JP6778937B2 - 半導体装置用のプローブ針 - Google Patents
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Description
半導体装置用のプローブ針は、先端部を有し、
前記先端部は、接触部と、基部と、前記接触部及び前記基部の間に位置する中間部とを有し、
前記接触部は、略円錐形状で、プローブ針の長軸を基準として相対する対称的な形状の第1傾斜面部を有し、
前記中間部は、前記長軸を基準として相対する第2傾斜面部を備え、
前記長軸と第1傾斜面部のなす角は前記長軸と第2傾斜面部のなす角よりも大きく、
前記接触部における相対する前記第1傾斜面部のなす角である先端角度が、前記中間部の相対する前記第2傾斜面部のなす角よりも大きくなるように規定されており、
前記先端部の接触部の前記先端角度が、30°以上110°以下であることを特徴とする。
また、本発明によれば、中間部により針当てのしやすさ、良好な使用感を有し、容易に位置決め可能な、半導体装置用のプローブ針を提供することができる。
また、本発明によれば、良好な電気特性を有する半導体装置用のプローブ針を提供することができる。
また、本発明によれば、不要物質が付着し難い半導体装置用のプローブ針を提供することができる。
この接触部11の直径φa(接触部11の最大の直径部分の直径)は、例えば、10μm以上200μm以下であり、望ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに望ましくは、20μm以上80μmである。
図2(a)に示したプローブ針は、中間部12が、接触部11の最大直径と略同じ直径の小径の円柱形状部分を有し、基部13側付近で直径が急激に大きくなる形状である。
図2(c)に示したプローブ針は、中間部12が、接触部11の最大直径よりも大きい直径φfの円柱形状部分を有する。
接触部11の最先端11a及び変曲点P1を通る直線LP1と、変曲点P2を通り且つ長軸ALに直交する直線LP2との交点に点P3が位置する。
尚、物理的な研磨技術と化学的な研磨技術により、プローブ針10の表面処理を行ってもよい。また、必要に応じて、プローブ針10の接触部11、中間部12、基部13に対して、適宜、表面処理を施してもよい。
また、電気的特性を測定するために、ホルダ120と計測制御部210は導電線240を介して電気的に接続されている。ホルダ120は金属製であり、プローブ110と電気的に接続されている。
また、ホルダ120には、長尺のプローブ110が着脱自在に保持されており、この長尺のプローブ110の一方の先端には図1に示したプローブ針10が一体的に設けられている。詳細には、プローブ110は、その他端110dがホルダ120に着脱自在に保持されており、その他端110dから水平方向に延出したのち斜め下方に屈曲した形状の屈曲部110c、その屈曲部110cから略水平方向に延出する水平部110b、その水平部110bから斜め下方へ屈曲した屈曲部110aを有し、その屈曲部110aから延出した部分に図1に示したプローブ針10が一体的に設けられている。
尚、先端のプローブ針10が、屈曲部110aに着脱自在に設けられた構成であってもよい。
図7は撮像部により撮像されたプローブ針及び電極パッドを説明するための図である。図7(e)に示したように、真横からプローブ針10を視認した場合、先端部の接触部11や中間部12等は明確に識別できるが、図7(d)に示したように、電極パッドの上方に配置された撮像部220により、プローブ針10及び電極パッド8が撮像される場合、プローブ針10の最先端(針先)から100μm〜1000μm程度までの部分が撮像部220により撮像され、接触角度θtが60°に規定されているので、プローブ針の長軸方向の長さが撮像部220により0.5倍に写される。金属パッドの大きさが例えば10μmで、電極パッドとプローブ針の接触角度が60°で、例えば、図2のようなプローブ針を用いて撮像部で撮像した場合、プローブ針は最先端から例えば20μm以上の撮像部により写らない部分は、比較的太くともよい。撮像部220により、先端部の接触部11は見え難い。すなわち、プローブ針の使用感(電極パッドへの当てやすさ等)に寄与するのは、プローブ針の中間部12であることがわかる。
次に、本願発明者は、本発明の実施形態に係るプローブ針の耐久性に関する評価を行った。本実施形態では、図8(a)、図8(b)に示したように、プローブ針10をホルダに固定し、電極パッド8を備えた基板を上下動させて、電極パッド8の上端面にプローブ針10の先端が約30μmオーバードライブするように設定されている。電極パッド8の厚みは、数十nm〜数μmである。
耐久性試験では、上述したプローブ針と電極パッド8とのコンタクトを、例えば、100回、1000回、10000回など所定回数行った後、プローブ針10の針先をカメラなどの撮像部で撮像して、針先の形状の変化を観察し、測定結果の評価を行った。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(45°−1)は、図9に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが56.2°、中間部12の角度θbが16.4°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。本実施形態では、このプローブ針10は長尺のプローブ110の先端に一体的に形成されている。そして、上述した図8に示した耐久性評価試験を行った。プローブ針10(45°−1)の耐久性試験の結果を図10に示す。