以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、テープフィーダの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図2における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図2における上下方向)が示される。図3、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
まず図1を参照して部品実装システム1について説明する。図1において部品実装システム1は、基板搬送方向(図1における左側から右側に向かう方向)に、部品実装装置M1、部品実装装置M2、部品実装装置M3を連結して通信ネットワーク2によって接続し、全体が管理コンピュータ3によって制御される構成となっている。部品実装システム1は、基板に部品を実装して実装基板を製造する機能を有する。なお、部品実装システム1の構成は図1の例に限定されることはなく、4台以上の部品実装装置M1〜M3を連結しても、1台の部品実装装置M1〜M3で構成してもよい。
次に図2を参照して、部品実装装置M1〜M3の構成を説明する。部品実装装置M1〜M3は同様の構成であり、ここでは部品実装装置M1について説明する。部品実装装置M1は、部品供給部から供給された部品を基板に搭載する部品搭載作業を実行する機能を有する。基台4の中央には、基板搬送機構5がX方向に配設されている。基板搬送機構5は、上流側から搬送された基板6を実装作業位置に搬入し、位置決めして保持する。また、基板搬送機構5は、部品搭載作業が完了した基板6を実装作業位置から下流側に搬出する。
基板搬送機構5の両側方には、部品供給部7が配置されている。それぞれの部品供給部7には、複数のテープフィーダ8が並列に装着されている。テープフィーダ8は、部品を収納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部7の外側から基板搬送機構5に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッドによる部品取り出し位置に部品を供給する。
基台4上面においてX方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム9が配設されている。Y軸ビーム9には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸ビーム10が、Y方向に移動自在に結合されている。2基のX軸ビーム10には、それぞれ実装ヘッド11がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド11は、図3に示すように、部品を吸着して保持して昇降可能な複数の吸着ユニット11aを備える。吸着ユニット11aのそれぞれの下端部には、部品を吸着保持する吸着ノズル11bが装着されている。
図2において、Y軸ビーム9、X軸ビーム10を駆動することにより、実装ヘッド11はX方向、Y方向に移動する。これにより2つの実装ヘッド11は、それぞれ対応した部品供給部7に配置されたテープフィーダ8の部品取り出し位置から部品を吸着ノズル11bによって吸着して取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板6の実装点に実装する。Y軸ビーム9、X軸ビーム10および実装ヘッド11は、部品を保持した実装ヘッド11を移動させることにより、部品を基板6に実装する部品実装機構12を構成する。
部品供給部7と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ13が配設されている。部品供給部7から部品を取り出した実装ヘッド11が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は実装ヘッド11に保持された状態の部品を撮像して部品の保持姿勢を認識する。基板認識カメラ14は、実装ヘッド11が取り付けられたプレート10aに取り付けられており、実装ヘッド11と一体的に移動する。
実装ヘッド11が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送機構5に位置決めされた基板6の上方に移動し、基板6に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板6の位置を認識する。また、基板認識カメラ14はテープフィーダ8の部品の吸着位置の上方に移動し、部品取り出し位置付近のキャリアテープの状態を認識する。実装ヘッド11による基板6への部品実装動作においては、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板位置の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
図3に、部品実装装置M1〜M3の図2におけるAA断面を示す。部品供給部7は、フィーダベース15aに予め複数のテープフィーダ8が装着されて基台4に対して着脱可能な台車15で構成されている。台車15には、部品を保持したキャリアテープ16を巻回状態で収納する供給リール17が保持されている。供給リール17から引き出されたキャリアテープ16は、テープフィーダ8に装着されている。テープフィーダ8は、キャリアテープ16を吸着ノズル11bによる部品取り出し位置までピッチ送りする。
