JP6780230B2 - 接着性保護フィルム - Google Patents

接着性保護フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6780230B2
JP6780230B2 JP2015195224A JP2015195224A JP6780230B2 JP 6780230 B2 JP6780230 B2 JP 6780230B2 JP 2015195224 A JP2015195224 A JP 2015195224A JP 2015195224 A JP2015195224 A JP 2015195224A JP 6780230 B2 JP6780230 B2 JP 6780230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyolefin
protective film
adhesive protective
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015195224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017069107A (ja
Inventor
中村 真一郎
真一郎 中村
天野 真
真 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015195224A priority Critical patent/JP6780230B2/ja
Publication of JP2017069107A publication Critical patent/JP2017069107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6780230B2 publication Critical patent/JP6780230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Description

本発明は、位置精度高く配置することができる、接着性保護フィルム、及び当該接着性保護フィルムを用いた電池に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。例えば、幅広い分野で使用されている金属缶電池においては、金属製の包装材料(金属缶)により電池素子が封止されている。
また、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る包装材料として、基材層/接着層/金属箔層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。
このようなフィルム状の包装材料を用いる場合、包装材料の最内層に位置するシーラント層同士を対向させた状態で、包装材料の周縁部をヒートシールにて熱溶着させることにより、包装材料によって電池素子が封止される。包装材料のヒートシール部分からは、金属端子が突出しており、包装材料によって封止された電池素子は、電池素子の電極に電気的に接続された金属端子によって外部と電気的に接続される。すなわち、包装材料のヒートシール部分においては、金属端子がシーラント層に挟持された状態で包装材料の外側に突出するように形成されている。
包装材料がヒートシールされた部分のうち、金属端子が位置している部分においては、ヒートシール時の高温・高圧によって、シーラント層の厚みが薄くなり、金属端子がシーラント層を貫通して金属箔層と電気的に接続され、短絡する可能性がある。このため、包装材料がヒートシールされた部分のうち、金属端子が位置している部分には、一般に、金属端子と包装材料(シーラント層)との間に、接着性保護フィルム(金属端子用接着性保護フィルム)が配されている(例えば、特許文献1参照)。
また、金属缶電池においては、集電箔と外部端子をと抵抗溶接する際のスパッタ片が飛散することを防止するために、電極集電部と外部端子との間に、接着性保護フィルムが配されることがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−208112号公報 特開2009−32640号公報
例えば、前述の特許文献1においては、耐熱性フィルムの両側に酸変性ポリプロピレン樹脂が積層された3層構成(酸変性ポリオレフィン/耐熱性フィルム/酸変性ポリオレフィン)の接着性保護フィルムが提案されている。
また、例えば前述の特許文献2の金属缶電池においては、電極集電部と外部端子との間に、ポリオレフィン系熱溶着性樹脂層を含む熱溶着性樹脂製テープが接着性保護フィルムとして配されている。
金属端子と包装材料との間に配される接着性保護フィルムは、例えば図4に示されるように、2枚の接着性保護フィルムで金属端子を両側から挟み込んだ状態で、包装材料をヒートシールすることにより、金属端子の周囲を被覆する。ところが、2枚の接着性保護フィルムを配置した際の位置がずれると、例えば、図5に示されるように金属端子の周囲において、2枚の接着性保護フィルムの重なり合う部分がずれた状態でヒートシールされてしまう。このような場合、ヒートシールされた部分の密封性が不安定となり、金属端子と包装材料中の金属箔層との短絡を誘発しやすくなるという問題がある。このため、金属端子と包装材料との間に配される接着性保護フィルムは、非常に高い位置精度で配置する必要がある。
ところが、本発明者らが検討を行ったところ、接着性保護フィルムは、透明な樹脂により構成されているため、2枚の接着性保護フィルムを配置した際の位置の僅かなずれがカメラによって検知できない場合があり、位置ずれの修正が行われないままヒートシールされる場合があることが明らかとなった。
また、例えば特許文献2に開示されたような電極集電部と外部端子との間に配される接着性保護フィルムについても、例えば図6に示されるように、電極集電部と外部端子との間に確実に配置されていることが求められる。
ところが、本発明者らが検討を行ったところ、金属缶電池に使用されるこのような接着性保護フィルムについても、透明な樹脂により構成されているため、接着性保護フィルムが電極集電部と外部端子との間に確実に配置されていることをカメラで検知できず、接着性保護フィルムの配置漏れが検出されずに抵抗溶接に供される場合があることが明らかとなった。
このような状況下、本発明は、位置精度高く配置することができる、接着性保護フィルム、及び当該接着性保護フィルムを用いた電池を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、光学濃度が0.06〜1.21である接着性保護フィルムを用いることにより、電池の製造時に、接着性保護フィルムを所定の位置に精度高く配置することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 光学濃度が0.06〜1.21である、接着性保護フィルム。
項2. 厚みが50〜150μmである、項1に記載の接着性保護フィルム。
項3. 着色剤を含む層を有している、項1または2に記載の接着性保護フィルム。
項4. 少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層とを備えている、項1〜3のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項5. 少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層と、前記基材フィルムの他方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第2ポリオレフィン層と、を備えている、項1〜3のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項6. 前記第2ポリオレフィン層の前記基材フィルムとは反対側に、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第3ポリオレフィン層をさらに備えている、項5に記載の接着性保護フィルム。
