JP6776287B2 - 移動体で使用可能な装置並びに当該装置の制御プログラム及び方法 - Google Patents

移動体で使用可能な装置並びに当該装置の制御プログラム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動体の内部で又は移動体に乗って使用される装置における装置機能の制御技術に関する。
現在、自動車や電車、船舶等の移動体に乗り込んだユーザが、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の端末を使用して、様々なサービスを享受することは日常的なこととなっている。
また、このような端末として、例えば携帯端末を頭部装着可能にする簡易型VR(Virtual Reality)/AR(Augmented Reality)ゴーグルや、HMD(Head Mounted Display)等のヘッドマウント型端末も今後、移動体において使用される頻度が増大するものと考えられる。
さらに、様々な移動体において、自律移動する自動販売用のカートロボットや、案内・安全確保等の目的で配備される人型ロボット等のロボットの利用も急速に進むことが予想される。また、船舶等の広い移動可能空間を有する移動体では例えば、自律飛行するドローンも大いに利用が進むものと考えられ、さらには、電車や飛行機等の移動体内においても、小型のドローン等の飛行装置が利用されることは十分に予想される。
また現在、自動車業界では、自動運転関連技術の開発が精力的に行われており、自動ブレーキ機能や、自動レーン保持機能、さらには先行車追従型クルーズコントロールといった運転者支援技術は既に広く普及している。今後は、このような技術の進展により、人が運転に関与する場面が激減し、例えば乗車中、上述したような端末や装置を利用する機会が大幅に増えることは容易に予想される。
このような自動運転関連技術の下、例えば特許文献1には、運転者も乗客と変わらず端末によるサービスを享受可能にする情報伝達装置が開示されている。ここで、この装置は、自動走行可能な車両において、乗員がセカンダリータスクを行っている場合でも、乗員に適切に情報を伝達するとされている。
具体的に、この情報伝達装置は、自動走行を実行可能な車両の乗員に情報を伝達する情報伝達部としての処理を実行するのに先立ち、この情報伝達部が伝達しようとする情報を分類する情報分類部としての処理を実行し、この情報分類部による分類結果に応じて、乗員による運転以外の行為(すなわち、セカンダリータスク)を阻害するための処理を実行する阻害部としての処理を実行するのである。
特開2017−102664号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含めた従来技術では、移動体内で使用される装置に対し、例えば自動運転の制御情報を伝送することまでは可能となっているが、この移動体の移動が当該装置に及ぼす悪影響を十分に阻止し、当該装置の機能が十全に発揮されるように制御することは依然、困難であった。
例えば、乗り物への乗車中にハンドヘルド型の携帯端末を使用すると通常、ユーザの頭部は前傾して視線が下がり、ユーザの視野が携帯端末の画面に固定されて、車窓の外景はその視野に入らなくなる。その結果、移動する乗り物の次の挙動に対応すべく無意識で身構えて不要な負担が体にかかったり、乗り物の揺れを平衡感覚で捉えているにもかかわらず視覚が外景を捉えていないので、動揺病の発生原因として疑われている感覚矛盾が発生したりすることが問題となっている。
この点、現在建設の進められているリニア新幹線においては、トンネル走行区間が長いことから車窓を楽しむ機会が少なく、また、空気中を高速走行するため従来見られなかった車両の揺れが発生すると言われている。したがって、乗車しつつ端末を使用するユーザが、次に起こり得る乗り物の挙動を察知するための情報を十分に得られず、上述したような種々の不便を感じる事態が起こり得ることも予想される。
また、乗り物への乗車中に例えばVRゴーグルが使用される状況では、外景が全く見えないので、上述したような感覚矛盾が発生したり、さらに、映像表示に関する誤動作を起こしたりする可能性がより高まってしまう。
実際、VRゴーグル等のヘッドマウント型の端末では、重力向きの検出結果から頭部・首の傾きを決定し、その傾きに応じて、表示される360度映像の向きを調整・変更可能となっている。ここで、乗り物の加減速時やカーブ時に相当時間発生する加速度によって見かけの重力向きが変化することによって、頭部・首を傾けていないにもかかわらず、表示映像が頭部・首を傾けた際に起こるような動きをしてしまう可能性が生じる。またカーブ時に、頭部・首を左右に回していないにもかかわらず映像がパンしてしまうことも生じ得るのである。
さらに、乗り物の中で使用されるロボットやドローン等においては、乗り物の動きによって誤動作や制御外の動きを行ってしまう可能性が生じる。実際、これらの装置では多くの場合、加速度センサやジャイロセンサ等による自らの向き・動きの計測結果を利用して姿勢制御や動き制御を行っている。しかしながら、この計測結果に乗り物の動きが影響することによって、本来取るべき姿勢から逸脱した状態に陥ったり、乗り物に対する相対的な動きが制御外の状態となったりする可能性が生じてしまう。
特に、乗り物における急ブレーキの発動や、急カーブ動作、さらには急上昇・急下降等の急激な加速度発生時には、ロボットやドローン等が、転倒・墜落したり、乗り物内の設置物や、乗り物内壁、さらには乗員に衝突したりする等の危険な事態の発生が懸念される。
さらにまた、乗り物の中で、このような自律移動するロボットやドローン等が複数独立して使用される状況を考えると、乗り物の動きの影響だけでなく、その影響を受けた他の自律移動体との間における相対的な位置・動きが問題となり、場合によっては互いに接触・衝突してしまう危険が生じてしまう。
またさらに言えば、将来、狭い空間でも移動可能なマイクロロボットやマイクロ飛行体等が開発され、移動体の内部で使用される装置の内部で使用されることも想定される。また、宇宙ステーション内で使用されるステーション内ビークルや、(現在でも存在するが)大型の船舶内で稼働している船内ビークルの内部において、以上に述べたような各種端末や、ロボット等が使用されることも大いに考えられる。
すなわち、入れ子の状態にある端末・移動体の登場も十分に予想されるが、その場合に、最内部の端末・移動体を含む装置における、以上に述べたような問題を如何に解決するかについては、従来何ら検討されてこなかったのである。
そこで、本発明は、移動体の内部で又は移動体に乗りながら、より適切に機能することができる装置、並びに当該装置の制御プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
を有する移動使用可能装置が提供される。
この本発明による移動使用可能装置において、対上位情報生成手段は、当該自同位情報に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量と、当該上位情報に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量との差に基づいて、当該対上位同位情報を生成することも好ましい。
さらに、本発明による移動使用可能装置において、センサ部は自らの加速度を測定可能であり、
対上位情報生成手段は、移動体の加速度を含む当該上位情報と自らの加速度を含む当該自同位情報とに基づき、当該自らの加速度ベクトルと当該移動体の加速度ベクトルとの差から、移動体の基準向きに対する自らの相対向きに係る情報を含む当該対上位情報を生成することも好ましい。
また、本発明による移動使用可能装置の一実施形態として、本移動使用可能装置は、画像を表示する画像表示部を更に有し、
対上位情報利用手段は、移動使用可能装置が移動体に対し振動又は揺れに係る変位を行っている際、当該変位の量よりも、表示された画像の移動体に対する変位の量が小さくなるように、当該対上位情報に基づいて、表示される画像の画像表示部における位置を調整することも好ましい。
さらに、本発明による移動使用可能装置における他の実施形態として、本移動使用可能装置は、頭部に装着可能であって画像を表示可能な画像表示装置であり、
対上位情報利用手段は、当該頭部の動きに起因する加速度成分及び/又は角速度成分に係る当該対上位同位情報を含む当該対上位情報に基づき、当該頭部の身体に対する動きの有無又は動きの程度に応じて、画像表示装置における表示される画像の移動の有無又は移動の程度を調整することも好ましい。
本発明によれば、また、移動体で使用可能であり、移動及び/又は駆動機構を備えていて移動体の内部で又は移動体に乗って移動及び/又は駆動可能な移動及び/又は駆動体としての移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
該対上位情報及び当該上位情報に基づいて、移動及び/又は駆動体としての移動使用可能装置が移動体の内部において又は移動体に乗りながら、意図しない動き、衝突又は転倒を起こさないように、移動及び/又は駆動機構の動作を制御する対上位情報利用手段と
を有する移動使用可能装置が提供される
本発明によれば、さらに、移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
本移動使用可能装置が移動体に対し固定された状態において、当該上位情報に基づき、当該加速度及び/又は角速度の積分値又は総和値が所定値となるべき時間区間を決定し、当該時間区間における当該加速度及び/又は角速度の測定値の積分値又は総和値から較正値を決定して、当該較正値に基づきセンサ部を較正するセンサ情報較正手段
有する移動使用可能装置が提供される
本発明によれば、また、移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