次に図4、図5を参照して、テープフィーダ8の構成および機能を説明する。テープフィーダ8は、部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープ16を搬送し、部品取り出し位置S(図4(c)参照)の手前でカバーテープを剥離して、部品取り出し位置Sに収納された部品を供給する機能を有している。図4(a)に示すように、テープフィーダ8は、本体部8aおよび本体部8aの下面から下方に凸設された装着部8bを備えた構成となっている。テープフィーダ8は、本体部8aの下面をフィーダベース15aに沿わせた状態で、装着部8bをフィーダベース15aに装着することによりフィーダベース15aに装着される。
また、テープフィーダ8がフィーダベース15aに装着されることにより、テープフィーダ8に内蔵されたフィーダ制御部21が、部品実装装置M1〜M3の実装制御部22と電気的に接続される。フィーダ制御部21は、キャリアテープ16のテープ送り動作を制御する。本体部8aの内部には、供給リール17から引き出されて本体部8a内に挿入されたキャリアテープ16を案内するテープ搬送路8cが設けられている。テープ搬送路8cは、本体部8aにおいてテープ送り方向の上流側(以下、単に「上流側」と称し、反対方向を「下流側」と称す。)の端部に開口したキャリアテープ16が挿入される挿入口8dから、実装ヘッド11によって部品を吸着して取り出す部品取り出し位置Sより下流側に開口した排出口8eまで連通して設けられている。
図4(b),図4(c)においてキャリアテープ16は、テープ本体を構成するベーステープ16aと、カバーテープ16dとを備える。ベーステープ16aには、部品Pを収納保持するポケット16bと、キャリアテープ16をピッチ送りするための送り穴16cが、所定ピッチで設けられている。ポケット16bは、テープ送り方向にピッチLp間隔で設けられている。カバーテープ16dは、ポケット16bから部品Pが脱落するのを防止するために、ポケット16bを覆うようにベーステープ16aの上面に貼り付けられている。
図4(a)において本体部8aには、キャリアテープ16をピッチ送りするためのテープ送り機構23が設けられている。テープ送り機構23は、本体部8aの下流側の端部に軸線をテープ送り方向に直交にし、かつ水平にした姿勢で配置されたスプロケット24と、スプロケット24を回転させる駆動モータ25を備えている。スプロケット24は、外周に複数の送りピン24a(図5参照)が形成されている。
駆動モータ25は、モータ駆動部63(図8参照)より供給される駆動電流Idによって両方向に回転する。モータ駆動部63が供給する駆動電流Idは、フィーダ制御部21によって制御される。駆動電流Idの電流値Imは、モータ駆動部63が備える電流計測部64(図8参照)によって計測される。駆動モータ25は、送りピン24aをキャリアテープ16の送り穴16cに係合させた状態でスプロケット24を回転させることにより、キャリアテープ16をテープ搬送路8cに沿ってピッチ送りする。
図4(a)、図4(c)、図5において、スプロケット24近傍の本体部8aの上面側には、テープ押さえカバー26が配設されている。テープ押さえカバー26からは、スプロケット24の送りピン24aが一部露出している。テープ押さえカバー26には、カバーテープ16dを剥離するためのカバーテープ剥離部27が設けられている。またテープ押さえカバー26のカバーテープ剥離部27の下流側には、吸着ノズル11bによる部品取り出し位置Sに対応して開口部28が設けられている。
図4(a)において、キャリアテープ16はテープ押さえカバー26によってテープ搬送路8cに押さえつけられた状態でピッチ送りされる。キャリアテープ16がテープ押さえカバー26の下方を走行する過程において、カバーテープ16dをカバーテープ剥離部27で折り返して上流側に引き出すことによって、部品取り出し位置Sの上流側にてカバーテープ16dがベーステープ16aから剥離される。これにより、ポケット16b内の部品Pは開口部28において上方へ露呈され、吸着ノズル11bによる取り出しが可能な状態となる。剥離されたカバーテープ16dは、カバーテープ送り機構29によってピッチ送り方向と反対側へ導かれ、本体部8aの上流側に設けられたテープ回収部30内へ送られる。
図5において、スプロケット24には、スプロケット24の回転位置Rを検出するロータリーエンコーダEが配設されている。ロータリーエンコーダEが検出した回転位置Rは、フィーダ制御部21に送信される。フィーダ制御部21は、送信された回転位置Rと、部品Pを部品取り出し位置Sに停止させるためのスプロケット24の目標回転停止位置R(0)より、両者の差分の回転位置ずれ量ΔRを算出する。回転位置ずれ量ΔRの極性より、スプロケット24の停止位置が目標回転停止位置R(0)より後方であるか(矢印b)、前方であるか(矢印c)を検出することができる。
ピッチ送りの際、フィーダ制御部21は、スプロケット24が目標回転停止位置R(0)に停止する(回転位置ずれ量ΔRをゼロにする)ように、モータ駆動部63を制御して駆動モータ25を動作させる。スプロケット24を回転させる駆動モータ25の動作(停止位置)は、スプロケット24の動作を監視するロータリーエンコーダEによって同様に監視することができる。すなわち、ロータリーエンコーダEは、駆動モータ25の動作を監視する監視部となる。
