JP6783051B2 - 感光性樹脂組成物及びそれより調製される硬化膜 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物及びそれより調製される硬化膜に関する。具体的には、本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)内で使用することができる硬化膜を形成可能な、直鎖状シロキサンを含むポジ型感光性樹脂組成物に関する。
一般的に、LCDまたはOLEDにおいて、透明な平坦化膜が、薄膜トランジスタ(TFT)基板上に設けられるそのデータ線と透明電極との間の信号干渉を防止するためにしばしば使用される。この方法によれば、データ線付近に配置されるその透明な画素電極によってパネルの開口率を改善することができ、これによって高輝度及び高解像度などの特性を達成する。かかる透明な平坦化膜を調製するために、特定のパターンを付与するように幾つかの加工ステップが採用される。ポジ型感光性樹脂組成物は、必要とされる加工ステップがより少ないため、この目的のために幅広く使用される。特に、シロキサンポリマーを含有するポジ型感光性樹脂組成物は、その高耐熱性、高透明度、及び低誘電率で周知である。
耐熱性、透明度、及び解像度を改善するための従来のシロキサン系組成物として、フェニル残基を有するT型シロキサン構造単位及びQ型シロキサン構造単位を含むシロキサンポリマーと、1,2−キノンジアジド化合物とを含有する組成物が提示されている。例えば、韓国特許出願公開第2006−59202号は、20モル%以下の量でフェノール性ヒドロキシル基を含有するシロキサンポリマーと、その中のフェノール性ヒドロキシル基に対してオルトまたはパラ位にメチル基を含有しないキノンジアジド化合物と(0.1〜10重量%の量で)、溶剤として、アルコール性ヒドロキシル基を含有する化合物及び/またはカルボニル基を含有する環式化合物とを含む組成物を開示する。また、特定の色度座標を満たし、少なくとも95%の透過率を有する組成物から調製される硬化膜も開示する。
一方、透明な平坦化膜がかかる組成物から形成された後、この膜は化学蒸着法、スパッタリングなどによる無機層形成工程を経る。しかしながら、膜の表面が熱または紫外線に曝される場合、亀裂などの問題がこの工程中に発生し得る。例えば、製造工程の必要性のために通常の平坦化膜(2〜3μmの厚みを有する)よりも厚い平坦化膜をこの組成物から形成する場合、膜の剛性は増加し、これは膜が熱処理に供される際に膜の表面上に亀裂をもたらし得る。
したがって、優れた耐亀裂性を有する一方で、後に続く熱処理を経る際に高耐熱性及び高透明度を維持する、比較的厚い平坦化膜を形成することができるシロキサン系感光性樹脂組成物に対する需要が未だ存在する。
したがって、本発明の目的は、優れた耐亀裂性を有する一方で、高耐熱性及び高透明度を維持し、LCDまたはOLEDに使用可能な硬化膜を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明の一態様によれば、(A)式(I)で表されるシラン化合物に由来する少なくとも1つの構造単位を含有するシロキサンポリマーと、(B)1,2−キノンジアジド化合物と、(C)溶剤とを含み、
(RSi(R4−n (I)
式中、Rは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜12個の炭素原子を有するアリール基、7〜12個の炭素原子を有するアリールアルキル基、または7〜12個の炭素原子を有するアルキルアリール基であり、複数のRの場合は、それらは同一であっても互いに異なっていてもよく、式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、アミノ基、2〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基、または6〜12個の炭素原子を有するアリールオキシ基であり、複数のRの場合は、それらは同一であっても互いに異なっていてもよく、nは0〜3の整数であり、シロキサンポリマー(A)は、式中、n=2である式(I)のシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて2〜15モル%の構造単位を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
本発明の感光性樹脂組成物は、シロキサンポリマーを含有する従来の組成物の利点、すなわち高耐熱性及び高透明度を維持する一方で、改善された耐亀裂性を有することができ、よって、改善された安定性を有する硬化膜または平坦化膜を提供することができる。
本発明の実施形態によれば、本感光性樹脂組成物は、(A)シロキサンポリマー、(B)1,2−キノンジアジド化合物、及び(C)溶剤、ならびに任意に(D)界面活性剤及び/または(E)接着補助剤などの添加剤を含む。
以下に、本感光性樹脂組成物の各構成成分を詳細に説明する。
本明細書では、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び/または「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び/または「メタクリレート」を意味する。
(A)シロキサンポリマー
本発明のシロキサンポリマー(またはポリシロキサン)は、シラン化合物の凝縮物及び/またはその加水分解物を含む。
シラン化合物またはその加水分解物は、1〜4個の官能基を有するシラン化合物であってもよい。
したがって、本シロキサンポリマーは、以下のQ、T、D、及びM型からなる群より選択されるシロキサン構造単位を含んでいてもよい。
− Q型シロキサン構造単位は、シリコン原子及び4つの隣接する酸素原子を含有するシロキサン構造単位を指し、例えば、四官能シラン化合物、または4つの加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解物に由来してもよい。
− T型シロキサン構造単位は、シリコン原子及び3つの隣接する酸素原子を含有するシロキサン構造単位を指し、例えば、三官能シラン化合物、または3つの加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解物に由来してもよい。