10000回の接触テスト後、針先の一部分が僅かに平坦に変形していることが確認された。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(45°−2)は、図11に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが45°、中間部12の角度θbが10.0°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。プローブ針10(45°−2)の耐久性試験の結果を図12に示す。10000回の接触テスト後、約5μm程度の針先の先端の一部分が僅かに平坦に変形していることが確認された。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(60°−1)は、図13に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが60.0°、中間部12の角度θbが12.0°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。プローブ針10(60°−1)の耐久性試験の結果を図14に示す。10000回の接触テスト後、針先の10μm程度の部分が僅かに変形していることが確認された。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(60°−2)は、図15に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが61.0°、中間部12の角度θbが12.8°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。プローブ針10(60°−2)の耐久性試験の結果を図16に示す。10000回の接触テスト後、針先の10μm程度の部分が僅かに変形していることが確認された。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(90°−1)は図17に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが92.3°であり、中間部12の角度θbが17.2°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。
プローブ針10(90°−1)の耐久性試験の結果を図18に示す。100〜10000回の接触テスト後であっても、針先が変形していないことが確認された。
評価前の本発明の実施形態に係るプローブ針10(90°−2)は図19に示したように、先端部の接触部11の先端角度θaが93.2°であり、中間部12の角度θbが11.5°であり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。プローブ針10(90°−2)の耐久性試験の結果を図20に示す。100〜10000回の接触テスト後であっても、針先が変形していないことが確認された。
第1比較例のプローブ針10gaは、図21に示したように、先端の角度が約14°であり、最先端の曲率半径Rが1.5μmであり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。第1比較例のプローブ針10gaの耐久性試験の結果を図22に示す。100回程度の接触テストで針先の変形が観測され、100回〜10000回の接触テストで、針先の曲がり度合いが大きくなり、コンタクト部分が摩耗していることが確認された。尚、図21に示した第1比較例のプローブ針10gaは、本発明の実施形態に係るプローブ針10よりも表面が粗く形成されており、詳細には、表面粗さがRa0.2μm程度である。
第2比較例のプローブ針10gbは、図23に示したように、先端の角度が約14°であり、最先端の曲率半径Rが5.0μmであり、電極パッド8との接触角度θtが60°に設定されている。図23に示した第2比較例のプローブ針10gbは、本発明の実施形態に係るプローブ針10よりも表面が粗く形成されており、詳細には、表面粗さがRa0.08μm程度であり、プローブ針10gbの表面には、不要物質701が付着しやすいことが確認できる。第2比較例のプローブ針10gbの耐久性試験の結果を図24に示す。10000回程度の接触テスト後、プローブ針10gbの針先に、10μm程度のすり減りが見られたが、曲がりなどの変形は見られなかった。
次に、本願発明者は、本発明の実施形態に係るプローブ針10の電気的特性(V−I特性)を測定した。図25はプローブ針の電気的特性の評価方法の一例を説明するための図である。詳細には、基板上に形成された電極パッド8(パッド材質はAu)に対して第1比較例のプローブ針10gaを接触させ、測定対象の本発明に係るプローブ針10を、電極パッド8に対して所定回数(例えば、0回〜10000回)、接触、非接触を繰り返し、接触時に直流電流(DC)を流し、それぞれのコンタクトにおける、電圧−電流特性(V−I特性)を計測した。尚、電圧の測定範囲は電圧0〜20mVであり、1mVstepで計測を行った。
本実施形態では、上述した耐久性評価と、プローブ針の電気的特性の測定は並行して行っている。
測定の結果、上記、本発明の実施形態に係るプローブ針10は、10000回のコンタクト後も、良好な電気的特性を有し、電気的特性の有意な劣化は見られなかった。
次に、本願発明者は、本発明の実施形態に係るプローブ針10による電極パッドへの針跡について評価した。
