JP6783086B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるダンパー機構 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録装置(プリンター、プロッタなど)に使用するダンパー機構及び該ダンパー機構を使用したインクジェット記録装置に関するものであり、特に大型のインクジェット記録装置に使用することができるダンパー機構及び該ダンパー機構を使用したインクジェット記録装置に関するものである。
従来より、複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドが搭載されたキャリッジを被記録媒体に対して主走査方向に移動させながらインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して所定領域にドットのパターンを印刷し、印刷幅分の主走査が終わると被記録媒体を副走査方向に所定量移動させ、これらの動作を繰り返すことによって所望の全ての領域の印刷を行う構造の装置がある。
このような、インクジェットヘッドを走査方向に移動させながらドットパターンを印刷するインクジェット記録装置において、キャリッジに直接インクカートリッジ等を載せていない構造の場合には、インク供給部(カートリッジやインクタンクなど)からインクジェットヘッドまでの距離をインク供給路(インクチューブ等)にて繋いでインクを供給する事が必要となり、その場合にキャリッジの移動によって発生する慣性力によりインク供給路内のインクが移動し、そのインクの圧力変動の影響でインクジェットヘッドのインクの吐出が不安定となったり、またインクが漏れたり、ノズル開口のメニスカスを破壊することで、ノズル抜けを発生するなどの悪影響を起こす場合がある。
このため、インクジェットヘッド内部のインクを適正な圧力範囲に保つ必要があり、そのようなインクジェットヘッドを使用する場合には、インクカートリッジやインクタンク等のインクを貯留した場所からプリントヘッドのインク吐出部までのインク供給路内のインク移動により発生する正圧及び負圧の圧力変動を緩衝し、ヘッド内のインクに影響がでないようにするためにダンパー機構を搭載している装置がある(例えば特許文献1〜4参照)。
特開2004−284238号公報 実公平3−54914号公報 特開平6−115092号公報 特開2008−143081号公報
インクカートリッジなどのインク供給部からインクジェットプリントヘッドにインクを供給して印刷を行うプリンタにおいて、プリントヘッドのノズル(インク吐出部)からのインク漏れを防ぐためにインクカートリッジなどのインク供給部の高さよりもプリントヘッドの方を高く設定する構造の装置がある。この高さの位置の差によってインクカートリッジなどのインク供給部からインクジェットプリントヘッド迄のインク経路(ダンパー含む)内は水頭差により負圧が生じているため、この負圧によりダンパーを構成する可撓膜が大気圧に押されて圧力室底面に貼り付いてしまう不具合が生じる場合がある。
これを防ぐために薄い板ばねを可撓膜の下に敷設することで、可撓膜の圧力室底面への張り付きを防止することが一般的に知られている。この構造の場合、可撓膜は板バネに規制され負圧とバランスが保たれた位置で保持される。しかし負圧との維持がされている部分で初期的なダンパー容積を減らしているため、その部分よりさらなる負圧の圧力変動に対する容積変化の余力を確保することが難しくなっていた。またこの板ばねのバネ力を強化することで大気圧からの撓みを防止することも考えられるが、バネ力を強くすると瞬間的な圧力変動が発生した場合に、容積変化として追従することができず、効果的な圧力変動を緩衝することができなかった。
