図1は、実施形態における回転電機制御システム10の回路図である。回転電機制御システム10は、直流電源12、回転電機14、第1駆動回路40、第2駆動回路42及び制御装置44を含んで構成される。回転電機14は、電動機または発電機として機能するものであり、ロータ16(図2、図3)に作る界磁磁束を制御可能に構成される。
図2は、回転電機14を示す図である。図3は、回転電機14を構成するロータ16の斜視図である。図4は、回転電機14を構成するステータ30の斜視図である。図5は、回転電機14において、強め界磁制御を行う場合を説明するための図3のA−A断面相当図である。図6は、回転電機14において、強め界磁制御を行う場合を説明するための図3のB−B断面相当図である。なお、回転電機の構成は、図2から図6の構成に限定するものではなく、後述のように、図23、図24、または図25から図27に示す構成であってもよい。
図2から図6に示す回転電機14は、特許文献1に記載された構成と同様の構成を有する。具体的には、回転電機14は、非磁性のシャフト15に固定されたロータ16と、ロータ16の外径側に配置されたステータ30とを含む。シャフト15は、ケーシング14aに対し軸受により回転可能に支持される。
ロータ16は、ラジアルロータ17と、2つのアキシャルロータ21,22とを有する。ラジアルロータ17は、ロータ16の軸方向中間部に形成され、ステータ30と空隙(エアギャップ)を介して半径方向に対向する。2つのアキシャルロータ21,22は、ロータ16の軸方向両端部に形成され、ステータ30の軸方向両端とロータ回転軸線と平行方向(回転軸方向)に対向する。ラジアルロータ17及びアキシャルロータ21,22は、機械的かつ磁気的に連結される。
ラジアルロータ17は、円筒状のラジアルコア部18の外周部において周方向等間隔の複数位置に配置された複数のラジアル磁石19(図3)を含む。ラジアル磁石19は、半径方向に互いに同方向に着磁され、各ラジアル磁石19の表面は、同じ極性(例えばN極)に着磁される。また、ラジアルコア部18の外周部において、隣り合うラジアル磁石19の間には、半径方向外側に突出するラジアル突極部20が形成される。
アキシャルロータ21,22は、円板状のアキシャルコア部23において、ステータ30と回転軸方向に対向する内側面に配置された複数のアキシャル磁石24を含む。複数のアキシャル磁石24は、アキシャルコア部23の内側面において、周方向等間隔の複数位置に配置される。アキシャル磁石24は、回転軸方向に互いに同方向に着磁され、各アキシャル磁石24の表面は、同じ極性(例えばS極)に着磁される。また、アキシャルコア部23の外周部において、隣り合うアキシャル磁石24の間には、回転軸方向において、ステータ30側に突出するアキシャル突極部25(図3)が形成される。
さらに、ラジアル磁石19は、各アキシャルロータ21,22のアキシャル磁石24と同数が設けられ、ラジアル突極部20も、各アキシャルロータ21,22のアキシャル突極部25と同数が設けられる。アキシャル磁石24は、ラジアル磁石19に対して周方向に関する位置をずらして配置され、アキシャル突極部25も、ラジアル突極部20に対して周方向に関する位置をずらして配置される。そして、アキシャル磁石24とラジアル突極部20とが、周方向に関して同じ位置に配置される。また、アキシャル突極部25とラジアル磁石19とが、周方向に関して同じ位置に配置される。また、各アキシャル磁石24の表面(ステータ30と対向する磁極面)は、各ラジアル磁石19の表面(ステータ30と対向する磁極面)と逆の極性に着磁される。例えば、各ラジアル磁石19の表面がN極に着磁されるときに、各アキシャル磁石24の表面はS極に着磁される。なお、各ラジアル磁石19の表面がS極に着磁され、各アキシャル磁石24の表面がN極に着磁されてもよい。
一方、ステータ30は、環状のコア部31と、2つの界磁巻線32,33と、3相の電機子巻線34とを含んで構成される。コア部31は、内周面の周方向等間隔の複数位置において、半径方向内側に突出するように複数のラジアルティース31aが形成される。また、コア部31の軸方向両端部において、周方向に関してラジアルティース31aと同位置には、複数のアキシャルティース31bが回転軸方向外側に突出するように形成される。3相の電機子巻線34は、ラジアルティース31a間のスロット及びアキシャルティース31b間のスロットを通って(例えば分布巻等で)トロイダル巻きされる。環状のコア部31、ラジアルティース31a、及びアキシャルティース31bを含むステータ30の鉄心部分は、磁性材製の粉末が樹脂等のバインダで一体化されたものでもよい。電機子巻線34は、第2ステータ巻線に相当する。
