラル組成物の効果が低くなってしまうという問題が生じることから、本発明の乳清ミネラル組成物中において油脂含量は15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下であり、油脂を含有しないことが最も好ましい。
本発明の乳清ミネラル組成物を上記の各形態とするための方法としては、特に制限されず、公知の方法を使用することができる。
例えば、本発明の乳清ミネラル組成物の形態が顆粒状或いは粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、上記乳清ミネラル及び上記ミネラル素材等の各原料を混合することによって得る方法や、各原料を含有する水溶液や懸濁液或いは水中油型乳化物を製造した後、スプレードライやフリーズドライ等により粉末化する方法を挙げることができる。
また、本発明の乳清ミネラル組成物の形態が液状、流動状或いはペースト状の場合は、水や食用油脂等に各原料を溶解又は分散し、必要に応じ、更に均質化することによって得ることができる。水を使用する場合を例に、以下に詳述する。
まず水に、上記乳清ミネラル、カルシウム給源及びマグネシウム給源、必要に応じ更にナトリウム給源及びカリウム給源を溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。尚、乳清ミネラルが液状、流動状或いはペースト状の場合は、水の一部又は全部を省略して、乳清ミネラルに直接各原料を溶解又は分散させることももちろん可能である。
そして、この水相を殺菌することが好ましい。尚、本発明において、殺菌には滅菌も含む。該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式若しくはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、又は直火等の加熱調理により行うことができる。そして冷却することにより、液状、流動状或いはペースト状の本発明の乳清ミネラル組成物が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザー等により均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。
尚、本発明の乳清ミネラル組成物が油脂を含有する場合は、上記水相に対し、食用油脂にその他の油溶性の原料を溶解させた油相を、好ましくは45℃〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得た後、上記と同様に、殺菌、均質化することによって得ることができる。
尚、本発明の乳清ミネラル組成物を製造する際の何れかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。
本発明の乳清ミネラル組成物は、乳風味付与或いは乳風味改善のために、乳風味を必要とする様々な飲食品に適用でき、該飲食品としては、例えば、カフェオレ・ミルクティー・抹茶ミルク・ミルクココア・アイスミルクココア・ホットチョコレート・乳酸菌飲料・炭酸入り乳酸菌飲料・発酵乳飲料・ドリンクヨーグルト・無脂肪乳・低脂肪乳・いちごミルク・果汁飲料・果実飲料・カルーアミルク・ベイリーズミルク等の各種飲料、カスタードクリーム・フラワーペースト・ホワイトクリーム・バタークリーム・ホイップクリーム等のクリーム類、シチュー・カレー・ホワイトソース・グラタン等のクリーム状食品、コーンスープ・クラムチャウダー等のスープ類、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ゼリー・杏仁豆腐・ババロア・ムース・プリン等のデザート類、マーガリン・ファットスプレッド等のマーガリン類、バター、ショートニング、マヨネーズ・ドレッシング等のドレッシング類、チーズ様食品、パン類、ドーナツ類・キャラメル・キャンディー・チョコレート・ビスケット・クッキー・スポンジケーキ・バターケーキ等の菓子類、ハム・ソーセージ等の畜肉加工食品や水産加工食品、その他加工食品等を挙げることができる。
飲食品に対する本発明の乳清ミネラル組成物の添加量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求める乳風味の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品100質量部に対し、固形分として好ましくは0.0005〜10質量部、より好ましくは0.01〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部、最も好ましくは0.1〜3質量部となる量である。0.0005質量部未満又は10質量部を超えると、乳風味付与効果が認められ難く、また7質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるおそれがある。
尚、本発明の乳清ミネラル組成物は乳蛋白質を使用せずとも乳風味を付与することが可能であるため、飲食品の乳蛋白質含量が2質量%未満、好ましくは1質量%未満であっても、本発明の乳清ミネラル組成物を添加することにより、良好な乳風味の飲食品とすることが可能である。
次に、本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、上述した本発明の乳清ミネラル組成物を含有する飲食品であり、乳清ミネラル組成物の含有量が多い場合であっても、また、乳や乳製品の使用量が少ない場合、特に乳蛋白質を含有しない場合であっても、塩味や苦みを感じることなく、良質なコクのある濃厚な乳風味が付与されているという特徴を有するものである。