− D型シロキサン構造単位は、シリコン原子及び2つの隣接する酸素原子を含有するシロキサン構造単位(すなわち、直鎖状シロキサン構造単位)を指し、例えば、二官能シラン化合物、または2つの加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解物に由来してもよい。
− M型シロキサン構造単位は、シリコン原子及び1つの隣接する酸素原子を含有するシロキサン構造単位を指し、例えば、単官能シラン化合物、または1つの加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解物に由来してもよい。
例えば、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表されるシラン化合物に由来する少なくとも1つの構造単位を含有する。例えば、本シロキサンポリマーは、式(I)で表されるシラン化合物の凝縮物及び/またはその加水分解物であってもよく、
(RSi(R4−n (I)
式中、Rは1〜12個の炭素原子を有する非加水分解性有機基であり、Rは加水分解性基であり、nは0〜3の整数である。
で表される非加水分解性有機基の例には、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜12個の炭素原子を有するアリール基、7〜12個の炭素原子を有するアリールアルキル基、及び7〜12個の炭素原子を有するアルキルアリール基が含まれていてもよい。これらは、直鎖状、分岐状、または環状であってもよい。また、同一分子に複数のRが存在する場合は、これらは同一であっても互いに異なっていてもよく、置換または非置換であってもよい。Rはヘテロ原子、例えば、エーテル、エステル、及びスルフィドを有する構造単位を含有してもよい。Rに求められる非加水分解性特性は、その化合物が、加水分解性Rが加水分解される条件下で安定した状態を保たなければならないことを意味する。
で表される加水分解性基は、一般的には、加水分解を介したシラノール基の形成、または触媒を伴わない過剰な水の存在下において25℃〜100℃の温度で化合物を加熱した場合の凝縮物の形成が可能である化合物の任意の基を指す。加水分解性基の例には、水素原子、ハロゲン原子、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、アミノ基、2〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基、及び6〜12個の炭素原子を有するアリールオキシ基が含まれていてもよい。同一分子に複数のRが存在する場合は、これらは同一であっても互いに異なっていてもよい。
式(I)で表される本シラン化合物は、例えば、4つの加水分解性基(すなわち、n=0)で置換されるシラン化合物、1つの非加水分解性基及び3つの加水分解性基(すなわち、n=1)で置換されるシラン化合物、2つの非加水分解性基及び2つの加水分解性基(すなわち、n=2)で置換されるシラン化合物、または3つの非加水分解性基及び1つの加水分解性基(すなわち、n=3)で置換されるシラン化合物であってもよい。
本シラン化合物の代表例には、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジルオキシシラン、及びテトラプロポキシシランなど、4つの加水分解性基で置換されるシラン化合物、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、d−メチルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、p−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及び3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸などの、1つの非加水分解性基及び3つの加水分解性基で置換されるシラン化合物、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、シクロヘキシルジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、及びジメトキシジ−p−トリルシランなどの、2つの非加水分解性基及び2つの加水分解性基で置換されるシラン化合物、ならびにトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリブチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、及び(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシランなどの、3つの非加水分解性基及び1つの加水分解性基で置換されるシラン化合物が含まれていてもよい。
4つの加水分解性基で置換されるシラン化合物の中で好ましいのは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及びテトラブトキシシランであり、1つの非加水分解性基及び3つの加水分解性基で置換されるシラン化合物の中で好ましいのは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、及びブチルトリメトキシシランであり、2つの非加水分解性基及び2つの加水分解性基で置換されるシラン化合物の中で好ましいのは、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、及びジメチルエトキシシランである。
これらのシラン化合物は、単独で、またはそれらの2つ以上の組み合わせで用いられてもよい。