また、ステータ30のコア部31において、複数のラジアルティース31aの軸方向両端部であって、複数のアキシャルティース31bの半径方向内端部に位置する部分には、段部が形成される。また、コア部31の軸方向両端部には、複数の段部の内側に位置するように、円環状の界磁巻線32,33が配置される。これにより、界磁巻線32,33は、半径方向に関して各アキシャルティース31bよりもラジアルロータ17側(内側)であって、回転軸方向に関して各ラジアルティース31aよりもアキシャルロータ21,22側(外側)に配置される。また、界磁巻線32,33は、各ラジアルティース31a、各アキシャルティース31b、及び各電機子巻線34と近接して配置される。界磁巻線32,33は、絶縁体により電機子巻線34と電気的に絶縁される。また、界磁巻線32,33は、ステータ30に対し、例えば、図4に示すように、電機子巻線34の上から繊維35等で縛ることで固定してもよいし、ステータ全体を樹脂でモールドすることにより固定してもよい。界磁巻線32,33は、第1ステータ巻線に相当する。
界磁巻線32,33に直流電流が流れることで、ロータ16に界磁を作り、ロータ16のラジアルロータ17及びアキシャルロータ21,22と、ステータ30のコア部31とを通る界磁磁束を発生させる。電機子巻線34に交流電流が流れることでロータ16の界磁との相互作用によりトルクを発生させる磁界を形成する。ラジアルロータ17では、界磁巻線32,33に直流電流が流れることでラジアル突極部20が磁化される。アキシャルロータ21,22では、界磁巻線32,33に直流電流が流れることで、アキシャル突極部25がラジアル突極部20とは逆の極性に磁化される。
例えば、図3に示す例では、ラジアル磁石19及びアキシャル磁石24による界磁磁束は、ラジアル磁石19→エアギャップ→ラジアルティース31a→コア部31の環状部分→アキシャルティース31b→エアギャップ→アキシャル磁石24に達する。そして、ラジアル磁石19及びアキシャル磁石24による界磁磁束は、アキシャル磁石24→アキシャルコア部23→ラジアルコア部18→ラジアル磁石19に達するように閉磁路を通る。さらに、界磁巻線32,33に直流電流を流すことで界磁磁束が発生する。この直流電流による界磁磁束は、ラジアル突極部20、ラジアルコア部18、アキシャルコア部23、アキシャル突極部25、エアギャップ、アキシャルティース31b、コア部31、ラジアルティース31a、エアギャップ、及びラジアル突極部20を順に通る。そして、この界磁磁束は、電機子巻線34に交流電流を流すことでステータ30に発生する回転磁界と相互作用する。その際に、各ラジアル突極部20の表面は互いに同じ極性に磁化し、各アキシャル突極部25の表面は互いに同じ極性に磁化する。また、各アキシャル突極部25の表面は、各ラジアル突極部20の表面と逆の極性に磁化する。界磁巻線32,33による界磁磁束の方向は、界磁巻線32,33に流す直流電流の向きにより制御できる。
強め界磁制御を行う場合は、図5、図6に示すように、各界磁巻線32,33に直流電流(界磁電流)を流す。図5、図6において、白丸の内側に黒丸を付した部分は図面の手前方向に電流が流れる場合を表し、白丸の内側に×を付した部分は図面の奥側に電流が流れる場合を表す。このとき、各ラジアル突極部20の表面が各ラジアル磁石19の表面とは逆の極性(例えばS極)に磁化し、各アキシャル突極部25の表面が各アキシャル磁石24の表面とは逆の極性(例えばN極)に磁化する。これによって、界磁巻線32,33による界磁磁束は、アキシャル突極部25→エアギャップ→アキシャルティース31b→コア部31の環状部分→ラジアルティース31a→エアギャップ→ラジアル突極部20に達する。そして、この界磁磁束は、ラジアル突極部20→ラジアルコア部18→アキシャルコア部23→アキシャル突極部25に流れるように、閉磁路を通る。図5、図6において、白丸内に「→A」を示す部分は断面A−A(図5)へ磁束が流れる場合を表し、白丸内に「A→」を示す部分は断面A−A(図5)から磁束が流れ込む場合を表す。白丸内に「→B」を示す部分は断面B−B(図6)へ磁束が流れる場合を表し、白丸内に「B→」を示す部分は断面B−B(図6)から磁束が流れ込む場合を表す。この場合には、界磁巻線32,33による界磁磁束とラジアル磁石19及びアキシャル磁石24による界磁磁束とが、コア部31の環状部分を周方向に通るときに互いに同方向となる。そのため、界磁巻線32,33に直流電流を流さない場合よりも電機子巻線34に鎖交する界磁磁束が増加する。したがって、強め界磁制御を行うことが可能である。
一方、弱め界磁制御を行う場合には、図5、図6に示す場合とは、界磁巻線32,33に逆方向の直流電流を流す。この場合には、界磁巻線32,33による界磁磁束とラジアル磁石19及びアキシャル磁石24による界磁磁束とが、コア部31の環状部分を周方向に通るときに互いに逆方向となる。そのため、界磁巻線32,33に直流電流を流さない場合よりも電機子巻線34に鎖交する界磁磁束が減少する。このように回転電機14を用いて界磁磁束を制御することが可能である。