項7. 前記基材フィルムと前記第1ポリオレフィン層との間、及び/または前記基材フィルムと前記第2ポリオレフィン層との間に、接着促進剤層を備えている、項4〜6のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項8. 硬化性酸変性ポリオレフィンにより形成された酸変性ポリオレフィン層により構成されている、項1〜3のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項9. 電池素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記電池素子を封止する包装材料との間に介在される、接着性保護フィルムである、項1〜8のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項10. 前記包装材料が、少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体であり、前記シーラント層と前記金属端子との間に前記接着性保護フィルムが介在される、項9に記載の接着性保護フィルム。
項11. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する包装材料と、前記正極及び前記負極のそれぞれに電気的に接続され、前記包装材料の外側に突出した金属端子とを備える電池であって、
前記金属端子と前記包装材料との間に、項1〜8のいずれかに記載の接着性保護フィルムが介在されてなる、電池。
項12. 金属缶電池の電極集電体と外部端子との間に介在される、項1〜8のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
項13. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する金属缶と、前記正極または前記負極に電気的に接続された電極集電体と、前記電極集電体に電気的に接続された外部端子とを備える金属缶電池であって、
前記電極集電体と前記外部端子との間に項1〜8のいずれかに記載の接着性保護フィルムが介在されてなる、金属缶電池。
本発明によれば、所定の位置に精度高く配置できる接着性保護フィルムを提供することができる。
また、本発明のフィルム状の包装材料を用いた電池は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する包装材料と、正極及び負極のそれぞれに電気的に接続され、包装材料の外側に突出した金属端子とを備えており、金属端子と包装材料との間に、本発明の接着性保護フィルムが介在されてなる。このため、本発明のフィルム状の包装材料を用いた電池においては、金属端子の周囲に接着性保護フィルムが精度高く配置されている。
また、本発明の金属缶電池は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する金属缶と、正極または負極に電気的に接続された電極集電体と、電極集電体に電気的に接続された外部端子とを備えており、電極集電体と外部端子との間に本発明の接着性保護フィルムが確実に介在されてなる。このため、本発明の金属缶電池においては、集電箔と外部端子をと抵抗溶接する際のスパッタ片が飛散することが効果的に抑制されている。
本発明のフィルム状の包装材料を用いた電池の略図的平面図である。 図1の線A−A’における略図的断面図である。 図1の線B−B’における略図的断面図である。 フィルム状の包装材料がヒートシールされた部分のうち、金属端子が位置している部分の略図的断面図である。 フィルム状の包装材料がヒートシールされた部分のうち、金属端子が位置している部分の略図的断面図である。 金属缶電池において、電極集電体と外部端子との間に接着性保護フィルムが配されていることを表した略図的断面図である。 本発明の接着性保護フィルムの一例の略図的断面図である。 本発明の接着性保護フィルムの一例の略図的断面図である。 本発明の接着性保護フィルムの一例の略図的断面図である。 本発明の接着性保護フィルムの一例の略図的断面図である。 本発明のフィルム状の包装材料を用いた電池に用いられる包装材料の略図的断面図である。
1.接着性保護フィルム
本発明の接着性保護フィルムは、光学濃度が0.06〜1.21であることを特徴とする。以下、本発明の接着性保護フィルム及びこれを用いた本発明の電池について詳述する。なお、本発明において、接着性保護フィルムの光学濃度(D)は、透過濃度測定器を用いて測定した値である。
本発明の接着性保護フィルム1は、光学濃度が0.06〜1.21であり、接着性を備えていれば、その層構成としては、特に制限されないが、例えば図7に示されるように、少なくとも、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層12aとを備えていることが好ましい。基材フィルム11を備えていることにより、接着性保護フィルム1の保形性を高めることができる。また、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層12aを備えていることにより、接着性保護フィルム1の金属または樹脂に対する接着性を高めることができる。
また、本発明の接着性保護フィルム1の層構成としては、図8に示されるように、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層12aと、基材フィルム11の他方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第2ポリオレフィン層12bとを備えるものも好ましい。このような層構成を備えることにより、接着性保護フィルム1の両面側における接着性を高めることができる。
また、本発明の接着性保護フィルム1の層構成としては、図9に示されるように、第2ポリオレフィン層12bの基材フィルム11とは反対側に、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第3ポリオレフィン層12cをさらに備えているものも好ましい。
図7〜図9に示されるように、基材フィルム11と第1ポリオレフィン層12aとの間、及び/または基材フィルム11と第2ポリオレフィン層12bとの間の接着性を高める観点からは、これらの層の間に、接着促進剤層13を備えていることが好ましい。
さらに、例えば図10に示されるように、接着性保護フィルム1は、硬化性酸変性ポリオレフィンにより形成された酸変性ポリオレフィン層12cにより構成されていてもよい。
本発明の接着性保護フィルム1の光学濃度を0.06〜1.21の範囲に設定する方法としては、特に制限されないが、例えば、着色剤を用いて接着性保護フィルム1を構成する層の少なくとも一層を着色する方法が挙げられる。すなわち、例えば、基材フィルム11、第1ポリオレフィン層12a、第2ポリオレフィン層12b、第3ポリオレフィン層12ba、酸変性ポリオレフィン層12Cのうち、少なくとも一層に着色剤を配合し、着色剤を含む層とすることにより、光学濃度を0.06〜1.21の範囲に設定することができる。
着色剤としては、特に制限されず、公知の顔料、染料などを使用することができる。光学濃度の調整を行いやすく、安価に入手可能な観点からは、着色剤の具体例としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
着色剤を含む層における着色剤の含有量としては、接着性保護フィルム1の光学濃度を0.06〜1.21の範囲に設定できれば特に制限されないが、好ましくは1質量%以下が挙げられる。例えば、第1ポリオレフィン層12a、第2ポリオレフィン層12b、第3ポリオレフィン層12ba、または酸変性ポリオレフィン層12Cに着色剤を配合する場合であれば、これらの層における着色剤の含有量としては、0.3質量%以下とすることが好ましい。また、基材フィルム11に着色剤を配合する場合であれば、着色剤の含有量としては、0.9質量%以下とすることが好ましい。
接着性保護フィルム1の厚み(総厚み)としては、特に制限されないが、好ましくは50〜150μm程度、より好ましくは72〜100μm程度が挙げられる。
[基材フィルム11]
接着性保護フィルム1において、基材フィルム11は、接着性保護フィルム1の支持体として機能する層である。
基材フィルム11を形成する素材については、特に制限されるものではない。基材フィルム11を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
前記ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材フィルム11は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材フィルム11として好適に使用される。