本発明は、上記問題点を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、インク供給部とインクジェットプリントヘッドとの間に設けられ、インクジェットプリントヘッド内のインクにかかる圧力変動を吸収するためのダンパー機構において、圧力室を、壁面と該壁面の周囲に設けた筒部と、該筒部に接着された可撓膜とで構成し、圧力室に前記可撓膜の裏面に対向させて板ばねを配置し、該板ばねに、該板ばねが対面する可撓膜の方向に所定の高さが凸状に突出する段差部を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記板ばねを、長さが圧力室の底面の径を超えて取り付けることが可能な一方向に長い矩形状の本体と、該本体の長手方向の両端に設けられた該本体を前記筒部に取り付けるための取付部と、前記本体の中央部の所定の領域に前記可撓膜の方向に所定の高さ凸状に突出する段差部を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記ばね本体は、前記可撓膜が圧力室の負圧により撓んだときに、前記段差部の凸状の形状を保持し、圧力室の最大負圧が可撓膜に掛かったときに可撓膜の押圧力により前記段差部が平らになるまで変形可能にしたことを特徴とする。
また本発明は、前記板ばねは、最初に端部が撓み、その後に中央部分が撓む段階的撓み構造を有していることを特徴とする。
また本発明は、前記板ばねは、前記圧力室の底面の径を超える長さを有しており、負圧により段差部が前記壁面に接触したあと最大負圧の時には平らになるまで変形可能にしたことを特徴とする。
また本発明は、前記板ばねは、前記圧力室の底面の径を超える長さを有しており、前記圧力室の壁面近くでも該圧力室に接触可能に変形可能の弾性を有するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、インク供給部とインクジェットプリントヘッドとの間に設けられ、インクジェットプリントヘッド内のインクにかかる圧力変動を吸収するためのダンパー機構を備えたインクジェット記録装置において、前記ダンパー機構に、圧力室と、壁面と該壁面の周囲に設けた筒部と、該筒部に接着された可撓膜とを設け、前記圧力室に前記可撓膜の裏面に対向させて板ばねを配置し、該板ばねに、該板ばねが対面する可撓膜の方向に所定の高さが凸状に突出する段差部を設けたことを特徴とするものである。
本発明は段差部を形成し段階的に撓む構造の板ばねを用いることにより、圧力室に負圧が生じた場合には最初に端部のバネ構造の部分が撓むことで負圧を緩衝しその時点での板ばねの中央付近の変形を抑えることにより圧力室のさらなる容積変化の余裕を残しているので、さらに負圧が掛かった時は、その中央部分が次に撓むことによって圧力室の容積を効果的に減少させることができるため、ダンパーによる圧力変動の緩衝を効果的に行うことができる。
また必要以上に板ばねの反力を高くする必要が無いため、圧力変動による可撓膜の変位を板ばねが阻害することなく、瞬間的な圧力変動を緩和することができる。
さらに板ばねの圧力室底面に接触する部分を多くすることもできるので、圧力室の容積を最大限に利用することができ、同じ容積の場合には効率的に圧力変動の緩和ができる。
ダンパー機構のA−A線断面説明図である。 ダンパー機構の説明図であり、(A)は可撓膜を省略した正面説明図、(B)は可撓膜を省略した背面説明図である。 可撓膜を省略したダンパー機構の外観説明図である。 可撓膜を省略したダンパー機構の外観説明図である。 ダンパー機構の一部のB−B線断面説明図である。 本発明の説明図である。 板ばねの外観図である。 板ばねの正面図である。 本発明の説明図である。
以下に本発明の構成を添付図面を参照して詳細に説明する。
図9は、インクジェット記録装置2の概略説明図であり、インクジェット記録装置2は、複数のインクジェットプリントヘッド4が搭載されたキャリッジを被記録媒体に対して主走査方向に移動させながら各プリントヘッド4のノズル部4a(インク吐出部)からインクを吐出して所定領域にドットのパターンを印刷し、印刷幅分の主走査が終わると被記録媒体を副走査方向に所定量移動させ、これらの動作を繰り返すことによって所望の全ての領域の印刷を行うものである。