式(I)で表されるシラン化合物の加水分解物またはその凝縮物を調製するための条件は、特に限定されない。例えば、式(I)で表されるシラン化合物の加水分解物またはその凝縮物は、必要に応じて、エタノール、2−プロパノール、アセトン、酢酸ブチルなどの溶剤に式(I)のシラン化合物を希釈することと、そこに反応に必要な水、及び触媒としての酸(例えば、塩酸、酢酸、硝酸など)または塩基(例えば、アンモニア、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど)を添加することと、かくして得られた混合物を次いで攪拌して加水分解重合反応を完了させることで、調製してもよい。
好ましくは、式(I)のシラン化合物の加水分解重合によって得られる凝縮物(すなわち、シロキサンポリマー)の重量平均分子量は、500〜50,000の範囲内にある。この範囲内で、本感光性樹脂組成物は、望ましい膜形成特性、溶解性、及び現像剤中の溶解率を有していてもよい。
調製で用いられる溶剤及び酸または塩基触媒の種類、ならびにそれらの量は、特に限定されない。加水分解重合は20℃以下の低温で行われてもよいが、反応は加熱または還流によって促進することも可能である。反応に要する時間はシランモノマーの種類及び濃度、反応温度などに応じて変動し得る。従来では、500〜50,000の重量平均分子量を有する凝縮物を得るために必要な反応時間は15分から30日の範囲内であるが、本発明の反応時間はこれに限定されない。
本シロキサンポリマー(A)は、Si原子の合計モルに基づいて2〜15モル%の量の直鎖状シロキサン構造単位(すなわち、D型シロキサン構造単位)を含む。直鎖状シロキサン構造単位は、二官能シラン化合物、例えば、式(I)で表され、式中、nが2であるシラン化合物に由来してもよい。具体的には、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中nが2であるシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて0.5〜30モル%、好ましくは2〜15モル%の量の構造単位を含む。この範囲内で、本組成物から調製される硬化膜は、適切な硬度を維持し、幾らかの柔軟性を有し、これによって外部応力により引き起こされる亀裂に耐性を有するであろう。
さらに、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、nが1であるシラン化合物に由来する構造単位(すなわち、T型構造単位)を含む。好ましくは、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、nが1であるシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて40〜85モル%、好ましくは65〜80モル%の量の構造単位を含む。この範囲内で、本感光性樹脂組成物は、より精密なパターンを有する硬化膜を形成し得る。
また、硬化膜の硬度、感度、及び保持率の観点から、本シロキサンポリマー(A)は好ましくは、アリール基を有するシラン化合物に由来する構造単位を含んでもよい。例えば、本シロキサンポリマー(A)は、アリール基を有するシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて30〜70モル%、好ましくは35〜50モル%の量の構造単位を含んでもよい。この好ましい範囲内で、本シロキサンポリマー及び1,2−ナフトキノンジアジド化合物は望ましい親和性を有してもよく、これによって硬化膜の透明度が向上し、感度の低下を防止する。アリール基を有するシラン化合物に由来する構造単位は、例えば、式(I)で表され、式中、Rがアリール基であるシラン化合物、好ましくはnが1でありRがアリール基であるシラン化合物、より好ましくはnが1でありRがフェニル基であるシラン化合物に由来する構造単位(すなわち、Tフェニル型単位)であってもよい。
さらに、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、nが0であるシラン化合物に由来する構造単位(すなわち、Q型単位)を含んでもよい。好ましくは、本シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、nが0であるシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて10〜40モル%、好ましくは15〜30モル%の量の構造単位を含む。この好ましい範囲内で、本感光性樹脂組成物は、パターン形成中にアルカリ性水溶液中のその溶解性を適正な範囲に維持し得、これによって本組成物の溶解性の低下または溶解性の極端な増加によって引き起こされる任意の欠陥を防止する。
本明細書中に用いられる用語「Si原子の合計モルに基づくモル%」は、本シロキサンポリマー(A)を構成する構造単位の全てに含有されるSi原子の合計モル数に基づく、特定の構造単位に含有されるSi原子のモル数の割合を指す。
シロキサンポリマー(A)に含まれるシロキサン単位のモル数は、Si−NMR、H−NMR、13C−NMR、IR、TOF−MS、元素分析、灰分析などの従来の方法の組み合わせにより測定することができる。例えば、フェニル基を有するシロキサン単位のモル数を測定する場合、Si−NMR分析をシロキサンポリマー全体について実行し、次いでフェニル基に結合するSi原子のピーク領域、及びフェニル基に結合していないSi原子のピーク領域を分析し、モル数をそれらの値の比から評定することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を除外した組成物の固形分の全重量に基づいて、50〜95重量%、好ましくは65〜90重量%の量のシロキサンポリマー(A)を含んでもよい。この好ましい量の範囲内で、本樹脂組成物は好適なレベルでその現像性を維持することができ、これによって、改善された膜保持率及びパターン解像度を有する硬化膜を生成する。
(B)1,2−キノンジアジド化合物
本発明の感光性樹脂化合物は、1,2−キノンジアジド化合物(B)を含む。
本1,2−キノンジアジド化合物は、フォトレジスト分野において感光剤として用いられる任意の化合物であってもよい。
