JP6782475B2 - 太陽電池付き金属製縦葺き屋根材及び屋根構造 - Google Patents

太陽電池付き金属製縦葺き屋根材及び屋根構造 Download PDF

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Description

本願は、コスト削減及び施工性向上を実現するため、架台及び金具を必要としない太陽電池付き金属製縦葺き屋根材を提供することを目的とする。また、発電量向上を実現する太陽電池付き金属製縦葺き屋根材及び屋根構造を提供することを目的とする。
従来技術について、図8から図9までで説明する。
図8は、特開2005−213926号公報にて公開されている太陽電池一体型外装材を用いた外装構造に関する技術である。図8に示した先行技術は、外装材と太陽電池とが、耐水性を有する両面テープ又は接着剤で構成される接着層にて固定されている。また、この接着層は、水下側の隅部が欠けた略矩形状に設けられている。
図9は、特開平10−190035号公報にて公開されている太陽電池パネル及びこの太陽電池パネルを用いた屋根構造に関する技術である。図9に示した先行技術は、断熱材製裏面側部が、表面に排水溝を、裏面に太陽電池パネル同士の電気的接続を可能にする態様の配線空間と、この排水溝以外の表面側と配線空間とに亘り貫通状の配線取り出し部を有する。また、下段の太陽電池パネルにおける水上側端部に上段の太陽電池パネルにおける水下側端部が断熱材製裏面側部の当該部分を含めて流れ方向に重合するように、被係合部に係合部を係合させて取付けてある。
特開2005−213926号公報 特開平10−190035号公報
図8に示した先行技術は、外装材と太陽電池とが、耐水性を有する両面テープ又は接着剤で構成される接着層にて固定されており、この接着層が水下側の隅部が欠けた略矩形状に設けられている。そのため、通気が十分に確保できない構造になっており、太陽電池の裏面側に熱がこもって発電量が低下する恐れがあった。また、水下側の隅部の接着層が欠けた部分のみで排水する構造なので、外装材と太陽電池の間に浸入した水が十分に排出されにくい構造となっている。そのため、外装材と太陽電池の間に残った水が凍結しまい、その凝固膨張により太陽電池が破損してしまう恐れがある。さらに、接着層のあるところの内側に、接着層がないところが広がっているために、太陽電池に荷重がかかった場合に力が集中されてしまい、破損しやすかった。そのほか、直射日光等により外装材が熱膨張した場合にも、太陽電池が変形して破損する恐れがあった。また、図8に示した先行技術で用いられるような、太陽電池の場合、内部への水の浸入を防いだり、強度を確保したりするために、枠及び端部のシール材や、裏面にプラスチック等の別部材が用いられるのが一般的である。そのため、コストの上昇を招いていた。さらに、一般的な外装材と太陽電池が一体化された構成なので、太陽電池に当たる太陽光のみで発電するにとどまっていた。
図9に示した先行技術は、下段の太陽電池パネルにおける水上側端部に上段の太陽電池パネルにおける水下側端部が断熱材製裏面側部の当該部分を含めて流れ方向に重合するように、被係合部に係合部を係合させて取付けてある。そのため、傾斜のゆるい屋根の場合に、排水溝が水の流れる勾配にならず、機能しないことが想定された。
本願は、太陽電池と、端子ボックス収納部が形成された金属製縦葺き屋根材が、所定の間隔で複数箇所に点付けされた弾性接着剤で一体化されている太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記に加え、金属製縦葺き屋根材の溝板部及び斜面部に、太陽電池が接着されている太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記に加え、枠及び端部のシール材が用いられていない太陽電池が用いられた太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記に加え、体積抵抗率が1014(10の14乗)オームセンチメートル以上の封止材が用いられている太陽電池が用いられた太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記に加え、裏面にプラスチックが用いられていない太陽電池が用いられた太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記に加え、表面に光を反射させる材料が用いられている金属製縦葺き屋根材が用いられた太陽電池付き金属製縦葺き屋根材である。