インクジェットプリントヘッド4が搭載されるキャリッジには、インクチューブから成るインク供給路6内のインクに発生する圧力変動を緩衝するダンパー8が搭載されている。ダンパー8は、キャリッジの移動にる慣性力で発生した圧力変動を、可撓膜の変異による圧力室の容積変化によってプリントヘッド4のインク吐出部4aのノズルの中のインクに掛かる圧力を緩和して、インクの吐出不良やノズルの開口のメニスカスが破壊されるのを防止する。インクジェット記録装置2の本体側に配備されたインクカートリッジなどから成るインク供給部7の液面とプリントヘッド4のインク吐出部4aとの水頭差により、インク供給路6内とプリントヘッド4内のインクは負圧に保持されるためノズルから漏れる事なく、インク供給路6内は負圧に保持され、これによりインクを吐出しないときは、インク吐出部4aのノズルの開口にメニスカスが形成されるように構成されている。
本実施形態は、説明の便宜上、1個のダンパーについてのみ説明し、各プリントヘッドごとに用意された他のダンパーの説明は省略する。
図2(A)は、可撓膜を省略したダンパーの正面説明図、(B)は、可撓膜を省略した背面説明図を示している。図1,2に示すように、ダンパー8は、ダンパー本体10の隔壁12の両側に第1のダンパー14と、第2のダンパー16が形成されている。ダンパー本体10は、円盤状の隔壁12と、これの周囲に形成された筒部18と、筒部18から突出する接続部19,20を備えている。筒部18の一方の開口端側には、開口端の円周方向に沿って所定長さ延びる凹溝22と、凹溝24が形成されている。
接続部19には、上流側接続パイプ26が取り付けられ、該パイプ26は、接続部19に設けられた管路28と連通している。管路28は、溝部22の一方側に接続している。上流側接続パイプ26は、インクジェット記録装置2のインク供給路6を構成するチューブに連結している。凹溝22の他方は、筒部18に形成されたインク流通孔30を通じて、第1のダンパー14の圧力室34に連通している。凹溝24の一方は、筒部18に形成されたインク流通孔32を通じて第1のダンパー14の圧力室34に連通している。
凹溝24の他方は、図5に示すように、筒部18に一体的に形成された流体案内部36の中空部に連通している。隔壁12に形成されたインク流通孔38は図示するようにその一方の部分で漏斗状に少し広がっており、流体案内部36の中空部は、その流通孔38と連通し、凹溝24は、流体案内部36の中空部、インク流通孔38を通じて、第2のダンパー16の圧力室40に連通している。隔壁12には、インク流通孔38と対面する位置にSUS(ステンレス)メッシュフィルタ42が接着され、このフィルタ42によって、第2のダンパー16に入ってくるインク中の微小なゴミや気泡等が除去されるように構成されている。
筒部18の他方の開口端側には、開口部の円周方向に沿って所定長さ延びる凹溝44が形成されている。凹溝44の一方は、筒部18の、前記インク流通孔38から離れた位置に形成された、インク流通孔46に接続し、凹溝44の他方は、接続部20に設けられた管路48の一方と接続している。管路48の他方は、接続部20に固設された下流側接続パイプ50に接続し、該接続パイプ50は、プリントヘッド4に連結するインク供給管52に連結している。ダンパー本体10には、筒部18によって、両側の面に凹部が形成されており、この凹部の開口をフィルム状の可撓膜52,54によって封止することで一端面が可撓膜52,54で画成された圧力室34,40が形成されている。なお可撓膜52,54は外と内に十分撓む事ができる状態に余裕をもって封止されている。
第1及び第2のダンパー14,16の圧力室34,40内へのインクの充填は、ヘッドをキャッピング機構により密封した後にポンプによりインク吐出部4aのノズル開口からインクを吸引することにより行われる。
この吸引によりインク供給部7内に保管されているインクがインク供給路6を通り、第1の流路62、ダンパー8の第1のダンパーの圧力室34,流路66、インク流通孔38、フイルタ42、第2のダンパーの圧力室40、第2の流路64と通過し、プリントヘッド4に入り、インク吐出部4aから多少インクを引き出す程度まで吸引する事によりインクの充填を行う。
