JP7303095B2 - フィーダの取付構造 - Google Patents

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Description

本明細書は、フィーダの取付構造を開示する。
従来、この種のフィーダとしては、部品実装機のフィーダ台(ベース)に着脱可能に取り付けられ、部品を収容したテープを送ることで部品実装機に部品を供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、フィーダが部品切れになると、作業者がフィーダの本体をフィーダ台から後方にスライドさせて、テープが巻かれたテープリールを交換してから、本体を前方にスライドさせてフィーダをフィーダ台に固定することが記載されている。また、フィーダは、本体の前端面にマイクロスイッチが設けられており、マイクロスイッチがフィーダ台のレバー部材に押し込まれてオンになることで、本体がフィーダ台に固定されたことが検知されるものとなっている。
特開2000-114776号公報
ところで、このようなフィーダには、部品を供給したテープが本体内のテープ通路を通って下部から排出されてフィーダの下方から垂れ下がるものがあり、垂れ下がったテープが巻き取られる前に作業者により取り外される場合がある。その場合、テープが垂れ下がったフィーダが部品実装機に取り付けられると、テープがフィーダとフィーダ台との間に挟み込まれるおそれがある。テープが挟み込まれた状態でフィーダがテープを送り出すと、テープがフィーダ内で詰まってしまうから、部品の供給位置でテープの浮き上がりなどが生じて部品を適切に供給することができなくなる。そのようなことを防止するために、テープの垂れ下がりをセンサなどで検知することも考えられるが、部品実装機の電源がオフの状態でフィーダが取り付けられる場合には、検知することができない。
本開示は、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのを防止することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示のフィーダの取付構造は、
複数の部品を収容したテープをフィーダ本体の供給位置に送り出してから前記フィーダ本体内のテープ通路を通して出口から排出するフィーダを、部品実装機のフィーダ台に着脱可能に取り付けるフィーダの取付構造であって、
前記フィーダは、前記フィーダ台に取り付けられる際の取付方向において前記フィーダ本体内の前記テープ通路の後方側に設けられ、前記テープの幅よりも狭い溝幅の溝部および該溝幅よりも狭い幅の突起部の一方である係合部を備え、
前記フィーダ台は、取り付けられた前記フィーダを支持する支持部から上方に突出して設けられ、前記溝部および前記突起部の他方であって前記係合部に係合する被係合部を備える
ことを要旨とする。
本開示のフィーダの取付構造は、フィーダがフィーダ台に取り付けられる際に、テープ通路の出口からテープが垂れ下がっている場合、そのテープは溝部と突起部の間に挟まれることになる。そうなると、溝部に突起部が嵌まる際に、テープも一緒に押し込まれるから、溝部に突起部が嵌まるのが妨げられる。即ち、テープが垂れ下がっていることにより係合部と被係合部との係合が阻害されて、フィーダをフィーダ台に確実に取り付けることができなくなるから、作業者などがテープの垂れ下がりに気付くことができる。したがって、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのを防止することができる。
部品実装システム10の外観斜視図である。 部品実装機20の概略構成図である。 フィーダ30の概略構成図である。 フィーダ30の部分拡大図である。 フィーダ台40の概略構成図である。 溝部37と突起部46の説明図である。 部品実装システム10の電気的な接続関係を示すブロック図である。 フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられる様子を示す説明図である。 フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられない様子を示す説明図である。
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の部品実装システム10の外観斜視図である。図2は、部品実装機20の概略構成図である。図3は、フィーダ30の概略構成図である。図4は、フィーダ30の部分拡大図である。図5は、フィーダ台40の概略構成図である。図6は、溝部37と突起部46の説明図である。図7は、部品実装システム10の電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、図1,2中、左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。また、図4は、図3の一点鎖線部分の拡大図であり、図4Aがフィーダ30のフィーダ台40への取付方向においてフィーダ30の前方側となる前面の部分拡大図、図4Bがフィーダ30の下面の部分拡大図である。