図27(a)は耐久試験前の電極パッド8を示す図、図27(b)は上述した耐久試験後の電極パッド8の針跡を示す図である。図28(a)は、各プローブ針による耐久試験に用いられた電極パッドの針跡を説明するための図である。図28(b)は図28(a)に示した電極パッド8の針跡の拡大図である。
本発明の実施形態に係るプローブ針10(45°−1)による10000回コンタクト後の電極パッドの針跡は図29に示した形状となった。図29(b)に示す針跡の短手方向に沿った直線部分の長さが9.2μm、該当箇所の高低差が1.49μmであり、図29(c)に示す針跡の長手方向に沿った直線部分の長さが12.62μmである。この針跡は、第1比較例のプローブ針10gaによる針跡と比較して、深さは略同じで幅が細いことが確認できた。
一方、本発明の実施形態に係るプローブ針10(45°)、10(60°)は、10000回コンタクト後、針先が僅かに変形する程度であり、高い耐久性を有することが確認できた。本発明の実施形態に係るプローブ針10(90°)では、針先の変形は見られなかった。
すなわち、プローブ針の接触部11の先端角度θaが上記角度であるので、高い耐久性を有するプローブ針10を提供することができる。
すなわち、撮像部によりプローブ針と電極パッドを撮像する際に、中間部12が上述した形状であれば、プローブ針を電極パッドに当てやすい。
また、上記接触部11により高い耐久性を有し、上記中間部12により、針当てのしやすさ、良好な使用感を有し、容易に位置決め可能な半導体装置用のプローブ針を提供することができる。また、繰り返しコンタクト後であっても電気特性が低下しないプローブ針を提供することができる。
すなわち、上記接触部11により高い耐久性を有し、上記中間部12により、針当てのしやすさ、良好な使用感を有し、容易に位置決め可能な半導体装置用のプローブ針を提供することができる。また、繰り返しコンタクト後であっても電気特性が低下しないプローブ針を提供することができる。
なお、プローブ針10の接触部11、及び中間部12に表面コーティング処理を施すことにより上述した表面粗さを実現してもよい。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
11…接触部
11s…傾斜面部(第1傾斜面部)
12…中間部
12s…側面部(第2傾斜面部)
13…基部
θa…接触部の先端角度(長軸に対して相対する傾斜面部11sのなす角の角度)
θb…角度(長軸に対して相対する側面部12s(第2傾斜面部)のなす角の角度)
La…接触部の長軸に沿った長さ
Lb…中間部の長軸に沿った長さ
Lc…基部の長軸に沿った長さ
AL…プローブ針の長軸
Claims (8)
- プローブ針は、先端部を有し、
前記先端部は、接触部と、基部と、前記接触部及び前記基部の間に位置する中間部とを有し、
前記接触部は、略円錐形状で、プローブ針の長軸を基準として相対する対称的な形状の第1傾斜面部を有し、
前記中間部は、前記長軸を基準として相対する第2傾斜面部を備え、
前記長軸と第1傾斜面部のなす角は前記長軸と第2傾斜面部のなす角よりも大きく、
前記接触部における相対する前記第1傾斜面部のなす角である先端角度が、前記中間部の相対する前記第2傾斜面部のなす角よりも大きくなるように規定されており、
前記先端部の接触部の前記先端角度が、30°以上110°以下であることを特徴とする半導体装置用のプローブ針。 - 前記接触部の前記先端角度は、45°以上90°以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置用のプローブ針。
- 前記接触部は最先端からプローブ針の長軸に沿った長さが4μm以上373μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置用のプローブ針。
- 前記接触部は、最大の直径部分の第1の直径が10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置用のプローブ針。
- 前記接触部は、最大の直径部分の第1の直径が10μm以上200μm以下であり、
前記中間部は、前記接触部の最先端から前記基部側へ前記長軸に沿って所定距離だけ離れた位置の第2の直径が前記第1の直径よりも大きく、10μm以上1000μm以下であり、
前記中間部は、前記接触部側から前記第2の直径となる位置に至るまで、直径が減少することなく増加又は同じとなるように規定された形状を有し、
前記所定距離は、24μm以上800μm以下である
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の半導体装置用のプローブ針。 - 前記接触部の前記長軸に沿った長さLaと、前記中間部の前記長軸に沿った長さLbの比である、La/Lbは、0.01以上20未満であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体装置用のプローブ針。
- 前記プローブ針の少なくとも前記接触部の表面粗さは、Ra10nm以下(Raは算術平均粗さ)であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置用のプローブ針。
- プローブ針の形成材料は、少なくとも、タングステン、パラジウム、ベリリウム、銅、銀、金、ニッケルのいずれか、又はその2つ以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置用のプローブ針。
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