JP6783052B2 - 炭酸感が増強された容器詰め低甘味度炭酸飲料 - Google Patents

炭酸感が増強された容器詰め低甘味度炭酸飲料 Download PDF

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Description

本発明は、甘味が少ない炭酸飲料において、従来の炭酸飲料と同等の炭酸ガス圧であるにもかかわらず、飲用した際に感じる炭酸感が増強されている、容器詰め低甘味度炭酸飲料に関する。
炭酸飲料は、飲用時に炭酸気泡による爽やかな刺激が清涼感を高め、更にはのどの渇きを癒すことから、需要が高い清涼飲料カテゴリーのひとつとなっている。その炭酸飲料のバリエーションのひとつとして、飲用時の炭酸気泡による口腔内刺激やのど越し、いわゆる炭酸感を増強した炭酸飲料がある。炭酸感を高めるためには、炭酸ガス添加量を増やし、炭酸ガス圧を高める方法がとられることが一般的である。しかし、炭酸ガス圧を高めることは、容器充填時又は容器開栓時(飲用時)に飲料の噴きにつながるリスクが高くなる。また、容器の破裂が生じるリスクもある。したがって、炭酸ガス圧を高めることは避ける傾向にあり、また高めるガス圧の限界もあった。
一方、炭酸飲料に使用する原料又はその組み合わせによっては、同じ炭酸ガス圧を付与しても、炭酸感を感じにくいものを存在していた。これらを通常の炭酸感のレベルにすることについてもニーズがあった。以上のことから、炭酸飲料の飲用の際に感じる炭酸感を高める技術が、従来より提案されている。
特許文献1では、スピラントール又はスピラントールを含有する植物抽出物若しくは植物精油からなる炭酸飲料用添加剤を用いることにより、使用される果汁、甘味料、色素及び香料等の原料の組合わせによる炭酸感の低下を防止する方法が、特許文献2には、カプシカム抽出物や、ペッパー抽出物のような辛味成分を有効成分とする炭酸感増強剤を用いて、ガス圧が低下した炭酸飲料のガス圧を増強する方法が、特許文献3には、メジアン径で300μm以下の増粘安定剤の微細なゲルを含有させることにより、炭酸飲料の飲用時、開封後の炭酸感の持続性を付与する方法が、そして特許文献4ではスターアニス(ハッカクウイキョウ)抽出物を用いることにより、容器詰め炭酸飲料の炭酸感を強化する方法がそれぞれ開示されている。
更に、特許文献5には、高甘味度甘味料を配合した炭酸飲料において、開栓後の炭酸ガスの抜けを防止や高甘味度甘味料による異味や、苦味を改善し、炭酸飲料の風味を向上するために、特定量の重合カテキンとカフェインとを併用して、含有させる方法が開示されている。また、特許文献6には、苦味物質として、ナリンジン、クワシン、カフェイン及びホップ由来成分を含有し、pHが4.0以下に調整されたビールテイストのノンアルコール飲料のような炭酸ガス含有飲料において、苦味や、酸味の突出、或いは香味の単調化を改善するために、微量(1〜3500ppm)のグリセロールを添加する方法が開示されている。
以上のとおり、炭酸飲料に使用する原料又はその組み合わせによっては、同じ炭酸ガス圧を付与しても、炭酸感を感じにくいものや、炭酸感の持続性に問題があるものが存在し、これらを通常の炭酸感のレベルにしたり、又は増強したりするために、或いは、その味覚を改善するために、従来よりそれぞれの炭酸飲料に使用する原料又はその組み合わせに対して、各種の方法が提案されている。近年、健康上の理由から糖分が少ない炭酸飲料が求められている中で、そのような「甘味の少ない炭酸飲料」では通常の甘味のある炭酸飲料以上に、炭酸感が消費者の嗜好に直結するが、それにもかわらず、製造上の理由から甘味の無い炭酸飲料の方がむしろ厳しいガス圧の制限が課せられているのが現状である。またさらに、従来提案されている方法では、該甘味度の低い炭酸飲料に適用して、その飲料のガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる、飲用時の炭酸気泡による口腔内刺激やのど越しのよい炭酸飲料を提供することは難しい。
したがって、「甘味の少ない炭酸飲料」であり、しかも、「炭酸感に優れた炭酸飲料」であることの消費者の嗜好に応えるために、このような甘味が少ない炭酸飲料において、製造時や飲用時におけるリスクを伴わない、すなわち、ガス圧の操作に依らない炭酸感の増強技術が以前から希求されるところである。
特開2006−166870号公報。 特開2010−68749号公報。 特開2013−121323号公報。 特開2015−173631号公報。 特開2010−142129号公報。 特開2014−64488号公報。
