JP6783592B2 - 段差用スロープ - Google Patents
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Description
図1及び図2に示すように、この段差用スロープは、側面視が直角三角形状で上面101が傾斜している基台部10と、この基台部10の上面101の前端に沿って取り付けられた前端補強部材(第3補強部材)4と、基台部10の上面101及び前端補強部材4を覆う板状補強部材(第2補強部材)5と、を備えている。また、後述するように、基台部10の上面101には複数の溝7が形成されており、各溝7には、棒状補強部材(第1補強部材)6がそれぞれ取り付けられている。そして、この段差用スロープは、後述するように、前後方向に3つのユニット10A,10B,10Cに分割されており、図1及び図2では、これらが固定板81,82によって結合された状態を示している。以下、これらを詳細に説明する。
図3は基台部の斜視図、図4は図3の平面図、図5は図4において基台部を分離した側面図である。以下では、まず、基台部10全体について説明し、その後、各ユニット10A〜10Cを構成する部位について説明する。図3に示すように、基台部10は、上面101、下面102、前面103、後面104、及び一対の側面105を有している。上述したように、上面101は、水平に延びる下面102に対して傾斜しており、傾斜面を構成している。上面101の傾斜角度は、特には限定されないが、例えば、5〜30度とすることができる。
上記のように、本実施形態では、前端補強部材4、板状補強部材5、及び棒状補強部材6の3種の補強部材が用いられているが、これらは繊維を含有する発泡樹脂材料からなる発泡成形体である。まず、各補強部材を構成する材料について説明した後、各補強部材について説明する。
前端補強部材4は、上記のように、基台部10の前面103に取り付けられるものであり、上面41、下面42、前面43、後面44、及び一対の側面45を有しており、側面45が直角三角形状に形成されている。上面41は、下面42に対して傾斜しており、その傾斜角度は基台部10の傾斜角度と同じである。前端補強部材4の後面44の下縁には、幅方向に延びる側面視矩形状の凸部441が形成されており、この凸部441は基台部10の前面103(第1部位1の前面13)に形成された凹部131に嵌め込まれる。そして、前端補強部材4の後面44の高さは、基台部10の前面103の高さとほぼ同じであり、これによって前端補強部材4が基台部10の前面103に取り付けられたときには、前端補強部材4の上面41と基台部10の上面101とが連続する傾斜面を構成する。また、前端補強部材4の前面43は、上面41よりも傾斜角度が大きくなっている。
棒状補強部材は6、断面矩形状に形成されており、上記のように、本実施形態では、合計9個の棒状補強部材61、62,63が使用されている。各棒状補強部材61、62,63は、基台部10の溝7にほぼ隙間なく嵌め込まれる形状に形成されており、接着剤などの固定手段で溝7に固定されている。ここで用いる接着剤は、特には限定されないが、例えば、エポキシ系接着剤を用いることができる。
本実施形態においては、図1に示すように、3枚の板状補強部材51,52、53が用いられている。すなわち、前端補強部材4及び第1部位1の上面41,11に配置される第1板状補強部材51、第2部位2の上面21に配置される第2板状補強部材52、及び第3部位3の上面31に配置される第3板状補強部材53が用いられる。各板状補強部材51,52、53は、2枚の板材を積層したものである。ここでは、基台部10側の板材を第1板材511,521,531と称し、これに積層される板材を第2板材512,522,532と称することとする。第1板材511,521,531と第2板材512,522,532とは、繊維の方向が直交するように積層されている。すなわち、図2に示すように、第1板材511,521,531の繊維の方向は前後方向X(傾斜方向)であり、第2板材512,522,532の繊維の方向は幅方向Yとなっている。また、これら板材はエポキシ系接着剤などで貼り合わされている。
次に、段差用スロープの組立について説明する。まず、基台部10の3つの部位1,2,3の各溝71,72,73に棒状補強部材61、62,63をそれぞれ接着剤により固定する。続いて、第1部位1の前面13に前端補強部材4を接続する。すなわち、第1部位1の前面13の凹部131に、前端補強部材4の後面44の凸部441を嵌め込む。これに続いて、これら前端補強部材4及び第1部位1を覆うように、第1板状補強部材51を配置する。そして、第1板状補強部材51と各棒状補強部材61とを前後の2箇所でネジ止め9する。同様に、第1板状補強部材51と前端補強部材4とを幅方向の3箇所でネジ止めする。こうして、段差用スロープの第1ユニット10Aが完成する。このように、補強部材5,6同士をネジ止めすると、板状補強部材5を基台部10にネジ止めするよりも強度が担保できる。