本願は、上記の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材と、溝が複数形成された断熱材とが用いられる屋根構造である。
本願は、太陽電池と、金属製縦葺き屋根材が、所定の間隔で複数箇所に点付けされた弾性接着剤で一体化されている。そのため、通気が十分に確保できる構造なので、太陽電池の裏面側に熱がこもることがなく、発電量の低下を抑制することができる。また、弾性接着剤が所定の間隔で複数箇所に点付けされているので、太陽電池に荷重がかかった場合でも平均的に力が分散され、破損しにくい構造である。さらに、直射日光等により外装材が熱膨張した場合でも、弾性接着剤の弾性により変形が吸収され、破損しにくい。また、太陽電池と金属製縦葺き屋根材の間に浸入した水が排出されやすい構造となっている。そのため、太陽電池と金属製縦葺き屋根材の間に水が残ることがなく、凍結による凝固膨張により太陽電池が破損してしまう恐れが極めて低い。さらに、封止材に絶縁性能を有する樹脂を用い、枠及び端部のシール材や、裏面にプラスチック等の別部材を用いる必要がないので、コストを低く抑えることができる。さらに、表面に光を反射させる材料が用いられている金属製縦葺き屋根材が用いられている。そのため、屋根面で反射された光も発電に利用することができ、発電量を増加させることができる。
本願は、金属製縦葺き屋根材が用いられているので、溝が複数形成された断熱材を排水等に必要な傾斜をつけた状態で取り付けることができる。
本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の実施例を示す説明図である。 本願の屋根構造の実施例を示す説明図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。
本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材及び屋根構造の実施例について、図1から図7までにより説明する。図1は、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の第一の実施例を示す斜視図である。図2は、図1で示した第一の実施例について、(a)は上面側から見た分解図、(b)は底面側から見た分解図である。図3は、図1で示した第一の実施例における排水・通気を示す説明図である。図4は、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材の第二の実施例を示す斜視図である。図5は、図4で示した第二の実施例を上面側から見た分解図である。図6は、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材において、屋根材表面で反射した光を用いた発電を示す説明図である。図7は、図1で示した第一の実施例を用いた本願の屋根構造を示し、(a)は上面側から見た分解図、(b)は底面側から見た分解図である。
本願の太陽電池1は、太陽電池そのもののほか、表面保護ガラス等の透光体12、封止材13等が一体化された太陽電池モジュールなども含む。また、太陽電池1は、枠及び端部のシール材が用いられていないもの、体積抵抗率が1014オームセンチメートル以上の封止材13が用いられているもの、裏面にプラスチック等のバックシートが用いられていないもの等も含む。たとえば、枠及び端部のシール材が用いられていない場合、それらからの電気的影響を受けない。そのため、屋根上のような高温多湿である環境下において高電圧に起因する電流漏れによって電気出力が低下する現象、すなわちPID現象が発生しにくい。そのほか、封止材13は、表面保護ガラス等の透光体12よりも大きいサイズにすると、端部への衝撃を受けても、モジュールが破損しにくくなる効果がある。さらに、図6のように2枚の封止材13・13で太陽電池が挟まれた構造である場合、裏面側の封止材13に、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、高絶縁EVA等といった体積抵抗率が1014オームセンチメートル以上のものが用いられることが望ましい。そうすることによって、電気絶縁性が確保できるので、裏面にプラスチック等のバックシートを用いなくてもよい。
本願の金属製縦葺き屋根材2は、立ハゼ形状や折板形状等である縦葺き屋根材である。少なくとも、太陽電池1を一体化できる溝板部21、斜面部22といった平らな部分を有していればよい。