以下、回転位置Rが目標回転停止位置R(0)より後方にある場合の回転位置ずれ量ΔRをマイナス、前方にある場合の回転位置ずれ量ΔRをプラスとする。また、駆動モータ25がスプロケット24を前方に回転させるためにモータ駆動部63より供給される駆動電流Idの方向をプラス、後方に回転させるためにモータ駆動部63より供給される駆動電流Idの方向をマイナスとする。
ここで、図6(a)、図6(b)を参照して、テープ送り機構23によるキャリアテープ16のピッチ送り制御について説明する。図6(a)はスプロケット24の回転位置Rを時間Tに沿って、図6(b)は駆動モータ25に供給される駆動電流Idを時間Tに沿って示している。ピッチ送り制御では、ロータリーエンコーダEが検出した回転位置Rを基に、フィーダ制御部21によって回転位置ずれ量ΔRがゼロとなるようにフィードバック制御が実行される。
まずフィーダ制御部21は、キャリアテープ16をピッチLpだけ下流側に移動させて、次の部品Pを部品取り出し位置Sに停止させる目標となるスプロケット24の回転位置Rである目標回転停止位置R(1)を設定する。すなわち、現在の目標回転停止位置R(0)からピッチLpに相当するピッチ回転量Rpだけ前方の位置が、次の目標回転停止位置R(1)となる。以下、ピッチ送りの度に、ピッチ回転量Rpだけ前方の目標回転停止位置R(2),R(3),・・・が設定される。
次いでフィーダ制御部21はモータ駆動部63に指令を送信し、スプロケット24を前方に回転させるプラスの駆動電流Idを供給させる。フィーダ制御部21は、ロータリーエンコーダEより送信される回転位置Rより算出した回転位置ずれ量ΔRに基づいて、モータ駆動部63が供給する駆動電流Idを調整する。すなわち、スプロケット24の回転位置Rが目標回転停止位置R(1)より後方にあって回転位置ずれ量ΔRがマイナスの間は、スプロケット24を前方に回転させるプラスの駆動電流Idが供給される。
また、回転位置Rが目標回転停止位置R(1)より前方に行き過ぎて回転位置ずれ量ΔRがプラスになると、スプロケット24を後側に回転させるマイナスの駆動電流Idが供給される。このように、所定の位置決め時間Ts内に、回転位置Rが目標回転停止位置R(1)に対して許容誤差範囲Re内に収まるように(R(1)−Re≦R≦R(1)+Re)、フィーダ制御部21によって駆動電流Idの方向と電流値Imが制御される。
また、モータ駆動部63が供給する駆動電流Idの電流値Imは、駆動モータ25に掛かる負荷の大きさに応じて増減するように制御される。例えば、スプロケット24にキャリアテープ16が係合していない状態では、駆動モータ25に掛かる負荷は小さいため、駆動モータ25は小さな駆動電流Idで回転することができる。一方、スプロケット24にキャリアテープ16が係合して負荷が大きくなった状態では、より大きな駆動電流Idが必要となる。
以下、図6(a)に示すように、1回目のピッチ送りによって停止したスプロケット24の回転位置Rの目標回転停止位置R(1)からの差分を回転位置ずれ量ΔR(1)と表す。同様に、N回目を回転位置ずれ量ΔR(N)と表す。また、図6(b)に示すように、1回目のピッチ送りの際に駆動モータ25に供給される駆動電流Idの最大値をピーク電流値Imp(1)と表す。同様に、N回目をピーク電流値Imp(N)と表す。
図4(a)において、テープフィーダ8の上流側の上面には、フィーダ制御部21に接続された操作・表示パネル31が配置されている。操作・表示パネル31には、テープ送り機構23によるテープ送り動作、テープ戻し動作、カバーテープ送り機構29によるカバーテープ送り動作を操作するための操作ボタンなど、各種の操作ボタンが設けられている。また、操作・表示パネル31には、テープフィーダ8の駆動モータ25の動作状況などを表示する液晶表示や7セグメントLEDなどの表示手段が設けられている。
このように、テープフィーダ8は、キャリアテープ16をピッチ送りするスプロケット24と、スプロケット24を回転させる駆動モータ25と、駆動モータ25に流れる駆動電流Idの電流値Imを計測する計測部(電流計測部64)と、駆動モータ25の動作を監視する監視部(ロータリーエンコーダE)とを備え、部品Pを収納したキャリアテープ16を部品取り出し位置Sまで搬送し、収納された部品Pを部品実装装置M1〜M3に供給する部品供給装置となる。
次に、図7、図8を参照して、部品実装システム1の制御系の構成を説明する。図7は部品実装システム1の全体構成を、図8は部品実装装置M1〜M3の部品供給部7に複数装着されるテープフィーダ8の構成をそれぞれ示している。図7において、部品実装装置M1〜M3は同様の構成であり、ここでは部品実装装置M1について説明する。
図7において、部品実装装置M1が備える実装制御部22は、CPU機能を備える演算処理装置である。実装制御部22は、実装記憶部41に記憶された処理プログラムを実行することにより、基板搬送機構5、部品供給部7、部品実装機構12、部品認識カメラ13、基板認識カメラ14、表示部42の各部を制御して、部品供給部7から供給された部品Pを基板搬送機構5によって保持された基板6に搭載する部品搭載作業を実行する。
