JP6779851B2 - ヒアルロン酸産生促進剤 - Google Patents
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Description
〔1〕一般式(1)
〔2〕プロテオグリカン産生促進のために用いられる前記〔1〕に記載の剤。
〔3〕軟骨組織における細胞外基質の産生促進のために用いられる前記〔1〕又は〔2〕に記載の剤。
〔4〕前記ペプチドが、以下の(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であり、ヒアルロン酸産生促進活性を有するペプチドである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の剤。
(a)Phe−Hyp(配列番号1)
(b)Gly−Phe−Hyp(配列番号2)
(c)Phe−Hyp−Gly(配列番号3)
(d)Ala−Hyp(配列番号4)
(e)Gly−Ala−Hyp(配列番号5)
(f)Ala−Hyp−Gly(配列番号6)
〔5〕前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の剤。
〔6〕さらにN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤を含有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の剤。
〔7〕ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤、軟骨形成促進剤、関節障害の予防若しくは治療剤、又は膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善剤である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の剤。
〔8〕肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善剤又は肌の保湿剤である前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の剤。
〔9〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用の食品、食品添加物、サプリメント、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料。
〔10〕ヒアルロン酸産生促進のために使用される上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔11〕プロテオグリカン産生促進のために使用される前記〔10〕に記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔12〕軟骨組織における細胞外基質の産生促進のために使用される前記〔10〕又は〔11〕に記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔13〕前記ペプチドが、上記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であり、ヒアルロン酸産生促進活性を有するペプチドである、前記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔14〕前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、前記〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔15〕ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進、軟骨形成促進、関節障害の予防若しくは治療、又は膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善のために使用される前記〔10〕〜〔14〕のいずれかに記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔16〕肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善又は肌の保湿のために使用される前記〔10〕〜〔15〕のいずれか記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔17〕ヒアルロン酸産生促進のために使用される上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド、及びN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤。
〔18〕ヒアルロン酸産生促進用の食品、食品添加物、サプリメント、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料に含有される前記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載のペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド。
〔19〕ヒアルロン酸産生促進剤製造のための上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミドの使用。
〔20〕プロテオグリカン産生促進剤製造のための使用である前記〔19〕に記載の使用。
〔21〕軟骨組織における細胞外基質の産生促進剤製造のための使用である前記〔19〕又は〔20〕に記載の使用。
〔22〕前記ペプチドが、上記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であり、ヒアルロン酸産生促進活性を有するペプチドである、前記〔19〕〜〔21〕のいずれかに記載の使用。
〔23〕前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、前記〔19〕〜〔22〕のいずれかに記載の使用。
〔24〕ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤、軟骨形成促進剤、関節障害の予防若しくは治療剤、又は膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善剤製造のための使用である前記〔19〕〜〔23〕のいずれかに記載の使用。