本願の太陽電池1は、裏面側に端子ボックス11を有する。この端子ボックス11を用いて配線が行われる。一方、本願の金属製縦葺き屋根材2は、端子ボックス収納部211・221が形成されている。この端子ボックス収納部211・221は、図2や図5に示したような略四角状の孔として形成されるのが望ましく、金属製縦葺き屋根材2の裏面側で配線できる構成とすることができる。この端子ボックス収納部211・221は、1枚の金属製縦葺き屋根材2に複数形成されていてもよく、その形成位置についても問わない。また、太陽電池1が金属製縦葺き屋根材2と一体化されるときに、雨水が到達しないよう、端子ボックス収納部211・221の周辺部に水除けを形成したり、シーリング加工を施してもよい。
本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xは、太陽電池1と金属製縦葺き屋根材2が、所定の間隔で複数箇所に点付けされた弾性接着剤3で一体化されている。この弾性接着剤3は、乾燥後、弾性を有する状態で接着される性質を持つ。たとえば、シリコーン接着剤等を指す。この弾性接着剤3が、所定の間隔で複数箇所に点付けであることによって、乾燥がはやいので、製造時間を短縮し、コストを低く抑えることができる。また、直射日光等により金属製縦葺き屋根材2が熱膨張したり、太陽電池1に積雪等により荷重がかかったりしても、その変形を弾性接着剤3が吸収し、太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xが破損しにくい構造になっている。
さらに、所定の間隔で複数箇所に点付けされた弾性接着剤3によって、太陽電池1と金属製縦葺き屋根材2の間に間隙が形成される。この間隙によって、太陽電池1裏面側で通水や通気がなされる構造になっている。図3において、通水や通気の経路例を一点鎖線の矢印で示している。この構造によって、雨水やモジュール内部の水蒸気などを外側に排出することができる。また、裏面での通気によって太陽電池1の発熱を抑えることができ、発電量低下を抑制させることができる。
次に、図1から図3によって、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xの第一の実施例について説明する。
本実施例の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xで用いられる金属製縦葺き屋根材2は、溝板部21と、その左右に形成された係合部23・23が形成されている。本実施例の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xは、下地に固定された吊子に係合部23・23が嵌合されて取り付けられる。
本実施例で用いられる金属製縦葺き屋根材2は、溝板部21に端子ボックス収納部211が形成されている。太陽電池1の端子ボックス11は、この端子ボックス収納部211に挿通され、金属製縦葺き屋根材2の裏面側で配線される。
次に、図4から図5によって、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xの第二の実施例について説明する。
本実施例の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xに用いられる金属製縦葺き屋根材2は、溝板部21と、その左右に形成された斜面部22・22と、その頂部に係合部23・23が形成されている。本実施例の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xは、下地に固定されたタイトフレーム等の吊子を用いて取り付けられ、係合部23・23同士が係合される。
本実施例で用いられる金属製縦葺き屋根材2は、溝板部21のほか、斜面部22にも端子ボックス収納部221が形成されている。端子ボックス収納部221にも、太陽電池1の端子ボックス11が挿通され、金属製縦葺き屋根材2の裏面側で配線される。本実施例は、溝板部21だけでなく、斜面部22・22にも太陽電池1が取り付けられているので、発電量を増加させることができる。
次に、図6によって、金属製縦葺き屋根材2表面で光Lが反射し、太陽電池1に当たる構造について説明する。本実施例において、金属製縦葺き屋根材2の表面に用いられる光Lを反射させる材料とは、たとえば、白色塗料などが挙げられる。まず、本実施例では、太陽電池1に直接当たった光Lによって、発電される。一方、太陽電池1ではなく、金属製縦葺き屋根材2に直接当たった、又は表面保護ガラス等の透光体12を通った光Lは、金属製縦葺き屋根材2表面で反射される。この反射された光が、表面保護ガラス等の透光体12の屈折により、太陽電池1に到達し、さらに発電する構造になっている。
次に、図7によって、本願の屋根構造の実施例について説明する。