他の当該移動使用可能装置が移動体の内部に存在する又は移動体に乗っている状況において、他の当該移動使用可能装置に対し、当該上位情報、当該自同位情報、及び当該対上位情報のうちの少なくとも1つを送信及び/又は受信する同位通信手段
有する移動使用可能装置が提供される
また、上記の同位通信手段を有する実施形態において、同位通信手段は、他の当該移動使用可能装置にとっての自同位情報である他同位情報及び/又は他の当該移動使用可能装置の当該対上位情報を受信し、
対上位情報生成手段は、当該他同位情報及び/又は当該対上位情報に基づいて、他の当該移動使用可能装置に対する自らの移動又は変位に係る情報である対同位情報を生成し、
対上位情報利用手段は、当該対上位情報及び当該対同位情報に基づいて、自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行うことも好ましい。
本発明によれば、さらに、移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
本移動使用可能装置、自らの内部に又は自らに乗っている他の当該移動使用可能装置を有する状況において、当該上位情報、当該自同位情報、及び当該対上位情報のうちの少なくとも1つを他の当該移動使用可能装置に送信可能な下位通信手段
有する移動使用可能装置が提供される
本発明によれば、また、移動体に存在する装置の内部で又は当該装置に乗って使用可能な移動使用可能装置であって、
少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
上記の装置から又は上記の装置に設置された若しくは関連した測定装置から、上記の装置及び/又は移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、上記の装置及び/又は移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
を有する移動使用可能装置が提供される。
本発明によれば、さらに、移動体で使用可能な装置に搭載されたコンピュータを機能させる装置制御プログラムであって、
上記の装置は、少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部を有し、本プログラムは、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
上記の装置の加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する上記の装置の移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて上記の装置の移動若しくは変位に応じた制御、若しくは上記の装置の移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
してコンピュータを機能させる装置制御プログラムが提供される。
本発明によれば、さらにまた、移動体で使用可能な装置に搭載されたコンピュータにおける装置制御方法であって、
上記の装置は、少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部を有し、本装置制御方法は、
移動体から又は移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得するステップと、
上記の装置の加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成するステップと、
当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、移動体に対する上記の装置の移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成するステップと、
当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて上記の装置の移動若しくは変位に応じた制御、若しくは上記の装置の移動若しくは変位に関係する制御を行うステップと
を有する装置制御方法が提供される。
本発明によれば、移動体の内部で又は移動体に乗りながら、より適切に機能することができる装置、並びに当該装置の制御プログラム及び方法が提供される。
本発明による移動使用可能装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明による移動使用可能装置の他の実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明に係る「入れ子状態」にある装置システムにおける、各種情報のやり取りや生成の様子を概略的に示す模式図である。 本発明による装置制御方法の一実施形態の各段階を概略的に示すフローチャートである。 本発明による装置制御方法の一実施形態の各段階を概略的に示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[内部装置(移動使用可能装置)]
図1は、本発明による移動使用可能装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
図1によれば、内部装置1は、移動体で使用可能な本発明の移動使用可能装置であり、本実施形態においては、当該移動体としての自動運転車2の内部で又は自動運転車2に乗った状態で使用されている。
この内部装置1は、後に詳細に説明するが、自動運転車2に係る「上位情報」と、自ら生成する「自同位情報」とに基づいて「対上位情報」を生成し、この「対上位情報」を利用して、自動運転車2の内部で又は自動運転車2に乗りながら、より適切に装置機能を発揮することができるのである。
具体的に、内部装置1は、表示部(104)を有する端末であって、スマートフォン、タブレット型・ノート型コンピュータ等の携帯端末や、HMD、携帯端末を頭部装着可能にする簡易型VR/ARゴーグル等のウェアラブル端末であってもよい。または、移動・駆動機構(105)を備えたロボットやドローン等の移動体や駆動体とすることもできる。この場合特に、自律移動・駆動の可能な移動・駆動体であってもよい。さらには、後述する本発明による装置制御プログラムとセンサ部(102)とを備えたパーソナルコンピュータ(PC)とすることも可能である。
また、自動運転車2は、各種センサ情報やナビゲーション情報を用いて例えば目的地まで自律的に走行する自動運転機能を備えた自動車であり、車内に固定設置された形の上位装置3を備えている。
この上位装置3は、本実施形態において、下位通信部301と、ナビ情報通信部302と、測位部303と、センサ部304と、プロセッサ・メモリとを有する測定装置である。このプロセッサ・メモリは更に、ナビ情報生成・管理部311と、センサ情報生成・管理部312と、運転情報生成・管理部313とを有する。なお、これらの機能構成部は、プロセッサ・メモリに保存された制御プログラムの機能と捉えることができる。
このうち、ナビ情報生成・管理部311、センサ情報生成・管理部312、及び運転情報生成・管理部313は、
(a)自動運転車2に設置されたLiDAR(Light Detection and Ranging)等の自動運転用センサ部201、
(b)自動車の(操舵角情報、スロットル開度情報、緊急ブレーキ制御情報、(ブレーキランプ等の)ランプ点灯状態情報等の生成機能を含む)自己診断機能であるOBD−II(On-Board Diagnostics second generation)がプログラミングされた、自動運転車2の各部に取り付けられたECU(Electrical Control Unit)202、
(c)3軸加速度計及び3軸ジャイロスコープを備えており自動運転車2における3次元の加速度及び3次元の角速度(又は角加速度)の測定結果を出力する、自動運転車2に設置された慣性計測装置(IMU,Inertial Measurement Unit)203、
(d)上位装置3に設置されており、GPS(Global Positioning System)衛星からの測位電波を利用して測位を行い、自動運転車2の現在位置の緯度、経度及び高度情報を出力する測位部303、及び
(e)事業者等の運営するナビゲーション情報サーバから(経路情報、交通情報等を含む)ナビゲーション情報を取得するナビ情報通信部302
から、ナビゲーション情報、自動運転車2の加速度及び/又は角速度情報を含む移動関連情報(センサ情報)、並びに運転関連情報を取得し、これらの情報を含む「上位情報」を生成して管理し、この「上位情報」を、下位通信部301を介して内部装置1へ送信する。
なお、上記(c)のIMU203の代わりに、上位装置3に備えられたセンサ部304が同様の移動関連情報(センサ情報)を提供することも可能である。また、以上に説明した上位装置3の機能の少なくとも一部が、自動運転車2に設けられている実施形態も可能である。さらに、上位装置3は、例えば自動運転車2の外部に存在するサーバ等の通信装置であって、自動運転車2から上記(a)〜(e)に係る情報を取得し、内部装置1へ送信する装置であることも可能である。
いずれにしても、上位装置3(又は自動運転車2)から内部装置1へ送信される「上位情報」は、少なくとも移動関連情報(センサ情報,後述する分類では第1情報)を含む情報である。すなわち本実施形態において「上位情報」は、少なくともIMU203(又はセンサ部304)で測定され生成された自動運転車2の加速度及び/又は角速度に係る情報を含むものとなっている。
同じく図1において、内部装置1は、上記の「上位情報」を利用して自らの適切な機能制御を行うべく、具体的に、
(A)少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部102と、