部品供給部7には、複数のテープフィーダ8が接続されており、テープフィーダ8が備える通信部65(図8を参照)を介して信号、データの授受を行う。表示部42は液晶パネルなどの表示装置であり、各種データ、情報などを表示する。通信部43は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3、他の部品実装装置M2,M3との間で信号、データの授受を行う。
図8において、テープフィーダ8は、フィーダ制御部21、フィーダ記憶部61、モータ駆動部63、電流計測部64、ロータリーエンコーダE、駆動モータ25、操作・表示パネル31、通信部65を備えている。フィーダ制御部21はCPUなどの演算装置であり、解析判定部62などの内部処理部を有しており、モータ駆動部63、操作・表示パネル31、通信部65を制御する。フィーダ記憶部61は記憶装置であり、駆動電流データ61a、回転位置データ61b、ピーク電流値データ61c、回転位置ずれ量データ61d、エラー閾値データ61e、警告閾値データ61f、変化率データ61g、許容変化率データ61hなどを記憶する。
フィーダ制御部21は、電流計測部64が計測したモータ駆動部63が駆動モータ25に供給する駆動電流Idの電流値Imを、駆動電流データ61aとしてフィーダ記憶部61に記憶させる。またフィーダ制御部21は、ロータリーエンコーダEが検出したスプロケット24の回転位置Rを、回転位置データ61bとしてフィーダ記憶部61に記憶させる。
図8において、解析判定部62は、記憶された駆動電流データ61aを基に、ピッチ送り毎の駆動電流Idのピーク電流値Imp(N)を算出し、ピーク電流値データ61cとしてフィーダ記憶部61に記憶させる。また、解析判定部62は、記憶された回転位置データ61bを基に、ピッチ送り毎にフィーダ制御部21が設定する目標回転停止位置R(N)とスプロケット24が停止した回転位置Rとの差分である回転位置ずれ量ΔR(N)を算出し、回転位置ずれ量データ61dとしてフィーダ記憶部61に記憶させる。
エラー閾値データ61eには、駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の電流値Im(エラー閾値)、または、駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の後方位置(マイナス側エラー閾値)、もしくは、駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の前方位置(プラス側エラー閾値)が含まれる。解析判定部62が駆動電流Idの電流値Imがエラー閾値を超過したと判定すると、フィーダ制御部21は駆動モータ25によるピッチ送りを停止させる。また、解析判定部62が、スプロケット24がマイナス側エラー閾値より後方で停止した、もしくは、スプロケット24がプラス側エラー閾値より前方で停止したと判定すると、操作・表示パネル31にエラー停止が表示される。
図8において、警告閾値データ61fには、電流計測部64が計測した電流値Imがこの値を超過すると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定される、エラー閾値より小さい値である電流値Im(警告閾値)が含まれる。すなわち、解析判定部62は、計測された電流値Imが駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の電流値Im(エラー閾値)よりも小さい所定の電流値Im(警告閾値)以上になると、駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定する。
また、警告閾値データ61fには、ピッチ送りにおいてスプロケット24が停止した回転位置R(駆動モータ25の停止位置)がこの位置より後方になると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定される、マイナス側エラー閾値より前方の後方位置(マイナス側警告閾値)が含まれる。すなわち、解析判定部62は、ピッチ送りにおける駆動モータ25の停止位置があらかじめ設定された駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の後方位置(マイナス側エラー閾値)よりも前方の所定の後方位置(マイナス側警告閾値)より後方になると駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定する。
また、警告閾値データ61fには、ピッチ送りにおいてスプロケット24が停止した回転位置R(駆動モータ25の停止位置)がこの位置より前方になると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が減少傾向であると判定される、プラス側エラー閾値より後方の前方位置(プラス側警告閾値)が含まれる。すなわち、解析判定部62は、ピッチ送りにおける駆動モータ25の停止位置があらかじめ設定された駆動モータ25を正常に駆動するためにあらかじめ設定された最大の前方位置(プラス側エラー閾値)よりも後方の所定の前方位置(プラス側警告閾値)より前方になると駆動モータ25の負荷が減少傾向であると判定する。