図1に戻って、第1駆動回路40及び第2駆動回路42は、直流電源12に対し並列に接続される。第1駆動回路40は、フルブリッジ回路で構成される。具体的には、第1駆動回路40は、並列接続された第1アームA1及び第2アームA2を含む。また、各アームA1,A2には2つのスイッチング素子S1,S2(またはS3,S4)が直列に接続され、各スイッチング素子の両端には、各スイッチング素子の電流方向とは逆方向の電流が流れるようにダイオードが並列接続される。界磁巻線32,33の一端は、第1アームA1のスイッチング素子S1,S2間の中点に接続され、界磁巻線32,33の他端は、第2アームA2のスイッチング素子S3,S4間の中点に接続される。図1では、図面の簡略化のために、2つの界磁巻線32,33の一方の界磁巻線のみを示しているが、他方の界磁巻線も第1駆動回路40に一方の界磁巻線と同様に接続される。また、2つの界磁巻線32,33は、直列接続されてもよい。また、第1アームA1の正側のスイッチング素子S1及び第2アームA2の負側のスイッチング素子S4のスイッチング制御により、正の界磁電流の大きさを制御できる。一方、第1アームA1の負側のスイッチング素子S2及び第2アームA2の正側のスイッチング素子S3のスイッチング制御により、負の界磁電流の大きさを制御できる。これにより、第1駆動回路40は、界磁巻線32,33の電流をスイッチングによって制御する。なお、界磁制御では、強め界磁制御及び弱め界磁制御の一方のみの制御を行う構成としてもよい。
一方、第2駆動回路42は、3相インバータである。具体的には、第2駆動回路42は、並列接続されたU相アームB1、V相アームB2及びW相アームB3を含む。また、各アームB1,B2,B3には2つのスイッチング素子Sa、Sbが直列に接続され、各スイッチング素子Sa、Sbの両端には、各スイッチング素子の電流方向とは逆方向の電流が流れるようにダイオードが並列接続される。3相の電機子巻線34は、U相電流が流れるU相巻線、V相電流が流れるV相巻線、及びW相電流が流れるW相巻線を含む。図1では、U相巻線、V相巻線、W相巻線にそれぞれu、v、wの符号を付している。第2駆動回路42は、3相の電機子巻線34の電流をスイッチングによって制御する。図1では、各相の電機子巻線34を簡略化して示して、各相で1つのみとしているが、実際には、各相で複数の巻線が直列に接続される。
U相巻線の一端は、U相アームB1のスイッチング素子Sa、Sb間の中点に接続される。V相巻線の一端は、V相アームB2のスイッチング素子Sa、Sb間の中点に接続される。W相巻線の一端は、W相アームB3のスイッチング素子Sa、Sb間の中点に接続される。U相巻線、V相巻線及びW相巻線の他端は、中性点Gで共通に接続される。
また、制御装置44は、第1駆動回路40及び第2駆動回路42のスイッチングを制御する。制御装置44は、発生または入力されたトルク指令に基づいて、スイッチングの指令信号を生成し、その指令信号によって、第2駆動回路42のスイッチングを制御する。また、制御装置44は、予め設定された強め界磁制御条件及び弱め界磁制御条件の一方の成立に基づいて、対応する界磁制御を行うように第1駆動回路40のスイッチング制御を行う。なお、図1では、第1駆動回路40及び第2駆動回路42に共通の直流電源12を接続する場合を示しているが、互いに異なる直流電源が接続されてもよい。
上記の回転電機制御システム10のように、第1駆動回路40及び第2駆動回路42のスイッチングを制御する構成では、それぞれのスイッチングで、電機子巻線を流れる交流電流と界磁巻線を流れる直流電流(界磁電流)とに高調波電流が発生する可能性がある。そして、その高調波電流によって、回転電機14のステータ30及びロータ16のコア部に高調波磁束変動が生じて、その磁束変動により鉄損が増大する可能性がある。このとき、3相交流電流の高調波電流により、ステータ30及びロータ16のコア部に高調波の磁束変動が生じるとともに、直流電流の高調波電流によっても、ステータ30及びロータ16のコア部に高調波の磁束変動が生じる。
このような不都合を解消するために、実施形態では、制御装置44は、回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、第1駆動回路40及び第2駆動回路42の少なくとも一方の駆動回路についての高調波電流が調整されている。具体的には、制御装置44は、一方の駆動回路におけるスイッチングによって生じる高調波電流の周波数、位相、及び振幅の少なくとも1つが調整されている。より具体的には、図2から図6に示した回転電機14では、3相の電機子巻線34に流れる3相交流電流で作られる磁束の磁気回路と、界磁巻線32,33に流れる直流電流で作られる磁束の磁気回路とで、共通して磁束が流れる部分がある。これにより、上記のように、回転電機14で3相交流電流に基づいて生じる高調波磁束変動と、直流電流に基づいて生じる高調波磁束変動とを減衰させるように、高調波電流の周波数、位相、及び振幅の少なくとも1つが調整された構成を採用する。このとき、実施形態の回転電機制御システムの調整方法は、制御装置44において、回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、高調波電流の周波数、位相、及び振幅の少なくとも1つを調整する。そして、これにより、ステータ及びロータのコア部に生じる高調波磁束変動を相殺または抑制することができるので、回転電機14における鉄損の低減を図れる。