代表例には、フェノール化合物と1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル、フェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル、そのヒドロキシル基をアミノ基で置換させたフェノール化合物と1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸とのスルホンアミド、ならびにそのヒドロキシル基をアミノ基で置換させたフェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのスルホンアミドが含まれる。上記の化合物は単一の化合物として、または2つ以上の化合物の組み合わせとして用いてもよい。
フェノール化合物の例には、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3′,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4′−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3′,3′−テトラメチル1,1′−スピロビインデン−5,6,7,5′,6′,7′−ヘキサノール、及び2,2,4−トリメチル7,2′,4′−トリヒドロキシフラバンが含まれる。上記の化合物は単一の化合物として、または2つ以上の化合物の組み合わせとして用いてもよい。
1,2−キノンジアジド化合物のより具体的な例には、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸とのエステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル、4,4′−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸とのエステル、ならびに4,4′−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステルが含まれる。
上記の化合物は単一の化合物として、または2つ以上の化合物の組み合わせとして用いてもよい。
上述の1,2−キノンジアジド化合物は、本ポジ型感光性樹脂組成物の透明度を向上し得る。
本1,2−キノンジアジド化合物(B)は、シロキサンポリマー(A)の固形分100重量部に基づいて、2〜30重量部、好ましくは6〜25重量部の範囲の量で用いてもよい。本1,2−キノンジアジド化合物を上記の量の範囲で用いる場合、本樹脂組成物は、硬化膜の粗面及び現像時のパターンの下部におけるスカムなどの欠陥を伴わずに、パターンを容易に形成し得る。
(C)溶剤
本発明の感光性樹脂化合物は、上記成分を溶剤中で混合することで液体組成物として調製されてもよい。本溶剤は、例えば有機溶剤であってもよい。
本発明による感光性樹脂組成物中の溶剤の量は特に限定されていないが、例えば樹脂組成物は、溶剤を、その固形分が樹脂組成物の全重量に基づいて10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、より好ましくは20〜40重量%の範囲内となるように含有してもよい。固形分は、いかなる溶剤も除外した、本発明の樹脂組成物に含まれる成分の全てを指す。この好ましい範囲内で、本樹脂組成物は、適正なレベルの流動性を伴う良好な被覆性を有することになる。
本溶剤は、本組成物の全ての成分を溶解することができ、かつ化学的に安定していれば、特に限定されない。本溶剤の例には、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、及びエステルが含まれ得る。
本溶剤の具体的な例には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルアセトアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが含まれる。
これらの例示的な溶剤の中で好ましいのは、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、及びケトンである。特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−メトキシプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、及び4−ヒドロキシ−4−メチル2−ペンタノンが好ましい。
上記の溶剤は単一の化合物として、または2つ以上の化合物の組み合わせとして用いてもよい。
(D)界面活性剤
本発明の感光性樹脂化合物は、必要に応じて、その被覆性を増強させるために界面活性剤をさらに含んでもよい。
本界面活性剤は特定の種類に限定されない。好ましいのは、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、非イオン界面活性剤などである。
界面活性剤の具体的な例には、FZ−2122(東レ・ダウコーニング株式会社製)、BM−1000、BM−1100(BM CHEMIE社製)、Megapack F−142D、Megapack F−172、Megapack F−173、及びMegapack F−183(大日本インキ化学工業株式会社製)、Florad FC−135、Florad FC−170C、Florad FC−430、Florad FC−431(住友スリーエム株式会社製)、Sufron S−112、Sufron S−113、Sufron S−131、Sufron S−141、Sufron S−145、Sufron S−382、Sufron SC−101、Sufron SC−102、Sufron SC−103、Sufron SC−104、Sufron SC−105、及びSufron SC−106(旭硝子株式会社製)、Eftop EF301、Eftop 303、及びEftop 352(Shinakida Kasei社製)、SH−28 PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(トーレ・シリコーン株式会社製)などのフッ素系またはシリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどを含むポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを含むポリオキシエチレンアリールエーテル、及びポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどを含むポリオキシエチレンジアルキルエステルなどの非イオン界面活性剤、ならびにオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業株式会社製)、(メタ)アクリレート系コポリマーポリフローNo.57及びNo.95(共栄社油脂化学工業株式会社製)などが含まれる。これらは単独で、またはそれらを2つ以上組み合わせて用いてもよい。これらは単独で、またはそれらの2つ以上の組み合わせで用いられてもよい。