部品実装システム10は、図1に示すように、印刷装置12と、印刷検査装置14と、複数の部品実装機20と、実装検査装置(図示せず)と、フィーダ交換ロボット50と、フィーダ保管庫60と、システム全体を管理する管理装置80と、を備える。印刷装置12は、基板S上にはんだを印刷する装置である。印刷検査装置14は、印刷装置12で印刷されたはんだの状態を検査する装置である。部品実装機20は、基板Sの搬送方向(X軸方向)に沿って整列され、フィーダ30から供給された部品を基板Sに実装する装置である。実装検査装置は、部品実装機20で実装された部品の実装状態を検査する装置である。印刷装置12と印刷検査装置14と部品実装機20と実装検査装置は、この順番で基板Sの搬送方向に並べて設置されて生産ラインを構成する。フィーダ交換ロボット50は、生産ラインに沿って移動可能であり、複数の部品実装機20に対して必要なフィーダ30を補給したり部品実装機20から使用済みのフィーダ30や使用予定がなくなったフィーダ30を回収したりする。フィーダ保管庫60は、生産ライン内に組み込まれ、複数のフィーダ30を保管する。
部品実装機20は、図2に示すように、実装機本体21と、実装機本体21に対して着脱可能なフィーダ30と、を備える。実装機本体21は、基板Sを左から右へと搬送する基板搬送装置23と、フィーダ30が供給した部品を吸着する吸着ノズルを有するヘッド24と、ヘッド24を前後方向および左右方向(XY方向)に移動させるヘッド移動機構25と、装置全体を制御する実装制御部29(図7参照)と、を備える。基板搬送装置23とヘッド24とヘッド移動機構25は、基台22b上に設けられた筐体22a内に配置されている。実装制御部29は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、基板搬送装置23やヘッド24、ヘッド移動機構25などに駆動信号を出力する。
フィーダ30は、フィーダ本体31が略矩形状のカセット式のテープフィーダであり、図2に示すように、実装機本体21の筐体22aの前面に設けられたフィーダ台40に、X軸方向に複数並ぶように着脱可能に複数保持される。また、フィーダ30は、図3,図4,図6に示すように、テープリール32と、テープ送り機構33と、コネクタ35と、テープ通路36と、レール部材38と、フィーダ制御部39と、を備える。
テープリール32は、テープTが巻回されている。テープTは、その長手方向に沿って所定間隔で凹部が形成されており、各凹部には、部品が収容されている。これらの部品は、テープTの表面を覆うフィルムによって保護されている。テープ送り機構33は、テープリール32からテープTを引き出して送り出すものであり、テープTに等間隔で設けられた係合穴(図示せず)と係合する係合突起が外周に設けられたスプロケット33sと、スプロケット33sを正逆両回転方向に駆動可能な送りモータ33m(図7参照)と、を備える。また、テープ送り機構33は、スプロケット33sの回転位置(スプロケット位置)を検出する例えば磁気センサなどのセンサ33e(図7参照)も備える。フィーダ30は、部品の収容ピッチに応じた回転量でスプロケット33sが回転するように送りモータ33mを駆動し、スプロケット33sに係合されたテープTを所定送り量ずつ送り出すことで、テープTに収容された部品を順次、部品供給位置へと供給する。テープTに収容された部品は、部品供給位置の手前でフィルムが剥がされることにより部品供給位置で露出した状態となり、吸着ノズルにより吸着可能となる。コネクタ35は、取付方向に突出する2本の位置決めピン34を有する。テープ通路36は、部品供給位置で部品が取り出されたテープT(以下、空テープTともいう)を、コネクタ35とスプロケット33sとの間を下方へ通して、フィーダ本体31の下端に形成された出口36aから排出する通路である。なお、フィーダ本体31は、テープ通路36を形成する内壁面36bの間の距離(幅)がフィーダ30で使用可能なテープTの最大幅よりも若干大きな幅となっている。レール部材38は、フィーダ30の下端に設けられ、取付方向に延びている。フィーダ制御部39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、センサ33eにより検出されたスプロケット33sの回転位置が入力され、テープ送り機構33の送りモータ33mに駆動信号を出力する。また、フィーダ制御部39は、コネクタ35を介してフィーダ30の取付先の制御部(実装制御部29や管理制御部82など)と通信可能となっている。なお、本開示でフィルムは巻回式で剥がされるが、これに限られない。