〔25〕肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善剤又は肌の保湿剤製造のための使用である前記〔19〕〜〔24〕のいずれか記載の使用。
〔26〕ヒアルロン酸産生促進剤製造のための、上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド及びN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤の使用。
〔27〕ヒアルロン酸産生促進用の食品、食品添加物、サプリメント、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料の製造のための、上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミドの使用。
〔28〕ヒアルロン酸産生促進のための、上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミドの使用。
〔29〕プロテオグリカン産生促進のための使用である前記〔28〕に記載の使用。
〔30〕軟骨組織における細胞外基質の産生促進のための使用である前記〔28〕又は〔29〕に記載の使用。
〔31〕前記ペプチドが、上記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であり、ヒアルロン酸産生促進活性を有するペプチドである、前記〔28〕〜〔30〕のいずれかに記載の使用。
〔32〕前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、前記〔28〕〜〔31〕のいずれかに記載の使用。
〔33〕ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進、軟骨形成促進、関節障害の予防若しくは治療、又は膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善のための使用である前記〔28〕〜〔32〕のいずれかに記載の使用。
〔34〕肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善又は肌の保湿のための使用である前記〔28〕〜〔33〕のいずれか記載の使用。
〔35〕ヒアルロン酸産生促進のための、上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド及びN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤の使用。
〔36〕ヒアルロン酸産生促進のための、上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド含有ヒアルロン酸産生促進用食品、食品添加物、サプリメント、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料の使用。
〔37〕上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミドを哺乳動物に投与することを特徴とするヒアルロン酸産生促進方法。
〔38〕プロテオグリカン産生を促進することを特徴とする前記〔37〕に記載の方法。
〔39〕軟骨組織における細胞外基質の産生を促進することを特徴とする前記〔37〕又は〔38〕に記載の方法。
〔40〕前記ペプチドが、上記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であり、ヒアルロン酸産生促進活性を有するペプチドである、前記〔37〕〜〔39〕のいずれかに記載の方法。
〔41〕前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、前記〔37〕〜〔40〕のいずれかに記載の方法。
〔42〕ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現を促進し、軟骨形成を促進し、関節障害を予防若しくは治療し、又は膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能を改善することを特徴とする前記〔37〕〜〔41〕のいずれかに記載の方法。
〔43〕肌のかさつき、しわ若しくは張りを改善し、又は肌を保湿することを特徴とする前記〔37〕〜〔42〕のいずれか記載の方法。
〔44〕上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミド及びN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤を哺乳動物に投与することを特徴とするヒアルロン酸産生促進方法。
〔45〕上記一般式(1)で示される5価の部分構造式を有するペプチド又はその塩、エステル若しくはアミドがヒアルロン酸産生促進用の食品、食品添加物、サプリメント、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料に含有されていることを特徴とする前記〔37〕〜〔43〕のいずれかに記載の方法。
本開示は、一般式(1)
(a)Phe−Hyp(配列番号1)
(b)Gly−Phe−Hyp(配列番号2)
(c)Phe−Hyp−Gly(配列番号3)
(d)Ala−Hyp(配列番号4)
(e)Gly−Ala−Hyp(配列番号5)
(f)Ala−Hyp−Gly(配列番号6)
本発明のペプチドが、C末端以外にカルボキシル基又はカルボキシレートを有している場合、それらの基がアミド化又はエステル化されているものも、本発明のペプチドに含まれる。
本発明のペプチドは、ヒアルロン酸産生促進のために使用される他の有効成分と組み合わせて使用することにより、相加的又は相乗的な効果の向上が期待できる。ヒアルロン酸産生促進のために使用される他の有効成分としては、例えば、卵黄加水分解物、卵殻膜、家禽の脚部又はその処理物、グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンI型、コラーゲンII型、N−アセチルグルコサミン、これらの薬理学的に許容される塩等が挙げられ、卵黄加水分解物、卵殻膜、家禽の脚部又はその処理物、N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、これらの薬理学的に許容される塩等が特に好ましい。塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
