JP6777188B2 - 中継装置 - Google Patents
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Description
[第1実施形態]
〈構成〉
図1に示す実施形態の通信システム1は、乗用車等の車両に搭載されるイーサネットネットワークの通信システムであり、イーサネットスイッチ10と、複数(この例では3つ)の制御装置であるECU11〜13とを備える。ECUは、「Electronic Control Unit:電子制御装置」の略である。
ECU11〜13間で通信されるフレーム(換言すれば、イーサネットスイッチ10が中継する通信フレーム)は、例えば図2に示すように、VLAN(Virtual Local Area Network)タグ付きのイーサネットフレームである。このイーサネットフレームは、プリアンブル、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、VLANタグ、タイプ、データ、およびFCS(Frame Check Sequence)の各領域を備える。
イーサネットスイッチ10の制御部25が行う異常対応処理について、図3を用い説明する。図3の異常対応処理は、各ポート21〜23を対象にしてそれぞれ実行される処理であり、ECU11〜13の何れかから送信されたフレームが対象のポートに入力されると開始される。
まず、フレームの送信側であるECUは、送信するフレームの特定部分に対して、予め定められたアルゴリズムの演算を行い、その演算結果を、誤り検出用データとして、フレームのFCS領域に配置する。本実施形態において、演算対象とされる特定部分は、宛先MACアドレスからデータまでの部分である。
異常通知フレームは、異常と判定された受信フレーム(以下、異常フレームともいう)の送信元であるECU(以下、送信元ECUという)へ、フレームの異常が発生したことを通知するためのフレームである。送信元ECUは、送信元装置に相当する。
また、異常通知フレームの宛先MACアドレス領域には、送信元ECUを示すMACアドレスが配置される。例えば、対象ポートがポート21であるとすると、送信元ECUはECU11であるため、異常通知フレームの宛先MACアドレス領域には、ECU11を示すMACアドレスが配置されることとなる。
対象ポートを切断するとは、対象ポートを通信の中継対象から除外するということであり、より具体的には、対象ポートと他のポートとの間でのフレームの中継を実施しない、ということである。このため、対象ポートが切断されると、対象ポートに入力されるフレームが他のポートから出力されたり、他のポートから入力されたフレームが対象ポートから出力されたりすることがない。
例えば、図1における矢印Y1で示すように、ECU11から、ECU12又はECU13を宛先とするフレームが送信され、そのフレームが、通信線31の異常やノイズ等によって破壊されたとする。
イーサネットスイッチ10の制御部25は、異常と判定した受信フレームを破棄した場合に、その異常な受信フレームの送信元である送信元ECUへ、異常通知フレームを送信する。よって、送信元ECUは、送信したフレームが異常になったことを、イーサネットスイッチ10からの異常通知フレームによって知ることができる。このため、送信元ECUは、フレームの再送などの処置を実施することができるようになる。
次に、第2実施形態の通信システムについて説明するが、通信システムの符号としては、第1実施形態と同じ“1”を用いる。また、第1実施形態と同様の構成要素や処理についても、第1実施形態と同じ符号を用いる。そして、このことは、後述する他の実施形態についても同様である。
つまり、第2実施形態のイーサネットスイッチ10における制御部25は、ポート21〜23の各々について、受信フレームが異常となった連続回数を、異常カウント値としてカウントしている(S160,S165)。そして、制御部25は、ポート21〜23のうち、異常カウント値が閾値N1以上になったポートを切断する(S170:YES、S180)。
[第3実施形態]
第3実施形態の通信システム1は、第2実施形態と比較すると、イーサネットスイッチ10の制御部25が、図4の異常対応処理に代えて、図5の異常対応処理を行う点が異なる。そして、図5の異常対応処理は、図4の異常対応処理と比較すると、S160〜S180に代えて、S210〜260が設けられている点が異なる。
制御部25は、S210では、カウント値に、0よりも大きい所定の重み付け係数M1を加算する。カウント値は、受信フレームが異常となった頻度を表す評価値に相当する。そして、カウント値は、その値が大きいほど、受信フレームが異常となった頻度が高いことを示す。また、カウント値の初期値は0である。
また、制御部25は、S120にて、受信フレームが正常であると判定した場合には、S215に進み、カウント値から、0よりも大きい所定の重み付け係数M2を減算する。そして、その後、S240に進む。
制御部25は、カウント値が第2閾値Nb以下ではないと判定した場合には(S250:NO)、そのまま当該異常対応処理を終了するが、カウント値が第2閾値Nb以下であると判定した場合には(S250:YES)、S260に進む。
変形例として、図5の異常対応処理は、例えば下記《1》〜《3》のように変形しても良い。