フィーダ台40は、側面視がL字状の台であり、図2,図5,図6に示すように、複数のスロット42と、各スロット42に対応する2つの位置決め穴44と、各スロット42に対応するコネクタ45と、各スロット42に対応する突起部46とを備える。フィーダ台40は、スロット42にフィーダ30のレール部材38が挿入された状態でフィーダ30がスライドすることにより取り付けられ、支持面43でフィーダ30を支持する。2つの位置決め穴44には、フィーダ30の2本の位置決めピン34が挿入され、フィーダ30がフィーダ台40に位置決めされる。コネクタ45は、2つの位置決め穴44の間に設けられ、フィーダ30のコネクタ35と接続される。また、フィーダ台40には、フィーダ30のテープ通路36の出口36aと連通する導入口40aが形成されている。テープ通路36を通って出口36aから排出された空テープTは、導入口40aから下方へ導入される。
また、部品実装機20には、図5に示すように、フィーダ台40の底部に、導入口40aから下方へ導入された空テープTを切断するための切断装置47が設けられている。切断装置47は、固定刃48aと、可動刃48bと、可動刃48bを駆動する駆動装置49と、を備える。切断装置47は、駆動装置49により可動刃48bを固定刃48aに向かって往復動させることで、固定刃48aと可動刃48bとの間の空テープTをハサミによる剪断力によって切断する。切断された空テープTは、筐体22aを支持する基台22bに配設されたダストボックス28に回収される。なお、切断された空テープTは、基台22bに生産ラインに沿って設けられたコンベア装置によって機外に搬送されてもよい。
また、フィーダ30には、フィーダ本体31内の下部に凹状の溝部37が設けられており、フィーダ台40には、取り付けられたフィーダ30の溝部37に嵌まる突起部46が設けられている。溝部37は、フィーダ30のフィーダ台40への取付方向(図6中矢印参照)において、テープ通路36よりも後方側に設けられている。この溝部37は、テープ通路36を形成する内壁面36bと隙間なく形成された2つの端面37a(網掛け部分)と、両端面37aに挟まれてテープ通路36の幅よりも狭い溝幅W0に形成された溝底面37bとを有する。両端面37aおよび溝底面37bは、下から上に向かうにつれてテープ通路36側にせり出すように傾斜している。なお、溝部37は、フィーダ本体31とは別部材として形成されてフィーダ本体31内に取り付けられてもよいし、フィーダ本体31と一体的に形成されてもよい。溝部37は、端面37aが溝部37の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されている。例えば、溝部37にローレット加工などの滑り止め加工が施されていてもよい。あるいは、溝部37が樹脂の射出成形により形成される場合、成形用の金型における端面37aの形成箇所にシボ加工などの凹凸を施して端面37aにその凹凸が転写されているものなどとしてもよい。なお、フィーダ本体31は、取付方向において前方側となる前面の下部に、出口36aに連続すると共にテープ通路36に連通する開口31aが形成されている。
一方、突起部46は、フィーダ台40の支持面43から上方に突出するように設けられており、溝部37に係合可能な幅W1で側面視で略台形状に形成されている。幅W1は、フィーダ30で使用可能なテープTの最小幅よりも小さな幅となっている。突起部46は、溝部37の端面37aや溝底面37bとは反対に、上から下に向かうにつれて溝部37側にせりだすように傾斜している。また、突起部46は、少なくとも溝部37側の端面46a(網掛け部分)が、突起部46の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されている。なお、フィーダ台40の支持面43は、フィーダ30がスライドする際に摺動可能に平滑に形成されるから、溝部37の端面37aや突起部46の端面46aは、支持面43よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されているものということもできる。また、突起部46は、幅W1がフィーダ30の開口31aの幅W2よりも狭い幅で且つ高さH1が開口31aの高さH2よりも低い高さで設けられている。このため、フィーダ30が取付方向に移動してきた場合、突起部46は開口31aからフィーダ本体31のテープ通路36内に進入することになる。また、フィーダ30がフィーダ台40への取付位置まで移動(スライド)すると、突起部46が溝部37に嵌まり込んで係合することになる。