これらの中でも、基材フィルム11を形成する樹脂フィルムとして、ポリエステルフィルム、特に好ましくは、水蒸気バリア性が高くかつ耐熱性に優れているため、ポリエチレンナフタレートフィルムが挙げられる。ポリエチレンナフタレートフィルムは、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」と表記することがある。)により形成されたフィルムである。
PENフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリオレフィンフィルム、酸変性ポリオレフィンフィルムなどに比べて、融点及びガラス転移点が高く、高温下における機械的強度に優れている。このため、接着性保護フィルム1が金属端子2と包装材料3との間に挟持された状態でヒートシートされた場合にも、PENフィルムは薄肉化しにくく、金属端子2と包装材料3の金属箔層33との短絡を効果的に抑制することができる。
また、PENフィルムは、PETフィルムに比して、水蒸気透過度が小さく、水蒸気バリア性に優れているため、PENフィルムを透過して電池内部へ水蒸気が進入することを効果的に抑制することができる。このため、電池寿命を設計通りにすることができる。
また、前述の通り、基材フィルム11に着色剤を配合することにより、基材フィルム11を、着色剤を含む層とすることもできる。基材フィルム11が前述の着色剤を含む場合、その濃度としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下が挙げられる。
基材フィルム11の表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理などの公知の易接着手段が施されていてもよい。
基材フィルム11の厚さについては、特に制限されず、短絡防止の観点から好ましくは10〜50μm程度、より好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
[第1ポリオレフィン層12a]
接着性保護フィルム1は、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層12aを備えていてもよい。第1ポリオレフィン層12aは、基材フィルム11の一方面の上に位置している。
酸変性ポリオレフィンは、金属及びポリオレフィンなどの熱融着性樹脂との親和性が高い。このため、例えば、接着性保護フィルム1をフィルム状の包装材料を用いた電池に適用する場合、第1ポリオレフィン層12aを金属端子2側に配置することにより、第1ポリオレフィン層12aと金属端子2との界面における密着性を高めることができる。
酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性されたポリオレフィンであれば特に制限されないが、好ましくは不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。
酸変性されるポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
また、酸変性されるポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。例えば、カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。
酸変性される環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
酸変性に使用されるカルボン酸またはその無水物としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
第1ポリオレフィン層12aは、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、第1ポリオレフィン層12aは、1層のみで形成されていてもよく、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
さらに、第1ポリオレフィン層12aは、それぞれ、必要に応じて充填剤を含んでいてもよい。第1ポリオレフィン層12aが充填剤を含むことにより、充填剤がスペーサー(Spacer)として機能するために、金属端子2と包装材料3の金属箔層33との間の短絡をより一層効果的に抑制することが可能となる。充填剤の粒径としては、0.1〜35μm程度、好ましくは5.0〜30μm程度、さらに好ましくは10〜25μm程度の範囲が挙げられる。また、充填剤の含有量としては、第1ポリオレフィン層12aを形成する樹脂成分100質量部に対して、それぞれ、5〜30質量部程度、より好ましくは10〜20質量部程度が挙げられる。
充填剤としては、無機系、有機系のいずれも用いることができる。無機系充填剤としては、例えば、炭素(カーボン、グラファイト)、シリカ、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、シリコンカーバイド、酸化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、有機系充填剤としては、例えば、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル架橋物、ポリエチレン架橋物等が挙げられる。形状の安定性、剛性、内容物耐性の点から、酸化アルミニウム、シリカ、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物が好ましく、特にこの中でも球状の酸化アルミニウム、シリカがより好ましい。第1ポリオレフィン層12aを形成する樹脂成分への充填剤の混合方法としては、予めバンバリーミキサー等で両者をメルトブレンドし、マスターバッチ化したものを所定の混合比にする方法、樹脂成分との直接混合方法などを採用することができる。
また、前述の通り、第1ポリオレフィン層12aに着色剤を配合することにより、第1ポリオレフィン層12aを、着色剤を含む層とすることもできる。第1ポリオレフィン層12aが前述の着色剤を含む場合、その濃度としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下が挙げられる。
第1ポリオレフィン層12aの厚みとしては、接着性保護フィルム1の層構成に応じて適宜選択することができ、フィルム状の包装材料を用いた電池に適用する場合であれば、ヒートシール後の樹脂の埋まり、ピンホールを考慮し、それぞれ、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは50〜90μm程度が挙げられる。
[第2ポリオレフィン層12b]
接着性保護フィルム1は、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第2ポリオレフィン層12bを備えていてもよい。第2ポリオレフィン層12bは、基材フィルム11の第1ポリオレフィン層12aとは反対側の面の上に位置している。
第2ポリオレフィン層12bが酸変性ポリオレフィンにより形成されている場合、第2ポリオレフィン層12bを形成する酸変性ポリオレフィンとしては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]の欄で例示したものと同じものが挙げられる。
また、第2ポリオレフィン層12bがポリオレフィンにより形成されている場合、第2ポリオレフィン層12bを形成するポリオレフィンとしては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]の欄で例示した、酸変性されるポリオレフィンまたは酸変性される環状ポリオレフィンと同じものが挙げられる。
第2ポリオレフィン層12bは、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、第2ポリオレフィン層12bは、1層のみで形成されていてもよく、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
さらに、第2ポリオレフィン層12bは、必要に応じて充填剤を含んでいてもよい。第2ポリオレフィン層12bが充填剤を含む場合、その含有量、種類などについては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]と同様とすることができる。