本発明の課題は、甘味度が一定以下に抑えられている低甘味度の炭酸飲料において、その飲料の炭酸ガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる容器詰め低甘味度炭酸飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、甘味度が一定以下に抑えられている低甘味度の炭酸飲料において、各種原料の組合せ、配合比、配合条件について、鋭意検討する中で、意外にも、苦味成分の種類の特定ならびにその配合比、更には苦味度に対する酸度の比率についての条件を特定範囲にすることで、当該低甘味度の炭酸飲料の炭酸感が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭酸飲料が、以下の(1)〜(5)の要件を満たす、炭酸感が増強された低甘味度容器詰め炭酸飲料からなる:(1)甘味度が2以下であり、(2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、(3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.0001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、(5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1である。
本発明においては、これらの要件を満たすことにより、甘味度が一定以下に抑えられた炭酸飲料において、その飲料の炭酸ガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる容器詰め炭酸飲料を提供することが可能になる。すなわち、甘味の少ない飲料では、甘味が強い飲料に比べて、苦味や渋味といった香味が目立ちやすく飲料全体の香味バランスを調整することが難しいため、苦味を有する成分を添加すること自体、リスクを有するものであるが、本発明においては、敢えて該苦味成分を利用することにより、甘味の少ない飲料において、その飲料の炭酸ガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる容器詰め炭酸飲料の提供を可能とした。
本発明の容器詰め低甘味度炭酸飲料において、炭酸飲料は、高甘味度甘味料を含有していない炭酸飲料を挙げることができる。また、本発明の容器詰め低甘味度炭酸飲料において、炭酸飲料のガス圧は、0.1〜0.4MPaであることが好ましい。更に、本発明の容器詰め低甘味度炭酸飲料において、炭酸飲料の固形物濃度(Brix)は、2°Bx以下に調整されることが好ましい。
本発明の容器詰め低甘味度炭酸飲料において、炭酸飲料の酸度は、炭酸飲料中に酸味成分として、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選択される1ないし2以上の成分の添加、含有により調整される。
本発明は、容器詰め炭酸飲料の製造において、炭酸飲料を、以下の(1)〜(5)の要件を満たすように調製することを特徴とする炭酸感が増強された容器詰め低甘味度炭酸飲料の製造方法を包含する:(1)甘味度が、2以下であり、(2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、(3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.0001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、(5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1である。
すなわち、具体的には本発明は、[1]炭酸飲料が、以下の(1)〜(5)の要件を満たす、炭酸感が増強された容器詰め低甘味度炭酸飲料:(1)甘味度が、2以下であり、(2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、(3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.0001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、(5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1である、や、[2]炭酸飲料が、高甘味度甘味料を含有していない炭酸飲料であることを特徴とする前記[1]に記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料や、[3]炭酸飲料のガス圧が、0.1〜0.4MPaであることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料や、[4]炭酸飲料の固形物濃度(Brix)が、2°Bx以下であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料や、[5]炭酸飲料の酸度が、炭酸飲料中に酸味成分として、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選択される1ないし2以上の成分の添加、含有により調整されていることを特徴とする、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料からなる。