本界面活性剤(D)は、シロキサンポリマー(A)の固形分100重量部に基づいて、0.001〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部の量で用いられてもよい。本界面活性剤の量が0.05重量部以上である場合、本組成物は、組成物から形成される被膜の表面に亀裂を伴わない、改善された被覆性を有し得る。本界面活性剤の量が2重量部以下である場合、本組成物は高温での改善された熱安定性及び価格における利点を有し得る。
(E)接着補助剤
本発明の感光性樹脂組成物は、基板へのコーティングの接着性を向上させるために、さらに接着補助剤を含んでもよい。
本接着補助剤は、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの反応基を有してもよい。
本接着補助剤は特定の種類に限定されない。好ましいのは、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。好ましくは、基板へのコーティングの所望の膜保持率及び接着性のために、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、またはN−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランを用いてもよい。
本接着補助剤(E)は、コポリマー(A)の100重量部(固形分として)に基づいて、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部の量で用いられてもよい。好ましい範囲内で、本組成物は、被膜の解像度を損なうこと無く、基板に対する向上した接着性を有し得る。
上記成分に加えて、本発明の感光性樹脂組成物はさらに、必要に応じて、本組成物の物理的特性に悪影響を与えない場合に限り、他の添加剤を含んでもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物として用いることができる。
特に、本発明の組成物は、特定の量の直鎖状シロキサン構造単位を含有し、よって、後に続く加工ステップにおいても優れた耐亀裂性を有する硬化膜を形成することができる。
具体的には、本発明のシロキサン系感光性樹脂組成物は、特定の量のQ型シロキサン構造単位及びT型シロキサン構造単位をD型シロキサン構造単位と共に含むシロキサンポリマーを含み、これによって組成物から調製される硬化膜の剛性を低下させる。したがって、硬化膜は、外部応力により引き起こされる亀裂に優れた耐性を有する。具体的な例として、本発明の組成物より調製される硬化膜(例えば5μmの厚さ)は、硬化膜に1,000mNの負荷が適用される場合、3〜20%、より具体的には5〜15%の永久歪み率を有し得、よって、外部応力に対して耐性であることができる。
したがって、本感光性樹脂組成物は、シロキサンポリマーを含有する従来の組成物の利点、例えば高耐熱性及び高透明度などを維持する一方で、改善された耐亀裂性を有することができ、よって、改善された安定性を有する硬化膜または平坦化膜を提供することができる。
特に、直鎖状シロキサン構造単位(すなわち、D型シロキサン構造単位)を含むシロキサンポリマーを含む従来の組成物と比較して、本発明の組成物はその低下した剛性により改善された柔軟性を有し、これが本組成物から形成される硬化膜または平板化膜に耐亀裂性を付与する。したがって、平坦化膜が通常の平坦化膜(2〜3μmの厚みを有する)よりも厚く形成される場合でも、本発明の膜は、優れた耐亀裂性を有する一方で、熱処理の後でも高耐熱性及び高透明度を維持することができる。
本発明は、感光性樹脂組成物より調製される硬化膜を提供する。
本硬化膜は、例えば、基板上に本感光性樹脂組成物を被覆し、それを硬化加工に供するなど、従来技術に周知の方法で調製されてもよい。
被覆加工は、スピンまたはスリットコーティング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、アプリケータ法などによって、例えば2〜25μmの所望の厚さに行われてもよい。
本感光性樹脂組成物の硬化については、例えば、基板上に塗布された組成物は、いかなる溶剤をも除去するために、例えば60℃〜130℃の温度のプリベークに供してもよく、所望のパターンを有するフォトマスクで露光してもよく、ならびに現像剤、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液を用いて現像に供することで、被膜上にパターンを形成してもよい。露光は、200〜500nmの範囲の波長、及び10〜200mJ/cmの露出率(365nmの波長で)で行われてもよい。露出の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザなどを用いてもよく、所望であれば、X線、電子線などを用いてもよい。
次に、パターンを有する被膜は必要に応じて、所望の硬化膜を調製するために、例えば150〜300℃の温度の条件下で10分〜5時間ポストベークに供される。
これによって得られた硬化膜は、耐熱性、透明度、誘電率、耐溶剤性、及び耐化学性の点で優れた物理特性を有する。
本硬化膜は、本組成物を熱処理に供する場合、または溶剤、酸、塩基などの中に浸漬されるかそれと接触する場合、表面膨張または粗さを伴うことなく優れた光透過率を有する。したがって、本硬化膜はLCDまたはOLEDのTFT基板の平坦化膜、OLEDのパーティション、半導体装置の層間絶縁膜、光導波路のコアまたはクラッド材などとして効果的に用いることができる。