飲食品に対する本発明の乳清ミネラル組成物の添加方法は特に制限されず、飲食品の製造時、加工時、調理時、飲食時等に、飲食品又はその素材に混合、散布、噴霧、溶解等の任意の手段により行なわれる。本発明の飲食品における本発明の乳清ミネラル組成物の好ましい添加量は、上述のとおりである。
尚、本発明の飲食品に関し、詳細に説明しなかった点については、本発明の乳清ミネラル組成物についての説明を適宜適用することができる。
次に、本発明の飲食品の乳風味付与方法について述べる。
本発明の飲食品の乳風味付与方法は、本発明の乳清ミネラル組成物を飲食品に添加するものであり、乳清ミネラル組成物の添加量が多い場合であっても、また、乳や乳製品の使用量が少ない場合、特に乳蛋白質を含有しない場合であっても、塩味や苦みを感じることなく、飲食品に良質なコクのある濃厚な乳風味を付与するものである。
本発明の乳清ミネラル組成物を飲食品に添加する方法及び本発明の乳清ミネラル組成物の好ましい添加量については上述のとおりである。
尚、本発明の飲食品の乳風味付与方法に関し、詳細に説明しなかった点については、本発明の乳清ミネラル組成物についての説明を適宜適用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例により何等制限されるものではない。尚、以下において、単に「%」という場合は「質量%」を意味する。
〔製造例1〕
<乳清ミネラルの製造>
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエイをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、固形分37質量%、固形分中の灰分含量が62.2質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のナトリウム含量は6.89質量%、固形分中のカリウム含量は22.3質量%、固形分中のカルシウム含量は0.14質量%、固形分中のマグネシウム含量は0.11質量%であった。
〔実施例1〜16、比較例1〜9〕
<乳清ミネラル組成物の製造>
上記製造例1で得られた乳清ミネラルA、乳清カルシウム(固形分88%、灰分79.6%、ナトリウム0.40%、カリウム0.25%、カルシウム28.6%、マグネシウム0.83%)、粗製海水塩化マグネシウム(固形分30%、灰分29.4%、ナトリウム2.71%、カリウム2.92%、カルシウム1.43%、マグネシウム3.26%)、塩化ナトリウム(固形分100%、灰分100%、ナトリウム39%、カリウム0%、カルシウム0%、マグネシウム0%)、塩化カリウム(固形分100%、灰分100%、ナトリウム0%、カリウム52%、カルシウム0%、マグネシウム0%)を使用し、表1に記載の配合で、混合・分散し、性状がペースト状、流動状、液状のいずれかである乳清ミネラル組成物(ただし比較例8は粉体)を製造した。
尚、得られた乳清ミネラル組成物の、固形分含量、固形分中の灰分含量、各ミネラル含量、ミネラル含有比について、表2にまとめた。
Figure 0006783633
Figure 0006783633
〔実施例13〜24、比較例10〜19〕
<乳清ミネラル組成物含有油中水型クリームの製造>
実施例1〜12、比較例1〜9で得られた乳清ミネラル組成物をそれぞれ水に分散・溶解して固形分を10質量%とした水性液を用意した。
大豆油68質量部とハイエルシン菜種極度硬化油32質量部のランダムエステル交換油16.63質量部、パーム油66.52質量部、レシチン0.20質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル0.20質量部、及び香料0.10質量部を配合してなる油相と、水16.0質量部及びアルギン酸プロピレングリコールエステル(フードケミファ社製、ダックロイドPF)0.35質量部を配合してなる水相とを55〜65℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を90℃にて殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の油中水型クリーム用マーガリンを製造した。
上記油中水型クリーム用マーガリンを比重0.35になるまでクリーミングしたもの100質量部に、転化糖液糖30質量部、加糖練乳(乳蛋白質7.8質量%含有)7質量部、上記水性液10質量部及びラム酒2.5質量部を混合し、低速で1分混合し、油中水型クリーム1〜21をそれぞれ得た。
<乳清ミネラル組成物含有油中水型クリームの風味評価>
12人のパネラーにより、油中水型クリーム1〜21それぞれを直接喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表3に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633
〔実施例25〜36、比較例19〜27〕
<乳清ミネラル組成物含有ベーカリー製品の製造>
実施例1〜12、比較例1〜9で得られた乳清ミネラル組成物をそれぞれ水に分散・溶解して固形分を10質量%とした水性液を用意した。
上記水性液を使用し、下記配合・製法により、食パン1〜21を得た。
(食パンの配合・製法)