(B)上位装置3(又は自動運転車2)から「上位情報」を取得する上位情報取得部111と、
(C)自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む「自同位情報」を生成する自同位情報生成・管理部112と、
(D)取得された「上位情報」と生成された「自同位情報」とに基づいて、自動運転車2に対する自らの移動又は変位に係る情報である「対上位同位情報」を含む「対上位情報」を生成する対上位情報生成・管理部113と、
(E)生成された「対上位情報」に係る情報の出力を行う、又は生成された「対上位情報」に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用部114と
を有することを特徴としている。
ここで、好適な実施態様として、上記(D)の対上位情報生成・管理部113は、「自同位情報」に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量と、「上位情報」に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量との差に基づいて、「対上位同位情報」を生成してもよい。
このように、内部装置1は、取得した「上位情報」を用いて、自動運転車2に対する自らの移動又は変位に係る情報を含む「対上位情報」を生成し、自らの装置機能の制御に利用する。その結果、自動運転車2の内部においても又は自動運転車2に乗りながらの状態でも、内部装置1はより適切に機能することができるのである。
例えば、内部装置1が、スマートフォン等の情報端末であって、画像を表示する表示部104を備えている場合を考える。この場合、後に詳細に説明するが、対上位情報利用部114は、内部装置1が自動運転車2に対し振動又は揺れに係る変位を行っている際、この変位の量よりも、表示された画像の自動運転車2に対する変位の量が小さくなるように、「対上位情報」に基づいて、表示される画像の表示部104における位置を調整することができる。これにより、自動運転車2に乗ったユーザは、携帯した情報端末(内部装置1)がたとえ揺れたとしても、表示された画像を、より少ない揺れの程度をもって良好に視認することができるのである。
また例えば、内部装置1が、頭部に装着可能であって表示部104を有するHMD(画像表示装置)である場合を考える。この場合も後に詳細に説明するが、対上位情報利用部114は、この頭部の動きに起因する加速度成分及び/又は角速度成分に係る「対上位同位情報」を含む「対上位情報」に基づき、この頭部の身体に対する動きの有無又は動きの程度に応じて、HMD(内部装置1)内における表示される画像の移動の有無又は移動の程度を調整してもよい。これにより、自動運転車2の加速度・角加速度の向きや程度にかかわらず、頭部・首の傾き具合や転回具合に対し適切に応じた画像表示(映像表示)を行うことが可能となるのである。
さらに例えば、内部装置1が、移動・駆動機構105を備えているロボットやドローン等の移動・駆動体である場合を考える。この場合も後に詳細に説明するが、対上位情報利用部114は、この移動・駆動体(内部装置1)が自動運転車2の内部において又は自動運転車2に乗りながら、意図しない動き、衝突又は転倒を起こさないように、「対上位情報」及び「上位情報」に基づいて、移動・駆動機構105の動作を制御することも好ましい。これにより、自動運転車2の動きにかかわらず、この移動・駆動体をより適切若しくは安全に又は設定通りに移動・駆動させることができるのである。
またこの場合、移動・駆動体(内部装置1)は、例えば自動運転車2の現在の動きの状況を知ることによって、自動運転車2内における自らの動きを、自動運転車2の動きとは区別して理解することが可能となる。例えば、移動・駆動体(内部装置1)は、自らの向きが変わった場合に、自らが(ユーザの操作や予めの設定により)向きを変えたのか、それとも自動運転車2が向きを変えたのかを判別することも可能になるのである。
ちなみに、このような内部装置1の使用における基台となる移動体は当然に、自動運転車2に限定されるものではない。例えば、自動運転機能を有さない自動車でもよく、その他、バスやトラック等の大型車や、リニアカーを含む鉄道車両、モノレール、船舶、エレベータ、ベルトコンベア、リフト、クレーン、さらには飛行船等を含む航空機、メガフロート、潜水艇、宇宙船や、人工衛星、宇宙ステーション等、その内部で又はそれに乗って内部装置1が使用可能であるならば、種々のものが該当するのである。
同じく図1に示す実施形態の機能ブロック図において、内部装置1は、上位通信部101と、センサ部102と、同位通信部103と、表示部104と、移動・駆動機構105と、姿勢固定部115aと、プロセッサ・メモリとを有する。
ここで、このプロセッサ・メモリは、本発明による装置制御プログラムの一実施形態を保存しており、また、コンピュータ機能を有していて、この装置制御プログラムを実行することによって、装置制御処理を実施する。したがって、内部装置1は、本発明による装置制御プログラムを搭載した情報処理装置と捉えることも可能である。
さらに、プロセッサ・メモリは、上位情報取得部111と、自同位情報生成・管理部112と、対同位情報生成・管理部113aを含む対上位情報生成・管理部113と、対上位情報利用部114と、センサ情報較正部115と、アプリケーション121とを有する。なお、これらの機能構成部は、プロセッサ・メモリに保存された装置制御プログラムの機能と捉えることができる。また、図1における内部装置1の機能構成部間を矢印で接続して示した処理の流れは、本発明による装置制御方法の一実施形態としても理解される。
上位通信部101は、例えば無線/有線の通信によって、上位装置3(の下位通信部301)から「上位情報」を受信し、上位情報取得部111へ出力する。この上位情報取得部111によって取得される「上位情報」は、本実施形態において以下に示す第1〜第3情報の3種に分類される。なお、「上位情報」は少なくとも第1情報を含むことになる。
<第1情報>第1情報は、自動運転車2の加速度及び/又は角速度情報を含む移動関連情報(センサ情報)であり、本実施形態ではIMU203(又はセンサ部304)の出力する測定情報から生成される。第1情報は、自動運転車2の速度情報や、加速度及び/又は角速度の基準向きの情報を含むことも好ましい。
<第2情報>第2情報は、自動運転車2における移動の制御に係る移動体制御情報であり、本実施形態では、OBD−II(On-Board Diagnostics second generation)を備えたECU202の出力する情報から生成される。具体的に、第2情報は、操舵角制御量を含む操舵角情報、スロットル開度等の加減速制御情報、緊急ブレーキ制御情報、(ブレーキランプ等の)ランプ点灯状態情報や、次操縦制御とその制御開始までの時間の情報を含むことも好ましい。
<第3情報>第3情報は、自動運転車2の移動する環境に係る移動体環境情報であり、本実施形態では、LiDAR等の自動運転用センサ部201、ナビ情報通信部302や、GPSを用いた測位部303の出力する情報から生成される。具体的に、第3情報は、目的地までの経路地図情報、及び(現在および次時点での)経路勾配・経路バンク角・路面状態等の経路状態情報を有する経路情報や、現在位置情報、さらには渋滞情報や通行規制情報等を有する交通情報を含むことも好ましい。
ここで、上記の下位通信部301と上位通信部101との間で使用される無線/有線の通信は、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信等によって又は放送電波の形でデジタル信号を伝送するものであってもよいが、アナログ伝送であることも好ましい。
例えば、IMU203に係る第1情報は多くの場合、内部装置1においてリアルタイムに取得されることが望まれるので、より伝送速度の高いアナログ伝送が好適である。この点、リアルタイム性の必要度が低い第2情報や第3情報については、例えば無線又は有線の高速デジタル伝送であっても概ね問題は生じない。
ちなみにアナログ伝送を用いる場合、内部装置1は、受信した上位情報を、(例えば上位情報取得部111でのA/D変換処理によって)後述するセンサ部102から出力される「自同位情報」と同様にデジタル信号化して使用することになる。
これにより、「上位情報」と「自同位情報」とを突き合わせることによる「対上位(同位)情報」の生成は、デジタル信号処理をもって高速で行われ、結局、ここで生成した「対上位情報」の利用処理を、移動体の動きに合わせて概ねリアルタイムで適切に実行することができるのである。例えば、移動体の動きに起因する装置の揺れに対する表示位置補正や、移動体の動きを考慮した違和感のない映像表示等を適宜好適に実施することが可能となる。
さらに、上記のアナログ伝送として、アナログ出力のIMU203を用い、この出力されたアナログ信号を、アナログライン(有線)で内部装置1へ送信してもよい。また、ノイズ混入の少ない光ケーブル等の光カプリングを介した通信によって内部装置1へ送信することも可能である。さらに、例えばIMU203が6軸センサを含む場合、6チャネルのアナログ信号を伝送することも好ましい。
また、上位装置3(の下位通信部301)と内部装置1(の上位通信部101)とを繋ぐ通信路の少なくとも一部として、例えば情報端末である内部装置1を充電するための充電電源ケーブルと、例えば自動運転車2の各座席に配置された充電用接続ソケットとを利用してもよい。さらに、インターネットアクセスサービス等、その他の車内サービスのための設備を併用する形で利用することも好ましい。