また、前述の通り、第2ポリオレフィン層12bに着色剤を配合することにより、第2ポリオレフィン層12bを、着色剤を含む層とすることもできる。第2ポリオレフィン層12bが前述の着色剤を含む場合、その濃度としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下が挙げられる。
第2ポリオレフィン層12bの厚みとしては、接着性保護フィルム1の層構成に応じて適宜選択することができ、フィルム状の包装材料を用いた電池に適用する場合であれば、ヒートシール後の樹脂の埋まり、ピンホールを考慮し、それぞれ、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは50〜90μm程度が挙げられる。
[第3ポリオレフィン層12ba]
接着性保護フィルム1は、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第3ポリオレフィン層12baを備えていてもよい。第3ポリオレフィン層12baは、第2ポリオレフィン層12bの基材フィルム11とは反対側の面の上に位置している。
第3ポリオレフィン層12baが酸変性ポリオレフィンにより形成されている場合、第3ポリオレフィン層12baを形成する酸変性ポリオレフィンとしては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]の欄で例示したものと同じものが挙げられる。
また、第3ポリオレフィン層12baがポリオレフィンにより形成されている場合、第3ポリオレフィン層12baを形成するポリオレフィンとしては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]の欄で例示した、酸変性されるポリオレフィンまたは酸変性される環状ポリオレフィンと同じものが挙げられる。
第3ポリオレフィン層12baは、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、第3ポリオレフィン層12baは、1層のみで形成されていてもよく、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
さらに、第3ポリオレフィン層12baは、必要に応じて充填剤を含んでいてもよい。第3ポリオレフィン層12baが充填剤を含む場合、その含有量、種類などについては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]と同様とすることができる。
また、前述の通り、第3ポリオレフィン層12baに着色剤を配合することにより、第3ポリオレフィン層12baを、着色剤を含む層とすることもできる。第3ポリオレフィン層12baが前述の着色剤を含む場合、その濃度としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下が挙げられる。
第3ポリオレフィン層12baの厚みとしては、接着性保護フィルム1の層構成に応じて適宜選択することができ、フィルム状の包装材料を用いた電池に適用する場合であれば、ヒートシール後の樹脂の埋まり、ピンホールを考慮し、それぞれ、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは50〜90μm程度が挙げられる。
[接着促進剤層13]
接着促進剤層13は、基材フィルム11と第1ポリオレフィン層12aとの間、及び/または基材フィルム11と第2ポリオレフィン層12bとの間を強固に接着することを目的として、必要に応じて設けられる層である。接着促進剤層13は、基材フィルム11と第1及び第2ポリオレフィン層12a,12bと間の一方側のみに設けられていてもよいし、両側に設けられていてもよい。
接着促進剤層13は、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリブタジエン系等の公知の接着促進剤を用いて形成することができる。耐電解液性をより向上する観点からは、これらの中でも、イソシアネート系の接着促進剤により形成されていることが好ましい。イソシアネート系の接着促進剤としては、トリイソシアネートモノマー、ポリメリックMDIから選ばれたイソシアネート成分をからなるものが、ラミネート強度に優れ、かつ、電解液浸漬後のラミネート強度の低下が少ない。特に、トリイソシアネートモノマーであるトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートやポリメリックMDIであるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含有率が約30%、粘度が200〜700mPa・s)からなる接着促進剤によって形成することが特に好ましい。また、トリイソシアネートモノマーであるトリス(p−イソシアネートフェニル)チオフォスフェイトや、ポリエチレンイミン系を主剤とし、ポリカルボジイミドを架橋剤とした2液硬化型の接着促進剤により形成することも好ましい。
接着促進剤層13は、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法等の公知の塗布法で塗布・乾燥することにより形成することができる。接着促進剤の塗布量としては、トリイソシアネートからなる接着促進剤の場合は、20〜100mg/m2、好ましくは40〜60mg/m2であり、ポリメリックMDIからなる接着促進剤の場合は、40〜150mg/m2、好ましくは60〜100mg/m2であり、ポリエチレンイミン系を主剤とし、ポリカルボジイミドを架橋剤とした2液硬化型の接着促進剤の場合は、5〜50mg/m2、好ましくは10〜30mg/m2である。なお、トリイソシアネートモノマーは、1分子中にイソシアネート基を3個持つモノマーであり、ポリメリックMDIは、MDIおよびMDIが重合したMDIオリゴマーの混合物であり、下記式(1)で示されるものである。
本発明の接着性保護フィルム1は、例えば図7に示されるような層構成を備えている場合、基材フィルム11の一方側の面に、第1ポリオレフィン層12aを積層することにより製造することができる。また、例えば図8に示されるような層構成を備えている場合、基材フィルム11の両面に、それぞれ、第1,第2ポリオレフィン層12a,12bを積層することにより製造することができる。さらに、例えば図8に示されるような層構成を備えている場合、第2ポリオレフィン層12bの上にさらに第3ポリオレフィン層12baを積層することにより製造することができる。
基材フィルム11と第1,第2ポリオレフィン層12a,12bとの積層は、押出ラミネーション法、サーマルラミネーション法などの公知の方法により積層することができる。第3ポリオレフィン層12baの積層についても、同様である。また、基材フィルム11と第1,第2ポリオレフィン層12a,12とを、接着促進剤層13を介して積層する場合には、例えば、接着促進剤層13を構成する接着促進剤を上記の方法で基材フィルム11の上に塗布・乾燥し、接着促進剤層13の上から第1,第2ポリオレフィン層12a,12bをそれぞれ積層すればよい。
[酸変性ポリオレフィン層12C]
本発明の接着性保護フィルム1は、図10に示されるように、硬化性酸変性ポリオレフィンにより形成された酸変性ポリオレフィン層12Cにより構成されていてもよい。
酸変性ポリオレフィン層12Cにおいて、硬化性酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性ポリオレフィンと硬化剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。酸変性ポリオレフィンとしては、前述の[第1ポリオレフィン層12a]の欄で例示したものと同じものが挙げられる。例えば、図1〜3に示すように、金属端子2が包装材料3によって挟持される部分において、酸変性ポリオレフィンと硬化剤とを含む樹脂組成物により形成された酸変性ポリオレフィン層12Cからなる2枚の接着性保護フィルム1で金属端子2を挟み込むようにして、金属端子2の両面側に配置し、包装材料3の両側からヒートシールすることにより、電池素子20を封止し、その後、2枚の接着性保護フィルム1に電離放射線を照射することにより、接着性保護フィルム1を硬化させることができる。すなわち、接着性保護フィルム1において、所定の位置に配置される際には、酸変性ポリオレフィン層12Cは、熱可塑性であり、かつ、電離放射線硬化性を備えていることが好ましい。