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度80%の恒温室で4時間、中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、更に、強力粉30質量部、上白糖6質量部、脱脂粉乳(乳蛋白質36質量%含有)2質量部、食塩1.8質量部、水12.5質量部及び上記水性液15質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、バター(乳蛋白質0.6質量%含有)5質量部を投入し、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、食パン生地を得た。得られた食パン生地の捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを30分とった後、220gに分割・丸めを行なった。次いで、ベンチタイムを30分とった後、 モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定オーブンに入れ40分焼成してプルマン型食パンを得た。
<ベーカリー製品の風味評価>
12人のパネラーにより、得られた食パン1〜21それぞれを直接喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表4に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633
〔実施例37、比較例28〕
<乳清ミネラル組成物含有ロールイン用油脂組成物及びベーカリー製品の製造>
実施例1で得られた乳清ミネラル組成物を水に分散・溶解して固形分を10質量%とした水性液を用意した。
パーム油70重量%とパーム核油24重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とからなる油脂配合物のランダムエステル交換油脂を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター(乳蛋白質0.6質量%含有)20質量部、上記水性液20質量部とを加え、予備乳化物を製造し、これを85℃で殺菌後、急冷可塑化した。その後、縦420mm、横285mm、厚さ9mmのシート状に成形し、ロールイン用油脂組成物1とした。
このロールイン用油脂組成物1を使用し、下記の配合・製法によりデニッシュ1を得た。
尚、対照として水性液に代えて同量の水を添加したロールイン用油脂組成物2及びデニッシュ2(比較例28)についても用意した。
(デニッシュの配合・製法)
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、生イースト5質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖15質量部、脱脂粉乳(乳蛋白質36質量%含有)3質量部、食塩1.2質量部、及び水54質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分ミキシングした。ここで、バター(乳蛋白質0.6質量%含有)8質量部を投入し、低速で3分、中速で3分、高速で2分ミキシングを行ない、生地を得た。フロアタイムを30分とった後、−10℃の冷凍庫で24時間リタードさせた。
次にこの生地に上記乳清ミネラル組成物含有ロールイン用油脂組成物50質量部を積置して包み込み、リバースシーターを使用して3つ折りを2回、4つ折りを1回行い、デニッシュ生地を得た。
得られたデニッシュ生地を−10℃の冷凍庫で2時間リタードさせた後、リバースシーターを使用して最終生地7ミリまで圧延し、縦10センチ、横10センチの大きさにカットし、天板に並べ、34℃、相対湿度85%で60分ホイロをとった後、200℃に設定した固定オーブンに入れ18分にて焼成してデニッシュを得た。
<ベーカリー製品の風味評価>
12人のパネラーにより、得られたデニッシュ1及び2それぞれを喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表5に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。又は乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633
〔実施例38、比較例29〕
<乳清ミネラル組成物含有マーガリンの製造>
実施例1で得られた乳清ミネラル組成物を水に分散・溶解して固形分を10質量%とした水性液を用意した。
パーム油70重量%とパーム核油24重量%とハイエルシン菜種極度硬化油6重量%とからなる油脂配合物のランダムエステル交換油脂を71質量部、菜種極度硬化油を7質量部、菜種油を22質量部配合した混合油を溶解し、この混合油60質量部に、バター(乳蛋白質0.6質量%含有)27質量部、上記水性液13質量部とを加え、予備乳化物を製造し、これを85℃で殺菌後、急冷可塑化し、マーガリン1を得た。
尚、対照として水性液に代えて同量の水を添加したマーガリン2(比較例29)についても用意した。
<マーガリンの風味評価>
12人のパネラーにより、得られたマーガリン1及び2それぞれを直接喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表6に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633
〔実施例39〜41、比較例30〜32〕
<乳清ミネラル組成物含有ベーカリー製品の製造>
実施例1、比較例1で得られた乳清ミネラル組成物をそれぞれ水に分散・溶解して固形分を5質量%とした水性液(実施例39・比較例30)、固形分を10質量%とした水性液(実施例40・比較例31)、固形分を20質量%とした水性液(実施例41・比較例32)を用意した。
上記水性液を使用し、下記配合・製法により、菓子パン1〜6を得た。
(菓子パンの配合・製法)
強力粉70質量部、生イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖3質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。