図7は、図1に示す回転電機制御システム10を構成する制御装置44の機能構成を示すブロック図である。制御装置44は、制御信号生成部45と、キャリア信号発生回路46と、第1スイッチング信号生成部47と、第2スイッチング信号生成部48とを有する。制御信号生成部45は、外部制御部または制御装置44で作成されたトルク指令信号が入力され、そのトルク指令信号に基づいて、変調度を表す電圧指令信号としての制御信号が生成される。その制御信号は、界磁電流制御用の界磁制御信号J1と、3相交流電流制御用の駆動制御信号J2とを有する。
界磁制御信号J1は、第1スイッチング信号生成部47に入力される。また、駆動制御信号J2は、第2スイッチング信号生成部48に入力される。キャリア信号発生回路46は、界磁電流制御用の第1キャリア信号K1と、3相交流電流制御用の第2キャリア信号K2とを生成する。第1キャリア信号K1は、第1スイッチング信号生成部47に入力される。また、第2キャリア信号K2は、第2スイッチング信号生成部48に入力される。
第1スイッチング信号生成部47は、界磁制御信号J1と第1キャリア信号K1とを比較し、PWM信号としての第1スイッチング信号を生成する。この第1スイッチング信号により第1駆動回路40のスイッチングが制御される。第2スイッチング信号生成部48は、駆動制御信号J2と第2キャリア信号K2とを比較し、PWM信号としての第2スイッチング信号を生成する。この第2スイッチング信号により第2駆動回路42のスイッチングが制御される。
このとき、制御装置44は、高調波電流の周波数の調整として、第1駆動回路40の制御で用いる第1キャリア信号K1の周波数f1と、第2駆動回路42の制御で用いる第2キャリア信号K2の周波数f2との少なくとも一方が調整されている。具体的には、第1キャリア信号K1の周波数f1と第2キャリア信号K2の周波数f2とが一致するように周波数f1、f2の少なくとも一方が調整されている。これにより、制御装置44は、回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、第1駆動回路40及び第2駆動回路42の少なくとも一方の駆動回路におけるスイッチングによって生じる高調波電流の周波数が調整されている。
回転電機14において、第2駆動回路42のスイッチングで生じる磁束変動は、第2キャリア信号K2の周波数f2の2次の高調波成分が大きいことが分かっている。上記のように、周波数f1,f2の少なくとも一方を調整することにより、ステータ及びロータのコア部に生じる高調波磁束変動のうち、特に2次の高調波成分を相殺または抑制することができる。このとき、第1駆動回路40のスイッチングによって生じる高調波電流に基づき回転電機14に生じる高調波磁束変動を「第1の高調波磁束変動」と定義する。また、第2駆動回路42のスイッチングによって生じる高調波電流に基づき回転電機14に生じる高調波磁束変動を「第2の高調波磁束変動」と定義する。この場合に、第1の高調波磁束変動と第2の高調波磁束変動とは、ステータ及びロータの少なくとも一方のコア部において磁束が共通して通過する部分で位相が180度ずれるように構成される。このために、例えば、後述のようにキャリア信号の位相を調整したり、界磁巻線32,33の巻き方向を調整する。これにより、コア部での高調波磁束変動を減衰できることにより、回転電機14における鉄損の低減を図れる。また、この鉄損の低減を図るために、特許文献4−6に記載された構成のように、磁束フィルタ用巻線を設けたり、駆動回路についての部品数が過度に増大することがない。この結果、回転電機制御システムにおいて、磁束フィルタ用巻線を設けず、かつ、駆動回路についての部品数の増大を抑制し、かつ、駆動回路の駆動時に生じる高調波電流による鉄損を低減できる。
図8は、実施形態の別例における回転電機制御システム10の回路図である。図8に示す別例では、図1から図7の構成において、第1駆動回路40は、ハーフブリッジ回路により構成される。具体的には、図8の構成は、図1の構成において、第1駆動回路40は、第2アームA2を省略し、かつ、界磁巻線32,33の一端が第1アームA1の中点に接続され、他端が第1アームA1の負極側端に接続される。このような別例の構成では、界磁巻線32,33に一方向にしか電流を流すことができない。これにより、強め界磁制御及び弱め界磁制御の一方のみが可能である。また、上記のように第2駆動回路42のスイッチングで生じる磁束変動は、第2キャリア信号K2の周波数f2の2次の高調波成分が大きい。このため、制御装置44(図1参照)において、この2次の高調波成分に基づいてコア部に生じる高調波磁束変動を減衰させるように、第1キャリア信号K1の周波数f1が、第2キャリア信号K2の周波数f2の2倍にされている。このとき、第1の高調波磁束変動と第2の高調波磁束変動の2次の高調波成分とは、ステータ及びロータの少なくとも一方のコア部において磁束が共通して通過する部分で位相が180度ずれるように構成される。その他の構成及び作用は、図1から図7の構成と同様である。