同じく図1の機能ブロック図において、センサ部102は、少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部であり、本実施形態では、IMU203と同様、3軸加速度計及び3軸ジャイロスコープを備えている。ちなみに、本実施形態において、センサ部102及びIMU203のセンサAPI(Application Programming Interface)からは、加速度情報とともに(角加速度の積分結果としての)角速度情報が出力される。
自同位情報生成・管理部112は、センサ部102からのセンサ出力情報を受け取って、自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む「自同位情報」を生成する。この自同位情報の単純な例として、各測定時点における内部装置1自身の3次元の加速度(又は角速度)ベクトルデータとすることができる。
対上位情報生成・管理部113は、上位情報取得部111から入力した「上位情報」と、同位情報生成・管理部112から入力した「自同位情報」とに基づいて、自動運転車2に対する自らの移動又は変位に係る情報である「対上位同位情報」を含む「対上位情報」を生成する。
ここで具体的に、「対上位同位情報」は、「上位情報」のうちの第1情報(IMU203に係る情報)と、「自同位情報」(センサ部(IMU)102に係る情報)とから生成可能である。例えば、「自同位情報」に含まれる(センサ部(IMU)102の出力に係る)加速度及び/又は角速度に係る量と、「上位情報」に含まれる(IMU203の出力に係る)加速度及び/又は角速度に係る量との差に基づいて、「対上位同位情報」を生成してもよい。より具体的な例として、「対上位同位情報」は、各測定時点における内部装置1の3次元加速度(又は角速度)ベクトルから、自動運転車2の3次元加速度(又は角速度)ベクトルを差し引いた結果である差ベクトルの情報とすることができる。
また、「対上位情報」は、少なくとも
(a)上記の「対上位同位情報」
を含み、さらに、
(b)自動運転車2における移動の制御に係る「移動体制御情報」(第2情報)、及び
(c)自動運転車2の移動する環境に係る「移動体環境情報」(第3情報)
のうちのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
このうち、(a)の「対上位同位情報」を利用することにより、内部装置1は、自動運転車2の動きを知ることができ、例えば「自同位情報」と「上位情報」との差をとることによって、自らが自動運転車2(の座標系)に対しどのような動きを行っているのかを知ることができるのである。例えば、内部装置1は、自動運転車2に対する自らの向き及びその変化を、センサ部102から出力された角速度情報を含む「自同位情報」と、IMU203から出力された角速度情報を含む「上位情報」との差をとることで把握することができる。
実際、カーブ等での遠心力や、勾配・バンクでの重力に起因する見かけの力、さらには回転する移動体上を移動する際や超高速で地球を周回する際に発生する(エトベス効果等に係る)コリオリ力等は、センサ部102にもIMU203にも同等に加わる力である。したがって、それらの出力の差をとることによりその影響を打ち消し、残った情報分を「対上位同位情報」とすることができるのである。
また、他の具体例として、内部装置1は、この後詳細に説明する「対上位向き判定」を行い、自動運転車2の向きと自らの向きとの関係を把握した後、角速度に係る対上位同位情報(角速度の差情報)を積分することによって、その時点の自動運転車2に対する自らの向きを決定することが可能となる。次いで、この決定した向きを基準として、加速度及び角速度に係る「対上位同位情報」(加速度の差情報及び角速度の差情報)を生成することより、自動運転車2に対する自らの相対運動をより正確に把握することができるのである。
さらに、内部装置1は、上記(c)の位置情報を含む「移動体環境情報」(第3情報)を利用することによって、導出した相対運動の情報に基づき、その時点の位置を把握することも可能となる。
以上、説明したような「対上位同位情報」を用いることによって、分かりやすい1つの例ではあるが、内部装置1が自律飛行するドローンである場合に、自動運転車2がカーブしたり上昇や下降を行ったりしても、このドローン(内部装置1)は、遠心力等の見かけの力を適切に処理し、衝突や墜落といった意図しない動きによる事故を回避することができるのである。
同じく図1において、対上位情報生成・管理部113は、上述した「対上位向き判定」機能として、自動運転車2の加速度を含む「上位情報」と内部装置1の加速度を含む「自同位情報」とに基づき、内部装置1の加速度ベクトルと自動運転車2の加速度ベクトルとの差から、自動運転車2の基準向きに対する内部装置1の相対向きに係る情報を含む「対上位情報」を生成することも好ましい。
1つの例として内部装置1が携帯端末である場合、この携帯端末(内部装置1)の向きは当然に、ユーザの状態や動作によって様々であり、また刻々と変化し得る。例えば、この携帯端末(内部装置1)の画面に、自動運転車2内の設備等の案内地図を表示する際、この表示は、携帯端末(内部装置1)の自動運転車2に対する向きに応じて変化させなければならない。このように、上記の「対上位向き判定」によって、携帯端末(内部装置1)が自動運転車2に対しどちらに向いているかを把握することは、装置機能の適切な制御にとって非常に重要となる。
対上位情報生成・管理部113で実施される上記の「対上位向き判定」においては、例えば、自動運転車2の基準向きを、自動運転車2の前方(進行向き)とし、また、下向きを(IMU203の測定結果から導出される)真の重力加速度ベクトルの向きとする。
対上位情報生成・管理部113は、算出した「対上位同位情報」としての(自動運転車2に対する)相対加速度ベクトルについての所定時間における平均の向きから、重力以外の加速度の向き(の含まれる水平面)を割り出して真の重力加速度ベクトルを算出し、このベクトルの向きを下向きに決定する。次いで、決定した下向きを用いることによって、刻々に算出した(自動運転車2に対する)相対加速度ベクトルの向きから、自動運転車2の基準向き(前方)に対する自らの向きを決定することができるのである。
なお、上記(b)の「移動体制御情報」(第2情報)を利用することによって、以上に説明した「対上位向き判定」結果の精度を更に高めることも可能となる。いずれにしても、決定された対上位向き(相対向き)情報は、例えばセンサ部102のジャイロセンサにおける定針向きの基準とすることができる。
同じく図1の機能ブロック図において、対上位情報利用部114は、
(a)生成された「対上位情報」に係る情報の出力を行う、
(b)生成された「対上位情報」に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御を行う、又は
(c)生成された「対上位情報」に基づいて自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う装置機能発動制御手段である。このような「対上位情報利用」について以下、3つの具体的な実施態様を説明する。
<対上位情報利用:表示画像のアンチシェーク処理>
1つの実施態様として、内部装置1が表示部104を備えたスマートフォン等の携帯端末である場合を説明する。この場合、対上位情報利用部114は、この携帯端末(内部装置1)が自動運転車2に対し振動又は揺れに係る変位を行っている際、この変位の量よりも、表示された画像の自動運転車2に対する変位の量が小さくなるように、「対上位情報」に基づいて、表示される画像の表示部104画面における位置を調整することも好ましい。すなわち、表示画像の位置を、自動運転車2の空間座標の動きに合わせる方向へ補正することができるのである。
具体的には、例えば特開2015−141700号公報に開示されている表示画像のアンチシェーク処理を、生成した「対上位情報」に基づいて実施することができる。これにより、自動運転車2に乗ったユーザは、手に持った携帯端末(内部装置1)がたとえ揺れたとしても、表示された画像を、より少ない揺れの程度をもって良好に視認することが可能となるのである。
ちなみに、対上位情報利用部114は、「対上位情報」とともに取得した第1情報(IMU203の出力に係る情報)を用い、自動運転車2及び乗車しているユーザに刻々加わっている力(加速度)を、概ねリアルタイムで表示部104に表示し、その表示を見たユーザが不意の動きを感じる程度を低減させて、乗り物酔いを防止又は軽減してもよい。
また、この表示部104での表示として、3D(three-dimensional)ドライビングシミュレータで使用されているCG(Computer Graphics)画像表示を適用することもできる。この場合例えば、取得した第3情報も利用して、カーブ、坂や、バンク、さらには路面状況等も表現した経路の画像と、この経路上を移動する自動運転車2の画像とを表示することも好ましい。
さらに、自動運転車2を斜め上方から俯瞰するバードビュー(bird view)表示としてもよい。ここで、この俯瞰する(水平面内での)向きは例えば、上述した対上位向き判定の結果を用いて又はユーザの選択により決定することができる。なお勿論、表示部104での表示をドライバーズビュー(driver's view)表示としてもよく、両表示間で切り替え可能であってもよく、さらには両表示を画面内に並べて同時に行うことも好ましい。
また、坂やバンクの状態、例えば経路面の鉛直方向(重力方向)からの傾きや経路面の凹凸を表示したり、当該凹凸によって生じる揺れや、操舵・加減速操作によって生じる現象、例えば操舵による車輪の向きの変化や、加速時に発生する土埃、さらには減速時に生じる車輪に軋み等を表現したりすることも可能である。また、例えばリズムゲームで多用されているように、操縦操作を軌線で示す表示を行ってもよい。さらに、例えば飛行機のコックピットで採用されているHUD(Head Up Display)と同様に、外界と自動運転車2との関係を常時提示する表示とすることもできる。