上記のような段差用スロープは、車両が段差を超えて進行できるように、段差の2箇所に配置する。すなわち、図7に示すように、車両の左右の車輪が、それぞれ通過できるように、2つの段差用スロープの間隔を調整する。なお、段差用スロープの下面102と設置面の間や後面104と段差の間に部分的な隙間ができる場合は、土嚢などでその隙間を埋める。
以上のように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1) 発泡材により基台部10を構成しているため、段差用スロープの軽量化を図ることができる。したがって、設置を容易に行うことができる。そして、基台部10の上面101を覆うように、板状補強部材5を配置しているため、車両が通過したときの負荷を板状補強部材5で受け止めることができる。したがって、基台部10が損傷するのを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。
上記実施形態では、棒状補強部材6を幅方向に3本設けているが、これに限定されるものではなく、1本以上であれば、特には限定されない。但し、棒状補強部材6の数が多すぎると、重量が大きくなるため、好ましくない。この観点から、例えば、3〜5本程度が好ましい。また、棒状補強部材6の形状は特には限定されず、溝7に嵌め込むことができるのであれば、断面円形、多角形状であってもよい。さらに、棒状補強部材6は、溝7に固定できればよいため、固定手段は、接着剤に限定されない。
上記実施形態では、段作用スロープを3つに分割しているが、分割しなくてもよく、この場合には、棒状補強部材61〜63は前後方向に一体化してもよく、また3つの板状補強部材51〜53も一体化してもよい。また、分割する場合には、分割の数は特には限定されない。したがって、2または4以上に分割することもできる。また、分割する場合、基台部10には、必ずしも上記実施形態のような凸部231,331や凹部131,141、241を設ける必要はなく、また、少なくとも組み合わせたときに上面101が傾斜していれば、各部位1〜3の形状は特には限定されない。また、固定板81,82も構成も特には限定されず、少なくとも各部位1〜3を接続できればよいが、必ずしも必要ではない。
前端補強部材4は、必ずしも必要ではなく、例えば、前端補強部材4を設ける代わりに、板状補強部材5を下方に延長し、基台部10の上面101を覆ってもよい。
上記実施形態では、板状補強部材5を2枚の板材で形成しているが、これに限定されず、1枚の板材、あるいは3枚以上の板材で形成することもできる。但し、最上面に配置される板材の繊維の方向は傾斜方向であることが好ましい。
補強部材4〜6を構成する材料は、上記のような繊維を含む樹脂材料に限定されず、種々の材料を用いることができる。例えば、鋼材、アルミ材、FRP材、合成木材、塩化ビニルやポリエチレンなどの樹脂材料などを適宜用いることができる。また、すべての補強部材4〜6を同じ材料で形成する必要はなく、異なる材料で形成することもできる。
板状補強部材5の表面には、車両のタイヤが滑らないように滑り止めを形成することができる。例えば、板状補強部材5の表面に砂を散布し、これを樹脂材料で固めたものとすることができる。あるいは、幅方向に延びる凸部を複数形成することもできる。
101 上面
102 下面
4 前端補強部材(第3補強部材)
5 板状補強部材(第2補強部材)
511,521,531 第1板材
512,522,532 第2板材
6 棒状補強部材(第1補強部材)
7 溝
Claims (5)
- 車両の通過のために設置される段差用スロープであって、
下面、及び当該下面に対して傾斜する上面を有し、発泡材により形成された基台部であって、前記上面に、傾斜方向に延びる少なくとも1つの溝が形成された基台部と、
前記基台部の各溝に取り付けられ、当該溝に沿って延びる少なくとも1つの第1補強部材と、
前記基台部の上面を覆う、板状の第2補強部材と、
を備え、
前記第1補強部材及び前記第2補強部材のうち、少なくとも前記第2補強部材は、一方向に延びる複数の繊維を含有する樹脂材料で形成され、
前記第2補強部材は、第1板材及び第2板材を、前記基台部側からこの順で積層することで構成され、
前記第1板材における前記繊維の延びる方向が前記傾斜方向と直交し、
前記第2板材における前記繊維の延びる方向が前記傾斜方向と平行である、段差用スロープ。 - 複数の前記溝が、前記上面の傾斜方向とは直交する方向に所定間隔をおいて形成されており、
前記各溝に、前記第1補強部材がそれぞれ取り付けられている、請求項1に記載の段差用スロープ。 - 前記基台部における前記傾斜方向の下側の端部に沿って配置された、第3補強部材をさらに備えており、
前記第2補強部材は、前記第3補強部材を覆うように配置されている、請求項1または2に記載の段差用スロープ。 - 前記第1補強部材と第2補強部材とがネジ止めされている、請求項1から3のいずれかに記載の段差用スロープ。
- 前記傾斜方向に、所定間隔をおいて着脱可能に複数に分割されている、請求項1から4のいずれかに記載の段差用スロープ。
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