本実施例では、溝D1が複数形成された断熱材Dを用いる。溝D1は、通水、通気、配線等に利用することができる。この断熱材Dは、本願の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材Xに一体化されていてもよいし、別々の部材として現場で屋根上に取り付けられてもよい。
本実施例においては、断熱材Dの表面側に、屋根の流れ方向に沿った溝D11が形成されている。表面側の溝D11は、断熱材Dの表面側に発生する結露水等を排水するのに利用することができる。また、表面側の溝D11は、軒側から棟側への通気に利用することができ、金属製縦葺き屋根材2の温度上昇を抑えることができる。また、この表面側の溝D11は、図7では屋根の流れ方向に沿った溝D11しか示していないが、屋根の流れ方向に直交する溝を追加で形成させて、配線に利用してもよい。このように、屋根の流れ方向に沿った溝D11と、屋根の流れ方向に直交する溝の両方を形成させることによって、屋根の流れ方向の配線接続にも、屋根の桁行方向の配線接続にも対応させることができる。
また、本実施例における断熱材Dの表面側の溝D11に、融雪用ケーブルや面状発熱体(帯状)を配置してもよい。このようにすることによって、太陽電池付き金属製縦葺き屋根材X上の雪をとかし、雪国における冬期間でも発電できる状態にすることができる。さらに、太陽電池付き金属製縦葺き屋根材X上の雪をとかすことによって、危険な重労働である屋根上の雪下ろし作業が不要になる。
本実施例において、断熱材Dには、表面から裏面に貫通するように形成された端子ボックス収納部D2が形成されている。この端子ボックス収納部D2には、金属製縦葺き屋根材2を貫通した、太陽電池1の端子ボックス11が収納され、その配線が断熱材Dの裏面側に配置される。
本実施例において、断熱材Dの裏面側には、端子ボックス収納部D2を中心に、屋根の流れ方向に沿った溝D12と、屋根の流れ方向に直交する溝D13が形成されている。これらの溝D12・D13を用いて、屋根の流れ方向の配線接続にも、屋根の桁行方向の配線接続にも対応させることができる。また、それらの溝のD12・D13の出口近傍には、広い空間が形成されるように、くりぬき部D121・D131が形成されていてもよい。このくりぬき部D121・D131には、余剰長さ分の配線や接続コネクタ等が収納される。
X 太陽電池付き金属製縦葺き屋根材
1 太陽電池
11 端子ボックス
12 透光体
13 封止材
2 金属製縦葺き屋根材
21 溝板部
211 端子ボックス収納部
22 斜面部
221 端子ボックス収納部
23 係合部
3 弾性接着剤
D 断熱材
D1 溝
D11 溝(表面側)
D12 (屋根の流れ方向に沿う)溝(裏面側)
D121 くりぬき部
D13 (屋根の流れ方向に直交する)溝(裏面側)
D131 くりぬき部
D2 端子ボックス収納部
L 光

Claims (7)

  1. 太陽電池と、
    端子ボックス収納部が形成された金属製縦葺き屋根材が、
    所定の間隔で複数箇所に点付けされた弾性接着剤で一体化され
    前記太陽電池と前記金属製縦葺き屋根材の間において、
    前記弾性接着剤同士の間隙が、
    屋根の流れ方向に連通するように形成された
    太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  2. 金属製縦葺き屋根材の溝板部および斜面部に、太陽電池が接着されている
    請求項1の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  3. 前記太陽電池は、
    枠及び端部のシール材が用いられていない
    請求項1又は請求項2の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  4. 前記太陽電池は、
    体積抵抗率が1014オームセンチメートル以上の封止材が用いられている
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  5. 封止材に挟まれた前記太陽電池は、
    裏面にプラスチック等のバックシートが用いられていない
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  6. 前記金属製縦葺き屋根材は、
    表面に光を反射させる材料が用いられている
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池付き金属製縦葺き屋根材と、
    配線用の溝が複数形成された断熱材とが用いられる屋根構造。
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