いずれにしても、対上位情報利用部114は、「対上位情報」とともに、取得した第1〜3情報を適宜加工し、上述したような様々な表示用の映像・画像データを生成することも好ましいのである。
また、変更態様として、携帯端末(内部装置1)は、「対上位情報」を用いて、自動運転車2における所定以上の揺れや急ブレーキを観測又は予測した際に、画面表示をもって又は音声でその旨の警告をユーザ(乗員)に通知してもよい。特に、「対上位同位情報」における携帯端末(内部装置1)及び自動運転車2の加速度差が所定閾値以上の大きな値となった際、例えば「つり革につかまって下さい」等の警告を出力することも好ましい。
<対上位情報利用:ヘッドマウント型表示装置での表示制御>
次に、他の実施態様として、内部装置1が、ユーザの頭部に装着可能であって表示部104を有するVR−HMD等のヘッドマウント型表示装置である場合を説明する。この場合、対上位情報利用部114は、この頭部の動きに起因する加速度成分及び/又は角速度成分に係る「対上位同位情報」を含む「対上位情報」に基づき、この頭部の身体に対する動きの有無又は動きの程度に応じて、ヘッドマウント型表示装置(内部装置1)において表示される画像の移動の有無又は移動の程度を調整してもよい。
これにより、自動運転車2の加速度・角速度の向きや程度にかかわらず、頭部・首の傾き具合や回転具合に対し適切に応じた映像表示(画像表示)を行うことが可能となるのである。
実際に通常、ヘッドマウント型表示装置の多くは、頭部の動きをIMUによってトラッキングしている。したがって従来、乗り物の進行に係る加速度、カーブ等での遠心力・旋回加速度(角加速度)や、坂・バンクでの重力に起因する見かけの加速度等の影響によって、例えば頭部を動かしていないにもかかわらず、表示される視界の範囲が移動してしまう現象が生じていた。例えば、乗り物が加速して前進する際、その加速度によって見かけの重力加速度ベクトルの向きが、進行向きとは逆の向きへ移動するので、例えば進行向きに向いて着座しているユーザのヘッドマウント型表示装置における表示は、頭部を動かしていないにもかかわらず、伏角方向に傾いてしまっていた。
また例えば、乗り物が右に旋回する際には、進行向きに向いて着座しているユーザのヘッドマウント型表示装置における表示は、頭部を動かしていないにもかかわらず、乗り物の座標系が右に回転するのに伴い左向きにパンしてしまっていた。
これに対し、内部装置1であるヘッドマウント型表示装置は、例えば第2情報(加速操作に係る情報や操舵情報)に基づいて、自動運転車2が例えば前方に加速中であることや右に旋回中であることを認識し、また、「上位情報」からも、この加速に起因する後方向きの見かけ加速度や、右旋回に係る角速度が生じていることを把握する。次いで、加速度及び角速度に係る「対上位同位情報」(加速度及び角速度の差分ベクトル情報)を導出することによって、自動運転車2の動き分を除去した、頭部の動きに起因する加速度及び角速度を決定し、表示される映像(画像)を、この決定した加速度及び角速度に応じた分だけ変化させ、違和感のない適切な表示制御を行うことができるのである。
また、ヘッドマウント型表示装置(内部装置1)は、上述したように頭部の動きに応じた(頭部に対して固定された座標系での)表示と合わせ、取得した第1〜3情報を例えば画像化した表示をオーバレイさせて表示し、ユーザに提示してもよい。これにより、自動運転車2の加速度・角速度を平衡感覚等で捉えているのもかかわらず、表示が頭部に対して固定されていることによりユーザが覚えてしまう違和感を、相当に緩和することが可能となる。すなわち、ユーザは、例えば誤動作の抑制されたVRコンテンツ等を享受しつつ、乗り物の挙動による平衡感覚のずれを視覚情報で補い、乗り物酔い等の不都合を回避・低減することが可能となるのである。
ここで、上記のオーバレイ表示としては、飛行機のコックピットで採用されているHUDに類似する表示とすることができる。例えば、自動運転車2の車両オイラー角であるヨー角(例えば進行向きの方位(東西南北))、ピッチ角及びロール角(バンク角)や、走行位置の高度(標高)、さらには、進行速度、加速・減速レベル等を、目盛付きのメータ画像をオーバレイさせる形で表示してもよい。さらに、カーナビのHUDでも採用されているように、進行経路における次に曲がる位置までの距離を算出して表示してもよく、また、自動運転制御における次の挙動の表示を行うこともできる。
<対上位情報利用:ロボット・ドローン等の起動・駆動制御>
さらに、他の実施態様として、内部装置1が、移動・駆動機構105を備えたロボットやドローン等の移動・駆動体である場合を説明する。この場合、対上位情報利用部114は、「対上位情報」及び「上位情報」に基づいて、この移動・駆動体が自動運転車2の内部において又は自動運転車2に乗りながら、意図しない動き、衝突又は転倒を起こさないように、移動・駆動機構105の動作を制御することも好ましい。これにより、自動運転車2の動きにかかわらず、この移動・駆動体(内部装置1)をより適切若しくは安全に又は設定通りに移動・駆動させることが可能となる。
さらに、対上位情報利用部114は、取得した第2情報(例えば急な操舵を示す情報)や第3情報(例えば直前に急カーブが存在する旨の経路情報)を用いて、自動運転車2において発生する急激な動きを直前に察知し、移動・駆動機構105がその動きを打ち消すような動きを行うように制御したり、移動・駆動体(内部装置1)を例えば自動運転車2内部の内壁や床に固定する制御を行ったりしてもよい。
特に、移動・駆動体(内部装置1)がドローン等の飛行体である場合、自動運転車2の受ける遠心力や上下運動による見かけの力等をセンサ部102では計測できないので、第2情報や第3情報を利用して、車内での飛行やホバリングといったその動きを制御することが好ましいのである。
さらに、取得した第3情報を用いて、移動・駆動体(内部装置1)が自動運転車2内を目的地まで移動するための制御情報や自動運転車2内で所望の動きを行うための制御情報、すなわち移動・駆動体(内部装置1)における第2情報を生成することもできる。
また、内部装置1が、2足歩行ロボット等の、所定の姿勢を維持しつつ移動を行うロボットである場合を考える。このロボット(内部装置1)も、加速度及び角速度に係る「対上位同位情報」(加速度及び角速度の差分ベクトル情報)を利用することにより、さらには上述した第2情報や第3情報を利用することによって、自らに刻々とかかる見かけの加速度や、この後直ちに生じる見かけの加速度に対処する動きを行って転倒等のアクシデントを回避し、所望の安定した自律歩行を行ったり起立状態で安定して佇んだりすることが可能となるのである。
さらに、以上説明したように内部装置1がロボットやドローン等である場合、具体的には例えば、取得した「対上位同位情報」や第2・第3情報に合わせて、採用している2足歩行学習モデルや自律飛行学習モデルを適宜変更することも好ましい。また、歩行や飛行のための制御パラメータを、これらの情報に合わせて制御したり、例えば強い揺れが予測されて制御不能に陥る可能性があると予測される際には、補助足を出したり飛行を中止し着陸させたりして、転倒、衝突や墜落を防止する制御を行ってもよい。
さらに、内部装置1が自律移動する自動販売用のカートロボットである場合、例えば強い揺れが予測される際に、当該カートロボットは、自らが自動運転車2内に固定されるように移動・駆動することも好ましい。
ちなみに、以上に説明した対上位情報利用部114による様々な「対上位情報」の利用形態は、例えば、アプリケーション121に搭載された、表示部104や移動・駆動機構105を制御するアプリケーション・プログラム(例えばHUDインタフェースを提供するアプリケーションや、ロボットの歩行を制御するアプリケーション等)と協働することによって実現されてもよい。
同じく図1に示すように、自動運転車2には、複数の(同図では2つの)内部装置1が存在している。この状況において、図1の機能ブロック図における同位通信部103は、自動運転車2の内部に存在する又は自動運転車2に乗っている他の内部装置1に対し、「上位情報」、「自同位情報」、及び「対上位情報」のうちの少なくとも1つを送信及び/又は受信する通信手段となっている。
この同位通信部103は、他の内部装置1にとっての自同位情報である「他同位情報」及び/又は他の内部装置1における「対上位情報」を受信して、対上位情報生成・管理部113へ出力する。次いで、対上位情報生成・管理部113の対同位情報生成・管理部113aは、入力した「他同位情報」及び/又は「対上位情報」に基づいて、他の内部装置1に対する自らの移動又は変位に係る情報である「対同位情報」を生成し、対上位情報利用部114へ出力するのである。
ここで、「他同位情報」は、他の内部装置1のセンサ部(IMU)102の出力に係る情報である。そのため、この「他同位情報」(及び「上位情報」)から、当該他の内部装置1の自動運転車2に対する(加速度・角速度を含む)動きが把握される。したがって、当該動きの情報と自らの「対上位情報」とを照らし合わせることによって、上記の「対同位情報」が生成可能となる。
次いで、対上位情報利用部114は、入力した「対同位情報」及び「対上位情報」に基づいて、自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行うことが可能となる。例えば、自動運転車2内の複数の内部装置1がいずれも自律運動可能な移動体である場合でも、「対同位情報」によって互いの自動運転車2に対する相対運動を把握することができる。これにより、例えば自律移動中における互いの距離が所定閾値未満となった場合に、相手から離反する動きをとるように制御したり、一時停止したりして衝突等のアクシデントを防止することも可能となるのである。