さらに、本発明は、本硬化膜を保護膜として含む、電子部品を提供する。
以下、本発明を以下の実施例を参照してより詳細に記載する。しかしながら、これらの実施例は本発明を例証するために示されており、本発明の範囲はこれらに限定されない。
以下の調製実施例では、重量平均分子量はポリスチレン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって求められる。
調製実施例1:シロキサンポリマー(a)
28重量部のフェニルトリメトキシシラン、18重量部のメチルトリメトキシシラン、19重量部のテトラエトキシシラン、0.7重量部のジメチルジメトキシシラン、19.3重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例2:シロキサンポリマー(b)
28重量部のフェニルトリメトキシシラン、17重量部のメチルトリメトキシシラン、19重量部のテトラエトキシシラン、1.3重量部のジメチルジメトキシシラン、19.7重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例3:シロキサンポリマー(c)
29重量部のフェニルトリメトキシシラン、16重量部のメチルトリメトキシシラン、18重量部のテトラエトキシシラン、2重量部のジメチルジメトキシシラン、20重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例4:シロキサンポリマー(d)
33重量部のフェニルトリメトキシシラン、11重量部のメチルトリメトキシシラン、17重量部のテトラエトキシシラン、4.5重量部のジメチルジメトキシシラン、19.5重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例5:シロキサンポリマー(e)
22重量部のフェニルトリメトキシシラン、1重量部のメチルトリメトキシシラン、35重量部のテトラエトキシシラン、6重量部のジメチルジメトキシシラン、21重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例6:シロキサンポリマー(f)
30重量部のフェニルトリメトキシシラン、25重量部のメチルトリメトキシシラン、8重量部のテトラエトキシシラン、1.3重量部のジメチルジメトキシシラン、20.7重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例7:シロキサンポリマー(g)
27重量部のフェニルトリメトキシシラン、3重量部のメチルトリメトキシシラン、37重量部のテトラエトキシシラン、2重量部のジメチルジメトキシシラン、16重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例8:シロキサンポリマー(h)
21重量部のフェニルトリメトキシシラン、21重量部のメチルトリメトキシシラン、15重量部のテトラエトキシシラン、4.5重量部のジメチルジメトキシシラン、18.5重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び20重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例9:シロキサンポリマー(i)
31重量部のフェニルトリメトキシシラン、21重量部のメチルトリメトキシシラン、22重量部のテトラエトキシシラン、6重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び20重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約5,000〜7,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例10:シロキサンポリマー(j)
24重量部のフェニルトリメトキシシラン、12重量部のメチルトリメトキシシラン、33重量部のテトラエトキシシラン、11重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び20重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約5,000〜7,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例11:シロキサンポリマー(k)
29重量部のフェニルトリメトキシシラン、17重量部のメチルトリメトキシシラン、19重量部のテトラエトキシシラン、0.7重量部のジメチルジメトキシシラン、19.3重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
調製実施例12:シロキサンポリマー(l)
30重量部のフェニルトリメトキシシラン、11重量部のメチルトリメトキシシラン、17重量部のテトラエトキシシラン、8重量部のジメチルジメトキシシラン、19重量部のエチレングリコールモノエチルエーテル、及び15重量部の純水を、還流凝縮器を備える反応器に装填した。混合物を、触媒としての0.1重量部のシュウ酸の存在下、還流させながら7時間攪拌し、その後冷却した。結果として、約3,000〜5,000Daの平均分子量を有するシロキサンポリマーを得て、次いでこれにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して、その固形分が40重量%になるように調整した。
実施例及び比較例:感光性樹脂組成物の調製
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、上記調製実施例にて得られた構成成分を用いて調製した。また、以下の化合物を実施例及び比較例にて用いた。
− 1,2−キノンジアジド化合物:TPA−523、Miwon Commercial社
− 接着補助剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、GPTMS、Sigma−Aldrich社