また、本発明は、[6]容器詰め炭酸飲料の製造において、炭酸飲料を、以下の(1)〜(5)の要件を満たすように調製することを特徴とする炭酸感が増強された容器詰め低甘味度炭酸飲料の製造方法:(1)甘味度が、2以下であり、(2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、(3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.0001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、(5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1である、からなる。
本発明によって、甘味度が一定以下に抑えられた低甘味度の炭酸飲料において、その飲料の炭酸ガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる容器詰め低甘味度炭酸飲料を提供することができる。
本発明は、炭酸飲料が、以下の(1)〜(5)の要件を満たす、炭酸感が増強された低甘味度容器詰め炭酸飲料を提供することからなる:(1)甘味度が2以下であり、(2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、(3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.0001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、(5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1である。ここで、「炭酸感」とは、飲用時の炭酸気泡による口腔内及び咽頭部に感じる心地よい刺激感のことをいい、この炭酸感を増強することにより、当該炭酸飲料の爽やかさやのど越しさらには止渇感が向上する。
要件(1)について説明する。本発明でいう、甘味度とは、甘味の強さを示す尺度であり、ショ糖1重量%(20℃)の甘味を1として、このショ糖の甘さの強さに対する倍率を示す。例えば、高甘味度甘味料の一であるアセスルファムカリウムはショ糖の200倍の甘さを示すことから、甘味度は濃度(重量%)の200倍で算出される。本発明の容器詰め炭酸飲料は甘味度が2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1以下、最も好ましくは0.5以下である。なお、下限値は0以上であり、好ましくは0.01以上である。通常の炭酸飲料の甘味度が5〜15程度であることから考えると、本発明の炭酸飲料はかなり甘味が抑えられた飲料といえる。
この甘味については、ショ糖、異性化糖などの公知の甘味料や、甘味成分が含まれる果汁などを用いて付与することができる。その一方、高甘味度甘味料、たとえば、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテームなどは使用しない方が好ましい。少量の添加で甘味度が制限値を超えてしまうばかりでなく、炭酸感の付与という本発明の効果も十分に発揮できなくなる。
要件(2)について説明する。本発明は、使用するカフェイン、クワシン、ナリンジンは、それぞれ精製して、各成分の純度が高い原料素材を使用してもよいが、これらの成分を少量でも含む食品原料を使用することでもよい。カフェインは、茶類やコーヒーに比較的多量に含まれるアルカロイドの一種である。クワシンは、ニガキの樹皮から得られる成分で、健胃薬としても用いられる。ナリンジンは、グレープフルーツやはっさくなどの果皮付近に含まれる、フラバノン配糖体の一種である。これら三種の成分はいずれも苦味を有することで知られる。この中で香味の質などの点で、カフェインを使用することが好ましい。
要件(3)について説明する。本発明では、[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]を苦味度(A)として定義する。必ずしも3種成分全て使用する必要はなく、2種又は1種だけ使用しても良い。例えばカフェインだけを使用した場合には、クワシン濃度とナリンジン濃度を0として苦味度を算出すればよい。本発明の炭酸飲料はこの苦味度(A)が0.0001〜0.055である、ややほろ苦い飲料である。苦味度(A)が0.001〜0.01のとき、より好ましい。なお、これら三成分の飲料中の濃度は、公知の分析法、例えばHPLC法により、定量することが可能である。
要件(4)について説明する。本発明でいう酸度(B)とは、クエン酸相当酸度、すなわち飲料中に含まれる全ての酸をクエン酸と仮定した場合のクエン酸の質量%濃度のことをいう。酸度は、日本農林規格(平成18年8月8日農水告第1127号)に定められた酸度の測定方法に基づいて算出することができる。または、前記規格に基づく酸度計で計測することができる。本発明の容器詰め炭酸飲料の酸度(B)は、0.01〜0.2であり、好ましくは0.02〜0.16である。果汁のような酸味のある原料で調整してもよいが、食品添加物の酸味料、具体的にはリン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などで調整することが好ましい。