硬化剤としては、酸変性ポリオレフィンを電子線やガンマ線等の電離放射線照射等により硬化できるものであれば特に制限されないが、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル類等を挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類;ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン等のジビニル化合物;ジアリールフマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリルアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類等がある。添加量が多いほど架橋度は高くなるが、耐熱性、老化性が低下するので最適値を選ぶ必要がある。硬化剤の添加量は、23質量%以下とするのがよい。
硬化剤の市販品としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(例えば、日本化成(株)製のTAIC(登録商標)など)を使用することができ、その添加量は、0.5〜10質量%が好ましい。また、電離放射線の照射は、好ましくは50〜200kGy程度、より好ましくは70〜130kGy程度が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン層12Cは、例えば図10に示されるように1層のみで構成されていてもよく、同一又は異なる樹脂組成物によって2層以上で構成されていてもよい。
また、前述の通り、酸変性ポリオレフィン層12Cに着色剤を配合することにより、酸変性ポリオレフィン層12Cを、着色剤を含む層とすることもできる。酸変性ポリオレフィン層12Cが前述の着色剤を含む場合、その濃度としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン層12Cの厚さについては、特に制限されないが、包装材料の金属箔層と金属端子との短絡を効果的に抑制する観点からは、好ましくは50〜150μm程度、より好ましくは72〜100μm程度が挙げられる。
2.接着性保護フィルムの用途
本発明の接着性保護フィルム1は、例えば、フィルム状の包装材料を用いた電池の製造において、電池素子20の電極に電気的に接続された金属端子2と、電池素子20を封止する包装材料3との間に介在されるものとして有用である。具体的には、例えば図1〜3に示されるように、本発明の接着性保護フィルム1は、電池素子20の電極に電気的に接続されている金属端子2と、電池素子20を封止する包装材料3との間に介在させることができる。本発明の接着性保護フィルム1は、光学濃度が0.06〜1.21の範囲に設定されているため、ヒートシールに供する前において、2枚の接着性保護フィルム1で金属端子2の両側から挟み込んだ際、接着性保護フィルム1が重なった部分と、重なっていない部分との色の区別が容易である。すなわち、重なっている部分は、重なっていない部分に比して、色が濃くなる。このため、2枚の接着性保護フィルム1の位置がずれているか否かをカメラ付きセンサーまたは目視で容易に検知することができる。
金属端子2は、包装材料3の外側に突出しており、ヒートシールされた包装材料3の周縁部3aにおいて、接着性保護フィルム1を介して、包装材料3に挟持される。なお、本発明において、包装材料をヒートシールする際の熱としては、通常160〜190℃程度の範囲、圧力としては、通常1.0〜2.0MPa程度の範囲である。
接着性保護フィルム1を金属端子2と包装材料3との間に介在させる方法としては、特に制限されず、例えば、図1〜3に示すように、金属端子2が包装材料3によって挟持される部分において、2枚の接着性保護フィルム1で金属端子2を挟み込むようにして、金属端子2の両面側に配置することができる。
また、本発明の接着性保護フィルム1は、金属缶電池の電極集電体4と外部端子5との間に介在される保護フィルムとしても有用である。本発明の接着性保護フィルム1は、光学濃度が0.06〜1.21の範囲に設定されているため、電極集電部4と外部端子5との間に接着性保護フィルム1が確実に配置されていることも色により容易に検知することができる。
以下においては、フィルム状の包装材料を用いた電池の製造において使用される、金属端子2と包装材料3について、詳述する。
[金属端子2]
本発明の接着性保護フィルム1は、金属端子2と包装材料3との間に介在させて使用することができる。金属端子2(タブ)は、電池素子20の電極(正極または負極)に電気的に接続される部材であり、金属材料により構成されている。金属端子2を構成する金属材料としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅などが挙げられる。例えば、リチウムイオン電池の正極に接続される金属端子2は、通常、アルミニウムなどにより構成されている。また、リチウムイオン電池の負極に接続される金属端子は、通常、銅、ニッケルなどにより構成されている。
金属端子2の表面は、耐電解液性を高める観点から、化成処理が施されていることが好ましい。例えば、金属端子2がアルミニウムにより形成されている場合、化成処理の具体例としては、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物などの耐酸性被膜を形成する公知の方法が挙げられる。耐酸性被膜を形成する方法の中でも、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成分から構成されたものを用いるリン酸クロメート処理が好適である。
金属端子2の大きさは、使用される電池の大きさなどに応じて適宜設定すればよい。金属端子2の厚みとしては、好ましくは50〜1000μm程度、より好ましくは70〜800μm程度が挙げられる。また、金属端子2の長さとしては、好ましくは1〜200mm程度、より好ましくは3〜150mm程度が挙げられる。また、金属端子2の幅としては、好ましくは1〜200mm程度、より好ましくは3〜150mm程度が挙げられる。
[包装材料3]
包装材料3としては、少なくとも、基材層31、接着層32、金属箔層33、及びシーラント層34をこの順に有する積層体からなる積層構造を有するものが挙げられる。図11に、包装材料3の断面構造の一例として、基材層31、接着層32、金属箔層33、及びシーラント層34がこの順に積層されている態様について示す。包装材料3においては、基材層31が最外層になり、シーラント層34が最内層になる。電池の組み立て時に、電池素子20の周縁に位置するシーラント層34同士を接面させて熱溶着することにより電池素子20が密封され、電池素子20が封止される。なお、図1〜3には、エンボス成形などによって成形されたエンボスタイプの包装材料3を用いた場合の電池10を図示しているが、包装材料3は成形されていないパウチタイプであってもよい。なお、パウチタイプには、三方シール、四方シール、ピロータイプなどが存在するが、何れのタイプであってもよい。
(基材層31)
包装材料3において、基材層31は、包装材料の基材として機能する層であり、最外層を形成する層である。
基材層31を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層31を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
前記ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層31の形成素材として好適に使用される。
また、前記ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層31の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層31の形成素材として好適に使用される。
基材層31は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層31として好適に使用される。
これらの中でも、基材層31を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ポリエステルが挙げられる。