図8において、解析判定部62は、記憶されたピーク電流値データ61cを基に、駆動電流Idのピーク電流値Imp(N)の変化率θを算出する。具体的に解析判定部62は、所定回数ピッチ送りされる間に(図10では5回)計測されたピーク電流値Imp(N)から、最小二乗法などの統計処理によってピッチ送りあたりのピーク電流値Imp(N)の変化率θを算出する。なお、図10においては5回を所定回数ピッチ送りされるとしたが、所定回数は任意である。またN回ピッチ送りした際の平均値を1ピッチ送りとして、所定回数ピッチ送りされる間に計測されたピーク電流値Imp(N)から、最小二乗法などの統計処理によってピッチ送りあたりのピーク電流値Imp(N)の変化率θを算出してもよい。
許容変化率データ61hには、ピーク電流値Imp(N)の変化率θがこの値を超過すると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定される上昇率(変化率θ)の閾値が含まれる。すなわち、解析判定部62は、所定回数ピッチ送りされる間に計測されたピッチ送り毎の電流値のピーク値(ピーク電流値Imp(N))の上昇率(変化率θ)が所定(閾値)以上になると、駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定する。
図8において、解析判定部62は、記憶された回転位置データ61bを基に、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θを算出する。具体的に解析判定部62は、所定回数ピッチ送りされる間(図12では5回)に監視された回転位置ずれ量ΔR(N)から、最小二乗法などの統計処理によってピッチ送りあたりの回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θを算出する。
許容変化率データ61hには、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θがこの値を超過すると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定される、停止したスプロケット24の回転位置R(駆動モータ25の停止位置)の後退率(マイナス側の変化率θの絶対値)の閾値が含まれる。また、許容変化率データ61hには、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θがこの値を超過すると、解析判定部62によって駆動モータ25の負荷が減少傾向であると判定される、停止したスプロケット24の回転位置R(駆動モータ25の停止位置)の前進率(プラス側の変化率θの絶対値)の閾値が含まれる。
すなわち、解析判定部62は、所定回数ピッチ送りされる間に監視されたピッチ送り毎の駆動モータ25の停止位置(停止したスプロケット24の回転位置R)の後退率(マイナス側の変化率θの絶対値)が所定(閾値)以上になると駆動モータ25の負荷が増加傾向であると判定する。また、解析判定部62は、所定回数ピッチ送りされる間に監視されたピッチ送り毎の駆動モータ25の停止位置(停止したスプロケット24の回転位置R)の前進率(プラス側の変化率θの絶対値)が所定(閾値)以上になると前記駆動モータの負荷が減少傾向であると判定する。
テープフィーダ8は、キャリアテープ16が近傍のキャリアテープ16や台車15と絡まったり引っ掛かったりした状態でピッチ送りすると、スプロケット24を回転させる駆動モータ25の負荷が増加傾向となる。この状態でピッチ送りを継続させると、やがて駆動モータ25が正常に駆動することができる負荷を超過して停止する不具合が発生する場合がある。
また、テープフィーダ8では、テープ送り機構23を構成する部品が摩耗するなどして、駆動モータ25が駆動するスプロケット24が回転せずに滑ったり、空転したりするようになると、駆動モータ25の負荷が減少傾向となる。この状態でピッチ送りを継続させると、やがて、テープ送り機構23が故障する不具合が発生する場合がある。
つまり、駆動モータ25の負荷が増加傾向または減少傾向であることを検出することで、将来の不具合発生を予測することができる。そして、このような不具合の発生が予測されると、操作・表示パネル31にその旨が表示される。すなわち、操作・表示パネル31は、駆動モータ25の負荷が増加傾向または減少傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する報知部となる。
図7において、通信部65は通信インターフェースであり、部品実装装置M1の通信部43、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3との間で信号、データの授受を行う。
このように、テープフィーダ8(部品供給装置)は、駆動モータ25に流れる駆動電流Idの電流値Imを計測する電流計測部64(計測部)と、計測された電流値Imに基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、駆動モータ25の負荷の増減傾向を判定する解析判定部62と、駆動モータ25の負荷が増加傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する操作・表示パネル31(報知部)とを備えている。