吸引が終了するとインク供給部7とプリントヘッド4の水頭値の差によって、経路内のインクは負圧に保持されインク吐出部4aからインクが吐出できる状態となる。なおこの段階では第1のダンパーの圧力室34、第2のダンパーの圧力室40の可撓膜は板ばね56,58に規制され若干凹んだ状態にて維持されインクが充填された状態になる。その後ヘッドからのインクの吐出に伴いインクがインクジェットヘッド4の方向に供給されるため、第2のダンパーの圧力室40および第1のダンパーの圧力室34のインクが減少し、その減少によってインク供給部7のインクが供給され定期的に必要な量のインクがプリントヘッド4に充填される。
例えばキャッピング機構による吸引やヘッドのインクの吐出により、第1及び第2のダンパー14,16の圧力室34,40内のインクが吸引されることで、可撓膜52,54がダンパー本体10の隔壁12に張りついてしまうと、上流からのインク供給路を可撓膜が塞いでしまうことで、インク供給に支障が出る可能性がある。この場合、第1及び第2のダンパー14,16の圧力室34,40内のインクのほとんどが排出されてしまい、ノズル抜けの原因となる。
このため、第1及び第2の板ばね56,58を所定のクリアランスを形成する位置に配置することによって可撓膜52,54のダンパー本体10の隔壁12への当接を規制している。板ばね56,58は、屈折部を、筒部18の開口縁部に設けられた係合凹部60,61に係合して配置され、可撓膜52,54が板ばね56,58に貼り付いた位置になった場合でも第1および第2のダンパー14.16の圧力室34,40にはインクが所定量充填されるようになっており、この部分からさらなる変位が可能であり、また可撓膜52が隔壁12に貼り付かないようにもしている。可撓膜52,54は、筒部18の開口縁部に熱溶着等により接合される。
凹溝22,24,44及び流体案内部36は、可撓膜52,54によって開口部が封止され、これら凹溝22,24,44及び流体案内部36と可撓膜52,54によって筒部18の両端面に、凹溝22,24,44及び流体案内部36に沿って、細長状の所定の長さを有する管路から成る第1の流路62、第2の流路64及び圧力抵抗用の流路66が形成される。前記開口部を塞ぐのは、前記可撓膜52,54の、可撓部として使用されない外側の部分であり、その部分をダンパー本体10に溶着することにより流路が作成される。
上記した構成において、第1及び第2のダンパー14,16の圧力室34,40には、インク吐出部4a内のインクの初期充填動作によって、第1及び第2のダンパー14,16の圧力室34,40のインク流通路32,46を超える部分までインクが充填される。
インクジェットプリントヘッド4が印刷するために主走査方向の移動を行うと、インク吐出部4a内のインクに正圧及び負圧の圧力変化が起こる。このとき、圧力変化に伴って可撓膜52,54が弾性変形、すなわち、第1及び第2のダンパー14,16の容積を変化させることにより、圧力変動を緩衝させ、インク吐出部4a内のインクに略一定の負圧を安定的に維持することができる。
この第1及び第2のダンパー14,16の容積を変化させる可撓膜52,54の変形方向としては、インクジェットプリントヘッド4の移動に伴いインクチューブ内から掛かる圧力が高くなる場合には可撓膜52,54は容積を大きくする方向(膨らむ方向)に移動し、圧力が低くなる場合には容積を減少させる方向(凹む方向)に移動する。
このように可撓膜52,54が変形することによって、ダンパー8は、インクジェットプリントヘッド4の加速及び減速や移動方向に対応して、インク供給路6内にあるインクの圧力変動を緩衝させ、インク吐出部4a内のインクに圧力変動の影響がでないようにすることにより吐出を安定させることで、印刷品質を向上することができる。板ばね56,58は、図7に示すように、一方向に長い矩形状のばね本体68の両端部に、本体68を、筒部18の係合凹部60に取り付けるための、直角に屈折した取付部70,70が形成されている。本体68の両端間の長さは、圧力室34,40の底面の径を超えて取り付けることができるように構成されている。なお板ばね56,58は、取り付け部70に設けられた穴71をダンパー本体の凸部に嵌めるようにして位置決めを行い、その凸部の上部を潰してダンパー本体に固定する。