基材層31は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層31を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。
また、基材層31は、成形性を向上させるために低摩擦化させておいてもよい。基材層31を低摩擦化させる場合、その表面の摩擦係数については特に制限されないが、例えば1.0以下が挙げられる。基材層31を低摩擦化するには、例えば、マット処理、スリップ剤の薄膜層の形成、これらの組み合わせ等が挙げられる。
基材層31の厚さについては、例えば、10〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
(接着層32)
包装材料3において、接着層32は、基材層31に密着性を付与させるために、基材層31上に配置される層である。即ち、接着層32は、基材層31と金属箔層33の間に設けられる。
接着層32は、基材層31と金属箔層33とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層32の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層32の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層32の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂;ふっ化エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や応変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層31と金属箔層33との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着層32は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着層32を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層31と金属箔層33とのラミネーション強度を向上させるという観点から、基材層31側に配される接着剤成分を基材層31との接着性に優れる樹脂を選択し、金属箔層33側に配される接着剤成分を金属箔層33との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着層32は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、金属箔層33側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着層32の厚さについては、例えば、2〜50μm程度、好ましくは3〜25μm程度が挙げられる。
(金属箔層33)
包装材料3において、金属箔層33は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属箔層33を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属箔層33として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
金属箔層33の厚さについては、包装材料を薄型化しつつ、成形によってもピンホールの発生し難いものとする観点から、好ましくは10〜200μm程度、より好ましくは20〜100μm程度が挙げられる。
包装材料3の耐電解液性をより一層向上させる観点からは、クロメート処理を施した金属箔層33を用いることが好ましい。
クロメート処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属箔層33の表面に塗布した後に、金属箔層33の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属箔層33にクロメート処理を施す前に、予め金属箔層33を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属箔層33の表面のクロメート処理をより効率的に行うことが可能となる。
更に、金属箔層33には、必要に応じて、耐食性を付与する化成処理が施されていてもよい。金属箔層33に耐食性を付与する化成処理方法として、具体的には、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属箔層33の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノール等が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[接着層]
包装材料3において、接着層は、シーラント層34を強固に接着させために、金属箔層33とシーラント層34の間に、必要に応じて設けられる層である。
接着層は、金属箔層33とシーラント層34を接着可能である接着剤によって形成される。接着層の形成に使用される接着剤の組成については、特に制限されないが、例えば、酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物が挙げられる。酸変性ポリオレフィンとしては、第1,第2ポリオレフィン層12a,12bで例示してものと同じものが例示できる。
接着層の厚さについては、例えば、1〜40μm程度、好ましくは2〜30μm程度が挙げられる。
[シーラント層34]
包装材料3において、シーラント層34は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層34に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくは結晶性又は非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種以上のブレンドポリマーが挙げられる。
シーラント層34は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、シーラント層34は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
また、シーラント層34の厚みとしては、特に制限されないが、2〜2000μm程度、好ましくは5〜1000μm程度、さらに好ましくは10〜500μm程度が挙げられる。
3.電池
本発明において、フィルム状の包装材料を用いた電池10は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子20と、当該電池素子20を封止する包装材料3と、正極及び負極のそれぞれに電気的に接続され、包装材料3の外側に突出した金属端子2とを備えている。本発明の電池10においては、金属端子2と包装材料3との間に、本発明の接着性保護フィルム1が介在されてなることを特徴とする。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、包装材料3で、正極及び負極の各々に接続された金属端子2が外側に突出させた状態で、本発明の接着性保護フィルム1を金属端子2とシーラント層34との間に介在させ、電池素子20の周縁に包装材料のフランジ部(シーラント層34同士が接触する領域であり、包装材料の周縁部3a)が形成できるようにして被覆し、フランジ部のシーラント層34同士をヒートシールして密封させることによって、包装材料3を使用した電池10が提供される。なお、包装材料3を用いて電池素子20を収容する場合、包装材料3のシーラント層34が内側(電池素子20と接する面)になるようにして用いられる。
また、本発明の金属缶電池は、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する金属缶と、正極または負極に電気的に接続された電極集電体と、電極集電体に電気的に接続された外部端子とを備えている。そして、電極集電体4と外部端子5との間に本発明の接着性保護フィルム1が介在されていることを特徴とする。
本発明の各電池は、一次電池、二次電池のいずれであってもよいが、好ましくは二次電池である。二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、好ましくは、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
<接着性保護フィルムの製造>
