JP6778391B2 - リング圧延方法 - Google Patents
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Description
これらのリング圧延機を用いた環状製品の製造方法として、主ロールやマンドレルロールの形状を加工して、ニアネットシェイプのリング圧延材を得る種々の提案がなされている。例えば、特開2013−169563号公報(特許文献1)には、ロール形状、ロールの分割、潤滑油の供給によってリングローリング加工した製品における内部空隙(ボイド)の発生を抑制することができるリングローリング加工方法の発明が提案されている。また、例えば、特開昭64−75134号公報(特許文献2)には、圧延を行なうに際し、マンドレルとの当接面を除くリング材の表面に潤滑材を塗布することで、リング材の回転停止等の圧延不可能な事態を回避可能なリング材製造方法の発明が提案されている。
ところで、最近では、航空機や発電用の部品の大型化が要求されており、その素材も718合金等のNi基超耐熱合金(Fe−Ni基と称されることもある)に代表される難加工性の合金が用いられる。これらの難加工性の合金をリング圧延する場合には、できるだけリング圧延用の圧延素材の温度低下を防止する必要がある。
そうした場合に、特許文献1のようにリング圧延中に潤滑油を供給するのは圧延中のリング圧延用の圧延素材の温度を低下させるおそれがある。また、特許文献2のように、リング圧延用の圧延素材がロールと直に接触することで、圧延中のリング材の温度低下が懸念される。
本発明の目的は、リング圧延用の圧延素材の温度低下を抑制しつつ、所望の形状にリング圧延することが可能なリング圧延方法を提供することである。
また、本発明では、前記ガラス層上にシート状のセラミックスファイバー製、または、ガラスファイバー製の断熱材で更に被覆しても良い。
圧延素材の表面において、リング圧延時に主ロールとマンドレルロールと一対のアキシャルロールとが接触する面は、ほぼ全表面となる。そのため、これら圧延素材の表面に被覆層を形成し、この被覆層が保温層として機能して、加熱炉から圧延素材を搬出し、リング圧延機に取り付けるまでの間、放冷されることによる温度低下や、リング圧延中にロールと直接接触することによる温度低下を抑制するものである。
図1や図2に示すように、圧延素材1の主ロール11やマンドレルロール12と接触する面に形成されるのは、セラミックス層からなる被覆層(3A,3B)である。セラミックス層からなる被覆層は、保温機能を高める他、セラミックス層からなる被覆層を有する圧延素材1は、熱間圧延の温度で軟化せず潤滑機能が低い、主ロール11やマンドレルロール12と圧延素材1とが滑りにくくなって、回転駆動する主ロールの駆動を圧延素材に確実に伝えることができる。そのため、リング圧延中の主ロール11やマンドレルロール12または圧延素材1の空回りを防止して、形状不良を発生させるリスクを低下させることができる。中でも被覆層(3A,3B)として特に、例えば、アルミナ、マイカを含有したものが耐熱性、空回り防止の観点からも有効である。また、前記の効果を得るためには被覆層の厚さを350〜900μmとすることが最適である。これは、350μmを未満の厚さになると前記効果が小さくなり、一方、900μmを超える厚さとなると被覆層が圧延時に剥がれ落ちやすくなるためである。
更に本発明では、図3に示すように前記のガラス層からなる被覆層2が、更に断熱材4で被覆されても良い。用いる断熱材としてはシート状のセラミックスファイバー製やガラスファイバー製のものを用いると良い。これらの断熱材による被覆の目的は主として2つある。第一の目的は、リング圧延温度に加熱した圧延素材をリング圧延機に設置する際の温度低下の防止である。被覆層はガラス層に対して厚みがおおよそ5〜20倍あるため熱伝導率が低く一層の温度低下の防止効果が得られる、第2の目的は、断熱材で被覆することによって、ガラス層の温度を高温に維持するものである。ガラス層を高温に維持することで、ガラス層が有する潤滑機能を十分に発揮させることができる。なお、断熱材4はリング圧延の初期に剥がれ落ちるようにアキシャルロールと接する面全体に配置して、断熱材4が剥がれ落ちた後は、高温に維持されたガラス層の潤滑機能により、リング圧延を継続すると良い。断熱材の被覆の方法としてはガラス層を再度塗布し、断熱材と接着させる。