同じく図1の機能ブロック図において、センサ情報較正部115は、内部装置1が自動運転車2に対し固定された状態において、取得した「上位情報」に基づき、加速度及び/又は角速度の積分値又は総和値が所定値となるべき時間区間を決定し、この時間区間における加速度及び/又は角速度の測定値の積分値又は総和値から較正値を決定して、この較正値に基づきセンサ部102を較正する。
また、姿勢固定部115aは、この較正処理を精度よく実施するために、内部装置1を自動運転車2に対して固定するための固定器具又は固定機構である。具体的には例えば、内部装置1の装置裏面に設けられた固定用フックであってもよい。この場合、自動運転車2にフック受け部が設けられることになる。
また、内部装置1を固定する変更態様として、内部装置1が固定された形で収まる充電機能付き収納部が、自動運転車2(の例えば各座席)に設置されていてもよい。この場合、姿勢固定部115aは、例えば収納された際に押される形となる物理スイッチ系であって、内部装置1が固定されたことをセンサ情報較正部115へ通知し、例えば較正処理開始のトリガとして機能してもよい。
いずれにしても、センサ部102に含まれる加速度センサは一般に、感度誤差やオフセット誤差等に関し相当の個体差を有することが知られている。したがって、例えば測定した加速度を積分して速度や位置の情報を精度良く得るためにも、適宜の較正処理が必要となる。さらに、同じくセンサ部102に含まれるジャイロセンサについても、例えば角速度を積分して装置向きの角度を算出する際、加速度センサほどではないがやはり測定値の誤差が問題となるので、適宜の較正処理を行うことが好ましいのである。
ここで、センサ情報較正部115における加速度測定値の較正処理の具体例について説明する。最初に、取得された第2情報(又は第1情報)を参照し、自動運転車2の停止状態(速度v=0の状態)から、加速及び減速を行った後に生じる次の停止状態までの時間T(s(秒))と、時間Tの間に取得された加速度の時系列データat(m/s2)とを決定する。次いで、これらのデータを用いて、次式(1)の定積分方程式を解くことにより、デジタル処理における1サンプルあたりの誤差加速度aeを算出する。
Figure 0006776287
ここでデジタルデータが取得されていることに合わせ、上式(1)を、積分ではなく総和を用いた離散形に書き換えると、次式
(2) 0=Σt=0 T(at+ae)*dt
のようになる。上式(2)において、Σt=0 Tはtについての0からTまでのサンプル単位の総和であり、dt=T/Sであって、Sは時間T内のサンプル数である。
この上式(2)をaeについて解くと、次式
(3) ae=−(Σt=0 T(at*dt)/dt*S
=−(Σt=0 T(at))/S
が得られ、誤差加速度aeが算出される。上式(3)からすると、誤差加速度aeは、速度誤差の時間的平均であるとも解釈される。
なお以上に説明した例では、停止(速度v=0)状態から次の停止状態までの加速度に係る計算から誤差加速度aeを算出したが、例えば停止(速度v=0)状態から所定の速度(速度v=vx)状態までの計算によって、または、所定の速度(速度v=vx)状態から停止(速度v=0)状態までの計算によって誤差加速度aeを求めることも可能である。
また、更なる好適例となるが、上記の時間Tとして、取得された第2情報を用いて操舵角が常時ゼロである時間区間を決定し、当該時間区間(時間T)において誤差加速度aeを算出してもよい。または、経路情報を含む第3情報を用いて直線経路を走行している時間区間を決定し、当該時間区間(時間T)において誤差加速度aeを算出することも好ましい。これにより、較正処理中に、カーブ走行等に起因する遠心力がセンサ部102にかかり、誤差加速度aeの算出自体に誤差が介入する事態を回避することができる。
次に、センサ情報較正部115における角速度測定値の較正処理の具体例について説明する。最初に、取得された(経路情報を含む)第3情報を参照し、自動運転車2が、道路の直交した交差点等に差し掛かってから、左折(又は右折)を行い、直角に曲がり切って当該交差点等を通過するまでの時間Tと、時間Tの間に取得された角速度の時系列データwt(°/s)とを決定する。次いで、これらのデータを用い、次式
(4) 90=Σt=0 T(wt+we)*dt
を解くことによって、デジタル処理における1サンプルあたりの誤差角速度weが算出される。具体的に、誤差角速度weは、次式
(5) we=(90−Σt=0 T(wt*dt))/T
の通りに算出される。
また、センサ部102に含まれるジャイロセンサにおいて多くの場合に問題となるドリフトを防止するため、所定時間における角速度の積算値(角度値)と、第1〜3情報から導出される正解値とを突き合わせて、ジャイロセンサ出力の補正を行うことも好ましい。すると良い。
以上詳細に説明したような誤差加速度aeや誤差角速度weを較正値として、センサ部102からの出力データを較正することによって、当該出力データの精度が高まり、これにより、より正確な「対上位情報」を生成することができるのである。
ちなみに、自動運転車2のIMU103や上位装置3のセンサ部304も、以上に述べた第2情報及び/又は第3情報を利用する方法によって同様に較正することが可能である。ここで、IMU103やセンサ部304の較正情報を所定のサーバ又はクラウド上にアップして、自動運転車2を利用する複数のユーザ(の内部装置1)で利用する実施形態も可能である。
また、例えば上位装置3に、IMU103やセンサ部304の較正情報を保存し下位に配信する較正情報保存・配信機能を持たせ、自動運転車2を利用する複数のユーザ(の内部装置1)で当該較正情報を共有させてもよい。また、当該較正情報を長期間大量に蓄積し、統計的に収束させた較正情報を生成して、より安定した較正を実施することも可能となる。
さらに、センサ情報較正部115は、公知のカルマンフィルタ(Kalman filter)を用いて較正を行うことも好ましい。また、センサフュージョンとして、センサ部102の温度も計測し、この温度値も合わせて記録し較正に利用してもよい。
[内々部装置(移動使用可能装置)]
図2は、本発明による移動使用可能装置の他の実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
図2に示した実施形態においては、移動体としての大型船2’の船内に、上位装置3’が固定して設置されており、また当該船内又は船上を、例えば無人電気自動車である船内ビークル1’が走行している。さらに、船内ビークル1’の内部に又は船内ビークル1’に乗った形で1つ又は複数の(図2では2つの)内々部装置5が存在している。
ここで、上位装置3’は、図1に示した上位装置3と同様の機能構成部を備えた装置であり、下位通信部301’によって第1〜3情報を含む「上位情報」を船内ビークル1’や内々部装置5へ送信することが可能となっている。また、船内ビークル1’も、図1に示した内部装置1と同様の機能構成部を備え、移動・駆動機構105’によって移動し、上位通信部101’によって上位装置3’から「上位情報」を取得し、さらに、同位通信部103’によって、船内に存在する他の船内ビークル1’との間で「自同位情報(他同位情報)」をやり取りすることができる。
ただし本実施形態において、船内ビークル1’はさらに、下位通信部106’を有している。下位通信部106’は、船内ビークル1’の内部に存在する又は船内ビークル1’に乗っている内々部装置5に対し、「上位情報」、「自同位情報」、及び「対上位情報」のうちの少なくとも1つを内々部装置5に送信可能な通信手段である。また、船内ビークル1’についての第1〜3情報を内々部装置5に送信してもよい。ここで、「(大型船2’の)上位情報」が内々部装置5に送信される場合、船内ビークル1’は上位情報中継手段としても機能することになる。
同じく図2に示した機能ブロック図において、内々部装置5も、図1に示した内部装置1と同様の機能構成部を備えた移動使用可能装置である。具体的に、内々部装置5は、上位通信部501と、センサ部502と、同位通信部503と、表示部504と、移動・駆動機構505と、姿勢固定部515aと、上位情報取得部511と、自同位情報生成・管理部512と、対同位情報生成・管理部513aを含む対上位情報生成・管理部513と、対上位情報利用部514と、センサ情報較正部515と、アプリケーション521とを有している。これらの機能構成部はそれぞれ、図1に示した内部装置1における同名の機能構成部と同様の機能を果たすのである。
このような内々部装置5も具体的には、図1の内部装置1と同様、ユーザの携帯するスマートフォンやHMD等の情報端末であってもよく、また、(マイクロ)ロボットや(小型)ドローン等の起動・駆動体とすることもできる。ちなみに、内々部装置5の内部に又は内々部装置5に乗る形で、さらに本発明に係る移動使用可能装置(内々部装置)が存在し使用されてもよい。
ちなみに、このような入れ子状態は、原理的には相当に多数の段階まで可能となるが、内々部装置5は、このような入れ子状態においても、上位にある装置から上位情報等を取得し、同位の装置から他同位情報等を取得して、必要な「対上位情報」や「対同位情報」を生成し、適切に利用することが可能となる。すなわち、ユーザにとって見やすい表示を行ったり、衝突・墜落等のアクシデントを回避した好適な自律移動・駆動制御や自律姿勢制御を行ったりすることができるのである。
[各種情報の送受信・管理形態]
図3は、本発明に係る「入れ子状態」にある装置システムにおける、各種情報のやり取りや生成の様子を概略的に示す模式図である。
図3に示した実施形態によれば、(図2に示した)大型船2’の内部に又は大型船2’に乗る形で、複数の(図2に示した)船内ビークル1’が存在し、また、各船内ビークル1’の内部に又は各船内ビークル1’に乗る形で、複数の(図2に示した)内々部装置5が存在している。