本発明の剤は、ヒアルロン酸産生促進作用を有しているので、(1)ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤、(2)軟骨形成促進剤、(3)関節障害の予防若しくは治療剤、(4)膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善剤、(5)肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善剤又は(6)肌の保湿剤等の有効成分として好適に用いることができる。
また、本発明の剤は、軟骨組織における細胞外基質(本開示において単に軟骨基質ともいう。)の産生促進作用を有しているので、(7)軟骨基質産生促進剤、(8)プロテオグリカン産生促進剤、(9)関節障害の予防若しくは治療剤、又は(10)膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善剤等の有効成分として好適に用いることができる。
膝の痛み、膝の状態、体の痛み、身体機能等の改善作用の有無について、例えば、試料投与前と投与後とでWOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)評価、SF−36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)、JKOM(Japanese Knee Osteoarthritis Measure)評価等において、有意差又は有意傾向が認められる場合に膝の痛み、膝の状態、体の痛み、身体機能等の改善作用ありと判断することができる。そのための試験乃至評価方法は常法に従って行われる。
本発明は、ヒアルロン酸産生促進用の医薬を提供する。本発明の医薬は、上記本発明のペプチドを含むものであればよい。本発明の医薬は、経口又は非経口のいずれかの経路で哺乳動物に投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられる。これらの製剤は、当該分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等を担体として使用できる。
本発明は、本発明の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用サプリメントを提供する。本発明のサプリメントは、上記本発明のペプチドを含むものであればよい。本発明のサプリメントは、経口用の固形剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)又は経口用の液剤(ドリンク剤)等の形態で実施することができる。これらの製剤は、上述の医薬と同様の手法により製剤化することができる。
本発明は、本発明の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用食品を提供する。本発明の食品は、上記本発明のペプチドを含むものであればどのようなものでもよい。本発明の食品は、経口用の固形剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)又は経口用の液剤(ドリンク剤)等の形態で実施することができ、錠剤、ドリンク剤等の形態で実施することが好ましい。本発明の食品には、機能性食品、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品、病者用食品が含まれる。食品の形態は特に限定されないが、例えば茶飲料、清涼飲料(清涼飲料水)、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料、そば、うどん、中華麺、即席麺等の麺類、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子及びパン類、かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品、ヨーグルト、加工乳、発酵乳(チーズ)等の乳製品、サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品、ソース、たれ等の調味料、カレー、シチュー、丼、お粥、雑炊等のレトルトパウチ食品、アイスクリーム、シャーベット、かき氷等の冷菓などを挙げることができる。
本発明は、本発明の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用食品添加物を提供する。本発明の食品添加物は、上記本発明のペプチドを含むものであればよい。本発明の食品添加物は、固形剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)又は液剤(ドリンク剤)等の形態で実施することができる。本発明の食品添加剤の形態は特に限定されないが、例えば、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等が挙げられる。本発明の食品添加剤には、飲料用の添加剤も含まれる。本発明の食品添加物は、一般的な食品添加剤の製造方法に従って製造することができる。
本発明は、本発明の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用化粧品又は医薬部外品を提供する。本発明の化粧品又は医薬部外品は、上記本発明のペプチドを含むものであればよい。形態は特に限定されない。好ましくは例えば、皮膚外用剤(化粧水、乳液、ファンデーション、ハンドクリーム、美容液等を含む)、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアケア剤、スタイリング剤、パック、石けん(洗顔料を含む)、ボディーシャンプー、育毛剤、浴用剤、水溶液の形態とすることができる。本発明の化粧品又は医薬部外品は、さらに医薬部外品又は化粧品として一般に使用されている成分、例えば、安定(化)剤、界面活性剤、滑沢剤、緩衝剤、甘味剤、矯味剤、結合剤、抗酸化剤、コーティング剤、湿潤剤、着香剤・香料、着色剤、糖衣剤、等張化剤、乳化剤、粘稠(化)剤、pH調節剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、日焼け止め剤、消泡剤、柔軟剤、推進剤、酸性化又は塩基性化剤、シリコーン、ビタミン、染料、顔料、ナノ顔料、アルコール等の有機溶媒、水等を目的に応じて所望により配合することができる。好ましい剤形として、固形剤、液剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾール剤等の剤型が挙げられ、外用に適する剤型であればこれらに限定されるものではない。