実施例1−8及び比較例1−2
実施例1−7及び比較例1においては、両面コロナ放電処理を施した基材フィルムとしてのポリエチレンナフタレート(PEN、表1に記載の厚み)の一方の面にトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートの接着促進剤を固形分として50mg/m2塗布すると共にマレイン酸変性ポリプロピレン(以下、PPaと呼称する)をTダイ押出機で表1に記載の厚さに押出し塗布した。次に、PEN(PEN、表1に記載の厚み)の他方の面に同じ接着促進剤を固形分として50mg/m2塗布すると共に、PPaをTダイ押出機で表1に記載の厚さに押出し塗布した。その後、45℃で72時間エージング処理をして、図8に示される、酸変性ポリオレフィン層12a/接着促進剤13/基材フィルム11/接着促進剤13/ポリオレフィン層12bが積層された接着性保護フィルムを得た。酸変性ポリオレフィン層12a及びポリオレフィン層12bには、表1に記載の含有量となるようにカーボンブラックを添加した。実施例8及び比較例2においては、ポリエチレンナフタレートの代わりに、カーボンブラックで着色されたポリエチレンテレフタレート(PET、表1に記載の厚み)を基材フィルムとして用いたこと以外は、実施例1−7と同様にして、接着性保護フィルムを得た。
実施例9
両面コロナ放電処理を施した基材フィルムとしてのポリエチレンナフタレート(PEN、表1に記載の厚み)の一方の面にトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートの接着促進剤を固形分として50mg/m2塗布すると共にマレイン酸変性ポリプロピレン(以下、PPaと呼称する)をTダイ押出機で表1に記載の厚さに押出し塗布した。次に、PEN(PEN、表1に記載の厚み)の他方の面に同じ接着促進剤を固形分として50mg/m2塗布すると共に、PPaをTダイ押出機でそれぞれ表1に記載の厚さに2層共押出し塗布した。その後、45℃で72時間エージング処理をして、図9に示される、酸変性ポリオレフィン層12a/接着促進剤13/基材フィルム11/接着促進剤13/ポリオレフィン層12b/ポリオレフィン層12baが積層された接着性保護フィルムを得た。
実施例10−13
実施例10−12においては、両面コロナ放電処理を施した基材フィルムとしてのポリエチレンナフタレート(PEN、表1に記載の厚み)の一方の面にトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートの接着促進剤を固形分として50mg/m2塗布すると共にマレイン酸変性ポリプロピレン(以下、PPaと呼称する)をTダイ押出機で表1に記載の厚さに押出し塗布した。その後、45℃で72時間エージング処理をして、図7に示される、基材フィルム11/接着促進剤13/第1ポリオレフィン層12aが積層された接着性保護フィルムを得た。第1ポリオレフィン層12aには、表1に記載の含有量となるようにカーボンブラックを添加した。実施例13においては、ポリエチレンナフタレートの代わりに、カーボンブラックで着色されたポリエチレンテレフタレート(PET、表1に記載の厚み)を基材フィルムとして用いたこと以外は、実施例10−12と同様にして、接着性保護フィルムを得た。
<接着性保護フィルムの光学濃度(D)の測定>
上記で得られた各接着性保護フィルムを10cm(MD方向)×5cm(TD方向)の長方形に裁断し、透過濃度測定器(X−rite社製のポータブル透過濃度計、商品名「341C」)を用いて、各接着性保護フィルムの光学濃度(D)を測定した。結果を表1に示す。
<位置精度の評価>
上記で得られた各接着性保護フィルムを60mm(MD方向)×4mm(TD方向)の長方形に裁断した。次に、厚さ100μmのアルミニウム製の金属端子(3mm(MD方向)×50mm(TD方向))のTD方向の中心部において、MD方向、TD方向を合わせながら、それぞれ2枚の接着性保護フィルムで金属端子を両側から挟み込み、2枚の接着性保護フィルムの両側から熱板でヒートシール(ヒートシール条件は、190℃、1.0MPa、3秒)して、金属端子と接着性保護フィルムとの接合体を作製した。得られた接合体において、2枚の接着性保護フィルムの互いに重なっていない部分の長さが0.05mm以内である場合、位置ズレを検知・修正しやすく、位置精度が高く接着性保護フィルムが配置できている(評価○)とし、互いに重なっていない部分の長さが0.05mmを超えている場合、位置ずれが検知しにくく、接着性保護フィルムの配置の位置精度が低い(評価×)と評価した。結果を表1に示す。
光学濃度が0.06〜1.21である実施例1〜13の接着性保護フィルムを用いた場合には、2枚の接着性保護フィルムの重なっている部分と、重なっていない部分の色の差が大きく、位置ズレを修正しやすかったため、表1に示されるように、位置精度高く接着性保護フィルムが配置できることが分かる。一方、光学濃度が0.02と低く、透明性の高い比較例1の接着性保護フィルムを用いた場合には、2枚の接着性保護フィルムの重なっている部分と、重なっていない部分の色の差が小さく、位置ずれが検知しにくかったため、接着性保護フィルムの配置の位置精度が低い結果となった。また、光学濃度2.98と高く、色の濃い比較例2の接着性保護フィルムを用いた場合にも、2枚の接着性保護フィルムの重なっている部分と、重なっていない部分の色の差が小さく、位置ずれが検知しにくかったため、接着性保護フィルムの配置の位置精度が低い結果となった。
1 接着性保護フィルム
2 金属端子
3 包装材料
4 電極集電部
5 外部端子
11 基材フィルム
12a 第1ポリオレフィン層
12b 第2ポリオレフィン層
12ba 第3ポリオレフィン層
12c 酸変性ポリオレフィン層
13 接着促進剤層
20 電池素子
31 基材層
32 接着層
33 金属箔層
34 シーラント層

Claims (9)

  1. 少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンにより形成された第1ポリオレフィン層と、前記基材フィルムの他方面の上に位置する、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第2ポリオレフィン層と、を備えており、
    前記第1ポリオレフィン層及び前記第2ポリオレフィン層の少なくとも一方に着色剤が含まれており、
    光学濃度が0.06〜1.21である、接着性保護フィルム。
  2. 厚みが50〜150μmである、請求項1に記載の接着性保護フィルム。
  3. 前記第2ポリオレフィン層の前記基材フィルムとは反対側に、酸変性ポリオレフィンまたはポリオレフィンにより形成された第3ポリオレフィン層をさらに備えている、請求項1又は2に記載の接着性保護フィルム。
  4. 前記基材フィルムと前記第1ポリオレフィン層との間、及び/または前記基材フィルムと前記第2ポリオレフィン層との間に、接着促進剤層を備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
  5. 電池素子の電極に電気的に接続された金属端子と、前記電池素子を封止する包装材料との間に介在される、接着性保護フィルムである、請求項1〜のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
  6. 前記包装材料が、少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体であり、前記シーラント層と前記金属端子との間に前記接着性保護フィルムが介在される、請求項に記載の接着性保護フィルム。
  7. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する包装材料と、前記正極に電気的に接続され、前記包装材料の外側に突出した金属端子と、前記負極に電気的に接続され、前記包装材料の外側に突出した金属端子と、を備える電池であって、
    それぞれの前記金属端子と前記包装材料との間に、請求項1〜のいずれかに記載の接着性保護フィルムが介在されてなる、電池。
  8. 金属缶電池の電極集電体と外部端子との間に介在される、請求項1〜のいずれかに記載の接着性保護フィルム。
  9. 少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子と、当該電池素子を封止する金属缶と、前記正極または前記負極に電気的に接続された電極集電体と、前記電極集電体に電気的に接続された外部端子とを備える金属缶電池であって、