図9は、実施形態の別例における回転電機制御システム10の回路図である。図9に示す別例では、図1から図7の構成において、第1駆動回路40は、チョッパ回路により構成される。具体的には、第1駆動回路40は、第1アームA1において、スイッチング素子S1と、ダイオードD1とが直列に接続される。このとき、ダイオードD1のカソードとスイッチング素子S1のエミッタとが第1アームA1の中点で接続される。そして、第1アームA1の中点に界磁巻線32,33の一端が接続され、界磁巻線32,33の他端は、第1アームA1の負極側端に接続される。図9の構成の場合においても、図8の構成と同様に、界磁巻線32,33に一方向にしか電流を流すことができない。このため、制御装置44(図1参照)において、第2駆動回路42のスイッチングで生じる磁束変動のうち、第2キャリア信号K2の周波数の2次の高調波成分に基づいてコア部に生じる高調波磁束変動を減衰させる。このために、制御装置において、この高調波磁束変動を減衰させるように、第1キャリア信号K1の周波数f1が、第2キャリア信号K2の周波数f2の2倍にされている。その他の構成及び作用は、図1から図7の構成、または図8の構成と同様である。
次に、高調波電流の位相の調整について説明する。図1から図7の構成において、高調波電流の位相を調整する場合には、制御装置44において、第1駆動回路40の制御で用いる第1キャリア信号K1の位相、及び第2駆動回路42の制御で用いる第2キャリア信号K2の位相の少なくとも一方が調整される。そして、これにより、制御装置44において、第1駆動回路40及び第2駆動回路42の少なくとも一方の駆動回路におけるスイッチングによって生じる高調波電流の位相が調整される。このとき、第1の高調波磁束変動と第2の高調波磁束変動とは、ステータ及びロータの少なくとも一方のコア部において磁束が共通して通過する部分で位相が180度ずれるように構成される。
図10は、第1キャリア信号K1の位相変更前において、3相交流電流におけるU相電流、その生成のための制御信号及び第2キャリア信号K2(a)と、界磁電流、その生成のための制御信号及び第1キャリア信号K1(b)とを示す図である。図11は、第1キャリア信号K1の位相変更前において、U相電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化(a)と、界磁電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化(b)とを示す図である。図12は、第1キャリア信号K1の位相変更前において、U相電流及び界磁電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化を示す図である。
図10に示すように、電機子巻線34に流れるU相電流(a)と界磁巻線32,33に流れる界磁電流(b)とでは、スイッチングによって高調波電流が重畳されている。なお、図10(a)では、3相交流電流のうち、U相電流のみを示しているが、V相電流、W相電流も位相が120度ずつ異なるだけで同様の傾向を有する。これにより、3相交流電流と界磁電流との高調波電流で生じる高調波磁束変動が、回転電機14の磁性体部分、例えばステータのコア部の環状部分で生じる。そして、第2の高調波磁束変動の磁束密度は、図11(a)で示され、第1の高調波磁束変動の磁束密度は、図11(b)で示される。また、3相交流電流と界磁電流とを電機子巻線34及び界磁巻線32,33にそれぞれ同時に流したときには、図11の例ではU相電流に基づく高調波の磁束密度変動と、界磁電流に基づく高調波の磁束密度変動との位相が同じである。これにより、図12のように、U相電流に基づく高調波磁束密度変動と界磁電流に基づく高調波磁束密度変動とが合成されたときに、高調波磁束密度変動は増加し、回転電機14における鉄損が増大する。
このような不都合を解消するために、本例の構成では、第1駆動回路40の制御に用いる第1キャリア信号K1の位相を調整する。図13は、第1キャリア信号K1の位相変更後において、U相電流、その生成のための制御信号及び第2キャリア信号K2(a)と、界磁電流、その生成のための制御信号及び第1キャリア信号K1(b)とを示す図である。図14は、第1キャリア信号K1の位相変更後において、U相電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化(a)と、界磁電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化(b)とを示す図である。図15は、第1キャリア信号K1の位相変更後において、U相電流及び界磁電流によってステータのコア部に形成される磁束密度の時間的変化を示す図である。