また、テープフィーダ8(部品供給装置)は、駆動モータ25の動作を監視するロータリーエンコーダE(監視部)と、監視された駆動モータ25の動作に基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、駆動モータ25の負荷の増減傾向を判定する解析判定部62と、駆動モータ25の負荷が増加傾向または減少傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する操作・表示パネル31(報知部)とを備えている。これによって、テープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生を予測して、不具合の発生が予測されるテープフィーダ8の位置を作業者に報知することができる。
図7において、管理コンピュータ3は、管理制御部51、管理記憶部52、入力部53、表示部54、通信部55を備えている。管理制御部51はCPUなどの演算装置であり、解析判定部51aなどの内部処理部を有している。管理記憶部52は記憶装置であり、部品実装システム1を統括制御するための部品実装データの他、駆動電流データ52a、回転位置データ52b、ピーク電流値データ52c、回転位置ずれ量データ52d、エラー閾値データ52e、警告閾値データ52f、変化率データ52g、許容変化率データ52hなどを記憶する。
駆動電流データ52a、回転位置データ52bは、テープフィーダ8から送信されて管理記憶部52に記憶されたデータで、フィーダ記憶部61に記憶された駆動電流データ61a、回転位置データ61bと同様のデータであり、詳細な説明は省略する。エラー閾値データ52e、警告閾値データ52f、許容変化率データ52hは、フィーダ記憶部61に記憶されたエラー閾値データ61e、警告閾値データ61f、許容変化率データ61hと同様であり、詳細な説明は省略する。
解析判定部51aは、管理記憶部52に記憶された駆動電流データ52a、回転位置データ52bを基に、テープフィーダ8の解析判定部62と同様の処理を実行するものであり、詳細な説明は省略する。ピーク電流値データ52c、回転位置ずれ量データ52d、変化率データ52gは、駆動電流データ52a、回転位置データ52bを基に、解析判定部51aによって算出されたデータで、テープフィーダ8のピーク電流値データ61c、回転位置ずれ量データ61d、変化率データ61gと同様のデータであり、詳細な説明は省略する。
図7において、入力部53は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時に用いられる。表示部54は液晶パネルなどの表示装置であり、各種データの他、報知情報などを表示する。通信部55は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して部品実装装置M1〜M3との間で信号、データの授受を行う。
このように、部品Pを部品実装装置M1〜M3に供給するテープフィーダ8(部品供給装置)を有する部品実装システム1(部品供給システム)は、テープフィーダ8(部品供給装置)においてキャリアテープ16をピッチ送りするスプロケット24を回転させる駆動モータ25に流れる駆動電流Idの電流値Imを計測する電流計測部64(計測部)によって計測された電流値Imに基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、駆動モータ25の負荷の増減傾向を判定する解析判定部51aと、駆動モータ25の負荷が増加傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する報知部(表示部54)とを備えている。
また、部品Pを部品実装装置M1〜M3に供給するテープフィーダ8(部品供給装置)を有する部品実装システム1(部品供給システム)は、テープフィーダ8(部品供給装置)においてキャリアテープ16をピッチ送りするスプロケット24を回転させる駆動モータ25の動作を監視するロータリーエンコーダE(監視部)によって監視された駆動モータ25の動作に基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、駆動モータ25の負荷の増減傾向を判定する解析判定部51aと、駆動モータ25の負荷が増加傾向または減少傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する報知部(表示部54)とを備えている。
これによって、部品実装システム1(部品供給システム)において、テープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生を予測することができる。そして、部品供給部7におけるテープフィーダ8の装着位置などテープフィーダ8を特定する情報と紐付けて、表示部54に不具合の発生が予測された旨を表示する。これによって、管理コンピュータ3において部品実装システム1の稼動状況を監視中の作業者に、不具合の発生の予測を報知することができる。
なお、解析判定部51aおよび管理記憶部52が記憶する各種データを部品実装装置M1〜M3に備えさせ、部品実装装置M1〜M3においてテープフィーダ8における不具合の発生を予測させて、各部品実装装置M1〜M3が備える表示部42(報知部)にその旨を報知させてもよい。また、不具合の発生が予測されると、各部品実装装置M1〜M3が備える図示省略する表示灯、ブザーなどに報知させてもよい。