《2》S215では、正常受信回数をカウントするための正常カウント値のカウントアップを行う。
〈第3実施形態の変形例2〉
図5の異常対応処理において、S240〜S260を削除しても良い。その場合、S230でのポート切断処理としては、対象ポートのトランシーバの動作を停止させる処理を行っても良い。
第4実施形態の通信システム1は、第1〜3実施形態と比較すると、イーサネットスイッチ10の制御部25が、図6の中継不能通知処理を更に実行する点が異なる。
中継不能通知フレームは、切断ポート宛てのフレームを送信してきたECU(以下、送信実施ECUという)へ、フレームの中継が不能なことを通知するためのフレームである。送信実施ECUは、送信実施装置に相当する。
また、中継不能通知フレームのデータ領域には、送信実施ECUから受信したフレームのデータ領域のデータが、そのままコピーされて配置される。このため、中継不能通知フレームを受信した送信実施ECUは、中継不能通知フレームのデータ領域のデータにより、その中継不能通知フレームが、当該ECUが送信したフレームのうち、どのフレームに対するものであるかを識別することができる。つまり、送信実施ECUは、どのフレームが中継されないのか(換言すれば、送信先のECUに届かないのか)を判別することができる。中継不能通知フレームのデータ領域に配置されるデータは、「中継不能通知フレームが、送信実施ECUから送信されたフレームのうち、どのフレームに対するものであるかを識別可能な情報(以下、中継不能フレーム情報という)」に相当する。
このような第4実施形態のイーサネットスイッチ10によれば、切断ポート宛てのフレームを送信した送信実施ECUは、その送信したフレームが中継されないことを、中継不能通知フレームによって知ることができる。このため、送信実施ECUは、例えば、自身が送信したフレームが送信先のECUに届かないことによる不具合を防止あるいは抑制するためのフェールセーフ処理を、適切に行うことができるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。また、前述の数値も一例であり他の値でも良い。
Claims (6)
- 複数のポート(21〜23)を有し、前記各ポートに通信線(31〜33)を介して接続される制御装置(11〜13)間での通信を中継する中継装置(10)であって、
前記複数のポートの各々について、そのポートから受信されたフレームである受信フレームが、正常か異常かを判定する判定手段(S120)と、
前記複数のポートの各々について、前記判定手段により前記受信フレームが異常と判定された回数である異常受信回数に第1の係数を乗じた値から、前記判定手段により前記受信フレームが正常と判定された回数である正常受信回数に第2の係数を乗じた値を引いた値を、評価値として算出する算出手段(S210,S215)と、
前記複数のポートのうち、前記評価値が所定の閾値以上になったポートを、通信の中継対象から除外するポート切断手段(S220,S230)と、
を備えることを特徴とする中継装置。 - 請求項1に記載の中継装置において、
前記第2の係数は、前記第1の係数よりも小さい値である、ことを特徴とする中継装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の中継装置において、
前記ポート切断手段により通信の中継対象から除外されたポートについての前記評価値が、前記閾値よりも小さい復帰用閾値以下となった場合に、そのポートを通信の中継対象に復帰させるポート復帰手段(S250,S260)、を備えること、
を特徴とする中継装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の中継装置において、
前記複数のポートのうち、前記ポート切断手段により通信の中継対象から除外されたポートである切断ポート以外のポートから、前記切断ポートに接続されている制御装置宛てのフレームが受信された場合に、そのフレームの送信元の制御装置である送信実施装置へ、そのフレームの中継が不能なことを通知するための中継不能通知フレームを送信する中継不能通知手段(S310〜S330)、を備えること、
を特徴とする中継装置。 - 請求項4に記載の中継装置において、
前記中継不能通知フレームには、当該中継不能通知フレームが、前記送信実施装置から送信されたフレームのうち、どのフレームに対するものであるかを識別可能な情報が含まれること、
を特徴とする中継装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の中継装置において、
前記判定手段は、
前記受信フレームのビット数が正常値か否かを判定するビット数判定と、
前記受信フレームに含まれる誤り検出用データを用いて前記受信フレームのデータ誤りを検出する誤り検出と、を行い、
前記ビット数判定により前記受信フレームのビット数が正常値でないと判定するか、あるいは、前記誤り検出により前記受信フレームのデータ誤りを検出した場合に、前記受信フレームが異常と判定し、
前記ビット数判定により前記受信フレームのビット数が正常値であると判定し、且つ、前記誤り検出により前記受信フレームのデータ誤りを検出しなかった場合に、前記受信フレームが正常と判定すること、
を特徴とする中継装置。
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