本発明は、本発明の剤を含有するヒアルロン酸産生促進用飼料を提供する。本発明の飼料は、上記本発明のペプチドを含むものであればよい。本発明の飼料は、固形剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)又は液剤(ドリンク剤)等の形態で実施することができる。飼料としては、例えば、ウシ、ウマ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ等の家禽用飼料、イヌ、ネコ等のペット用飼料などが挙げられる。本発明の飼料は、飼料中に本発明のペプチド等を添加することにより製造されるが、それ以外にも、一般的な飼料の製造方法を用いて加工製造することができる。
本発明には、ヒトを含む哺乳動物に対して本発明の剤の有効量を投与することを特徴とするヒアルロン酸産生促進方法、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進方法、軟骨形成促進方法、関節障害の予防又は治療方法、膝の痛み、体の痛み若しくは身体機能の改善方法、肌のかさつき、しわ若しくは張りの改善方法、並びに、肌の保湿方法を提供する。
哺乳動物としては、ヒトやヒト以外の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)が挙げられ、ヒトの中でも、特にヒトの女性が好ましい。投与形態は特に限定されず、例えば経口投与であってもよく、経皮投与(塗布)であってもよい。
本開示には、本発明の剤の製造方法が含まれる。本発明の剤の製造方法は、本発明のペプチドを合成する工程を含んでいることが好ましい。本発明の剤の製造方法は、好ましくは、本発明のペプチドと賦形剤等の添加剤又は他の有効成分とを混合する工程をさらに含む。
本発明は、ヒアルロン酸産生促進剤製造のための本発明の剤の使用を包含する。
本発明は、ヒアルロン酸産生促進のための本発明の剤の使用を包含する。
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンを265mg、O−(t−ブチル)−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンt−ブチルエステル塩酸塩を276mg、ジメチルホルムアミドを40mL、トリエチルアミンを312μL、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を641mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを603mg混合後、4℃で4時間反応させた。反応後、エバポレーターにて溶液を全て気化させた。酢酸エチル20mLを気化残渣に添加して得られた酢酸エチル溶液を、分液漏斗に全て入れた。5%炭酸水素ナトリウム溶液、10%クエン酸溶液、飽和塩化ナトリウム溶液の順で気化残渣の洗浄を行った。洗浄後の酢酸エチル層に硫酸ナトリウムの結晶を加え脱水処理を行った。溶液にトリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを1:1の割合で10mL添加し、4℃で4時間反応させた。窒素によって溶液を気化(エバポレーション)し、ジエチルエーテルを用いてフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンを抽出し、逆相液体クロマトグラフィーで精製した。得られた粉末状のフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンをDMEM/F−12培養液に溶解し、サンプル(フェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン含有溶液)を得た。
N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニンを189mg、O−(t−ブチル)−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンt−ブチルエステル塩酸塩を276mg、ジメチルホルムアミドを40mL、トリエチルアミンを312μL、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を641mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを603mg混合後、4℃で4時間反応させた。反応後、エバポレーターにて溶液を全て気化させた。酢酸エチル20mLを気化残渣に添加して得られた酢酸エチル溶液を、分液漏斗に全て入れた。5%炭酸水素ナトリウム溶液、10%クエン酸溶液、飽和塩化ナトリウム溶液の順で気化残渣の洗浄を行った。洗浄後の酢酸エチル層に硫酸ナトリウムの結晶を加え脱水処理を行った。溶液にトリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを1:1の割合で10mL添加し、4℃で4時間反応させた。窒素によって溶液を気化(エバポレーション)し、ジエチルエーテルを用いてアラニル−4−ヒドロキシプロリンを抽出し、逆相液体クロマトグラフィーで精製した。得られた粉末状のアラニル−4−ヒドロキシプロリンをDMEM/F−12培養液に溶解し、サンプル(アラニル−4−ヒドロキシプロリン含有溶液)を得た。
マウス軟骨前駆細胞株ATDC5(RIKEN BRC No.RCB0565)を、5%FBS、1%Penicillin−Streptomycin solution、5μg/mL transferrin、3×10−8M sodium seleniteを含むDMEM/F−12培養液中で、37℃、5体積%CO2−95体積%airの下でサブコンフルエントになるまで培養した後、トリプシン処理により細胞を集めた。集めた細胞を、上記DMEM/F−12培養液に懸濁して細胞懸濁液(50×104個/mL)を調製した。この細胞懸濁液を24穴プレートに20μLずつスポットになるように播種し、37℃、5体積%CO2−95体積%airの下で前培養した。3時間後、ウェル中の培養液を、上記DMEM/F−12培養液にフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン(最終濃度500μM)及びインスリン(最終濃度0.1μg/mL)あるいはアラニル−4−ヒドロキシプロリン(最終濃度500μM)及びインスリン(最終濃度0.1μg/mL)を添加した培養液に交換し、更に14日間培養した。軟骨前駆細胞の軟骨基質はアルシアンブルー染色液を用いて染色し、数値化にはImage J(National Institutes of Health)を用いて評価した。サンプルの軟骨前駆細胞の軟骨基質量は、サンプル未添加の軟骨基質量を100とした時の相対値で表した。