最後に要件(5)について説明する。本発明の容器詰め炭酸飲料の苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)は0.01〜1.1、好ましくは0.08〜1.0、より好ましくは0.2〜0.5である。これらの範囲にあるときに、当該炭酸飲料に含まれる炭酸ガスと香味のバランスがとれて、炭酸飲料の持つ炭酸感の増強が認められる。
本発明の容器詰め炭酸飲料は、上記(1)〜(5)の要件をみたす以外は、特に制限なく、通常の炭酸飲料と同様に製造することができる。原料としては、上記の甘味料、苦味料、酸味料のほか、果汁、野菜汁、香料、乳原料、果実ピューレ、色素、増粘剤、繊維質、ミネラル、pH調整剤などが適宜使用できる。
本発明の作用効果、すなわち炭酸感の増強効果は、該炭酸飲料の固形分濃度(Brix.)を2°Bx以下、好ましくは1°Bx以下にした場合により効果を発揮する。従って、果汁や野菜汁などの固形分の多い原料の使用量は少なめにした処方の方が、より明確な炭酸感の増強効果が認められる。
本発明の容器詰め炭酸飲料の炭酸ガス圧に制限はないものの、効果をより強く発揮するためには、炭酸ガス圧を0.1〜0.4MPa程度の低めに設定することが好ましく、特に0.1〜0.38MPa、より好ましくは0.1〜0.35MPaにすることが最も好ましい。
本発明の炭酸飲料の製造方法は、本発明の要件を満たす以外は、特に制限はなく、通常の炭酸飲料の製造方法に従って製造できる。例えば、原料水に所定の原料を混合した後、所定の炭酸ガスを付与し、炭酸飲料用の容器である缶容器もしくはペット容器などに充填する。そのあと、必要な加熱殺菌をおこなって目的とする容器詰め炭酸飲料を得る。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験飲料の調製例1>
表1に示す配合割合において、カフェイン抽出物の添加量を0〜0.06重量%の範囲で段階的に変更した試験飲料を11種調製した。各飲料は調製後にカーボネーションを行い、全てガス圧が0.38MPaである炭酸飲料とした。ちなみにこれらの飲料の甘味度は0で、酸度は0.0628程度である。また、Brix.は0.13°Bxであった。
<試験飲料の官能評価1>
訓練を受けたパネリスト5人を選定し、これらのパネリストに調製した試験飲料を提
示して、「炭酸感」について評価した。評価の基準は以下の通りである。
◎:対照飲料(比較例1)と比較して、炭酸感が大きく増強している。
〇:対照飲料(比較例1)と比較して、炭酸感が増強している。
△:対照飲料(比較例1)と比較して、炭酸感がわずかながら増強している。
×:対照飲料(比較例1)と比較して、炭酸感の増強が見られない。
結果を表2に示す。比較例2の試験飲料では苦味と酸味のバランスが悪く、また比較例3の試験飲料では酸味が強く感じられすぎて、それぞれ炭酸感の高まりを感じなかった。
<試験飲料の調製例2>
表3に示す配合割合において、酸度を変更した試験飲料9種を調製した。各飲料は調製後にカーボネーションを行い、全てガス圧が0.38MPaである炭酸飲料とした。ちなみにこれらの試験飲料の甘味度は0で、苦味度は0.0136である。また、Brix.は0.1〜0.5°Bxであった。
<試験飲料の官能評価2>
先に示した方法と同様にして、これら試験飲料の炭酸感を評価した。なお対照飲料としては調製例1で調製した比較例1の試験飲料を用いた。結果を表4に示す。比較例4の試験飲料では苦味と酸味のバランスが悪く、また比較例5の試験飲料では酸味が強く感じられすぎて、それぞれ炭酸感の高まりを感じなかった。
以上の結果より、炭酸飲料の苦味度/酸度が0.01〜0.08又は1.0〜1.1のとき多少バランスは酸味が強いが、炭酸感増強効果を感じられ(△)、0.08〜0.2又は0.5〜1.0のときバランスが良好であり、炭酸感増強効果がより強く感じやすく(〇)、0.2〜0.5のときバランスが極めて良好であり、炭酸感増強が非常に強く感じられた(◎)。
<試験飲料の調製例3>
表5に示す配合割合において、グレープフルーツ果汁又は高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム)により、甘味度を変更した試験飲料5種を調製した。各飲料は調製後にカーボネーションを行い、全てガス圧が0.38MPaである炭酸飲料とした。ちなみにこれらの試験飲料の苦味度は0.0136で、酸度は0.0628であり、苦味度/酸度は0.2166である。また、Brix.は0.1〜4.5°Bxであった。
<試験飲料の官能評価3>
訓練を受けたパネリスト5人を選定し、これらのパネリストに調製した試験飲料を提
示して、「炭酸感」について評価した。評価の基準は以下の通りである。