図13(b)に示すように、制御装置44(図1参照)は、第1キャリア信号K1を図10に示した場合の位相と異ならせるように位相を変更する。これにより、図13(b)に示すように、図10(b)に示した場合の位相と異なるように、界磁電流の位相が変化する。このため、図14(b)に示すように、図11(b)に示した場合の位相と異なるように、界磁電流に基づいてステータのコア部に生じる磁束密度の変動の位相が変化する。したがって、図15に示すように、U相電流に基づく高調波磁束密度変動と、界磁電流に基づく高調波磁束密度変動とが相殺される。
上記では、第1キャリア信号K1の位相が調整された場合を説明したが、第2キャリア信号K2の位相を調整することにより、第1キャリア信号K1の位相が調整された場合の構成と同様の効果を得ることもできる。
次に、高調波電流の振幅の調整について説明する。図1から図7の構成において、高調波電流の振幅を調整する場合には、制御装置44において、第1駆動回路40及び第2駆動回路42の少なくとも一方の駆動回路におけるスイッチングによって生じる高調波電流の振幅が調整される。このとき、第1、第2駆動回路40、42のスイッチングに基づく第1の高調波磁束変動及び第2の高調波磁束変動は、ステータ及びロータの少なくとも一方のコア部において磁束が共通して通過する部分で位相が180度ずれるように構成される。
図16(a)は、実施形態の別例において、第1キャリア信号K1と制御信号との比較によって生成される電圧及び高調波電流の時間的変化を示す図である。図16(b)は、第1キャリア信号K1と制御信号との比較後にパルス電圧の追加によって生成される高調波電流の時間的変化を示す図である。
本例の構成では、制御装置44は、第1駆動回路40のスイッチングについての高調波電流の振幅を小さくする。具体的には、制御装置44は、図16(b)に示すように、第1駆動回路40についての制御信号と第1キャリア信号K1との比較の後、その比較によって生成された第1スイッチング信号にパルス電圧を加える。より具体的には、第1スイッチング信号において、オンからオフへの切換時期、及びオフからオンへの切換時期にパルス電圧を加える。これにより、第1駆動回路40のスイッチングによって生じる高調波電流は、山部の頂部と谷部の底部とで電流が逆方向に微小変化する。このため、高調波電流の振幅が、図16(a)のようにパルス電圧を追加しない場合に比べて小さくなるように調整される。上記では、第1駆動回路40のスイッチングについての高調波電流の振幅を小さくする場合を説明したが、第2スイッチング信号にパルス電圧を加えることで第2駆動回路42のスイッチングについての高調波電流の振幅を小さくすることもできる。
図17(a)は、実施形態の別例において、第1キャリア信号K1と制御信号との比較によって生成される電圧及び高調波電流の時間的変化を示す図である。図17(b)は、第1キャリア信号K1及び制御信号の関係を調整することで第1駆動回路40の入力側の電圧を調整したときの第1キャリア信号K1と制御信号との比較によって生成される電圧及び高調波電流の時間的変化を示す図である。
本例の構成では、制御装置44は、第1駆動回路40のスイッチングについての高調波電流の振幅を大きくする。具体的には、制御装置44は、図17(b)に示すように、図17(a)に示す場合に対して、第1駆動回路40についての制御信号と第1キャリア信号K1との関係を調整することで第1駆動回路40の入力側の電圧を増加させる。このとき、図17(b)に示す例では、図17(a)に示す場合に対して第1キャリア信号K1に対して制御信号を低くする。これにより、第1キャリア信号K1と制御信号との比較によって生成される電圧は振幅が大きくなり、オン時間が短くなる。このため、第1駆動回路40のスイッチングによって生じる高調波電流は、電圧のオフ時間が長くなることに伴い電流低下が緩やかになり、電圧のオン時間が短くなることで電流増加が急激になる。これにより、高調波電流の振幅が調整される。上記では、第1駆動回路40のスイッチングについての高調波電流の振幅を大きくする場合を説明したが、第2駆動回路42についての制御信号と第2キャリア信号K2との関係を調整することで第2駆動回路42の入力側の電圧を増加させることもできる。
上記では、制御装置44が、第1駆動回路40または第2駆動回路42におけるスイッチングによって生じる高調波電流の周波数、位相及び振幅のいずれか1つが調整される場合を説明した。一方、上記の図1に示したように、第2駆動回路42が3相インバータであり、第1駆動回路40がフルブリッジ回路で構成される場合において、制御装置44において、第1キャリア信号K1と第2キャリア信号K2とが一致されるように構成することもできる。そして、制御装置44は、これにより回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させる。この場合には、第1キャリア信号K1及び第2キャリア信号K2の周波数、位相及び振幅のすべてが一致するように調整される。このときも、上記の構成と同様に、第1、第2駆動回路40、42のスイッチングに基づく第1、第2の高調波磁束変動は、ステータ及びロータの少なくとも一方のコア部において磁束が共通して通過する部分で位相が180度ずれるように構成される。その他の構成及び作用は、図1から図7の構成と同様である。