次に図9のフローに則して、図10を参照しながらテープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生をピッチ送りしながら予測する第1の不具合予測方法について説明する。まず、フィーダ制御部21は、キャリアテープ16をピッチ送りする(ST1:ピッチ送り工程)。ピッチ送りの間、電流計測部64は、駆動モータ25に供給される駆動電流Idの電流値Imを計測する(ST2:電流計測工程)。計測された電流値Imは、駆動電流データ61aとして記憶される。
次いで解析判定部62は、ピッチ送りの間に供給された駆動電流Idの最大値であるピーク電流値Imp(N)を算出し、ピーク電流値Imp(N)がエラー閾値以上でるか否かを判定する(ST3:第1エラー判定工程)。ピーク電流値Imp(N)がエラー閾値以上と判定された場合(ST3においてYes)、フィーダ制御部21はピッチ送りを停止させる(ST4)。なお、フィーダ制御部21は、ピッチ送りの間に計測される電流値Imがエラー閾値を超過すると、ピッチ送りを停止(ST4)するようにしてもよい。
図10に、ピッチ送り(13回)毎に算出されたピーク電流値Imp(N)の例を示す。この例では、13回目のピッチ送りにおいてピーク電流値Imp(13)がエラー閾値を超過しているため、14回目のピッチ送りが停止、もしくは、13回目のピッチ送りが途中で停止される。これによって、駆動モータ25に異常な過電流が供給されて駆動モータ25などが損傷することを防止できる。
図9において、ピーク電流値Imp(N)がエラー閾値より小さいと判定された場合(ST3においてNo)、解析判定部62は、ピーク電流値Imp(N)が警告閾値以上か否かを判定する(ST5:第1警告判定工程)。ピーク電流値Imp(N)が警告閾値以上と判定された場合(ST5においてYes)、不具合の発生が予測されると判断して操作・表示パネル31にその旨を表示する(ST6:報知工程)。
図10に示す例では、11回目のピッチ送りでピーク電流値Imp(11)が警告閾値を超過しており、ピッチ送り後に不具合の発生が予測される旨が報知される。これよって、不具合が発生してピッチ送りが停止される前に、絡まったキャリアテープ16を解くなどの処置を行うことができる。なお、ピーク電流値Imp(N)が所定の回数連続して警告閾値を超過すると、警告報知するようにしてもよい。これにより、ノイズなどの影響で誤った警告が報知されることを防止することができる。
図9において、ピーク電流値Imp(N)が警告閾値より小さいと判定された場合(ST5においてNo)、解析判定部62は、ピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)が所定の閾値以上か否かを判定する(ST7:上昇率判定工程)。ピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)が所定の閾値以上と判定された場合(ST5においてYes)、不具合の発生が予測されると判断して報知工程(ST6)が実行される。
図10において、ピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)は、直近5回のピッチ送りのピーク電流値Imp(N)を基に算出されている。例えば、5回目のピッチ送り後には、1回目から5回目までのピッチ送りF(1,5)におけるピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)が算出される。9回目のピッチ送り後には、5回目から9回目までのピッチ送りF(5,9)におけるピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)が算出される。そして、ピッチ送り毎に、算出された上昇率(変化率θ)が所定の閾値と比較される。これによって、ピーク電流値Imp(N)が警告閾値を超過する前の早期の段階でも、不具合の発生を予測することができる。
図9において、ピーク電流値Imp(N)の上昇率(変化率θ)が所定の閾値より小さいと判定された場合(ST7においてNo)、次の部品Pを供給するためのピッチ送り工程(ST1)が実行される。
このように、第1の不具合予測方法では、駆動モータ25に流れる駆動電流Idの電流値Imを計測し、計測された電流値Imに基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、解析された駆動モータ25の負荷が増加傾向にあるか否かを判定し、駆動モータ25の負荷が増加傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知している。これによって、テープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生を予測して、不具合の発生が予測されるテープフィーダ8の位置を作業者に報知することができる。