− 界面活性剤:シリコン系レベリング界面活性剤、FZ−2122、東レ・ダウコーニング株式会社
− 溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
実施例1:調製実施例1で得た24.64gのシロキサンポリマー(a)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例2:調製実施例2で得た24.64gのシロキサンポリマー(b)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例3:調製実施例3で得た24.64gのシロキサンポリマー(c)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例4:調製実施例4で得た24.64gのシロキサンポリマー(d)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例5:調製実施例2で得た23.27gのシロキサンポリマー(b)溶液、1.65gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に24.65gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例6:調製実施例5で得た24.64gのシロキサンポリマー(e)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例7:調製実施例6で得た24.64gのシロキサンポリマー(f)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例8:調製実施例7で得た24.64gのシロキサンポリマー(g)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例9:調製実施例8で得た24.64gのシロキサンポリマー(h)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例10:調製実施例2で得た26.02gのシロキサンポリマー(b)溶液、0.55gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.00gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例11:調製実施例2で得た21.89gのシロキサンポリマー(b)溶液、2.20gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に25.47gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
比較例1:調製実施例9で得た24.64gのシロキサンポリマー(i)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
比較例2:調製実施例10で得た24.64gのシロキサンポリマー(j)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
比較例3:調製実施例11で得た24.64gのシロキサンポリマー(k)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
比較例4:調製実施例12で得た24.64gのシロキサンポリマー(l)溶液、1.10gの1,2−キノンジアジド化合物、0.22gの接着補助剤、及び0.22gの界面活性剤を均質に混合し、次に23.82gの溶剤に溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔径を有する薄膜フィルタを通してろ過して、22重量%の固形分を有する溶液として樹脂組成物を得た。
実施例及び比較例の構成成分の量を、下の表1に図示する。
Figure 0006783051
上の表1では、1,2−キノンジアジド化合物の量は、組成物の固形分に基づく重量%の単位である。
実験実施例1:永久歪み率の評価
実施例及び比較例で得た各組成物を、クロム基板上にスピンコーターを用いて塗布した。被覆された基板をホットプレート上にて120℃で120秒間プリベークした。これによって得られた予備硬化膜を、2μm〜25μmの範囲内の大きさの角孔からなるパターンを有するマスクを通して、200nm〜450nmの波長を有する光を発するアライナ(モデル名:MA6)を用いて、365nmの波長に基づいて200mJ/cmの露出率で特定の期間にわたって露光した。水性現像剤(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム)を、ノズルを通して23℃で噴霧することによって膜を現像し、次いで対流式オーブンにて230℃で60分間加熱して、5.0μmの厚さを有する硬化膜を得た。
硬化膜の圧縮変位及び永久歪み率などの機械的特性を測定するために、硬化膜のバルク部を測定の基準として使用した。圧縮変位及び永久歪み率を、ASTM E2546に従って、微小硬度計(HM2000LT、FISCHER)を用いて測定した。具体的には、以下の条件、50μmの直径を有する平面圧子を用いた、保圧時間5秒間を伴う5mN/秒の負荷速度での1,000mNの負荷の下で、単一のロード−アンロード試験によって試験を実行した。負荷を取り除いた後、10分間の回復期間を与え、永久変位厚さ(すなわち、負荷により引き起こされた永久圧痕の、μm単位の長さ)を、3D厚み測定装置を用いて測定された圧縮変位から回復変位を減算することによって計算した。
永久歪み率(%)を、以下の等式を用いて測定値から計算した。
永久歪み率(%)=[(永久変形の厚さ(μm)/硬化膜の最初の厚さ(μm))×100]
実験実施例2:耐亀裂性の評価
クロム基板上のコーティング、プリベーク、露出、及び現像を含む実験実施例1と同一の手順を、実施例及び比較例で得た組成物のそれぞれに対して繰り返して、現像膜を調製した。現像膜を対流式オーブンにて230℃で60分間ポストベークして、5.0μmの厚さを有する硬化膜を得た。