板ばね本体68の長手方向の両端間の中央には、本体68より幅広の円形の受圧部72が形成されている。本体68の受圧部72を含む、中央部の所定範囲に本体68の両端の近傍の面のレベルに対して所定の高さの段差を有する段差部74が形成されている。前記段差部74は、ばね本体68の中央部の所定の範囲にわたって凸部を構成する。ばね本体68は、可撓膜52,54の裏面に、段差部74の円形受圧部72が対応する可撓膜52,54に対面するように配置されている。
これにより、インクジェットヘッド4が搭載されたキャリッジが静止状態においては、インク供給部7とインクジェットヘッド4との水頭差による圧力室内の負圧によって可撓膜が撓んだときに、板ばねは段差部74の凸状の形状を保持し、印刷時においては、ヘッドキャリッジの移動により圧力室にさらに負圧が掛かった時には、その段差部74が潰れることによってさらなる圧力変動へも対応が可能となる。
可撓膜52,54が圧力室34,40内の負圧で撓む場合、可撓膜52,54は、全体が沈み込み、その圧力により板ばね56,58に貼り付く。その後に中央部分の凸形状を維持しながら最初に端の部分が沈み込む。この段階ではまだ板ばねの中央部分は、ばね本体68の段差部74によって、まだ可撓膜52,54と圧力室34,40の底面との間にスペースが確保され、圧力変動に対する圧力室34,40の容積変化の余力が確保される。
さらに負圧が掛かり、可撓膜52,54が撓む場合には、ばね本体68の段差部74がつぶれるように変形して圧力室34,40の容積が減少する。
図6において、Aは板ばね56,58をダンパー8の筒部18に取り付けた無負荷の状態を示している。Bは、キャリッジが制止しているとき(インクの吐出ができる状態)の板ばね56,58の状態を示し、板ばね56,58は、圧力室34,40内の図6に示す、水頭差による負圧により可撓膜52,54から圧力を受け、端の部分が少し沈み込んだ状態を示している。なおこの段階ではまだ板ばねの中央部分の凸部は保持された状態になっている。Cは、圧力室34,40が最大負圧時(負圧を緩衝できる最大値)のとき、板ばね56,58の段差部74が可撓膜52,54からの圧力によって平らに変形した状態を示している。
ばね本体68は、インクの吐出ができる状態において、圧力室34,40の負圧により可撓膜52,54が撓んだとき、図4中、Bに示すように段差部74の凸状の形状を保持し、これにより圧力室34,40の容積変化の余力を確保する。インク経路内のインクがキャリッジの移動により生じるインクの慣性により、さらなる負圧が生じた際にも、圧力室内の容積変化を確保することができる。
本実施例の構造の板ばねは、図6に示すように、最初に端部に近い部分P1,P2が沈み込み、その部分で最初に掛かる負荷を緩衝し、その部分だけでは緩衝できなくなると次に中央部分の凸部が潰れることにより負荷を緩衝させるという、段階的に作用する構造を用いている。そのため板ばねの潰れた時の長さは凸部等を構成する長さ分だけ余裕があるため、従来の板状のばねで対応が難しい平らに接触する部分を多く有することができる。また端部に近い部分まで深く沈み込むことができるので、通常の板ばねでは使用できない部分を圧力室の変動可能な容量として確保することが可能となっている。そのため、インク経路内のより高い圧力変動を緩和することができ、しかも応答性の良さも備えている。
なお、ばね本体68の形状は、図示する矩形形状に特に限定されるものではなく、十字形その他の任意の形状とすることができる。
本実施例では2段階で撓む構造の板ばねで説明をしているが、特にその構造に限定するものではなく、多段階に撓む構造を用いても良く、凸部なども二箇所以上設けても良い。また製品で必要となる負圧変動を緩衝する範囲において、圧力室の容量、板ばね、可撓膜などは最適な組み合わせを行えばよい。