フィーダ交換ロボット50は、図1に示すように、複数の部品実装機20の前面およびフィーダ保管庫60の前面に基板の搬送方向(X軸方向)に対して平行に設けられたX軸レール16に沿って移動可能である。フィーダ交換ロボット50は、図7に示すように、ロボット移動機構51と、フィーダ移載機構53と、エンコーダ57と、ロボット制御部59と、を備える。ロボット移動機構51は、X軸レール16に沿ってフィーダ交換ロボット50を移動させる。フィーダ移載機構53は、フィーダ30を部品実装機20やフィーダ保管庫60との間で移載する。エンコーダ57は、フィーダ交換ロボット50の左右方向(X軸方向)の移動位置を検出する。ロボット制御部59は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、エンコーダ57から検出信号を入力し、ロボット移動機構51やフィーダ移載機構53に駆動信号を出力する。フィーダ交換ロボット50は、ロボット移動機構51やフィーダ移載機構53を制御することにより、部品実装機20と向かい合う位置まで移動して当該部品実装機20のフィーダ台40に対してフィーダ30を着脱する。フィーダ保管庫60は、部品実装機20に設けられるフィーダ台40と同様のフィーダ台を複数有している。フィーダ交換ロボット50は、ロボット移動機構51やフィーダ移載機構53を制御することにより、フィーダ保管庫60と向かい合う位置まで移動してフィーダ保管庫60のフィーダ台に対してフィーダ30を着脱する。
管理装置80は、汎用のコンピュータであり、図7に示すように、管理制御部82と、キーボードやマウスなどの入力デバイス84と、ディスプレイ86と、記憶装置88と、を備える。管理制御部82は、CPUやROM,RAMなどで構成され、入力デバイス84とディスプレイ86と記憶装置88とが電気的に接続されている。記憶装置88は、HDDやSSDであり、生産に必要な各種情報が記憶されている。また、管理装置80は、実装制御部29と有線により通信可能に接続され、各部品実装機20と各種情報をやり取りする。管理装置80は、フィーダ30が部品実装機20に着脱されたときに、対応する部品実装機20から着脱状況を受信してフィーダ装着情報を最新の情報に更新する。さらに、管理装置80は、ロボット制御部59と無線により通信可能に接続され、各種情報をやり取りする。また、管理装置80は、印刷装置12や印刷検査装置14、実装検査装置の各制御装置とも通信可能に接続され、各種情報をやり取りする。管理装置80は、記憶装置88に記憶している各種情報や各部品実装機20の実装制御部29から受信した実装状況などに基づいて段取り替え発生の有無を判定し、段取り替えが発生したと判定すると、フィーダ30の着脱などを含む段取り替えの指示をロボット制御部59に送信する。
ここで、部品実装機20の実装制御部29は、フィーダ台40に装着されている使用済みのフィーダ30がフィーダ交換ロボット50により回収される場合には、回収に先立って、垂れ下がった空テープTを切断するように切断装置47を制御してから、使用済みのフィーダ30のフィーダ制御部39に対して空テープTの巻き戻し動作を指示する。巻き戻し動作の指示を受けたフィーダ制御部39は、スプロケット33sを逆回転させて余分な空テープTがフィーダ台40内に巻き戻されるように送りモータ33mを制御する巻き戻し動作を実行する。空テープTの巻き戻し量は、溝部37の上面から切断装置47までの距離分以上に定められている。このため、巻き戻し動作が実行されると、フィーダ30外に空テープTが垂れ下がらず、且つ、テープ通路36内において溝部37よりも上方まで空テープTが戻されて溝部37の前に空テープTが位置しない状態となる。このため、次にフィーダ交換ロボット50がフィーダ30をフィーダ台40に装着する際に、空テープTがフィーダ30とフィーダ台40との間に挟み込まれるのを防止することができる。また、部品実装機20は、使用予定のフィーダ30がフィーダ交換ロボット50によりフィーダ台40に装着される場合には、当該フィーダ30の装着後に、フィーダ制御部39に対してテープTの頭出し動作を指示する。頭出し動作の指示を受けたフィーダ制御部39は、スプロケット33sを正回転させてテープTを巻き戻し前の位置まで送り出されるように送りモータ33mを制御する。テープTの送り出し量は、巻き戻し動作の際の空テープTの巻き戻し量と同じ量に定められる。