    前記電極集電体と前記外部端子との間に請求項1〜のいずれかに記載の接着性保護フィルムが介在されてなる、金属缶電池。
JP2015195224A 2015-09-30 2015-09-30 接着性保護フィルム Active JP6780230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195224A JP6780230B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 接着性保護フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195224A JP6780230B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 接着性保護フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017069107A JP2017069107A (ja) 2017-04-06
JP6780230B2 true JP6780230B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=58492812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015195224A Active JP6780230B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 接着性保護フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6780230B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102501580B1 (ko) * 2017-04-05 2023-02-20 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 접착성 보호 필름, 전지 및 그 제조 방법
CN110444700B (zh) * 2019-07-19 2022-07-22 江门吉锂能源有限公司 一种超薄锂电池的包装壳及其超薄锂电池
CN110903774A (zh) * 2019-10-18 2020-03-24 龙岩高格微扣科技有限公司 锂电池极耳三层结构耐高温绝缘胶及加工方法
CN111446409A (zh) * 2020-05-20 2020-07-24 天津市捷威动力工业有限公司 一种长耐久性锂离子电池聚合物极耳的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000235844A (ja) * 1998-12-16 2000-08-29 Japan Storage Battery Co Ltd 電 池
JP4202634B2 (ja) * 2001-10-19 2008-12-24 大日本印刷株式会社 リード線用フィルム
JP2007157412A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Dainippon Printing Co Ltd リチウムイオン電池タブ及びその製造方法並びにそれを用いたリチウムイオン電池
JP5100281B2 (ja) * 2007-06-27 2012-12-19 三洋電機株式会社 密閉電池及びその製造方法
JP2009026485A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質電池、並びにそれに用いる非水電解質電池用リード線及び非水電解質電池用封入袋
JP5308696B2 (ja) * 2008-03-17 2013-10-09 藤森工業株式会社 封止フィルムおよび封止フィルム付電極
JP2010097853A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Dainippon Printing Co Ltd 金属端子フィルム及びそれが接着された金属端子
JP6233060B2 (ja) * 2014-01-29 2017-11-22 凸版印刷株式会社 蓄電デバイス用端子フィルム、及び蓄電デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017069107A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6596869B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム
JP6673208B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム
KR102632999B1 (ko) 접착성 보호 필름, 전지 및 그 제조 방법
JP6780230B2 (ja) 接着性保護フィルム
JP6657732B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム
KR102352119B1 (ko) 전지용 포장 재료
JP7136102B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた電池、及び電池の製造方法
JPWO2017188445A1 (ja) 電池用包装材料及び電池
WO2016153059A1 (ja) 電池用包装材料及び電池
WO2021006351A1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
JP6892025B1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルムの製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
WO2021090950A1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルムの製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
JP6496979B2 (ja) 電池用包装材料
JP6939545B2 (ja) 電池用包装材料、その製造方法、及び電池
JP6954437B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルムの製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
JP7031805B1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
JP6863541B1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルムの製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
WO2021090951A1 (ja) 金属端子用接着性フィルム、金属端子用接着性フィルムの製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、及び蓄電デバイスの製造方法
WO2023140337A1 (ja) 金属端子用接着性フィルム及びその製造方法、金属端子用接着性フィルム付き金属端子、当該金属端子用接着性フィルムを用いた蓄電デバイス、金属端子用接着性フィルムと蓄電デバイス用外装材を含むキット、並びに蓄電デバイスの製造方法
KR20240047363A (ko) 금속단자용 접착성 필름, 금속단자용 접착성 필름의 제조 방법, 금속단자용 접착성 필름 부착 금속단자, 축전 디바이스, 및 축전 디바이스의 제조 방법
JP2020092062A (ja) 蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイスの品質管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6780230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150