図18は、実施形態の別例における回転電機制御システム10の回路図である。本例の構成では、上記の図1から図7に示した構成において、制御装置44は、高調波電流調整部49を有する。高調波電流調整部49は、所定条件に応じて、回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、第1駆動回路40におけるスイッチングによって生じる高調波電流の振幅を調整する。また、高調波電流調整部49は、第2駆動回路42におけるスイッチングによって生じる高調波電流の振幅も調整する。
具体的には、例えば、図18に示すように、回転電機制御システム10において、第1駆動回路40の入力側の電圧の振幅を調整するために、直流電源12と第1駆動回路40との間に電圧変換装置50が接続される。例えば電圧変換装置50は、DC/DCコンバータである。DC/DCコンバータは、制御装置44の高調波電流調整部49によって制御される。
例えば、高調波電流の振幅を調整するための「所定条件」として、図19に示すように、回転電機14の回転数が一致した状態でトルクが増大する、すなわち動作点がC点からD点に変化したこととする。制御装置44は、この所定条件が成立したときに、回転電機14のステータのコア部の磁束変動密度を調整する。具体的には、D点はC点に対してトルクが高いので、高調波電流調整部49は、回転電機14の界磁巻線32,33に流れる界磁電流を一定にしたままで、回転電機14の3相の電機子巻線を流れる3相電流及び3相電圧を増加させる。このとき、3相電圧の増加に伴って、第2駆動回路42の変調度が増加する。これにより、第2キャリア信号K2の周波数f2の2次高調波が減少するので、図20(b)のU相電流で示すように、図20(a)のU相電流に対して高調波電流の振幅が小さくなる。なお、図20では、回転電機14の3相電流のうち、U相電流のみを示しているが、V相、W相電流についてもU相電流と傾向は同様である。
一方、上記のように界磁電流は一定であるので、第1駆動回路40についてスイッチングに依存した高調波電流は変化しない。このとき、図19のD点では、3相電流の高調波電流(第2キャリア信号の周波数f2の2次高調波)による磁束密度変動が、界磁電流の高調波電流による磁束密度変動よりも小さくなり、互いの磁束変動を相殺できないので、回転電機14の鉄損が増加する。そこで、本例の構成では、このときに、高調波電流調整部49が電圧変換装置50を制御することにより、第1駆動回路40に入力される直流電圧を低下させる。これにより、高調波電流調整部49は、界磁電流の高調波電流の振幅を小さくすることにより、界磁電流による磁束密度変動を小さくする。このため、第1駆動回路40についての第1の高調波磁束変動と、第2駆動回路42についての第2の高調波磁束変動とを相殺することにより、回転電機14の鉄損を減少させることができる。その他の構成及び作用は、図1から図7の構成と同様である。
なお、図18の構成において、第1駆動回路40及び第2駆動回路42の一方の駆動回路のみについて、高調波電流の振幅を調整する構成としてもよい。また、高調波電流調整部49は、所定条件に応じて、回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、第1、第2駆動回路40、42の少なくとも一方の駆動回路におけるスイッチングによって生じる高調波電流の周波数または位相を調整してもよい。
次に、実施形態の効果を確認するために行った実験及びシミュレーションの結果を説明する。実験は、図1から図7の構成を用いて駆動実験を行って、そのときの3相電流及び界磁電流の電流波形を求めた。図21(a)は3相交流電流の電流波形を示す図であり、図21(b)は界磁電流の電流波形を示す図である。
そして、界磁電流の高調波電流の位相のみを変化させたときの回転電機14の鉄損の変化をシミュレーションで求めた。図22は、そのときの鉄損のシミュレーション結果を示す図である。図22に示すように、高調波電流の位相に依存して鉄損が変化し、高調波電流の位相が180度のときに、鉄損が最小になった。このときは、第2駆動回路42と第1駆動回路40とについてのキャリア信号K1,K2が一致した場合に相当する。これにより、両者のキャリア信号K1,K2が一致したときに鉄損を最小にできることを確認できた。
上記の各例の構成では、図2から図6に示した回転電機14で生じる高調波磁束変動を減衰させるように、駆動回路のスイッチングによって生じる高調波電流を調整する場合を説明した。一方、実施形態の回転電機制御システムは、図2から図6に示した回転電機14以外の回転電機でも適用できる。要するに、実施形態は、ステータが、ロータに界磁を作る直流電流を流す第1ステータ巻線と、界磁との相互作用によりトルクを発生する交流電流を流す第2ステータ巻線とを有する回転電機であれば適用できる。