なお、「セラミックス層」と「ガラス層」は、共に液状で圧延素材に被覆させるが、セラミックス層は、セラミックス粒子を含むスラリー状となっている。セラミックス層中のセラミックス粒子はリング圧延中に粉砕され、その粉砕されたセラミックス粒子の影響で潤滑性能を低くすることができるものと考えられる。
被覆する際は80〜110℃に圧延素材を予熱してから行う。これは予熱することにより被覆した瞬間に被覆材の水分を飛ばし、均一な膜厚とすることが目的である。また、上記の断熱材を更に被覆する場合は、予め形状を整えた断熱材をガラス層上に被覆すると良い。
被覆層を形成した圧延素材は、リング圧延温度に加熱された加熱炉内に投入し、所定の温度まで加熱を行う。例えば、718合金などのNi基超耐熱合金であれば、その加熱温度は980〜1000℃で十分である。
被覆層が形成された圧延素材は、その被覆層が圧延素材の温度低下を防止する保温効果を有するため、最も温度低下が激しい、加熱炉から圧延素材を搬出しリング圧延機に取り付けるまでの間の温度低下を抑制することができる。また、リング圧延中の圧延素材とロールとが直接接触することも防止できるため、リング圧延中の圧延素材の温度低下も抑制することができる。例えば、被覆層を形成しない場合は、百数十度の温度低下が生じる場合がある。これに対して、被覆層を設けておくとおおよそ70℃以下の温度低下とすることができ、更に断熱材を用いると50℃以内の温度低下とすることが可能である。
図1に示すリング圧延機においては、所定の回転速度で回転可能な主ロール11と軸周りに従動回転できるマンドレルロール12とが、圧延素材1の径方向外周面と内周面とに対向配置され、また、このリング圧延機は、圧延素材1の高さ方向の上面および下面に対向配置された2つのアキシャルロール13を備えている。リング圧延中の圧延素材1の芯ずれを低減するために、主ロール11の両脇に従動回転できるガイドロールを配置し、且つ圧延素材1の外周部を支持しながらリング圧延すると、より安定したリング圧延が可能となる。
リング圧延は、マンドレルロール12の外周面を圧延素材1の内周面に接触させた状態で行われる。リング圧延中に、主ロール11とマンドレルロール12との間におけるロール間距離を徐々に狭めることによって、圧延素材1の径方向内周面および外周面間の部分が肉厚方向に圧下される。これにより、圧延素材1の径を広げることができる。
上下に配置された一対のアキシャルロール13は、おおよそ20〜45°の頂角を有する円錐形状または円錐台形状に形成されており、さらに、一対のアキシャルロール13は、圧延素材1を高さ方向に押圧加工して高さ方向の寸法を調整するため、それぞれ圧延素材1の略中心に先端を向けるように配置されている。なお、リング圧延中において、一対のアキシャルロール13は、圧延素材1の回転数に合わせて駆動回転するものになっているが、従動回転するものになっていてもよい。
その後、マンドレルロール12を径方向外方(外周側)に徐々に移動させることによって、主ロール11とマンドレルロール12との間隔が徐々に狭まって、圧延素材1が肉厚方向に圧下され、圧延素材1の周方向に沿って連続的に塑性変形が与えられることになる。
以上、説明する本発明のリング圧延方法によれば、リング圧延用の圧延素材の温度低下を抑制しつつ、所望の形状に安定的にリング圧延することが可能となる。
2 被覆層(ガラス層)
3A,3B 被覆層(セラミックス層)
4 断熱材
11 主ロール
12 マンドレルロール
13 アキシャルロール
Claims (2)
- 少なくとも主ロールとマンドレルロールと一対のアキシャルロールとを有するリング圧延機を用いて、リング状の圧延素材の径を広げつつ、前記圧延素材の高さを押圧加工して、リング状の圧延素材を熱間圧延するリング圧延方法において、
前記アキシャルロールと接触する面に熱間圧延の温度で軟化するガラス層が塗布または噴霧されてなる被覆層を有し、且つ、前記主ロールに接触する面とマンドレルロールに接触する面とに熱間圧延の温度で軟化しないスラリー状のセラミックス層が塗布または噴霧されてなる被覆層を有する圧延素材を用いてリング圧延を行うことを特徴とするリング圧延方法。 - 前記ガラス層がシート状のセラミックスファイバー製、または、ガラスファイバー製の断熱材で更に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のリング圧延方法。
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2016
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