〇:対照飲料(実施例4)と比較して、同程度の炭酸感の増強効果が見られる。
△:対照飲料(実施例4)と比較して、多少劣るものの炭酸感の増強効果が見られる。
×:対照飲料(実施例4)と比較して、明らかに炭酸感の増強効果が損なわれている。
結果を表6に示す。比較例6の飲料は高甘味度甘味料特有の強い甘味によって炭酸感が感じられなかった。また比較例7では甘味によって酸味と苦味のバランスが悪く炭酸感の増強効果が損なわれていた。
<試験飲料の調製例4>
表7に示す配合割合において、苦味度を一定にして苦味成分の種類を変更した試験飲料種を調製した。各飲料は調製後にカーボネーションを行い、全てガス圧が0.38MPaである炭酸飲料とした。ちなみにこれらの試験飲料の苦味度は0.01で、酸度は0.0628であり、苦味度/酸度は0.1592である。また、Brix.は0.13°Bxであった。
<試験飲料の官能評価4>
先に示した方法と同様にして、これら試験飲料の炭酸感を評価した。なお対照飲料としては調製例1で調製した比較例1の試験飲料を用いた。結果を表8に示す。クワシン、ナリンジンをそれぞれ単独で、又は組合せて使用した場合であっても、カフェイン抽出物を単独で使用した場合(実施例3)と同程度の炭酸感増強効果が確認できた。
<試験飲料の調製例4>
表9に示す配合割合において、カフェイン抽出物の添加の有無とガス圧を変更した試験飲料を調製した。カフェイン抽出物の添加量は0.0136重量%とし、ガス圧は0.100、0.32、0.38、0.500MPaの4段階とした。ちなみにカフェイン抽出物を添加した試験飲料の苦味度は0.0136で、酸度は0.0628であり、苦味度/酸度は0.2166である。また、Brix.は0.13°Bxであった。
<試験飲料の官能評価4>
試験飲料の官能評価1に示した方法と同様にして、これら試験飲料の炭酸感を評価した。なお、評価の際には同じガス圧のカフェイン抽出物を含まない試験飲料を対照飲料として、カフェイン抽出物を含む試験飲料を評価した。結果を表10に示す。0.4MPa以下の炭酸飲料で炭酸感の増強効果が確認できた。
本発明は、甘味度が一定以下に抑えられた低甘味度の炭酸飲料において、その飲料の炭酸ガス圧に比べて、飲用時に炭酸感を強く感じる容器詰め低甘味度炭酸飲料を提供する。

Claims (5)

  1. 炭酸飲料が、以下の(1)〜(6)の要件を満たす、容器詰め低甘味度炭酸飲料(ただし、難消化性デキストリンを含有するもの、及び、ウーロン茶抽出液を含有するものを除く)。
    (1)甘味度が、2以下であり、
    (2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、
    (3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.001〜0.055であり、(4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、
    (5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1であり、
    (6)ガス圧が、0.1〜0.4MPaである。
  2. 炭酸飲料が、高甘味度甘味料を含有していない炭酸飲料であることを特徴とする請求項1に記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料。
  3. 炭酸飲料の固形物濃度(Brix)が、2°Bx以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料。
  4. 炭酸飲料の酸度が、炭酸飲料中に酸味成分として、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選択される1ないし2以上の成分の添加、含有により調整されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰め低甘味度炭酸飲料。
  5. 容器詰め炭酸飲料の製造において、炭酸飲料を、以下の(1)〜(6)の要件を満たすように調製することを特徴とする容器詰め低甘味度炭酸飲料(ただし、難消化性デキストリンを含有するもの、及び、ウーロン茶抽出液を含有するものを除く)の製造方法。
    (1)甘味度が、2以下であり、
    (2)カフェイン、クワシン、ナリンジンからなる群から選択される1ないし2以上の成分を含有し、
    (3)[カフェイン濃度(重量%)+クワシン濃度(重量%)×10000+ナリンジン濃度(重量%)×3.3]で表される苦味度(A)が、0.001〜0.055であり、
    (4)酸度(B)が、0.01〜0.2であり、
    (5)苦味度(A)と酸度(B)の比(A/B)が、0.01〜1.1であり、
    (6)ガス圧が、0.1〜0.4MPaである。
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