例えば、特許文献2または特許文献3に記載された回転電機にも実施形態は適用できる。図23は、実施形態の別例における回転電機14の断面図である。図24は、図23に示す回転電機14を構成するロータの斜視図である。図23、図24に示す回転電機14は、特許文献2に記載された構成と同様である。
図23、図24に示す回転電機では、界磁磁束の制御を行うために、ステータ101のコア部102を軸方向に二分割してN極側コア102n及びS極側コア102sを構成し、その外周側が環状のヨーク104によって磁気的かつ機械的に連結される。N極側コア102n及びS極側コア102sの間には環状の界磁巻線105が挟まれて軸方向に沿って設けられる。また、3相の電機子巻線103は、N極側コア102n及びS極側コア102sを跨ぐようにコア部102に巻回される。
一方、ロータ111のロータコア112には、N極側コア102nに対向して、N極突極部112nとN極磁石113nとが周方向に交互に配置される。また、ロータコア112には、S極側コア102sに対向して、S極突極部112sとS極磁石113sとが周方向に交互に配置される。また、N極突極部112n及びS極突極部112sは、ロータ111の内周側で環状のロータヨーク114に磁気的かつ機械的に結合される。
図23、図24に示す回転電機では、界磁巻線105に流す直流電流の向きで強め界磁制御及び弱め界磁制御を切り替えることができる。具体的には、界磁磁束は、N極磁石113n→N極側コア102n→ヨーク104→S極側コア102s→S極磁石113s→ロータヨーク114→N極磁石113nを通る。界磁巻線105に流れる直流電流による界磁磁束が磁石による界磁磁束と同一方向である場合には、界磁巻線に直流電流を流さない場合よりも電機子巻線103に鎖交する界磁磁束が減少する。これにより、弱め界磁制御を行うことが可能である。一方、界磁巻線105に流れる直流電流による界磁磁束が磁石による界磁磁束と反対方向である場合には、界磁巻線に直流電流を流さない場合よりも電機子巻線103に鎖交する界磁磁束が増加するので、強め界磁制御を行うことが可能である。
図25は、実施形態の別例における回転電機において、強め界磁制御を行う状態を示す断面図である。図26は、図25に示す回転電機を構成するロータの斜視図である。図27は、図25に示す回転電機において、弱め界磁制御を行う状態を示す断面図である。図25から図27に示す回転電機は、特許文献3に記載された構成と同様である。
図25から図27に示す回転電機では、界磁磁束の制御を行うために、シャフト15の軸方向に離れた位置にロータ240を構成する上側ロータ243及び下側ロータ244が配置され、上側ロータ243及び下側ロータ244の間に環状磁石260が配置される。上側ロータ243は、環状のロータコア243aと、ロータコア243aの周方向複数位置に形成されたロータティース243bとを含み、ロータティース243b間にS極磁石243sが配置される。下側ロータ244は、環状のロータコア244aと、ロータコア244aの周方向複数位置に形成されたロータティース244bとを含み、ロータティース244b間にN極磁石244nが配置される。
また、ステータ222の外周側に設けられた界磁ヨーク221には、上側ロータ243及び下側ロータ244に向けて突出した2つの突出部251が設けられ、各突出部251には界磁巻線250a、250bが巻回される。ステータ222のステータコア230には、3相の電機子巻線224が巻回される。
図25から図27に示す回転電機14でも界磁巻線250a、250bに流す直流電流の向きで強め界磁制御及び弱め界磁制御を切り替えることができる。具体的には、強め界磁制御を行う場合には、図25に示すように、上側の界磁巻線250aにより上側の界磁磁束mf250Aが発生し、下側の界磁巻線250bにより下側の界磁磁束mf250Bが発生するように界磁巻線250a、250bに直流電流を流す。上側の界磁磁束mf250Aは、界磁ヨーク221の突出部251からロータコア243aに入り、ロータティース243bからエアギャップ及びステータコア230を介して界磁ヨーク221に達する。このとき、下側の界磁磁束mf250Bは、界磁ヨーク221の周壁部からステータコア230に入り、エアギャップ及びロータコア244aを介して界磁ヨーク221の突出部251に達する。
一方、弱め界磁制御を行う場合には、図27に示すように、界磁巻線250a,250bに、図25に示す場合とは反対方向に直流電流を流す。このとき、界磁磁束mf250Cは、界磁ヨーク221の上側ロータ243側の突出部251→界磁ヨーク221→界磁ヨーク221の下側ロータ244側の突出部251→ロータコア244a→環状磁石260に達する。そして、界磁磁束mf250Cは、環状磁石260→ロータコア243a→界磁ヨーク221の上側ロータ243側の突出部251による磁路を通る。これにより、弱め界磁制御を行うことが可能となる。