このうち、大型船2’に固定設置された上位装置3’は、各船内ビークル1’に対し、大型船2’についての第1〜3情報を提供し、各船内ビークル1’はこれらの情報を「上位情報」として取得する。また、上位装置3’は、各内々部装置5に対してもこれらの第1〜3情報を提供してもよい。
各船内ビークル1’は、取得した「上位情報」を用いて「対上位情報」を生成し利用する。また、自ら(船内ビークル1’)についての第1〜3情報(「自同位情報」)を生成して、他の船内ビークル1’や自らに属する各内々部装置5に提供する。ここで、第1情報は例えば船内ビークル1’に備えられたIMUの出力から生成され、第2情報は船内ビークル1’の運転操作・運転制御情報を含み、第3情報は、船内ビークル1’が取得した船内での位置情報や船内環境情報を含む。
各船内ビークル1’はさらに、他の船内ビークル1’からの第1〜3情報を「他同位情報」として取得し、当該「他同位情報」を用いて「対同位情報」を生成し利用する。
また、各内々部装置5は、自らが属する船内ビークル1’からの第1〜3情報を当該船内ビークル1’についての「上位情報」として取得し、さらに、上位装置3’からの第1〜3情報を大型船2’についての「上位情報」として取得する。次いで、取得したこれらの「上位情報」を用いて「対上位情報」を生成し利用する。
さらに、各内々部装置5は、自ら(内々部装置5)についての第1〜3情報(「自同位情報」)を生成して、同じ船内ビークル1’内に存在する他の内々部装置5に提供してもよい。この場合、各内々部装置5は、他の内々部装置5からの第1〜3情報を「他同位情報」として取得し、当該「他同位情報」を用いて「対同位情報」を生成し利用するのである。
以上説明したように、入れ子状態にある各段階の装置が、互いに取得された又は生成した情報をやり取りし、当該情報を用いて必要な情報を生成することによって、入れ子状態の各段階において装置機能が適切に発揮可能となるのである。
[装置制御方法]
図4及び図5は、本発明による装置制御方法の一実施形態の各段階を概略的に示すフローチャートである。ちなみに、本実施形態は、図1に示した内部装置1における装置制御処理となっている。
最初に、図4(A)のフローチャートを用いて、内部装置1の向きを決定する処理の概略を説明する。
(S101)取得した第1情報及び/又は第2情報を用いて、自動運転車2が発進したか否かを判定する。ここで、発進していないと判定した場合、本処理を実施する状況にないとして処理を終了する。
(S102,S103)一方、発進したと判定した場合、自動運転車2の加速度及び角速度情報(「上位情報」)と、自ら(内部装置1)の加速度及び角速度情報(「自同位情報」)と、操舵角情報(第2情報)とを取得し、T秒間分をバッファリングする。
(S104)操舵情報を含む第2情報又は経路情報を含む第3情報を用いて、バッファリングを行ったT秒の間、自動運転車2は直進し続けたか否かを判定する。ここで、直進し続けてはいないと判定した場合、本処理を実施する状況にないとして処理を終了する。
(S105)一方、直進し続けたと判定した場合、バッファリングした加速度及び角速度情報に基づいて内部装置1の自動運転車2に対する向きを決定し、ジャイロスコープへ決定した向きの情報を登録する。
ちなみに、上記の実施形態を一言で表すと、内部装置1及び自動運転車2における加速度向きの差を用いて、内部装置1の自動運転車2(の基準向き)に対する向き(相対向き)を決定しているといえる。ここで、内部装置1が自動運転車2内に複数存在する場合、各同位装置1内で算出済みの相対向き(自動運転車2に対する向き)を互いにやり取りして、互いの相対向き(他の内部装置1に対する向き)を決定することもできる。また変更態様として、内部装置1同士が加速度(「自同位情報」)をやり取りし、互いの加速度向きの差を用いて、当該互いの相対向きを決定することも可能である。
次に、図4(B)のフローチャートを用いて、内部装置1における対上位情報生成処理の概略を説明する。
(S201)自ら(内部装置1)の加速度及び角速度情報(「同位情報」)を取得し、適宜バッファリングする。
(S202)バッファリングした加速度及び角速度情報を、後述する図5(A)及び(B)のフローで生成された較正値によって更新する。
(S203)取得した「上位情報」と較正した加速度及び角速度情報(「同位情報」)とを用いて、「対上位同位情報」を生成する。
(S204)加速度及び角速度情報に対し積分等の処理を行って、速度、位置及び装置向きを(示す角度)を算出し、これらの算出結果を含めた「対上位情報」を生成する。
なお、上記ステップS203においては、例えば、内部装置1及び自動運転車2における加速度の大きさ及び向きの差を用いて、内部装置1の自動運転車2に対する変位とその向きを含む「対上位情報」を生成することができる。またここで、内部装置1が自動運転車2内に複数存在する場合、このような「対上位情報」を内部装置1同士でやり取りすることによって、他の内部装置1に対する変位及び向きを含む「対同位情報」を生成してもよい。
次いで、図4(C)のフローチャートを用いて、内部装置1における対上位情報利用処理の概略を説明する。
(S301)生成した「対上位情報」を含む、取得・生成した諸情報をバッファリングする。
(S302)バッファリングした諸情報を適宜利用し、例えば、内部装置1における表示画像の表示位置を制御したり、内部装置1における移動・駆動機構105の動作を制御したりする。またここで、内部装置1についての第2情報及び第3情報を生成してもよい。
次いで、図5(A)のフローチャートを用いて、内部装置1における加速度較正値更新処理の概略を説明する。
(S401)内部装置1が固定されているか否かを判定する。
(S402)取得した第1情報及び/又は第2情報を用いて、自動運転車2が発進したか否かを判定し、発進したと判定するまでウェイトする。
(S403,S404)発進したと判定した場合、次いで停止したと判定されるまでの間、自ら(内部装置1)の加速度情報(「同位情報」)と、自動運転車2の操舵角情報(第2情報)とを取得し、バッファリングする。
(S405)バッファリングした操舵角情報に基づき、発進の判定を行ってから次に停止の判定を行うまでの間(速度ゼロ〜速度ゼロの時間区間)、自動運転車2が直進し続けたか否かを判定する。ここで、直進し続けてはいないと判定された場合、本処理を実施する状況にないとして処理を終了する。
(S406)一方、直進し続けたと判定した場合、バッファリングした加速度情報に基づいて加速度較正値aeを算出し、当該加速度較正値aeによってセンサ部102から出力される加速度情報を更新する。
次いで、図5(B)のフローチャートを用いて、内部装置1における角速度較正値更新処理の概略を説明する。
(S501)内部装置1が固定されているか否かを判定する。
(S502)取得した第2情報を用いて、自動運転車2における操舵が開始したか否かを判定し、開始したと判定されるまでウェイトする。
(S503,S504)発進したと判定した場合、次いで操舵が終了したと判定されるまでの間、自ら(内部装置1)の角速度及び加速度情報(「同位情報」)と、自動運転車2の操舵角情報(第2情報)とを取得し、バッファリングする。
(S505)操舵開始の判定を行ってから次に操舵停止の判定を行うまでの間、バッファリングした全ての加速度値が所定閾値未満であるか(加速度値が常に所定閾値未満であったか)否かを判定する。ここで、全ての加速度値が所定閾値未満ではないと判定された場合、本処理を実施する状況にないとして処理を終了する。
(S506)一方、全ての加速度値が所定閾値未満であると判定した場合、バッファリングした角速度情報に基づいて角速度較正値weを算出し、当該角速度較正値weによってセンサ部102から出力される角速度情報を更新する。
以上、詳細に説明したように、本発明による移動使用可能装置は、取得した「上位情報」を用いて、上位の移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報を含む「対上位情報」を生成し、自らの装置機能の制御に利用する。その結果、当該移動体の内部においても又は当該移動体に乗りながらの状態でも、より適切に機能することができる。
ちなみに、今後、装置・デバイス内、身体内や、逆に中規模・大規模移動体内、さらには海上・海中(海底)や、宇宙空間といった様々な環境下において、ロボット、ドローン等の移動・駆動体や通信端末を、利用する機会の増えることが予想される。本発明は、そのような場面において発生し得る重要な問題を解決し、当該利用の促進に資するものとなるのである。
以上に述べた本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。以上に述べた説明はあくまで例であって、何ら本発明を制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 内部装置(移動使用可能装置)
1’ 船内ビークル(移動使用可能装置)
101、101’、501 上位通信部
102、502 センサ部
103、103’、503 同位通信部
104、504 表示部
105、505 移動・駆動機構
106’ 下位通信部
111、511 上位情報取得部
112、512 自同位情報生成・管理部
113、513 対上位情報生成・管理部
113a、513a 対同位情報生成・管理部
114、514 対上位情報利用部
115、515 センサ情報較正部
115a、515a 姿勢固定部
121、521 アプリケーション
2 自動運転車(移動体)
2’ 大型船(移動体)
201 自動運転用センサ部
202 ECU
203 IMU
3、3’ 上位装置(測定装置)
301、301’ 下位通信部
302 ナビ情報通信部
303 測位部
304 センサ部
311 ナビ情報生成・管理部
312 センサ情報生成・管理部
313 運転情報生成・管理部