この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、更に、強力粉30質量部、上白糖15質量部、脱脂粉乳(乳蛋白質含量:36質量%)2質量部、食塩1.2質量部、上記水性液25質量部を添加し、低速で3分、中速で3分本捏ミキシングした。ここで、製パン練り込み用無塩マーガリン(純植物性・乳製品不使用)20質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行ない、菓子パン生地を得た。得られた菓子パン生地の捏ね上げ温度は28℃であった。
得られた菓子パン生地は、フロアタイムを30分とり、50gに分割した。更に30分ベンチタイムを取った後、丸め成形をし、38℃、相対湿度85%、50分のホイロを取った後、上火200℃下火200℃のオーブンで10分焼成して菓子パンを得た。
<ベーカリー製品の風味評価>
12人のパネラーにより、得られた菓子パン1〜6それぞれを直接喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表7に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633
〔実施例42〜44、比較例33〜35〕
<乳清ミネラル組成物含有油中水型クリームの製造>
実施例1、比較例1で得られた乳清ミネラル組成物をそれぞれ水に分散・溶解して固形分を5質量%とした水性液(実施例42・比較例33)、固形分を10質量%とした水性液(実施例43・比較例34)、固形分を20質量%とした水性液(実施例44・比較例35)を用意した。
上記水性液を使用し、下記配合・製法により、油中水型クリーム22〜27を得た。
(油中水型クリームの配合及び製法)
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30の質量比で混合した混合油のランダムエステル交換油脂40.7質量部、コーン油28質量部、レシチン0.2質量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ヘキサグリセリンモノオレート:SYグリスターMO5S:阪本薬品株式会社製、HLB=12)0.4質量部、香料0.1質量部、及び色素液0.1質量部からなる油相と、脱脂粉乳(乳蛋白質の含有量:36質量%)1質量部、上白糖14.4質量部、水7.9質量部、食塩0.2質量部、及び上記水性液7質量部からなる水相とを、45〜55℃の温度で混合乳化してW/O型乳化物を得た。このW/O型乳化物を80℃にて15秒間殺菌し、次いでコンビネーターにて急冷可塑化して、W/O型の油中水型クリームを製造した。
尚、急冷可塑化工程において、窒素ガスを吹き込み、油中水型クリームの比重を0.7とした。
<油中水型クリームの風味評価>
12人のパネラーにより、油中水型クリーム22〜27それぞれを直接喫食した際のコク味、自然な乳風味(風味バランス及び風味持続性)並びに雑味について、それぞれ下記評価基準に従って官能評価した。12人のパネラーの合計点を評価点数として、結果を下記のようにして表8に示した。
・コク味、自然な乳風味(風味持続性)、及び雑味
46〜60点:◎、31〜45点:○、16〜30点:△、0〜15点:×
・自然な乳風味(風味バランス)
51〜60点:◎、41〜50点:○+、31〜40点:○、21〜30点:○−、11〜20点:△、0〜10点:×
(評価基準)
・コク味
5点…コクのある濃厚な乳風味がはっきりと感じられる。
3点…コクのある濃厚な乳風味が感じられるがやや弱い。
1点…コクのある乳風味は感じられるが濃厚感がない。
0点…コクのある乳風味が感じられない。
・自然な乳風味(風味バランス)
5点…甘味が感じられるバランスのとれた優れた乳風味である。
3点…甘味が感じられるバランスのとれた良好な乳風味である。
1点…やや不自然な乳風味である。
0点…バランスの悪い不自然な乳風味であり不良である。
・自然な乳風味(風味持続性)
5点…トップからラストまで呈味が感じられる。
3点…トップからミドルにかけて呈味を感じるがラストの呈味が弱い。
1点…トップには呈味を感じるが、ミドルからラストにかけての呈味が弱い。
0点…トップには呈味を感じるが、すぐに消えてしまう。
・雑味
5点…まったく塩味や苦味が感じられず、極めて良好である。
3点…ほとんど塩味や苦味が感じられず、良好である。
1点…塩味や苦味が感じられ、やや不良である。
0点…はっきりした塩味や苦味が感じられ、不良である。
Figure 0006783633

Claims (4)

  1. 乳清ミネラルを少なくとも含む乳清ミネラル組成物であって、下記の(1)〜(4)をすべて満たす乳清ミネラル組成物。
    (1)固形分中のナトリウム含量が2.266.03質量%である。
    (2)固形分中のカリウム含量が4.7813.08質量%である。
    (3)固形分中のカルシウム含量が9.3224.72質量%である。
    (4)固形分中のマグネシウム含量が1.5質量%超4.50質量%以下である。
  2. 最大で0.3%(w/w)のナトリウム含量および/または最大で30%(w/w)の脂肪含量を有する熟成チーズに用いるものを除く、請求項1に記載の乳清ミネラル組成物。
  3. 請求項1又は2記載の乳清ミネラル組成物を飲食品100質量部に対し、固形分として0.0005〜10質量部含有させる、飲食品の製造方法
  4. 請求項1又は2記載の乳清ミネラル組成物を飲食品100質量部に対し、固形分として0.0005〜10質量部添加する、飲食品の乳風味付与方法。
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