しかし、部品実装機20にエラーが発生すると、作業者が点検を行なうためにフィーダ30を一旦取り外すことがあり、空テープTの巻き戻し動作が実行される前にフィーダ台40からフィーダ30が取り外される場合がある。このため、作業者自らが、フィーダ30から垂れ下がった空テープTを切断する必要がある。しかし、作業者が空テープTの切断を忘れてフィーダ台40に再び取り付けると、垂れ下がった空テープTがフィーダ30とフィーダ台40との間に挟み込まれる場合が生じる。また、作業者が空テープTの切断を忘れてフィーダ保管庫60のフィーダ台に戻すと、フィーダ30はそのままの状態でフィーダ交換ロボット50によりフィーダ台40に取り付けられて、垂れ下がった空テープTがフィーダ30とフィーダ台40との間に挟み込まれる場合が生じる。そして、空テープTは、フィーダ30から送り出される度に、テープ通路36内に溜まっていき、やがてテープ詰まり(ジャム)が発生して部品を正常に供給することができなくなる。なお、このテープ詰まりは、エラー時に限られず、作業者が空テープTの巻き戻し動作が実行される前にフィーダ30をフィーダ台40から取り外してから、空テープTが垂れ下がった状態のフィーダ30をフィーダ台40に取り付けた場合に、同様に発生するおそれがある。
本実施形態では、そのように空テープTがフィーダ30外に垂れ下がった状態のフィーダ30が、フィーダ台40に取り付けられるのを防止するために、フィーダ30のフィーダ台40への取付構造に溝部37と突起部46とが設けられている。ここで、図8は、フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられる様子を示す説明図であり、図9は、フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられない様子を示す説明図である。図8のフィーダ30は、上述した巻き戻し動作が取り外し時に実行されたものであり、空テープTがテープ通路36内において溝部37よりも上方まで戻されて溝部37の前に位置しない状態となっている(図8A参照)。このフィーダ30をフィーダ台40に取り付ける場合、空テープTが溝部37と突起部46との間に挟まれることなく、突起部46が溝部37に係合する(溝部37に嵌まる)ことになる。即ち、溝部37と突起部46との係合を伴って、フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられる(図8B参照)。
一方、図9のフィーダ30は、上述した巻き戻し動作が実行されずに取り外されたために、空テープTがフィーダ30外に垂れ下がったままの状態で、再度フィーダ30に取り付けられるものである。このため、空テープTがテープ通路36内の溝部37の前に位置する状態となっている(図9A参照)。このフィーダ30をフィーダ台40に取り付ける場合、空テープTが溝部37と突起部46との間に挟まれるから、突起部46は空テープTを押し込むように溝部37内に進入することになる。このため、突起部46と溝部37とは空テープTに阻まれて確実(最後まで)に係合することができなくなる。即ち、空テープTが溝部37と突起部46との間に挟まれてフィーダ30のスライドを阻害してフィーダ30が止まるため、フィーダ30がフィーダ台40に正常に取り付けられないものとなる(図9B参照)。これにより、フィーダ交換ロボット50がエラーを検知したり、作業者がフィーダ30を正常に取り付けできないことに気付いたりするから、作業者などが空テープTの垂れ下がりに気付くことができる。したがって、空テープTが垂れ下がったフィーダ30が取り付けられて、テープ詰まりが発生するのを防止することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフィーダ本体31がフィーダ本体に相当し、テープ通路36がテープ通路に相当し、フィーダ30がフィーダに相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、フィーダ台40がフィーダ台に相当し、溝部37が溝部(係合部)に相当し、突起部46が突起部(被係合部)に相当する。また、開口31aが開口に相当する。また、切断装置47が切断装置に相当し、導入口40aが導入口に相当する。
以上説明した実施形態のフィーダ30の取付構造では、フィーダ30が、テープ通路36の後方側に設けられテープTの幅よりも狭い溝幅の溝部37を備え、フィーダ台40が支持面43から上方に突出して設けられた突起部46を備える。このため、空テープTが垂れ下がっていることにより溝部37と突起部46との係合が阻害されて、フィーダ30をフィーダ台40に正しく取り付けることができなくなるから、作業者などが空テープTの垂れ下がりに気付くことができる。したがって、空テープTが垂れ下がった状態でフィーダ30が取り付けられるのを防止することができる。
また、溝部37は、テープ通路36の内壁面36bとの間に隙間なく設けられているから、溝部37と突起部46との間に挟まれた空テープTが、そのような隙間に逃げるのを抑制することができる。また、溝部37の端面37aと、突起部46の端面46aとは、摩擦抵抗が大きくなるように形成されているから、溝部37と突起部46との間に挟まれた空テープTが滑りにくくなり、その間から逃げるのを抑制することができる。これらのことから、溝部37と突起部46との間に空テープTをより確実に挟み込むことができるため、空テープTが垂れ下がった状態でフィーダ30が取り付けられるのをより確実に防止することができる。