また実施例では隔壁12に接触するように板ばが撓んでいるが、この構造に限定されるものではなく、板ばねが隔壁12に接触しない状態から段差部が平に変形するようにしても良いなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲においての変更等は可能である。
2 インクジェット記録装置
4 プリントヘッド
4a インク吐出部
6 インク供給部
7 インク供給部
8 ダンパー
10 ダンパー本体
12 隔壁
14 第1のダンパー
16 第2のダンパー
18 筒部
19 接続部
20 接続部
22 凹溝
24 凹溝
26 上流側接続パイプ
28 管路
30 インク流通孔
32 インク流通孔
34 圧力室
36 流体案内部
38 インク流通孔
40 圧力室
42 フィルタ
44 凹溝
46 インク流通孔
48 管路
50 下流側接続パイプ
52 可撓膜
54 可撓膜
56 板ばね
58 板ばね
60 係合凹部
61 係合凹部
62 第1の流路
64 第2の流路
66 圧力抵抗用流路
68 板ばね本体
70 取付部
71 穴
72 受圧部
74 段差部

Claims (5)

  1. インク供給部とインクジェットプリントヘッドとの間に設けられ、インクジェットプリントヘッド内のインクにかかる圧力変動を吸収するためのダンパー機構において、
    圧力室を、壁面と該壁面の周囲に設けた筒部と、該筒部に接着された可撓膜とで構成し、圧力室に前記可撓膜に対向させて板ばねを配置し、前記板ばねを、長さが圧力室の底面の径を超えて取り付けることが可能な一方向に長い矩形状のばね本体と、該ばね本体の長手方向の両端に設けられた該ばね本体を前記筒部に取り付けるための取付部と、前記ばね本体の中央部の所定の領域に前記可撓膜の方向に所定の高さ凸状に突出する段差部を設け、前記ばね本体は、前記可撓膜が圧力室の負圧により撓んだときに、前記段差部の凸状の形状を保持し、圧力室の最大負圧が可撓膜に掛かったときに可撓膜の押圧力により前記段差部が平らになるまで変形可能にしたことを特徴とするインクジェット記録装置におけるダンパー機構。
  2. 前記板ばねは、最初に端部が撓み、その後に中央部分が撓む段階的撓み構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置におけるダンパー機構。
  3. 前記板ばねは、前記圧力室の底面の径を超える長さを有しており、負圧により段差部が前記壁面に接触したあと最大負圧の時には平らになるまで変形可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置におけるダンパー機構。
  4. 前記板ばねは、前記圧力室の底面の径を超える長さを有しており、前記圧力室の筒部近くでも該圧力室の壁面に接触可能に変形可能の弾性を有するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置におけるダンパー機構。
  5. インク供給部とインクジェットプリントヘッドとの間に設けられ、インクジェットプリントヘッド内のインクにかかる圧力変動を吸収するためのダンパー機構を備えたインクジェット記録装置において、前記ダンパー機構に、圧力室と、壁面と該壁面の周囲に設けた筒部と、該筒部に接着された可撓膜とを設け、前記圧力室に前記可撓膜に対向させて板ばねを配置し、前記板ばねを、長さが圧力室の底面の径を超えて取り付けることが可能な一方向に長い矩形状のばね本体と、該ばね本体の長手方向の両端に設けられた該ばね本体を前記筒部に取り付けるための取付部と、前記ばね本体の中央部の所定の領域に前記可撓膜の方向に所定の高さ凸状に突出する段差部を設け、前記ばね本体は、前記可撓膜が圧力室の負圧により撓んだときに、前記段差部の凸状の形状を保持し、圧力室の最大負圧が可撓膜に掛かったときに可撓膜の押圧力により前記段差部が平らになるまで変形可能にしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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