マウス軟骨前駆細胞株ATDC5(RIKEN BRC No.RCB0565)を、5%FBS、1%Penicillin−Streptomycin solution、5μg/mL transferrin、3×10−8M sodium seleniteを含むDMEM/F−12培養液を用いて、37℃、5体積%CO2−95体積%airの下でサブコンフルエントになるまで培養した後、トリプシン処理により細胞を集めた。集めた細胞を、上記DMEM/F−12培養液に懸濁して細胞懸濁液(10×104個/mL)を調製した。この細胞懸濁液を24穴プレートに500μLずつ播種し、37℃、5体積%CO2−95体積%airの下で前培養した。2日後、ウェル中の培養液を、上記DMEM/F−12培養液にフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン(最終濃度500μM)及びインスリン(最終濃度0.1μg/mL)を添加した培養液に交換し、更に3日間培養した。ポジティブコントロールとしてインスリン10μg/mLを用いた。培養後、全RNA抽出及びcDNA合成を行い、Real−time PCR法にてGAPDHのmRNA発現量に対する軟骨分化関連遺伝子のmRNA発現量の割合を定量し、評価した。サンプルの発現量は、サンプル未添加の発現量を1とした時の相対値で表した。また、データの棄却はグラブス・スミルノフの検定を用いて行った。
1mg/mL フェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン、5%FBS、1%Penicillin−Streptomycin solution、5μg/mL transferrin、3×10−8M sodium seleniteを含むDMEM/F−12培養液を24穴プレートに1mLずつ添加した。ddYマウス(雌性、リタイア)の左右後肢より大腿骨及び脛骨を取り出し、滑膜に切れ目を入れ軟骨が露出するようにした後、関節のみが培養液に浸かるように設置し、37℃、5体積%CO2−95体積%airの下で1日間培養した。培養後、培養上清を回収し1500×g、4℃、30分の条件下で遠心分離を行った。その後、上清を回収しELISAを用いてヒアルロン酸量を測定し、評価した。サンプルのヒアルロン酸量は、サンプル未添加のヒアルロン酸量を100とした時の相対値で表した。
製造例1で製造したフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンを含有する清涼飲料水を調製した。すなわち、組成が混合異性化糖15.0%、果汁10%、フェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン2.0%、香料0.1%、カルシウム0.1%、水72.8%である原料を混合し、プレート殺菌機を用いて90℃、15秒間殺菌し、清涼飲料水を製造した。
製造例1で製造したフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンを含有するヨーグルトを調製した。すなわち、組成がフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン3.0%、蔗糖7%、香料0.1%、ヨーグルト89.9%である原料を混合し容器に充填して、ヨーグルトを製造した。
製造例1で製造したフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンを含有するプロセスチーズを調製した。すなわち、ゴーダチーズ35%、チェダーチーズ35%、パルメザンチーズ20%、フェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン2.0%、リン酸カルシウム1.0%、水7.0%を含むように各原料を混合後、乳化温度85℃で乳化して、プロセスチーズを製造した。
製造例1で製造したフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン60%、コーンスターチ30%、乳糖10%を含むように各原料を配合して、ゼラチンカプセルに充填(カプセル1個当たり200mg)し、カプセル剤を製造した。
製造例1で製造したフェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリン60%、還元麦芽糖18%、結晶セルロース18%、ショ糖エステル4%を含むように各原料を配合後打錠(1錠当たり300mg)して、錠剤を製造した。
製造例3〜7における、フェニルアラニル−4−ヒドロキシプロリンを、液相合成法で製造したアラニル−4−ヒドロキシプロリンに置換えたこと以外は、製造例3〜7の方法と同様の方法で、アラニル−4−ヒドロキシプロリンを含有する、清涼飲料水(製造例8)、ヨーグルト(製造例9)、チーズ(製造例10)、カプセル剤(製造例11)、及び錠剤(実施例12)を製造した。
Claims (5)
- (a)Phe−Hyp(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、総アミノ酸残基数が100以下であるペプチドを含有し、軟骨基質産生促進作用又は軟骨分化関連遺伝子発現増強作用を有する軟骨形成促進剤。
- プロテオグリカン産生促進のために用いられる請求項1に記載の剤。
- 前記ペプチドの総アミノ酸残基数が3以下である、請求項1又は2に記載の剤。
- さらにN−アセチルグルコサミン若しくはグルコサミン又はそれらの薬理学的に許容される塩、又は賦形剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の剤を含有する軟骨基質産生促進作用又は軟骨分化関連遺伝子発現増強作用を有する軟骨形成促進用の食品、食品添加物、サプリメント、医薬部外品、医薬品又は飼料。
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