次に図11のフローに則して、図12を参照しながらテープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生をピッチ送りしながら予測する第2の不具合予測方法について説明する。第2の不具合予測方法は、ロータリーエンコーダEによって監視された駆動モータ25の動作に基づいて不具合の発生を予測するところが第1の不具合予測方法と異なる。以下、第1の不具合予測方法と同じ工程には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図11において、まず、ピッチ送り工程(ST1)が実行される。ピッチ送りの間、ロータリーエンコーダEは、駆動モータ25の動作を監視する(ST11:動作監視工程)。監視されたスプロケット24の回転位置Rは、回転位置データ61bとして記憶される。次いで解析判定部62は、駆動モータ25の停止位置(スプロケット24が停止した回転位置R)がエラー閾値の外であるか否かを判定する(ST12:第2エラー判定工程)。
すなわち、駆動モータ25の停止位置がプラス側エラー閾値より前方か(回転位置ずれ量ΔR(N)がプラス側エラー閾値より大きいか)、または、駆動モータ25の停止位置がマイナス側エラー閾値より後方か(回転位置ずれ量ΔR(N)がマイナス側エラー閾値より小さいか)否かが判定される。駆動モータ25の停止位置がエラー閾値の外であると判定された場合(ST12においてYes)、フィーダ制御部21はピッチ送りを停止させる(ST4)。
図12に、ピッチ送り(13回)毎に算出された回転位置ずれ量ΔR(N)の例を示す。この例では、13回目のピッチ送りにおいて回転位置ずれ量ΔR(N)がマイナス側エラー閾値をマイナス側に超過しているため、14回目のピッチ送りが停止される。これによって、駆動モータ25に異常な過電流が供給されて駆動モータ25などが損傷することを防止できる。
図11において、駆動モータ25の停止位置がエラー閾値より内側であると判定された場合(ST12においてNo)、解析判定部62は、駆動モータ25の停止位置(スプロケット24が停止した回転位置R)が警告閾値の外であるか否かを判定する(ST13:第2警告判定工程)。
すなわち、駆動モータ25の停止位置がプラス側警告閾値より前方か(回転位置ずれ量ΔR(N)がプラス側警告閾値より大きいか)、または、駆動モータ25の停止位置がマイナス側警告閾値より後方か(回転位置ずれ量ΔR(N)がマイナス側警告閾値より小さいか)否かが判定される。駆動モータ25の停止位置が警告閾値の外であると判定された場合(ST13においてYes)、不具合の発生が予測されると判断して警告報知工程(ST6)が実行される。
図12に示す例では、11回目のピッチ送りで回転位置ずれ量ΔR(N)がマイナス側警告閾値をマイナス側に超過しているため、不具合の発生が予測される旨が報知される。これよって、不具合が発生してピッチ送りが停止される前に、絡まったキャリアテープ16を解くなどの処置を行うことができる。なお、回転位置ずれ量ΔR(N)が所定の回数連続してマイナス側警告閾値(プラス側警告閾値も同様)を超過すると、警告報知するようにしてもよい。これにより、ノイズなどの影響で誤った警告が報知されることを防止することができる。
図11において、駆動モータ25の停止位置が警告閾値より内側であると判定された場合(ST13においてNo)、解析判定部62は、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θが所定の閾値以上か否かを判定する(ST14:変化率判定工程)。
すなわち、駆動モータ25の停止位置(停止したスプロケット24の回転位置R)の後退率(マイナス側の変化率θの絶対値)が所定(閾値)以上か、または、駆動モータ25の停止位置(停止したスプロケット24の回転位置R)の前進率(プラス側の変化率θの絶対値)が所定(閾値)以上か否かが判定される。回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θが所定の閾値以上と判定された場合(ST14においてYes)、不具合の発生が予測されると判断して警告報知工程(ST6)が実行される。
図12において、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θは、直近5回のピッチ送りの回転位置ずれ量ΔR(N)を基に算出されている。例えば、5回目のピッチ送り後には、1回目から5回目までのピッチ送りF(1,5)における回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θが算出される。9回目のピッチ送り後には、5回目から9回目までのピッチ送りF(5,9)における回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θが算出される。そして、ピッチ送り毎に、変化率θが所定の閾値と比較される。これによって、回転位置ずれ量ΔR(N)が警告閾値を超過する前の早期の段階でも、不具合の発生を予測することができる。
図11において、回転位置ずれ量ΔR(N)の変化率θが所定の閾値より小さいと判定された場合(ST14においてNo)、次の部品Pを供給するためのピッチ送り工程(ST1)が実行される。
このように、第2の不具合予測方法では、駆動モータ25の動作を監視し、監視された駆動モータ25の動作に基づいて駆動モータ25の負荷を解析し、解析された駆動モータ25の負荷が増加傾向にあるか減少傾向にあるかを判定し、駆動モータ25の負荷が増加傾向または減少傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知している。これによって、テープフィーダ8(部品供給装置)における不具合の発生を予測して、不具合の発生が予測されるテープフィーダ8の位置を作業者に報知することができる。