5 内々部装置(移動使用可能装置)

Claims (13)

  1. 移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、前記移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は前記移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
    を有することを特徴とする移動使用可能装置。
  2. 移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
    前記移動使用可能装置が前記移動体に対し固定された状態において、当該上位情報に基づき、当該加速度及び/又は角速度の積分値又は総和値が所定値となるべき時間区間を決定し、当該時間区間における当該加速度及び/又は角速度の測定値の積分値又は総和値から較正値を決定して、当該較正値に基づき前記センサ部を較正するセンサ情報較正手段
    有することを特徴とする移動使用可能装置。
  3. 移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
    他の当該移動使用可能装置が前記移動体の内部に存在する又は前記移動体に乗っている状況において、前記他の当該移動使用可能装置に対し、当該上位情報、当該自同位情報、及び当該対上位情報のうちの少なくとも1つを送信及び/又は受信する同位通信手段
    有することを特徴とする移動使用可能装置。
  4. 他の当該移動使用可能装置が前記移動体の内部に存在する又は前記移動体に乗っている状況において、前記他の当該移動使用可能装置に対し、当該上位情報、当該自同位情報、及び当該対上位情報のうちの少なくとも1つを送信及び/又は受信する同位通信手段を更に有し、
    前記同位通信手段は、他の当該移動使用可能装置にとっての自同位情報である他同位情報及び/又は他の当該移動使用可能装置の当該対上位情報を受信し、
    前記対上位情報生成手段は、当該他同位情報及び/又は当該対上位情報に基づいて、他の当該移動使用可能装置に対する自らの移動又は変位に係る情報である対同位情報を生成し、
    前記対上位情報利用手段は、当該対上位情報及び当該対同位情報に基づいて、自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の移動使用可能装置。
  5. 移動体で使用可能な移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と、
    前記移動使用可能装置、自らの内部に又は自らに乗っている他の当該移動使用可能装置を有する状況において、当該上位情報、当該自同位情報、及び当該対上位情報のうちの少なくとも1つを前記他の当該移動使用可能装置に送信可能な下位通信手段
    有することを特徴とする移動使用可能装置。
  6. 前記移動使用可能装置は、画像を表示する画像表示部を更に有し、
    前記対上位情報利用手段は、前記移動使用可能装置が前記移動体に対し振動又は揺れに係る変位を行っている際、当該変位の量よりも、表示された画像の前記移動体に対する変位の量が小さくなるように、当該対上位情報に基づいて、表示される画像の前記画像表示部における位置を調整する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の移動使用可能装置。
  7. 前記移動使用可能装置は、頭部に装着可能であって画像を表示可能な画像表示装置であり、
    前記対上位情報利用手段は、当該頭部の動きに起因する加速度成分及び/又は角速度成分に係る当該対上位同位情報を含む当該対上位情報に基づき、当該頭部の身体に対する動きの有無又は動きの程度に応じて、前記画像表示装置における表示される画像の移動の有無又は移動の程度を調整する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の移動使用可能装置。
  8. 移動体で使用可能であり、移動及び/又は駆動機構を備えていて前記移動体の内部で又は前記移動体に乗って移動及び/又は駆動可能な移動及び/又は駆動体としての移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    該対上位情報及び当該上位情報に基づいて、移動及び/又は駆動体としての前記移動使用可能装置が前記移動体の内部において又は前記移動体に乗りながら、意図しない動き、衝突又は転倒を起こさないように、前記移動及び/又は駆動機構の動作を制御する対上位情報利用手段と
    を有することを特徴とする移動使用可能装置。
  9. 前記対上位情報生成手段は、当該自同位情報に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量と、当該上位情報に含まれる加速度及び/又は角速度に係る量との差に基づいて、当該対上位同位情報を生成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の移動使用可能装置。
  10. 前記センサ部は自らの加速度を測定可能であり、
    前記対上位情報生成手段は、前記移動体の加速度を含む当該上位情報と自らの加速度を含む当該自同位情報とに基づき、当該自らの加速度ベクトルと当該移動体の加速度ベクトルとの差から、前記移動体の基準向きに対する自らの相対向きに係る情報を含む当該対上位情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の移動使用可能装置。
  11. 移動体に存在する装置の内部で又は当該装置に乗って使用可能な移動使用可能装置であって、
    少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部と、
    前記装置から又は前記装置に設置された若しくは関連した測定装置から、前記装置及び/又は前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報を含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    自らの加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記装置及び/又は前記移動体に対する自らの移動又は変位に係る情報である対上位同位情報を含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて自らの移動若しくは変位に応じた制御、若しくは自らの移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
    を有することを特徴とする移動使用可能装置。
  12. 移動体で使用可能な装置に搭載されたコンピュータを機能させる装置制御プログラムであって、
    前記装置は、少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部を有し、前記プログラムは、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、前記移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は前記移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得する上位情報取得手段と、
    前記装置の加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成する自同位情報生成手段と、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する前記装置の移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成する対上位情報生成手段と、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて前記装置の移動若しくは変位に応じた制御、若しくは前記装置の移動若しくは変位に関係する制御を行う対上位情報利用手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とする装置制御プログラム。
  13. 移動体で使用可能な装置に搭載されたコンピュータにおける装置制御方法であって、
    前記装置は、少なくとも自らの加速度及び/又は角速度を測定可能なセンサ部を有し、前記装置制御方法は、
    前記移動体から又は前記移動体に設置された若しくは関連した測定装置から、前記移動体における加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動関連情報と、前記移動体における移動の制御に係る移動体制御情報、及び/又は前記移動体の移動する環境に係る移動体環境情報とを含む上位情報を取得するステップと、
    前記装置の加速度及び/又は角速度に係る情報を有する移動又は変位関連情報を含む自同位情報を生成するステップと、
    当該上位情報と当該自同位情報とに基づいて、前記移動体に対する前記装置の移動又は変位に係る情報である対上位同位情報と、当該移動体制御情報及び/又は当該移動体環境情報とを含む対上位情報を生成するステップと、
    当該対上位情報に係る情報の出力を行う、又は当該対上位情報に基づいて前記装置の移動若しくは変位に応じた制御、若しくは前記装置の移動若しくは変位に関係する制御を行うステップと
    を有することを特徴とする装置制御方法。
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