また、フィーダ30は、フィーダ本体31の前面の下部に出口36aに連続すると共にテープ通路36に連通する開口31aが形成されており、突起部46は、開口31aの幅よりも狭い幅で且つ開口31aの高さよりも低い高さで設けられている。このため、フィーダ台40の支持面43上をフィーダ30がスライドするのを妨げることなく、空テープTが垂れ下がった状態でフィーダ30が取り付けられるのを防止することができる。
また、フィーダ台40は、フィーダ30の出口36aから排出された空テープTを、下方に配置された切断装置47へ導入するように出口36aに連通する導入口40aが形成されている。突起部46は、導入口40aよりも取付方向における後方側に設けられているから、排出された空テープTが切断装置47へ導入されるのを妨げることなく、空テープTが垂れ下がった状態でフィーダ30が取り付けられるのを防止することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、溝部37の端面37aと、突起部46の端面46aとが他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されているものとしたが、これに限られるものではない。溝部37の端面37aと、突起部46の端面46aとのうち少なくとも一方が、他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されているものとしてもよい。あるいは、溝部37の端面37aと、突起部46の端面46aとがいずれも、他の面と摩擦抵抗が同等となるように形成されているものとしてもよい。
上述した実施形態では、溝部37は、テープ通路36の内壁面36bとの間に隙間なく設けられるものとしたが、これに限られず、隙間をもって設けられるものとしてもよい。
上述した実施形態では、溝部37がフィーダ30に設けられ、突起部46がフィーダ台40に設けられるものとしたが、これに限られず、溝部37がフィーダ台40に設けられ、突起部46がフィーダ30に設けられるものとしてもよい。
上述した実施形態では、フィーダ30を取付方向にスライドさせるようにしてフィーダ台40に取り付けるものとし、フィーダ30の前面に開口31aが形成されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、フィーダ30を取付方向の前端の位置を合わせた状態で、前端の位置を支点にフィーダ30を回しながら、出口36aに突起部46が収まるようにフィーダ30をフィーダ台40に取り付けるものなどとしてもよい。そのように構成する場合、開口31aが形成されないものとしてもよい。
上述した実施形態では、フィーダ台40は底部に空テープTを切断する切断装置47が設けられるものとしたが、これに限られず、フィーダ交換ロボット50や作業者が空テープTを切断するものなどとして、導入口40aは単に空テープTを下方へ送る開口であってもよい。また、そのようにする場合、フィーダ交換ロボット50や作業者が空テープTの切断後に、巻き戻し動作を指示するものとすればよい。
ここで、本開示のフィーダの取付構造は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示のフィーダの取付構造において、前記係合部は、前記テープ通路の内壁面との間に隙間なく設けられた前記溝部であり、前記被係合部は、前記突起部であるものとしてもよい。こうすれば、テープが突起部に押されたときに、テープ通路の側壁がテープをガイドしてテープが逃げるのを抑制することができる。このため、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのをより適切に防止することができる。
本開示のフィーダの取付構造において、前記突起部は、前記溝部側を向く端面が該突起部の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成され、前記溝部は、前記突起部側を向く端面が該溝部の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されているものとしてもよい。こうすれば、垂れ下がっているテープが突起部に押されたときに、突起部の端面と溝部の端面との間からテープが逃げるのを抑制して、テープをより確実に挟み込むことができる。このため、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのをさらに適切に防止することができる。