耐亀裂性を、膜の中心における1cm×1cmの矩形領域中に存在する亀裂を観察することで、以下の規格に基づいて評価した。
○:亀裂は見つからなかった
△:1つまたは2つの亀裂が観察された
×:3つ以上の亀裂が観察された
実験実施例3:解像度の評価
コーティング(窒化シリコン基板を使用したことを除く)、プリベーク、露出、及び現像を含む実験実施例1と同一の手順を、実施例及び比較例で得た組成物のそれぞれに対して繰り返して、現像膜を調製した。現像膜を対流式オーブンにて230℃で30分間ポストベークして、2.5μmの厚さを有する硬化膜を得た。
10μmの大きさの角孔パターンを有するマスクを通して形成された孔パターンについて、10.5μmの限界寸法(CD、単位:μm)を達成するために必要な暴露量の量を測定した。硬化膜の解像度(μm)を、暴露量から計算した。暴露量が低ければ低いほど、解像度はより良好である。
実験実施例4:現像時の膜保持率の評価
コーティング(窒化シリコン基板を使用したことを除く)、プリベーク、露出、及び現像を含む実験実施例1と同一の手順を、実施例及び比較例で得た組成物のそれぞれに対して繰り返した。上の工程の間に膜の厚さを測定し、現像時の保持率(%)を以下の等式を用いて計算した。
現像時の保持率(%)=(現像膜の厚さ/プリベークされた膜の厚さ)×100
実験実施例5:ポストベーク時の膜保持率の評価
コーティング(窒化シリコン基板を使用したことを除く)、プリベーク、露出、及び現像を含む実験実施例1と同一の手順を、実施例及び比較例で得た組成物のそれぞれに対して繰り返した。現像膜を対流式オーブンにて230℃で30分間ポストベークして、2.5μmの厚さを有する硬化膜を得た。
上の工程の間に膜の厚さを測定し、ポストベーク時の保持率(%)を以下の等式を用いて計算した。
ポストベーク時の保持率(%)=(熱硬化膜の厚さ/プリベークされた膜の厚さ)×100
実験実施例6:感度の評価
実施例及び比較例で得た組成物のそれぞれを、窒化シリコン基板上にスピンコーターを用いて塗布し、被覆された基板を120℃で保たれたホットプレート上で120秒間プリベーク及び乾燥して、膜を形成した。この膜を、2μm〜25μmの範囲内の大きさの角孔からなるパターンを有するマスクを通して、200nm〜450nmの波長を有する光を発するアライナ(モデル名:MA6)を用いて、365nmの波長に基づいて200mJ/cmの露出率で特定の期間にわたって露光した。次いで、水性現像剤(2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム)を、ノズルを通して23℃で噴霧することによって膜を現像した。次いで、膜を対流式オーブンにて230℃で30分間加熱して、2.5μmの厚さを有する硬化膜を得た。
上記の工程中、10μmの大きさのマス目を有するマスクを通して形成された孔パターンについて、10.5μmの限界寸法(CD、単位:μm)を達成するために必要な暴露量の量(すなわち、最適エネルギー、EOP、mJ/cm)を測定した。
上記の試験の結果を下の表2に示す。
Figure 0006783051
上記の表2に示すとおり、本発明の実施例で得た組成物は、平等に良好な解像度、膜保持率、感度、及び耐亀裂性を有する一方で、5%〜15%の範囲の永久歪み率もまた有した。対照的に、比較例で得た組成物における上述の特性のうちの少なくとも1つの特性が不満足であった。

Claims (4)

  1. (A)式(I)で表されるシラン化合物に由来する少なくとも1つの構造単位を含有するシロキサンポリマーと、
    (B)1,2−キノンジアジド化合物と、
    (C)溶剤と、を含み、
    (RSi(R4−n (I)
    式中、Rは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜12個の炭素原子を有するアリール基、7〜12個の炭素原子を有するアリールアルキル基、または7〜12個の炭素原子を有するアルキルアリール基であり、複数のRの場合は、それらは同一であっても互いに異なっていてもよく、
    は水素原子、ハロゲン原子、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、アミノ基、2〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基、または6〜12個の炭素原子を有するアリールオキシ基であり、複数のRの場合は、それらは同一であっても互いに異なっていてもよく、
    nは0〜3の整数であり、
    前記シロキサンポリマー(A)は、式中、n=2である式(I)のシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて2〜15モル%の構造単位を含
    前記シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、n=0であるシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて10〜40モル%の構造単位を含み、
    前記1,2−キノンジアジド化合物(B)は、前記シロキサンポリマー(A)の固形分100重量部に基づいて、6〜25重量部の量である、感光性樹脂組成物。
  2. 前記シロキサンポリマー(A)は、式(I)で表され、式中、n=1であるシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて40〜85モル%の構造単位を含む、請求項に記載の光性樹脂組成物。
  3. 前記シロキサンポリマー(A)は、アリール基を有するシラン化合物に由来する、Si原子の合計モルに基づいて30〜70モル%の構造単位を含む、請求項に記載の光性樹脂組成物。
  4. 前記組成物より調製される硬化膜は、前記硬化膜に1,000mNの負荷が適用される場合、5〜15%の永久歪み率を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の光性樹脂組成物。
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