本開示のフィーダの取付構造において、前記フィーダは、前記取付方向において前記フィーダ本体の前方側となる前面の下部に、前記出口に連続すると共に前記テープ通路に連通する開口が形成されており、前記被係合部は、前記開口の幅よりも狭い幅で且つ該開口の高さよりも低い高さで設けられているものとしてもよい。こうすれば、フィーダ台の支持部上をフィーダがスライドするのを妨げることなく、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのを適切に防止することができる。
本開示のフィーダの取付構造において、前記フィーダ台は、前記フィーダの前記出口から排出された前記テープを、下方に配置された切断装置へ導入するように前記出口に連通する導入口が形成されており、前記被係合部は、前記導入口よりも前記取付方向における後方側に設けられているものとしてもよい。こうすれば、排出したテープが切断装置へ導入されるのを妨げることなく、テープが垂れ下がった状態でフィーダが取り付けられるのを適切に防止することができる。
本開示は、フィーダや部品実装機の製造産業などに利用可能である。
10 部品実装システム、12 印刷装置、14 印刷検査装置、16 X軸レール、20 部品実装機、22a 筐体、22b 基台、23 基板搬送装置、24 ヘッド、25 ヘッド移動機構、28 ダストボックス、29 実装制御部、30 フィーダ、31 フィーダ本体、31a 開口、32 テープリール、33 テープ送り機構、33s スプロケット、33m 送りモータ、33e センサ、34 位置決めピン、35 コネクタ、36 テープ通路、36a 出口、36b 内壁面、37 溝部、37a 端面、37b 溝底面、38 レール部材、39 フィーダ制御部、40 フィーダ台、40a 導入口、42 スロット、43 支持面、44 位置決め穴、45 コネクタ、46 突起部、46a 端面、47 切断装置、48a 固定刃、48b 可動刃、49 駆動装置、50 フィーダ交換ロボット、51 ロボット移動機構、53 フィーダ移載機構、57 エンコーダ、59 ロボット制御部、60 フィーダ保管庫、80 管理装置、82 管理制御部、84 入力デバイス、86 ディスプレイ、88 記憶装置、S 基板、T テープ(空テープ)。

Claims (5)

  1. 複数の部品を収容したテープをフィーダ本体の供給位置に送り出してから前記フィーダ本体内のテープ通路を通して出口から排出するフィーダを、部品実装機のフィーダ台に着脱可能に取り付けるフィーダの取付構造であって、
    前記フィーダは、前記フィーダ台に取り付けられる際の取付方向において前記フィーダ本体内の前記テープ通路の後方側に設けられ、前記テープの幅よりも狭い溝幅の溝部および該溝幅よりも狭い幅の突起部の一方である係合部を備え、
    前記フィーダ台は、取り付けられた前記フィーダを支持する支持面から上方に突出して設けられ、前記溝部および前記突起部の他方であって前記係合部に係合する被係合部を備える
    フィーダの取付構造。
  2. 請求項1に記載のフィーダの取付構造であって、
    前記係合部は、前記テープ通路の内壁面との間に隙間なく設けられた前記溝部であり、
    前記被係合部は、前記突起部である
    フィーダの取付構造。
  3. 請求項1または2に記載のフィーダの取付構造であって、
    前記突起部は、前記溝部側を向く端面が該突起部の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成され、
    前記溝部は、前記突起部側を向く端面が該溝部の他の面よりも摩擦抵抗が大きくなるように形成されている
    フィーダの取付構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィーダの取付構造であって、
    前記フィーダは、前記取付方向において前記フィーダ本体の前方側となる前面の下部に、前記出口に連続すると共に前記テープ通路に連通する開口が形成されており、
    前記被係合部は、前記開口の幅よりも狭い幅で且つ該開口の高さよりも低い高さで設けられている
    フィーダの取付構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフィーダの取付構造であって、
    前記フィーダ台は、前記フィーダの前記出口から排出された前記テープを、下方に配置された切断装置へ導入するように前記出口に連通する導入口が形成されており、前記被係合部は、前記導入口よりも前記取付方向における後方側に設けられている
    フィーダの取付構造。
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